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明稜帝梧桐勢十郎⑩

2009.06.30
 だんだんマンネリ化してきたこともあり(禁句。それでも「鴉MAN」よりは面白かったけれど。)打ち切りを喰らったのかきりよく10巻で完結の運びとなっていました。(デスノートも13巻完結になるように調整したそうですし、ある程度以上人気を取って長く続いた連載は人気が下がって終了するに当たっても読者に受け入れやすいよう配慮をしているようです。)色々心に響くセリフもあって気に入ってはいたけれど、この作者さんにはマインドアサシンの頃の透明感ある静の作風が合っていてバトル漫画(少年漫画)とは合わない(頑張っていたのは分かるのだけれど、この人が本領を発揮できるのは違う分野な気がする。)と改めて感じてしまったものでした。(それでもやっぱり「少年漫画」でそういう作風は受け入れがたいのだろうか…?)

 ストーカー…梧桐「人の夢を邪魔する事のどこが応援だ。貴様は自分の欲望を御幸に押し付けているだけだろう。」

「悪いのは自分の心を踏みにじった相手の方だ!」と御幸が思うとおりに振舞ってくれなかった事だけを指して(自分がしてきた数々の加害行為で相手の心を踏みにじってきたことも忘れて)被害者顔をしているストーカー君。自分の事は何も言わずに相手の欠点だけを一方的に語って悪者に仕立て上げる(そして一方的な情報しか知らない「相手」と会う心配の無い人間から「酷い人間だね~。」と同情して貰う。)人間(よしみつさん)は私も1人知っているのでリアルだなあ~と感じたものです。犯罪行為(ストーキング)に発展させるかしないかは別として相手の気持ちを考えずに自分1人の主観だけから今までしてきた迷惑行為を忘れて被害者になり切ろうとする(そして自分の身勝手を通そうとする)人間はどこにでもいるものですが、いつまでも「相手」が黙って大人しくしてくれていると思ったら大間違い、逆襲を果たされて痛い目を見ることになった彼に爽快感を感じたものでした。

 二条南王海…二条「ここで行われている争いは設置された5台のカメラで全て録画されている。今から行われることは君の『暴力事件実録証拠』となるんだ。」
梧桐「そのビデオのテープは全部オレのポケットに入っている。やっぱりテープが無いと『録画』は出来んだろうなあ~。」

いくら撃っても弾がこもっていなければ一発も当たらない…そんな話でした。今までのコミックスを読んでいれば梧桐が自分で行動(暴行)しながらも勝てるように色々な方法を使ってきた結構ずる賢い男(力技での解決は多かったものの決して肉体的な「力」のみで上に立ってきた訳ではない。)だという事に気づきそうなものなのですが、甘く見ていただけに策略での勝負でも完全に負けてしまっていました。自分が雇って梧桐の命令に見せかけて生徒達を襲わせていた不良の存在も明るみにされ、四天王への脅迫もバレて全ては自分がしてきた行動の為に自滅してしまった立候補者。狡い手段を使って相手を罠に嵌めながら思い通りに人を操作しようとしても頭の良い人間には通用しないよ(出る所に出れば人間性の卑劣なアンタは負けて当然だよ。)と私もツッコミを入れてしまいました。

 子供達(BAD BOYS)…「大人はいつでも俺達の味方だし、どんなことしたって罪にはならないんだ。」

庇護して貰えるべき「子供」の立場を利用すれば悪い事をしても「イタズラ」として許され、泣いて後悔する態度さえ取れば全てを帳消しにして貰える(それは「自分が責められる事」を嫌がって泣いているだけ(その場限りの涙)であり行動やあり方を振り返って改める「反省」はしていない。)…度が過ぎているかいないか(傷害事件にまで発展させたかどうか)の違いだけでよしみつさんと考え方が全く同じじゃないかと「子供の特権」を悪く利用している姿に「…。」と思ってしまったものでした。(法的措置が必要な悪事には手を染めない代わりに子供の「進む道を方向修正して貰える特権」(周りの人達からの忠告)にも目を瞑って都合の良い部分しか見ようとしない辺りは話の子供達よりも救いようがありませんが。)全員警察に出頭させて罪を償わせた終わり方と同様ケジメをつけさせなければこういう人間は「結局は許して貰える」事実しか見ずに同じことを繰り返すだけ(と美容師さんに心ない態度を取ってネットに晒されたにも関わらず「記事を消して貰った」事を良い事に私相手に同じことを繰り返しているよしみつさんに「全く学習してないんだ…。」と愕然としたものでした。これでは揉み消してくれた事を逆手に取られて利用された美容師さんも哀れです。)だと私も現実世界で知ったので同じことを繰り返させない為にもケジメを見せてくれるまでは許してはいけないんだと改めて思ったものでした。

 青木速太…「僕を一生懸命立ち直らせてくれた人も僕の周りに今いる人達も皆、痛みを知っている人なんだよ。」

速太君の成長に始まり成長ぶりに終わる、そんな終わり方です。辛い事があると自分ばかりが酷い目に合っていて他の皆は恵まれているかのような差別意識に捕らわれがちですが生きている以上、誰だってある程度以上の辛い経験はしてきているはずなんです。(そこから学習して成長するか、自分に浸って狭い世界の中で甘え続けようとするかは本人次第ですが。)親からの虐待で引き籠りもできずに(むしろ家庭こそが地獄で)強くなるしかなかった梧桐さんや、虐待が昂じてオカマになってしまった(強くなったは良い物の一般的大多数の「普通」には育てなかった)御幸など「自分より最悪」な例は実はこの世界に沢山ある訳で、周りの皆より辛い時期があった(「平均」以下の時期あった)からって自棄を起こさずに「強い」意志の力を持つまでに成長した彼に拍手を送ったものでした。
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沙漠の国の物語~眠れる望楼~

2009.06.29
 「この本の作者は実はボクの友達なんだ。」と無言電話女の匿名が紹介してくれた本のシリーズ5作目です。後書きに読者からの質問に答えて作者の誕生日(9月20日。かの安室奈美江と同じじゃないかとちょっと驚きました。)趣味(読書、音楽鑑賞、楽器演奏)愛用楽器(中学時代から(壊れていないしパパから貰った訳でもない)クラリネットを吹いていたそうで筆名の由来でもあるそうです。だから「クラ吹き」なのね。)が載っていました。物語も役者が出揃い佳境に入ったそうで今後は新しいキャラクターは出てこないのかとホッとした半面寂しさも感じた5冊目でした。

 ラビサ…「私は父様が倒れた時、嘘をついたんだ。階段の途中で隠れてふざけていたくせに最期まで父親の側にいた孝行娘を演じて皆を騙していた嘘つきの卑怯者だ!」

父親が先に立って階段を上っていたはずなのに後ろにいたラビサが階段を「降りて」彼の死体を発見したのはおかしい、或いは父は議会場尖塔の屋上に出た所で発作を起こして投身自殺のように死んだのだろうか(酷い死体の状態に余計にトラウマになりそうだ…ゲフッ!)等々死亡状況の異常さに最初から疑問を持っていたのですが、ラビサの告白から事の真相に納得がいったものでした。父親は心臓が悪かったのか「突然いなくなってしまった娘の心配」と「長~い螺旋階段の昇り降り」がダブルパンチとなってお亡くなりになってしまった様子で誰の責任か以前の問題として健康な兄貴と一緒に階段を登らせて父親は下で座って監督する方法を取るべきだったな(そもそも病人が踏み台昇降運動をすべきではない)とツッコミを入れてしまったものでした。ともあれ(よもや階段で足を踏み外して打ち所が悪くて返事が出来ないのではないかと)最後まで心配していた娘は無事に元気に育っているし父親としては幸せな人だとジゼットも言っていた通りラビサが彼の死に関して負い目に感じ過ぎる必要は無い…でしょうね。(父親としてはともかく病人としては迂闊な人ではありましたし…ゲフッ!)トラウマも一つ克服して成長した彼女に拍手したものでした。

 ジゼット…ガジ「お前さんだって殺人者を身内にしたくはないだろう?」
ラビサ(なんてことを言うのだ。よりにもよって将来の夫候補のジゼットの目の前で。)

…とラビサが思っていたかどうかはともあれ弟妹の為にもいつかは町を出て失踪しようと考えている(殺人を犯した過去にそこまでは追い詰められている。しかし本人はラビサとハネムーンのように旅に出る計画でそれを苦とも感じていない様子が幸いだが…ゲフッ!)ジゼットにとってはダメ押しとなってしまう一言だったでしょうね。今でこそすっかりラブラブ(にしか見えない)主人公2人ですが、実際には彼らが出会ってからまだ1年も経っていない(その間に彼女の故郷は先祖の罪が原因で暴動未遂事件が起こり、川から流れ着いた女性に騙されて騒動に巻き込まれ、園丁試験の間も異性の意識に目覚めた友人とトラブルがあり…どんだけ濃い1年(未満)だったんだと思わずツッコミを入れてしまいました…ガフッ!)との作中の表記に驚かされてもしまった今作でした。(すると1年もたたずに入民規制や税制に至るまであれだけ様変わり出来たカヴルは凄いなと変な所でも感心したものです。そりゃ不満も殺意も湧くでしょう…ゴフッ!)結局彼の持つ闇にラビサが飲まれる事も無く彼女をしっかり支えている様(予見で指摘された後ろ暗い過去に関しては「育ってきた環境が全然違うから人の死に関しても重みが違うだろ。」と割り切っている。)には何の心配もいらなそうで安心しながら読めたものでした。

 ガジ&アルマ…アルマ「偏屈で頑固で昔堅気で意地っぱり、そんな可愛くない爺さんは倒れても誰も面倒見てくれないんだからマンナに行くついでに死んだかどうかだけ見ておいでって、もし生きてたら文句言ってやりたいから連れて帰っておいでって母は毎年そう言うんです。」

自分が文句を言うだけ言ったらジジイ1人で帰れ…という意味ではなく面倒をみたいから自分の所に来て一緒に暮らそうという言葉の裏の真意(現代日本ならともかく夢の有るファンタジー世界でならこういう期待は裏切られないのが鉄則だから…。)が見えるだけに血が繋がっていなくてもこの人達は本当の意味で父娘だったんだなあと感動したものでした。自分が犯した(と思い込んでいた)殺人が濡れ衣と分かって孫とようやっと和解したガジお爺ちゃんでしたが(そっか、この時代は死体遺棄(死体を勝手に動かすこと)って罪にならないんだ…ゲフッ!)それはそれとして自分を騙して罪を着せていた真の殺人犯(ハッルビー家の若当主)を告発する気は無いそうで死体発覚後一番疑われそうな容疑者の立場のままでこの先大丈夫なのか心配にもなってしまいました。「悪い事だと分かっていても利己的には違いないけれどそれでも失いたくない物の為にその道を選んでしまう事がある、同じ『子供』を持つ人間として彼の気持ちは分かる」(大商人一家の若当主の責任として都合の悪い過去から目を背けるしかなかった←「単に臆病で事なかれ主義に徹しただけだろ?」byジゼット)からとガジは犯人を許していますが、妻の財力にも頼れずにコソコソと愛人の死体の事後処理をする羽目になったのもそもそもは本人の自業自得(20年も経った今、証拠隠滅を図っているのは今までガジに気兼ねしていた訳ではなくバレる心配が無かったから)ですし本来真っ先に謝るべきガジに最後まで謝らずに自分の心配しかしていない(「わ、悪かった(俺を)殺さないで…!」)ですし今後同じ過ちを繰り返させない為にも責任は取らせた方が良いと思うのですが…ね。(「良心なんて一文にもならんだろ?必要なのは金だろ。」と開き直れる極悪人ならそれはそれでトップとして見所はあるのに、こんなしょうもない男が当主では家だって困るだろう…ゲフッ!)子供の為というのならこんな情けない男(殺人を犯したダメ人間)が父親という不幸に目を瞑る事実はいかがなものかと思わずツッコミを入れたものです…ゴフッ!

 べリンダ…男A「あいつ確かべリンダに1番手酷く裏切られたんだっけ。」
男B「そうそう、ありったけの金を注ぎ込んだのにボロ雑巾のように捨てられて…。」
男C「べリンダの次の男がハッルビー家の婿養子にもなった金持ちの坊ちゃんだったからな…。」
男D「あの様子、絶対今でも心に深い傷を…。」

件の女性の行方不明から既に20年が経っており普通だったら皆、新しい歌姫(という名の若い女)に鞍替えして忘れているであろう現在にまだ噂話に華が咲く(もはや伝説の領域にまでなっている?)辺りこの女性はよっぽどの美人だったのでしょうね。結局の所、彼女を殺した犯人はハッルビー家の婿養子でしたが男心を弄んでは金を騙し取り次の男ができればポイ捨てを繰り返していた性格の悪さから考えても、いつかは誰か(男)に刺されていただろうと思われる女性です。そんな自分の性格(殺意を抱かれるに足るだけの行動をしてきた故の自業自得の結末)に対する自覚はあったのか殺されて死体も白骨化するままに放置されていたのに「供養なんていいのに。」と死後の扱いを完全に割り切っている様子には褒めるべきか「これだけ好き放題したら思い残す事も無いだろう」と呆れるべきか多少迷ってもしまったものでした。化けて出る事が不可能でも声を聞かせる事は可能ならせめてガジさんに事の真相を話して20年間にも及ぶ無駄な気苦労から救ってあげれば良かったのに死んだ後も相変わらず性格が悪いな(かつての恋人でもあった真犯人に対してさえ自白しなきゃ殺すと脅しつけて怯えるマヌケ顔を面白がってるしね…ゲフッ!)ともツッコミを入れてしまいました…ゴフッ!

晴れやかな午後の光

2009.06.28
 足の無い獅子シリーズ短編集です。この頃に自宅の一部を改装したそうで、椅子に座って使える炬燵に、寝転がりながらプロットを切る為の手書きの仕事用ソファーベットに、美しい象眼の入ったロッカー形の物入れに、贅沢した大仰な照明(当然カーテンも新調した。)に素直に喜んでいられたのは最初だけ、クレジットカードの使用明細が届き、銀行の預金残高を見てからは青くなった(「一生懸命仕事をせねば!と拳を固めるも、困った事にその意欲だけでさっさと小説が書けるほど頭の良い人ではなかったのでした…。」)というリアリティ溢れるエピソードが後書きに書いてありました。残金のほどはともあれ取りあえずそれだけ買える程には儲かったんだろうなあ、と人気のほどが伺えたシリーズでした…。

 結婚…ハロルド「キャサリンのどこがいけないと言うんですか?」
アンジェラ「あんな気の弱そうな娘はいざという時、役に立ちはしないよ!」
ハロルド(母上に比べればイングランド人の9割以上は小鹿同然に気が弱いという事になろうに…!)

と母親の大反対はあったものの(最も母親が推していた快活な次女・フローラがこの母親(姑)付きのど田舎地方領主との結婚生活を喜ぶかどうかは疑問だが。)うっかり母ちゃんが壊した弓をとっさに機転を利かせて直して貰った恩(借り)の前には母親も口を噤むしかなくなったようです…。こうして3日で決まり3週間後には結婚式が執り行われたこの縁談(早いな!普通は1年以上の婚約期間があってしかるべきではないのか!?)それなのにキャサリンと同時期に姉のエリナーが未婚で子供を産んでいる辺りエリナーの美しい顔とは裏腹の尻の軽さが伺えたものでした…ゲフッ!(ていうか、この時から既に国王の弟君(妻子持ち)と出来上がっていたんだろうなあ、妊娠期間の長さを考えても…ゴフッ!)

 叙任…ダービー伯「妻を救ってくれた事に心から御礼申し上げますぞ。」
カスバート「畏れ多い。私は当然の事をしたまでなのです。」
ダニエル「本当は助けたのはアーサー兄上なのに平然と嘘をついて手柄を横取りするなんて、きっと彼には良心が無いんだ。」
アーサー「あるいは、とんでもない大馬鹿者で、数時間前の出来事も覚えていないか、だな。」

真の功労者(アーサー)が他にいるのを知りながらその男が自分の部下で主人には何も言えないのを良い事に当然のような顔で手柄をかすめ取るカスバートの神経を疑う言動と同時に、後ろめたくは思っており決してアーサーの方を見ようとはしない(堂々とアーサーの顔を見れるほど厚顔無恥ではなく、唖(おし)のように黙って見て見ぬふりをしている…なら始めからそんな事するなよ!とツッコミを入れたいが。)様にリアリティを感じたものでした。(「夫人が『助かった』のがせめてもの救いだ。彼女がもし命を落としていたらカスバートは必ず、その責任を自分に押し付けていただろうから。」byアーサー)他の証人がいない以上カスバートは絶対に真相を認めようとはしないだろう、しかし目撃者がいないのなら作ればいい、と村の司祭(の服を着せただけの羊飼いの爺さん)に全てを話させた末弟ジョナサンの手腕に拍手もしてしまった話です。こういう人間は根が気弱な意気地無し(なら始めから姑息な悪事を働くなっつーの!)だから「立場ある人間」から真実を糾弾されては「すいませんでした~!」と平れ伏すしかなくなるんですよね…ゲフッ!

 宝物…スティーブン「父さんは母さんの形見のマリア像を司祭様に売ったのかもしれないって言ってた。」
リチャード「近隣にその名を轟かす程の倹約家である、あのジジイが物を買う事があるのか?」
ギル「だが、物は聖母マリアだ。あのジジイでも聖母になら金を払う気になるかもしれないじゃないか。」

自分1人で倹約を実践していれば(質素な生活をしているのは本当だが)まだ人々の尊敬を集められたかもしれないのに信徒全員にその考えを押し付けて迷惑がられている…そこまで筋金入りのケチ爺がマリア像を買っていようはずもなく、寝室や聖具室を無駄に物色して骨折り損のくたびれ儲けで終わってしまっていました。(「心配しなくても俺達は元々あの爺とは敵同士で今までも何回も部屋に潜り込んでは蛙やら蜥蜴やら仕込んでやったし、水を入れて膨らませた豚の膀胱を直接ぶつけたこともある。今更事態が変わる訳じゃないさ。」byギル)結局マリア像はずっとアンジェラ婆さんの部屋にありキャサリン母さんの援助の元に壊れたように偽装して持ち出した彼ら。おかげで無駄に迷惑をかけられたファーザー・マシュー(ケチ爺)は今回は本当に冤罪で私生活を荒らされた事に多少同情もしてしまったものでした…。

 掏摸…リチャード「殺された手袋商人とケンカした『加害者』は手持ちの金が無いからケンカになり、その挙句に手袋商人を殺してしまって事のついでに財布を取ったって事か?」
ギル「そうなると、そもそもの原因はロニーが加害者の財布をスったからって事にならないか?」

全ては因果応報なのか…「殺した」のは自分でなくても叩けばいくらでも埃が出てくる犯罪常習犯では信用のしようもなく(殺人とまで行かないだけで犯罪をしているのは確か。)冤罪も元を正せば自分が原因を作っていた、というのは皮肉な展開です。「盗むために人を殺すなんて3流、4流のする事さ。ロニーの腕は一流だよ。アンタだって知ってるだろ?」と相棒のミラは胸を張って主張していましたが(何、犯罪の技術を自慢してるの…。)その手腕にしたってガイにバレていますし(大人の男は周り同様、女の胸や尻ばかり目で追って横にいるスリに気づきもしないが子供から見れば女を無視して財布ばかり見ているあからさまに怪しい男である。)そんなの今までは幸運にも「役人に」バレなかっただけで注意して見ていれば現行犯で逮捕できる犯罪だろ、スリは…(今回の事が無くてもいつかアンタらは捕まっていたよ。)とツッコミを入れてしまいました。今回のことで自分達がしている事のヤバさを自覚して足を洗うでもなく、牢から出る時ですら役人の財布を失敬している(懲りずにスリを働いている。アンタ、何が原因で牢に入れられる事になったか、もっとよく考えたら?)顛末には溜め息が出てしまったものです。きっと獄死するその時まで改めようとはしないんでしょうね…ゲフッ!

狼と銀の羊

2009.06.27
 足のない獅子シリーズ7作目です。作品に出てくる(表紙にも描かれている)「銀の羊毛」は15世紀にブルゴーニュ公フィリップ・ル・ボン(お人好しのフィリップ)によって創設された「金羊毛騎士団」の紋章のパクリだそうでヨーロッパの美術館などでは黒い服(当時流行していたのか黒い服の騎士団員の肖像画が多い。)に首からつるされたやる気無くダラーンとぶら下がった金の羊(の毛皮)の紋章がよく映えていたと後書きにも書かれていました。作者自身も友達とお揃いでこの金羊毛のペンダントヘッドを作って貰ったそうで(そして当時の大学の先生に「馬鹿なことしてるね~。」と笑われたそうな…。)そんな特別な思い入れのある紋章だそうです。

 聖エドマンド…ヴァージル「これはただの羊ではないか!わしが欲しいのは狼なのだ!」
リチャード「狼の紋章が…聖エドマンド?」
駒崎「もうかなり切羽詰まっていてアドバイザーに相談する暇もなくて勝手に彼の紋章として作りました…。」

9世紀の王であるイースト・アングリア王エドマンド。(869年没。)話に書かれている通り侵入者であるデーン人(大異教徒軍)との戦いに敗れ改宗を迫られたものの、これを拒んでキリスト教徒のまま処刑されたので殉教王として名を残しています。話にあるとおり胸全体に矢を受けヤマアラシの針毛のごとくになった死に様(…と話を盛られたのか、単純に殺されただけなのか当時の資料の信憑性は確かではないが、取りあえず矢を射かけられる彼の絵は残っている。)ではありますが首を切り落とされ、その首を超都合良く現れた狼が守っていたという話は聞かないので後半部分は信じてはいけない歴史譚です。(まあ矢だけの紋章というのもカッコ悪いので何か羊に対抗する動物を入れたかったんでしょうね。狼とか、熊とか、ワニとか。←ワニはエジプトの生き物でイングランドには住んでません。)

 ケネス・ハワード…ジョナサン「奴に言ってやれ。自分の尻も自分で拭けないような奴には何も要求する権利など無いと。お前はこの教会に仕える身であって奴の召使いではない。奴をのさばらせるな。自分が厄介者だという事を自覚させるんだ。」

誘拐されたものの迂闊にも「扱いはそう悪くなかった。」とバカ正直に言って無傷で帰ってきたために「誘拐犯と共犯で手引きした人間だ」と疑いをかけられてしまい、この兄の弟であったが為に一緒くたに「教会の金を横領した黒幕の一味だ」と告発されたジョナサンは確かに良い迷惑だったでしょうね。ヨークで聖職者に暴力をふるうと即座に問答無用で牢にぶち込まれる事を身をもって証明してくれたり(また余計な厄介の種を自分で増やして…。)弟と比べて格段に頭が悪いのは本人のせいではないものの尻拭いをしている弟は大変だったろうなとむしろ厄介事に巻き込まれたジョナサンの方に同情してしまったものです。「あんな兄なら破門されようが火炙りにされようが私は何の痛痒も感じませんな。」(彼を突き出してそれで済むなら喜んで実の兄を渡す気であったが兄の有罪が自身の破滅につながる以上、仕方なく尻拭いをしてるだけ。)と堂々と言われたり「冷たい扱い」に傷ついていた兄でしたが、厄介事の解決を押し付けてワガママ言っては嫌われても仕方ないよとツッコミを入れざるを得ませんでした…ゲフッ!

 サー・クロード・プレストン…クロード「大司教猊下が匿って下さった。」
リチャード「…まさか、ずっとここにいらしたんですか?」

安全な場所で落ち着いていたのなら息子にくらい無事を知らせてやれよ…(まあ居場所が分かっていれば主人公達何でも屋は登場のしようが無くなるという大人な事情は察しますが…ゲフッ!)と身代りに誘拐される羽目になったケネス、おかげで陰謀に巻き込まれたジョナサン、親父の安否を心配しまくっていた息子マイルズ、その息子から本来いらない父探しの依頼を受けたせいで話に登場することになった主人公2人の労力など、周りの皆さんの苦労・心労を思って思わず溜め息が出てしまったオチでした。(いや、無事で良かったけれど。)大司教のお膝元ではどこに耳があるか分からないからかなり手荒な保護だった(要するに誘拐同然に匿われた。)そうですが、そんなアンタの苦労(どころか安全な場所でぬくぬくしていただけでビックリしたのは最初だけ。)なんて誰も聞いてないから謝れと思わず語りかけてしまいました…。

 ヴァージル…ギルフォード「慌てて金の隠し場所を変えていたようだが一部始終をうちの小姓が覗いてたんだよ。もちろん他の証人もいますよ。うちの小姓は通りかかった方を何人かお誘いしましてね。楽しみは皆で分け合うべきだと常日頃から我々が教えているもので。」

ヤバイと思って取った行動で却って墓穴を掘ってしまっている(慌てて行った証拠隠滅行為(のつもり)が第三者から見ると決定的な犯人の証となっている)…って匿名(最新コメント参照)のようで妙にリアリティがありました。(ご自分の将来の見通しが暗いからといって私に八つ当たりするのは辞めて頂きましょう。←ジョナサン風に)いっそ何もしなければ良かったのに頭の悪い人って「それで相手がどう思うか」という基本的思考回路が根から抜けているからこういう行動を取ってしまうんだな、とほとぼりが冷めるのすら待たずに盗んだ指輪(紋章入り)を売り飛ばして持ち主から殴られたり、↑の行動を取って審問会で連行されるに到る彼の姿に呆れてしまいました。どうしてこう思い通りにいかないのだと苦々しく考える前に、まず影で悪事を働くのを辞めるべきだろと人間として当たり前のツッコミを入れてしまったものです…。

神風怪盗ジャンヌ①

2009.06.26
 ファンレターの中に「種村先生は私の神様です!」と書かれていた物があったそうで、自分はそんなに偉い奴じゃないけど自分の作った漫画の世界では作者の立場は神様みたいなものかな、と感じて「それなら私も私の世界に住んでいる一人の不幸な女の子を幸せにしよう。」と思い立ったのがこの話を描くきっかけだったんだそうです。この作品は種村先生がずっとあたため続けてきた3つの作品のうちの一つだそうでそれもあって気合を入れていたそうです。

 日下部まろん…社長「わしは騙されんぞ!」
まろん「…酷い。わ、私そんな…。(泣)」

「そんな!あなたを騙すつもりじゃなかったのに」ではなく「そんな!(自分が)上手くいかないとは思わなかったのに!」が涙の理由で相手がまんまと引っ掛かって思うように事が進んだとたん「あ・さ・は・かちゃん。」とほくそ笑む、泣き落としをする人間ってこういう心理なんだと納得した(そして泣き落としの成否の如何は相手の良心や義侠心に訴えることで顔の美醜は関係ないんだと、よしみつさんの実例を通して実感した。)ものでした。自分=可愛いということを自覚していて男達にチヤホヤされてるのも自然に(当たり前の事として)受け入れている様が(親に振り向いてもらえない同情点を差し引いても)苦手だった主人公で稚空がその後言っている通りあなたには友達も恋人もBFも大切に思ってくれる人間が大量にいるじゃないですか(「なのに孤独だって嘆いているまろんはずるいよ。」by稚空。)とツッコミを入れてしまったものでした。

 名古屋稚空…「いい眺めだね。景色じゃなくて君の胸元が。」

キャミソール姿(下着姿)でベランダに出ていた所(素っ裸で涼んでいる所じゃなくて良かったじゃないですか。)を見られたという秘密を守るため「2人の間には何かある」と周り中から変な目(もしや恋人同士?という疑惑)で見られてしまう事になっていましたが、そんなもの「いやー昨日シャツ姿で涼んでる所見られちゃってさー。」と笑い話にすればいい事で余計な誤解を自ら招いているまろんに「…。」と思ってしまったものでした。稚空に関しても「まろんの下着姿には劣るけど観覧車からの景色はいい眺めだな。」という問題発言といい、これでは顔だけしか取り柄のないただのエロ男じゃないかと男女そろって微妙な人間だと引いてしまったものでした…ゲフッ!

 まろんの両親…雨上がりの日にメリーゴーランドに乗りたくて、でもロングスカートに泥が跳ねないか心配で乗れなかったので男を踏み台にして乗った(そしてその後何ヶ月もしてから偶然の再会を果たし運命を感じて結婚した。)というエピソードには運命的というより女性側の勝手(いい大人がメリーゴーランドに乗りたがるのはどうなのか、雨上がりの泥が気になるなら始めからロングスカートを着て来なければ良かった話ではないのか、四つん這いになった男を踏みつけにしてまで乗るのも酷くないか等々ツッコミの嵐が…ゲフッ!)を感じてロマンスを感じられなかったものでした。娘が物心つく頃には仲が悪く仕事を口実に別居している様もこんな勝手な人間では納得という感想を持って共感に繋がらなかったものです…ゴフッ!

 水無月大和(委員長)…ジャンヌ「弱気の意味ちゃんと知ってる?『できない』ってすぐ口に出して何もやらない人の事だよ。」

そういう意味であっても弱気が悪いとは思いません。何もやらないなりに相手が自分に振り向いてくれないのも当然だと現実を自覚して余計な妄想の元につきまとう(いつか相手が自分の良さに気づいて恋に落ち、恋情を理由に甘えさせてくれるのではないかという「良い所」(魅力)が一つもないくせに粘着質な想いだけは膨らませて迷惑な行動を取る。)事をしなければそれはそれでいいのではないか(妄想は妄想(良くも悪くも現実でない)と自覚して誰にも迷惑をかけなければそれで良い。)と色々な人を見た上でそう思えてしまう私です。(いきなり思考を飛躍させてキスしようとするのは迷惑を通り越して非常識。)恋するのが悪いとはいいません。でも自分の勝手と相手の迷惑は弁えて引くべき所は引くべき(図々しくしゃしゃり出ないべき。恋はとにかく「相手の主観」で決まってしまう物なのだから。)だと改めて思ってしまった私でした。

神風怪盗ジャンヌ②

2009.06.25
 作者自ら「アニメ化しそうでしない作品」だと認識しており(美少女が変身する主人公のアニメ・作品も過去他の先生が既にやっていたし)アニメ化は諦めていた(連載も「ジャンヌは描きたいけど『似たような作品』は描きたくない。」というジレンマから悩みに悩んだ末とある雑誌で「アニメ化しない作品でももっと続けばいいと思う。」(アニメ化に媚びない作品が読みたい。)という意見を読んでそれに挑戦する気持ちから1歩を踏み出したんだとか。)そうでアニメ化の話が本当に来た時には正直困っていたそうです。がディレクターの梅澤さんの「今までの美少女アニメを打ち破るような『今までにない物』を目指している。」という言葉(挑戦意識)に共感してお任せする経緯を経てめでたくアニメ化となり人気(知名度)がぐっと上がった反面ブラックレター(中傷の手紙)も多く届くようになったそうで漫画家って大変なんだなと改めて思ってしまったものでした。

 山茶花弥白…弥白「稚空さんは私の気持ちなんていっこうに気づいて下さいませんのに…。」
ジャンヌ「素直に告白しちゃえばいいんだよ。恋仇(都)の手を踏みつけて全治2週間の怪我を負わせたり、稚空が通っている学校の部の備品を壊して嫌がらせするよりずっとマシだと思うけど?」

そして素直に告白した結果、見事に振られた訳ですがここまでの事をしたらお断りもされるだろ(「弥白はプライド高いけど道理は弁えている奴だからそんな事はしない…と思っていたのに。」と真実を知った稚空は恋愛感情以前に幻滅もしたでしょうね。)と結果には納得したものでした。(弥白さん、「ジャンヌの嘘つき~!」と問題の責任を転嫁する前に自分が今まで何をしてきたのかよ~く思いだしてごらんなさい。)そして振られたことを恨んで彼の父親に居場所をチクる弥白さん。(嫌がらせの次は密告か…。)そんな事ばかりしているから貴女は振られるんですよと改めてツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 名古屋海生(院長先生)…「病院を継いでほしいのはやまやまだけど他にやりたい事があるんならそれでもいいんだ。ただ家出した理由が知りたくてね。」

理由は怪盗シンドバッドをする為ではなくて次々に再婚するお父様に嫌気がさしたからだそうですが(息子として母親とないがしろにされたと感じる以上に男として許せない羨ましい状況ですもんね。←違うだろ!)それでも通帳はしっかり持って出て行った(生活費はちゃんと親に振り込んで貰っている=嫌悪感を抱いている割にはしっかりと脛をかじっている。)辺り反抗してるんだかしてないんだか微妙で(確かに子供を養育する(金を出す)のは親の義務だけど…。)今一つ漢らしさを感じられなかった(むしろ理由も分からず愛する息子に出て行かれた父親が哀れ。)そんな稚空さんでした…ゲフッ!

 日下部匠(父)…まろん「マロンドーム×年5月30日完成…。私の生まれた日…。」

自分の作った建築物(遊園地)に娘の名前をつけている事から「子を思わない親なんていないよ。」(まろんは父親にちゃんと愛されているよ。」と名古屋父さんは言っていますが、それは仕事に自分の趣味を盛り込んだだけのただの自己満足であって子供への愛情とは似て非なるものだよ(有名歌手が朝のテレビ番組で「ミュージ、見てる~?」と自分の息子に呼びかけている反面ブラウン管前の息子は「せめて朝食作ってから仕事に行けよ!」とツッコミを入れていたエピソードを思い出しました…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまったものです。子供への愛情は側にいて接して関わりを持つ事がイコールで結ばれているので子供の側からしてみれば「親に置きざり扱いされている」と感じるのも無理は無く(それ以前の問題としてネグレクト虐待で普通は死んでいる。10歳になる頃には親はいなかったその状況で家政婦も雇わず(ずっと1人で夜を過ごしていた)にどうやって生活してたんだ!?と疑問が出たものでした。)それは愛でなく思い出したようにいい顔をしているただの「外面」(そとづら)だよと説得力を感じませんでした…。

 東大寺都…「人づてに事情を聞いたよくも知らない人間が安っぽい言葉で慰めてもまろんは帰って来ないわ。」

ずっとまろんの側にいたのに親のなれそめも話してもらった事が無く(自分は「自己中で理不尽でいけしゃあしゃあと我が道を突っ走って」地を出して付き合っているのに、まろんの方は「強がり」という仮面を被った姿ばかり見せて頼りにしてくれてはいない。)好きな人の稚空もいつもまろんの事ばかり気にしている(隣にはいるのに2人がどんどん自分を置き去りにして絆を作っていってしまっている。)状況を受け入れながら寂しさを耐えている様がなんだか切ないです。まろんの事も心配して朝までマンション前まで待っている(夜中いっぱい公園で談議していたんですか、まろんと稚空さん…。)辺りも健気で何気に気に入ってしまっているキャラクターでした。(親友のカテゴリーに甘えずにプライベートは守ったり引くべき所は引いている辺りは潔いです。)

 余談…「公園」にメリーゴーランドが存在するのに凄くビックリしました…ゲフッ!(今は公園になっているのに取り壊されていないのか…。今でも動くのだろうか?ていうか、どんな「公園」だよ!)

神風怪盗ジャンヌ③

2009.06.24
 「私は『ジャンヌ』が大好き!だって世界で1番読みたい漫画を描いてるから!」「でも『好きな気持ち』と『上手く描くこと』は違っていて自信は全然ないです。」の4コマコメントの前半だけを(上っ面だけ)解釈して「自分で自分の漫画が1番だなんて自惚れが過ぎるんじゃないの?」みたいな事をよしみつさんが言っていました。(ちゃんと最後まで読んであげようよ…。)ブラックレターを送る人もそうですが意見を聞いてみると「作品の感想」(ここが悪かったと思う、という意見)ではなくて「作者への人格攻撃」(作品関係ないじゃんか。)ばかりで(それも↑のような重箱の角を突ついたような瑣末な事だったり、言葉の意味を履き違えていたりと内容はかなりいい加減。)勝手に嫌な風に拡大解釈されるわ悪口は言われるわ仕事量だけでもキツイだろうに種村先生は大変だったろうなあ~(思えばよしみつさんの「影で悪口を言う性格」はこの頃から健在だったなあ~。)と思わず同情してしまったものでした。漫画家って大変なんですね…。

 名古屋海生(父親)…「だって稚空君には母親が必要でしょ?」

必要なのは「母親本人」であって「父親の愛人」(それも多数)ではないよ?とツッコミを入れたものです。女性の理想が上がって結婚すら難しいこのご時世(「恋人」は欲しいけど生活の面倒を見なければいけない「夫」(結婚)はいらない、と考える女性が増えてきた。おかげで男は金銭面も含めて余程の価値が無いと結婚が難しい時代に…。)に何度も結婚までこぎつけていたら母親の事がなくても男として嫉妬心…もとい嫌悪感を抱いてしまうのは当然で親子の間の溝にも納得してしまったものでした…ゲフッ!(問題点はそこじゃありません。)頭身大サイズの人形を飾ったジオラマ(それも本物の人間との2段構造。)や牢屋が家の中にある(何故、20世紀の末にもなって家の中に座敷牢が存在するんだ!?)辺りお家も相当広い(=物凄いお金持ち。さすが院長先生。)であることも伺え前妻との間に子供がいようが何度でも「妻」をゲットできる理由に合点がいったものでした…ゴフッ!

 名古屋稚空…「俺は…母さんを大切にしてる父さんがいれば、それだけで良かったんだ…。」

家出する前にそれを言ってあげなよ…(父親の毒牙にかかっている再婚相手の皆さんが哀れだよ…←問題はそこか?)とツッコミを入れてしまったものでした。一人暮らしで息子が寂しがるといけないからと自分のブロマイドを置いて行ったり(「迷惑だ、帰れ!」by稚空)あの父親は彼なりに息子を思っているのは分かるのですが常識的考えからはやはりどこか外れていて死の間際に「お父さんをよろしくね…。」と真っ先に夫のこれからを心配をしているお母さんの最期の言葉に頷いてしまいました。愛情はあるんだけど考え方が間違っているお父さんでしたよね…。

 東大寺都…「辛い事なら思い出させるの嫌だし気づかないフリも優しさだと思っている。」

まろんが言ってきたらその時には稚空をひっぱたく(友人としての協力はいくらでもする。)けど本人の気持ちも無視して(自分の気持ちの為に)行動しようとは思わないどこまでも友達思いの彼女の姿に読者からの人気は留まる所を知らなかったそうです。(最初は凄く嫌われていただけに作者もビックリしたのだとか。)彼女と水無月くんのフラグもちらほら立ち始めていますがそれに関しては「都ちゃんと上手くいくといいですね。」という意見と「都ちゃんにあんな根暗な二股野郎は釣り合わない!」と都ちゃんが好きか水無月くんが好きかで意見は真っ二つに別れたそうで私も「まろんがダメだったから都を本命にした」という後の展開には共感できずあんまり応援できなかったカップルでした。ちなみに長身(マトモな頭身)の家族内で何故彼女の父親だけあんなに小さいのかというと、それは漫画特有のデフォルメを常に使っているせいで本当は大きいんだそうです。(マジで!?)

 東大寺昴…「衛星を使ったこの重力変動装置で大地震を起こせば一躍僕は科学者として認められるんだ。」

どこかで見た事があると思ったら前連載作「イ・オ・ン」の帝くん(相手役)の科学仲間でした。本当に科学に対して造詣があったのかと驚いた(失礼だろ、お前。)と同時に重力変動装置(重さを変えるだけの装置)では地震は起こせないのでは?と疑問も抱いてしまったものでした。重力変動装置なら宇宙空間を体感する為の装置(重力を失くし宇宙に行く前に地球上でその状態を体感する。)の存在を聞いたことがある事からすでにこの世に存在するものであることは確かで発表した所で科学者としての注目は集められないだろうなあ~(そりゃ学会でも認められないよ。)と門前払いを喰らった様に納得もしてしまったり…ゲフッ!

 余談…まろん「で、次の悪魔はどこにいるの?」
フィン「えーと、このアメリカとオーストラリアっていう所辺りなんだけど。」
まろん「まさかそれだけしか調べてないの?…っていうか、ちょっと待てええぇ!」
という展開にならずにいつも超都合よく自分達の周りに悪魔が現れてくれて良かったね(後に分かる事ですが魔王と悪魔の目的は「ジャンヌ(まろん)の心を弱らせること」だから近くに出現しないと意味がないでしょうが…。)とツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

神風怪盗ジャンヌ④

2009.06.23
 3巻の話の扉絵で稚空がジオラマに飾られていたジャンヌの人形の胸を掴んでいた事から種村先生は「日本重要H漫画家」に指定されてしまった(そんな「指定制度」があったんだ、とビックリしました。)そうですがこの巻のラストの話の強姦未遂シーンを経て今度は「日本『超』重要H漫画家」に指定されてしまったそうです。(とうとう超(スーパー)がついてしまいましたか…うん、私もあのシーンはアウトだと思った…ゲフッ!)昔は今に比べて規制が緩かったとはいえやっぱり気にする人は気にしていたんだなあ~(その割に今時の少女漫画の内容は凄い事になっていますが。)と感じ入ったものでした。

 神楽(秘書)…「女をとっかえひっかえ甘いマスクでメロメロにさせて挙句の果てにはポイポイ捨てるなんて似たもの親子ですね。」

イヤミと僻みと褒め言葉の裏側にはお慕いする女性(弥白)を婚約者にした挙句にポイ捨てした稚空に対する嫉妬心もあったようです。(「メロメロにさせた」だけで「手を出した」訳じゃなかったのだから良かったじゃないですか。)告白した(させられた)だけであっさり弥白とお付き合いが成立した様には思わず稚空が家出したり都の手に全治2週間の怪我を負わせたりする前に告白していたら皆幸せだったのではないかとも思えて後手後手ぶりにしっかりしなさいよ!ともツッコミを入れたものでした…ゲフッ!

 日下部まろん…「どんなに泣いても、声をはりあげて叫んでも神様は奇跡で助けてはくれないんだ…。」

風(だけ)はいつも吹いてくれるけれど立ち上がる力は自分で見つけなきゃいけないんだ(神様は呼んだ時限定の扇風機代わりにしかなってくれないんだ←違うだろ!)と分かったその日には絶望もするでしょうね。ここに到ってフィンが言っていた「願い事を叶えてあげる」というご褒美がその気にさせる為の嘘だった(神様は魂を生み出す事、見守る事、大気を動かす事しか出来ない=そんな力は無い。)事も分かって「今まで頑張ってきたのは何だったんだ…。」と思わず涙も出てしまいますよね。(騙される方も悪いんだよ←オイ!)同じ境遇の全くんがとうとう親に再会できないまま死んでしまうのを目の当たりにした事も含めて色々切ない話でした…。

 高土屋母…「願かけする時に叶うまで一等好きな物を我慢するでしょ?だから全の病気が治るまで全とは会わない。」

子供まで作ったいい大人が「願かけ」なんておまじない程度の都市伝説を信じるなよ…(注・都市伝説にさえなっていません。)とツッコミを入れてしまったものです。「会っている暇があったら手術費用を稼ぐ為に仕事しなきゃ。」と言っていますが金を集める為なら「●●くんの手術費用の為に募金をお願いします。」と全国に呼び掛ける方が確実(そしてそれは1か月もすれば目標金額を達成できる事が多い。)ですし働いて稼いだところで見舞い時間に当たる数時間分の給料なんて大した額ではない(見舞いで1時間以上も長居する事はまず無い→病院まで片道1時間かかっても最高3時間=お金に換算しても3千円未満の「出費」に過ぎない。)ですし考え方が根本から間違った親だと感じてしまったものでした。結局息子の病気を治すどころか死に目も看取ってあげられなかった訳で願かけをする辺りは純粋だったのかもしれないけれど親としては失格だと思わざるを得ないお母様でした…ゲフッ!

 高土屋全…「俺に近づいたのは同情だったのか…?」

同情している(見下して哀れんでいる)訳ではなく同じ親に恵まれなかった人間としてその行動力を「尊敬している」という答えに全くんが満足して死んでいった(「愛している」という答えではなかった事に最後まで気づかなかった)事が救いでした。シンドバッド&ノインによると彼は心を悪魔に吸われ過ぎて既に人間じゃなくなりかけていた(だから天使が見えた。)そうですが、それ以上悪化すると死ぬわけではなくノインのように死ねなくなる(死ぬ心配が無くなる。)そうで…だったら放っておいて不老不死になった方が良かったのではないかとも思ってしまった私でした。(オイ!)結局心臓病の発作でお亡くなりになってしまった訳ですが「ゴホッゴホッ!」と心臓病で何故咳をしているのか(呼吸困難なら分かりますが…風邪でもひきましたか、全くん?)不思議で思わずツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

神風怪盗ジャンヌ⑤

2009.06.22
 ちょうどこの頃に1年間続いたアニメも終了したそうですが(つまり連載終了(物語の完結)より前だった訳ですが)アニメは一体どこまで進んだのか、もといラスト付近のまろんと稚空の結ばれたシーンまでしっかり流してしまったのか(夜中でなく夕方やっていたアニメだそうだからそこはきれいにカットしただろうか?)変な所が気になったものでした。巷ではアニメはあんまり人気は無かったらしいですが妹がアニメをきっかけに種村先生を知りファンになったり(そしてコミックスを全巻揃えて読まされて現在に至る。)知名度をグンと上げるにはかなり有効な手段なのでアニメ化したのは間違ってはいなかったかな(それが成功か失敗かの「評価」は「他人が決めること」であって評価を下す人間が増える事は別に悪い事ではないと思います。)と思った私でした。

 日下部まろん…「世界中の人に嫌われてる気がして怖いの…!」

と、フィンの裏切りに傷ついているまろんでしたがフィンに嫌われていても目の前にいる稚空には滅茶苦茶好かれている(むしろ事実婚状態。)訳で友達の都もいるし水無月くんもいるし裏切られた割にはあまり同情心は湧かなかったものでした。(オイ!)フィンが言うにはまろんの両親の不仲も魔王様に操られていた結果(娘がジャンヌの生まれ変わりだったから=まろんのせい。)だそうですが、今までの悪魔に取り付かれた人間を見ても気持ちをイライラさせたり考え方を正反対に変えることはできても仕事上の成功は無理(例・都のお兄さん。)のようだから仕事で家庭をほっぽらかして外国にまで行っているのは魔王の仕業というより、むしろ親当人の意志が大きいような気がしてその点も同情に繋がらなかったものでした…。(彼女の家庭の問題は魔王のせいだけでもないような…ゲフッ!)

 久ヶ原魚月…相模「人身御供として氷に入り聖水を増やしてくれ。」

兄貴にそう言われたからって「ハイそうですか。」と本当に氷に入るなよ16歳!とツッコミを入れてしまいました。金>自分の存在にショックを受けた結果だから「相模に殺された」(魚月が死んだ要因は相模だった。)というのは100%間違ってはいないけれどそれは魚月のただの自殺(自業自得)にも思えて兄貴を殺人者扱いするのは行き過ぎのような気もしてしまったものです。その後の話によるとこの相模には悪魔がついていた(原因は魔王だった。)事も分かって本当はどんな性格だったのか(本当に妹を何とも思っていなかったのか)分からない事もありいまいち評価が微妙な過去話でした。魚月が何を言われようが図太く生き続けれいればここまでの悲劇(天使の力の暴走による大量殺人)にも繋がらなかったような気もして「…。」と思ったものです…ゲフッ!

 堕天使フィン・フィッシュ(魚月)…「純粋な心を持ったまま育った人はその分『徳』があるから最初から凄い力を持った天使になることが多いわ」

魚月の死に様は純粋というより頭悪いっていう意味に近い気がしましたが…ゲフッ!フィンは「魚のひれ」「宇宙船の部品」という意味がありフィッシュはそのまんま「魚」(前世での名前が「魚月」だったからそう名付けたことが分かりますが…全くんの天使名もそのまんまのひねり無しで名付けたりリル様はネーミングセンスが無いなあとツッコミを入れたものでした。)という意味でしょうね。アニメの方では「フィンを悪者にしたくない」事から裏切ったのは「ただ魔王に操られているだけ」という設定に変更した(でも原作過去話が終わってみるとフィンの人気は逆に上がったそうですが…。)ものの作者は「ちゃんと自分の意志で行動してほしい」事からこういう話になったそうです。たしかに「フィンが裏切ったのもアニメが終わったのも郵便ポストが赤いのも全部が全部魔王のせい」じゃ魔王様が可哀想過ぎますもんね…ゴフッ!

 黒天使アクセス・タイム…「俺がフィンの中で1番好きな所はどんな悪事を働いていても自分の正義を貫いて生きるそのひたむきさなんだ。」

だから好かれてなくてもいいから元に戻ってくれ…という花びらを取る為のキスシーンでは(喉に手を突っ込む方が早い気がしますが←見た目が美しくないから。)「アクセスまでそういう行き過ぎた行動を取るなんて…。」と彼ファンのよしみつさんがドン引きしていたのを思い出します。(エロいシーン全般が苦手なのかと思いきや菊池秀行先生のファンではある(作品の「退魔針」をパラパラ読んでいたら犬の魔物に女性が股間を舐められるシーンがあって脱落した。と同時にこういう作品を好むよしみつさんの趣味嗜好が心底分からなくなった。まだベタなキスシーンの方が嫌悪感持たずに読めますが。)そうであの人にとって何がOKで何がアウトなのか根本から理解できなかったものでした。)彼がシンドバットの元に来たのは神様からの使いで「騙されて悪魔の手先として働いているジャンヌを止めること」で悪魔回収でなかった事がこの巻で分かりましたがそういう大事な事はもっと早くに言えよ!(呑気に花なんか育ててる場合じゃないだろ!)とツッコミを入れてしまったものでした。(だから「まろんに惚れても構わない。むしろ良い。」(好きな女を悪の道から更生させる意欲が湧くだろうから。)と言っていたのかとここに到って納得しました。そういう事だったんですね。)

神風怪盗ジャンヌ⑥

2009.06.21
 よしみつさんがこの作者に関して(その人格にばかり)悪口を言っていたのと同様に発言の内容に過剰反応して「種村先生=相当な自信家で調子乗りまくりの作者」と思っている(そう思いこんで文句を言う)読者はかなりいたようでこの巻の柱を通して「自分は漫画家としてはレベル2程度としか思っていないけれども『プロとしてそんな自信のない物を発表してのうのうとお金を貰っているのか』という意識が許せず敢えて自分が漫画家としてのレベルが低い自覚に関しては言ってこなかった。」(けれどもこの頃かなり厳しく言われるようになって辛かった。)というコメントが載っていました。コミックスにもコメントやおまけ漫画は多いしそんな謝罪を載せなくてもこの作者が「人1倍頑張っている」事は分かるのに(別にいい気になっている作者ではない事はよく読めば分かる。)悪口を言う人ってもう理由は何でもいいんだなあ~とげんなりしたものでした…。

 ノイン・クロード…「私は自分で自分に悪魔をつけたんですよ。まろんに会いたくて500年待とうと決めたんです。」

それは500年後のアンタの話であって現在(15世紀)の何も知らないノインは恋人のジャンヌを殺されて500年間見ず知らずの女(まろん)相手に焦らしプレイを喰らう羽目になっていい迷惑なのではないかと過去の彼に同情してしまったものでした。ノイン曰くまろんが生まれた時から彼女を見守り続けていたそうですがそんな時からストーキングを続けていたという告白には純情さどころか執着心の異常さも見えてゾッとしてしまいました。(なんだか光源氏計画(子供の頃から自分の手元で育てて年頃になったら食っちまう計画)みたいで凄く嫌。)結局この人も「ジャンヌ」でなく「まろん当人」に心変わりした訳ですが、おかげで看守(好きでもない男)に純潔を奪われた挙句に焼き殺されてしまった元恋人のジャンヌ・ダルクが余計に可哀想に思えてしまったものでした…。(ていうか、この時ノインがまろんじゃなくてジャンヌを選んでいれば少なくとも(史実無視の方向で)この漫画上では彼女は助け出されて恋人と幸せに暮らしていたのでは…ゲッフン!)

 日下部まろん…「傷つけちゃってごめんね。これからも友達でいてくれるよね。信じてる!」

告白をお断りしておいてそれはちょっと虫が良すぎやしないか(相手の未練を断ってあげる…というかこれ以上「誤解」させない為にも「気持ちには応えないけど今まで通りの都合のいいお友達でいてね。」という要求をするのは酷くないか。)とまろんに対してツッコミを入れてしまったものでした。告白した(1歩進んでしまった)以上、元の関係通りに仲良くするというのは現実的に考えて(お互い気まず過ぎて)ほぼ不可能だと思われますし相手の為にも(相手の為を考えるなら)潔く憎まれ役を引き受けるのが筋だと思うのですが…。(どういう経緯であれ相手の特別な好意を拒絶したことに変わりは無いんですから、人を傷つけたことに関する責任は甘んじて受け入れるべきでは…ないですかね?)

 水無月大和…「まろんさんにはキッパリと振られてきました。潔白です。」

だから二股でもなく真面目な気持ちで告白している(でもやっている事はいきなりキスしようとするただのセクハラ行為。)という理屈は(振られていなかったら喜んでまろんと付き合っていたんだろうし)なんだか「まろんのお下がりでよかったらあげるよ。」みたいな物を感じてあんまり嬉しくなかった展開でした。(結局まろんの次の「2番目の順位」という事実に変わりは無い…みたいな…。)「水も滴るいい男」とはいいますが滴っていれば何してもいい訳ではないし(むしろ濡れるから近づかないで下さい。)トキメキでなく鳥肌を感じるシーンじゃないかと都にツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 名古屋稚空…「キスするのは許してくれるようになったし望みがない訳でも…。」

日常的に(でもないけど)キスまでしておいて何故2人は「恋人同士」ではないの?(もはや「告白」という段階をわざわざ踏むまでも無く「両想い」と言えるのでは?)と読者のみならずアニメの監督さんとかにまでツッコミを入れられていたそうです。が、世の中にはキスどころかヤルことまでヤっておきながら「やっぱ俺、お前の事妹としか思えないわ。」「そう思うんならヤルな!」という男や「好きな人が出来たんだ。●●君も協力してね。」「お、俺達今まで普通にHもしてきて俺が君を好きだって事も知ってるよね!?」「うん。でも●●君の事はやっぱり友達としか思えないから。」「ええぇ!?」という女も少なからず存在すると「本当にあった笑える話」(笑えない。笑えないぞこの話は!)に載っていたので一応ちゃんと関係を確認しておくことは大切のようです…ゲフッ!最もこの2人に関してはそんな汚れた考えを持っていないと思うのですが…信用無いんですかね、お互いに…?(確かに1度騙してはいたけどさ…ゴフッ!)

 余談…次の巻でこの作品は完結するのですが「終わりに近付いてきたし他にも描きたいものがあるから。」という作者の意見と「種村さんの作家としての未来の為に」という編集側の意見が合致しただけで別に打ち切りになったわけではないそうです。「一般的に長く続いた作品はよっぽどの社会問題を起こさない限り伸びる事はあっても切られる事はない。」というコメントを読んで思わず島袋光年先生(買春で捕まって連載を干された作家。)を連想してしまったのは私だけではないですよね…ゲフッ!

青りんご迷宮①

2009.06.20
 よくある姉vs妹の略奪恋愛物(しかし最後に勝利をおさめ恋人を掠め取るのは根暗で周りに甘えている妹の方。)ですが狡い事をしている妹がしっかり周りの皆から叩かれている事、姉の周りにもちゃんと味方がいる事など敗者になる姉の事も大切に描かれていて(というより妹と元・姉の恋人がちゃんとぺナルティを喰らっているのが痛快だった。他の作品だと何故か最も残酷な事をしているはずの妹カップルがなし崩しに認められ、いつの間にか被害者であるはずの姉が叩かれてる事が多いので。)好感が持てた話でした。という訳でさいとう先生版の姉妹丼恋愛譚です。

 雨宮武留…「パラソル、パラソルって…雨に濡れた俺を無視して1人で傘さすわ、魚取りでも自分だけそれを網にして使うわ、そもそもその傘を飛ばして俺にぶつけて自転車を破壊したせいでこんな事態になったのに…こんなもの!」

普通、この状況下で芽生えるのは「ほのかな恋心」ではなくて「絶対的な殺意」だと思うのですが極限状態というのはどこまでも現実を補正して美化し(過ぎ)てくれるもののようです。(「今になってみるとあんな事も楽しかったような気さえするから人間って不思議だよな。」by武留。)3年後に再会した時には歯車がうまくかみ合わずに互いに別の相手と付き合い始めた…のではなく気楽に彼氏を作って、ええかっこしさで菜津美ちゃんに武留を譲る振りをしたえり子の自業自得で上手くいかなかった様にはお粗末ぶりに呆れてしまったものでした。菜津美ちゃんの所に行ったのはえり子に言われたから、付き合い始めたのは菜津美ちゃんに告白されたからとどこまでも受け身で自分で行動していない彼も微妙で魅力を感じなかったものです…ゲフッ!

 森尾えり子…「こんな再会って…!」

と、想像していたように盛り上がれなかった事に涙しているえり子でしたが泣くほどガッカリする以前に現在のアンタには彼氏がいるだろ!と思わずツッコミを入れてしまったものです。(彼氏の司くんの立場って…ゲフッ!)その彼氏との付き合い(昼食)でも上手で手早いからと菜津美ちゃんの料理の腕を体良く利用したり(ここは彼女として己で作る場面ではないんですか…?)他人の迷惑を全く考えずに周りに甘ったれている様には全然共感できなかった主人公でした。(まあ、そんな風に人の気持ちを考えられない人間でないと彼氏を捨てて姉を裏切ってまで略奪愛に走ったりは出来ないでしょうが…ゲフッ!)武留に会いたいが為にタウンページで調べてまで電話をかける辺りも現在で言えば立派にプライバシーの侵害なのに常識や倫理から外れている行動を全く自覚していない辺りドン引きしてしまったヒロインです。彼女よりも彼女に振り回される羽目になっている周りの人間の方に余程同情してしまったものでした…ゴフッ!

 森尾菜津美…「ある女の子が自分のママの事が嫌いであんな風にだけはなるまいって思って育つの。ところがある日その子が恋をして気づいたら自分のママと同じ事をしてる訳。女の子は愕然とするの。」

ずっとずっと好きだった「みやたけ」(武留)といい関係になり始めた所で彼は後からポッと出てきたえり子と互いに惹かれ始めた、それ以上に自分とえり子が武留を中心に「実母→父←えり子母」の修羅場と全く同じ構図を描き始めている事に愕然としたんでしょうね。自分と母親は違う人間で噛ませ犬として惨めに泣き寝入りする為に生きてきた訳ではないのに何故、犠牲にならなければならないのか、甘えて虫の良い事ばかり考えているえり子(彼氏がいるはずなのに武留といる事にときめいて「気持ちいい…なんて考えるのいけないかなあ…。」と彼氏の目の前である事実も忘れて自分でもブレーキをかけていない。この女を妹として信用しろという方が無理だろう。)にも、敏感に空気を感じ取って気を使っている義母にもイライラは募って不安定になるのも仕方ない(実母はその修羅場が原因で心労が募って早死にしているしね…。)だろうなと周りに本当に頼れる人間がいない(彼女はいつも頼られる側。父親も引き取ってくれたとはいえ自分の母親より愛人を選んだいわば「裏切り者」ではあるでしょうしね。)彼女の境遇にも同情してしまったものでした。漢らしいけれど実は苦労性のお姉さんです。

 大須賀司…えり子「それならいっそ大須賀くんを1人にしてあげた方が…。」

何で他人の幸せをアンタが1人で決めつけるんだよ!(全部「責任を取るのが嫌だ」というアンタの身勝手なご都合じゃないか!)と理由も分からずに突然捨てられた大須賀くんに同情すると共に、その後バレーボールを蹴って(投げろ。足でなんて失礼だぞ。)「悪いけど、なんか気持ちがスッとした。」とあっさり気分を変えているえり子に物凄い嫌悪感を抱いてしまったものでした。(大須賀くんの苦悩はボール以下かい!)元々「ここにいない武留の事を考えるのを辞める」為に始めた付き合いであって最初からえり子は何かが間違っていたとはいえ、だからこそ純粋に真剣に彼女の事を思っていた彼が可哀想になってしまったものです…。「姉の恋人である武留を狙いたいが為に別れたい」という本当の「理由」を知っているだけに本人が自分で思っている通り最低の女だなと思わざるを得ませんでした…ゲフッ!

青りんご迷宮②

2009.06.19
 1巻の時点で主人公二人がくっつくのは既に予測できた展開で1巻を読み終わったうちの妹(えり子派)が「まだ話が続いているんなら、じゃあこの2人がくっつくな。」と全く危機感を感じずに読んでいたのが懐かしく思い出されます。(周りの人の好意に甘ったれながらしゃあしゃあと裏切りを続ける妹・えり子にファンが多いのが不思議でした。大人しく内気な女性なら何でも許されるのだろうか?)というわけで妹と姉の彼氏が揃ってコソコソ姉を裏切りながら関係を築いていく最低な展開はここからが本番です…ゲフッ!

 森尾えり子…「いっそあなたが菜津美ちゃん以外振り向かない人なら失恋だけで済んだのに…。」

自分で告白してかき回しておきながら何を言っているのか(「武留…あなたが問題なんだもん。」と彼女は責任転嫁していますが「問題」は確実に武留でなくえり子の方にあったと思います…ゲフッ!)自己陶酔しながらのトラブルメーカーぶりには呆れてものも言えませんでした…。(姉の恋人に横恋慕した事を根本原因にサッカー部同士で乱闘騒ぎを起こし学校から呼び出しを喰らう程の問題行動ぶりには母親も真っ青になっていました。)姉に申し訳ない気持ちが真実なら自分が身を引けばそれで済む話なのに待ち合わせにはホイホイ応じて虫の良い事を言っている彼女に同じ女として心底嫌悪感を抱いてしまったものです。自分で菜津美ちゃんと武留がくっつくように仕向けたくせにやっぱり惜しくなったから姉の気持ちを無視して(するな。)自分の気持ちをぶつけている様は幼稚極まりなく共感できなかったものでした。だったら始めから自分で告白してカップルになっておけば良かったのに、姉や元彼にわざわざ期待を持たせからおじゃんにしている辺りこの人の性格って…ゴフッ!

 雨宮武留…菜津美「みやたけには悪いけど…今は大事な時期だしあんまり頻繁に会わない方がいいと思うんだ。」
武留「いや…悪くなんかないいよ。だって…自然消滅の方が別れ話しなくて済んで楽だし…。」

取りあえず問題が先送りにされた事にヘラヘラ喜んでその後えり子の元に「ごめん、待ったろ!?」と満面の笑みで駆けつけた彼が正直うざかったです…ゲフッ!(これはえり子に対しても申し訳の無い展開で男としてけじめが無さ過ぎると思うのですが…ゴフッ!)えり子を選ぶことに決めたの割には姉にも良い顔をしながら(しかも当の姉の家で「先輩送ったら公園に行くから待ってて。」とコソコソ会う約束を取り付ける。受け入れているえり子もえり子だが「彼女」を馬鹿にしているだろう。)コケにしている様に好感度は一気に下降して2人揃って嫌気が差してしまった主人公カップルでした。恋をして燃え上がるのは良いけれど(良くもないが。)隠すならバレないようにする(公衆の面前でガッツのポーズをしたり目配せしたりしたら、そりゃ噂にもなるしバレるだろう。)開き直るならケジメをつけるとハッキリしろよと問題を放置して美味しい所だけ味わおうとしている2人にツッコミを入れてしまったものでした。

 大須賀司…えり子「雨、やんだのに。」

それなのに傘をさしたのは涙を隠す為に決まっているでしょうに無神経に不思議がっているえり子に再度嫌悪感を抱いてしまったものでした。(泣かせた原因は他ならぬアンタだよ!)待ち合わせの場所に現れた武留を見て司くんはえり子が自分と別れたがった本当の理由(他の男の為)も分かり、更に「一緒に遭難した特別な絆のある人だ」と追い打ちをかけられ彼女への幻滅も含めて思わず涙したのでしょうね。「他の男との待ち合わせとかそんなんじゃないって言ってるでしょ。」とスラスラ嘘をつけるえり子の性格の悪さも合わせて改めてこんな女に惚れている彼が哀れに思えたものでした…ゲフッ!

 藤波くん…「良い悪いの問題じゃなく、これは部員としてのケジメってもんだ。分かるよな?」

菜津美ちゃん(のファン)に代わって天誅を下してくれるサッカー部部長。彼は良いです、腹黒くて。(でもって計算高くて。お人好しの姉が出来ない妹達への社会的制裁を姉ファンに代わってやってくれているのが痛快でした。)彼の策略の元にえり子達は(姉をないがしろにしながらの)交際もバレて追い詰められる訳ですが追い詰めてしてやった(最後の1歩を後押しした)のは藤波くんでも元々の要因は本人達にあった(武留はそれまでもコーチと衝突したり、部員に「離せイモレスラー!」と本気で掛かって行ったり実力はあっても仲間達からは決して快く思われていなかった事は周知の事実。今回の件に到っても「納得できない」のは本人だけで他の人間は誰も武留を庇おうとしていない。えり子にしても「変なムードにかき回されて勝てないんなら本当の実力ってその程度なんじゃないですか?」とわざわざ神経を逆なですることを言っておきながら「どうしてこんな乱闘に!?」は無いだろうとツッコミを入れてしまうほどの無神経女である。)のが分かるだけに彼を悪役と言うには少し違う気がするような気がする私でした。彼は真実を詳らかにしただけ、周り中から叩かれるのは主人公達の自業自得だと納得&満足したものです…ゲフッ!

 森尾菜津美…「もし、そうなったら…えり子はどんな顔するだろう?」

と心で思いつつも結局実行に移してはいない辺りこの人はいい人です。(復讐に関しても藤波さんをひっぱたいてまで止めてるしね。)えり子ファンのよしみつさんは「そう考えているこの人が怖い」と言っていましたが個人的には素知らぬ顔をして姉の恋人と逢引をする(妄想で留まらずに行動に移して周りの人間に迷惑をかけている)えり子の方が余程怖いですし、そんな人間の為に誰も恨まず憎まず物の分かった寛大な聖人にならなければいけない必要性が分からず(正式な「彼女」は菜津美ちゃんの方だって分かってる?)疑問を感じてしまったものでした。自分の事しか考えない人間って基本的に自分の事は棚に上げているんだなと改めて実感したエピソードです…ゲフッ!

青りんご迷宮③

2009.06.18
 少女漫画家というのは若くしてデビューすることの多い職業の為20歳過ぎてデビューすると「同期」の子はかなり年下の高校生(下手をしたら中学生)、「同年代」の人は既に売れっ子の先生という割とどうしたらいいんだ的な環境になってしまったりするとエッセイに載っていました。(で、さいとう先生は珍しく年も同じでデビューもほとんど一緒だった稀有な存在だったそうです。)話によると月に200枚以上描いていた月もあったそうで色々な点で大変な職業なんだなと改めて実感したものです。

 えり子母…えり子「そうじゃないの!お母さんはあたしと同じように菜津美ちゃんのお母さんからお父さんを奪ったから、だから負い目を持って神経質になってるの!」
武留「たとえ事実でもそれを往来で堂々と言うか、普通!?」

他人(武留)の前で「自分の母親は略奪愛の果てに他人の夫を奪った元愛人だ」(だからどうしてその負い目の為に自分は略奪愛を我慢しなければいけないの?)と激白するえり子にドン引きしてしまったものでした。登場人物紹介では「内気だけれど頑張り屋さんな一面もある」と書かれていましたが自分の恋の為に母親の恥をバラしたり姉への配慮を忘れる頑張りは発揮してはいけない頑張りだともツッコミを入れてしまったものです。おかげで恥をバラされ過去を思い出させられた母親の方に余程同情してしまいました。身勝手な娘を持つと苦労する羽目になるという悪い事例です…ゲフッ!

 えり子父…「えり子は自分さえ良ければ他の人間の気持ちなんてどうでもいいって言うのか?そんな利己的な心しかなくて『人を愛してる』って言えるのか?」

何にも言い返せないのはそれが図星で恋愛を貫くにしても姉に対して何がしかの配慮をすることを全く考えていなかったからに他ならないでしょうね。その後「周りを傷つけると分かっていても恋愛している時はどうしようもなかったじゃないか。」とえり子に対してフォローがなされていましたが、お父さん達のマシだった所は「相手を傷つけている」自覚があって菜津美ちゃんを引き取るなどの思いやりも発揮している点で自分の事しか考えていないえり子とは根底からして違うとツッコミも入れてしまったものです。(周りを傷つけた分「配慮」をしようとしてはいるんですよ、この人達は。)武留の事以外何も考えていないえり子の幼さが改めて見えて再度、彼女の事が微妙に思えてしまった物でした…。

 森尾菜津美…「笑ってバイバイって言えるもの。」

最後まで漢前な人だったなあ~(普通は怒って殴らせろと言うシーンなのですが…ゲフッ!)と爽やか過ぎる別れ方に「この人は本当に大人でいい女だ」と実感してしまったものです。えり子の名前を騙って武留を呼び出したことなんて彼女に黙って妹と二股かけたこの男の行動に比べれば可愛いもの(「して良い事と悪い事っていうのがあるんですよ。あなた男として恥ずかしくないの?」by母。)で藤波くんの言うとおり「お前が怒る権利なんて無いんだよ!」とツッコミを入れたものでした。別れ話もちゃんとしていないのにもはや完全に開き直った主人公2人には心底軽蔑しか感じなくなってきたのできれいさっぱり未練が断てた彼女の成長には拍手と同時にホッとしたものです…ゴフッ!

 森尾えり子…「あの人もこの人も…あたしと武留が惹かれ合った、そんな単純なたった一つの恋の為に憎んだり悲しんだり簡単に出る事の出来ない迷宮に迷い込んでしまったよう…。」

彼氏を振り棄てて姉の恋人と不倫のような恋愛を始め、しかもそれを部活間闘争にまで発展させて学校から呼び出しを喰らうほどの騒動にしたそんな恋のどこが単純だ!(姉の後輩である部員達が憎しみを募らせるのも神経を逆なでするえり子の発言のせいで、親が悲しむのも姉(家族)の気持ちを全く考えずに「恋をしている以上自分達は正当!」と開き直り始めた本人の利己的な性格のせいで、恋以前の問題のような…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまったものです。最後は元彼の司くんに甘えて海まで失踪したり(他人を巻き込むな。)何もなかったのに菜津美ちゃんの事をひっぱたいたり(「武留の事あたし信じてる…!」のなら叩かないで下さい。)バイクの前に飛び出してスクラップにしたり(色々な意味で周りを見て下さい。)ラストまで迷惑かけ通しのヒロインだったなと痛感してしまいました。武留とくっついたのは分かりましたから(結局、菜津美ちゃんの受験が終わるまでの期間限定の自粛すらしないのね…。)もう大人しく引っ込んでいて下さいと切に願ってしまったものです…ゴフッ!

麦の穂を胸に抱き

2009.06.17
 足のない獅子シリーズ6冊目です。エドワード1世のウェールズ侵攻を軸にした歴史小説(同じブリテン島にありながらウェールズは独自の文化・法・言語を守り「イングランド」とは明らかに異なる発展を遂げた外国のような地域だった。当時のウェールズ大公ルウェリン・アプ・グリフィズの実の弟が反乱をおこして失敗し、よりにもよってエドワード1世の手の中に逃げ込んできた(ウェールズの宗主権を揺るがす事の出来る切り札が向こうから転がり込んでくれた)おかげでエドワードは公にルウェリンを反徒と宣し軍で侵攻し、兵糧攻めまでうけたルウェリンは大幅に領地と権力を削られる屈辱的な条約を受け入れた。ルウェリンが5年後に再びイングランド王に立ち向かい戦死したことでウェールズは完全にイングランドの手中に落ち、以来ウェールズ大公(プリンス・オブ・ウェールズ)の称号はイングランド王家の王太子が帯びる事になる。)にもなっておりその側面から読んでも面白い1冊です。

 ローラント…「俺の母親はウェールズ人だ。俺は国境で育った。エドワード王の臣下である事に間違いは無いがウェールズ人が俺の同胞だと思うのは止められない。」

純情無垢にモーウェンナに片想いしているのかと思いきや、とっくの昔に口説き落として殺人事件の片棒まで担いでいたという実情にはたまげました。恋した相手もウェールズ人で彼女は兄の信念と共にウェールズで死ぬであろう未来を思うと元々無駄死にをさせるつもりはなかった彼の考え方(「我々はイングランド人になる方法もあるんですよ。」「うちの考え方を理解できない奴に妹に求婚する資格はないぞ。」「…っ!」)と合わせて悲しみを感じてしまう話です。(当のイングランドはウェールズに対して余裕綽々の優勢で包囲している兵士の一人である主人公達でさえする事がなくてブラブラしているのがなお悲しい。)その後、結局彼は命(ハーフとはいえ立派なイングランド人として生きていく事)と愛(恋人のモーウェンナと共にウェールズの為に殉死する事)のどちらを選んだのかちょっと気になる所です…ゲフッ!

 モーウェンナ(アランロッド)…「頑固なのはユーラットの血なのよ。」

そして頑固に自分も復讐劇に参加する事を主張し、兄貴との喧嘩にも押し勝ち、色仕掛けも使って目的を果たした彼女がたくましいと感じたものでした。これで父親への復讐(父親をなぶり殺したトマス氏の殺害)は終わったけれども、そもそもそういう状況を作るまでにウェールズを追い詰めたエドワード1世に対する報復(トマス氏は国王に気に入られるのを目的に為に敵方の花嫁を攫ってきた、その為に花嫁が通る道筋をモーウェンナの父親から拷問の果てに聞き出した訳でそもそもの原因はイングランド王)は終わっておらず、おそらくはこれからもウェールズの為に戦うであろう(そして兄共々戦死するであろう)未来を思うと切ないです。願わくば恋人のローラントと共に生き延びて欲しいのですが…ね。

 サー・オズバート・ウィルバー(オーウェン・ユーラット)…「ウェールズの完全独立は結局夢で終わるだろう。だが私はウェールズ人だ。ウェールズで生まれウェールズで死ぬ。それを変えることはできない。」

これがあの後書きに書かれていた脛毛の濃い人か…と祖国滅亡に殉じていくシリアスな生き様に反して思わず遠い目で見てしまうヴァスティッチ(オーストリアのサッカー選手)がモデルの登場人物です。(森の中で出会った時、横にいる妹や主人公達の存在も無視して彼1人がアップで描かれている挿絵にこれは絶対に岩崎先生から原作者へのサービスショットだと確信しました…ゲフッ!)しかし、たとえ脛毛が濃かろうとそれのどこがいかんというのか、リチャードやギルフォードにしたって19歳にもなる白人男性、少女のように足ツルツルのはずがなく、もしかしたら胸毛だって腹毛だって生えているかもしれないと主張した所、自分が作者のはずなのに「黙れ、コノヤロ!」と大騒ぎになった(それを主人公の後援会に入っている人間の前で言っちゃダメですよ、駒崎先生!)と後書きに書いてありました…ゴフッ!この本のファンって夢見る乙女世代が多いんだなあと実感させてくれる逸話です…ガフッ!

 ブリック…母「他の子供達ももちろん愛しているけれども、お前は中でも特別なのよ。」

その特別可愛く思っている子も他の子供達もウェールズの終焉と共に殉死するであろうこれからの運命を思うと悲しくなってきます…。親の前では甘やかされる子供の役柄を演じきっていてもプライドだけは立派に育ってしまった男の彼が母親と一緒に安全にのうのうと生き延びる道を選ぶ事は考え辛く(兄も「お前はユーラット家を継げ」と悟しているが父親の形見の指輪一つで(たかが指輪の為に)敵陣の中に2度も不法侵入を果たすほど血気盛んな少年がその忠告をマトモに聞くことは考え辛い。)英語も話せない(ウェールズ語オンリーの)彼はスパイではなく特攻部隊で戦うしかないしょうし生き残る可能性は低いよな~と暗澹たるものを感じてしまったオーウェン公の弟君でした。せめて兄君と同じく冷静に考える頭があればまだ可能性は高くなってくるんですが…ね。

豊穣の角

2009.06.16
 足のない獅子シリーズ5作目です。普通は大体5冊でシリーズ物を終わらせる(シリーズを始める時すでに「5冊くらいで終わり」と言われていたそうな。だから同じホワイトハートから出ているEDGEシリーズ(とみなが貴和)は5冊完結だったのかと納得してしまいました…。)所を6冊目以降も刊行が決まる程それなりの人気(印税)を呈したおかげか作者もシェフィールド・ブラッドフィールドに旅行ができるほどには儲かったらしく今回はその旅行記が書かれていました。シェフィールドの方は観光する場所が無いのでガイドブックなどからはさらりと無視されている場所ですが工業都市として発展しており道路もビルも近代的かつ機能的…ですが、そんな訳で東洋人どころか観光客の姿はほとんど見かけなかったそうです。(ガイドブックから無視された土地だからね。)ブラッドフィールドの方は「こんな所にタクシーで来る人は他にいないよ!」と運転手に笑って断言されるほどの田舎で店と言えるものはパブしかない、鉄筋コンクリートの建物なんか一個もない美しい牧草地だったそうです…が、教会(墓地)でも羊が放し飼いにされていたり(中で羊が悠々と人間を養分とした草をはみ、あまつさえ墓石の上に糞をしていたんだとか…なんてこった!)田舎ゆえにビックリする所もあったそうです。旅行体験記って読んでる分には楽しいよな~(1時間以上帰りのタクシーを待たされた作者さん達は大変だったろうけど)と実感してしまった後書きでした。

 ヘレン…リチャード「ヘレンはいい子にしてます。平穏無事に過ごしてました。」

キャサリンの従姉妹の娘(生まれながらの貴族)という事もあり騙されたベインズ氏もその場で叩き殺す訳にもいかず、思えば3人の中で一番安全が保障されていた赤子です。誕生と同時に両親を亡くしたランダル様の後見人を狙っていたベインズ氏もお目当ての赤子の特徴位ちゃんと把握しておけよ(ヘレンの目は青い。対してランダルの目はとび色。裸に剥くまでもなく一目見れば違いが分かる。)と後継者の座を争っていたナイジェル共々ツッコミを入れてしまったものでした。昔は風邪一つで子供を預けるほどの隔離が必要で紙オムツもなかった分、赤ん坊の世話って大変だったんだな~と実感もさせてくれる話です。

 ランダル・モーラー(グレッグ)…乳母「私は貧しい母子に頼んで服を産着共々取り換えて貰い追手を逸らしました。でも森でうっかり寝込んでしまって気が付いたらランダル様がいなくなっていたんです。」
リチャード「小細工を弄してまで誤魔化しに走ったのに当の子供を見きれませんでしたじゃ世話ないよな…。」

偶然、主人公達の小姓・トビーが見つけた(「探したけれど保護者らしき人間は周りに誰もいなかった」辺り相当遠くまで這って行ったのだろう。)から良かったものの、デコボコした森でバランスを崩して頭から落っこちたり、野犬や狼などの森の獣(サバンナじゃないからライオンはいないだろうけど野犬や狼はいそう。)に襲われたりする危険性がとても高く、思えばこの乳母は何やってるんだとツッコミを入れてしまったものでした。刺客から守るのなら現当主テレンス・モーラーの所に逃げ込むべきでしょうに、わざわざド田舎のシェフィールドに行っている辺り(無断で後継者である赤子をそんな所に連れ去っている辺り誘拐罪で訴えられても仕方ないよ)頭悪いとしか思えず亡き母親は完全に乳母を選び間違えたなとツッコミを入れてしまったものでした。正直、主人公達が余計なおせっかいを焼いてくれなかったら破綻していた話だと思ってしまったサイドストーリーです…ゲフッ!

 ニコラス…リチャード「巻き込まれて訳も分からず追いかけられた挙句、浅はかな男女に息子を誘拐されて…。」

全ては取り換えてしまった「豊穣の角」の刺繍のある産着のせいだとはいえ、もともと貧しくて栄養状態が良くなかった所を全力疾走する(逃げる)羽目になり、逃げきった所で当の赤子は考え無しの2人組に誘拐され、心労も祟って倒れてそのままお亡くなりになったという母親の最後には、もう同情しかできませんでした…ゲフッ!(この話の…というよりランダルの乳母の1番の被害者としか思えない。)最後に赤子と再会できて安心したまま死んだ(むしろ再会を果たした事で病に耐えて張り詰めていた気が緩んでしまったんでしょうね。)のが唯一の救いでしょうか?一応責任を取る形で(というか罪悪感を誤魔化す為に)ランダルの乳母が引き取っていますが、そもそもこの乳母の育児能力に疑問が出る(元々この女性が目を離したせいでランダルは脱走したのだし、再会しても喜ばないほど赤子からの愛着は無い)私としては微妙に思えた終わり方でした…ゲフッ!

 ナイジェル・テト二ー…ナイジェル「何故私の名を知っている?」
リチャード「いや、当てずっぽうで。ランダルがいなくなれば継承権が認められるのはあなたしかいないですし。」

それにしたってまさか御大自ら手を汚し(過ぎ)ているとは別の意味でビックリでした。(バレたその日には確実に権利剝脱の憂き目に遭う…どころか牢にぶち込まれる羽目になるでしょうに。)この後継ぎ(赤子)殺害計画に自分が将来の当主になれるかどうかが掛かっているのでつい必死になってしまったのかもしれませんが、それにしては赤子が3人いるのに戸惑ってしまったり(全員殺せば100%間違いは無いとトチ狂う男でなくて良かったですが)当の赤子の特徴を把握していなかったり(ラストシーンにて主人公達が守るニコラスに襲いかかっていたが殺害を果たせた所で本物のランダル様ことグレッグが無事に城で保護されている以上、何をしても彼の元に後継ぎの座は転がり込んでは来なかった。)手際が悪過ぎる様には微妙に思えてしまったものです。いっそ何もしなければ殺人未遂の犯罪者として捕まる事もなかったのに(犯罪を犯すのならもっと計画的にやらないと←オイ!)とツッコミを入れてしまった登場人物でした…ゲフッ!

 余談…前回の後書きでギルフォードの後援会には厳しい戒律(出番が無いことを嘆くのではなくマヌケな出番でも喜ぶこと、リチャードをも愛する事、等々)を守らなければ入れない(だから人は集まらないし発足は無理だろう)と書いた所、後援会は本当に発足してしまったとあり私もビックリしたものでした。

火蜥蜴の生まれる日

2009.06.15
 足のない獅子シリーズ4冊目です。執筆中に隣の家が新築工事をし始め、愛犬には夜中激しくほえられ、草木も眠る丑三つ時にはピンポンダッシュをされ、発狂しそうなくらい眠くてホテルに避難したら「お部屋のお掃除いかが致しますか?」と起こされた(「起こしてほしくないから『起こさないで下さい』の札をかけたんです。下らない用事で起こすくらいなら最初からそんな札用意しないで下さい!」と言い捨てて電話を切った)という後書きエピソードも拝めます。ホテル側としては若い女性が一人で泊まるとすぐに自殺の疑いをかける(女が一人でホテルに逃げ込んだという状況自体に不審な事情を感じますしね。マズイ事にワープロやら紙束やら「遺書」を連想させるものを持参していたら疑いも濃厚になるよな…。)というホテル側の暗黙の了解を知ると経緯にも納得してしまう経験談でした。

 マンドラゴラ…「墓地や刑場に生えていて根の部分が何でも裸の女の形をしているそうだ。引き抜くとそれが悲鳴を上げ、それを聞くと抜いた者は死ぬらしい。」

地獄先生ぬ●べ~でも取り扱われたこの薬草(?)抜く方法としては
①裸の女が抜く(マンドラゴラの根はそれが自分と似ているが故に裸の女が手を出しても悲鳴を上げない)
②犬に繋いでから引き抜く(犬が身代りになって死んでくれる為に人間は助かる)
があるそうです。最初は犠牲犬ゼロで済む①の方法を取っていたものの教会の召使いに「イヤアァァ!何してんの変態!司祭様!墓地に痴女がいるうぅぅー!」と駆けこまれて以来、名うての詐欺師セリーンも多少の羞恥心を感じたようで②にやり方を変更していました。催淫剤にも回春剤にも精力剤にも毒薬にも毒消しにもなるという(つまりどんな植物なんだよ!?)こんな空想上(としか思えない)植物の為に全裸になったり犬を調達する彼女もご苦労な事です。当の犬(主人公2人の弟分ガイの飼い犬)から主人公達が介入してお縄になる後の展開も考えると羞恥心など捨て去って裸で探し続ければ良かったじゃないか(詐欺という犯罪を働いている時点で恥の概念という「真っ当な人間の常識」を語る資格など無いんだしさ。)ともツッコミを入れざるを得ませんでした…ゲフッ!

 ポール・ダングレー…ポール「錬金術に敬意を表して私は自分の紋章を火蜥蜴に改めようと思っているのです。年老いた両親に不老長寿の薬を飲ませる為に私は錬金術を志したのです。」
リチャード「両親の為…だったら家に帰って親孝行でもしろよ。」

「金は問題ではありません」と理想を追い求める彼は言うけれど現実問題、人間の金への執念が凄まじい以上金の価値を知らない人間にそれを使う自由が与えられているというこの状況は詐欺師にとっては理想的だったでしょうね。(「セリーンが騙さなくてもいずれ誰かが舌先三寸で彼から金を巻き上げるだろう。」byジョナサン神父)唯一の救いは彼にやる気だけはあった為に逐一自分で管理したがり詐欺師に財布を握らせる隙は無かった点(だけ)でしょうか。セリーンに薬を盛られそうになってやっと錬金術からは目を覚ますも今度は王家の庶子(リチャード)を然るべき立場につける「英雄譚」に夢中になったり夢見がちな性格自体は全然治っていない彼。荘園を統治する人間としての根本的な問題が解決していない以上、親はこれからも彼の為に苦労する羽目になるんだろうなとげんなりしてしまったものでした。(取りあえず自分から大人しく家に帰る程度に現実を見ることはできたけど…ねえ…ゲフッ!)

 セリーン…リチャード「お前は男を簡単に虚仮に出来るくらい頭脳も勇気もあるしたたかな女だ。詐欺なんかに手を染めなくても立派に生きていけるだろう?」
セリーン「次(に詐欺を働くとき)は上手くやってみせるわ。」
リチャード「逮捕される事態に到っても懲りてないのかよ!」

その忠告、詐欺を働く前に言ってほしかったです。(最も彼女の性格上、言った所で一笑に伏して相手にしないのが関の山でしょうが。)彼女のように痛い目を見ない限り後悔すらしない(そして同じ事を繰り返す)人間って現実にも多々いますが被害者顔して泣き落とし(ごまかし)に出たりせずに、これから辛い試練(昔騙した人達からのバッシング及び法的措置)があるのを知りながらも開き直って堂々と連行される様はいっそ潔いと感心もしたものです。ポールと同じく(意味合いは違うものの)「どうしようもない人間」ではありますがそれだけの度胸があれば別の仕事にさえついていれば色々成功したんじゃないかとも思ってしまった女性でした。

 サイラス・オズボーン…ヒューバート「今またポールの前に錬金術師がうろつかれるのは困るのだが…。」
リチャード「彼が通ってきた道すがらで盗難があり彼は第一容疑者。拘束され慎重に取り調べられるものの後日疑いは晴れ、執行長官から謝罪の印に夕食に招かれる、というのはどうでしょうか?」

詐欺を働くセリーンを捕まえようとした所、煮えたった油を浴びせられて逃げられ、追いかけてシェフィールドまで来てみたら問答無用で(主人公達の計画に支障が出ると)無実の罪で牢に入れられたサイラスさん。同じ牢の一室に当のセリーンが入れられた(巡り合えて無事に連行出来た)のが不幸中の幸いだったとはいえ間違いなく今作品で一番割を食ってしまった男と言えるでしょうね。(私がどれほどの時間を無駄に牢で過ごしたと思ってるんですか!?」byサイラス)親友の娘であるセリーンは全く懲りていないし左手の火傷の跡はおそらく一生残るでしょうしこれからも苦労が多そうな彼に思わず手を合わせてしまったものでした…ゲフッ!

一角獣は聖夜に眠る

2009.06.14
 足のない獅子シリーズ3作目です。タイトルからも分かるとおりクリスマスの話ですが、クリスマスを目前に殺人事件が起こったり何だか血生臭い様相を呈している巻です。後書きより、良い年をして独身と見るや言葉巧みに入会させてガッポリ入会金を取ろうという結婚相談所に「実は私、レズなんで結婚する気は無いんです」(注・「嘘つきではありますがレズではありません。」作者談)と断り、エステの勧誘には「私はもう充分に美しいので必要ありません。」と答え、英会話の勧誘には「今はタガログ語を習っているので手が回りません。」と余裕を持って相手を煙に巻いている作者(「友人達には誠実であろうと努めていますが自分から金を毟り取ろうとする輩に対しては徹底抗戦の構えに出ます!」)に漢を感じたものでした。今度から私もその手で行く事にします。(オイ!)

 ホープ・モートン…トビー「リチャード様が卑しいだなんて誰にも言わせない!」
ホープ「ねえ、何もそんな怒らなくても…悪気があった訳じゃないのよ。」
トビー「生まれの事だけで人を蔑んで悪気すら無いのなら生粋の性悪じゃないですか!」

悪気でなければそういう事としか取れませんよな…とトビーが怒る理由に得心したものでしたが、確かに不倫をしたのはリチャードの母親で、親の勝手で作られて生み出されただけのリチャード本人が「不倫」をした訳ではないのですが、定期的に娼館に通っている実生活の中身(不倫はしていないが買春はしている)を考えると「姦通の罪」の権化である事には全く変わりがなく汚い男だと軽蔑されても仕方ないのでは?とツッコミも入れてしまったものでした。娼婦(彼のお相手)のジェインが性格の良い女性で自分の命の恩人だからと理解する姿勢を示すまでに成長したホープでしたが、ジェインがいい女(身を呈して自分を庇ったジェインを身分を超えて気に入ったからこその効果)だからこその展開を考えると彼女を弄んでいるだけのリチャードに対する軽蔑が発生しなかったのは奇跡と言えましょうね。まあ、クリスマスには奇跡がつきものだと彼女も自分で言っているし「良い話」として終わっておくことにしましょうか…ゲフッ!

 サー・サイモン…リチャード「サー・サイモンは誰が俺の父だとお考えで?」
サイモン「それは君の母上しか知らんことだ。父親候補はそれこそ両手の指では足りぬ位だぞ。国王陛下を筆頭に当時の財務府長官、尚書部書記官に紋章官、司教…」
リチャード「それを全部通りすがりの強請り屋(ワイン商人)に言っちゃったんですか…。」

そこに悪意は一切介在せず、ただ人を喜ばすために持てる力全てを尽くしているだけとはいえあまりの無神経・KY(空気を読まない)発言に話題にされているご本人リチャードはたとえようのない疲労感を感じている様子です…ゲフッ!(喜ぶどころか疲れています。)この人の良い(だが口の軽い)騎士のおかげで敬虔なクリスチャンであるホープ令嬢にはお付きの老女共々嫌われる羽目になり、良い脅迫のネタを仕入れたと思った強請り屋は口止めの為に殺され(その殺人事件の調査の為に主人公2人は例年飲めるワインも飲めずに東奔西走する羽目になる。)厄介事を増やされている様にはリチャード達に同情もしてしまったものでした。(ウェールズ侵攻の準備と合わせて忙しい時期に殺人事件の処理という新しい仕事を増やされているヒューバート執行長官も哀れ。)私生児をそれだけで差別しないという物分かりはあるけれど自分の発言が周りにどういう影響を与えてしまうかという「常識」に対する物分かりは無い御仁だよな(仮にも一応領主様というトップがこれじゃダメだろ。)ともツッコミを入れてしまった元凶人物です…ゲフッ!

 ワイン商人…異母弟フィリップ「あいつはクズです。父の犯した過ちは消せませんが彼を兄だなどど思った事はありません。」
リチャード「…挨拶はご愁傷様でなく、おめでとうございますと言った方が良いみたいですね。」
ジョナサン「湿っぽい話にならないのはありがたい。愁嘆場は御免だ。」

仲の悪い兄弟は世の中にはいくらでもいると言いますがこの異母兄弟はその典型だったようです。家庭をかき乱し金を奪っていきニヤニヤしながら地位を脅かす強請り屋の道を選んだ兄(父親は村娘に産ませた子に過ぎないこの彼にも騎士として教育し荘園を与える事を考えていたが本人は最初から真面目に生きるつもりは無かった。)に正当な跡取りであった弟の方は色々思う所があった様子です。(「誰だか知りませんが奴を殺してくれた人間に私は感謝しますよ。」byサー・フィリップ)結果、生きている間は好き放題出来ても勢いで殺されて死んだ後は誰も悼んでくれずに犯人すら放置された兄貴。日ごろの行いが悪いとこういう結果が待っているんだな~と結末に頷いたものでした…ゲフッ!

 酒場の主人ピート…リチャード「何故、俺の為に人殺しまで…。」
ピート「あんたの父親が昔、わしを救ってくれたからだ。」

妻も息子も亡くし、自分も病に倒れ悲嘆にくれていた時に環境を改善してくれ「俺だって愛人に逃げられて子供にも会えずに辛いんだよ、オロロ~ン!」「本妻も後継ぎもいるくせに嘆くなよ!」と互いの不幸話で盛り上がった「恩人」の為に、彼の代わりに「愛する息子のリチャード」を見守っていこうとピートはこの地に来た時から勝手に決めた様子です。(家族全てを失くした上に自分も病気になったピートの方が明らかに不幸ではあるのだが王族が下々の者(自分)と対等に話をしてくれた事、有り余る金を出し惜しみせずに自分達を救ってくれた事など感じる所があったのでしょう。)こうしてギルフォードが「嫌われ者のワイン商人が死んでようが俺の知った事か!」と作者の頭の中で喚くにも関わらず主人公2人が一生懸命追跡した犯人は今までの恩情から揉み消され、全ては無駄な労力に終わったのでした…ゲフッ!プロットを作り始めた段階では決まってもいなかった犯人(え?)は、手を汚した後も死体の始末を指示して貰ったり(「普通、司祭は殺人を告解した信者に死体を始末しろなんて指示はしないと思いますけどね。」byギルフォード)バレた後も見逃してもらえたり皆に助けて貰えている辺り日頃の行いはワイン商人とは正反対の方向でも効果を発揮することをしみじみ実感したものです…ゲッフン!

 余談…「客をもてなす為に道化師(フール)でも雇いますか?」「家に馬鹿者(フール)が二人もいるのにわざわざ雇う必要など無いわ!」というアンジェラ婆さんとのやり取りに笑ってしまったものでした。

風の構図

2009.06.13
 全二巻なのに三巻ほどの厚みがある分厚い上下セット文庫。弟に貸したところ(読ますなよ、二股物を!)「男主人公が二人とも微妙。」という絶妙なコメントを頂きました。話の中で当然のように不倫も出てきますが、断じてそういうもの好きってわけではないんです。信じて下さい。

 葛木 結実…「男が浮気してもあたりまえって顔していたのに、私が浮気するとふしだらって目で見てた…。」

古今東西こと色恋に関して世間は男の失敗には甘く女の失敗には厳しい物です。そもそも男と女は違う生き物であり、だからこそ恋には「駆け引き」が必要(ありのままの自分を両手広げて受け入れて貰おうという甘い考えは通用しない。)という事を結実は2度の失敗で分かっておくべきでしたね。それにしても、いくら男と付き合ってないとはいえ、外を歩くのにどてらやウサギちゃんトレーナーは無いだろう(しかもそれで注文を取りに来るなよ!)とファッション感覚を疑ってしまった女性でした。(20歳過ぎてブタさんの布団カバーもどうかと思う。)結婚結婚騒いでる割に現実が見えていない(徹も先生も極貧なのでどっちを選ぼうが彼女自身も働かない限り生活はできない。老後に庭付き池付きの優雅な家なんざ夢のまた夢である。…ていうかいきなり老後まで考える彼女が怖い…ゲフッ!)ので、これは逃げられてもしょうがないと思いました。取りあえず結婚イコール専業主婦の考え方は改めて(今の世の中、男性が妻に求める第1条件は収入があること、だそうですよ?)真面目に仕事する所から始めた方がいいと思います。岬さんの実例も参考に女には男の何倍も「慎重さ」と「抜け目なさ」が必要だと学習して下さい。

 日高 徹…母「ねえ徹、いい人(働き手)いるんでしょう?徹が早くお嫁さんという名のパート代を全額納めてくれる下僕を迎えてくれれば、私達も少しは安心して・・・。」
徹「いないよ、現実的にそんな女!じゃあね!おやすみ!!」
…セリフを入れ替えてみました。いや、その、彼の実家がシイタケ栽培やってた農家(現在も嫁さんイコール召使状態の所が多く、月1万の仕送りと引き換えにフィリピン女性を迎えるなど深刻な嫁不足が問題になっている。他に来手がいないのだ。)だと言っていたのでそうとしか読めませんでした。なので岬さんを妻に迎えたのは彼にとって正しい判断だったと思えてなりません。(お情けの仕事しか出来ない結実と違ってバリバリ仕事できそう…。)結婚早々いきなり子持ちですが(しかしあの両親なら喜びそう…というか間違いなくイヤミのように孫を催促するタイプだろう。必死に避妊してる結実なんかひんしゅくものだろうなぁ…ゴフッ!)これからは一家の大黒柱として頑張って下さい。

 柴田 岬…普通家庭に求められるのは安らぎ…といいますが、農家の嫁に求められるのは給料を全額姑に捧げて冗談抜きでひと月1万でやりくりしなきゃいけない「要領の良さ」や姑のイヤミに負けない「ハングリー精神」(実際病院の外来には農業学勉強の留学という名の出稼ぎにきたフィリピン人のマッチョ男性が戦いに敗れて精神科で診察をうけている。どうやら体育会系の部活並みに厳しいらしい。)など、タフじゃなきゃやっていけない事情が多いので、この人ならそんな家庭も仕事もバッチリこなしていけるだろうと安心しました。(すぐに寝込む結実じゃあお話しにならないな…ガフッ!)いい嫁さん手に入れたね、徹。)

 森下 岳…別れた(としか思えない)相手から10通もラブレターが届いたらこの人じゃなくてもフリーズすると思います。この人が結婚を拒否するのは事務所が気を使わずに研究先に飛ばしてくれる立場で第一線で研究に情熱を注ぎたいというロマン(2006年に80年ぶりに新しい王家の墓が見つかりました。現地もまだまだ隠されたままの真実が多いのです。)と、結実じゃあ連れて行った所で現地の気候を無視してすぐに体を壊すからという現実が見えているから(この土地で昼間に働くなんて常識外れだわ…って言われたそばから倒れてたしな。四日後に。)でしょうね。ラストも微妙な終わり方をしてましたが、個人的な解釈をさせてもらうと先生は結実にさよならとごめんねを言いに来ただけで今後日本に来ても無理に付き合うつもりはない(雪を見に帰るんであって、結実に会いたいわけじゃないのねって感じで)のに結実の側は勝手にロマンスが終わってないと誤解している…ようにしか見えませんでした。ともあれこの先何があったとしてもここまで価値観の違う二人に未来は無いと思います。

 アンドレ・ジイド(藤岡 充)…既にアンドレ呼ばわりしかしていない結実の見合い相手。初デートでいきなり結婚話を持ち出す辺りに度肝を抜かれ(いや、あの結実より早く結婚を言い出すなんて大したもんだと言うべきか?)29まで相手がいなかった理由が分かった気がしました。(普通の女はこれでドン引きです。)個人的には結実は彼の何が不満なのかまったく分からない(そんなに、ヘルマン・ヘッセのファンなの?)ので将来に不安があるならこの間抜け男(…ゴフッ!)の善意につけこんでとりあえず結婚してしまえばいいじゃないか(そうやって白馬の王子様を待っているうちにあっという間に10年が過ぎますよ?)と思いました。いい人そうだったのであの結実に振られたこと(振るほどのタマなのか、お前は。)が哀れでなりませんでした。

 萌…実は先輩の結婚式のお祝いの言葉に彼女への結実の白々しいスピーチを参考にさせて頂きました。(どちらかというと根暗の私は随分萌さんの笑顔に励まされたものです云々。友情どころか365日エブリデイ苛立っていた相手によく言えるなと初めて結実に感心した場面でした。)自分としては理屈がましい結実よりも、多少ワガママでもおだてれば手の上で転がせそうな彼女(…ガフッ!)の方が可愛いと思います。すぐに夢中になれるところが(なりすぎるのもどうかと思うが。)素敵です。

 社長(マダム)…不倫してることよりも、格式を求めるお客様達とつながりがある人脈を持っている事の方が気になりました。(作家の人達といい、普通は手の届かない雲の人達のはず…何故知り合えたの?)実はいいとこの家の娘さんなのでしょうか?(麻倉先生の助力なしであれだけ絵を集められる資金があるのもすごい。何者ですか?)最後には思い出の本の著作権をゲットしていましたが、本はしょせん一発物(同じ本を何度も買う人はいません。)なので毎年の収入はあてにならないと思います。結実というごくつぶしの社員(会社の電話で恋人とラブコールをするのはやめてください。)もいるし、これからが大変そうだと心配になったキャラでした。が、頑張ってください!

5時から9時まで①

2009.06.12
 英語ができれば一生食いっぱぐれる事は無い…という俗説はありますが現実には「やっぱりネイティブと会話する方が(周りから)見(られ)た感じカッコイイから」と敬遠されたり(事実、英語学習でなくファミレスで「ネイティブと英語で会話している」状況を作るのを目当てに個人レッスンを頼んだりする人間もいるらしい。)円高不況で通訳のバイトが思うようにできなかったり話にも描かれているように英語ができても色々大変のようです。楽に一生稼げる仕事なんてこの世にはありえ無いというのがやはり現実のようです。

 桜庭潤子…星川「私は軽い気持ちで寝たりしません。私達はもう深く結ばれた間柄、結婚は当然のなりゆきです。」
ジュンコ「あっそう。あたしは軽い気持ちで寝ちゃうの、そういう女なの。セックスなんてその場の気持ち半分、勢い半分、よくある事よ。」←(よく有るの!?)
星川「な…なんという事を…。」

そんな事ばかりヤッているといつか犯罪に巻き込まれるよとツッコミを入れたのも束の間、巻末で本当に拉致監禁の憂き目に遭っていた様には同情すべきか男に対して迂闊な行動を取り続けてきた自業自得でもあるだろうと呆れるべきか迷ってしまいました。(「やっかいな男」だと分かっていながらそんな男の相手をしてその気にさせてしまった彼女の落ち度もあったと思うの…ゲフッ!)大人だからってして良い事と悪い事はある。すぐに顔や態度、口先に出てしまい浮気も隠せない性格なら男を弄ぶ(気楽な気持ちでホイホイセックスする)のは辞めておきなよとツッコミも入れてしまったものです。英語の実力もあって夢に向かって頑張るのは素晴らしい事ですが夢が何よりも大事ならわざわざ自分の夢を引っ張る種(寺の跡取りの坊さんを自分で誘うようなバチ当たり)を自分で撒かなくても良いのではないのでしょうか…?

 星川高嶺…「反省させるつもりではなく、閉じ込めたんです。」

お寺の跡取り(土地持ち・専業主婦確定・誕生日にはバラの花束)という優良債権にも関わらず嫁の来てが無いのは彼の行き過ぎた独占欲の強い性格もネックになっていたかと思われます…ゲフッ!(「人を見て心と向き合うのが本職」でありながら恋人の気持ちは全く慮っていないよね、この人…ゴフッ!)Hも凄い良くてちゃんとイケる(そいつはスゴイ。ほとんどの女性がセックスは「触れ合い」の為にしているんであって「それ以上の行為」(本番)は相手が求めるから行っているだけ、真実気持ちいい訳ではないというパターンが多いのに彼は余程の生臭坊主だったのだろう…ガフッ!)などなど働かずに寄生虫のように相手に縋って生きていきたい女性にとっては文句のつけようのない相手ではあるのですが外に出たい女性にとっては自由が無い生活は苦痛でしょうね。(ワガママを許してくれるのも寺の嫁になる日までの期間限定の物で結婚したら束縛するつもりらしいしね…。)この2人は結婚(家に入る事)と恋愛(自分のペースで相手と付き合う事)は別という良い見本なのかも知れません…。(でも拉致監禁は犯罪だからね、星川さん!)

 三嶋…「もし万が一桜庭が彼女になりたいって言ってきたら考えてやらない事も無いけどな。」

ジュンコ先生が星川さんにクラッと来てしまったのは、いつもいつも相手からアプローチして貰う事ばかり期待してそのくせ逆走ばかりしている三嶋と違って自分の体裁も関わらずに直球で愛情表現をされる事に慣れていなかった部分(「自分の保身なんてどうでもいい、欲しい物は欲しいんだ」と周りの目も気にせず体面をかなぐり捨てられる勇気はそれなりに凄いとは思う。犯罪行為にまで及ぶ辺り大いに問題はありますが。)もあったように思います。彼女の勤めている英会話スクールに入ったにもかかわらず「自分の英語力の低さをあいつに直されるなんて恥ずかしい」とわざわざ他の先生を選択しているし(むしろこれは「お近づきになるチャンス」であり星川さんや由希ちゃんのように敢えて彼女のクラスを選択する事こそ正解だろう。)この人は相手に「頭を下げる」という事が出来ない男なんだと9年間も進展しない関係に納得したものでした。自分のしょうもないプライドが何よりも大事なのは分かりますが玉砕上等の覚悟を持てない限りマトモな恋愛はいつまで経っても出来ないよ(9年どころか10年でも20年でもそのままだろう)とツッコミを入れてしまったものです。

 里中由希…「可愛い恰好するのが好きなだけでノーマルの男でジュンコちゃんが好きなんだ。」

慣れ染めの時から既に女装していた(しかも制服まで女物着用。そこまでするか。)辺りジュンコ先生に近づく為・油断させる為に女の格好をしていた訳ではなく女装は元からの彼の趣味だという事が分かります。がそんな趣味を持っている辺りでノーマル(意味:正常、普通)でも何でもないだろう(立派なアブノーマルでありセクシャルマイノリティ(少数派)だよ!←一般的大多数の男子に女装癖は無い。)とツッコミを入れてしまいました。「ノーマル」ではなくて「ノン気(ホモの気は無い)」の間違いでしょうね、これは。(それにしても彼は既に高校生。声変わり後の声で分からなかったものだろうか?)

裏切りの聖女

2009.06.11
 足のない獅子シリーズ2作目です。後書きにて本の煽り文句を「頑張れギルフォード!リチャードの貞操は君の肩にかかっている!」にしようかと考えるほどホモ臭い本にしようという意気込みで書き始めた(正確には書き始める前から決めていた←オイ!)とあった通り作為的に怪しげに書かれているシーンは多々ある(作為的過ぎて見え透いてしまっているのが難点ですが…。)第2巻です。実際問題↑の煽り文句候補に代表されるほどリチャードが色んな男に口説かれる展開は無く、むしろ1番貞操を汚したと誤解される行動を取っていたのはギルフォードだった(ダメじゃん!)というオチがある内容には結構笑えなかったものでした…。

 聖女エセルドレダ…駒崎「何だっけ?あの、エスメラルダ…?」
北村「それは『キャプテン・ハーロック』に出てくる人じゃなかった?」
駒崎「いや、それはエメラルダスでしょう。エスメラルダは『ノートルダムの鐘』のヒロインじゃなかった?」

自分で疑問にツッコミを入れて元ネタを明かしてどうするんですか駒崎先生(我々は本当に西洋史を勉強してきたのかと言われそうな会話が交わされていた…と自分でバラしてどうするんですか!?)と思わず後書きにも笑ってしまったネタでした。表紙の紋章(3枚葉の王冠を3つあしらったもの)にも使われている7世紀の聖女エセルドレダは処女のまま結婚生活を送り後に修道女となった女性であり話に使われた「未婚時代から不倫をしていた妹」とは対極の位置にいる存在と言えますが(それが家紋というかお家の紋章だったというのも皮肉な話ですが。)それを揉み消す為に動く事になる主人公2人はもっと微妙な気持ちだったでしょうね。依頼自体も嘘八百でベインズのヒューバート執行長官への嫌がらせも多々あったと分かった時にはげんなりしたものです。(どんだけ話に関わって悪役になりたいんですか、ベインズさん…。)主人公達が上手く立ち回って彼の目論見を潰すのはもう定番パターンにもなってしまいましたね…。(遠い目)

 サー・ウィリアム・グリーンフィールド…「ひと月ほど前、酒宴の席で私は不用意にも若気の至りで国王陛下に対して企てた反逆計画を書き、届く直前に宛先の友人が死んだおかげで文書保管所にしまい込まれた手紙があると口にしてしまった。ヨーク大司教の甥である私のスキャンダルを防ぐ為にジョナサンがこの教区に派遣されたのだ。」

つまり元凶はアンタだったのかい!と体育会系のギルフォードにまで白い目で呆れられている実在人物にツッコミを入れてしまったものです。おかげで物語の舞台・シェフィールドには一癖も二癖もある新しい司祭様(揉み消し役)が着任するわ、主人公達は妹の不倫の手紙という仕事(実際は不倫の記録回収に名を借りた反逆の証拠入手。こんな事に名を使われては妹という人もさぞかし迷惑な話だろう。)を請け負う羽目になるわ迷惑千番の目に遭うことになりました。「べレロポーンの手紙」(頼まれた手紙を届けた所、当の手紙には「この配達人はムカつくので殺っちゃって下さい」と書かれていた。配達物の中身確認は大切だというお話。)をやってしまわないほどには(「封蝋は偽造すればいいから」と手紙を無断開封して中身を確認する位には)頭が回るリチャードがいなければ事件はさらに混迷の様相を呈していた事でしょう。問題が起こらないように偽造した手紙が男から男へのラブレターになっていたり今回はえらいホモ臭い話だなと実感もしたエピソードでした…ゲフッ!

 ファーザー・ジョナサン…「私が何故十代の若さで司祭に昇進し大司教猊下の右腕にまでなったと思う?世事に長けていたからだ。上司の信頼を得、仲間を出し抜く術を心得ていたからだ。それが私の才能で恥じるつもりもない。」

世事に長けていたからこそリチャード(王家の庶子)がシェフィールドの教区にいる事はおそらく始めから知っており、それ目当て(彼が血統的に相応の立場に就いた時のおこぼれ目当て)で近づく為にこの教区に就く事を希望していた事が伺えるだけに今回の事件は渡りに船だった事が分かります。司祭でありながら就任早々娼館の常連になったり前任のファーザー・マシューと違って模範的な聖職者とは言い難い反面、随分と柔軟な物の考え方ができるのが知れますが、それは彼が「司祭」ではなく目的の為には手段を選ばない「政治家」だから利害関係が絡まない限り動かない(そして見返りが得られないと分かるとあっさり手の平を返すであろう)信用はならない人物だと知れる以上は微妙な立ち位置の味方と言えるでしょうね。…ナタリー達にも理解があり、人受けが良い辺り前任者よりはマシな司祭様と言えますが…ゲフッ!

 乳母アグネス…「(男を押し倒そうが、男同士でベッドで寝ようが、おでこにキスし合おうが)お好きになさい!」

と思った(誤解した)のなら好きにさせるのではなく止めた方が良いだろとツッコミも入れたものでしたが主人公2人が既に定期的に女を買っているほどの性生活を送っている(最低ってツッコミ入れていい?)以上それが誤解で、よしんば誤解でなかったとしてもこの男達は「相手」を性欲処理の道具とするか打算的な結婚相手と見るか使い分ける分別を持っている(間違ってもロマンスに身を焦がして一途に相手を想う輩ではない。)事が既に分かっている以上疑惑的なシーンをいくら入れても萌えには繋がりませんでした…。(愛してはいても馴染みの女とはこれからも関係を続けるつもりなんでしょ、みたいに感じて同じ「女」としては誤解するほど萎えるものがあるんだよね…ゲフッ!)現場を見て誤解に震えるアグネスには悪いけれども、そもそもこの2人はそんな純情なタマじゃねえよと彼女まで白い目で見てしまったものです…ゴフッ!

 余談…ギルフォードの方はギルという愛称で呼ばれているのに対し、何故リチャードの方はディックという愛称で呼ばれないのかと考えた所で、ディックは「男のアレ」という隠語でもある事に気づき、いくら不倫の果てに生まれた不義の子(王家の庶子)でも、従兄弟と一緒になって定期的に娼婦を抱いているような汚い性生活を送っている男でも、今作でホモ疑惑まで持ち上がった奴でも、その愛称は不味かろう、という事で今日も皆、堅苦しく正式名称で呼んでいるんだろうなと秘かに納得したものでした。

キャンディ・ポップ2

2009.06.10
 タイトルがなかなか決まらず候補が出尽くした後にタイトルノック10本を命じられ耐久タイトル会議に担当さんも倒れ難産の末に、願いを具現化したお菓子に絡めて「キャンディ・ポップ」というタイトルに落ち着いたと1巻の後書きに書いてありました。(でも1巻でキャンディになっていたのはレジーの先生であるオッサン1人。)相手が同じ人間であれば願いの内容に関わらず具現化するお菓子は同じで主人公アイリスから出てくる金平糖も飴の一種だからと考えると納得のタイトル付けです。という訳で「沙漠の物語」シリーズと二頭立て(正しくは二本立て)で続編が出た「キャンディ」シリーズの続きです。

 レジルトル・ヴァリス(レジー)…レジー「王としての特命が授けられないのなら父として娘を頼む位言えないんですか?」
ランズーカ国王「いやでもね、さりげなく許婚としての言質を確保しようとするのはどんなものかと…。」

「うるせえ親父、黙ってないと宰相の地位から引きずり降ろすぞ」とのセリフといい国王相手に破城鎚(戦斧)を振り回す事といい(王様相手にこんな事をしてよくこの人は牢に入れられずに済んでるな…ゲフッ!)前回よりも二重人格ぶりと漆黒面がパワーアップしている彼に思わず拍手してしまったものでした。(応援してもザオネイルがいる限り彼の恋情が報われる日は来ないでしょうが…ゴフッ!)研究書は読んでも空気は一切読まないレジーはおかげで罵詈雑言を浴びせても無頓着なアイリスやキラードのような懐の深いゴーイングマイウェイ人間しか友達ができなかったらしく彼女に初めて仲良くして貰ったから惚れましたという初恋のエピソードには、それは初めて優しくしてくれた異性に舞い上がっているだけで普通だろうが王女だろうが相手は誰でも変わらなかったのではないの?(惜しかったね、キラード王子。)ともツッコミを入れてしまったものでした。思い人には相変わらず振り向かれない挙句に男に追いかけられ彼の苦悩はまだまだ続きます…ガフッ!

 アイリス…「こんなに突然結婚を決めなくちゃいけないなんて酷いわよ。私まだ16歳なのに。」

かの「風と共に去りぬ」で同じく16歳で結婚したスカーレット(漫画版)が「夫のチャールズなんて!たった16であたしの人生をお終いにしてくれて!あたしはまだ17なのに!パーティにも舞踏会にも出かけたいのに!」と自分を喪中の未亡人というがんじがらめの立場にしたことを嘆くシーンがありましたが、その通り16、17の小娘ではまだまだ遊びたいし自由でいたいと願うのも分かると彼女達の年を超えてから実感として思えるようになりました。(小学生の時に初めて映画「風と共に去りぬ」を見た時は「何というワガママな女だ」としか思わなかったけれど現代日本で16、17といえばまだ高校生、子供ができても一般的大多数の女性が中絶しておりその年齢で結婚して母親になるというのはかなり重い事実である。)とはいえ相手は美麗な王子様でありアイリスに熱愛こそしてはいないものの一生正妻として大切にしてはくれそうな文句の言いようがない男である(騙されて脅されて望まない愛の無い偽りの結婚をする割には相手の容姿端麗ぶりが悲劇を打ち消しちゃっているんですよね…ゲフッ!)事から、やっぱり今一つ同情や共感には繋がらなかったヒロインでした。王族である以上結婚は政略の一つであり「いくら政略計算でもこの方は御免頂きたい」という相手に当たらずに一応及第点をあげられる相手に決まった事は運が良かった訳で(ロシアのエカテリーナ女帝なんてただでさえ不細工だったのが天然痘にかかって余計に生きた怪人みたいになったピョートル3世が夫でしたよ?)ザオネイルがいる以上破談になるのも目に見えていたし全然心配しなかった結婚騒動でした…ゲフッ!

 ザオネイル…ザオネイル「耳飾りをしてキスをするのは『俺の声だけ聞いていろ』という呪縛系の呪いだ。これをやられると暗示にかかりやすくなり、やがて操られるように…そんな物を結婚式で行っているとは人間は恐ろしいな。」
アイリス「全然違うような大枠は合っているような、ともあれ乙女の夢はぶち壊しの解釈ね…。」

と、アイリスの天然ぶりのおかげで「呪ったからな。」という言葉としては最悪なプロポーズの意味合いは受け取って貰えず相も変わらず3歩進んで2歩下がる結果として全然進展しない2人の仲はそのまま継続しています。(花嫁略奪までしたのにね…。普通ここまでしたら責任を取る意味合いを込めて駆け落ち結婚の流れなのですが…ゲフッ!)自分でハッキリ自覚をしていないものの思いが報われていない彼(アイリスが余計な意地を張って式の前夜について行くのを拒否しなければ彼は刺される事もなく神でありながら牢に繋がれる事も無かった)にちょっと同情もしてしまったものでした。今回判明した人間の顔が全て同じに見えてしまう傾向のある神(眼科行きなよ)は視覚よりも嗅覚に頼って彼らを区別する(犬か!と思わずツッコミを入れたくなってしまうほどの異常な感覚器官だった)彼の人間らしからぬ長所(?)が判明したり色々楽しみながら読ませて貰った話でした。

 キラード王子…「君は王族だ。結婚が政略である以上、一個人の感情でどうにかする問題じゃない。違うかい?」

キラード王子が自分に本気で恋していなければ彼の気持ちを言い訳に使って婚約を回避しようとしていたアイリスでしたが、それが当てはまるのはレジーなど有能なしかし自分より立場の低い相手と「恋情を理由に結婚する場合」だけであり政略を理由に結婚する場合はそもそも一個人の気持ちを始めから問題にしていないから拒否する理由として成り立たないとツッコミを入れられていました。その理屈は本人自身も良く分かっており理解した上で「納得ができる相手」と結婚しようとしていたのでしょうが神のプライドを無視してまで花嫁を略奪したザオネイルに、王女として結婚するより身勝手な神について行く事を選んだアイリスに、体裁を整えるよりも自分の本当の気持ちに正直に生きることを見せつけてくれた(しかし自分の立場に対する責任は忘れている)2人の姿に自分もまた常識に縛られずに本当の想い人に気持ちを素直にぶつける事を選んだのでしょうね。(ご本人のレジーには偉く迷惑な話でしょうが…ゲフッ!)ルルル文庫って堂々とボーイズラブを書いて良い文庫だったんだ…と驚くと同時に笑わせて貰った結末でした…ゴフッ!

キャンディ・ポップ

2009.06.09
 デビュー作である「沙漠の国の物語」(乾いた沙漠の厳しい大地での物語)とはうって変わって稲穂の実る肥沃な緑の王国の物語です。「捧げ物(アイリス王女)だけ受け取って一向に願いを叶える様子無しの神様」という作品紹介から、捧げられるってまさかルルル文庫なのにフランス書院並みの破廉恥な展開に!?どんな話ですか!?と大焦りしてしまったものの実際には至ってマトモな何もない展開でホッとした(そういえば「受け取った」だけで「食われちまった」とは書かれてなかったですもんね…)話でした。それにしても作者コメントには「年より落ち着いているとよく言われる。最近などついに世捨て人じゃないよね?と言われた」と書かれていた割にはぶっ飛んだ話を描いたなと度肝も抜かれたものでした…。(辛く厳しい砂漠の物語とのギャップもあって余計にね…。)

 アイリス王女…ザオネイル「お前達人間の気持ちなど分からない。これが一番大切な宝物だと貢がれても俺にはどれもこれもガラクタにしか見えないからな。」
アイリス「どんなにガラクタに見えたってその人にとって大切なものならそれは宝物なのよ!」
ザオネイル「自分が必ずガラクタ以上の価値がある人間だと自信を持ってらっしゃるのはよく分かりました。すみません。」

命より大切な自分の宝物(アイリス)を国(米)の為に捧げる、王としては立派な(しかし父親としては最低な)決断を下した親の為に神様のザオネイルに貢がれた王女様ですが、当のザオネイルとしては「1番大切な物を捧げろ」と言えば家宝惜しさに卑しい願いを取り下げるかもしれないという軽い打算しか無かったようで別に彼女が欲しかった訳でも何でもなかったというオチが待っていました。「アンタが所望したんでしょうが!」と彼女は怒っていますが(いや、貞操の危機にならなくて良かったじゃないですか。)欲しくもない物(自分)を押し付けて、受け取っているんだから願いを叶えろというのは随分とご自分に自信を持った上での勝手な話(そこまで自分が価値のある贈り物とお思いですか、みたいな…ゲフッ!)でザオネイルが彼女を気に入りながらも辟易するのは分かる気がしてしまったものです…ゴフッ!そもそも「国を飢饉から救う為に貢がれた」訳ですし国が救われた以上はもう帰ってもいいのでは?ともツッコミを入れてしまったり…ガフッ!「王女」だからプライド高くて偉そうなのは仕方ない(むしろ王女にしては彼女はかなりマシな方ではあるのだろう。)のかもしれませんが結局ナニもされていないし「神に捧げられた生贄」の割には同情心が湧かず、一国の跡取り(王女)なのに貢がれたことを言い訳に責任を忘れてフラフラとザオネイルについて旅を始めるしお姫様としてはあんまり共感はできなかった女性でした…ガフッ!

 ザオネイル…「神は自分自身の願いを叶える事は出来ない。それをすれば神は人間になってしまうからな。…そういう決まりだ。」

との彼の言葉から最終話はおそらくアイリス(との恋?)の為に自分の願いを叶えて人間になるであろう未来が見えました。(とはいえ願いを叶える力も無くなったただのニート相手に王様が王女の婿となる事を許すかどうかはかなり微妙であり宰相の息子(レジー)という有力な立場の候補者もいる以上、彼女と結ばれるかどうかは難しい問題だとも感じてしまいましたが…ゲフッ!)神様というハイクラスな設定の割にはやっている事は害虫移動だったり草むしりだったり馬車に轢かれたり(よく腕の怪我だけで済んだな)の地味な有り様の朴念仁・春色頭野郎ですが、それでも何もかもを諦めてただ永い時を食っちゃ寝していた(猫か!と思わずツッコミを入れたくなってしまう程のだらしない生活スタイルだった)当初よりは幾分感情を見せはじめ人間らしい成長が見られるようになったなあ(神様としてそれで良いのかという当たり前の疑問は置いといて)と感じたものでした。彼がこれからどう成長を続けるのかそれがこの物語のテーマでもある(ような気がする)んでしょうね。

 レジルトル君(レジー)…レジー「偽神を捕まえる為にもクマ撃退用の投擲器を持ってくるんだったな。仕方ないから、たまたま懐に入れてあったこのナイフでも投げようか。僕、的当ては外す方が苦手という位でね。」
アイリス「偽神さん、あなた止まらないと死ぬわよ!?」

1度詐欺商法に引っかかった人間は裏社会でリストアップされ次から次へと言葉巧みな訪問販売業者がやってくる、金が無くなると今度は非常にタイミング良く貸し金融業者がやってくる、実は彼らは裏でつながっていて最終的には財産どころか臓器まで搾り取られるというリアリティ溢れる話をする彼にこのファンタジックな世界には意外にも臓器移植という医療技術が存在するのかと別の意味で驚かされたものでした。(ポイントはそこ?)第一話にてアイリスとぶつかっただけで「公衆の面前で熱い抱擁とは随分と愛の表現を成長させられて…。」と言っていた辺り初期段階から彼もまた彼女に気があるのはバレバレ(でなければよっぽど軽薄なイタリア人並の痛いナンパ男)だったのですが、そんな彼の存在を思い出しもせずにザオネイルを見張る事を言い訳に王女様はあっさり旅に出てしまうし(「何も王女である君がやる必要はないんだ!」byレジー)ミィナ達には彼女への気持ちがバレている上で妨害されているし(アイリスが素直になる為の協力以前に友達であるはずのレジーの恋路の味方はしないのね…ゲフッ!)本当の友達も恋人もおらず恋敵だけが出現したなんて哀れな男だな~と思わず同情してしまったものでした。2度までも彼女に逃げられた様には思わず合掌したものです。でもね、孫子も「兵は拙速なるを聞くも未だ巧みの久しきを見ざるなり」(訳・まずいやり方で迅速に奪い取った人間が勝利した例は多いが上手くやろうとしてグズグズしている者が勝利した例はあまり見ない)と言っているし完璧な条件を満たすことばかり追っているといつの間にか肝心な物を失ってしまうものなんですよ…ゴフッ!

 ミィナ…レジー「したい勉強をし、好きな相手に好きと伝える。これに面子を保つ必要があるだろうか?ミィナは君の姿を見てそこに気がついたのさ。」
アイリス「お茶会の途中で眠るという無作法な寝姿を見ただけでそこまで!?」

その言葉を自分に対しても当てはめれば良いのに…とレジーに対して改めてツッコミを入れてしまったものでした。(大手を振って彼女を迎えに行く為に身分が釣り合うよう頑張る…前にミィナのように告白して唾つけとくべきだと思います…ゲフッ!)ともあれ幸か不幸かミィナ本人が惚れっぽい浮気娘を演じていた甲斐もありすっかり騙されていた父親は「園芸師の息子風情とはいえ将来の研究者候補だし、それよりもよくこんな浮わついた娘を貰ってくれる男がいたものだ。」とドイトとの婚約をあっさり認めてくれたようでした…ゴフッ!(政略的な姻戚関係は望めなくても使用人の息子という事で舅の自分が強く出れそうではあるしね…ガフッ!)軽薄そうな態度とは裏腹に以外にピュアな一面を持つ彼女に好感が持てたものですが恋の悩みも解決した以上この上の主役級の登場は見込めないんでしょうね…ゲッフン!

赤い女神

2009.06.08
 今までの13の傑作選で大まかな長編はほとんど収録しきってしまったのか、14番目のこの本は原点とも言える初期の短編作品ばかりが詰められています。(それならいっそのこと、デビュー作も含めてもう1冊くらい短編を出しても良いのに、と思ってしまったり…。)初期だけあって他の短編集と比べると深みはあまり無いものの作風の出発点みたいなものは充分に感じ取れて面白かったものでした。

 赤い女神…女神「帝国もいよいよ最期じゃ…。ラム、残った者達を頼みますよ。女神の息子として…。」

人種差別、ダメ!絶対!を凄くハッキリと分かりやすく書いた模範的な教科書みたいな話。表紙にも描かれているラムと美也は少女漫画のお約束として出会って数日で人種の壁を超えて恋人同士になるのですが、一緒に未来を紡ぐには人種差別の現実は重すぎた(「100年か200年か長い年月をかけて君達に負けない位の大きな文明を気づく事が出来たら、その時こそ本当に君達の前に姿を現すだろう。」…って100年も経ったら人間は死んでるか認知症になっているかどちらかしかないし、取りあえず2人の再会は永遠に叶わないじゃないですか!)という少女漫画にしては甘さ控えめの(メインテーマが恋愛になっていない)内容で異色な展開はこの頃から健在だったんだなあ、とある意味で納得した話でした。

 ナポレオンと私…虹子「たった一つだけナポレオンと違っていたわね。あなたには皆の友情があったって事よ、健太郎くん。」

長編「はるかなる風と光」もナポレオン時代の話(フランスで優雅に暮らしているという事は1804年に皇帝になってから1814年に退位するまでの話なのだろう。)でしたし、美内先生はナポレオンが好きなんだろうなあ、という事が伺える話です。そして当のナポレオンは終盤セント・ヘレナ島に流された時、健太郎君のように恋人が会いに来てくれた訳でもなく(前妻ジョゼフィーヌは既に亡く、後妻マリー・ルイーズはナイぺルク伯と浮気していた。)国民(クラスメート)が退位(退学)取消に動いてくれた訳でもなく孤独に死んでいった(血の繋がった家族にすら見捨てられ、会いに来たのは数多くいた兄弟のうち妹ポーリーヌだけだった。)ので最後だけでも彼と違って本当に良かったねと慰めを入れたものでした…。

 水色のマリー…不動産屋「それにしても何だって幽霊が出るといういわくつきの屋敷なんか買ったんですかい?」
アラン「まだ言っているのか。安いから買った。それだけさ。」

幽霊よりもローンや引っ越し資金の方がよほど怖いという人間は現在とても増えたそうで、一昔前までは不動産屋も↑のような内訳(売買契約から遠ざかりそうな逸話)は口を濁して言わなかったものの、現在では「この人がダメでも他に買い手は見つかるだろうから。」と素直に教えてくれるようになったそうです。不動産屋の予告通りに現れた幽霊・マリーも早々に成仏してくれ、結果、格安でいわくの無くなった屋敷を手に入れたアラン。ぶっちゃけ安くて良い買い物をしたなと実感した話でした…ゲフッ!

 お嬢さんは原始人…おじいちゃん「ああ…薬があったら、電話があったら、車があったら。文明をバカにしたわしが悪かった。文明よ、わしはお前に負けた。」

薬があっても、電話があっても、車があっても、人間を信用できない殺伐とした現代社会よりは、助け合わなければ明日をも生きていけない時代でも昔の方が良かったと城壁都市まで作るに到った映画「ヴィレッジ」を思い出しました。(さすがに原始時代は行き過ぎと感じたのか時代設定は「数世紀前の村」に留めたようですが、薬が無いから破傷風程度のちょっとした怪我や病気で簡単に人が死ぬという展開は同じだった。)どの時代も良い所と悪い所があるんです。それよりも何よりも思い立ったが吉というレベルの思いつきで簡単に山一つ分の広大な土地を改造できるおじいちゃんの資金力が凄いなと感じた話でした…ゲフッ!

 ソフィの人形劇…マリオネット婆さん「今までの私の経験と技術を生かして実に精巧な小型のロボットを作った。ここにピノキオを贈る。」

「人形の墓」のように人形に魂が宿っていたオカルトな展開でなく、とっても現実的なオチで閉められていた話の展開には逆に意外性を感じたものでした。正体が分かったと同時にぶっ壊れてしまったこのピノキオ人形、設計図があるとはいえ作り直すのは大変だろうなあ(そして直った所で劇団がいつまでもピノキオ一辺倒で劇を続ける事も考え辛くソフィに日の目が見られたかどうかは怪しい。)と、現場改革の面から考えるとあんまり希望は見られない展開にはちょっと溜め息が出てしまいました…。

 たなばた…兄「純子が急に他人行儀になっちまって戸惑っているようだな。無理ないよな。どこの馬の骨とも分からないような奴とは話をしたくないんだろうな。」
新司「孤児だからか、僕が!だから純ちゃんは僕を避けるのか!」

ここで「ガラスの仮面」でも紹介された「嵐が丘」だったら新司(ヒースクリフ)はそのまま家出をし、再会するまでの間に他の男と結婚してしまった純子(キャサリン)を中心に壮大な愛憎劇が始まってしまう…のですが、サンダルのヒモがぶっちぎれる勢いで追いかけて引きとめた(その辺はさすがに情熱的な性格でも所詮は良い所のお嬢様だったキャサリンと、生粋のおてんば娘である日本人少女(平民)との体力の違いである。)おかげで物語は平和に幕を閉じていました。初々しいラブストーリーで終わって良かったと安心した話です…。

 エリザベスの太陽…母「アンは…太陽を失ったのよ。草も木も人間も全ての生き物は太陽が無ければ生きられない。アンは、その太陽を、希望を、生きる望みを失ったのよ…。」

「燃える虹」以下多くの作品でも描かれる復讐劇の走りのような作品です。実際のアンはただの失恋で済んでいた(ケント氏を恨みながらも立派に生きているはずだった)所を「うるさいんだよ、お前!」と崖に向かって一押しされてしまったが為に殺されてしまった(そして「太陽(恋人)を失っちゃ死にたくなるのもしょうがないよな。」と誰も他殺を疑わなかった)真相には妹のエリザベスでなくとも涙したくなったものでした。うっかり全てをベラベラ話してしまった為に太陽(世間体)を失い、生きる希望をも失って自殺したケント氏には全く同情できないものの、残された妻の立場の無さといい、悲しい顛末だと感じた話です…。

 ナオは光の中で…ナオ「あたしには見えない!あなたがどこに行ったのか…何も見えやしない!」

ライバル演劇部と同じ劇をやることになった(しかも後に演じる自分達の方が不利…って「たけくらべ」と同じじゃないですか!)展開といい、目隠しして盲目の少女の気持ちを理解する練習方法(「ヘレン・ケラー」の練習の同じ…。)といい「ガラスの仮面」の原点がぎっしり詰まっている作品です。(しかし目隠ししたままで外をうろつくのは危な過ぎるから辞めて下さい。)思えば盲目の練習で別荘一つ貸して貰えたマヤは物凄く恵まれていたんだなと変な所で実感もした話でした…ゲフッ!

 ルナの休日…神崎さん「ルナ…売れるほどの絵を描いて代金も請求せずに消えてくれたなんて、天使みたいな子…。」

金欠の人間にとっては願っても無い状況ではあるでしょうが、自分の絵は相変わらず評価して貰えないまま絵を初めて描いた幼子に実力で負けている、というのは絵描きとして人間としてどうなのか(そもそも他人が描いた絵で貰った金を結果的にそのままくすねているってどうよ?)とちょっと考えてもしまったものの、短編の手本とも言える可愛らしい話の連続に知らず、微笑ましい気持ちにさせられる話です。宇宙人ネタはこの頃流行っていたのかよくあるオチですが、ともあれ映画の「ET」や「サイン」みたいに宇宙人が全裸でなくて良かったと変な所で安心もしてしまったものでした…ゲフッ!

本当に起きた心霊実話

2009.06.07
 パソコンから午前3時20分に決まって被害者意識満載の勘違いメールが届いたり、自分の携帯で勝手に声音を使って話されたり、今時の電子機器を通じての怖い話もあり「幽霊の中にも迷惑な奴はどこにでもいるんだな」という身も蓋もない感想を感じたものでした。(オイ!)ともあれ1番怖いのはやはり想像力をかき立てられる小説(文章)の形に限ると改めて思った厳選集です。

 死を招く非通知電話…「やっと…出たな…。お前ら全員…殺してやる…。」

壁の中から見つかったビニール袋に入った線の繋がっていない黒電話(携帯が普及した今時に、昔ながらの黒電話…ファックスも音量調節機能もついていないダメ電話器じゃビニール袋に入れられて壁の中に捨てられても仕方ないなとツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!)は長年放置された恨みか電話に出た人間を問答無用で呪い殺すようになったようです。しかし今時黒電話じゃ何回コールしても誰も出てくれないだろう(…。)ということでこの話を口頭で聞いた人間に1日100回以上電話を掛けてくる迷惑ぶり(サラ金の取り立てか?)を発揮するようになったようでした。そんな訳なので取りあえず非通知電話には気をつけた方がいいというオチで終わっています。回数が多い割には数日すると電話するのも諦めるようなので呪い殺されたくなければ数日間電話は鳴らしっぱなしにして我慢しましょうという話でした。

 死んでも終わりじゃない…「ここで自殺した人は成仏せずに森の番人みたいに石に座っているんだ。それで自殺志願者に『死んだらこうなるよ。それでもいいなら死になさい』って言ってるんだよ。」

何故死にたいのか、というと「楽になりたいから」(現実から逃げたいから)がその理由であって死んだら今度は別の苦しみが待っているという真実を知る人が増えたら彼女のように思い留まる人間も増えるのではないでしょうか?現実から逃げたいのなら安易に死ぬのではなく失踪でもすればいい話で(新しい場所で「1から苦労する」のも嫌だという甘ったれた人間は救いようもないが。)考え直してまた頑張る事に決めた投稿者にも、今もなお苦しんでいるのに他の自殺志願者を道連れにせずに忠告している地縛霊の皆さんの優しさにも感動した話でした。…ところで話の舞台の「自殺の名所として名高い某山林」ってどこなんでしょうね?

 目を開けたまま死んでいる猫に会ったら…「目を開けたまま死んでいる猫は苦しんで死んだ猫。その目と目を合わせてしまったら取り憑かれて苦しめられるから気をつけて。」

目を合わせてしまったが最後猫を殺した犯人(ひき逃げ車)が別にいても、埋めてあげてパンと牛乳をお供えしても祟られるというのだから迷惑な話です。(こういうのを「恩を仇で返された」と言うのでしょうね。)雀の鳴き声(夜明けの合図)まで使って投稿者を騙したり(雨月物語「吉備津の釜」でも使われた「朝だと錯覚させて目的の人物をおびき出す」罠は現在でも健在らしい。)散々な目に合っている様には思わず同情してしまいました。という訳で轢かれた動物を見たら(自分が轢いたのならともかく)知らない振りして見ないで通り過ぎるのが正解のようです。

足のない獅子

2009.06.06
 時は13世紀の中世イギリス。でもってその中世とはルネサンスから始まる貴族文化の華麗な(かぼちゃズボンやエリマキトカゲのような馬鹿げた襟とかの)煌びやかなイメージとは程遠いあらゆる面で暗く未熟で無骨な時代(「暗黒の中世」という言葉があるが別に日照量が極端に少なく一日中暗かった訳ではない。別の意味での輝きが無かったのだ。)であると後書きも注釈が書いてありました。要するに中世とは「アーサー王伝説」であり「ロビン・フッド」であり「ウィリアム・テル」であり「ブレイブハート」であって「ベルサイユのばら」でも「三銃士」でもない。(スペインの無敵艦隊もエリザベス1世も中世とは呼びません)あまり書くとイメージが崩れるので当時の人々の生活環境を詳しく記すのは辞めましょうと担当さんと共謀したという裏事情も拝める第1巻です。

 リチャード・フィッツロイ…「俺がいなくなって悲しむ人間はいても困る人間はいない。」

そんなん、国を治める国王陛下が亡くなっても同じこと(いなくなったその時、引き継ぎのできる人間(後継ぎ)がいれば誰も困らないし誰にも引き継げない仕事などこの世にはあまり存在しない。)だし従兄弟に叔父夫婦(養父母)に小姓に娼婦達に周り中の皆から愛されまくっているアンタは充分恵まれているよ…(私生児でありながら父親でもないのに貴族の元に引き取って貰え、食べるのに困らない生活が出来ただけでも神に感謝すべき)とげんなりしながらツッコミを入れてしまったものです。人助けはしながらもそれは金という対価と引き換えの話。小細工は弄するし生まれ育ちに関係なく性格の悪い男だな~とあんまり好きになれなかった主人公でした…ゲフッ!

 金融業者ザレス…リチャード「イングランドの町に金貸し以外のユダヤ人がいるのか?」

話を書き始めた後(普通は逆ですよ…?)にユダヤ人に関する資料を読んだ所1290年にユダヤ人はイングランドから追放されており(少なくとも表向きは)一人も残っていなかったとされていた事が分かり慌てて時代を引き上げるという非常手段に出た(おかげで主人公リチャードの父親もエドワード黒太子からエドワード一世の父親に改変した)と後書きに書いてありました。ユダがキリストを売り渡した瞬間からユダヤ人に対するキリスト教徒の迫害が始まり(ユダ以外の全ユダヤ人にとっては迷惑な話だが)王から重税を課され、それを払える金を持っているからこそ存在が許されるユダヤ人はだから金を作ることに必死になり金融業を営む(キリスト教徒に金を貸し利子を取るのは彼らがそれ以外に生計を立てる術を持たないからである。)と本編にも書いてあったものです。(そして税金という正当風の権限を持って全ての金を絞り取ったその時、王はユダヤ人を見捨てたのでしょうね…ゲフッ!)物を頼もうとする相手に偽りを言ったり(感心せんな!)保身に必死になっているのはそういう背景もあるのでしょうが、その割には親類や主人公達と思えばホイホイと玄関のドアを開けてしまったりの迂闊な面も目立ち(おかげで2度に渡って玄関から泥棒に入られている。)この人は本当に金貸しという一般的大多数から白い目で見られることの多い職種についている自覚があるのかツッコミも入れてしまったものです。まあまあお人好しの主人公コンビに助けられたのは僥倖と言えるでしょうね。時代は1276年、42歳の彼はあと14年はイングランドで生活できる(でも56歳になったら亡命か…キツイな。)と多少安心もしたものでした。

 ファーザー・マシュー…マシュー「男を悪の道に誘惑する魔女どもめ!」
娼館女主人ナタリー「司祭様が神に貞操を誓ったのは救いようのない不能男だったからなのです。」

お互い、えげつない応酬だなと感服しましたが倫理や道徳など腹の足しにもならない、生きる為には自分の持てる能力(体)を活かすべき(オイ!)と開き直ってたくましく生きているナタリーさんの方に個人的には好感を持ったものです。私生児である主人公の事も悪し様に言っていたこの神父、読者にも不評だったのか次巻では早々にお亡くなりになって代替わりするのでした。合掌。(「ファーザー・マシューが亡くなったそうだ。」「俺達じゃありません!」「誰が殺されたと言った!」というやりとりからも分かるとおり読者のみならず登場人物にまで恨みを買っていた司祭様でしたからな…ゲフッ!)

 アンジェラ婆さんの名エピソード…ギル「昔、物好きにも彼女に手をかけようとした無法者の指を一噛みで食い千切ったって話を聞いたことがあるけど、あれは絶対に本当の話だ。」
リチャード「そして骨をも噛み切る女傑は今も健在という訳か。」
ギル「神がお側に召すのを嫌がって彼女の力を増幅しておられるんだ。」

娼館の女主人ナタリーといい、気風の良いロージィ(ギルの遊び相手)といい、この本はたくましい女性が多いなあ…と実感しながらも好感が持てた女性です。口やかましくすぐに手(杖)が出るいわゆる「小うるさいババア」ではあるのですが孫息子のギルフォードにも私生児のリチャードにも分け隔てなく接している(分け隔てなく杖で叩きのめしている)辺りはえこひいきの無い良い人じゃないかと逆に評価が上がったものです。(血の繋がりのある子供と無い子供、口先では何とでも言えるが実際に同じ家で暮らした時、新しく自分の子供が生まれた時に全くの差別をせずに接する事が出来る人間は実は少ない。)この厳格な祖母から何故あんな溌剌とした孫(ギルフォード)が…?(2週間前に生まれたリチャード(おとなしい兄貴分)がいた為、次男っぽく物おじしない性格に育ったのだろうか?)という疑問も多少感じてしまったものですが…ゲフッ!

 余談…読み書きは本来聖職者の仕事で一般民衆には縁がなく、騎士の子弟なら多少の読み書きを習うが立派な功績を立てた騎士でも自分の名前を書くのがせいぜい(読み書きの必要があれば書記を雇えばいい)という者が多いという解説といい時代考証もそれなりに調べているじゃないですか(なのに時代考証をしなかったと悩んでいるなんてよっぽど処女作で「時代考証が曖昧」とツッコミを入れられた事が痛かったのだろうか?)と感心もしたものでした。

世にも不思議な怪奇譚(ミステリー)

2009.06.05
 人にとりついた実際の事件を取材・解明したノンフィクション怪奇譚です。ただの恐怖体験だけでなくそれについての原因も調べられており、昔からの因縁がその源だったり、家や人の歴史、果ては畳返しについてのトリビアまで載っていて深く楽しめたものでした。(普通の怖い話は原因不明で終わっている物が多いので。)さすが中岡先生がまとめただけある1冊です。

 一枚の絵によって全滅させられた名家…「私が一番悔しいのは死んでいった者達が皆自分の意志で死を選んだり不注意や病気で死んだんじゃないという事なんだよ。そうじゃない事はわしもお前も知っている。それが無念でならないんだよ。」

祟りによって死んでいった、あるいは恐怖で発狂させられた(生きた屍にされた。体は生きていても心は死んだも同然である。)人達は皆死にたくないのに殺された人達であり問題の絵が見つかった所で全ては手遅れだった(生き残った長男・良助も孫娘のフミも共に発狂して鬱状態になっており絶望した家主・英男は2人を縛り付けて自分と屋敷もろとも焼身自殺をしてしまった。)という救いようもない話でした…。先祖代々、千葉県の名の由来にもなった千葉氏に仕えた有数の富豪であった本間家(先祖が源氏ゆかりと言われていた)はこうして滅亡してしまったそうです。

 怪奇現象が起こる恐怖の強霊トライアングル…「座敷牢で水責めを受けて死んだ18歳の男は自分の受けた苦しみ、恨みをトライアングル状に点在していた3件の家に対して行ったのである。」

何ら関わりも無いのに畳を数十枚水びだしにされて大事な息子を18歳になったとたん呪い殺された恨まれる筋合いの無い3件の家にとっては迷惑な話でした。供養してもらいたくて自分の存在を示すのならもっと別のやり方で現れる事はできなかったのか色々考えてしまったものです。3家でこれ以上良からぬ事が起こらない為にも供養してあげた結果、穏やかな日々を取り戻したそうですが既に3人も人が死んだ後となってはハッピーエンドとは言えないよね、と改めて傍迷惑な霊に対してツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 天狗の仕業!?畳の乱舞する部屋…畳1枚の重さは約28キロ(上質のものになると30キロ)それを片手でめくり上げて高々と持ち上げられる人は伊賀流忍者の末裔ぐらい(畳めくり返しの術という甲賀流忍者も秘術として用いた術)そして利用価値はビックリショーの見世物になる位(禁句だろ!)なのに、それが何故か誰も手を触れていないのに3枚もお手玉のように宙に浮いて飛び交う、まさしく異常現象の話です。が調査しても何も分からないまま原因不明の火事で当の書生部屋も焼けてしまい不思議な現象を起こす部屋はもう無いというオチで話は終わってしまいました。結局、何が原因だったんでしょうね?

大恐怖~黄泉がえる怪談スペシャル~

2009.06.04
 基本的にフィクションだという内容には前回同様あまり変わりがないですが1話で終わる話の割には詰め込み過ぎでついて行き辛い話もあったり、絵が古くて一体いつの時代に描かれた原稿だ!?と思えてしまった話もあったり(いや古い漫画も好きですけどね…話がしっかりしていれば。)色々ツッコミを入れながら楽しく読んでしまったものでした。(楽しむな。)そんな怪談話です。

 恐怖④「7つ目の不思議」…悪霊「7不思議を全て見つけると私の姿を見る事が出来る。そしてその者は魂を取られるのだ…が、ここ30年、誰も7不思議を信じてくれない。このままでは消滅してしまうわ…!」

「私は既に時代遅れ、廃れた存在ね…。」というシュールなネタ及び、その7不思議も実は全部自分1人で演出しているというメタな展開には哀愁を感じて笑ってしまったものでした。(必死なのは分かりますが「うんと脅かして」しまっては怖くなって途中で帰ってしまう危険性の方が高い気がしますが…ゲフッ!)しかし落ちぶれて30年経とうが衰弱死寸前になろうが殺人は殺人、家族を殺された遺族(先生)の恨みがそれで晴れる訳でもなく全く反省せずに同じ事を繰り返している犯人に怒りを抱いて邪魔をするのは当然の権利(?)ではありますよね。見事に復讐を果たした先生に拍手を送ってしまった、そんな話でもありました。

 恐怖⑤「2人の来訪者」…高木「霊媒師なら教えてくれるだろう…俺が生きてるのか死んでるのか!?」

それは霊媒ではなく病院で調べる事だと思いますが…。(黙って脈でも計ってみて下さい。)ともあれ彼の言葉に誰も反応してくれなかったのはいじめ故で教師も面白がっていただけ(それでいい大人が子供と一緒に悪ノリして欠席扱いにしたなんて教師失格だな、完全に。)葬式は隣人の物、道行く人に怯えられたのも彼の行き過ぎた言動故というオチがありました。勘違いの末に最後は霊感少女に殺されてしまった哀れな少年でしたが、それで残ったこの死体はどうするんでしょうね?(弟子入りを許している場合じゃなくて警察を呼ぶべきでしょ、霊媒師さん…。)

 恐怖⑬「真瞑がたり」…母「悌二郎さん、私はね、あなたの傍にいてお世話するのが幸せ。私から楽しみを奪わないで。」

それはアンタ一人の幸せであって息子の幸せの事は何も考えてないよな…と自分の事しか考えていない(「尽くす自分」に酔っているだけの)母親にツッコミを入れてしまったものでした。(「母親なら息子の幸せを1番に考えるのが条理だろう!」by伯父)夫(自分好みのイケメン)にそっくりになってきた若い男(息子)に執着する気持ちは同じ女として分からなくもないですが、そんな自分の都合の為に息子を籠の鳥にするのは親として完全に間違っており何十年分も老いた(不必要な)苦悩の割には(主人公が大学に入ってから7年=25歳の息子の母=息子が遅くにできた子であっても60歳未満…にしては80過ぎの老婆のように老け過ぎている。)今一つ同情できず挙句の果てに寂しさ昂じて息子にとりついた様には「いい加減に諦めて天国で夫につきまとえよ!」と呆れてしまったものでした。結婚が決まった息子が自分の所に戻ってきた所で今後彼のお世話をする主体は嫁となり2の次以下の存在になるのが耐えられなくなったのかもしれませんが、それはほとんどのお姑さんが乗り越えている道であり別に特別な不幸でも、ましてや逆恨みして息子を祟ることでもないよね(むしろこの息子はよく耐えてくれた方だろう。)と常識的見解からこの母親を微妙に思ったものでした…ゲフッ!

実話マジで怖~い話~スキマからのぞく瞳~

2009.06.03
 次巻予告が載っていなかったという事はこの夏はこれでシリーズは終了…なのでしょうか?まだ8月にもなっていないのに残暑だって厳しいと思われるのに終わるの早過ぎるよ!とツッコミを入れてしまったものです。(むしろ8月、9月も出てくれて良かったのに!楽しみにしてたのに!)という訳で大人しく来年の夏の発売を待つ事にしましょう…かね…。

 第1話・手を見る…「『手鏡動作』は死期が近い人が無意識に取ってしまう行動。いくら手を見つめるのを辞めたとしても死ぬ運命は決して回避できないんだって。」

とはいえ「もうすぐ死ぬ人」の真似をしてもあんまり良くない(むしろかなり縁起が悪そう)な行動なので取りあえず辞めた方が良いでしょうね。死期が近づいた時には手を見るよりも先に病院に行って死因を取り除いて貰う方が良いようです。死ぬ運命が回避できないとはいえ延命もできないかは未知数(おばあちゃんだっておじいちゃんの事例(一か月)よりは2か月長く生きれた訳ですし。)なので「気をつけて」と言霊をかけるなどしながら希望は捨てないでほしいなと切に願ってしまった話でした。

 第4話・ネコのヒトコト…ピノ「ハムは?ねえ、ハムは!?」
飼い主(一生に一度のせっかくの言葉が…ハム!)

「猫は一生に一度だけ人の言葉を話す」そうですが冒頭で語られている実家猫も酒飲んでぶつかって逆ギレして言った言葉が「寝る!」でしたし、他に聞いた話でも子供の頃に猫を抱っこしたら「離せよ」と言われた…など割とくだらない事でしゃべっているので実は話せる回数は1度と限った訳ではなく(だったらもっと重要な事を話す時の為に大事に取っておきそうですし。)話す場面に遭遇すること自体が稀なので勝手にそんな都市伝説になってしまっただけかもしれません。食欲は生き物の3大欲の一つ(後の2つは排泄欲と性欲)であり「食べ物の恨みは怖い」とはいえ…よっぽどハムが食べたかったんでしょうね。(「そんな顔で言う程の事なのか!?」)「人間用のハムは猫の健康に悪いから…また今度な。」で納得した(そしてふて寝した)ピノさんの愛らしさに思わず笑ってしまった話でした。(滅多に出ないせっかくの人語が…ハム!)

 第26話・終わらない1人かくれんぼ…どうやら人形を使っての降霊法の一種のようで試したら異変が起こるもののようです。それにしても
 1、手足のあるぬいぐるみ(人形)に米と自分の爪を詰め込み赤い糸で縫い閉じる
 2、浴槽に水を張ってぬいぐるみを入れる
 3、「最初は●●(自分の名前)が鬼だから」と3回唱える
 4、部屋に戻ってテレビ以外の電気を消す(テレビをつける)
 5、人形の所に戻って「見ーつけた」と包丁で刺す
 6、「今度はタロウが鬼」と3回唱える
 7、塩水の入ったコップを持ち見つからないように隠れる
 8、朝の5時になったら出てくる(何時間隠れていろと…?)
 9、ぬいぐるみに塩水を吹きかけて「私の勝ち」と3回言う
 10、ぬいぐるみを燃える方法で処理する

という非常に面倒臭い手順を踏まなきゃならないそうで試す人はよっぽどのヒマ人なんだろうなあ~(真夜中にゴソゴソ何やってるのやら…。)と実感もしてしまいました。「手足のある人形」は形が人に近いのでに霊が入りやすく「水」には霊を留めてしまう作用があるそうなので霊を呼ぶには理に叶った方法ではあるのでしょうが「見つかった」時には刃物で刺されるかくれんぼは危険極まりなく「終わりの合図」をしなかった為にぬいぐるみにつきまとわれながらも「探されている」最中に処理ができたこの投稿者はまだ運が良かったと言えるだろうなあ~とハラハラしながら読んだ話でした。

大恐怖~凍てつく心の闇スペシャル~

2009.06.02
 心の闇と銘打ってあるせいか玉の輿を狙っての殺人騒動(どんな話だ!)や病んだままごとをする子供の話(どんな子供だ!)や友達関係がこじれて殺人に発展する話(…それ、友達?)など心霊現象絡みの話は少なめだった(別の意味での大恐怖でした。)本です。本当に怖いのは死んだ人間よりも生きている人間というのがもしかしたらこの本のテーマだったのかもしれません…。

 恐怖③「エレメンツ」…義母「真紀さんが『私の大切な物を3つともあなたにあげるわ』って。日菜ちゃんとあなたとそれから…あの人は命をくれたんだわ。」

エレメント(element)とは「要素」「元素」という意味(つまり実母の元素・要素という心霊現象)でだから「多重人格」ではないのかと正体が分かった時にはタイトルに納得もしたものでした。実母の生霊(エレメント)の仕業とはいえ義理の娘に弁当を捨てられ、階段から突き落とされたりと酷い言動をされ続けても心を変えずに足を怪我しても屋上まで助けに行く義母さんの姿(対して「ヒナ」はそんな彼女の性格を見越して道連れに殺そうとしたというのに。)に愛を感じた話です。伏線が巧みで唸らせて貰った一番いい話でした。

 恐怖④「フォール・イン・ラブ」…山崎先生「顔なんて皮一枚の事じゃないか。人間は中身(内臓)が大切だろ?」

うん、そうだね。顔がどんなに綺麗でも大切な中身(内臓)が無事でなければ生きていけない訳で…ってそういうオチですか!(良い話かと思ったのに!)とラストには思わずツッコミを入れてしまいました。(思えば最初に飛び降り自殺を止めたのも大切な中身(内臓)がグチャグチャに潰れるのが嫌だっただけなのでは、この先生…?)顔や中身(内臓)が「たまたま綺麗に生まれついたのは自分の運に過ぎない」とヒロイン本人が言っていましたがもはや「幸運」ではなくて「不運」の方の意味合いだよなとしみじみ思ってしまったものです…ゲフッ!

 恐怖⑭「殺生花・彼岸花が教えた」…千秋「彼岸花の赤い色は危険を知らせる警告の色…昔祖母がそう教えてくれた事をあの時思い出したの。」

とはいえ彼岸花(ヒガンバナ科の多年草。田の畔や土手などに群生する。つまり花を咲かせるには充分な水分が必要。)はアスファルトの中からたくましく花を咲かせたり、ソファーの中から急激に花を出したりしないので(タンポポやカタバミかお前は!)現実にはあり得ない花の咲かせ方です。(…何でこんな所から生えてるの?)たとえ花が彼岸花でなくても「異常事態」(色々な意味で)という事は伝わるだろうなあ~と堂々とした表現(心霊現象?)ぶりにツッコミを入れてしまった話でした。いや、いい話でしたけどね。

Is”

2009.06.01
 瀬戸Ichitaka、葦月Iori、秋葉Itsuki、と名前の最初にIがつく人物達の物語(だから海で出会って「もしも次に会えたらその時は本気でアタックするかもね。」と意味深な事を言ったKyoko(京子)さんは泉ちゃんと違って話に入れなかったのかと納得しました。)でそれぞれの「愛」の形や「哀」(悲しみ)にも意味合いをかけてIの複数形の造語を作ったと1巻のコメントに書いてありました。(でSに濁点をつけて「アイズ」になったんだとか。)そんな訳で桂先生には珍しいファンタジー色ゼロの学園ラブコメです。

 瀬戸一貴…一貴(俺のスーツ姿にしびれた彼女はこう言うのさ!)
伊織「たかが買出しにスーツってはりきり過ぎじゃない?」

妄想・逆走ぶりがリアルで面白い現実にもいそうな本作品の主人公。幼なじみのいつきの所へはよく行くものの彼女に対して伊織ちゃん(好きな女)の相談をしている辺り、いつきには申し訳ないけれど恋愛的には終わっている関係だな(異性として好意を持っている相手に対しては「他の気になる女性」の話なんて絶対に口から出てこない)とも感じてしまったものでした。思えば彼がいつきを気にしだしたのも「今までずっと自分を好きで思い出の宝物(粘土の顔)も大事にしていたのに自分はそれに全然気づいてやれず、責めてばかりだった」(何故ならばアウトオブ眼中だったから。)という「すまない事をした償い」の気持ちがきっかけでしたし、いつきを意識しだしてから夢や妄想で彼女にHな事をするシーンもありましたがそれは愛じゃなくて性欲ですし、「今、いつきが1番気になる」気持ちに嘘は無かったのでしょうが、同情するほど可哀想な子だから気になっただけであって彼女に恋をした訳ではなかったのだろうと読み返して認識を新たにしてしまいました。しかし、この際にもう一人のヒロインである伊織ちゃんは彼を繋ぎ止めるために何をした訳でもないのに選ばれた(一応、ストーカーと化した不良にレイプされかけたという酷い状況ではあったのだが、いつきとのデートをする一貴に「行かないで!瀬戸くん!」と泣いて縋った訳でも何でもなく、何も努力はしていない。)には「結局、顔(だけ)が決め手なのかよ!」と読者の多く(特にいつきファン)は誤解と怒りを抱いた様子で公式カップルなのに付き合った後もゴタゴタが多かった事もあり、あんまり人気は出なかった様子です…ゲフッ!

 葦月伊織…伊織「男なんてスケベばっかり。あんた達だって…同じじゃない。」
一貴「同じなんかじゃねーよ!俺達は助けに来たんだ!あんな奴らと一緒にすんじゃねえ!」

クラスメイト(一貴)はパソコンで偽造してまで作った自分のエロ画像を持っており、水着写真のグラビアが雑誌に載った事で男達からはエロ女の烙印を押され(「グラビアなんかに出るのは男に抜かせる為でそれを分かって自分で写真を撮らせたんだろうがよ!」byヤジ)果ては監視カメラ付きの部屋での着替えを強要され、拒否したらレイプされそうになった…ここまでの事をされたら彼女でなくとも男に幻滅するでしょうが、その「男」にだって長所も短所もある(「女の子の裸に興味ありませんなんて言う奴はおとぎ話の王子様位のもんだぜ!」by一貴)性欲以外の中身だってちゃんとある(…ある人間は、だが。)という事に気づかせたのが一貴ではあったんでしょうね。一部分だけを見て「理想」と違うからと切り捨てるのではなくその人の他の姿も含めて判断すべきだと彼女なりに成長したようにも感じました。…が、元々が奥手な事もあり、恋をしても自分から相手にぶつからずに常に受け身、しかも主人公からのアプローチを巧みな演技力でかわして相手を試しているらしい様(「一貴、相手は演劇部だぞ!騙されるな、真実を見極めろ!」by寺谷←ということは、一貴からの好意を薄々察していながらも自分の立場だけは完璧に守りたいという保身の為だけに騙しているの、この人?)に「この女は計算高そうでどうも苦手。」(「一貴の視点」から見ているから顔も性格も可愛いと思えるけれども、今までの連載みたいに彼女の気持ちがきちんと描かれていたら共感できたかどうか分からない。)と女性ファンはあんまりつかなかったらしいです。(男性ファンは引く手数多のトップヒロインですが。)初めての恋で初めての彼氏という人間関係になかなか上手くいかないのは仕方ないとは思えるんですけどね…。(かくいう私もどちらかというと伊織派ではあるものの、ウジウジと1人でループして悩んでいる様は確かにやきもきさせられた。)

 秋葉いつき…「あたしはいっチャンが好きってことよ。」

子供の頃からずっと主人公が好きだった、その言葉に嘘は無いでしょうがそれは彼女が1人で頭の中だけで考えていたことであって「恋人」のくせに4年間も手紙も電話も無く放置していた事実には変わり無いよ(これだけ長い間置き去りにしたら聖人のように出来た人間であっても意固地になるか他に恋人を作るかするだろう、普通。で、一貴は後者だったと…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまったものでした。どうやら小学校時代の一貴の初恋玉砕事件以来アメリカに渡るまでは「恋人関係」だったらしいですがどんな関係にもメンテナンスは必要です。何年も放っぽらかしておいて「4年前は恋人だったでしょ、だから同居させて!」というのは彼でなくても迷惑に感じるだろうと私も納得してしまいました。(もしも私に恋人がいて4年間も放っぽらかされたら再会した時の一言はやはり「今更、何か用?」だろうなと一貴の態度にも得心してしまったものでした…ゴフッ!)ベクトルが変わって一貴からのアプローチされ続けた時には「もっと素直になんなきゃね。」と付き合える(かもしれない)事にワクワクしていたものの、一貴の方は一生懸命「気を遣っていた」だけで恋していない女相手にはせっかくのデートも上の空、挙句に他の女(伊織ちゃん)の所に行けるとなると物凄く嬉しそうな笑顔を見せる様に、これは自分がどう頑張ってもダメだ(「悲しい事に…無理してるいっチャンじゃなくて、自然ないっチャンがあたしは好きなの。」byいつき)と自覚してしまったんでしょうね。おかげで完全に玉砕した顛末に改めてファンは同情したらしく、いつきがフェードアウトした後は(新キャラの泉ちゃんがかなり頑張ってくれたけれど)この作品の人気は徐々に下がってきたらしいです…。

 寺谷靖雅…「見てな、達人じゃなきゃ出来ない恋のハイテクニックを。」

恋の達人であるかどうかはともかく自分を犠牲にしなきゃ出来ないハイテクニックではあるなとどこまでも一貴との友情の為に行動する彼の姿に好感が持てたものでした。伊織の写真を使って一貴(の下半身)を元気にする為のエロ画像を作ってあげたり、伊織が監視カメラ付きの更衣室に連れて行かれた事などなど情報収集を(危険な窓越しの移動をしてまで)してくれているのもこの人で人(友達)の為に見返り目当てでもなくここまでしてくれる人間はそうそういない(自分の恋愛の為、見返りの為に行動する人間はよくいるけど)と見直したものです。そんな彼に一貴は親友である寺谷の思い人に横恋慕して、しかもその気持ちが偽物でしたというダメダメな終わり方(「俺の分まであいつを幸せにしてくれよ!」という三角関係恋愛の王道の終わり方さえ果たせていない。)をしたのに自分の恋心を犠牲にさせた事も惚れた女を幸せにしなかった事も何も責めずに一貴本人を慰めている辺り、やっぱりこいつはいい奴だ(普通は絶交ものなのに「いつき」の話が禁句になる事も無く「いつきちゃんは立ち止まっているお前が嫌いなんだろ?」と彼女の名前を出してまで元気づけている。そこまで親友の為に行動できるのはなかなかやれる事じゃない。)この人は顔はともかく(え?)中身は全然男前ないい奴だと改めて感じたものでした。そんな長所を見て取ってか後にクラスメイトの森崎に告白される事にもなるのですが、彼女はいつきとタイプが180度異なる(いつきに恋する前、片思いして振られた相手はスポーツ少女だったそうで、デートに誘っていたナミといい、どうやら「活発で、がさつでも明るいタイプ」が好みらしい。)し、友達としか思えないからと断られていました。が好意を示されれば、女なら誰でもいい訳じゃないという彼の態度に却って好感度は上がってしまったり…ゲフッ!(最終巻ではまんざらでもない2人の姿が描かれちゃいましたけどね…。)

 磯崎泉…「瀬戸さんがその気になって襲って来ても、そのまま抱かれるつもりだった。そこまで堕落れば、たかが失恋の辛さなんてどっかいっちゃうだろーなってね。」

だから風呂を覗かれようと裸で隣にいようと騒がず落ち着いていた(棄て鉢になっていた)のか…と納得したものでした。相手と決定的な破局状態なのにバカみたいに純粋に彼女を想い続ける一貴の姿に目が覚めて、おまじないよりも凄い指輪も戻ってきて、やり直そうとした所で当の彼氏は大事な指輪を他人にあげてしまっていたというオチには、そりゃ気持ちも冷めるわな(気合い充分だっただけに落ち込みも深かっただろうな…ゲフッ!)とダメ彼氏・ケンスケにツッコミを入れてしまったものでした。そこで「瀬戸さんは自分の為にあんなに一生懸命行動してくれたのにケンスケは…。」→「っていうか瀬戸さんが彼氏だったら良かったのに!」とシフトチェンジもしてしまったのでしょうね。(挙句に同じ学校だったという運命(偶然)の再会も果たしてしまっては否が応でも気持ちが盛り上がった事だろう…ゴフッ!)せっかく1番の邪魔者(いつき)が消えてくれたのに新手の波乱(泉ちゃん)が現れて、大本命(伊織ちゃん)とは結局上手く進まない一貴に少し同情もしてしまったものでした。(伊織さん、「いつきと別れても、結局いつきに似た『ああいうタイプの女の子』が瀬戸くんの好みなんだ。」(私にアプローチかけてきたのはいつきちゃんがいなくなって寂しくて欲望だけなんでしょ。)と絶対誤解してそうね…。)「彼女が無理ならHフレンドって事で。」(瀬戸さんだったらセフレでもOK!)と言いながらも「自分が振られている」事だけはちゃんと理解していた様子で最後では伊織との橋渡しにまで協力していた辺りはある意味可哀想な女の子だな~とも同情してしまったものです…ガフッ!

 麻生藍子…「うらやましいですよ。顔見てケンカできるんですから。」

…え?イニシャルがIじゃないじゃん!(なのに何で恋愛模様の仲間入りに?)と思ったら「名前がI子だから。」という強引なオチが私を待っていました…ゲフッ!そして同じ「思うように会えない恋人」を待っているだけ、しかもその恋人は卒業後別れ別れになるのを見込んでノリで告白をOKしただけだった(思い出したように電話したりはしたけれど、相手はそもそも自分と本気で付き合ってくれていなかった。)という顛末に泉ちゃんと同じく「こんな男じゃなくて瀬戸さんが彼氏だったら良かったのに。」とシフトは変更された様子です。(麻生さん、アンタまで…。)ホクロがあるだけで伊織と同じ顔(掛け値無しにいい女なんだけど「細かくて面倒臭い女」である伊織と比べると、子供っぽくて雰囲気に欠けるものの「付き合いやすい女」ではある。)なことに一貴もフラフラ迷った様子ですが、冷静に考えれば思うように会えないのが(そしてそのせいで誤解とわだかまりが降り積もっているのが)辛いだけで別に伊織ちゃんの事を嫌いになった訳でも別れた(終わった)訳でもない、と自覚もした(そして麻生さんも振られ決定した。)様には同じ顔でも選ばれなかった結果と合わせて主人公を見直したものでした。が、惜しむらくは伊織の心情(性格)がよく描かれていなかったせいで見た目(顔)ではなく性格(中身)で選ばれた顛末に今一つ説得力が生まれなかった点、ですかね…。(伊織さん、可愛さは確かに認めるけれど、付き合うに当たって楽しい女かどうかと聞かれると…。)最も主人公が伊織以外とくっついた場合、いつきが身を引いた気持ちの全てが無駄になるので結末はこれで良かったのだと色々な面で納得はしていますが…。
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