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武装錬金①~⑤

2011.04.21
 「一つの物語を強烈に好きだと思ってくれる気持ちは素晴らしいと思うけれど、それ以外は認めないというのは本当に残念。」みたいな事を作者も言っていた事からも分かるとおり、読者はまだまだ「和月先生=るろ剣」の気持ちが強く、しかも連載時期が「鋼の錬金術師」の人気最盛期と被った(最も被っているのはタイトルだけで内容は全く別物なのだが、中身をよく読まずに混同する人間は多かったらしい。)こと、支持してくれる読者層の年齢が高かったこと(要するに「アンケート葉書」を出すのが恥ずかしくなってくる年頃の中高生以上。)などなど色々な不運・不幸が重なって連載はわずか9巻で打ち切り(そして作者の根性から連載終了直後に60ページもの読み切りで補足完結という異例な事態が起こる。かの「思春期未満お断り」が打ち切りになったのに「じゃあ読み切りの形でいいですから、このキャラクター達を描かせて下さい!」と続編をねじ込んだ渡瀬悠宇先生みたいだ。)となり、ネットの評価に反して「面白い」と思えた自分としては作者が納得いくまで連載を続けられなかったのは本当に残念な結果だな、と人気投票(葉書)だけで判断する編集部のやり口に嫌悪感を改めて感じながら読み進めた本でした。日本一の発行部数を誇る雑誌上で生き残るには「ほどほどの人気」でなく「物凄い人気」でないと続けられない(実際、別の雑誌だったら連載はもう少し続けられたと思う。)のは分かるけれど、それで連載が続いている他の作品が流しそうめんみたいに内容がグダグダになっている事を考えると、あんまり褒められたものでもないよな、と認識を新たにもしたものです…。

 津村斗貴子…「帰れば元通りの世界。来れば戦いの世界。自分が住む世界がどちらか言わずとも分かるだろう?君は来るな。来てはいけない。妹と一緒に帰りなさい。」

昨今ツンデレに名を借りた理不尽な暴力ヒロインが多い中、攻撃力が高い(その気になればギャグで誤魔化した暴力が振るい放題な)割に、最も暴力や苦労を押しつけやすい対象であろう主人公に↑の言葉で自分と巻き込まいとし1人で戦う様にはこの人は「優しい大人」だと戦い方のスパルタンぶりに反して登場初期から好感を持ったバトルヒロインでした。(最もこの辺は「最近は『暴力ヒロイン』が嫌われる傾向にあるから。」という作者の配慮も根底に有ったらしいけれど。←「NARUTO」のヒロインのサクラなんて男にも女にもワーストトップで嫌われているしな…ゲフッ!)顔の傷といい(それは「るろうに剣心」の主人公の特徴…。最もるろ剣の方では主人公を描いたら「女の子」になってしまった為に男だと判別をつけられるように敢えて十字傷を入れたらしいが。)性別が逆だったらこの人はきっとカズキを押しのけて主人公を張っていただろうと実感も出来た、女の子の割には存在感が滅茶苦茶あるヒロインでした…。

 武藤カズキ…「オレ、頑張ったんだ。でも…オレ、偽善者なのかなぁ…。」

第一話で早くも見ず知らずの女の子(斗貴子さん)の為に尊い犠牲となり(第一話から死ぬ主人公というのも珍しいよな…。)妹・まひろの遅刻減点まで引き受けてなんていい子なんだろう…と昨今の少年漫画には珍しく周りの人間思いな様に思わず感動してしまった主人公です。(その純粋培養された性格が悪人には癇に障るらしくパピヨンには「綺麗事ばかり言う偽善者」(「一番嫌いなタイプだ。」byパピヨン)とまで言われてしまっていますが…。)しかし良い子過ぎて逆にアクが薄く感じるのか、イロモノ代表のパピヨン以下濃過ぎるキャラクターが周りに集中してしまっているせいか(多分後者だな。)人気投票ではヒロインに負けてしまったり、ネット上でも存在感があまり無い主人公(だから周りが濃過ぎるんだってば!)と評されていたり、辿る運命の割には(主に「るろうに剣心」との比較もあってだろうけれど。)結構な言われようで、ちょっと同情してしまったものでした。いかん、頑張れカズキ!(和月先生風に。)

 パピヨン(蝶野攻爵)…蝶野「自分はのうのうと生き返って、お前は俺にこのまま死ねと?病という運命を受け入れて死んでしまえと?」
カズキ「で、作ったホムンクルス一体につき一人の犠牲だけで20人。エサとして更なる犠牲者…犠牲者だらけだ!」
斗貴子「死んでしまえ!」

最初に出てきた猿のアジトにも相当数の人骨があったし、ホムンクルスの素体にされた人間の精神(魂)だって潰している事を考えると何、一回死んだ事で綺麗に清算されたかのようにふるまっているんだ!とツッコミを入れたくなる位の大量殺人者なのですが…正直ここまで我を通して、周りからの非難も屁とも思わず、たった一人になっても一切の迷いも持たずに目的に向かって邁進するその姿勢はいっそ好感が持てると逆にポイントが高くなった主要登場人物でした。(個人的に。)親分風気取りながらも「取り巻きがいないと何もできない人間」(偉そうなことを言っているけれど何をやるにもパシリ任せで「自分」では何もできない人間。)はよくいるけれど、どこにも味方がいなくても自分を貫ける信念の人はなかなかいない(たとえその信念が「他人を糧とする事をも厭わず、己が生き延びる為だけに独走する」という間違ったものであっても、そこまでする根性とエネルギーは見上げたもの、というか…。)とその信念の強さだけは買ったものです。(「善でも、悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!」byブラボー)結果としてカズキにやられて死んだはずの彼がしゃあしゃあと生き延びた事に関しては賛否両論ありそうですが、これでカズキは「偽善者」になっても「殺人犯」にはならずに済んだ訳で個人的には色々な意味で嬉しかったのですが…あの胸板ほぼ見えのパピヨンスーツといい、パンツ一丁姿(しかも黒ブリーフ)といい彼のセクシャルバイオレットなオシャレについて行けなかった読者も結構いた様子で人気もあった反面、彼を恰好だけでキモい!と判断する読者も多かったらしいです…。(そんな個性的な所が大好きだったんですが。)

 鷲尾…鷲尾「創造主は私の命の恩人。一度死んだ私に新しい命と力を下さった。今、その方の命がかかっているのだ!邪魔立ては許さん!」
カズキ「蝶野はお前達を実験材料としてしか見ていない。他人の命は全部ないがしろにして、死ぬ恐怖から免れて自分が生きる事しか考えていない。」

「死を恐れる」のも「生きたいと願う」のも生物の本能で創造主の行為は間違っていない!(他人を蹴落としてまで自分が生きたいというのが人間の、そして生物全ての本能だ。)というのはある意味では正解でしょうが…それよりも何よりも自分が創造主にとって実験動物並のどうでもいい存在だという事実関係(「目的を果たせないなら、ただの役立たずだ。」by蝶野)に思う所は無いのか…と涙ながらにツッコミを入れてしまったものでした。(「そんな奴でも命の恩人である事実に変わりは無い!」って言いそうだけどね…。)ちなみに元々の人間版鷲尾はひ弱な蝶野を鍛える為のトレーナーで別に何も悪い事はしていなかったのに逆恨みでホムンクルスにされたそうで(というか蝶野作ホムンクルスの犠牲に選ばれた人間の大半はそんな感じだな…。)人間側も動物側もどっちも哀れな扱い方をされたな、と密やかに同情したキャラクターでもありました…。

 蝶野次郎…「蝶野の家に生まれたのに1年遅かっただけで後はずーっと『兄さんの予備』扱い!名前だって曾々爺ちゃんにちなんだ由緒ある『爵』の一文字をつけて貰えず至って普通!兄さんが発病するまで、僕がずーっと地を這うイモ虫だったんだ!」

良かったじゃん、「次爵」とかのS極やN極がついているような石の名前(それは磁石だ。)じゃなくて、普通に無難に「次郎」という名前で…というツッコミは彼には届かないらしいです。とはいえ兄貴よりも出来が良い成績を修めていれば、あの父親の事だから、もっと早くに次男を格上げしたでしょうに(最もIQ230の化け物並の頭をした兄に打ち勝つのはまず不可能だろうが。)「普通の生活」に文句を言いながらも、枠からはみ出てまで人並み外れた事を成し遂げようとはしなかった…辺りが兄に負けた部分なのだろうなと頭以外の部分でも敗因が見えた弟君でした。ちなみにパピヨンが言っている彼の味の評価(「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、接吻のように甘い…これが人間の味か。」byパピヨン)はフランスの元外相タレーランの「美味しいコーヒー」を評したセリフだそうで「そうか、次郎君はコーヒー味か。言われてみれば確かに『ブラック』な子だったもんな…。」と妙な納得もしてしまったものでした…ゲフッ!

 ドクトル・バタフライ(蝶野爆爵)…「パピヨンは蝶は蝶でも、私と違い1人では高くも遠くへも飛べない出来損ない。それでも一応はホムンクルスだから私がお情けで『保護してやってる』のさ。」

ヒントを貰いながらも独力で研究を完成させた曾々孫・パピヨンの成果を認めてくれた…訳ではなく、助けてくれたのは修復フラスコの効果を証明する為の「実験素材」に使いたかったからで、仲間に引き入れてからも決して信用した訳ではなく見下していた(「所詮アイツは私の研究を使いながらも不完全なホムンクルスにしかなれなかった愚図。」by爆爵。)というのが、パピヨンの痛い所です。(所詮、あの親父と弟に連なるDNAを持ったご先祖様だからな。「エリート街道を外れた身内」は評価に値しない存在なのだろう…。)結果として「飼い犬」に手を噛まれた(どころか下剋上を果たされた。)のも逆に見下されたのも納得の展開でしたが…それよりも何よりも鬚といい、服といい、この一族のセンスの悪さ(ある意味で個性)に度肝を抜かれたお爺ちゃんでした。パピヨンも見下されながらもオシャレな服だけは気に入った様子(以来、アレが彼の一張羅となる。)で、やっぱり血筋なのか…と改めて頷かせて貰ったご一族でした…ゲフッ!ちなみにドクトルはドイツ語でバタフライは英語だけど、ついでに言えばパピヨンはフランス語だけど、気にしない、気にしない…。(「お願い、気にしないで…。」by和月先生)

 早坂秋水&桜花先輩…桜花先輩「私達の望みはたった一つ。ホムンクルスになって死ですら別てない命を得て、2人だけの世界で共に生きていくこと…。」
斗貴子「言いたい事はそれで終わりか。自分達が一番不幸だと思っているのなら別にそれで構わない。だが、貴様達がホムンクルスになって人に不幸を振り撒く真似は絶対に許さない!」

比べてみれば、偽物(誘拐犯)だったとはいえ「母親」と温かい家庭を営んだ記憶があって、実の両親に疎まれながらも「普通の家」で暮らすチャンスもあって(逃げ出したのは双子の勝手。冷静に考えれば母親に「あんな女が3年も育てた子達なんて、もう私の子じゃないわよ!」と言われる「罵声だけで済む生活」の方が、脱落すれば食われる「子飼いの信奉者」となるよりも幾分は得だったろう。)双子の片割れである「身内」も生き残って側にいる…辺りは一家全員どころかご近所の人達まで食われて、その精神的ショックから家族との記憶まで失くしてしまった斗貴子さんよりは不幸ではないのでは?(後は赤ん坊の頃に家族を食われて「家族との記憶」すら作れなかった錬金戦団の剛太とかね…。)とツッコミも入れてしまったものでした。秋水先輩の得意技が逆胴(左胴。「本来なら侍の二本差しが邪魔して斬っても致命傷にはなりにくい箇所。現代剣道に於いてもその辺を考慮に入れて最も判定が厳しく一本が取りにくくなっている。けど裏返せば相手が最も油断していて上段者にとっては絶好の狙い場所にもなり得るとか。」by六舛)だったり、剣道関連の技が出て来た辺りはやっぱり「るろうに剣心」の作者なんだなあ~と微妙な所で嬉しくも感じたもので、最後「2人だけの世界」から互いに違う道へと歩み始めた辺りは成長したのでしょうが、高校生にもなって武者修行の旅に出るのはどうなのか(それはそれで良いけれど、いくら腕を上げても剣道で食ってはいけないよ…。)大学へ進む道を選んだ姉の方が腹黒い分、きちんと将来を見据えた選択ができていたな、と進んだ道の違いにも頷いてしまった2人でした…。
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武装錬金⑥~⑩

2011.04.20
 「これが自分にとっての最後の少年漫画作品になるかもしれない」と考えてやりたいと思っていた事のありったけをぶつけた一年半、体力の消耗が激しく一冬に4回も風邪を引いたとか、疲労困憊のあまり約30年ぶりに寝小便を漏らしたとか(サラ金で働く女性があまりの疲労とストレスでトイレにも行けず、紙パンツを履きながら過ごし、遊ぶ余裕なんて無いせいで友達も、そして彼氏もいなくなったという話を思い出しました…。)打ち切りの報せを聞いて、誰とも会いたくなくて一晩だけ箱根の温泉に逃げたとか、それでも何が何でもこの作品は最後まで描きたいとあがいて60ページを超える読切&描き下ろしの形で何とか終わらせた事とか、読んでいると血の叫びが聞こえてきそうな後書きと共に、作者が本当にこの作品を愛してくれていたことが伝わってきて、何と言うか感慨深い思いが込み上げてきたものでした。(そしてやっぱり漫画家は「ただ漫画描くのが好き」な程度ではなく「この人にこのまま漫画を描かせていたら心身共に限界を迎えて死んでしまうのではなかろうか?」と思われるほど「必死になれる人」でないとなれない物なんだなあ、と改めて感じたものでした。)そんな訳で良い意味で「イロモノ」だったこの作品(変態ばかりが目につく作品ではあるが、それさえ気にならなければ面白い…はず。)もいよいよ(残念ながら)完結です。

 津村斗貴子…「キミが死ぬ時が私が死ぬ時。いや…キミと一緒に生きていく。もう離れない。キミと私は一心同体だ。」

本当はこのシーン、ヴィクターとシルバースキンが抱き合うという非常にむさくるしい絵(正しくは、怪物化したカズキとシルバースキンに身を包んだ斗貴子。)になるはずだったのですが、↑のセリフの元でラブラブマックスになる場面でそんな絵はアウトだろう(いくらコメディと言っても外し過ぎるのもいかがなものかと思う。)という良識的な判断から制服を着たカズキと斗貴子という「イメージ画像」で送られる事となりました。(「え~、裸じゃないの~?」by黒崎先生)雑誌終了時にはカズキの唇を奪い(注・合意の上です。)読み切り(補足完結)版の扉絵ではウエディングドレスまで着て(結婚かよ!)幸せに終わっていた彼女。この物語は日常を奪われて「非日常の世界」(戦士の世界)の中で生きてきた彼女がカズキと手を取って「日常の世界」に戻っていく話でもあったそうでバカップルぶりと合わせて素直に祝福出来た終わり方でした。おめでとう、斗貴子さん!

 武藤カズキ…「オレが皆を守るから、誰かオレを守ってくれ…!」

随分とパワーインフレはしたけれど(インフレが過ぎて危うく人間を辞めた存在になり果てる所だったけれど。)この子の内面はやっぱり初めて登場した時と同じ「普通の心の優しい男の子」のまま(斗貴子達「戦士」のように元々の精神がスパルタン的に「強い」訳ではなく周りの人達の為に、ただやせがまんしてるだけ。メンタルは実は一般人並み。)なんだなあ…という妙に当たり前の事を実感させてくれたセリフでした。(「俺が皆を守る」けれど、本当は「俺だって怖い」のね…。)それがヴィクターでもパピヨンでも、誰でも彼でも救いたいなんて甘っちょろい理想論ばかり言うのに不快な所が全然無いのは、当の彼の人の良さに起因する事でもあるのでしょうね。(パピヨンには「前にも増して大層な偽善者ぶりだ。」と言われてしまっていますが…。)最後は結局誰も彼も助かって斗貴子さんまで日常の世界へ連れ込めた、まさしく彼の頑張りが実を結んだ終わり方には拍手ばかりが出た話でした…。

 パピヨン(蝶野攻爵)…カズキ「死んだ命をしっかり弔って、これで全部終わりにしよう。お前の名前は俺がずっと覚えている。お前の正体もずっとずっと覚えている。だから新しい命と名前で新しい世界を生きてくれ。」

ホムンクルスになる人間のほとんどが「嫌々、無理矢理そんな体にされた」(人間の世界に未練タラタラで「出来る事なら人間に戻りたい」その感情が食人衝動として表れている)反面、パピヨンの場合は「自分の意志で心から望んでそんな体になった」(始めから人間社会に何の未練も持たなかったから、別に人間を食べなくても禁断症状が出ない)のでホムンクルスとしては欠陥品(病気の症状はそのまんま。)でも、脱・人間は完全に果たした新しい存在になった様子です。とはいえ「動物実験」の段階までにも数多の犠牲者を出し、超人になった直後には弟以下、何十人と食いまくった後になって食欲が無くなったというだけで全てが許されていいのか?(親殺しでもあるよな、この男。)というツッコミは入ってしまったものでした。2巻死亡時、家族や部下ですら彼の存在を忘れ去っており父親にさえ名前を呼んで貰えなかった(「なあんだ。蝶野攻爵は今夜ではなく、とっくの昔に死んでいた訳か…。」by蝶野)最後を考えると多くの人に愛を込めて名前を呼んで貰っている今は嬉しい限りなのですが、一般的価値観から考えるとそこまで「過去」を捨て去って良かったもんかなあ(むしろ捨てるべきはマスクと衣装だろ!)とも言われている主要登場人物でした。(蝶・素敵な水着といい、彼のそういう突き抜けている所が大好きだったのですが。)

 キャプテン・ブラボー(防人)…「最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない。俺の信念は一人でも多くの命を守ること。その為なら仲間(カズキ)殺しも厭わない。俺は悪にでもなる。」

まさかの上司の離反(いや、組織の一員である彼の立場からしてみれば妥当な判断ではあるのだが。)には、それまでの関係が良好だっただけに、海水浴でも良いコンビを見せてくれていただけに(…まさか「最後の思い出」になるように、という嫌な方向での仏心だったのだろうか?)タイトル同様「Say it not so,Bravo!」(嘘だと言ってよ、ブラボー!)と思わず胸の内で叫んでしまった展開でした。その後、和解して主人公達を炎から庇って燃え尽きた(尽きてません!)終わり方には、その回のタイトル「GONE INTO FLAME」(炎と共に去りぬ。)通りに死んでしまったのかと焦ったり…なんだかタイトル通りに踊らされた記憶ばかりが生々しい登場人物です。ちなみに彼のコート(シルバースキン)は実は武装錬金(武器)だったというオチがありましたが「伊達や酔狂でこんな変な恰好をしているとでも思ったか?」「思ってた!」のネタに地味に笑わせて貰ったものでした。(味方にまで…。)

 中村剛太…斗貴子「君と私は一心同体。君が死ぬ時が私が死ぬ時だ!」
カズキ「分かったよ。でも一方通行の一心同体なんかゴメンだ。だから斗貴子さんが死ぬ時がオレが死ぬ時だ!」
剛太「もうダメ。ストロベリー過ぎて…立てね。」

斗貴子さん、公衆の面前でも全く構わずカズキにプロポーズしたのは最高だが「その他大勢」にされた人間の気持ちも考えるべきだ。剛太くん、きっと傷ついたぞ(その前には人工呼吸にかこつけて危うく「目の前」でキスシーンを繰り広げてしまう所だったし…。)と、思わず語りかけてしまった3角関係の様でした…。「恋の為(だけ?)に動くキャラクター」という設定は始めから揺るがなかったものの、当初は惚れる相手は斗貴子でなくカズキの妹・まひろの予定だったそうで(全然接点の無い2人=惚れた理由は一目惚れという顔だけの上っつらな判断でなされたもの…って凄くつまらないし共感もできないから現在の方向に変更されて本当に良かったと思えた。)おかげで初恋だって実らなかったものの、熱い友情の元に立派に成長し、それに周りの女(ちーちゃん)も気づき始めている(大丈夫。本当に良い男は「女1人」に振られても別の女10人にモテルから!←本当か?)現在が、ちょっと嬉しく感じる今日この頃な彼でした。

 ヴィクター…ヴィクター「アレキサンドリア…母さんは、最期に何と?」
ヴィクトリア「ママはいつまでもパパのこと愛していたって…。」

「今」ある白い核鉄は1個だけ。とてもカズキが人間でいられるタイムリミットである25日後までにヴィクター分と合わせてもう一個作れる時間は無い…なら、締め切り伸ばせばいいんじゃんという考えてみれば結構簡単な解決方法(2者択一でなく時間差で一つずつ解決できる問題にした。意外と盲点だが柔軟で役立つ考え方である。)で人間に戻れたラスボスです。奥さんとの再会は果たせなかったけれど(100年以上経っちゃっていたからなあ…。)娘の方はホムンクルス化していたおかげで認知症になる事も無く別れた頃とほぼそのままに親子生活が再開できていますし(これで娘がもし「普通の人間」のままだったら、ヴィクターはせっかく人間に戻るも自分よりはるかに年老いた娘(ババア)の介護に追われ、妻の最期の言葉を聞くどころか日常会話すらマトモに成り立たないという悲劇が待っていた。合掌。)化物のままなのは相変わらずだけれど、共に暮らせる家族が出来て、同じ立場の仲間(蝶野作ホムンクルスの皆さん)も増えて、多分、今の彼らは幸せなんだろうな、と人間社会に戻れなかった点を差し引いても「救いが持てた終わり方」に感じた結末でした…。

 読切「エンバーミング」…リトル・ロゼ「執事さんは随分と人造人間にご執心ですね。マリゴールドが僕達、壊し屋を呼んだ事、博士の卵という僕の表向きの触れ込み、全部死体卿に筒抜けでした。実際にその目で見た人造人間はそれほど魅力的でしたか?主人を裏切って敵に取り入る程に。」

情報ダダ漏れ=味方の中に内通者がいるという事であり、両足を切断されて思うように出歩くことすらできないマリゴールドお嬢様を普通に除外すれば自ずと「犯人」は見えてくる(執事以外の誰にも、そんな真似は出来ない。お嬢様が最後まで知らなかったのが救いだったが、彼こそが自分の両親を売り渡した裏切り者であり、死体卿に良い顔をしてゴマをすっていたコウモリ野郎だった。)という事だったのでしょうね。アフターケアも万全なのか、進んで人造人間に関わる悪人は全滅させるのがリトル・ロゼの組織のポリシーなのか、彼にもきっちりと制裁を加えてくれていた様には心から拍手したものでした。ちなみに元の話(メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」)は天才学生ヴィクトル・フランケンシュタインによって作られた人造人間(名前すら与えられなかった。)が作るだけ作って捨てられたのを恨んで、引っ越し先まで追いかけてきて「一緒に暮らしてくれとは言いません。だから、せめて嫁さん下さい。そうすれば2人仲良くひっそりと生きていきます。」「冗談じゃない!1人だけでも殺人事件を起こしまくった迷惑野郎なのに、これ以上増やせるか!」と決裂し、最後は北極で共倒れみたいな形で終わった…という話なので、主人公ジョン・ドゥが「自分と同じ人造人間の花嫁」が目的というのにも原典を知っている人間としては納得できた話です。(なるほど、生みの親にまで拒絶されて迫害され続けた記憶なんて「失っている」方がまだ幸せかもしれないな…。)そんな原作を知る人間としては関連項目が多いという点で2度美味しい思いを味わえた話でした…。

るろうに剣心①~④

2010.09.20
 ええ~、新撰組の敵が主人公なの~?と設定からして受け付けず弟が夢中で読んでいたにも関わらずスルーしていたものでしたが、その後、新撰組関連の書物を読むにつれ、奥さんがいながら京都で美人姉妹と姉妹ドンブリをした近藤勇局長、美形な顔で行く先々で女とのトラブルになっていた土方歳三(大河ドラマ「新撰組」では「あんな綺麗な顔を殴るなんて…。」「で、何で僕が代わりに顔をはたかれなきゃならないんですか!」と近藤局長が身代りにしょっちゅう平手打ちを喰らっている。)「不細工な女の方が尽くしてくれるから」と選んだ女に「今日で最後だから」と言ったとたん相手の女は事を終えた後自殺していた(のに「で、名前何だったっけ?」と忘れ、現在は他の女・時尾を妻にしている)斎藤一(藤田五郎)といい、会津の悲劇と共に散った新撰組の悲惨な歴史はともかく「こいつら取りあえず女の敵だ!」と新撰組(の性生活)に大いに幻滅してしまった後(今でも好きな新撰組の隊員は女っ気の無かった沖田総司や映画「壬生義士伝」の主人公にもなった奥さん一筋の吉村貫一郎位。思うに最も多感で潔癖だった思春期女子中学生の頃に関連文献を読んだのがまずかったんだろうなあ…。)「ふむふむ、新撰組の敵が主人公ね~♪」と随分と時が経ってから嬉々として手に取ったものでした。で、思いました。「ええ~、主人公が悪の新撰組をメッタ斬りにする話じゃないの~?」と。(時代、明治ですから。幕末に活躍した新撰組は滅んだ後でした…。)

 緋村剣心…山形有明「是非、帝国陸軍の幹部に迎えたい。多くの維新志士がお前の帰参を待ち望んでいるんだ。」
剣心「あいにくですが、絶対に働きたくないんでござるよ。」

流浪人(るろうに)という言葉(造語)だけ読んでみれば聞こえはいいものの、外で働いて金を稼いでくる訳でもなく、家(道場)で師範代(先生)の一人になって家計を助ける訳でもなく、家事に勤しんではいるものの(それにしたって食費はおそらく薫持ちだろうし)現代で言えば立派な二ートである彼の生き様にはその卓越した剣技とは別に「…。」と思ってしまったものでした。血縁でもないのに家に住まわせてくれる薫という家持ち・土地(道場)持ちの素晴らしい女性に惚れられた(28才のオッサンが17歳美少女の自宅に居候→婿養子って勝ち組過ぎる)のが彼の幸運だったでしょうがそれって今で言う所のヒモと違うのか?(女性の地力で食わせて貰って住まわせて貰ってるって…。)という疑問も出て、剣術の腕はカッコイイけれどもそれとは別に生き方はカッコ悪いよなと再度認識してしまった主人公です…ゲフッ!余談ですがこの頃は30間際の男が主人公(その年齢で二ートってどうなんだよ!?)というのにも抵抗がある時代だったんだなあ、と薫や恵さんの騒ぎぶり(「流浪人さん、父の同志だったって事は今おいくつなのかしら…?」「そーいえば…若くても30前後。なのに無職で…?」by読み切り版)にも納得してしまった男でもありました…ゴフッ!

 神谷薫…剣心「拙者は元々神谷活心流の者ではないし弟子を取る気も無いから悪いけどお引き取り願うでござるよ。」
薫「取りあえず入門させちゃえばこっちのものだったのに何で帰しちゃうのよ!15人もいたのに!」
剣心「興味半分のにわか入門者では半年も持たないでござるよ。」
薫「その半年間分の月謝という収入をパーにしといて何を偉そうに語っているのよ!」

全くニートはこれだから…!生活するには金が必要だという当たり前の現実をちっとも分かっちゃいないんだ!)と薫の苦労が偲ばれたものでした…ゲフッ!そんな訳で第一話でこそ木刀を手に剣心と戦ったり千葉佐那(坂本竜馬の自称婚約者)顔負けの剣術小町(バトルヒロイン)ぶりを見せてくれている彼女ですが(しかし剣心が超都合良く来なければニセ抜刀斎兄弟に道場を乗っ取られていただろうが)この子がそうやって「前線で戦った」のは一巻だけで恵編の時も家で料理を作って待っているだけ(その割に料理の腕は今一つ…どころか酷いものだが。)以来一度も「敵相手に戦う姿は見られない」(弥彦に剣術は教えているけれど)彼女の姿に終盤では実は竹刀剣術では全国レベルで他道場経営者(幹部)とも対等に渡り合える実力の持ち主(女だてらに滅茶苦茶強い)という「初期設定」など綺麗に忘れ去っており一話目及び特筆版を読んで「…え?この人って『戦える女性』だったの?」と物凄い違和感を感じてしまったものでした。それは私だけでなく弟も同様だったようで特筆版のあらすじを聞いて「ええ?薫は『戦わない』でしょ?」と物凄く驚いていたのが…記憶に残っています。黒傘事件の時にはもうピーチ姫のように刀衛(大魔王クッパ)に攫われて剣心(マリオ)の助けを待つ「お姫様」状態だったし誰もそんな初期設定なんて覚えていないのでは…?と疑問も出てしまった女性です…ゴフッ!

 明神弥彦…剣心「この人は神谷活心流師範代で神谷薫殿。今から童の先生でござるよ。」
薫「先生って、まさかこの子まで門弟という名の居候(二ート)に!?」

こうして神谷道場に第二の同居人(という名のニート)東京府士族・明神弥彦が加わる事に相なった…のですが上記のセリフからも分かるとおり彼の保護者(という名の月謝を払う人)は既に他界しており、剣心1人だけでも食いぶちが増えたというのに育ち盛り・食べ盛りの男の子まで加わって薫は本当に大変だったろうなあ(そりゃ味噌に米に醤油に塩に買い込む必要があるし、祖父の水墨画も売らざるをえない必然性が出てくるよね…ゲフッ!)と一人で秘かに納得してしまったものでした。スリも辞め、後に始めるアルバイトも逆刃刀を買う為(全部自分のおこずかい)というやっぱり実収入ゼロのこの門下生、酒の勢いで剣を振るって人の腕を折りリベンジ騒ぎを起こした元門下生達(「私刑(リンチ)で木砲をブチこむ菱卍の連中も度を知らねえバカだけど、こいつらはそれ以下の下衆だぜ!」by弥彦)よりはマシだろうけど道場自体の経営は相変わらず大変だろうなあ木砲で壊された壁の修理費も誰が出したんだろう…?)と別の所で同情してしまいました…ゴフッ!

 相楽左之助…左之助「ねえ隊長、四民平等の時代になったらさ、俺、隊長と結婚して相楽って名乗っていいスか?」
相楽総三「左之…いくら『平等』っていっても別に赤報隊は男が女と同様に男と結婚できるようにする事を伝えている訳じゃ…。」
左之助「でも、俺、男同士の結婚が認められるようになるってそこかしこで言いふらしちゃいましたよ。」
相楽総三「…え!?」
            ~後日~
モブA「ニセ官軍、赤報隊一番隊隊長・相楽総三。同性婚認可などと虚言を用いて人心を惑わしたかどにより斬首だと。」
モブB「英雄気取りで維新志士様の真似は構わねえが俺達ホモップルをぬか喜びさせるなってんだ、全く。」

…というネタが同人誌にあり、維新政府の建前と本音(嘘と誠)を最も端的に表した赤報隊事件(1868年、鳥羽伏見の戦いの直後に結成された草莽部隊・赤報隊。諸藩の農民を官軍の味方につける為に「年貢半減令」を餌に人々を釣っていったが、釣り上げた後で財政難過ぎてその約束は実行できない現実に気づいた維新政府は「皆さん!年貢半減令は赤報隊だけが勝手に言っていた事なんですよ~!」と全部の罪(悪)を赤報隊に押し付け口封じも兼ねて処刑した。戊辰戦争真っただ中の時代だった事も有ってあまり有名になれなかった事件であり私の時代の教科書にも載っていなかったマニアックな歴史事項でもある。)を背景にした切ない過去でありながらも↑を思い出して含み笑いばかりしていた思い出があります…ゲフッ!剣心との戦いを経て過去を忘れる為の喧嘩三昧の日々はもう辞めた…のはいいけれど喧嘩屋(仕事)を辞めたことで収入も無くなりそして仲間(二ート)がまた一人増えた展開にはひたすら薫に同情してしまったものです。(一応、住んでいる所は別のようだけれど食事をたかりに来る無駄飯ぐらいの男という現実には変わりない…ゴフッ!)喧嘩屋を辞めるのは構わない、けれど自分の食いぶち位は自分で稼ごうよとツッコミを入れてしまった登場人物でした…ガフッ!

 鵜道刃衛…「維新だ、明治だ、新政府だと騒いじゃいるが、その中身はなんてことは無い、幕末同様の血で血を洗う権力抗争が続いているのさ。人斬りは所詮死ぬまで人斬り。お前がいつまで流浪人などと言ってられるか地獄の淵でみててやるよ。」

戦争の終わりと共に時代は一気に変わったように思える江戸時代→明治時代への変化ですが「時代の変化」はいつだって緩やかに進むもので明治になってからもう10年も経っているからと言って人々の振舞いや考え方までそう簡単にガラッと変わった訳ではない、影では相変わらず幕府時代同様の迫害や権力抗争が続いており「人間は死ぬまで変わらない」(そして自分も人斬り以外の何物にも変われずに死んだ)という彼の生き様にはマッドな反面、少し分かる気がしたものでした。(人斬り抜刀斎に斬られる事を熱望していた辺りも「あの時代に生きた同類」と剣を交えて死にたかったのではないかな、と思えて…。)「人斬りは自分の意志で人を斬る。だがそれは相手を選ばずお偉い方に利用されるだけ」だったのを無視して剣心に挑んだのは生き方は変えられなくても最後は自分の意志の元に生きて死んだ証にも思えて多少、哀愁を感じてしまったものです。剣心に対しては「人斬りは所詮人斬り」(お前だって俺の同じように変われないさ)と随分と嫌味を言っていますが自分をぶち殺した人間に優しい希望に満ちた言葉なんてかけないのが当たり前でその辺りも理解できたものでした…ゲフッ!この人もこの人である意味での維新政府の犠牲者だったのかもしれません…。

 高荷恵…武田観柳「私はいつもあなたを可愛く思っているんですけどねぇ。」
恵「可愛く思っているのは私が作った阿片の利益でしょ。」
観柳「ええ、ですから、そのついでに貴女も可愛がってあげているんですよ。」

確かに情婦(両想い)ではなかったようだが読み切り版の西脇さんと同じく奴にセクハラを受けてはいたようで、一体どこまで何をされていたのか心配になったものの制作秘話によると彼のモチーフとなったのは男色家(ゲイ)としても有名だった新撰組の武田観柳斎(それに倣って観柳もホモという設定だったが話に関係ないので、その設定が「使われる」事は無かった。)だそうでじゃあ女性の恵は毒牙にかかっていやしないな(むしろ蒼紫の方が危険な立場かもしれない)とホッと胸をなでおろしたものでした。自分の所業(阿片作り)のせいで大勢の人が中毒症状を起こして死んだのだから死んで償うべきだというのは同じ人殺しである(むしろ恵の比ではない)剣心自身の「自分の特技(剣技。恵の場合は医術)を生かして役立てて行くのが本当の償いだ」という凄く説得力のある言葉によって回避されていましたが、現在二ートである彼が生き方を説くのもどうなのか、特技を生かす事を否定はしないがお前はまず働くべきではないのか等々ツッコミは入れてしまったエピソードでした…ゲフッ!

 四乃森蒼紫…「仕官の話なら山ほどあったさ。だがそれは全て俺一人だけの事。部下達を見捨てて御頭の俺が仕官など、何故できる?最後の将軍・徳川慶喜のような醜い裏切りは俺は御免だ。」

なるほど5人分の給料を払ってくれる観柳に乗る訳だ…と元は将軍や大名の城・屋敷を隠れて警護する誉れ高い密偵間者(忍者)御庭番衆(実は実在の役職。最も火男(ひょっとこ)のようなビックリ人間ショーにも出れそうな人物はそうそういなかったでしょうが…。)が一般人の、それも虎(金)の威を借る狐状態の性格の悪い男に仕えている理由が分かったものでした。が、結果そんな男に仕えたおかげで残った部下4人共を回転式機関砲(ガトリングガン)で死なせてしまった最期を見るに完全に雇い主を選び間違えたなと彼の判断に「…。」とも思ってしまったものです。仕官の話が山ほどあったのなら部下4人分養うつもりで自分が大黒柱となって働けば良いものを(薫だって男のニートを3人も養ってるんだしさ!)妙な男気を見せるから人生を誤ってしまったんだとツッコミを入れてしまった人物でした。その後、志々雄に仕えている辺り雇い主を見る目が無いのは治らなかったご様子です…ゲフッ!

 余談…3巻読み切り版の話にて「目線と銃口の角度を見てれば弾道くらい読めるさ!」と拳銃での攻撃を避けていた剣心でしたが、弾道が読めてもそれを避けれる早さで動けるかはまた別の話では?(それは既にマトリックスの動き!)とツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

るろうに剣心⑤~⑦

2010.09.19
 幕末4大人斬りの一人・河上彦斎(幕末の大思想家・佐久間象山を一刀の元に斬り伏せた人物)→緋村剣心
坂本竜馬の自称婚約者・千葉佐那(女だてらに強い剣術小町)→神谷薫
新撰組十番隊組長・原田左之助(上野戦争で戦死したが生き延びて大陸に渡り一大馬族の頭領になったという「伝説」まであるという(義経のチンギス・ハン伝説かい!?)人物)→相楽左之助
幕末No,1人斬り・岡田以蔵→鵜堂刃衛
新撰組の観察方・山崎蒸(誰にも顔を覚えられずそれを利用して情報を収集していた)→般若
新撰組五番隊組長・武田観柳斎(甲州文学を学んだ組内では珍しい文官型人間だが目上の者には媚び諂い目下の者には意地悪で陰険な性格の悪い男で時勢が悪くなるや薩摩藩と通じようとして発覚・粛正された男)→武田観柳
新撰組副長・土方歳三(私情を殺し鬼を演じて心で泣いてる人間的弱さを秘めた人物)→四乃森蒼紫
と幕末の時代に生きた人々をモチーフにした登場人物、そして実在人物(山形有朋、相楽総三、大久保利通、斎藤一)が数多く登場することもあり関連させて読んでいくのが楽しい反面ディープなファンからは冗談抜きで剃刀レターが贈られる事も多々あったようです。歴史人物関連漫画を描くのは辛い事だ(バッシング的に)とよく言われているけれど、この作品はその最たる例になってしまった(新撰組ファンには特に。)ようで作者のコメントからチラチラと苦労が偲ばれたものでした。

 三条燕…長岡幹雄「維新で武家が士族になったら今まで仕えてきた長岡家と三条家はもう赤の他人ってかよ!明治ってのは嫌な世だね!四民平等を唱えれば300年の御恩も踏み倒し放題だってよ!」

当たり前だろ、燕はその300年間生まれておらず御恩という名の給料なんて貰ってないんだから…と当然のツッコミを入れてしまったものです。時代は変わり、もはや武家の主従も無くなってしまった今、長岡さんのような男は一気に部下を失ってしまった貧乏人(世が世なら三条家以下色んな人が仕えてくれた俺様殿様な人だったが、あくまでも世が世ならの話で昨日のお殿様も今はただのニートという明治以降の嫌な世の中では誰も思うようにつき従ってくれないのだ。)になったようで、挙句に10歳の子供一人(弥彦)に残り少ない部下共々全滅させられるというしょうもない結末を迎えてしまっていました。(元・旗本家もこうなると惨めなもんだな…。)ちなみに長岡さんの親父に仕えた燕の父親も奥さん子供に逃げられた心痛もあってか後に剣心が身を寄せるダメ人間の村でしょうもない生活を送っており燕ちゃんの周りにはつくづくどうしようもない男達しかいなかったんだな(気分で八つ当たりをするダメ男ばっかりだから、いつ相手が怒りやしないか(そして自分を殴りやしないか)ビクビクオドオドした子に育っちゃったんだな)と実感もしたエピソードでした…ゲフッ!

 石動雷十太…「秘剣「飯綱」、よけられたのは初めてだ。」

金剛石(ダイヤモンド)を真っ二つにするほどの剣技でも金剛石はよけないでいてくれるもんなあ…(あんな殺傷力抜群の剣技で「人を殺めた事が一度も無い」ということは、おそらく金剛石以外に使ったのも初めてだったのだろう…ゲフッ!)とマッチョな外見に反した臆病者精神に溜め息が出てしまった悪役でした…。28歳の剣心よりも年上に見えるオッサンということは幕末の時代に立派に成人していた人間のはずで、なのにマッチョな肉体を賭して時代の為に戦う事はせずにひたすら一般人として影に隠れて震えていたしょうもない男だったのか、という彼の過去を透かし見ると知的な強い男という「外見」に反した「見かけ倒しの情けない小心者という中身」に呆れてしまうばかりの人物です。(弥彦にまで「由太郎が夢に描いた『理想の雷十太』はともかく『本物』はカスだ」と言われてるしな…ゴフッ!)挙句にベラベラと由太郎達を助けたのも狂言誘拐だったと自分でネタバレしているし(そんな事言ったら由太郎に怪我をさせた事と合わせて居候させて貰ってるパトロンの家から追い出されるに決まっているだろ…!)剣心が「2度と剣客として再起はできない」と予言している通りに2度と出番が無かった展開に頷いてしまったものでした。これからの剣道を語る「知的さ」はウンチクだけで頭自体は悪かったんだろうなあと読み終わってしみじみ納得してしまった敵役でした…ガフッ!

 塚山由太郎…由太郎「先生のこの世の全てを蹴散らすような強さこそ俺の理想なんだ。先生くらい強くなれば俺は親父のような無様な生き方をしないで済む。」
父「明治維新後の生活の急変の中で何のつても無い下級武士の私は刀の鑑定の腕だけを頼りに刀剣商になりました。多くの士族が没落している昨今、財を築いた私の人生は傍から見れば成功でしょう。しかし私に言わせれば毎日ひたすら頭を下げて尾を振り続けるしがない負け犬人生です。だから由太郎には強くなってほしかったんです…私の代わりに。」

親の誇りを守るために強くなりたい弥彦とは正反対に「親のようにはなるまい」と思って強さを求めた由太郎でしたが(その割に雷十太先生に尻尾振ってペコペコ媚びへつらっている金魚のフン野郎ぶり(プライドなし)は親父ソックリなのだが…。金を出して居候させてあげている立場なのだしもうちょっと大きい態度に出ても良いのでは?)惜しむらくはその師匠を見る目が全く無かった点、ですかね…ゲフッ!強くても竹刀の握り方一つ教えてくれない師匠(何の為の師匠だ?)より薫の元に出向いて剣術を習い始めてからの方が明らかに腕が上達しているし(「門下生にもなってねーくせに何で毎日稽古しに来てんだ、てめーは!?」by弥彦)確実に先生にするべき人物を選び間違えたなとラスト、当の雷十太に腕の腱をバッサリ斬られ治療も含めてドイツ行きとなった展開に悲しみを感じてしまったものでした。おかげで大きな屋敷を建ててドイツにも行けちゃう金持ちの息子を門下生にし損ねた薫さん家の道場は今日もニートの門下生(弥彦)1人であり、剣術の行く末を悲観するのは「心配無用」だとサブタイトルにまでなっているけれど(実際、剣道は現代日本の今の時代に到るまで続いており廃れることは無いのだけれども)それはそれとして道場の経営難は心配すべきなのではとツッコミを入れてしまったエピソードでした…ゴフッ!

 月岡克浩…左之介「赤報隊ってのは四民平等って名の理想に生きた部隊。今更汚すわけにはいかねーよ。」
月岡「綺麗だの汚いだのなんて関係ない!目的の為には手段など選ぶ必要はない!」
左之介「それじゃあ赤報隊(俺達)は本物の『ニセ官軍』になっちまうな。」
月岡「…っ!」

こうしてわずか2人の男によって再結成された赤報隊(「今でも俺の他に友達1人もいねーのか…。」by左之助)はたった一晩で再解散したのでした…ゲフッ!投げつけられる数々の爆弾(炸裂弾)の導火線だけを切る事が出来る剣心の腕もさすがですが爆弾を持ったまま指二本(人差し指と中指)で着火できるこの人の特技も地味に凄いとこれはこれで注目させて貰った戦いぶりです。(あんたら揃ってビックリ人間ショーに出れるよ…。)という訳で取り締まりが厳しくても「正当な」手段で政府の非道を正す為に新聞屋(絵草子新聞)を始めた元絵師・月岡津南さん。当時のマスメディアの一員となるのに(ブン屋の情報網という人間関係を結成するのに)そんな暗い性格で大丈夫なのかと別の所で心配もしてしまった人物ですが前向きに頑張る気になったようで取りあえず安心したものでした。

 斎藤一(藤田五郎)…斎藤「俺たち幕府側の人間も『敗者』という役で明治の構築に人生を賭けた。俺が密偵として政府に服従しているのは明治を食い物にするダニどもを『明治に生きる新撰組』の責務として始末する為…」
渋海「ま…待ってくれ!金ならいくらでも…!」
斎藤「…犬は餌で飼える。人は金で飼える。だが壬生の狼を飼うことは、何人にも出来ん。」

牙突、映画ではワイヤーで引っ張って異様な出来になったそうです…ゲフッ!(ちなみにこの必殺技「牙突」は斎藤の必殺技「左片手一本刺突」をアレンジしたものだそうで実在の技ではありませんので念の為。←なのに映画でやっちゃっていいのか?)それはともあれ剣心(維新政府側で戦った人間)を主人公にしている都合上もあり、完全に「悪役」として登場した事、美形の優男というイメージからかけ離れた「悪人面」(肖像画を見る限り皆が祭り上げるほど麗しい美形でもない気がするのですが…。)警官という仕事の裏で暗殺稼業を副業としてこなし初登場から道場を破壊して左之助に重傷を負わせた(人気投票第2位の支持を誇る左之助を叩きのめしてしまっては彼のファン(多数の読者)も怒っただろうな…ゴフッ!)という凶悪な顛末にに読者(主に新撰組ファン)からのバッシングも最高潮を迎えたと制作秘話に書かれていました。(遊びで登場だけさせた土方家の石田散薬まで「何で斎藤が売っているんですか!?」ともう重箱の隅までつつく始末で大変だったんだとか。)しかし、イメージと違っていても↑のセリフといい、これはこれでカッコイイじゃないかとダーティー・ヒーローぶりにどんどん人気は上昇し今やすっかり人気キャラの一人となったようです。(それでも数多く登場しながら数コマしか登場していない沖田総司に人気投票で負けている辺り読者の皆さんがどんだけディープな新撰組ファンだったかが伺えるが。)アレンジ溢れる人物解釈(並じゃビビってここまで外せない)に私は始めから好感が持てたんですけどね。(アンチがいるのは人気者の辛い所だという事で…ゴフッ!)

 大久保利通…島田一郎「もう、殺されている…。」
長連豪(ちょうつらひで)「俺達の前に誰が大久保を…いや、俺達はどうするんだ…?」
島田「…どうもこうもない。大久保は俺達が仕留めたんだ。目撃者はいない!大久保は俺達7人が殺ったんだ!」
長「お…おお!」

1878年(明治11年)5月14日紀尾井坂にて「維新の3傑」最後の一人である大久保利通(あと2人は西郷隆盛と桂小五郎)が白昼堂々と暗殺されたこの事件、実際には馬車のドアを開けたその時大久保は立派に生きており「無礼者!」と一喝したおかげで余計に怒りを煽ってしまったのか全身16箇所の刺し傷を浴びて(それも傷の半数は頭部、うち一つは首から地面を貫いた非常にグロイ死に様でこの作品ではまだ顔形が残っていた(過去形)が、それどころじゃない死体の有り様だったのだとか…。)殺されたそうです。「既に政府と新聞社に斬奸状は送った」とあるように犯行予告は警視総監まで知っていたのですが「石川県民に何が出来る。」とたかをくくって何にもしなかった為に予告通りの暗殺が決行されてしまったのでした…ゲフッ!(今も昔もいざという時に警察が何の役にも立たないという悪い見本だな、これは…ゴフッ!)その「誰の一撃が致命傷になったのか分からない」事実を「フィクション上の人物(誰だか分からない人物)が致命傷を加えた」と改変したこの解釈は面白いとも感じたものです。志々雄さんからの伝言を伝えたのに伝言ゲームを発生させる前に殺してどうするというツッコミは有るのですが、一説によると宗次郎が口を押さえた際に大久保がベロベロ手を舐めてきたのが気持ち悪くて思わずその場の勢いで殺ってしまった(「何、伝言を広めそこなった?」「だってあの人、手を舐めるんですもん。」)そうで、これで辻褄も合うなと1人で納得したものでした…ガフッ!

 緋村剣心…剣心「今の拙者は自分の目に映る人を守れる流浪人(二ート)としての強さがあればそれで良い。」
斎藤「二ートとしての強さ…ねえ。だとしたら今のお前は二ートすら失格だよ。刃衛の時は薫、観柳の時は恵と目に映る人を人質に取られまくって、雷十太の時は由太郎が一生物の後遺症を伴う傷を負ったり全然守れてないだろうが。」

既に流浪人=二ートの図式が出来上がってしまっていた私にはシリアスなシーンも笑うばかりでございました…ゲフッ!(そうか、二ートすら失格か…ゴフッ!)しかし、二ートとしてダラダラ生きたい本人の希望はともかく志々雄の事は放っておけないという気持ちが有り、断る前に大久保さんを暗殺されてしまい「友達の仇撃ち」という理由にも後押しされて剣心はとうとう家を出て仕事(暗殺)するに到ったのでした。(違うから。)単身赴任に他の家族は連れていけないと「今までありがとう、そして…さよなら。拙者は流浪人。また…流れるでござる。」と家主(薫)にきちんと挨拶をして去っていった彼。(左之介も恵も数分前までそこにいたし、弥彦だって家の中にいるんだから一緒くたに挨拶くらいしてやれよ…と思わずツッコミを入れてしまいました。)この日、緋村剣心は再び流浪人に戻りなんだかんだで3か月以上タダ飯を食っていたのに食費も居住費も一切払わずに漆黒の闇の中に1人消えていったのでした…ゴフッ!(そりゃ薫も泣いて寝込むわな…ガフッ!)

 余談…恵「暗くて傷口がよく見えないわ!蠟燭でも何でもいいからもっと明かりを!」
薫「恵さん、ハイ!蠟燭よ!」
恵「オホホホホ!熱いでしょう!?…ってあたしに渡してどうするの!?誰か持っていてくれなきゃ治療できないでしょ!」
薫「も…申し訳ございません!」
というネタがあったなあ…と左之助が深手を負って倒れているシーンで、そんな場面じゃないと知りながらも含み笑いをしてしまったものでした。

るろうに剣心⑧~⑫

2010.09.18
 読者からの手紙の中には「私も新撰組大好き!だから勤王志士は大嫌い!」「新撰組好きなんて信じられません。佐幕の犬じゃないですか!」と勤王派と佐幕派の一方だけを推している人(そしてもう一方に対してはアンチ)がチラホラいたそうで明治維新の面白い所は派閥抗争ではなく各々が自分の正義の為に生き抜いた姿だと思っていた作者からは勿体無く思うとコメントで書いてありました。(かく言う作者も一番好きなのは新撰組の土方歳三で二番目は薩摩の大久保利通と見事にバラバラ…勤王と佐幕と両方あって初めて幕末維新が成り立つというだけあってそこに偏見は無かったらしい。)解釈次第でどっちが正義に見えるかも違ってくるのだからあまり一辺倒な考え方も間違っているよなと素直に頷けた意見でした。ちなみにこういう作者の意見は登場人物制作秘話(特に斎藤一)と合わせて「あんなこと書いて読者にケンカを売るのは損ですよ…。」と読者の側からも心配した意見が届いたそうで(実際「士道不覚悟ならいっそ辞めちまえ」とか追い打ちバッシングもあったらしい。)なのに本来バラさなくてもいい元ネタを全部白状している(黙っていればバレない物も多々あったであろう)制作秘話コーナーを辞めなかった辺りこの作者は強いなあ、と感じたものでした…。

 神谷薫…「恵さんには分からないわよ。面と向かってさよなら言われた私の気持ちなんか絶対に分からないわよ!」
恵「…そうね。けど、それはお互い様よ。さよならすら言って貰えなかった完全に忘れ去られていた私の気持ちは、あなたには分からないんだから。」

同じ「剣心に捨てられた女」でも不幸の度合いは恵の方が上で同情に値するし、「追いかける女」としては夜逃げされてもくじけずに自分から全国探しに足を伸ばす操の方が可愛い…と失恋のショックはともあれ拗ねて寝込んで周り中に八つ辺りしている姿は読者の皆さんにも大変不評だったそうです。(恵さんも平手打ち寸止めなんてせずにそのまま一撃入れてしまえば良かったのに…ゲフッ!)そうして恵さんの叱咤激励(プライド捨てての恋仇の後押し。剣心にヒロイン認定されていれば自分が京都に行きたいだろうに…。)に背中を押されてやっと出発し、最初から居場所の分かっている京都へ弥彦を連れて旅立つ辺り…女1人でも追い剝ぎしながら(犯罪行為をしていることはともかく)居場所も分からない相手(蒼紫)を探し続けている操と比べるとやっぱり情けない限りで、あんまり共感はできなかったものでした。すっかり気の弱いヒロイン然としているけれど「もう頭にきた!こうなったらどんな手を使っても剣心に絶対会ってやるわ!そしてまず一発ぶん殴る!」と足を踏みならして怒りをあらわにしていた「強さ」はどこ行った?と違和感ばかり感じてしまい(裏表があるのが女だと言われてしまえばそれまでなのですが…。)以前の読者の意見にもあった通り強いんだか弱いんだかよく分からない女だという感想を改めて感じてしまった女性でした…。影で泣いている恵さんの方がよほど大人でいい女だとも感じてしまったり…ゴフッ!

 巻町操…「好き勝手なこと言うな!このウスラトンカチ!一番想っている人を忘れることの一体どこが幸せなのよ!」

薫⇔剣心←恵の三角関係だけでも厄介(恵が哀れ)なのに、そこにこれ以上フラレ役を入れて話をややこしくしてどうする?みたいな意図から代行ヒロインとして登場した操は道中二人で連れ立ち10日間も同棲する(その気があったら襲い放題じゃないか。)にも関わらずベクトルは蒼紫に向く事になった次第…だそうです。(よくある話だと誰も彼もが主人公に惚れて二股三股当たり前の収拾がつかなくなる展開になるんだけどね…ゲフッ!)とはいえやっと再開した想い人からは「失せろ。2度と俺の前に姿を現すな。」とまで言われてしまうし大事な家族(翁)は殺されかけるし(知らない間に般若くん達隠密御庭番衆の仲間は死んでるし)「悲しい試練」どころじゃない悲劇の連発には同情ばかりしてしまった代行ヒロインでした…。(薫に当てはめて考えるとやっと再会した剣心からは「失せるでござるよ。」と振られ、当の剣心に弥彦を半死半生にされ、左之介と恵は既に死んだ後でした…という所か。辛過ぎるだろ、この状況!)弥彦の言ではありませんが私もあんな根暗で危ない男のどこが良いんだとツッコミを入れてしまったものです。子供の頃から憧れていたとはいえ相手はもう別れた時から10年以上も年を取ったオッサンであり(15歳の少年なら5歳の少女の「カッコイイ初恋のお兄ちゃん」になれるだろうが16歳の若さ溢れる選び放題の女の子が25歳のニートに惚れてくれるか?と考えると疑問符ばかりが出るのですが…。)普通は養父・翁に全身の縫合合わせて138針も縫うほどの大怪我を負わせた(「医者の見立てでは生きてるのが奇跡だって…。」)時点で終わる思いだと思うんですけどね…ゴフッ!

 四乃森蒼紫…蒼紫「抜刀斎はどこだ?」
斎藤「オイ、それが人に物を聞く態度か?御庭番衆御頭なら作法位知っているだろう?まずは布団を敷いて服を脱いで俺を誘え。お前の質問は事が終わった後だ。」

キーワードは「御庭番衆御頭」、レッツトライ、これで今日から蒼紫は君のものだ!…という同人誌のネタにあるとおり宗次郎の「それじゃあ御庭番衆御頭の名が泣きますよ。」という一言で志々雄側についたダメ蒼紫でした…ゲフッ!大ボスである志々雄の元に居れば何もしなくてもいつか抜刀斎はやってくるでしょうに「早く!早く抜刀斎の居場所を教えて!」というその気持ちだけで翁に深手を負わせ(祖父世代の年齢の男に回点剣舞六連をぶちかますなんて老人虐待じゃないか…。)仲間まで裏切ったその経緯(「葵屋って所を襲撃して拷問の一つ二つかませば多分抜刀斎の行方がつかめますよ。」「…だそうだが、どうする、御頭さん?」「良いんじゃね?」)も共感できず「…。」と感じてしまった人物です。死んでいった仲間達の為に「最強」の称号を授けてやりたい(だから抜刀斎に勝ちたい)その気持ちはまだ分かる、けれどその為に残った仲間達(葵屋に住む京都御庭番衆の皆)を裏切ってまで犯罪(京都大火計画)に加担するのは違うだろ(操じゃなくて本来アンタが筆頭に立って放火を阻止する立場でしょうに…。)先代御頭の唯一の孫である操を危険に晒したくないなら京都ごと炎に包まれそうな犯罪は止めろよ等々ツッコミは絶えなかった男です。同盟を組んだ志々雄すら「アンタそのものは気に入っているけれどアンタの様な人間は俺の『部下』に要らない。いずれ組織破綻のカギになる。」と「仲間」からははじいているし(何気に部下にはしてあげた盲剣の宇水以下の評価。)こいつを御頭に推した翁は本当に人選を誤ったなと実感したものでした…ゴフッ!

 尖角…栄次「そいつは俺の仇だ!邪魔をするな!」
斎藤「仇討ちは明治6年に法令で禁止されてる。仇討ちせんでもこいつは取り調べの拷問って付録つきで死刑台送り決定だ。気絶したままトドメを刺されるより、よっぽど苦しいぜ。」

それなら安心した(まだ人権団体が喚き出していないこの時代、死刑執行も早い事だろう。)と余計に苦しい最期を迎えている様にホッと胸をなでおろしたものでした。(オイ!)制作秘話によると本当は10本刀の一番手になる予定だったのに志々雄様の温泉ぶらり旅(京都に着いてもいない段階)にそんなメインレベルの戦いを持ってきてどうする、と一村落の暴力統括者(馬鹿力丸出しの雑魚)に格下げされてしまったそうです…ゲフッ!蒼紫にわずか4ページで瞬殺された阿武隈四入道(…。)を描いているうちに「このトンガリ頭は雑魚にもったいない!」とせっかく独立させたのに結局ザコになってしまった経緯には多少同情もしてしまいました。また、彼の服に関してこの時代にモジモジくんスーツ顔負けのピッチリ服(頭巾が無くなって半袖になっただけ)が有ったのかは謎ですが(まあ肩丸出しでお尻のラインもきわどい男が着用すると非常に見苦しい「レオタード」でなかった分だけマシですが)何はともあれるろ剣一のセクシーダイナマイツキャラ(特に股間)だったなと変な所で印象に残ってしまったキャラクターでもありました…ゴフッ!

 緋村剣心…京女A「酷いわ、剣さん!弄ぶだけ弄んで!」
京女B「アンタ、お腹の子はどうしてくれるのよ!」
剣心「京都…維新から10年、日本中を流れてきたが、この地だけは2度と踏む事は無いと思っていた…。」

それで10年も流れていたのか(ていうか逃げてたのか…。)という同人誌のネタを読んだ事があります…ゲフッ!(奇しくもこの京都編の後に剣心に妻がいた事が判明する人註編が始まったので「やっぱり女を理不尽に捨てたとか女を無責任に弄んだとか挙句に妻が心労昂じて自殺したとかそういう展開だったのか」と心から納得できました。←違うから。)話では恵に薫に2人もの女性から愛されている彼ですが男女(女顔。男よりも女の方が肌のきめが細かくて綺麗な顔なのでこれはこれでイケメンという長所にもなるだろうが。)なのはともかく、チビで赤毛で(それは本人のせいじゃないけれど。)顔に大きな×傷のある(これは殺した人達から今わの際に残された言い訳のしようがなく本人のせいである傷。)男、しかも悪趣味な赤い着物を着て堂々と廃刀令違反をしている二ートの彼(明治を10年も過ぎ侍が社畜(ではなく士族)になった今、そんな恰好をしたら周りはドン引きするばかりである。)は…そんなにも魅力的な男か?と個人的には疑問が出てしまったものです。現実を見ると10日も同じ屋根の下で暮らしておきながら操が蒼紫→緋村に心変わりしなかったのも納得がいってしまったり…ゲフッ!(同じ廃刀違反の二ートなら服装だけはマトモで「若い」蒼紫の方がまだ少しだけマシだよな…ゴフッ!)人気投票と剣の腕は確かに一番でしょうが甲斐性は無いよなと改めて感じてしまった男でした…ガフッ!

 沢下条張(刀狩の張)…張「見さらせ、この頭!これぞ『怒髪天を衝く』ってヤツや!」
剣心「…元々でござろう。そのイカレたホーキ頭は。」
張「人のボケに真顔で突っ込むな、このドアホゥ!」

…え?突っ込み(走り)とツッコミ(漫才)をかけたダジャレ!?と走りながらの一人ボケ突っ込みに笑ってしまったものでした。(文字通りギャグに体張ってますな…ゲフッ!)ちなみにこのキャラクターは「世間一般における誤った関西人のイメージ」をモチーフにしただけで現実の関西人は赤子と一緒に逆中空納刀を決める危ない男ではなく(ちなみにここで逆中空納刀を外したら色々な意味で笑えない結果になる)相手の武器(刀)が壊れているのを承知で人質を取って勝負を仕掛けてくるふざけた男でもなく(それで「正々堂々」ね…。)赤ん坊斬りをやりたがるイカレた男とも違う(「あれは『刀が好きな』目じゃない!あれは『刀で人を斬るのが好きな』目だ!」by青空)ので全国誌用に砕いた関西弁と共に大目に見て下さいと作者からもコメントが残っていました。セクシーダイナマイツキャラの尖角と違って人気も出た(セクシー度で言えば警察の牢の中でも上半身裸のままでいる張もいい勝負だが…ゲフッ!)おかげか警察に早々に捕まった後、サッサと知っている限りの計画の全貌をベラベラ喋った功績を認められてめでたく斎藤の部下として再就職も果たし10本刀の中では唯一「息の長い脇役」として残るのですが、一応警察(国家公務員)の一員(手先)となった以上はその髪形は辞めた方が良いのではと真っ当なツッコミも入れてしまった登場人物でした…ゴフッ!

 比古清十郎と一心太…比古「優し過ぎて剣客にはそぐわないな。今日からお前は熊太郎と名乗れ。」
心太「嫌だよ!そんなダサい名前!この妖怪赤マント!人さらい!」

緋村熊太郎、語呂だけは良い名前だと思うけどな…と同人誌のネタを読みながら思ってしまったものです。(でもさすがに「るろうに熊太郎」じゃタイトルとして微妙か…ゲフッ!)という訳で作者のデビュー作「戦国の三日月」の主人公から13代目の継承者なのか(血でなくて才能で受け継ぐから代々の継承者が実の親をバッサリ斬り殺しながら奥義を会得してきた訳ではないそうでホッとしました。師匠を斬り殺しながら技を会得する流儀というのもかなり嫌ですが。)読み切り作とは同じロン毛でもかなりの別人になり果てている「比古清十郎」でありマントの下はボディビルダー顔負けのマッチョな体つきに「彼の顔に惚れたけど肉体に幻滅した女性ファンがいたらごめんなさい」と作者からもコメントが書かれていました。(いや、私女だけどマッスルだからって別に引かないですよ。(むしろそこまで鍛え上げた努力を誉めたたえてあげたい。)飛翔の蝙也みたいにウエストの細いガリクソンだったら心の底から幻滅しますが…ゴフッ!)それよりも何よりも奥義の一撃をくらって当の素晴らしい筋肉の鎧がメキメキと傷ついたのに瀕死の重傷を負った翌日の朝に何故、何事も無かったかのように重り付きの白マントまでつけて健康に過ごしているのか(…脱皮?)そっちの方がよほど気になりました。やせ我慢してるのかと思いきやそんな体で山を降りて挙句に十本刀の不二と戦って勝っているし(つまり超健康体。どうなってんだ、飛天御剣流!?)謎は深まるばかりの師匠でした…ガフッ!(そもそもあの顔と体で43歳って…。)
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