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ベルセルク⑦

2011.11.12
 映画第三弾ベルセルク黄金時代偏Ⅲ降臨(タイトルは今度は短くなったのね。)は2013年1月に公開予定だそうです。(で、1月にチェックしてみたら2月に延期されていました。まあ予定は未定って事だから…。)1年がかりのプロジェクトという訳で第1段の時と同じく新巻発売&帯に宣伝がつくのかと期待していたら新刊は3月に発売予定(間に合わない。)だそうで…ここは頑張って映画とタイミング合わせるんじゃないんですか、三浦先生!?(ページが足りないというのならコミックス未収録のグリフィスと神様との対話を収録しちゃっていいですから!)と涙目でツッコミを入れてしまいました。(もうどんなに物語が薄くなろうと文句言いませんから、せめて年1冊ペースはキープして下さいよ…。)そんな訳で次の新刊ははリアルタイムに本屋で(帯目当てで)買う事は無さそうです…ゲフッ!

 ガッツ…キャスカ「何故だ…どうして…お前でなければならないんだ…どうして…。」

そんなこと言われても俺だって好きで男(グリフィス)に好かれたわけじゃ…と思わず上を仰いで困ってしまうほどやりきれない思いを感じているガッツさんですが、ともあれ自分の存在でキャスカを泣くほど苦しめてしまった(よりにもよって男に負けてしまったって確かに女としてショックだったでしょうね…。)事は事実でキャスカの為…というより彼女に対する罪悪感から百人斬りを達成していました。達成できるのも凄いですがそれに関しては「お前やグリフィスは生きてることを丸々賭けちまうほどの物を持ってる…。それに比べりゃ俺が行き当たりばったりで百人と斬り合おうがそんなことは大したことねえってさ…そう思ったんだ。」と珍しく殊勝な態度で自分を諫めています。女としての人生を捨ててまでグリフィスの剣として尽くしているキャスカや、夢の為に(ホモ貴族にカマ掘られてまで)人生を賭けて戦っているグリフィスに比べて自分はただ「仕事」をこなしてきただけだった。部下達が「仕立て屋を始める」「惚れた女と結婚する」などの夢を持っているのに対して自分は未来への展望も目的も夢も何もない→そしてそれはグリフィスの側にいる限り、彼の夢に安穏とぶら下がっている限り見つけることはできない、と自我に目覚めてきたのでしょうね。普通はそれでも「こんなにいい暮らしができるんだから、それはそれ、これはこれ。」と現実に妥協してしまうもの(好例・盗賊団の頭というトップの座を捨ててグリフィスの部下になり下がったコルカス。)なのですが、貧乏でも辛くても自分の足で生きて行く方を選ぶ辺りが彼らしいです。思い立ったが吉日という事で遠征が終わったらもう鷹の団を抜けることを決めており(早!)歯車はこうして回っていくのでした…。

 グリフィス…キャスカ「どうして…グリフィスが…あんな奴と…!?」
グリフィス「軍隊の人、馬、食糧、どれもタダじゃない。莫大な軍資金が必要だからさ。」
キャスカ「どんだけ…高値で売ったの…!?」

理由は金の為に、よりにもよって男に負けてしまったキャスカさんでした…ゲフッ!(私だったらこんな性悪男との1夜の為に大金つぎ込まずに自前の美少年ハーレムで大満足してしまいますが…ゴフッ!)このホモ貴族×グリフィスの事情は普段からふんだんにボーイズラブを読んでいる私としては別に普通の展開(ちょっと待て、コラ!)だったのですが健全な男性読者からは「いくら金の為でもそこまでするか!?」と驚きも大きかったようでキャスカも「そこまで自分を傷つけてまで夢を追うなんて…。」とグリフィスへの想いは(余計に)募ってしまった様子です。(最も幼い頃にレイプされかけた彼女と違ってグリフィスは男に体を差し出す事にキャスカ程の恐怖も嫌悪感も抱いてなかったと思いますが…「これ以上仲間を死なせない為にと胸が潰れそうな思いで身を投げ出してくれた。」とキャスカは誤解してそうですよね。奴は損得計算で動いただけで仲間を大切にする男じゃありませんってば。)読者の私には目的の為には他人を利用して手段を選ばない彼の非情さが透けて見えて(というかバレバレで)恋情を募らせるどころかドン引きしてしまうシーンだったのですが当事者の人々には現実が見えないようです。ガッツといいグリフィスといいキャスカ(36巻現在)といい、これはメインキャラ全員が非処女という稀有な漫画なんだなあ、と改めて内容の大人具合を感じてしまったものでした…ガフッ!

 キャスカ…「仲間を連れて必ず戻る!それまで…死ぬな!」
「ベルセルク特別版が発売中だから買ってくる!それまで…死ぬな!」(CMより。映画化は嬉しかったですがシナリオ書いている人はキャスカの事があまり好きじゃないんだな…というのが伝わってきて複雑になったものでした。)
「グリフィスが事故ったって電話が…!すぐにお金振り込まなくちゃ!」(それは振りこめ詐欺の匂いがしますよ、キャスカ姉さん!)
「で、電車のドアから…手が抜けないっ!」(ちなみに今度そっちのドア開くの終点ね。)
というセリフ入れ替えネタに思わず笑ってしまったものでした。という訳で今回は甲冑つけたまま山道のランニング(おまけに生理中。血が出るから貧血を起こしやすく、腹痛はするわで酷い人は寝込む羽目にもなる。出産が「生理痛を酷くしたような痛み」だという認識からこれがどんだけ辛いものなのかは男でもご想像いただけるかと思います。)をする羽目になっている(そしてやっぱりセクハラにも遭っている)本作品のヒロイン、キャスカについて語っていこうと思います。(毎回女として酷い目に合ってるというか…これだけ服脱がされてレイプされかけているヒロインは他にいない気がします…ゲフッ!)

キャスカ「あの沈着冷静なグリフィスがお前の事となるといつも衝動的になる。まるで…夢を忘れてしまったかのように。」

その夢の為に数えきれないくらいの仲間を失って、女としての幸せもとうに捨て去って、夢を叶える道具として生きてきた彼女としてはグリフィスが1個人の為に全てをフイにしようとしている(実際9巻でガッツが去った後やけっぱちでお姫様の純潔を奪ってフイにしてしまった。)今の状況(ガッツ)が許せなくなってしまうのも分かる気がします。とはいえガッツにも他人(キャスカ)を思いやったり守ろうとしたりする部分はある訳で(それを早い段階からグリフィスに対して発揮していればキャスカも「まあこいつは部下としては一流だから…。」と認めていたろうにね。)身をもってそれを実感した彼女は「どうして…私はあんなに酷い事をお前に言ったのに…。」と罪悪感を感じると同時に剣としてでなく女として惹かれていくことになるのでした。本人達が自覚していないだけで実は両想いであっただけに出て行く前にもう1つけじめをつけておくことがあっただろ(ジュドーにじゃなくて本人に告って下さいよ…。グリフィスが身分も何もない村娘や有能であっても部下に過ぎない女に妥協しない事なんて始めから分かっていたことじゃないですか。)とガッツにツッコミを入れてしまったものでした。

 ジュドー…ジュドー「お前達を探しに捜索隊を出すようグリフィスに進言しに行った時、グリフィスは言ったぜ、キッパリと。『あの2人は鷹の団の要です。失う訳にはいかない。』ってね。」
キャスカ「(古参の私が入って2年の新入りと同じレベルだなんて…。)…グスッ。(涙)」
ジュドー「まあ、元気出せよ、お前…。」

そうかキャスカ達を助けるよう1番に進言してくれたのはジュドーだったのか、と改めて彼のキャスカへの想いが年季が入っていた物だったと知ると共にこの人がキャスカと落っこちてくれていたら2人は…とあらぬ妄想を膨らませたものですが深く考えなくてもジュドーでは100人斬り達成は不可能だと気づき結局この人には13巻と同じ結末しか待っていないのか…(グリフィスに犯される事態が無いのでキャスカは発狂せずに済むかもしれないが。)と色々悲しくなってしまった物でした。剣として帰ってきたのに肝心のグリフィスは軍議の方が大事だった(ガッツと一緒に帰って来なかった場合、彼は本当に予定を繰り上げて来てくれただろうか?)という現実にキャスカも落ち込んでいただけにジュドーのフォローは嬉しかった事でしょうがその後の展開を考えると本当に本人の為になったのかは不明です。(むしろ「そういう男なんだから、いい加減そろそろ諦めた方がいいよ。」とトドメを刺しておいた方が良かった…かも。)ともあれ側でキャスカの変化を敏感に察知している彼としてはグリフィス以外の男を意識し始めているのを嬉しく思う反面それが自分でない事に寂しさも感じているだろうな…と複雑になったものでした。

 アドン…アドン「生理だったのでも言うのかああ!?」
キャスカ「大声で言うなぁぁ!」
部下「そーか、生理だったのか。」

あの真面目なキャスカさえコントの世界に引き摺りこんだ自称・不死身男爵。(ちなみに男爵とは公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵という順になる爵位の中では1番低い身分の事であり割合簡単に取得できる大した事の無い爵位なんだそうです…ゲフッ!)私怨を晴らす為に連れ出した傭兵団や有能な戦士である弟・サムソン(その割にはいきなりガッツに殺られてしまった鉄球使いでしたが…。)を犠牲にした罪で「誰が金払って傭兵団を雇っていたと思ってるんだよ!」と今回は謹慎転じて居残り組となっています。それを逆手に取ってキャスカ達突入隊に戦いを挑むも無能な彼では城塞防護は無理だったというオチが有り(まあキャスカの部下達はやっつけられている辺り戦士として全く使えない男ではないのでしょうが…いかんせんおつむの方が弱すぎました…ゴフッ!)次巻では見事に殺られて城を奪われていました。ボケに対する部下の冷静なツッコミが笑えただけにこれ以降登場しなくなってしまう事がちょっと残念にも感じてしまう、そんな魅力的な悪役でした…ガフッ!

 余談…ドルドレイ攻略にあたって壊滅した白虎騎士団の団長がしっかり虎柄鎧&マント(鮫型のアドンもいい勝負ですが…なんちゅー甲冑だ。)を着ていた事に気づいて吹いてしまったものでした…ゲッフン!
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ベルセルク⑧

2011.11.11
 青年編最終章突入に伴い「ウェルカム トゥ ザ ダークワールド。友情は終わりを告げた。仲間との暖かな日々も失った。ほのかな恋心も捨て去った。新しき何かを求めて旅立ったガッツ。しかし彼の歩く果てにあるのは一面の暗黒、狂気の豪雨、死の嵐、全ては因果律のインナーワールド。だがそのことを知っているのはあなた方だけで彼らは何も知りはしないのだ。」というブラックな予告が巻末に入っていました。という訳でガッツ旅立ち編です。

 ガッツ…グリフィス「こんな薄汚い陰謀の方棒をかつがせ、しかも自分は手を汚さず、危険で辛い仕事は全てお前任せ…俺を酷い奴だと思うか?」

そりゃ酷いだろ。(自分でそういう自覚があるならやめなさい。)と100人が100人冷静にツッコミをしそうな場面ですが、既に鷹の団を辞めることを考えていたガッツは「バーカ、いまさら何言ってやがるんだよ。」と返しています。しかしこの言葉には(どんな場合にも当てはまる意味なのですが)「いまさら気にすんなよ!」という意味の他に「いまさらそんなことお前に期待してねえよ!」という意味がある事を…グリフィスは分かっていませんでした。(思えばこの時から2人の気持ちはすれ違っていたんだよな…。)そして祝賀会でも毒を盛った給仕係や大臣の娘を誘拐した盗賊達の「処理」をする羽目になったガッツは、冬の寒い朝、鷹の団を去って行ったのでした…。栄光よりプライドを取った結果です。

 キャスカ…ここで彼女が「グリフィスならガッツを止めてくれるかもしれない!」と知らせに行かなければジュドーが夜通しガッツと酒場で語り合っていなければ(朝になってますよ!)あの2人が斬り合いの勝負をすることは無く、ひいてはグリフィスが負けた上でガッツを失ったことで暴走することも無かったのですが…歯車が回るというのはこういうことを言うのでしょうね。最後の場面でキャスカは「ガッツ…!」と負けに打ちのめされているグリフィスよりも去りゆくガッツの事を気にかけていますが、考えてみればこれは当然の結果です。栄光が約束されているグリフィスよりも、いつどこで野たれ死ぬか分からないガッツの方がはるかに「可哀想な存在」なんですから。(この人が動く基準って同情なんだよな~。精神構造的にナースなので。)

 グリフィス…グリフィス「あの時言ったはずだ。お前は俺の物だとな。」

だからってどんな扱いしても許されるって訳じゃないだろ(最前線で戦わせた挙句に暗殺という汚い仕事をやらせ…自分がガッツに何をしてきたかよ~く考えてごらんなさい。)という常識的なツッコミは彼の耳には届きません。別れの場面も普通(の2流恋愛ドラマ)だったら「あたしのガッツ!行かないで!あんたが行ってしまったら、あたし、死んでしまうから!」「愛してるの!いつまでも、おじいちゃんになってもガッツの事、待ってるからね!」というセリフに繋がる所(どんなドラマだよ!)なのですが自分の事しか考えていないグリフィスは刃傷沙汰に訴えています。挙句の果てには「それでガッツが大怪我しようが剣がブレて本当に殺してしまおうが…かまわない!」(かまおうよ!)と相手の幸せなんか微塵も考えていない始末で(その後の蝕であんな扱いもするわけです。)だからガッツは去っていったんだよ、と展開に心から納得してしまいました…ゲフッ!

 ゲノン閣下…後の鬚骸骨。グリフィスに片目を貫かれて気絶するも生きていたようでその後はわびしい海賊に身を落として登場していました。(再登場時、ヒゲのツヤも落ちてます。)グリフィスとは1夜のあやまち(取引)を交わした仲で「余計な事を言われるのも都合が悪い。」と刺されたのですが生きていられたのに何故黙っていたのでしょうか?色子を何人も抱えられるほど(それが全て少年だった辺り真性ホモだという事が分かる…ゲフッ!)金の有り余った生活(というか財産)だったのになぜ身分もない海賊にまで堕ちぶれるのかも謎で(第2次世界大戦に負けた日本の華族はアメリカ兵に邸宅等を没収され没落の一途を辿ったらしいですが…まさか彼まで斜陽族に?)再登場時の転落ぶりに「?」と思ってしまいました。無駄に関連して登場させるよりも今ここで死んでいた方が潔かったのではないかとも思ってしまったり…ゲフッ!(情けないキャラの再登場ならアドンの方を出してほしかったです…。)

 フォス大臣…彼が取り出したアンチアリス(アンチアリン。クワ科の広葉樹。東南アジア~南アジア原産の常緑樹で別名ミルクツリー。耐久力は非常に低く造作材、梱包材、合板の芯として使われてきた。)という毒物は原木は悪臭を放つものの乾燥すると匂いが消え水に濡れると再び悪臭を放つ特性を持っているのですがそれを盃(水分)に入れて臭いは出ないのでしょうか?(王妃様がついているから何も怖いものは無い?)対してグリフィスが入れたヒヨスは痙攣や瞳孔散大(他、幻覚、情動不安、頻脈、嘔吐、高熱など。)の作用を持ち、マンドレイク、ベラドンナ、チョウセンアサガオと組み合わせて麻酔薬として使われてきた歴史的な植物なので医者を騙すことも充分に可能だったでしょうね。この勝負、グリフィスの勝ちでした。

 ミッドランド国王妃…生涯、誰からも愛されないまま、恋しい人の仇も撃てないまま逆にグリフィスに殺されてしまった悲しき女性。夫である国王には振り向かれず、継子であるシャルロットには疎まれ、愛人であるユリウス(国王の弟をお相手に選んでいる辺り旦那に対する当てつけぶりが分かる。)にはセフレとしか思われておらず(そんな男を死んだ後になって本当に愛していたと気がついたのも…色々な意味で悲しい話である。)冷静に読んでみると可哀想な女性です。せめてグリフィスを殺した(仇を撃った。)と思いこんだままで死んでいたらまだ幸せだったでしょうに無駄に登場して戦論なんて語らないであげて下さいよ、グリフィスともツッコミを入れてしまいました。最後まで冷たくあしらってしまったという罪悪感から継子のシャルロットも思う所があったらしくそれがグリフィスの破滅(国王の娘との情事)を後押しした結果になったのが唯一の救いでしょうか?という訳で100%無駄な死に様ではなかったよ、と強引に納得させながら終わりにしたいと思います。

 ジュドー…「最初から何も求めない人間なんていないさ…でも、俺やコルカスはグリフィスのようにはなれないから夢にぶら下がるしかないんだ。」

どうやら自分について、仲間について分析・説明しているうちに夜が明けてしまったようです。(話、長すぎですから!)盗賊団の頭だったけれど現実に妥協してグリフィスの部下になったコルカスや人並み以上の才覚はあっても所詮凡才止まりでしかない自分を自覚して納得できるボス(グリフィス)についたジュドーと違い、夢にぶら下がらずに自分の戦を始めようとするガッツに2人はあるいは昔の自分を見たのかもしれません。そしてまた1番になることを諦めた自分のようにキャスカに現実に絶望させたくない(ガッツがいなくなることでキャスカはグリフィスの剣としては1番になれるでしょうが戦が終わった今、剣は必要なくなり、これからはグリフィスと姫様の仲をただ見せつけられるだけの日々が待っている。)という気持ちから惚れているくせにキャスカを連れて行く気はないかと提案しています。グリフィスについて行く人間は彼から与えて貰える反面、自分が本当に求めている物は諦めなければならない(蝕でも分かりますが実際にグリフィスは仲間の誰の事も本当に大切には思っていない。)事を分かっているからでしょうね。キャスカもグリフィスが絶対の崇拝者ではなく一人の女性として変わり始めている(神をあがめるが故に女としての幸せを諦める殉教者ではなく生身の女としてガッツに惹かれ始めている。)事を察しての彼なりの気配りであり、夢にぶら下がる事しかできない自分ではキャスカをグリフィスから解放できないと判じたからでしょう。自分で自覚しているだけに切ないです、ジュドーさん。

ベルセルク⑨

2011.11.10
 この本1冊で1年が経過しているという物凄い展開の早い巻です。(1冊で1年間とは…現在何冊もかけて船旅をしているのが嘘のようだ。)そして今回ガッツもグリフィスも若い青年らしい行動というか展開に走っている巻でもあり、貸した友達が「え?えええ!?」と滅茶苦茶焦って読んでいた(読ますなよ!)思い出もあったりします。掲載されている雑誌はともかくそれまで下半身的には「健全」な内容(最後の1線だけは越えていなかったという意味で。)だったので驚きもひとしおだったようです…ゲフッ!

 ガッツ…ジュドー「1年前に負った矢傷で昏睡状態になったキャスカはうなされながら何度も口にしていた。グリフィスと…お前のことをな。」
ガッツ「…!」
ジュドー「『ガッツ…グリフィス…お前達2人がそんな仲だったなんて…!』と…。」
ガッツ「そっちかい!」

うなされながら口にしているなら悪夢以外にないじゃないかとスイートロマンスからかけ離れた確信を持ってしまったのは私だけではないでしょうね。キャスカとの情事の最中、苦痛に耐える彼女から過去男に犯された経験がフラッシュバックし危うく殺しかけていますが(ここで初めてガンビーノを「父さん…!」と呼んでいる辺りが泣かせる。本当はずっとそう呼びたかったんですね…。)全てを受け入れてもらったことからトラウマも克服し、おかげでキャスカとはさらに絆が深まっていました。傷のなめ合いでも何でもそれは対等な関係だからできることで、キャスカに関しても崇拝して絶対服従する存在ではなく(けなげだがそれは人間関係を構築する上で間違った関係だと思う。相手のいいように利用されるだけじゃないですか。)与えあう愛を感じ始めている辺りが人間としての成長を感じさせ感慨深い名シーンとなっているのですが、それだけに後の展開(蝕)が痛かったです…!

 キャスカ…ガッツ「ピリッとしろよ、千人長。」
敵兵士A「チクショー、武道大会で仲間になった後、鷹の団まで案内させるだけさせて寝返りやがって…!」
敵兵士B「物凄くいいタイミングで裏切りやがって…地獄に落ちるぞ、兄ちゃん!」
キャスカ「…ガッツ、お前って奴は…!」

その後の手合わせで殺気もこもってしまうわけです。(いや、1年以上も山ごもりして鷹の団消耗という現実さえ知らなかった世情に疎い男がよくもまあご都合良くピンチに駆けつけられたもんだなぁと不自然な物を感じてしまったので…。)「お前が出ていったせいでグリフィスはその空虚を埋める為(だけ)にシャルロット姫に手を出して、国家反逆罪で鷹の団まで追われることになったんだ!」(グリフィスにとってそこまでガッツの存在が大きいこと、慰めのお相手にさえ自分が選ばれなかったことなどグリフィスにとってのキャスカがどこまでもどうでもいい存在だということがよく分かります…ゲフッ!。)と自分の気持ちをぶつけていますが、それはもう女としての敗北宣言に近く、さらに恋敵であるはずのガッツにさえ人として魅かれていることから自分は卑怯者だと思い込んで自殺を図っていますがそれ言っちゃったら自分の失態の為に鷹の団を全滅寸前にまで追い込んだグリフィス(卑怯者の代表格。)はどうなるんだという真理にたどりついていないお人好しぶりが彼女の彼女たる所以です。(むしろそんな男の尻拭いの為に1年間も頑張ってきた彼女は天使か聖女かあるいはただのバカだろう。)情事の真っ最中に自分を殺しかけたガッツ(ムードぶち壊しです、ガッツさん。)に対しても手を差し伸べてるし完璧主義な割に同情にほだされる性質ですよね、キャスカさんは…。
 ちなみにガッツに対して「殺してやりたいと思っている。」ほど憎しみを抱いていたのにそんな展開になるほど愛情も感じているのは矛盾しているようですが、心理学によると愛憎とは表裏一体で憎しみを感じている時点でどこかで相手を愛しており本当に嫌いな相手には憎いという感情すら持たない「無関心」になるそうです。

 グリフィス…彼が抱いたのはシャルロットという一人の女性でなく「国王の娘」。(ついでに言えば現国王が心秘かに願いながらも手にしえなかった願望でもある。)つまり国王になる人間を同じ権利をその腕に抱いた…のですが、それでもガッツを失った空虚は埋めることができませんでした。「玉座を統べる権利を持ちながらその実、一人の孤独で惨めな人間に過ぎない。」というのは実は国王だけでなくグリフィス自身にも当てはまることであれだけの犠牲を払ってまで自分が手に入れようとしていたのはこんな「つまらないもの」だったのか(「そう、つまらない。つまらないな、こんなの…。」)と改めてガッツの存在の大きさを実感している(そして国王に対して「成功した場合の自分の姿」をダブらせて自分の未来に幻滅している。)グリフィス君。「それならばいっそ私が…ズタズタに傷つけて自分の事以外考えられなくしてやれば良かった。」という思考パターンもやっぱり国王と同じで相手の幸せを微塵も考えていない嫌な性格はどんなことになっても健在でした…ゲフッ!(そして蝕に繋がっていきます…ゴフッ!)

 シャルロット…「助けて…グリフィス様…!」と自分を襲おうとした父親の変貌に対して怯える彼女でしたが大人の男をベッドから吹っ飛ぶほどの距離を突き飛ばせる腕力見事にみぞおちにひざ蹴りを入れられる反射神経(10巻の話ですがグリフィスを狙った吹き矢も見事に防いでいましたよね、この子…。)顔をボロボロにできる程の脚力(かかと落としの連発で相手の歯が折れてます。)があるのならもう守ってくれる男なんかいらないレベルなのでは…とお姫様の体育会系ぶりに驚嘆してしまった私でした。肉親を立て続けに3人も失い、戦場から帰ってきた想い人は祝賀会で暗殺未遂をされ(しかも義母に対しては最後まで冷たくあしらったままで終わってしまった。)心細い気持からグリフィスに縋り情事へとの展開になってしまいましたが、その全てが(情事に至っても)グリフィスの策略だったと知っている一読者としては同じ女として哀れと思ってしまったり…。9巻の時点でも自身のピンチ(は、自力で切り抜けてるけど。)にグリフィスの名前を呼んでいる辺り、まだ目は覚めていないご様子です…ゲフッ!

 ジュドー…ジュドー「(キャスカのことは)俺達じゃ役不足だ。ガッツ、お前何とかしろ。」
(役不足=与えられた役がその人の実力とは不相応に軽いこと。また役に不満を持つこと。)
ジュドー「いやホラ俺って何でも小器用にこなせる金髪美形の鷹の団ナンバー2じゃん?ガングロの土人娘(差別用語)のお相手にはもったいないってゆーかさあ…。」
リッケルト「ジュドー、後ろで2人が剣構えてるからその辺で。」

役をこなす力が足りないことは「力不足」といい「役不足」とは自分の実力に対して与えられた役が低レベル過ぎることを差すそうです。日本語の意味を正しく知っていると面白いよね、という話でした。
 今回ガッツが旅立って物凄く落ち込んでいるキャスカを目の当たりにした後、出て行ってから1年も経っているのに「あの目をした時のガッツには助けなど必要ない!」と相も変わらず信頼している(ガッツに関しては他の仲間のように気にかけて思いわずらわなければいけない存在でなく信用できる実力の持ち主だと認めている。)姿を目前にして、初めて読んだ時にはサラッと流してしまいましたがキャスカへの彼の秘めた思いが分かった今では凄く複雑な気持ちで言っていた事が察せられ思わず悲しくなってしまう名シーンです。ガッツとキャスカが結ばれたシーンでは仲間の陣営からそう離れていないであろう野外での行為にも関わらず、目の当たりにすることが無くて本当に良かったと思ってしまいました…ゲフッ!

 余談…グリフィス×シャルロットの情事発覚のシーン(鍵穴から女官が見てしまったシーン)について「あんなクリアに見える鍵穴無いから!」(鍵の形のままの穴が空いてるだけで「鍵」になってないから!)と弟が最もなツッコミを入れていました…ゲフッ!

ベルセルク⑩

2011.11.09
 映画第2弾ベルセルク黄金時代編Ⅱドルドレイ攻略(タイトルさらに長くなってるな!)は6月公開だそうです。(正月といい今回といいどうして長期休みや連休を綺麗にスルーしてくれるのか…。)ネットで第1弾の感想をチラッと読んでみたのですが「内容は及第点なのに余韻に浸る暇も無くいきなり入ったバタバタ予告とツイッター連動企画が後味を台無しにしてくれた。」という意見が多くて映画としてはいいのに終わり方を完全に間違えてしまった作品になっちゃったようです…ゲフッ!(せめてDVDにする時には「本編予告特別映像」と同じく「別カテゴリ」にして下さいね…。)そのせいか第2弾に対しても「コケタのにまだやるのか。」的な冷めた意見もあるようで先行き不安な映画企画だなあと思ってしまいました…ゴフッ!(それでなくても幼年期や黒剣士編を全部カットしたことが槍玉に挙げられているのに…。)一般的なアニメ映画(夢と希望と友情の物語)と違って取りあえず確実に少年層は掴めない映画になっている(これは悪夢と絶望と裏切りの物語だから…ガフッ!)点も売り上げにブレーキをかけているに違いはないでしょうしこの先大丈夫かな?と人知れず不安に思ってしまいました…。

 グリフィス救出編です。実は私が初めて読んだ巻はこの巻で何も知らずに真ん中辺りをパラパラ読んでいたら(始めから読んでいたら1ページ目からのガッツとキャスカのピロートークにその場で本を閉じていた事でしょう。)拷問官が斬り落とした舌を舐めていたシーンを発見し「やっぱり大人の漫画なのか…。」と脱落した思い出があります。(その後、怖い本好きから犬木加奈子先生の漫画を読みふけってグロテスク描写に耐性が着いた後に口コミでこの漫画の評判がいいことを知り再チャレンジしてからハマったという経緯があります。)面白い漫画だという事実に関しては太鼓判を押しますが初心者にはレベルが高すぎる漫画だと改めて思い返したものでした。

 ガッツ…キャスカ「お前も、初めてだったんだろ。」

スムーズに事を成し遂げていた挙句に色々な体位を試しており(by9巻)到底初めてとは思えない経験値が垣間見えたのですが…ゲフッ!(初めての男があそこまでリードできるものだろうか?)これは漫画なので敢えてその辺はツッコミを入れないで読んでいくことにしましょう。グリフィスの対等の人間になる為にも自分の夢(誰かの夢の為に利用されながら戦うのではなく自分で望んだ戦をしていく。)を追う事を決めたガッツでしたがグリフィスと違う点は夢(自分)だけが全てではなく大切な人間の事もちゃんと考えている事でしょうね。(グリフィスは大切な人間であるガッツさえも夢の為に利用する存在として扱っている。基本的に夢(自分)の事しか考えていないのだ。)この巻ではキャスカに「この先何百回も何千回もお前を抱きたいと今はそう思っている。」という実質的なプロポーズまでしており(最もこんな身も蓋もないプロポーズの言葉は初めて聞きましたが…。ガッツさん、お願いですからもうちょっと国語を…。)対等で大切な関係を築いた2人の絆が見えただけに後の展開が痛かったです…。

 キャスカ…「グリフィスを崇拝する気持ちは今でも変わらない。」

でもそれはそれ、これはこれ。ガッツとこういう関係になったからには彼に誠実であろうとするも、グリフィスの恋人であるシャルロットにはまだこだわりや嫉妬を感じてしまうキャスカ姉さん。そりゃそうです。グリフィスの大切な存在になろうと長年努力していたのにシャルロットは生まれついた身分だけでたやすくその立場を勝ち得てしまったのですから。シャルロットのように女にもなれない、ガッツのように大切な者にもなれないと自覚した所で今までの(無駄に終わってしまった)努力が報われた気持ちになれるほど人間は悟りを開けるものではないんです…よね。やっと築いたガッツとの親密な関係(普通だったら窒息プレイで殺されかけた時点で終わっている。)までグリフィスに嫉妬されている(恨まれている)始末で色々報われない扱いを受けている女性だなあと改めて実感してしまいました。(何が悲しくて男(グリフィス)と彼氏(ガッツ)を巡って争わなきゃならないのさ…ゲフッ!)

 シャルロット…「…女の方でしたのね。気が付きませんでした。」

本人を目の前にして、決して言ってはいけないセリフでしょ、それは!(仮にも一応女性である人物に対してかなり失礼。男だったらランタンで殴られている所です。)と姫様の子供特有の無神経な言動に大焦りしてしまったものでした。(他にも罪人(グリフィス)を牢から連れ出すという隠密の行動中に「一緒に行けないなんて嫌、嫌!絶対嫌ー!」と叫び出したり、「反対されても無理矢理にでも頼んじゃうもん。」と自分のワガママは基本的に通るものだと思っている辺りなど17歳にもなる女性にしては…というより「将来の女王」としてはかなり幼稚。)ユリウス王弟とその息子のアドニス王子が亡き今唯一の王位継承者である彼女が失踪したら後継ぎがいなくなるという国家規模の大問題もまるで考えていない有様で好き勝手にさせて女王の器に育ててこなかった王様は確実に子育てを間違えたなと国民の立場から「…。」と思ってしまいました。(「一般人」として見るなら好感持てる女性ですけどね…。)王様も「王家の血を継いだ人間という自覚が微塵も無い愚かで浅はかな娘。」(でもそこが可愛い)と実感する(by9巻)位なら余所からしっかりした王子様を婿入りさせて自分と同じように仮面夫婦をさせれば良かったのに(義理母の例もしかり不倫は有りの世界のようですから…。)と思わず国の先を憂いてしまいました…ゲフッ!

 ジュドー…キャスカ「そうだ、今はグリフィスをここから連れ出すことだけを考えなければ!」

とグリフィスへの気持ちを押し込めて剣としてだけの自分の立場を全うしようとするキャスカを痛々しく見ている彼の表情が印象的でした。シャルロットがグリフィスに抱きついて泣いている(「グリフィスの女」としての立場を見せつけられる。)のを離れた所から見ていることしかできないという永遠に変わらないキャスカとグリフィスの関係を再度実感したからこそ「無理やりでも何でもグリフィスの所からあいつを連れて行ってくれ。」(by12巻)とガッツに頼んだのでしょうね。キャスカに惚れているからこそ「彼女に辛い思いをさせたくない。」という彼なりの愛情が垣間見えるだけに、その後ジュドー達を生贄に捧げた上に当のキャスカを1番酷い方法で傷つけたグリフィス(彼女が幸せになること、それだけがジュドーの願いだったでしょうに…。)は何とも許せませんでした。短いシーンですが何気に意味深な場面だと読み返して心の琴線に触れてしまった名シーンです。

 グリフィス…ガッツとキャスカの以前には無かった親密な雰囲気から2人がどういう仲になったのかを察してジ~ッと見ている(嫉妬している)のが…正直ウザいです。(姫様がそういう心の機微に気づけない鈍い性格で本当に良かったです…。)どうやら元々自分のものであるはずのガッツが自分より大切な存在を作ったことに対して許し難い裏切りの思いと嫌悪感を抱いている様子ですが、そもそもグリフィスはガッツの恋人だった訳ではなくガッツが誰の手を取ろうが口出しする権利など無い(恋人気取りで束縛する方がお門違い。)のです。(そもそもガッツはあの旅立ちの朝にグリフィスに勝利した以上、既に「グリフィスのもの」ではない。)彼のおかげでガッツは階段で100人斬り(階段って不思議な戦場で下にいる人間は敵と同時に背後に転落する恐怖とも戦わなければならないので下段にいる人間は大抵負けるんだそうです。ガッツがいなかったら救出チームはここで全滅していた事でしょう。)をする羽目になった挙句に人の範疇を離れかけたバーキラカ達に殺されそうになり、その後も使徒ワイアルドに追われる事に(挙句に彼女のキャスカが犯されかけている。)なります。ニコ…と火炎攻撃を免れた手柄(それにしたって天井ぶち壊してくれたピピンのおかげ。)で得意気になる前にガッツに、鷹の団の皆さんに対して言うべきことがあるだろとツッコミを入れてしまいました。

 ミッドランド国王…「万が一にもシャルロットの身に爪の先ほどでも危害が及ぶことがあればバーキラカなる1族を一人残らずこの地上より消し去ってくれる!」

大切に思っている相手への異常な執着心(しかし相手は全くのアウトオブ眼中で別の人間と恋愛をしている。)はグリフィスに通じるものがあるものの「相手を死なせたくはない」という面に関して、まだ王様の方が人間らしい思いやりの心を持っていたようです。(グリフィスは「手に入らないのなら、誰かのものになる前にここで殺してしまうのも…有りだ!」と本気で剣を振り上げる始末でしたから。)1年ぶりに親子の会話を交わせたと思ったらシャルロットは(振られたにも関わらず)未だにグリフィスの事を想い続けており自分は父親という「いずれは離れていく家族」に過ぎない(「子供」はいつか親離れをしてしまう物です。)という事実を突き付けられて、その狂気には却って拍車がかかってしまいました。元々内気だったシャルロット姫の「誰よりも特別な人間」はこの父親であったはずなのに時の流れとは残酷な物です。グリフィスの首を手に入れられた所でシャルロットはもう父親を慕う事は無い(むしろ確実に逆効果。)でしょうし娘以外に心の拠り所が無いお父さんもある意味グリフィスの被害者だろう(グリフィスはシャルロットへの愛ではなくガッツを失った傷心と夢に近づく為の手段として手を出しただけだったので普通の父親でも「てめえ、俺の娘を何だと思ってやがるんだ!」と怒っていた事でしょうね。)と同情してしまいました。本当に、この話、グリフィスさえいなければ皆、幸せだったのではないでしょうか…?

 ワイアルド…「見りゃ分かんだろバーカ、俺は今忙しーの!」

そりゃ…アレは…忙しいでしょうねぇ…ゲフッ!王様の部下が彼を「まるで…獣…。」と評していますが獣よりはまだネアンデルタール人に近いからその表現は失礼だとツッコミを入れてしまいました。(獣(猿)から進化した状態とはいえネアンデルタール人も充分に失礼だと思うよ。)お話の流れが戦争が終わってしまって国取り物っぽくなってきた中で、それでいきなり蝕の化け物祭りじゃ訳分からなくなるだろう、ということで使徒の存在をアピールする為に登場させたキャラだそうです。好き勝手やろうが実力があれば誰も何も言わない(に、したって限度があると思うが。)という彼の最低ぶりは11巻でたんまり描かれるので彼に関してはそちらで語ることにします。

ベルセルク⑪

2011.11.08
 奇しくも来年5月は日本で皆既日食が起きる年なんだそうです。だから今になって映画化されたのか?(「今になって」ってお前…。)と納得し「皆既日食が起きるなんてかのセーラーム●ンがリアルタイムでやっていた年以来だね~。」としみじみ呟いた所「今度起きるのは日本では173年ぶりの金環日蝕で皆既日蝕とは別物だよ。日蝕と言えば沢尻エリカが小笠原諸島まで見に行っていたのに当日土砂降りだったって事もあったっけね~。」としみじみツッコミを入れられてしまいました。物を知らないと恥をかくといういい見本です…ゲフッ!(太陽が全部隠れて光が放射されているのが皆既日食。月の方が微妙に小さくてリング状に見えるのが金環日蝕です。お間違えの無いよう注意しましょう。)

 この巻はワイアルドご臨終編です。(ご臨終編ってお前…。)ちなみにこのワイアルドですが熊の皮を被っている辺り、戦闘時に野獣になって戦う辺り、まさしくタイトルの「ベルセルク」から取ったキャラだということが分かります。(ベルセルクとは古ノルド語で「熊(ber)の毛で作った上着(serkr)を着た者」という意味。北欧神話に登場する軍神オーディンの神通力を受けた戦士で危急の際自分が熊や狼といった野獣になりきり鬼神の如く戦う…が、その最中は忘我状態で動くものなら仲間でも攻撃する迷惑野郎の1面もある。おかげで王の護衛からは真っ先に外されたんだとか…ゲフッ!)主人公がこんな奴でなくて本当に良かったとも思ってしまった巻です。

 ガッツ…死体とはいえ人の首を手刀でちぎることが可能な握力戦士。教養がないせいで蝕のことをワイアルドのことだと勘違いして運命に抗う為にもと1人で倒していますが、おかげであばら骨が何本も折れたうえ縫うことが必要な怪我が何か所にも及ぶ体を抱えて蝕に挑む羽目になってしまったので、あれはキャスカの言う通り引いた方が正解ではあったん…でしょうね…。2年後のキャスカのピンチ(in寺院)でも「羊とか羊飼いとかが出てくる場所に心当たりは無いか?」とトンチンカンなことを聞いているし(それは物のたとえで場所の特徴じゃありません、ガッツさん。)もうちょっと国語を勉強するべきだったな、この人と改めて実感してしまいました…ゲフッ!

 キャスカ…ガッツ「キャスカ、お前は引っこんでろ。そんなカッコされちゃ集中できん。」
キャスカ「何、バカなこと言ってるんだ!?」
ガッツ「いいから服着ろよ!!」

誰にどこまで見られても全く気にしないキャスカ姉さん。そこまで意識が男に近いとさすがと拍手を送りたくなってしまいます。(戦闘終了後にそのまんまのカッコで抱きつくのも男としてはかなり嬉しい状況だろう…ゲフッ!)とはいえ恋人(ガッツ)のことを心配して涙まで流している辺り以前と比べるとかなり女らしくはなってきてるので(女として)成長したなあ~と思ってしまいました。しかし彼女は基本的には同情で行動する女性なので健康体のガッツに比べて立つことも剣を握ることも一生不可能な可哀想なグリフィスに気持ちが傾いてしまっている模様。それは全て国王の娘に挨拶抜きのごり押しをしてしまった彼の自業自得だという理性的な判断ができていない辺りが彼女の彼女たる所以です…ゴフッ!

 グリフィス…キャスカがワイアルドに捕えられた際「…!」と心配していることから、彼も一応仲間を思いやる気持ちは持ち合わせていたご様子です。(とはいえそれはグリフィスという絶対権力者に皆が召使いのごとくかしずくという関係の上での愛情でしょうが…。)キャスカの「私を一緒に連れていくんじゃなかったのか!?」というセリフや誰よりもガッツの側で心配している様を見て「…。」と羨ましそうに見ている様子が印象的で、その後嫉妬から恨みに燃えたのか蝕では彼女の事をズタズタに傷つけていますが…そもそもグリフィスが鷹の団を壊滅寸前にまで追い込んでいなければガッツが帰ってくることも、ギリギリの状況に後押しされて2人がデキてしまうことも無かったわけで自業自得ではあるん…ですよね…。(ガッツにだって他の誰かと自分の人生を歩む権利はある訳ですし。)そんな訳で体はボロボロだけど(狩り場で犠牲になった鷹の団員達の事を考えても)同情はできない団長です…ゲフッ!

 シャルロット…グリフィスが別れの時に唇の動きだけで伝えた言葉を彼女は「後で戻ってくる」だと解釈していましたがその時のコマ数は4つなので明らかに違う言葉だということが分かります。(おそらくは「さよなら」という4文字だったのではないかと…。)ともあれ「グリフィス様も行かせてあげて。」という約束を守るどころかミッドランド国1番の荒っぽい軍隊を差し向けて殺害を図った(ジュドー曰く「脱獄囚一人に普通じゃない。」そうな。確かにたった一人の罪人に対して暗殺者集団や軍隊を差し向けた話は全く聞かない…ていうかやり過ぎ。)ことから回復しかけたに見えた親子の絆には再度深い溝が入ってしまったご様子です。そんな訳でその後姫様は再び引きこもり、父親の臨終さえも看取ろうとはしませんでした…ゲフッ!

 ワイアルド…「黒犬騎士団心得!」「エ、エンジョイアンドエキサイティング!」とビビる部下達に激(というより文字通りの1「撃」。)を入れるシーンにて
「この世で1番美しいのは!?」「ワ、ワイアルドさんです!」(ワイアルドにもナルシーな1面が。)
「なんか獣臭くない!?」「お前や!」(団員達はずっと指摘したかったらしい…が後が恐ろしい展開だとは思う。)
「今日から私がママよ!」「た…耐えられん!」(未来は闇に包まれましたね。)
というセリフ入れ替えネタの嫌な上司ぶりに吹いてしまいました。

 王様の部下が彼を「まるで…獣…。」と評していましたが獣というよりケダモノじゃないですか、この男!と村を襲った際の残虐ぶりにツッコミを入れてしまいました。(弟もあのシーンを見て彼らの鎧を「いつでもOKスタイル」と呼んでいました…ゲフッ!)この人が言っている「英気を養う」というのは本来「いざという時に力が充分に発揮できるように休息を取る」という意味なのですが彼は休息→寝る→ヤルという風に勝手な意味に解釈しているご様子です。(「休息」どころか逆に疲れると思うのですが…。)「死ぬの生きるのなんて言ってたら人生損しちゃうよ。」と言っていた割に自分の死期には「やだー!やだー!死にだぐないよー!」と果てしなく潔くなかったエロジジイ。守護天使を呼び出した所で生贄に捧げる人間なんてどこにもいないじゃないですかという状況も全く分かっておられません。(唯一当てはまりそうなのが黒犬騎士団の団員達だが、その皆さんは逃亡罪でワイアルド本人に撲殺or逃げ切られている。)死に様に現れた「思念のるつぼ」(3巻参照)は印象的でその後の不安をかき立ててくれましたがそれは置いといて男としては最低野郎だなと実感してしまった魅力的なキャラクターです…ゲフッ!
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