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悪魔の手鞠唄

2009.11.17
 かの横溝正史の名作「金田一耕輔の事件簿」シリーズ(実際に遭った事件「津山33人殺傷事件」の犯人・都井睦雄をモデルにした「八ツ墓村」は中でも特に有名。)をオカルト方向に大胆に脚色(し過ぎ)をして描かれた漫画化作品です。原作小説シリーズを読んだ事があるだけに、原作との違いも楽しみながら読む事が出来た1冊でした。

 リリス…金田一「あの悪魔的なコスチュームデザインでしかもトップレス。大胆さが当たったんじゃないですかな。グループ名の『リリス』っていうのは中世西欧の悪魔の女王の名でしょう?」
地元民A「いや~、セクシー!日本一!皆すごいボインちゃんやのう!」
地元民B「今夜、僕、1人で眠れないわ~!」

原作ではアイドルデビューしているのは別所ゆかり1人のみで芸名も「大空ゆかり」という至極普通のスターだったんですが…トップレス(おっぱい丸見え)の歌手グループという明らかな色モノの一員になってしまったオリジナリティ溢れる設定の変更(し過ぎ)に度肝を抜かれたのは私だけでは無いでしょうね。帰郷してのショーも、「故郷に錦を飾る」という名目の市中引き摺り回しの間違いではないのか(こんな恰好(セミ・ヌード)で地元民の前でコンサート(という名の晒し者)って嫌過ぎるんですけど!)と思わずツッコミを入れてしまったものです。↑の客からの評価からも分かる通り、有名になったとはいえ「そういう目」で見られていますし、(有名になりさえすれば、客ウケさえすれば、何でも良い訳ではないと思うぞ!)スターになったとは言っても、これは褒められるべき内容でも、誇れる姿でもないように感じてしまった私でした…。

 多々良放庵…5番目の妻・おりん「別れてはみたものの、もう自分も寄る年波で心細い身の上です。噂に聞くと貴方も8人目の奥さんに死に別れて今は独身との事。お互い昔の事は水に流して、もし良ければ短い余生を一緒に送ろうではないですか。」
放庵「わしも当時は憎い奴…と思ったが、こうして詫びを入れられると、また可愛い。そういう訳なら、いつでも帰ってこい!こちらも1人で不自由しているし、自分も昔のような無茶はしなくなったから粗末にはしない。今後は仲良く暮らしていこう!」
リカ「だ…誰が『2人分の生活費』を出すと思ってるんだ、この男は…!」

だったら今からでも警察に出頭して夫殺しの犯人として強請られるネタを無くせば良いものを、都合の悪い部分だけは隠して上手い事いかせようなんて有り得ない思考回路の元で行動するからドツボにハマる結果になるんだよ、と長年強請り続けられた事からの逆恨み(犯人偽装の為の入れ知恵をしたのが放庵であっても、それに乗ったのも殺害した実行犯もリカ本人。秘密を黙っていて貰う代わりに金を渡すのは所謂「ギブ アンド テイク」であり、むしろアイデアを提供してくれた人物として感謝こそすれ、恨む筋合いは逆に無い。)で新たな殺人(放庵殺し)を実行に移すリカさんにツッコミを入れてしまったものでした。他人(放庵)あての手紙を勝手に着服・開封して読むわ、放庵さん以上にこの人の方が狡い思考回路だったのではないか(狡「賢く」はないけれど。)と思えてしまった第一の殺人でした…。

 青池里子…「顔のアザがどうしたというんですの!私のクラスメートの、あの酷い死に方に比べたら私の顔のアザなんて…私は誰に見られても、もう平気です!2度とアザを隠して生きることはしないつもりですわ!」

秘かに隠れていたリリツを青池館から連れ出せるのは、それを知っている自分か母親、または警察しかいないはず(で、自分ではないし、ましてや警察がそんな真似をするはずが無い。)という消去法から考えれば、証拠が無くても「この人以外の誰にそんな犯行が可能なんだ」という当然の結論から自ずと犯人は見えたのでしょうね。だからこそアザを恥じる事も辞め、誰に醜さを笑われても構わないと決然と人前にさらけ出すようになったのに、母親のした事はそれでも懲りずに新たな殺人に走ることだった(で、知っているだけでも2度も人を殺した母親が全く信用できなかったので身代りに同じ格好をしていた自分が殺された。)というのは切ない展開です。おかげで自分の娘だけは「無残な死体」をなるべく晒したくないという親心が仇になり、鈍い警察陣からも、さすがに1人だけこれはおかしいと気づかれたのは皮肉な結果とも言えましょうね…。

 青池リカ…「夫の浮気相手である3人の娘は華やかなスターになったのに、正妻である私の子の里子は全身赤アザの醜い子。出来る事なら里子にこそ歌手になって自分の夢を継いでほしかったのに…殺してやる!どうせ殺すなら3人共!その前に自分を強請り続けた、あの憎い放庵を…!」

逆恨みにも程があるだろ、一体どんな思考回路だよ!と「自分の娘と同じように赤アザを持ちえず普通の人生を歩んでいる」(うち1人は自分の夢だったスター歌手にまでなっている。)だけで嫉妬して、「気に食わない」という理由一つで何の罪も無い2人の娘を手にかける母親の病んだ考え方にツッコミを入れてしまったものでした。本来だったら正妻として夫の不始末(自分がしっかり夫を捕まえておかなかったせい)で作られた子供達に慰謝料なり養育費なり払うべきを一銭も払わずに、そんな事を考えているのだから本当に始末に負えない女です。(この人には夫の浮気相手の方々が歌手の夢を叶えるどころか、その夢を絶たれて未婚で妊娠する羽目になった苦悩にも、私生児として生まれた子供が散々周りから迫害されて育った事も、何も見えてはいないんだろうな。自分1人だけが不幸だと思いこめば楽だろうけれど、本当に可哀想なのは、くだらない嫉妬で殺された女の子2人の方だと思うよ。)という訳で娘を自業自得でブチ殺してしまっても、発作的に自殺しても、全く同情は出来なかった真犯人でした…。
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呪凶介PSI霊査室

2009.11.16
 日本でもオランダの超能力者クロワゼットが透視によって少女の死体を発見したように超能力を捜査に活用すればいいのに(外国の警察ではとっくの昔に超能力を取り入れて迷宮入り事件を数百例も解決している。)という作者の願いかこの話では「民間協力」の形を取りながらも警察の中に部屋も持っている立派な超能力捜査室という異色の展開が拝めます。が、原因解明に効果がある反面、毎回必ずと言っていいほど死人(犠牲者)が出る非常に後味の悪い話になっており事件の「解決」と「予防」は違うんだなあ~と言葉の重みも実感しながら後味の悪い思いをしながら読み進めた、そんな話でした…。

 「狐狗狸殺人事件」…狐狗狸「遊び半分程度の気持ちで我らを呼ぶだけでも無礼極まるのに…その上笑い物にし馬鹿にしたこと、絶対に許せぬ!」

人間であっても霊であってもプライドの高い人間(「俺に敬意を払え」と思っている地位のあるお偉方)に対してぞんざいな対応をすると後が怖いという話でした。そういう相手に対して「何があったってそんなの自己暗示に決まっている」(=狐狗狸になんて何の力も無い矮小な存在だ)なんて禁句を言ってしまっては復讐もされてしまいますよね。という訳で3人の犠牲者が出た後さらに赤間君も呪い殺されてしまい「コックリさんは御覧の通り危険なので辞めましょう」(辞めたら学校の残りの生徒達はこんなに平和になりました。)という教訓で話は締められています。そんな感じで今後も毎話死人を出しながら進む話の形式に心霊的原因が分かっても解決(死人予防)に対してはまったく役立っていないんじゃないか、この霊査室!?と第1話からツッコミを入れてしまったものでした。

 「死人に口あり」…田上「今の法律では運転するのを知っていて酒を飲ませた者も罪になる。殺人の共犯者になりたくなかったら酒を飲んでいない彼女が無謀運転をして死んだ事にするんだ!」
善三「そうだね。刑務所に入った挙句退学したり職を失ったりするのは嫌だから言う通りにするしか仕方ないね。」
ひろみ「そうはさせないわよ!」

飲酒運転で殺された挙句に「悪いのは全部この女です」と事故の責任を全部なすり付けられては死んだ女性も浮かばれませんよね。元々運転席のシートの位置が大きく後ろに下げられている事(身長の低い女性では運転するのに無理がある)助手席にこびりついていた血液と毛髪がひろみさんの物、運転席の血液が田上の物だとDNA鑑定で断定できた事から警察は怪しいと思っていたようですが(死体の胸の上に車が乗り捨ててあった事例でも「自殺」(どうやって!?)で片付けられる事があるというのに、ここの警察は真面目に仕事をしていたんだなあ、と感慨深くなりました。)4ヶ月間も霊現象に悩まされて犯人達もとうとう根を上げたようです。それにしてもひろみさんの霊が頑張っているばかりで霊査室の方は状況を見ているだけで活躍していないような気がした(本当に役立ってますか、この課は?)そんな第2話でした…。

 「恐怖の館」…美魂「国磨氏の霊がこの家の本当の相続人である息子夫婦だけをこの家に住ませたいと思った。だからおそらく管理人夫婦は危害を受けなかったんです。」
管理人「わしらがこの家に住んだ目的はあくまで父の死体を発見したいが為に仕方なくでしたし『不審死が連発したいわくつきの館』に住みとうはありません…。」

そりゃそうです。いくら家具も豪華な広大な洋館でも毎晩ラップ音と悲鳴が響き鬼火や人玉をしょっちゅう見る羽目になる館では、いくら命に及ぶ危害が(自分だけは)起こらないとはいえ永住したいとは思えませんよね…ゲフッ!話の中で起こっているポルターガイスト現象はその場に霊能者や霊感の強い人がいる場合に起こる(霊が霊能者の体のエクトプラズムを利用して現象を起こす)そうなので思えば「プロ」の主人公2人を現場に行かせたのは最悪の人選だった(心霊関係だからと言って何でもかんでもPSI霊査室に押し付けるべきではなかった。)と上層部の考え無しの判断にツッコミを入れてしまったものでした。(おかげでベッドごと突き飛ばされるわ刀を突き刺されるわ王手刑事は大迷惑です。)結果として霊現象の主犯(父親)も見つかり館も燃えてこれ以上確実に犠牲者が出ない(ていうかもはや人が住めない)展開にはなってくれたは良いものの数多の犠牲者が出る前にこういう展開にすることはできなかったか色々考えてしまいました…。

 「眼のないネズミ」…呪「無数のネズミにかみ殺されるなんて本当にすさまじい死体だったなあ。」
美魂「さすがのあたしもその後ご飯が喉を通らなかったわ。」

でも話のネタにはするのか、アンタ達…と道を歩きながら雑談扱いしている主人公達に「…。」と思ってしまったものでした。(そもそも人の死に様は話題にするようなものではないと思いますが…。)ネズミ捕り方式では(餌でおびき寄せて生け捕りにした)生きたネズミをそのまま水につけて溺死させたり油をかけて火あぶりにして殺す事になり、殺鼠剤(クマリン)方式では鼠の目を見えなくして家から追い出して明るい所で天敵(車、鴉、猫)に殺して貰う、どちらにしても生きながらに苦しんで死ぬ羽目になるネズミは、そりゃ人間を恨みたくなるのかもしれませんが情けをかけて放置した所でネズミは土地税も食費も払ってくれません。挙句の果てに壁をかじるわ糞はするわ毛というゴミは出るわ家はボロボロになっていくばかりです。話のように大量に増殖してからやっと腰を上げるのではなく早め早めに(数の少ないうちに)駆除しておけばこんな事にはならなかったのかもね(そもそもあれだけ増殖するまで放っておいた街の住人全員の感覚がおかしい。)とも感じてしまった異常な話でした…ゲフッ!「考えて研究する」前にネズミ捕りを仕掛けるなりさっさと対処してよ!とお父さんに対してツッコミを入れてしまったものです…ゴフッ!

 「死体殺人事件」…呪「死体がつっぱってお棺の蓋を突き破った…なんて話は聞いたことがあるけど死後硬直って何ですか?」
医師「そんな話を知っていながら死後硬直を知らないのか君は!?」

物知りなんだかそうでないんだか微妙な呪君でした。(どっちにしろ日常生活ではまず話題に上がらないトリビアですが。)死後2、3時間後に人体は筋肉や関節がカチカチになり丸1日後に最高に硬くなる(その数日後にまた柔らかくなる。)それが死後硬直であり、その硬直の過程で筋肉が引っ張られて、または死後硬直が緩んで死体が動く事があるそうです。(なので死体が動いてもそれは心霊現象とは限らない、と医学的に恐怖が薄れました。)話では「許される事なら孤児になってしまう我が子を道連れにしたい。」「一人ぼっちになる位なら自分も連れて行ってほしかった。」という母子の思いに感応して悪霊が死後硬直を超えて死体を動かしその願いを叶えてしまった…のですが、そもそも死者の霊が道連れを連れていくと評判の病院(明らかな心霊スポット)の霊安室に幼い少女を1人放置するのも、「いっそ私も死にたい」と考えている人間を密室で1人にさせておく(自殺したらどうするんだ?)のも対応として完全に間違っており、アンタ達は本当に心霊のプロなのか?(常識的判断からして間違ってるだろ!)と主人公達にツッコミを入れてしまったものでした。心霊事象に関わらず今回の事件は対応次第で無駄な犠牲者は出なくて済んだと思うのですが…ゲフッ!

 「恐怖の呪術師」…美魂「随分虫の良い事を言うのね。何故、自分を呪い殺そうとしたお婆さんを助けなきゃならないの?」
呪「他人が酷い目に遭うのは平気でも自分の家族は助けたいのか!?」

他人が苦しんでいるのを楽しんでおいて、いざ自分にその苦しみが降りかかってきたら、酷い目に遭わせた相手の善意に都合良く縋ろうとする自分本位な考え方に今もなお無言電話を続ける匿名を思い出しました。(呪君の言う通り、こんな人間が「もう2度と悪さは致しません!」と約束したって守るかどうかも分からない。)それでもこの子は家族の事は大切に思っている辺りまだ人への優しさが残っている(匿名は家族へと渡されたプレゼントも「美味しかったから全部横取りして食べちゃった。」と平気でくすね、しかもそれに対して何の罪悪感も抱かない人だったので。挙句の果てには友達にも平然と話す程「自分が悪い事をしている」意識が無い。家族にまでそんな扱いをしているなんて本当は人として非常に恥ずかしい事なのにね。)とも感じたものです。2人が呪いに走ったのは自分達以外は皆、敵でしかない(だから攻撃する。←するな!)という個人主義的な社会に対する復讐心もあったようで色々な人間らしさも感じてしまった話でした。ともあれ主人公である呪君達にさえ見捨てられかけたように自分の事しか考えない人間は最後には誰も手を差し伸べてくれなくなるようです…。いろんな意味で人間はもっと他人に親切にするように心がけなきゃいけないという教訓話でした。

 「波間の怪」…呪「奇怪な事です。大城くんと小清水さんの2人が海に飛び込んで消えたとたん、あれほど酷い津波がまるで嘘のように治まったのです…。」
美魂「残念なのは一回ザブッと町を直撃する前に治まってくれなかった事です…。」

人の爪を食らい、食った人の体を乗っ取って悪さをする波間鬼は除霊されそうになって「この上は遊べない。」と判断したのか、海に帰ることにしたようです。それまでに何人もの水死人を出され、津波で家屋を壊された(非難して命は無事でも、その後の処理は大変だっただろう。)町の人達はいい迷惑だったろうな(「海水浴に行く時には生爪に注意してね。」という注意で終わるような軽い話ではないだろう、どう考えても。)とツッコミを入れてしまいました。結果として除霊もしてないままバッドエンドで終わっている話ですが、主人公2人はそもそも休暇中であり、仕事を果たす義務は無い(義務は…ね。)立場である以上、「ちゃんと解決しなさいよ!」と強く言えない辺りが微妙な所です…。

 「生まれ変わり」…美魂「呪和之進は上意で殺されたから、騙されたとはいえ『殿様の命令だったから仕方ない』と納得している。しかし騙し打ちがバレて切腹させられた須貝帯刀の方は『上手いこと行かずに死ぬ羽目になった無念さ』に因縁霊となる可能性は高いわ。」
呪「自業自得で死んだくせに『やり直し』をしようとして命を狙われる俺はいい迷惑だ!」

おかげで呪家は代々須貝さんの因縁霊に呪われて2人に1人位の割合で変死する(50%という高確率で、よく家系が絶えなかったなとビックリしました。)「血みどろの歴史」を送る羽目になったそうです。主人公の代では須貝さんもまた生まれ変わっており、霊魂と違って肉体が有った為に本人が刀の上に転んで刺さって死んでしまうマヌケな結末で話は締められていましたが、ナレーターによると因縁霊はそれで消える訳ではなく、これからも呪くんが呪われない保証はどこにも無い(嫌なこと言うな。)そうで暗澹たる気持ちになってしまいました。幸か不幸か念動力付きのサイコゴーストにつきまとわれる前に連載は終了してしまったので「嫌過ぎる後日談」を見なくて済んだ事だけは幸いでしたかね…ゲフッ!

 「弟が消えてしまった」…阿部勇「一体何で俺がこんな所に!?あんた達は誰だ!?」
半村教授「それもそうだ。まず君に訳を話そう。実は…ドッキリカメラだったんだよ。ビックリしたかい?」

…と言っておけば取りあえずパニックにはならなかったのに(でもって道路に飛び出して車に轢かれる事も無かったのに)普通の人にいきなり「今、君の体には他の人間の魂が入って、そのまんま北海道で暮らしている。」とディープな事情を直で言ってしまう教授の対応の悪さにツッコミを入れてしまったものでした。(そりゃ、言われた本人は錯乱もするでしょう。)結果、全員の肉体を取り戻したは良いものの、最初に消えた弟は間に合わずに(「なにしろ行方不明になってから飲まず食わずで数日経っているからな…。」by半村教授)腐乱死体となって家の玄関前に「出現」した最後には、親の気持ちも考えてもっとマシな結末は用意できなかったものか、むしろ今までの段取りが悪過ぎやしなかったか(呪君の肉体の入れ替わりという「余計な事故」は起きてしまっているし…ゲフッ!)色々後味が悪過ぎた事件でした…。

 「ざしきわらし」…父「息子が夜中に外へ抜け出しては近所の家につけ火をするようになったので、蔵に閉じ込めて、物音はざしきわらしの仕業だと誤魔化していたんです。」

ちゃんとその時に警察に突き出して拘置所に入れておけば、物音(ざしきわらし)に興味を持って蔵に入った娘が頭のおかしい息子に殺される事も、妖怪(心霊関係)事件だと駆り出された美魂さんが巻き添えを食って殺される事も無かったのにね…と自己保身(隠蔽)に走ったことで更なる被害を招いたダメ両親の行動に呆れたものでした。(都合の悪いことを隠し立てしても、いつか必ずバレるんですよ。)親も親で「こんな事(息子の犯罪と、それを知りながら隠し立てしている自分達)が知れたら村にいられなくなる。」と(自分達の保身だけを)悩んでいたそうですが、要するに全焼した家の弁償をするのも、夜逃げという面倒臭い事をするのも嫌だったから息子を監禁しただけで、その行動は既に子供への愛情ですらなかっただろう(ただ保身に走っただけで、おかげで新たに人が2人も死ぬ羽目になった事実を考えると恐ろしい話だ。)とツッコミを入れてしまったものです。「首吊り」が首を吊った瞬間に頸骨が折れて、まず確実に死ぬ方法(アレは窒息して死ぬのではなく首の骨が折れて死ぬのであって、すぐに降ろした所でガクッと吊り下がった後ではもう手遅れ。)という絶対に助からない方法だという事実も知っている以上は色々怖くなった話でした。本当に恐ろしいのは霊ではなく生きている人間…という事ですかね。

恐怖新聞②~⑤

2009.07.31
 小学生の時、弟の担任にビデオを見せてもらってから気になっていて、大人になってから店でゲームを見かけてつい買ってしまい、(しかも「嫌われ松子の一生」を読み終わったばかりだったので、主人公の名前は「ゲロ尻」とつけてしまった。…ゲフッ!)その数年後書店で文庫を見つけた時は思わず衝動買いしたという、長い年月をかけて踊らされてしまっている作品。恐怖新聞1、2巻もとっても気になってます。(ダメ人間。)

 山小屋の怪…殺人犯「イエティに出会ったという15人のチベット人に色々な絵を見せ、どれが一番、雪男に似てるかを聞いた所、全員が申し合わせたようにゴリラの絵を指差し、その次に似ているのは猿人だったといいます。」

日本でも「周遊奇談」で豊前国中津領(大分県)に、「西遊記」で鹿児島県の深山に、「羅山文集」で駿州阿部の山中(静岡県)に、「北越雪譜」で新潟県の山中にイエティ(それぞれ山男、山わろ、雪男という言葉を当てられてはいるが、残された図や姿形を見ても、明らかに同じ生き物。)がいるという「記録」が残っているそうですが、それは多分、冬眠に失敗した大型のサルだよ(で、熊のように餌を求めて人里に襲いかかってきたという話だと思うよ。)と虐待されていたチンパンジーが飼い主の首を引っこ抜いて逃亡したという実例(枝から枝へ、腕一本で体重を移動させる奴等の腕力を舐めてはいけない。映画「ターザン」でゴリラが張り手で人間の肋骨を折っていたように、筋力勝負を行えば人は確実に負けるだろう。)と合わせて納得してしまったものでした。という訳で「イエティ」は殺されかけていた子供(鬼形くん)ではなくて、肉のいっぱいついた大人(殺人犯)を備蓄食糧(モズのはやにえ状態)に選んだというオチで話は終わるのでしょうね…。

 百物語…中野「怪談会は怖くても『嘘みたいな作り話』だから良いのよ。鬼形くんみたいに本当に霊魂が出てくるのは怖くて嫌よ。」
ポルターガイスト「バカな事を…霊魂を信じもしない奴らが面白半分に百物語などという真似をするから、からかわれたと怒った悪霊が現れた…。その丸く膨らんだ蝋燭の火について来ているのは悪さをする低級な動物霊だぞ!」

という訳で、その場のノリだけで百物語が開催されたのですが、お祈りしてくれる訳でもない(真剣に思ってくれているどころか、信じてすらいない。)のに、笑い物にする為だけにネタにされる側としてはムカつく話であり、霊の中には人間のように「ガラの悪い奴がイチャモンをつけてくる」事もあるらしいです。おかげで心配して蠟燭の火を持ち帰ってしまった鬼形くん(「その火を消さなければ、百物語も『終わった』事にはならないから…。」by鬼形)がとばっちりを食らう形でガラス(割れた電球)を浴びて怪我をする羽目になりましたが、ゲーム版によると鬼形くんが放置していたら中野さんは死んでいた(で、逆恨みで化けて出てこられた。)そうですし、他の2人もかすり傷で済まない重傷を負ったらしいですし、低級霊の方も「こいつは一応、直接の関係は無い人間だから。」と相手を選んで加減はしてくれていた様子です。(じゃあ、怪我させないでって言いたいけどね…。)

 北極点の謎…担任「北極点は『点』であり、それに向いて磁石は北を指すと考えられていたが、それは間違いで北極(北磁極)は点でなく北極海を横切るかなり広い地域なんだ。広い範囲で磁石が役に立たなくなるから飛行機もこの地域は避けて通るし、探検家もどこが極点なのか分からない。実際に北極の中心がどうなっているか見た者は世界にまだ、いないんだ。」

そして北緯80度付近から北へ登るに従って寒くなるどころか暖かくなり、アメリカの探検家ヘイズは北極圏で蝶・蛾・蝿・蜂を捕まえ、イギリスの探検家フランクリンはガチョウの大群を発見、ノルウェーの探検家ナンセン(フラム号で当時最も北極近くまで漂流した話は有名。)は狐の足跡と流木を発見…北へ進むほど氷山(という名の氷の塊)が少なくなり水面だけになることを考えても「北極点が寒い」とは一概に言い切れないらしいです。とはいえ、それで地球が空洞で、北極点から地球の内側に存在する暖かい「緑あふれる大地」に入れる(中で暮らしているのが「宇宙人」で、だからUFOがそこから飛んでくるんだ。)というのはいくらなんでも突飛過ぎる解釈で、エリナ松岡という架空の目撃者を持ってしても眉唾物に感じてしまった仮説でした。(アンタ、多分、磁石が壊れたままの状態で騙されたんだよ…。)とはいえ「一説」としては面白い話かな、と見直しはした話です。

 うらみの火が燃える…戸室「ありがた教は本当に効果があるみたいだよ。ありがたやと唱えていると夜になっても僕は放火したくならない…。」
鬼形「戸室君は必死にやっていた。どんな神でも本人が真剣に祈り清めの行を実行していれば悪霊はとりつきにくくなる…。」

鰯の頭も信心…という言葉にあるように、霊能的には「ズブの素人」でも図工の授業で魂を込めて魔除けのお面(木彫り)作りをした所、それまであった霊現象が治まったという話を聞いたことがありますし、何事も気構えが肝心の様子です。また「普通の人間」でも家を塩で掃除し、線香を焚いてみた所、その部屋に取りついていた霊が部屋に入れずに窓から恨めしげに覗いていた話もある(少なくとも「その部屋」からは追い出すことができた。)そうですし「霊をその場から離す」ことは実はそんなに難しい事では無いらしいです。ただ、話にもある通り当の霊がそれで納得して成仏してくれるかはまた別の話である様子で、あっちがダメならこっち、と今度は戸室くんの甥っ子にとり憑いた女性の霊でした…。こうして順繰りにとり憑いているうちにいつか「家族に放火犯がいる」事はバレるでしょうし、この一家は終わったな(まあ、元々は親の起こした火事が元で死んだ女性の仕業だし因果応報ではあるのだが。)と感じた話でした。

 黄金百枚…「埋蔵金を掘り当てた場合、埋めた人の子孫だという事がハッキリしている場合はその子孫の物になるが、関係無い人の場合は『遺失物』扱いになり、埋めた人の子孫が現れない場合はその土地の持ち主と掘り当てた人が半分ずつ分けることになっている。その上、税金をガッポリかけられる仕掛けになっているから、大抵、掘り当てた人は見つけた事を内緒にしてしまうのが実情だという。」

だから「埋蔵金伝説」が多い割には、現実に埋蔵金が出たと新聞で騒がれる事は少ない(何故ならば、皆、誰にも言わずに懐にしまってしまうから。)だそうです。しかも水の国・日本はそこかしこに水脈が走っており、3メートルも地面を掘ると、話に有るようにすぐに地下水が湧いて出る(そして一度「水が出る穴」を開けてしまったが最後、スポンジに穴を開けたように、水圧が無くなったその穴から地面の全ての水が出ていく。で、酷い時には博多の道路陥没事件のように「土から減った水かさ」のおかげで地盤沈下が起きる事すらある。)ので「埋められた埋蔵金」を掘り起こすのは実は非常に危険な事でもある(鬼形くんのように縦穴を掘ったせいで溺れ死にかけたのは決して誇張では無い。)と、日本の地面事情までよく調べたうえで描かれた話に何気に感心したものでした。結果として「埋蔵金を見つける」という男のロマンは叶えたのだからと20年にも及ぶ苦労に納得していたお爺さんでしたが、大判100枚中95枚が水没した結果には思わず涙が出た、そんな話でした…。

 不幸の手紙…鬼形「デタラメの手紙に霊がとりつくなんて事があるのか!?」
ポルターガイスト「無いとは言えないぞ。霊には人間と同じく意志が有る。中にはネタにされたことを怒ってとりつく奴もいるだろう。それに生きている人間の恨みの念も恐ろしいぞ。あの手紙を受け取った為に血を流した人間は、皆、手紙を出した人間を恨んでいるだろう。」

「ちびまるこちゃん」でも不幸の手紙を出した藤木君(差出人の名前は無かったが筆跡で犯人はバレバレだった。)が翌日の学級会でつるし上げを食らった(「僕…手紙に書かれた通りにきちんと葉書を出したのに、何で不幸になっているんだろう?」by藤木君)ように、そんな手紙は出してしまった方が不幸を呼び込むらしいです。この話でも気が狂うほど霊に追い詰められたのは主犯の中岡君、一番ひどく殴られたのは共犯者の高畑と鈴木、ほどほどに殴られた人間は皆「自分さえ怖い目に遭わなければ、他人が不幸になってもいい」という身勝手な考え方で「不幸の手紙」を友達に出した連中だった…というピンポイントに被害者が限られている様に鬼形くんも呆れながらも納得していた話でした。結果的には恐怖新聞(助かる方法が掲載されていた。)が中岡君を救った話ですが、1回読んだ事で中岡君の寿命も100日縮まっているし、あまり褒められた行動では無いような気もした私でした…。

 悪魔のカード…ポルターガイスト「神父と悪魔の力はほぼ同じ、どちらが勝つのか分からない。ただ犠牲者が1人出るね!」

その犠牲者は病院の窓から突き落とされた先生で、主要登場人物は全員無事で済んだというオチがつきました…ゲフッ!悪魔払いの儀式を行えるのはカトリックのイエズス会派だけだそうで、そこに属しているはずのラファエル神父(父親)は何故、結婚して子供までいるのか不思議な所です。(カトリックの甲斐律は厳しく、神に身を捧げた神父は結婚どころか性行為(セックス)や自瀆(オナニー)さえ禁じられている。健全な男として破りたくなる気持ちは分からんでもないが立場ある人間が破っちゃダメでしょう。)ともあれ彼に除霊して貰うまで鬼形君はポルターガイストと悪魔アイニとの全く嬉しくない「両手に花」状態でとり憑かれており、悪魔1人だけでもいなくなってくれた事で寿命も「一ヶ月先」から延びた事ですし、今回の件で8年位寿命が縮んだとはいえ(平均寿命80年以上の時代背景を考えるとまだまだ「長生き」できるじゃないですか!)事態が「好転」した事にもっと喜ぶべきなのではないかとちょっと思ってしまった話でした…。

 笑う骸骨…武士「馬鹿げた噂通りに笑う髑髏が存在しなかったら腹を切ってお詫び致します!」

どうやら恐怖新聞は鬼形くんに関連した事件だけでなく、こうした無駄な地方事件も記事にして運んで来てくれるようです。(読めば百日寿命が縮む読者の側としては記事が増える分だけ有難迷惑な話ですが。)笑った事が原因でイチャモンをつけられて斬り殺された骸骨になった町人は同じように「笑い」を原因にして武士を自滅させた(見事に復讐を果たした)経緯に思わず拍手してしまった話でした。死んだ後になって笑っても、時すでに遅しでしょうね…。(最もそれを狙ったタイミングだったのでしょうが。)

 名投手怪死…丑の刻参りの話です。古くは祈願成就の為に丑の刻に参拝すること(お百度)が呪詛に転じたもので、室町時代の戯曲「鉄輪」の、陰陽道の人形祈祷と結びついて現代のような形(藁人形に釘を打つ)になったそうです。丑の刻(午前1~3時。時期・季節によって丑の刻の時間の間隔は変わるが午前2時なら確実に範囲内。)に五徳(火鉢に使うヤカンかけ。この作品連載当時既に「珍しい物」となっているから入手するのも大変だったろう。)の3本の足に火のついた蝋燭を立てて頭にかぶり、白装束で一本歯の下駄(特注か?)を履き、守り刀を腰に差して(まず一般の家庭には無いよ、守り刀なんて…。)首には鏡をかけ、口に櫛をくわえて神社の御神木に釘を打つ(神木に釘を打つ事で結界を破り常世から邪神を呼び出し使役して相手を祟るんだそうです。)というもので現場を見られると呪いが自動的に自分に跳ね返ってしまうので目撃者は殺すという傍迷惑な復讐方法(ここまで面倒臭い手順を考えると呪いなんてまどろっこしいことをせずに直で本人に手を下す方が早い気がしますが…。)になったそうです。それにしても「呪いの儀式の真っ最中」さえ見られなければ呪いをかけている事がバレようが、ベラベラ話そうが大丈夫なのか…とオープンな奥様に感心してしまった話でした…ゲフッ!

 円盤着陸…鬼形「正夢だとしたら僕は宇宙人に殺されるのか!?」

エリナ松岡曰く宇宙人は仲良くしましょう(ついでに検査させて下さい。←オイ!)という友好的な気持ちしかなく、危害を加えるつもりは無かったそうですが、嫌な夢を見た後の出来事であり、宇宙人の姿の異様さにパニックを起こした事もあり、鬼形くんの宇宙人へのイメージはエリナさんの旅旅のフォローに関わらず最悪な物となり果ててしまった様子です。あまりの恐怖から記憶から消してしまうほどのショックを受けた鬼形君でしたが、私に言わせれば普段の心霊事件の方がよほど怖いとツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!何はともあれXファイルといい、いつも尻切れトンボのような形で終わってしまうのは円盤事件の宿命のようです…。

 背中が怖い…個人的には恐怖に怯える人たちより、あんな高さから何度も放り出された赤ん坊の方が心配になりました。(無傷とは凄い。1歳にして受け身をマスターしているのだろうか?)おばあさんは成仏してそれでいいだろうけど、赤ちゃんの方はあの家庭ではもう引き取ってはもらえないだろうし、保健婦さんたちも倒れてだいぶ気味悪がられているのでこれからが大変だろうと本当に心配になった事件です。(ある意味解決してないよ、この事件。)霊がお礼に訪ねてくるのは他の本でも読んだことがあり、本当によくあることらしいですが来られた人の感想は決まって「来なくていいのに…。」が圧倒的に多いそうです。(そりゃそうだよね。)

 奇妙な妹…鬼形「お嬢ちゃん、どこの幼稚園?」
礼子「嫌だわ、お兄ちゃん。妹に何言ってるのよ?」

思いきりランドセルしょってる子に対して「どこの幼稚園?」はないでしょう、礼さん。(しかし名前が礼子って主人公を女化しただけじゃないか!)とうとう心労が祟って入院してしまった(本当に怖いのは死人ではなくて、生きている人間…というネタなんだろうか?)礼ですが、看護婦さんの制服が最初はマトモだったのに次第に変なワンピース化してるのが面白くて(ナースキャップかぶってればいいもんじゃないぞ、皆!)楽しく読んでました。(こんな時にどこに注目してるのさ!)中神記者さんが柔道初段空手二段の猛者(新聞記者より向いた仕事があるんじゃないだろうか?)だということも分かり(それに本気を出させた礼子って…ゴフッ!)面白かった話です。

 ピアノ…女生徒「これは国際コンクールですものね!」
先生「おい、君、どうしたんだい?」
女生徒「シャラップ!マイネームイズ、シェリー・サーマン!」

憑依したシェリーのトランスぶりに思わず(そんなシーンではないと分かっていながらも)笑ってしまった、ゲームにも採用されていた話です。(写真が上手く撮れなくて、五回位無駄に現像させてしまいました。あのフィルム代と現像代はやはり中神記者さんの自腹だったんでしょうか?)ゲームではコンクールの審査員に認められた嬉しさで天国に行っていたのに、漫画版ではシェリー、成仏してないのかい!と終わり方に大ショックを受けた話でした。音楽の先生が倒れたのもゲームには無かった(というか先生自らピアノを弾く検証シーンすら無かった。シビアだ。)のでオリジナルシーン満載でこれはこれで楽しく読んでました。(いや、原作はこっちなんだけど。)しかし、終わり方が納得いかない話でもありました…。(ゲームは平和だったのに。)

 ドラフトの星…ギャランツ「よろしい。我々がくじを引けば運悪く10番以降になる可能性があるが、確実に1番くじを引いて、その選手を手に入れられるなら『人気の山岡』で結構!」

3ページ目で「この試合に勝とうと負けようと関係ない!」(実力どうでもいいんですか?)と監督の人から言われてるってことは山岡さんは初めから実力を見込まれた選手ではなかった(のに、あれだけの観客を湧かせるのは「やるなあ。」ってこと?)ということで、本人が劇画ポーズで悩むほどの凄い選手ではなかった…んでしょうね。ドラフトは確かに球団が勝手に選手を選ぶ人権無視な規則ですが、桑田選手などは「大学に行くから。」と言ってこれを回避してますし(そしてジャイアンツとつるんで大学に行くはずの桑田を唯一指名するという手段で球団に入っていた。ずるい。)山岡も大学に行くと言って入団テストを受けてれば良かったじゃん、と今一つ同情はできなかったキャラでした。笑われるのが耐えられない(訳・自分はもっと価値のある人間なんだ。)と思っている限り金の亡者はついて回ってるんでしょうね。(凄い選手イコール契約金たっぷり…だからね。)

 ふとん…ゲーム採用話パート2です。私は町内くまなく聞き込みをした結果、最後に行った布団売りのおじさんに門前払いをくらって(おそらく霊のことばかりを熱く聞きこむ怪しい中学生と思われたのだろう。)おじいさんの所までたどり着けませんでした。同じ布団屋で買って直している布団だからと同店で預かっている布団の持ち主全員の所に化けて出て、その後も相変わらずだったおじいさんでしたが…おじいさんも成仏してないんですか!とまたもショックを受けた話でした。死体も発見し葬式も済ませたというのに、このうえ何をすれば良いというのでしょうか?またしてものバッドエンドに後味が悪くなってしまった話でした。

 風呂…いや、霊の確認の為とはいえ、場所が風呂場とはいえ、裸で現場に挑むことはないだろうと(いざという時、フルチンで逃げなきゃいけないじゃないか!)ツッコミを入れてしまいました。最後には新聞が助けてくれましたが、窓を突き破るほどの芸当が果たして新聞(紙)にできるものなのだろうかと(しかもピンポイントに新聞の部分しか割れていない。神業である。)ここでも疑問が残りました。それで風呂場に霊がいる事が確定された所で除霊はやったのか、その後もカットされていて続きが気になるお話でした。

 自転車…少女「私の…自転車…。」
店主「事故に遭った所悪いけれど、君は金を握り締めたまま死んで、その自転車を買っていないからね。」

なのにその自転車に取り憑いたなんて売る側としてはたまらない話だ(そりゃ、売った相手に何も言わないか。)と納得したゲーム採用話パート3です。私もゲーム中で自転車に乗ってしまい、見事に事故りました。(ゲームではハンドルが利かないまま車に突進するので、より怖いです。)本編では山崎君の怪我よりも自転車の台数分の人数でサイクリングに行けない事の方が心配なのか君達は、と2ページ目にして無常を感じた話でした。そしてやっぱり…成仏してないのか、この人も!と暗澹たる気持ちになしました。(ていうか、もしかしてゲームに登場した霊は1人も成仏していないのか…?)ところで、今回珍しく恐怖新聞の出番がなかったんですが、どうやって事情を知ったんですか、礼さん?

 交霊会…中川武士「おのれ!武士の魂に手をかけるとは!」
借金取り「お…お斬りなさいましたな!金を返さないご自分が悪いのに私を切り捨てて事を済ませようとなさるとは!この恨み忘れませぬぞ!7代先まで祟って…!」
鬼形「子供ならその武士の血は2分の一、孫なら4分の一、7代先なら128分の一と、100分の一にも満たない、ほとんど他人同然の血筋になるから『7代先まで』か…。」

昔、ビデオで見せてもらったのはこの話でした。(しかも霊媒が倒れた所で休み時間のチャイムが鳴ってしまい、結末が分からずじまいだった。)窓割らなくても新聞届けられるじゃないか(ところで、なんであの霊が新聞を届けていたんですか?)と早速ツッコミを入れた話です。どうやら祟る対象は関わった人全員という観念らしく子孫でもないのに礼さんまで殴られていたこの顛末。(痛いよ、柔道初段空手二段!)生まれ変わりの話は私も聞きますが、大抵の場合前世の記憶は幼い頃に片鱗を見せただけで消えてしまう(生まれた子供が死んだ父親と同じ酒のつまみが好きで、初語が「わしだよ、S子。」だった…が、成長するにつれて普通の子供になったという、など。文江さん、もとい前世で男を裏切った鶴姫さんの場合も本人は何にも覚えてないしね。)ものだそうで生まれ変わってもあそこまで前世の記憶が鮮明な竹の市さんはかなり珍しい人なんでしょうね。(おまけにテレポーテーション能力開眼か…お金返してもらわなくてもびっくり人間ショーで生活していけるんじゃないだろうか?)緑子ちゃんはなんだかんだ言いつつ最後は助かると信じていたので本当に死んでしまったことに大ショックを受けました。(兄ちゃんもあれで仕事クビだろうし、苦労するんだろうな。)基本的にバッドエンドばかりの話なんだなあと改めて思えたものです…。

 「他人の顔」…鬼形「嫌だ、嫌だ~!僕は死にたくない!」

ゲームでも最終話として活用されていた話です。私でさえノーミスでクリアできたのにあんなのにだまされるなよ礼さん!と朝まで待てずに騙されて結果いから出てきてしまったあんまりな間抜けぶりにガックリきた話でした。「どっちみちお前の体は腐ってもう生き返ることは無理だ。」ってことはクラスメートを巻き込んでも無駄だったということで(危うく悪霊に利用されるだけ利用されて終わるところだった。)助けた礼さんは正しい判断をしたんだなと見直しました。(なのに葬式の席でさえ「でもあなたは気味が悪くて本当に怖かったのよ。」と言われてる礼さんが哀れ。そりゃ、浮かばれないだろうなあ。)それにしても礼さんは何で幽体だとブリーフ1丁の姿なんでしょう?(配達人になってからはブリーフスタイルじゃ無くなって密かに安心しました。)など謎が色々残ったまま終わってしまった最終話です。(いいのか、こんな終わり方で…ガフッ!)とりあえず、成仏してない霊がほとんどなので新しく新聞を配達されるようになった主人公の光子さん(暫定)も色々見てしまう羽目になるんでしょうね。

ときめきの墓

2009.07.22
 得意の心霊現象を要素に織り込みながらも男女の霊的愛憎劇に仕立て上げた、作者の心霊傑作短編集です。この短いページ数の中で、よくもこんなに濃い話の数々を描き切る事が出来たな、と作者の力量に感心すると同時に、心霊がらみということもいう事もあって全ての話が幸せな結末を迎えないシビアさに圧倒された1冊でした。海外の精霊の話まで、ネットも普及してなかったこの時代に、よく調べ上げたなと感服もした本です。

 逢魔が時…易者「そろそろ『逢魔が時』ですな。魔が災いをなす時刻…『大禍時』とも書きます。しかし文字の書き方を変えれば『逢う間が時』とも書けます。人間、逢っている時間を大切にしなければいけません。」

結局「彼との関係が壊れる」という霊夢の結末は当たっていたものの、自分は浮気も何もしていない=彼氏が浮気してるんだ、と完全に解釈を間違えて彼氏のストーキングを開始(「何だって?君は僕の後をつけたのか?」「あなたの素振りがおかしいので、つい、そうしたんだわ!」「たちの悪い興信所みたいな真似をして、その挙句に逆ギレかよ!」by大内さん)実際に彼が浮気をした訳でもないのに被害妄想を膨らませて責め始めた為に完全に嫌われてしまった(「たとえ彼女が自分のバカさに気がついて和解したとしても、そういう性格を内的に持っている以上、また同じ事を繰り返すだろう。俺はしばらく女は忘れて仕事一本に生きてみるよ。」by大内さん)様には、いくら彼氏でもたまらなかっただろうな(いくら「自分一筋の女」でも「被害妄想の激しいストーカー女」はお断り願いたい。)と、むしろ彼氏の方に同情してしまったものでした。女だから何でも許される訳ではなく、嫌われる時は嫌われるんだよな~と妙に当たり前の現実が見えた話です…。

 猫と女…岡本「俺に本気だって?それなら何もかも捨てて俺についてこれるか?俺は今夜仕事でローマに発つ。君は猫も捨て仕事も捨て傍目には蒸発した感じになる。それが出来るなら信じてやるよ。」
寧子「私には猫も大切だけど、もっと貴方の方が大切だと思ったから決心したのよ。でも、やはり私は間違っていた。23匹の猫を飢え死にさせるなんて残酷な事をしてでも自分を選ぶか…なんて女に賭けをさせるような人、私にはとてもついて行けない…。」

せめてローマから国際電話をかけて部屋の鍵を開けて貰い、大家さんに猫を外に出して貰うなり、親類に引き取らせるなり、何かやりようがあったと思いますが、彼について行く事だけしか考えなかった彼女は猫好きでありながら飼っていた猫を飢え死に・共食いさせる道をわざわざ選んでしまったのでした。(「女って生き物はこれだから恐ろしい。常識で分かりきった事を無視して感情で行動して…!」by岡本さん)そして、そこまでして彼について行ったけれど、彼の方は仕事で日本を離れる間「下半身の世話」をしてくれる女性がいたら便利だ程度の気持ちしかなく彼女を愛していた訳ではなかった(愛を理由に試していただけだった)事も分かってしまい、それでも「責任」を取ってくれればまだ考えたものの彼が下したのは三行半だった…とは何とも無情な結末です。おかげで寧子は呪いで猫に変えられる(!)程度で済んでも彼氏の方はその場でかみ殺される訳だと代表者(共食いという名の弱肉強食闘争を勝ち抜いた黒猫)の行動に納得してしまった終わり方でした…。

 水子霊…加寿子「妊娠5か月…既に妊娠中絶は無理だわ。となれば何とか『流産』しなくては!」
浩雄「お前は繰り返し下剤を飲んだ…腸に激しい収縮を起こさせれば子宮も動く。水風呂に浸かり腹を冷やし、過激な運動を繰り返し、果てはわざと階段から落ちた。そして見事に目的を達したお前は、ここの大学病院に入り流産の手術をした。」

実際には探せば「法律で中絶が認められる期間」(妊娠22週)を過ぎても「死産」として中絶させてくれる所があるそうですが、一昔前(フリーセックス時代)だと「何カ月も先まで中絶の予約で埋まっている」どころか、あまりにも中絶する女性の数が多すぎて産婦人科医だけでは回せずに管轄外の内科医や外科医まで中絶手術に駆り出される羽目になっていた…そうなので何だかんだ言いながらも現代日本人は貞淑になってきたな(少なくとも一昔前よりは。「草食派」と称される人も増えたしね。)と振り返って納得すると同時に「駆け込みの緊急手術」でないと受けつけて貰えない!と焦って↑の行動にまで出る彼女の計算高さに溜め息が出た話でした。(普通に子供の父親である貧乏タクシー運転手と結婚すれば良いだろ。)「本当にすまないと思っている。」と言いつつもそれは頭の中だけの妄想で終わらせて水子供養をする事も捨てた男に謝りに行く事もしない彼女に、そりゃ水子に祟られるのも仕方ないのでは?と思わず真っ当なツッコミを入れてしまったものでした…。

 奇妙な人形…「フランス人の鉱山師ピェールド・グランデはダウジング(杖占い)を使ってアフリカのダイヤの鉱脈を発見したものの、助手に深手を負わされ権利を横取りされてしまった。かろうじてフランスに帰った彼は怨念を込めて、この黒い顔の呪い人形ディアナ・ヴォーンを7体作り、彼を呪い殺したそうです。」

呪いをかけたい相手の顔と名前を頭に思い浮かべてこの人形の体に針を刺せば、呪われた相手はその部分に怪我をし、その傷が必ず悪化して苦しみ悶えて死ぬ…そうですが、そんな「物凄い効力の人形」の話はネットでも他の本でも見た事も聞いた事も無いですし、この話はどうやら作者の完全創作話である様子です。話中の彼氏が語っている通り、呪いというのは念力(サイコキネシス)の一種で霊能者が一心に呪ってこそ効果がある物で、儀式を通じて霊を呼び出してもいない、霊感も無いただの普通の人間が針を刺しただけでは「呪い」は成立しないとの事でした。(丑の刻参りにしたって用意するのは藁人形だけじゃないし、実際問題、呪いをかける「儀式」の準備を整えるだけでも一苦労だったりする。)という訳で非常に面白い話ですが、信じてはいけない話です。

 霊の求婚…霊「結婚してくれえ…っ!」
岡本「女なら誰だっていいのかよ、テメエ!」

他の本でも毎夜、男の霊にセクハラをされ、お経を唱えても効果が無かった女の人の話がありましたが、彼女の母親が「娘の元に来ているのなら、私の元にも来てごらんなさい。」と念じて、現れたその時に「ふざけるんじゃないわよ!この欲求不満のゲス野郎!」と一喝したとたん2度と出てこなくなったそうで、要するにビクビク怯えて縮こまるから相手も調子に乗ってつけ上がる(逆に相手の方だって自分相手に怯えてくれる「弱い人間」でなければ腰砕けになる小心者であり、「影に隠れて」でないと何もできないダメな奴だからこそ、何をされても黙って泣き寝入りしそうな人間を選んでいる)訳でハッキリ肘鉄を喰らわせれば岡本さんの言う通りに本当に引き下がるんだそうです。どうしてもダメなら、奴は地縛霊(その部屋から動けない霊)なのだし引っ越すべきだったな、と最後までされるがままだった大内さんにツッコミを入れてしまった話でした…。

 治子の厄年…治子「女は普通8才、12才、18才、32才、36才が厄年で、その中でも32才は大厄と言って一生のうちで一番悪い年なのよね。それぞれの厄年の前後の年を前厄・後厄と呼んで前後3年間悪いのよ…。男は9才、24才、41才、60才で大厄は41才ですって。」

父親が事業に失敗して首を吊ったのが42才の後厄、母親が過労で入院したのが37才の後厄…そこまでは厄年のせいだとしても(それにしたって首を吊らずに土木作業にでも走れば父はまだ生きていたし、母親が倒れたのは無理に働いたせいで予測できる事態だし、全部が全部厄年のせいでどうしようもなかったとは思えないが。)娘のこの人が13才(後厄)でチンピラ達に輪姦されたのはグレて夜遊びしていた自分のせい(14才だろうが15才だろうが夜中に盛り場をうろついていたら、そういう危険性はあるだろう。厄年でも何でもなく、アンタのそれは自業自得。)だとしか思えず、今一つ共感できなかった理由でした。厄年が実際に存在し、その年代に確かに不幸に見舞われる人々が多いのは事実…なんでしょうが、3年間も幸せいっぱいの毎日を送る事自体が人生には稀だし、不幸の手紙と同じくただの偶然だと思うのですが…。(と言いつつ去年の厄年にはしっかりお参りに行っていた私ですが。←オイ!)

 神のお告げじゃ…作者「真理子自身は自分のやっているコックリ様を正式な方法だと信じている訳ですが、どんなやり方であろうとコックリ様はコックリ様…。」

真理子のコックリ様(霊)も馬券を本命の最終レースになって外れさせるようにしたり、にわか信心を起こした男への当てつけとはいえ「人を騙して笑っている」辺り、予言の的中率の高さはともかく性格は悪い霊だという事は伺えます。またコックリ様さえしていなかったら、欲得づくで魅力に取りつかれた伸ちゃんに殺される事も無かった展開を考えると、どんな上級霊が現れることになってもやるべきではなかったな(たとえ自分が上級霊を呼び出せても、周りの友達も同じように良い霊を呼び出せるとは限らない。)と↑の作者の言葉に頷いてしまったものでした。ちなみに何故「コックリ様」というのかというと外国のウイジャ版(ABC式)があいうえお式の日本製になり、3本の竹の棒をひもで縛った上に乗せたおはちを使ってコックリと移動→稲荷信仰と結びつけられて「狐狗狸」の当て字がつく→「じゃあ名前通り狐の神様を呼ぶ方法なんだ!」と思いこまれただけで本当は人霊を呼ぶ方法なんだそうです。余談ですが話に出てくるスナックの名前「狐狸狐狸」(こりごり)に吹いた話でもありました…。

 赤い髪…哲夫兄「哲夫は長年の恋人・麻耶さんを捨ててまで貴女を選んだのに、わずか半年で貴女は哲夫を捨てた。」
琴「いくらそれで彼女が自殺したからって、その後、彼まで後追い自殺したからって、そんな言い方は一方的です!あの頃(だけ)は私も真剣に哲夫さんを愛していたんです!」
哲夫兄「しかし付き合ってみて熱が冷めると意外に地味でつまらない男だと分かったので彼と別れた。だから結果として人が2人も死のうが私は悪い事は何もしていない…と?」

何だ、この女、性格が違うだけで考え方は「新・幸せの時間」のヒロイン・小夜子と同じじゃないか(自分のせいでカップルが男女共に死ぬ羽目になったのに今はすっかり忘れ去って(やっぱり他の女から奪い取った)新しい男と恋愛中って…。)とふと思ってしまった女性でした。お菓子や玩具でも好きな女の子(女友達)が持っている物を見ると親が買ってくれるまで泣きやまず、恋人も「奪い取りたかった」だけだった(「大して好きでも無くても無理矢理アプローチして、彼女を捨てさせて奪い取ると、その時『これで相手に勝った』と思った。私は『男』を本当に愛していたのではなく、ただ勝利感に酔いたかっただけなのでは…?」by琴)つまり目的は「女」の方でありながら、その実、相手の悲しみや痛みなんて爪の先ほども考えていない彼女に嫌悪感を抱いてしまったものでした。被害者面して「自殺」に走った最後も思えば全く同じ(「俺がこんなに愛してるのに、俺に一言の相談もせず勝手に死ぬなんて…勝手すぎる!女なんて、あまりにも自分勝手過ぎる…!」by現・彼氏)ですし、死ぬ事で自己陶酔している所悪いけれど、最後まで周りの人間の気持ちを全く考えなかった浅はかで身勝手な女だなとしか思えませんでした…。(「そういう人なのよ、貴女は。自分さえ良ければ他人の苦しみなんて知っちゃあいない…。」by麻耶)

 中古車怪談…風間エリカ「自分を乗せてくれるタクシー運転手は、全く見ず知らずの男よ。運転するのもドアを開閉する権利もその男が握っている。運転手が適当な相手(客)と無理心中をしようと考えて車をぶつけることだってできる。知らない男と、たった2人だけの動く密車!怖いと思わない!?」

実際「東京伝説」シリーズで本当にタクシー運転手が海に突っ込んだ事件があった(客はたまたま窓を全開にして涼んでいた為に車が沈む前に海の中に這い出す事が出来たが、それでも運転手がいきなり「お客さん、ごめんなさい!」と叫んで崖に車を飛ばした時には驚いたという。←そりゃ、ビックリにも程がある経験だったろう…。)事を考えると、このヒロインは車の買い方を間違えた(走行距離も短い外車であるにも関わらず値段の不自然な安さにもっと疑問を抱くべきだった。)だけで考え方は間違っていなかったな、と思えた話でした。ちなみに親がパチンコをしている間に熱中症死してしまった子供といい、車に憑いた地縛霊(本当はその場所から動けない霊の事を「地縛霊」と呼ぶのだが、この霊は車と一緒に「移動」している。)の話は結構聞くので、安い中古車(前の持ち主がサッサと手放さざるを得なかった何がしかの事情のある車)には気をつけましょうという話でした…。

 双生児呪い唄…由紀「いつもあたし達、同じ人を好きになって…お互い庇い合わずそれぞれの自由競争って約束を決めると、必ず男って両方に手を出すのよね。」

いっそ、女2人の間だけでどっちが男をモノにするか決めてはどうだろうか(「所詮はそんな男」の判断に任せるのが間違っているのか、いつもそんなロクデナシ男を好きになってしまう2人に問題があるのかは微妙な所だが、ともあれ「争う価値のある男」ではないと思う…絶対。)と、双子姉妹のうち一人と深い仲になった後も全くブレーキを効かせずにもう一人に手を出す男に「…。」と思いながら意見してしまったものでした。いつも同じ結末(姉妹のどちらも「同じ男」を好きになり、両方とも「失恋する」運命にある。)を迎えてしまうのはきっと何かの因縁だと2人は結論付けていますが、たとえ「姉妹の片割れ」でなくても、この男は「他の女」に手を出していたであろう展開(むしろ「彼女」の姉妹にまで手を出す辺り、どこまでも手当たり次第なスケコマシだという事が分かる。)を考えると双子である事はあまり関係無いような気がする私でした…。

 香典袋…高宮まり「古めかしい小屋の怪談を利用したら…怖がりのカレンはまんまと乗せられて役を降りたわね。香典袋はあたいの細工だったのに。これで代役に立ったあたいが舞台を上手く務めれば次期大幹部候補の一番手は確実って事になるわ。」
カレン「あなたの今の独り言は全部テープに録音したわ!あなたって人は怪談話に怯える人の心を利用して他人を蹴落としても自分が有名になりたいの!?自分さえ良ければいい訳!?」

何故そういう独り言を家で言わないかなあ…?と、鍵もかけなかった楽屋で犯行手口の全てをベラベラつぶやいてしまう、まりの不手際(そういう秘密の話は墓まで持って行こう。)と、逆上して思わずナイフで相手を刺し殺すカレンのキレぶり(あの~、そういう事をしちゃうと問答無用で刑務所行きになるので、誰と主役の座を争うかとかそれ以前の問題になってしまうのでは…?)に、この2人は一体どっちがバカなんだか(両方だな。)とツッコミを入れてしまったものでした。しかし、偶然か必然かこれでまた「4年サイクルの悲劇」が確立したことも確かで、3度目の正直で湧いて出た本物の香典袋(今度こそは心霊現象。)といい、霊現象や因縁が皆無とは言い切れない内容にもなってしまいました。現在でも「四谷怪談」(お岩様)や平将門の首塚など「100%出る」ものはあるそうですし、不吉な話には近寄るものじゃないという教訓話です…。

 ドゥエンデ…ロシオ栗林「ドゥエンデ(大地の魂)の乗り移った踊り…一生に一度でいいから踊ってみたい。もし乗り移って下さるなら…私、命を捧げます!」
ナレーター「人々が気付いた時、ロシオ栗林は生涯の願いを叶えて死んでいた。過度の疲労による心臓麻痺であった。」

実際はドゥエンデ(スペインの精霊。フラメンコの理念においては、本当に無我の境地に入れる超一流の芸術家に憑き人を感動させるという。)ではなくグエスティア(真夜中に墓からさまよい出る死霊達の行列。うっかり近づいて列に参加しちゃった人間は必ず死ぬ。だから出会った時は地面に円を描いてそこを動かず通り過ぎるのを待つ。その円の中だけは神聖な場所で死霊も入る事は出来ない…という言い伝えの前に真夜中に外をうろつくのは辞めよう、という常識的なツッコミを入れさせて下さい。)だった訳ですが一晩中、踊り狂ってしまっては呪いや祟りに関係無く普通に身が持たないだろう、と結末に納得してしまったものでした。彼女が死んだのはグエスティアのせいだったのか、それともロシオ栗林のバカさ加減のせい(何故わざわざ墓場で踊る!?)なのか、微妙な所だなとも感じてしまった話でした…。

狐狗狸伝説

2009.07.04
 つのだじろうオカルト自選集の1巻です。独自でオカルトの研究をしていたつのだ先生がテストのつもりで描いた「亡霊学級」がぶっちぎりで人気を取り「うしろの百太郎」「恐怖新聞」の連載に繋がりオカルト漫画家として大成→現在に至る…という経緯があったそうで世の中何が起こるか分からない、とコメントが載っていました。という訳で1話1話にコメントがついているお得な短編第1集です。

 狐狗狸伝説…山本勘右衛門「少年よ、私に代わり女二人を殺せ!私の財宝を全てやるから!」
黒田「お金やるからってそんな殺人依頼されても困ります!」

表紙のリアルキュートな狐の絵に思わず萌えた埋蔵金伝説の話です。狐(キツネ)狗(イヌ)狸(タヌキ)とタイトルにある通り動物霊(低級霊)を呼び寄せて話を聞くコックリさんが登場しています。(これは日本限定の物でなく西洋でもウイジャ板という霊と会話をする為の同様の手法が存在する。)会話方式が整っているのを良い事に「家に火をかけよ」と騙して一族を末代まで祟り殺した山本さん。(結局自力で復讐を果たしたのね…。)休みを利用して遊びに来た遠縁の黒田さんはゆっくりするどころか大変な災難に巻き込まれた(まあ、勝手に蔵に入り込んだり自分で足を踏み入れたのも悪かったのだが…。)ものの菱大判1枚は治療代にしっかりと手にしていた様子(むしろ治療してもお釣りがくるだろう。)でその後は心配が無さそうです。埋蔵金は見つからないままだからこそロマンがあるんですよ…ね。

 水がしたたる…亡霊学級の第3話です。話に出てくる水死体(ほとんどうつぶせに上がるのに50人に一人の確率で仰向けに上がってしまった死体。)は鑑識の刑事さんに特別なルートで部外秘写真を取材(スケッチ)させて貰った正真正銘の実録だそうで話は創作なものの絵はかなり現実に近い…そうです。溺れ死んで3~7日位で体の中にガスがたまって男か女か人相もも分からない程パンパンに膨れ上がる水死体。(おかげで水死体は土座衛門と相撲取りの名前を付けられてしまっている。)4、5日で浮かんでくるものの一週間も過ぎると腐り始め(常温保存の上に水分はたっぷりだからなあ…ゲフッ!)10日後にはズルズル皮が剥け始め手の皮なんて手袋を脱ぐみたいにそっくりズルッと剥けて取れる…そうで死に方としては最も美しくない死体の状態を晒してしまう(早期発見してサッサと引き上げたならあるいは綺麗なままで済むかもしれないが。)辺り、こんな死に方したくないなと感じてしまったものでした。工場排水で汚染が進んでいた為遊泳は危険だよと敢えて美しくない姿を晒してまで止めてくれたり、幽霊になってまで授業をしてくれたり、どこまでも生徒思いの水野先生でした(死んだのもプールに忍び込んで遊んで落ちてしまった子供を助けた為。)が登場の仕方のせいか生徒には完全に怖がられてしまっており、ちょっと同情もしてしまった先生でした…。

 おれを殺したのはおれだ…タイトル通り自業自得で死んでしまった主人公の話です。扉絵で警察が山中の死体を調べていた辺り、おそらく死体は発見されたのでしょうが、それが千秋ヒロシ君の方なのか恩地五郎の方なのかは分からず正直不安も感じてしまったものです。結局親友だろうと叔父さんだろうと最後は必ず殺されてしまう運命にあったヒロシ君が哀れに思えたものでした…。人生は何が起こるか分からない(そして上手い話には必ず裏がある。)主人公も他人と入れ替わるなんて余計な事をしなければ貧乏でも平均寿命いっぱい生きられたのにね、とツッコミを入れてしまったものでした。

 デスマスクの旋律…桜子「あたしが友達になった男の子は皆…何故か皆自殺してしまう…。」

いつ、彼女が西神君と友達になったというのでしょうか…?(むしろ幽霊になって男をストーキングする悪霊だと噂を流し下着姿でリストカットするまで彼女を追い詰めた西神君は「友達」からかなり遠い所にいる男子生徒だと思うのですが…。)ともあれ美人なのに他の男子生徒は互いに牽制して手を出してこず(その反動か抜け駆けをした西神君に対しては徒党を組んで集団リンチをしている。酷い。)唯一話しかけてくる西神君タイプは姉・緑子の悪霊がとり殺してしまうせいで今日も桜子さんは彼氏いない歴が継続しているご様子です。ラッパ吹く(嘘つき=ホラ吹き→ホラ貝じゃなくて現代日本の学校にあるのはラッパだよ、と変更されたご様子です。)テキ言う(適当な事を言う。)シカト(花札のカードの鹿がそっぽを向いている→無視している、と解釈されたヤクザ言葉。)カケヒ(駆け引き)フケて(さぼって)バックレてる(しらばっくれてる)シラコイ(白々しい)ハクイ(「良い」「美しい」「素晴らしい」という意味の隠語。江戸時代の盗人・テキヤがよく使ったそうです。)ハモる(「調和」を意味する「ハーモニー」に動詞化する接尾辞「る」をつけた俗語。調子を合わせたいという意味でしょうね。)コマす(誤魔化す、騙す。転じて「嘘や大げさな表現を使って巧みに口説き落とす」という意味でも使われた。江戸時代よりテキヤ・不良が使った隠語。)など死語も満載で(私の年代では意味が分からない言葉も多数ありました。)ジェネレーションギャップも大いに感じた時代を感じる短編でした…ゲフッ!
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