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愛人たち

2009.08.31
短大にいた頃、値段の高い古本屋さんで3冊セットじゃなきゃ売ってあげないと言われたのを(その時足りないのは2巻だけだった。そしてその辺の本屋にはもう置いてなかった。)隙を見た親切な店員さんが1冊ずつの別売りで売ってくれた思い出深い本。でもタイトルの通り不倫もの。しかし、決してこういうの好きってわけじゃないんです。信じて下さい!

 真崎五月…五月(めい)ってなんだよ、この変な名前は!?(トトロに出てくるチビッ子か!?)と、最初の一ページ目からツッコミを入れてしまった本作のヒロイン。子供ができたと発覚した場面では男の子か女の子かそんなのはもうどうでもいいから、「真崎 三月」(まさき まーち)とか「真崎 六月」(まさき じゅん)とかそういう名前の付け方だけはやめてほしいと切に願ってしまいました。(最近の親は子供にキテレツな名前を付けたがるが、苦労するのは子供だぞ。)「よく耐えてくれたね」と言ってもらいたいから頑張ってた、とありますが、作中のあんまりな展開にむしろ「よく耐えていられるね」の間違いじゃないかと疑いました。最終的には作家として大成しましたが、読み終わった弟に(読ますなよ、不倫ものを!)一言、「文学の道ってそんなにトントン拍子に成功する程甘いものだったっけ?」と、もっともなツッコミを頂いてしまいました。(た、確かに…)それで考えると、運が良いんだか、悪いんだかよく分からないキャラです。(男運が悪い…というよりは男を見る目がないというのが真実に感じるので…ゲフッ)

 三枝仁…五月「子供に五月という名前を付けるならあなたの誠意を信じるわ!どうなの!?」
仁「そんなセンスのない名前を付けたいとは思えない!」
五月「!!」

…セリフを入れ替えてみました、が、本当に五月(めい)という名前はいかがなものかと思います。(仁(思いやり)という名前でありながら本当の意味での優しさの欠片も無いこの男もいい勝負かもしれませんが。)と、いうわけで、ウソつきで浮気者でいい加減な女性の敵(奥様のツッコミ、全部当たってんじゃん。)三枝氏です。この人の最大のラッキーは愛人も含め周りの人が皆陰で耐えてくれる大人だった(でなければ、体で編集長をつなぎとめるいいかげん男として週刊誌を騒然とさせた上、女性ファン全員を失い消え果てただろう。)ということでしょうね。元々夫婦仲が壊れていたのも自分が浮気したのが原因だし、(来客の前でも夫に恥をかかせる奥様も奥様なら、他人にペラペラ自分の家の恥を語って同情を引こうとするこいつもこいつ。浮気の話なんて、初めて会った他人に対して語る話じゃないよ。)潔くないし、(重荷だとか死んでくれればとか考える位ならスッパリと別れる男気を見せて下さい。)やはり好きくないです。この男。奥様の復讐(熟年離婚。金の切れ目が縁の切れ目なのだ。)については大賛成ですが、作品が終わるまでに路頭に迷う奴の姿が見れなかったのが残念でした。

 田代朋子…主人公の数少ない友達。(彼女以外の友達は不倫をきっかけにいなくなったらしい。)偶然圭介の浮気場面に遭遇した時(これぞ神の采配である)「私、圭介の彼女の田代朋子。よろしくね。」と牽制球を投げておけば(育ちのいいお嬢さんなら、それで引き下がるだろう)こんなことにはならなかった、と思うと複雑です。性格が愛人向きかどうかはともかくとして一緒にいて重苦しい女ではあるだろうな(まず、へ理屈が多すぎる。現実にこんなにズバズバ責め立てられれば男でなくても一緒にいて疲れるだろう)とは思いました。作中に4人まで妻を持てるイスラム教の話が出てきましたが、第1夫人にとって第2以下の夫人達は話し相手になってくれる上家事を手伝ってくれるメイドのような存在(だから本妻は第二夫人ができると、楽ができる上に地位が上がるので大変に喜ぶらしい。)なので、プライドの高いこの女性がとてもそれで満足するとは思えないので(自分が第1夫人じゃなきゃ認めない気がする。)これは圭介だけじゃなくこの人にだって無理な気がしました。(そして、4人まで妻を持つ人が少ないのは純粋に経済的事情によるものです。3家族も4家族も養うのは大変なんです。)3巻では「何を今更」と圭介のことを放置プレイしていましたが、決別したんならまず、部屋に入れるなと(結局下着姿で押し倒されることになったし、危ないっての!)ツッコミどころが満載で、可哀そうなんだかそうでないんだか微妙な人でした。

 弓岡圭介…「浮気相手」の方と結婚したのは妊娠のせいだけじゃない(それが無くても、きっと朋子とは結婚はしなかった。)、というのには驚きました。全ては朋子さん牽制の為、というかそこまでして結婚したくない女だった(当たってたのか、朋子さんの納得論…ゴフッ!)かと思うとすごく複雑な気分になりました。(じゃあ、別れてやれよ…。)愛と結婚は違うとありましたが、それで大金持ちの娘をゲットしてあの年で1件屋で暮らしてる彼を見ているとこの女の敵め見事に持論を実践してやがると腹立たしい気分になりました。(家を建てたのは絶対奥様のパパだろう。)3巻で朋子さんの所にプロポーズに来たのも(いや、家政婦の申し込みか?)実家のゴッドファーザーの元にいる奥様よりも、一人暮らしをしている朋子さんの方がまだ怖くないからだと(実際イヤミ度でいえば奥様よりも朋子さんの方が上だろう。)いうように感じました。…しかし、それで2度も朋子さんがチャンスを逃したことを思うと(あそこでOKして同棲でもしていれば人生は変わっていた。)なんだかすごく悲しい気分になりました。話として今までの報いがこいつにも降りかかってはしかったです。

 来栖貢…亜希子「お店も辞めさせ、マンションに住まわせ、レッスン一筋の生活をさせた。でも有名になんかならないでほしい。成功して、目立って、人目を引いたら私達はお終いだわ。」
貢「俺は一体…お前の何なんだよ!」

尽くして貰ってはいても「都合の良い男」としてしか求めらていなかった…そういう事なのでしょうね。名前は貢なのに、実際は亜紀子さんからかなり貢がれている(住む所はボロアパートからマンションに格上げ、バイトする必要もなくなり、レッスンしほうだいの夢のような生活に。アパート時代は汚かった部屋がきれいになってるってことは、掃除まで亜紀子さんがやってる可能性まである。)というか亜紀子さんなくして彼が成功できたかどうかも甚だ疑問(そもそもそんな簡単に成功できる道なのか、話が上手すぎる気がするのだが…禁句ですかね?)なのでカメラを引いて見てみるとどっちが被害者側になるのかはとっても微妙な二人です。そしてあれだけ五月さんに思わせぶりなセリフを吐いておきながら(普通の女だったらリアルタイムの返答はまず無理だろう。)後からポッと出てきた女とあっさりくっついてしまう変わり身の早さにもびっくりでした。(いや、乃木さん好きだけどさ)今ではすっかり忘れ去っているし、彼にとって亜紀子さんの存在ってなんなんだったんでしょう?(やはり金ヅルで終わっちゃったのでしょうか?)

 藤村亜紀子…左ハンドルのエセ外車を運転する女。家の玄関には梅の花があるのに明かりは何故かシャンデリア(和風なんだか洋風なんだか…)だという謎の趣味が展開しています。彼女の旦那がマザコン…とありましたが、そもそもマザコンだったら母親を彷彿させる成人女性に性的関心が持てない(だから幼女とか殺戮衝動に走るんだとか…ママ大好きっていうのと、オカズにすることとはまた別なのだ)はずなので、これはマザコンとは違うと思います。(ともかく、鍵は閉めてください!旦那さん!)アレの真っ最中に自然に思い出したり、オカズにできる存在(普通は萎えるんじゃ?)ということは生前一体どんな関係を築いていたのか、考えてみると気持ち悪くてたまらないです。(うん、マザコンじゃなくても、もう駄目だ。)結局子供の為に、貢が中盤で予想した通りに愛人も夫も失って家庭に入ってますが、その後マザコンで夫婦仲の冷え切った両親を見て育つ高太郎(どんなに取り繕っても子供には分かります。)が父親と同じ政治家の道を歩むかどうかは疑問です。(むしろ、父親に嫌気が差し全く別の道を選びそうな気がするんですが。)ともあれ、今後の為にもDNA鑑定はしてどっちが父親なのかははっきりして欲しかったのですが、…それでマザコンの方だったら、高太郎哀れ。父親があんななので、亜紀子さんになついて彼もまたマザコンになりそう…ゴフッ!
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ブルー・ロージズ

2009.08.29
 ブルー・ロージズとは文字通りの「青いバラ」ではなくて「胸膜炎」(ブルーローシス)の聞き間違いだったそうで、恋人どころか友達もいないコンプレックスの塊のようなヒロイン・ローラが唯一話しかけてくれた男子にアッサリと恋をして、孤独なローラは他に誰もいないからのめり込んでしまったものの、元々が社交的な男子の方はアッサリと恋人の所に戻ってしまったという話です。(by「ガラスの動物園」著・テネシー・ウィリアムズ)ローラの方も「この人が全て」(結局は相手任せ。)ではなく「これだけは自信がある趣味」(自分を裏切らない確かなもの。)か「動物を飼う」(動物にとっては飼い主が全てだから。)方向で自己を確立すれば良かったのにとも思ってしまった話でした。

 パエトーン…パエトーン「父上!僕があなたの息子であるという確たる証をお与え下さい。僕に一日だけ、あの日輪の馬車をお貸しください!」
太陽神アポロン「それは唯一、私が叶えてやれない望みだ。何故ならそなたは私の息子ではあるが、人間である運命を避けることはできない。あの馬車を駆るのは全知全能のゼウスですら出来ない事なのだ。」
パエトーン「どんな望みも叶えるとおっしゃったではありませんか。誓いをお破りになるのですか?」

神々ですら御すことのできない炎の馬車を物を奢った人間にどうして扱えよう…という訳で日輪の馬車は案の定暴走し、事態を重く見たゼウスが稲妻を投げてパエトーンごと馬車を粉々にしたことで落ち着いたギリシャ神話(遠い昔、神になり代われると思い上がった若者の愚かな物語。)ですが、それって水力・火力発電所で充分電気が賄えるのに危険な原子力発電所をわざわざ使う日本にも通じる事じゃないか?という疑問符に、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故同様、日本でも地震→原子力発電所停止→炉心融解→爆破事故という全く同じパターンで福島原発が事故った現在、色々考えさせられた話でした。「チェルノブイリの悲劇は起きてはならない事が、起きてからでなければ謙虚になれない人間の悲しい業である。」とありましたが、それよりも何よりも恐ろしいのは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で原子力発電の安全性も解決できないままに突っ走ってしまった後の現在でさえ、原子力発電の即時停止実現どころか、もう終わった事として全てを深く考えていない日本人の国民性なのかもしれません…。

 星の素白き花束の…友人「アンタってば本当に夢見がちな性格。自分の母親を散々苦しめた親父さんとその愛人との間に生まれた妹をどうして引き取れるのよ。人1人を養うのはアンタが思ってるほど楽じゃないわよ。」
夏夜「パパは物心着いた時から私と一緒に寝てアレをしてくれたの。アレをしていてパパがいく時は決まってママの名前を呼ぶのだけれど、そう呼ばれるとパパが可愛い子供のように思えて私もとても熱くなるの。」

それが不倫の果てに生まれた子供でも、母親も父親も亡くした可哀想な娘である事に違いは無い。腹違いとはいえ同じ父の血を引く姉妹であるのだから、きっと仲良くやっていけるはず…という美談はドラマの中にしか存在しない様子です。実際に暮らしてみると彼女が男に媚を売ること・セックスする事しか頭に無い(だから「女」である姉には何に興味も持っていない。)15歳にして既に身を持ち崩した女という内容に、心秘かに憧れていた人を寝取られたという事実と合わせて、到底、一緒に暮らすことは出来なくなった、という結末には頷くしかできませんでした。持って生まれた美貌だけで欲しい物を手に入れている夏夜ですが、ケーキやジャンクフードばかり食べる食生活にスタイルが崩れていくのは時間の問題でしょうし、彼女が輝いていられる期間もそう長くは無いな、と冷静な目でツッコミも入れてしまったものです…。(大丈夫、長い人生で考えれば「健康で長生き出来る」という点で勝利をおさめるのは貴女だよ、お姉さん。)

 化野の…「今度こそ、今度こそ、私の知ってる道に出るはず。早く家に帰らなくちゃ…。」

祖母も叔母も母も癌で死んだ話をする女性(つまり、この人の家系は癌になりやすい血筋なのだという事が分かる。)といい、奉安室(霊安室)を見ていた中学生(多分、死んだのは自分で、目の前で「服の上から袈裟を着て、ハンドバッグから数珠を取りだすお手軽なお坊さん」の姿を見たんだろうな。)といい、この話に出てくる人はヒロインも含めて皆、死んでる人である(幽霊って自分が死んだのを分かっていない人が多いという話を聞くけれど、この話はその典型なのだろう。)という事が分かります。幸か不幸か(死んだ時に頭の打ち所が悪かったのか)記憶に混乱がある様子で、死んだ自覚にショックを受ける事も無い代わりに、自宅の場所も思い出せない(辿りつけていれば、仏間に飾られている自分の写真に全てを理解するだろうに…。)どこまでも終わらない話になっている様には、相変わらず救いの無い作風だな…と山岸先生らしさも感じたものでした。

 ブルー・ロージズ…黎子「私とあなたとは5ヶ月足らず、そして彼女が妊娠5カ月という事は、少なくとも始めの頃は私と彼女とダブりながら両天秤かけていた…。」
和久「違う!いや…そうなるけど、その時にはもう彼女とは決定的にダメになっていたんだ。僕もそのつもりで…」
黎子(彼の言葉を丸々信じたとしても、あの人に彼女の姿が見えなかった期間はたった2ヶ月…これでも二股かけられていなかったと言えるのかしら…?)

まあ、馴れ初めからして出会って2度目で肉体関係を結ぶような男だったんだから、そもそもがロクな男ではない事は冷静に考えれば分かりそうなものだよな(家に来てご飯を食べて行ったり、「可愛い彼女」として話の中で持ち上げてくれたりはしたものの、結局ディズニーランドデートも果たせずじまい、体の関係を求められるばかりでロクに恋人らしいことをしていないような…。)と最初から予想できた結末(人生、そうそう上手くいくものじゃない。自分より年下の素敵な相手なら尚更の話だ。)には哀愁を感じながらも頷くしかありませんでした。それでも女としては愛されていた(それがセフレというレベルであっても、少なくとも「男扱い」「仕事の同僚」以上の特別な愛され方ではあったから自信も持てた。)だから「どうせダメ人間である自分は何を言われても仕方ない。」という呪文からは解放される事が出来たと前向きに考えられるようになった事だけが救いですが、ショックで仕事も1年間手につかなくなり、人気の絵柄も失くしてしまった様に、成長と引き換えに彼女が失ったものの多さもまた感じたものでした…。

 銀壺・金鎖…富田美冴「私は大学時代に彼の愛を信じ切れずに逃げ出してしまった。その後、見合いで一回りも年の違う男と無責任にも結婚し、3年後に離婚して彼に再会した時には、彼には妻も子供もあった。」
元彼「子供達が大きくなるまで待ってくれ!」
美冴「今、別れられない人に、これからも別れられるとは思わないわ!」

夫に捨てられた母親の苦悩をどうする事もできずに傍で見ている事しかできなかった息子(児嶋修治)も、妻に去られた父親に顧みられず祖母に嫌味を言われ続けながら育った娘(富田美冴)も、不倫に走りきった当の男女の元に生まれて「普通の家庭」でも何でもなかった事にショックを受けた娘(下山雪絵)も、3者3様にそれぞれが不幸だった事が分かりますが、おそらく一番不幸なのはその後も幸せをつかみ切れずに結婚にも失敗して↑の人生を歩んでいる美冴さんでしょうね。先に相手を捨てたのは自分であり、先に別の男と結婚したのも自分だから(子供を作らなかったのも彼女が決めたこと。)、元彼の方が同じように他の女と結婚していても「お互い様」として文句の言いようも無い。そして「相手を信じていない自分」を美しくないと思いながらも、付き合っている身として相手が自分に責任を取ってくれない事には確信が持ててしまう(彼が妻子を捨ててまで自分の元に走るのは、どう考えても想像がつかない。)というのは切ない話です。でも冷静な目で見てそう考えられるのなら、その判断は正解だと思うよ、とツッコミしか入らない恋模様の様でした…。

 学園のムフフフ…妙子「村会長からのラブレター?読んだわよ。でも、彼、こんなみっともない髪した女の子に好かれても困るんじゃない?」
伸江(彼女、伊達に髪をワカメちゃんヘアーに切ったんじゃないのですね。自分を下げて相手に嫌われる方法を取ったのでしょうか?)

その通りに彼はロングヘアの彼女の「美しい外見」だけに惹かれてラブレターを送っただけで、ワカメちゃんヘアーの変な髪形の女になったとたんに興味を失くして別の美女を口説き落とした(結局彼にとっては外見が全てで、彼女の中身が変わらなかろうが、理想的な外見でなくなったら、それまでの想いでしかなかった。)という様に、伸江ちゃん自身も幻滅して憧れの全てが消えうせた(結局「他の女に彼を取られた」結末には変わりなかったが「所詮はそんな男である」という内容に、もったいないと惜しむ気持ちすら無くなった。)というのは「上手いやり方」ではあるな、と感心もした手法でした。そういえばストーカー撃退法の一つとして、視線を感じるその時にガニマタ歩きをし、鼻をほじり、手鼻をし、「ありのままの自分の姿」(見ちゃいられない素の姿)を見せつける事によって、いつの間にか相手はいなくなるという手法が有ったな、と地味に為になる記憶を思い出した私でした…。

凍った夏の日

2009.08.28
 篠原先生のサスペンス調短編集であり、絵の変化(上達ぶり)も楽しめる、なかなか味のある話の数々でした。少女漫画家のはずなのに、確かに一応「恋愛話」は入っているけれど話の全てが愛憎殺人劇になっている(まあ修羅場というのも恋愛の醍醐味かもしれないけれど。)人が死なない話が一話も無い様には、これがこの作者の作風なのか…とある意味で度肝を抜かれながらも引き込まれて読み進んだものでした。

 3人目が消えた…ちひろ「調べによると宮本容疑者は別れ話のもつれから妻・千里さんを殺す為、千里さんの勤める会社の飲料水に青酸カリを混入。千里さんを含め社員11名を殺した疑い。奥さん1人を殺す為に11人も…。」

そりゃ、物のついでで「働き盛りの若い家族」を殺された遺族の皆さんは75日で全てを水に流してくれたりはしなかっただろうな…と「殺人犯の娘」として実行犯本人(父親)が死んでも白い目を向けられた万里先輩の子供時代を哀れむと同時に、0歳児(養子にするのに最も望まれる確実に「実の両親」を覚えていない年齢の子供)でなかった為に妹と一緒に担当検事に引き取って貰えなかった運の悪さにも同情したものでした。(「『殺人犯の娘』なんて可哀想に!うちはちょうど子供がいないし、担当になったのも何かの縁だし、是非『普通の家庭』でうちの娘として育ててあげますよ!(やった!0歳児ゲット!)」「あ、あの、姉の方は…?」「え?1人で充分っスよ?」という流れだったんだろうな…きっと。)とはいえ本当に妹のちひろが「何も知らずに幸せに育った」のは確かで、自分は苦労して不幸を重ねても「こんな思いを妹が味わわなくて良かった」点に救われていた部分は有ったのでしょうね。実は自分の為でなくて妹の幸せな生活を守る為に殺人を重ねている(以外に方法は無かったものだろうか…?)姉の姿に涙した話でした…。

 凍った夏の日…杳子「銃を突き付けてるところ悪いけど、もうすぐパパが帰ってくるわ。」
生島「アンタの親父は2年前に死んでる。ここはアンタとお袋さんの2人暮らし。お袋さんは毎月『仕事』で一週間位、家をあける。この家を売った契約金が入ったのは分かってんだ。金はどこだ?」

そりゃ警察だったら情報収集はお手のもんだよな…(そして「殺人犯」に対しては、プライバシーの侵害云々の問題は2の次となる。←プライバシーで殺人(犯罪)を犯している奴に喚く権利は無い。)と驚きのオチに納得すると同時に、いくら殺人犯を捕まえる為だからって警察自ら不法侵入・脅迫・軟禁・セクハラと犯罪の4連コンボをぶちかますのはどうなのか(犯人を捕まえる為にここまでする警察官は少なくとも日本にはいないだろう。ていうか自分がお縄だろう。)とツッコミを入れてしまった話でした。杳子ちゃんに関しては階段から義母を突き落としたのが正当防衛と認められても死体遺棄罪には変わりが無いし、冷蔵庫に入れていた所で生物(死体)はいつか腐るし、売買契約が終わったその家も一ヶ月後には明け渡すことが決まっているし、いずれ捕まる未来に変わりは無く、ただバレるタイミングがちょっと早まっただけだったんだろうな、と2度と帰ってこない暮らしに涙する彼女に「…。」と思いながらも、連行されていく姿に頷けてしまった終わり方でした…。

 殺意には青いリボンをかけて…毬子「森尾さん!?ど…どうしてうちの電話番号に!?」
森尾「あのね、住所が分かれば番号はすぐ調べられるよ。」
毬子「ストーカー規制法違反ならびに個人保護法違反だろ!」

最も出会った初日に車で送って貰ったのを良い事に、彼氏が席を離れたとたんゴミ漁り(灰皿荒らし)をしてまで煙草の銘柄を調べ、ダッシュボードの中身を確認する(勝手に人の私物を開けてプライバシーを覗き見しようとする。)彼女の方も偉い事は言えない立場だとは思いますが…。(「戻ってきた!ヤバイ!」と慌てて元通りにする=バレたらまずい事(犯罪)だという自覚はある…のなら、始めからそんな事するんじゃねえよ!)挙句にその時思わず(プライバシー侵害がバレるのが嫌で)着服してしまった試薬のおかげで彼の目的は自分なのか薬を取り戻す事なのか分からなくなった…というのは、まさしく自業自得な話です。彼氏の方も大富豪の夫人のジゴロ(金を貰う代わりに肉体を捧げます。)をしたり、大学の同僚と「人には言えない付き合い方」(セフレ)だったり色々と問題のある男で、考えてみれば信用ならない要因はどっちにもあったなと思えたカップルでした…。

 午前0時の逃亡者…村瀬「あの晩、被害者と最後に一緒だったのは俺だって事で犯人にされてるけど違うんだ。俺と別れてタクシーに乗り込む彼女をアンタは見てるはずだ。アンタにそれを証言して欲しいんだよ。」
和美「3日前、終電で帰った日…確かに0時頃ディスコを出たけど、私…あなたなんか覚えてない。」

派手な髪飾り(忘れ難い特徴)でもつけていたのならともかく、普通の格好をした見ず知らずの他人の事なんかジロジロ見ないし、通りすがりの人間をいちいち覚えていない…という当然の展開を見せるこの話ですが、「ヤバイ!終電の時間ギリギリの午前0時だ!」と意識して時計(とその下にいた村瀬さん達)を振り返った事、村瀬さんの同僚が乗ったタクシーの助手席に大人の男が持つには明らかに薄気味悪い人形が乗っていた事(地味に忘れ難い事があった。)から奇跡的に当時の光景を思い出す事が出来たヒロインでした。彼女もまた長髪だった為に「これなら良いカツラ…もとい人形の髪ができる。」と犯人に狙われてしまいましたが、事件が起きるのはいつも午前0時過ぎ、そんな時間になるまで外で遊び歩かなければ「事件に巻き込まれる」事も無かったんじゃないの?と当たり前のツッコミも入れてしまった話でした…。

 なにかが闇で見ている…麻生「仲村さん、私、あの香りが欲しいの、お願い!」
仲村「辞めとくんだな。こいつはアヘン系の麻薬だ。」

どんな学校だよ!とツッコミを入れると同時に、いくら禁断症状を見せても、薬物中毒を見慣れている専門医でないとその診断をつけられない事が多い(頭が禿げるまで髪を抜こうが、肉が見えるまで爪を噛もうが、奇声をあげて走り回ろうが「精神的に不安定ですね。」で半年以上も見逃されたケースさえある。)為に、今まで(というか今現在も)バレずに済んだんだろうなあ…と明らかに普通じゃない症状を見せているのに皆にスルーされている生徒会の皆々様に「…。」と思いながらも頷いてしまった話でした。結果として「生きたままフクロウ(肉食の猛禽類)に食わせる」という生贄の儀式自体は良かった(良くは無いが。)ものの、雰囲気を出す為だけに油取りの灯り(火と油)を用意した為に、うっかり倒して校内中を火の海にするというお約束ネタで終わったこの学校。やっぱり薬なんかやっている人は基本的に頭が悪かった様子です。(何故、火事の心配の無い電球を使わないんだ!?)

 自殺室ルームナンバー404…衿子「真理が帰ってきてドアのノブに手をかければ床の水たまりとの間に流れる電流が心臓を通る。そうすれば心臓麻痺に見せかけて真理を殺せるわ。そうなれば透さんは私のものになる。」

症状的には確かに心臓麻痺と同じ現象で死ぬのですが、感電死した場合、体には電流斑という渦巻き状の模様が残ってしまうので「殺人」だという事は即バレると思うのですが、2人が散々周りの皆に聞こえるように痴話喧嘩を繰り広げ、ブティックが上手く行っていないという金銭的トラブルも有った為に「心中でしょうな。」「しかし感電死(他殺)で死んだ男の方が何故、女より後に死んでいる(女に覆いかぶさる形で後から落ちた事が分かる)のやら…ま、いっか。」で片付けられてしまった事件でした。(オイ!)女2人の間で芽生えた殺意は「失恋の果てに自殺する女性」が後を絶たないあの部屋のせいではないと言い切れない、と部屋のせいにして責任転嫁し始めたヒロインでしたが、どういう事情であれ女友達の彼氏と寝て「友達を裏切った」事も、騙された事に逆ギレして「彼氏をぶち殺した」事も確かで性格の悪さ的にはどっちもどっちだなと思えた愛憎劇でした…。

 ウイークエンドの招待状…倉本「本当は単純な三角関係にしたかったんだ。磯城に振られた砂原くんが彼を殺した…とね。校内でこの子が一番自然に農薬を使えたから。ところが磯城は恋人の方を振っちまいやがった。」
磯城「砂原を紹介してくれた倉本に今は素直に感謝している。」

倉本さんの方はラブラブな彼女までいる磯城に「横恋慕する他の女」を近づけさせる為に「ウイークエンドの招待状」(週末のコンサートのチケット)を送ったのですが、当の磯城の方は美人の彼女に飽き始めて別れる潮時だと思っていた為に不自然に出会った相手でも「新しい女」を諸手を挙げて気に入ってしまった…という予定外の展開を見せてしまったのでした。(「これじゃ園芸部員のこの子が磯城を殺す動機がなくなっちゃうじゃんか!」by倉本)しかし「彼女」の方が振られたことを皆が知らない今ならば、「嫉妬に狂った園芸部員が彼氏共々、彼女の方まで殺ってしまった」(これで「今カノになった園芸部員に動機が無い」と一番知っている元カノの事も片付ける事が出来る!)というシナリオの元に、もののついでで無駄に殺されてしまった元カノがひたすら哀れに思えた話です。計画した倉本さんの方も全てがバレた事で自殺に走っていますし、結果として彼女も親友も死んだこの事件に「素直に感謝」できる余地はどこにも無くなっていると思うのですが…ね。

るろうに剣心特筆版・下

2009.08.27
 本編実写映画化というノリで10何年ぶりに描かれたこのキネマ版、当初は軽いノリだった事もあり半年間6話分の連載だったはずが「4巻分を6話にまとめるってやっぱり無理!」と途中から10話に変更(「ええ!?そんな事言っても、半分の3話分+読み切り一本で上巻作っちゃいましたよ!?」by編集部)という流れのおかげで連載も半年→1年に延長、下巻は上巻に比べ明らかに分厚くなるほどページ数が増えたというファンとしては嬉しい結果と相なりました。(作者は大変だったろうけど。)実写映画も好評で志々雄編も作られたそうですが旧作にして10巻分にも渡る大きな話の方はさすがに描き切れないと久々の漫画版はこれにて終了となってしまったようです…。

 神谷薫…薫「お金持ってるって、弥彦、あなた文無しじゃなかったの!?それならせめて食費位は道場に納めても…!」
左之助「オイオイ、子供から小金巻き上げる気かよ。」
剣心「悪銭とはいえ弥彦の流した汗水の対価でござるよ。」
薫「一人前の口を叩くなら働け!働いてから言えー!」

「働け働け、働いてええぇー!」「やかましい!働いたら負けなんだよ!」と言わんばかりの応酬にやっぱりこの男達はニートだったんだな…と認識を新たにしてしまったものでした。(3人も養う羽目になった薫は本当に大変です。)とはいえ本編では「男と見込んで!」という言葉のあやだけで10歳の子供を竹刀で殴り倒し、イライラしただけで燕の頭に櫛の刀を刺し、非常に暴力的だった(読んだ当時は「ギャグ」として捉えていたけれど冷静に見れば立派な虐待だよな…ゲフッ!)のが両手を振り上げて怒鳴る程度で済んでいるなんて、可愛くなったなあ(ここは殴り倒してでも、ごくつぶしを家から叩き出すシーンのような気はするけれど…ゴフッ!)と思えたものです。しかし刀衛に殺されかけた所(剣心が人斬りに戻りかけた所)で本編の薫だったらベソベソと泣いている所でしょうに、凛々しく止めている辺りはやっぱりキャラが変わったなあ~と改めて認識してしまったヒロインでもありました。(あるいは「剣心を待つ家持ち・土地持ちの女」であれば性格なんてどうでも良いキャラクターだったのかな、薫さんは…ガフッ!)最も「姉御肌のしっかりした女性」の方が個人的には好感が持てるのですが…。(再度ギャップ肯定派か、自分。)

 三条燕…燕「お父様、ご維新前は馬乗役だったから。馬の世話や馬具の取り扱いで生計立てていたんだけど…。」
弥彦「最近は人力車が便利で人気だしな。武士の生兵法じゃ尻貧(ジリヒン)は免れないか。」

裕福な武家だった(過去形)三条家も昨日のお侍様も今はただの社畜という明治の嫌な世の中では蝶よ花よと育てられるはずの娘もバイト奉公に出るしかないのでした…。そして、そこまでして働いても、たかが小娘一人の給料では家の借金を返すだけの稼ぎなんか得られないという厳しい現実のオマケつきです…ゲフッ!(「三条家はこのままいくと破産します。借金をする為にご主人とその友人とで互いに保証人になり合ったのが運の尽き。土産小芥子を思わせるあの娘(酷い評価だな、オイ!)は身売り確実できっと高値で『輸出』されるでしょう。」by観柳。)パラレル版でも本編でもお家の為に苦労させられる展開は変わらない燕さん。燕=運の無い娘という設定はどうひねっても変わらなかった様子です…ゴフッ!


 戌亥番神…「聞いてるぜ、喧嘩屋!お前の拳は万物必壊だとか!だが、俺の拳は絶対不破を誇っている!矛盾しているよなあ!」

何でも貫く矛と、何物にも貫けない盾。そんな矛でそんな盾を突けばどうなりますか?(「どっちが本当でどっちがウソか、ハッキリさせようぜ!」)という中国の故事(高校時代に漢文の教科書で習った物売りの話)を思い出しました。(だから矛盾は矛(槍)と盾(楯)と書くんだとか。)結論を言えば水銀の鉄甲でガードしていた(素手の人間相手にドーピングだろ、それは!)のに骨にヒビが入るほどの怪我を負った番神の負けだったのでしょうが、それはそれとして、体中水銀まみれ(全身鉄甲)になって動けなくなったあの後はどうするのか(風呂に入って落ちるかな…その前に風呂まで行けるかな…?)相変わらず頭の悪いキャラクターだなあと再認識してしまったものでした…ゲフッ!

 明神弥彦…「夢、あったんだ…けど、何もして来なかった。何も積んで来なかった。竹刀の握り方一つ分からない。」

そうそう、本編でも由太郎に竹刀の握り方を教えるシーンがあったけれど竹刀って片手で柄尻を押さえながら持つ物で、その辺の棒切れみたいに両手を揃えて持つと振った際にバランスが崩れて型が崩れやすいんだよね、と剣術を習う前と後とでちゃんと持ち方が違う彼の姿に頷いたものでした。が、本編では薫から習った剣術に、見様見真似で覚えた剣心の技を会得して、もっと強いキャラクターだったのに…と肉弾戦では観柳にさえ苦戦する彼の弱い姿にちょっとガッカリもさせられてしまいました。(レベル0なんだからしょうがないけれど…。)それでも本編では男の急所に噛みついたり、誇りと反撃を忘れない根性のある登場人物だったのになあ~(ボコボコにはされても変な所を噛まれなくて良かったね、観柳さん…ゲフッ!)とやっぱりギャップを感じたものです。まあ、せっかくのキネマ版で股間攻撃を入れるのも問題ありそうですし、これで良かったのでしょうが…ゴフッ!

 斎藤一…「負け犬の負け犬たる所以は負けたからではない。『闘って』負けたから、闘わなかった者共に負け犬とそう呼ばれる。闘わなければ男は負け犬にすらなれやしない。」

確かに、負け戦だと分かっていたのに江戸城無血開城後も上野・会津・函館と1年続いた戊辰戦争を最後まで戦い抜いたアンタは、ボスが逃げたのを良い事に一緒に安全な所で高みの見物を決め込んでいた根性無し(外印)よりは偉かったよ(「馬鹿言え。負け戦なんて真っ平御免だよ。」「いいか!一言だけ言っておくぞ。傍観者が一番悪い!」byいじめの定説)と、改めて幕末を振り返って彼の評価を上げたものでした。本編では警察に属していても社会悪だと感じればとっとと斬っていた人殺し上等の人間だったのに、顔の輪郭といい随分と丸くなったなあ~(禁句)と感じた剣心の友人(「…悪即斬は捨てたのか?」by剣心)の姿にちょっと心が和んだものです。パラレル版では「気の置けない仲」ではなく本当に「良い友達」をやっている様子です…ゲフッ!

 外印(元・隠密御庭番衆「黒子」)…斎藤「貴様は証人として捕縛せねばならんのでな。悪即斬はお預けだ。良かったなあ、俺が壬生の狼でなく官憲の犬で。」

良かったねぇ、盲剣の宇水みたいに牙突でテケテケにされなくて済んで…(上半身轢断死体…が、妖怪化したのがテケテケ。)と死ななくて済んだ(しかし生き恥は晒す羽目になった)様に思わず拍手してしまいました。本編ではまつ毛バシバシの美麗な顔など眼すら(マスク越しにすら)拝めないままだったのでこの人、こんな耽美的な美形だったの!?(てっきり夷椀坊がスリムになった程度の顔だと思ってたよ!←オイ!)と御庭番衆を1コマ描く為だけに変更された設定と共に驚かされたものです。けれど糸使いの技は健在でも大型人形を使う事は無くなり、やっぱり本編よりはショボくなっているな(顔は美しくなっているけれど。)と再度認識してしまいました…ゲフッ!まあ、元々人形頼みで肉体系じゃない敵だったので致し方無いですが…ゴフッ!

 鵜堂刀衛…「死んではいない。気を失っているだけだ。ただし早く血を止めないと手遅れになる。」

…え?心の一方(呼吸困難)じゃないの?と、同じタイムリミット式決闘でも手首を切られただけと内容がショボくなってしまった顛末にちょっとガッカリしてしまったものでした。(まあ本編と内容がダブらないようにする為にも別ネタにする必要があったのでしょうが…。)話のいわばラスボスになった事により本編ではまだ会得もしていなかった必殺技・天翔龍閃、九頭龍閃まで食らう羽目になり、両手には一般人が一目見てギョッとされる大穴は開いてるわ、戦いの最中に両腕の骨は折られるわ、本編以上に酷いケガを負っている様(イジメだろ、これ。)にはちょっと同情もしてしまいました。それよりも何よりも心臓を外れたとはいえ刀で貫通された薫はよく死なずに済んだな(即死(だけ)は免れても心臓のすぐ横、止血の難しい胴体を刺された事で普通は出血多量で死んでいる所ですが…。)と元気いっぱいに「剣心、ダメ!」としがみついて止めている(体に穴が開いているのに動くな!死ぬぞ!)様に驚かされた顛末でした。うん、面白さはやはり本編には敵わないけれど、ツッコミ所の多さという面では存分に楽しめた上下巻でしたかね…ゲフッ!

 余談…あれ?隠密御庭番衆がいない(映画版でもいないらしい。)と思ったのですが、噂に聞く武田観柳はホモだそうなので美形の蒼紫、肉体美の式尉、顔面7変化の般若、デブ専のひょっとこ、可愛さのべし見と見ようによっては素晴らしい男ハーレムである現・御庭番衆はきっとセクハラの限りを尽くされ、登場を待たずして辞表を叩きつけたのだろうと納得してしまいました…ゲフッ!

るろうに剣心特筆版・上

2009.08.26
 「まだ人気があるのに作者の意志で終える以上、剣心は二度と描くなよ。」という担当・佐々木さんの禁止令(それって「今ここで終えるのなら2度と剣心は描けなくなるけど、それでもいいのか?」というただの脅迫では…?)と共に本編の連載が終了したという事実がカバーコメントに書いてあり、それなりに人気だった「武装錬金」でさえ終了後、続きをまとめる形であっても2度も読み切りを描かせて貰っているのに大人気だったこの作品が何故かその後1度も読み切りすら描かれなかった今までの真相が分かって納得すると同時に身勝手な編集部の振り回しぶりに絶句したものでした。この久しぶりの再連載も「映画も決まった事だし、こりゃワッキーももう一度剣心を描かなきゃな!」という佐々木さん本人のカオスな発言(アンタ、自分で禁止令出しておいて…!)の元に決まったそうで思わず「…。」と言葉を失ってしまったものです。和月先生自体は「編集部と対立した時に作者側についてくれ『2度と描くな』発言も読者への謝意と誠意を込めての物で決していい加減な気持ちで言ったものではない事も分かっている。」とかなり持ち上げ…もとい認めていますが終了して十数年も経っているのに未だに続きを熱望してきた読者の側からしてみればいい迷惑な話で本当に本当に読者の事を考えているの、編集部!?と思わずツッコミを入れてしまった驚くべき真実でした…。

 神谷薫…「武田勧柳がどんな相手をぶつけて来ようと私は負けない!道場は必ず守る!」

言葉使いも断定形が多くなって男勝りになったなあ~(いや、強くなったのは良い事なんだけれども…。)と道場の危機に自分から立ち向かう彼女の姿に本編とのギャップを感じたものでした。(本編では問題の認識もそれに対する行動も遅くどうしようもない事態になって初めて責任を取る形で動く「ボロボロ泣いてばかりの小娘」というイメージが強かったので。)弥彦に説教をするわ(本編では同レベルでどついたりする事が多かったのに。)回転式機関銃相手でも立ち向かうわ(どんだけ男らしいんだ!?)1番キャラが変わったなあ~と感じたキャラクターでした。昔の、ではなく今の和月先生が描くとちゃんとしたバトルヒロイン(男とも対等以上に戦える女性)として確立するんだとカッコ良さぶりには逆に本編以上に魅力を感じたものです。(ギャップ肯定派かい!)

 明神弥彦…薫「私が逃げたりしたら代わりにあの子が手酷い仕置きを被る。その為に送りこまれたいわば逆人質。」

フィッピングボーイか!(注・王子、王女が勉強などで間違えたりした場合、代わりに鞭打たれる係りの少年の事。)と思わずツッコミを入れてしまった下っ端ぶりはパラレル版に到っても健在でした…ゲフッ!親玉に言われるがままに悪事にも唯々諾々と従っていた彼が薫達に感化されて成長していくテーマはここでも変わらないようです。おそらくこのパラレル版の中では1番原典に近いキャラクターなのでしょうね。この話では薫に対しても遠慮したり思いやったりしていて本編よりも丸くなったなあ~(本編では「お前を男と見込んで頼む!」とうっかり勢いのままに失言したり悪態つくことが多かったので。)とも感じた居候1号君(2号は剣心。3号は左之介。この調子でいくと斎藤や鵜堂まで居候を始めそうで怖くなりました…ゴフッ!)でした。

 相楽左之介…「この背に負う悪一文字も明治時代で真っ逆様になった一文字だ。」

…アレ?斬馬刀は?と思わず持物をチェックしてしまったものです。この人も本編では喧嘩屋として確立していたのにこのパラレル版では生き方に迷って単純な喧嘩にしか拠り所が見出せない(挙句の果てには敵であるはずの剣心に頭下げて「頼む。俺の喧嘩、買ってくれ。」とお願いする始末。敵に生き方を指南して貰ってどうするよ…。)微妙に幼いキャラクターになってしまっていて少し残念に思えたものでした。なんにせよ、自分の家である道場でケンカ騒ぎを起こされ、負けた後には剣心、弥彦に次ぐ無駄飯ぐらいとなった展開にはひたすら薫に同情したものです…ゲフッ!(パラレル版に到っても3人ものニートを養う展開は変わらないのか、薫は…!)

 エルダー・ピーベリー…「どんな傷や病にも治療の他に静養が必要です。流浪の先でもしもあなたを呼び止める方と出会えたら、その時は1度その歩みを止めてみて下さい。」

10年もフラフラ流浪していた剣心が何故本編第1話ですんなりその足を止めたのか、その背景には体の傷(頬の十字傷)を心配した「医者の一言」も背景にあったようです。(で、わずか5日後にあっさり足を止めた、と…ゲフッ!)ちなみにこのお医者様は現在連載中の「エンバーミング」(とはいえ剣心執筆中は休載しているそうですが。)に出てくる女医ヒルデガルド・ピーベリーの遠縁(血族)だそうで恰好が普通と微妙にズレているのは家系なのか(コール・ガールの方向にズレてなくて良かったです…ゴフッ!)とも納得した登場人物でした。時代は同じ19世紀、イギリスではフランケンシュタイン騒ぎが起きていて、アメリカではガンブレイズウェスト行きを巡っての大乱闘が起きていて和月先生の中では世界は大変な事になっていたんだなあ~とも実感するきっかけにもなったキャラクターです…ガフッ!

 余談…前半は既存の登場人物を使ってのリメイク版。最後の1話読み切りは本編開始前のスピンオフでこの本は「仕切り直し」をしたいのか「本編につなげたい」のかどっちなんだ!?と混乱した所、現行連載と新人作家を最優先する少年ジャンプでは読み切り1話分しか枠をくれなかった事から短期連載→月刊ジャンプスクエア、読み切り→ジャンプの異質な形で描くしかなくこんな形になったという経緯がフリートークに載っていました。読み切り1本止まりでも日本一の発行部数を誇るジャンプに載せたい、より多くの読者の手に渡るようにしたいという作者の願いも分かるだけに、ここは元々の掲載誌でもあるジャンプの方に短期連載枠を取ってあげるべきではないんですか、編集部?(読者だって読む雑誌を分けられてどれを買うべきか悩む所です。本当に本当に読者の事を以下略。)とツッコミを入れてしまったものでした…。(連載作家さん達に順ぐりに1回ずつお休みを取って貰いながらジャンプに短期連載する形は取れなかったのでしょうか?元を辿れば作者じゃなくて編集部の担当・佐々木さんが禁を解いたくせにこの配慮の無さって…ゲフッ!)

るろうに剣心 裏幕~炎を統べる~

2009.08.25
 半分小説、半分漫画という形で「同じ内容の話」が描かれているのに漫画版(志々雄と由美の馴れ初め)と小説版(方治さんと華火の儚く終わった恋)の重点の置き方の違いに驚かされた1冊で、同じページ数を使うのなら小説の方が断然伝えられる情報量が多い(むしろあの何気ないやりとりの中にそんな意味が含まれていたのか、と逆にビックリもした小説版だった。)事を改めて実感もした内容で、平和に緩く終わっていた剣心版「第零話」に比べるとこちらの方が話が濃くて好きかもと思ってしまった志々雄版「第零話」でした。

 駒形由美…由美「私は吉原でも評判の遊女。相場の値で買われるつもりはないの。私の見受け代は最低でも相場の4倍。これは絶対に譲らない。」
志々雄「妹分の新造と双子の禿の分と合わせて4人分か。」

ちなみに「千両花魁」という言葉から分かる通り、花魁の見受け代は相場では千両(現代のお金で言えばざっくり一億円位。)であり、その4倍の四億円(由美、高っ!)という値段を吹っかけているせいで「評判の花魁」でありながら、いつまで経っても売れ残っている様には志々雄様でなくとも「バカか、お前!?」と思わずツッコミを入れてしまったものでした。自分1人が苦界(遊廊)から出られた所で自由がある訳でもないし(飢えと病気と体罰の心配は無くなるとはいえ、見受けした男の持ち物として妾になるだけである。)↑の条件は、いわば店へ対しての最後っ屁みたいな物だったのでしょうが、おかげで本末転倒となっている様(さすがに女1人に対してそこまでの大金を出す男はそうそういなかった。)には微妙にも思えてしまったものでした。最もおかげで彼女は志々雄様に出会えたんですけどね…。(あれ?地獄に落ちる最後を考えると出会わない方が長生き出来ていた?)

 志々雄真実…由美「アンタ知ってる?吉原の遊女は大抵が短命。死んだらロクな弔いも無くムシロに撒かれて浄閑寺に投げ捨てられるのがしきたり。新時代になったのに、何も変わっちゃいない。何が悪いの?何がいけないの?時代!?運命!?吉原のしきたり!?私達を牛馬扱いした明治政府!?そもそも幸せを願う事自体が悪いの!?」
志々雄「違うな。今、口にした全て違う。『何が悪い?』答えは一つ、お前達が弱いから悪いんだ。」

出た、志々雄さんの常套句「所詮この世は弱肉強食」と本編との繋がりも感じて1人悦に入ってしまったしまったセリフでした。しかし、政府に命をつけ狙われ、追手までかけられている極悪人がどうやって由美さんと出会ったんだ?(というより、何で吉原で遊んでいるんだ?)という答えは暗殺を避ける為には目立つ場所の方が却って都合が良い(彼は確かに連続殺人犯ではあるのだが、それは全部、明治政府(長州派)に頼まれて都合の悪い要人を次々に殺していったという裏の事情がらみで、全てを表沙汰にするとこっちまでヤバイ展開になる。あくまでも秘密裏に無かった事にしたいという負い目が明治政府には有った。)という彼の計算もあったそうで、金さえ積めばどんな客でも相手にする(おかげで当然のことながら遊女の扱いは悪い。)彼女の店に行きついたという経緯があったそうでした。そして話は始まっていきます…。

 佐渡島方治…方治「休憩は終わりだ、華火。何か他に仕事が有ればそちらをやっても構わんのだが。」
華火「あい、そうねえ。他の仕事…っと。」
方治「…何をしている?他の仕事を余所で…いや、だから何故、着物を脱ぐ!?」
華火「だって、あたし遊女だからあ。豆茶(コーヒー)を入れる以外の『お仕事』って言ったら、当然…」
方治「それが仕事か!?」

後にこれは天然ではなく華火のおバカを装った確信犯だったと分かる(明るいバカ娘を演じる女はいても、本当の意味で頭の弱い娘は実はそうそういやしない。)のですが、それはそれとして、仮にも一応、元・政府のお役人(いかにも「そういう接待」をセッティングしたり、同伴した自分もちょっぴりコッソリ「役得」を味わったりしてそうな立場の人)でありながら、こんな程度でオタオタするなんて方治さんは意外に純情な男だったんだな(志々雄様なんて「昔、京でさんざん遊んだ。」と自己申告しているというのに。(爆))と彼の意外な一面を微笑ましく思うと同時に、この話は方治さんの「小さな恋のメロディ」でもあったのかと漫画版と小説版との印象の違いに驚かされたものでした。結局、実りはしなかった「淡い思い」だったけれど、彼女の仇はキッチリ取れていたし、しっかり弔いにも立ち会ってあげたそうですし、方治さんの情の深さを感じた話でした。

 新造・華火…方治「おい、新造。」
華火「華火だよぉ。役職呼びに格下げしないでおくれよぉ。」

…あれっ?さっき「休憩は終わりだ、華火」って名前で呼んでいたのに(…誤植?)もしかして、さっきの「天然を装ってのからかい」に怒ったの?と妙な不安も感じてしまった展開でした。それはそれとして、「もしも彼女が生きていたら、この人と上手くいっていたかもしれない」というよくある恋話の展開を取るなら、普通は「どうせ死ぬ女なんだから誰とラブラブしても既に終わっている恋として文句も出ないだろう」と美形の宗次郎辺りにお鉢が回ってきそうなものですが、そこを敢えて変な眉毛と髪形の方治を選ぶとは見る目があるな、華火さん(男は眉毛でも髪形でもなく中身なんだってことを、本当の意味で分かっているよ。)と一種の尊敬の念さえ抱いてしまった恋模様でした。方治の方もお土産に金平糖を買ってあげたり(あの真面目な方治さんが女にプレゼントを!?)珍しく優しい様子を見せていただけに彼女が死ぬ間際の走馬灯が何気に痛かった(方治さんを想いながら死んだって、遊女の割に意外に純な女性だったのね…。)小説版にてかなり評価が上がった女の子でした…。

白ゆりの騎士

2009.08.24
 何じゃこりゃ…というのが初めて読んだときの感想でありジャンヌのあまりの神秘性の無さに愕然とした正直いまいちつまらないと感じてしまった作品でした。(ジャンヌ・ダルクを「聖少女」としてでなく「血の通った少女」という身近な存在にして共感しやすいように描き上げたと後書きでは上手いこと書かれていましたが…。)オルレアン解放まで描かれているのにもう一つの山場である火刑(殉難)は描かれていない「ジャンヌ物語」にしては珍しい作品とは言えますが後は…あんまり特徴というか面白さは無いような…。人と人との争いである戦争や人が人を裏切って残虐に殺す理由が全部悪魔のせいというのも(子供に希望をもたらす読み物としては良いと思うけれども、悪魔に操られているなんて「敵方」であるイギリス人が聞いたら激怒しそうな設定である。)話としては浅い気がして今一つ面白味は感じなかった作品…でした…。(個人的には大好きなジャンルである「歴史物」のはずなんですけどね…。)

<白ゆりの騎士>
 ピエール・ベルモン…アルク家当主「ジャンヌはお前のものだ。お前にくれてやった娘だ。探し出して連れ戻すなり2人で遠くで暮らすなり好きにしてくれ。わしはあれの幸せを願うだけだ。(だからわしは何もしない。)」

いくらなんでも地主の「お嬢様」を下層階級であるヤギ飼いの貧乏青年にくれてやるなんて有り得ないだろとツッコミを入れてしまいましたが、当の娘・ジャンヌを然るべき良家に嫁がせていたら今頃家出騒動という騒ぎで家名に泥を塗られていた(ピエールに全ての責任をおっかぶせたおかげで事態は一応村の中だけで隠蔽できているが、ちゃんとした所の旦那様に嫁がせていたら騒ぎたてられ既に嫁いだ姉2人まで後ろ指を刺されたり家族中が恥ずかしい思いをする羽目になっていただろう。)という後の展開を考えると父親としては英断を下していたなと実感もしたエピソードでした。幼い頃からジャンヌだけを想い続けていたのに当のジャンヌには眼中にも入っておらず、しかも他の男に恋している(他の誰に対しても平等に興味が無いというのならまだ救われたのに)というあまりにも酷過ぎる展開には思わず同情してしまったものです。(当て馬役扱いにも程があります。)最期にはそのライバルは戦の中で自滅してくれたものの、その後ジャンヌと結ばれた訳でもなくどこまでも報われない生き様には涙ばかりが流れた、そんな可哀想な夫(に、なるはずだった男)でした…ゲフッ!(やっと相手役に昇格かと思ったら連載は終了しているし、痛い、ひたすら痛い扱いです…ゴフッ!)敵のレナードに手傷を負わせたり悪魔ルシフェルに取りつかれたギョームを剣の矢で射殺したり1番貢献している男なのにね…ガフッ!

 シャルル王太子…アネス・ソレル「王太子の服を着たレナードと臣下の服を着たシャルルとどちらが本物の王太子か『神の使い』なら見分けられる筈ですわね。」

替え玉のレナードとは以前にドンレミ村で会った事があるのだから間違えるはずもなかろう…と思わずツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!ジャンヌに関する奇跡的なエピソードの中でも有名な「見分けの奇跡」ですが、それがただの人の顔色をうかがっただけの表面つらの観察眼に過ぎなかった(「わけないことだわ。1番悩みや心配事に暗く沈んだ顔をしている人を選べばいいんだもの。」byジャンヌ)という内訳にはガックリしてしまったものです。過去ボドリクールの城に彼女がいた間中花は閉じニワトリは卵を産まず牛は乳を出さずにいた経緯(そしてジャンヌが旅立ったとたん皆正常に戻った)も踏まえて神の御使いというより悪魔の使いに近いのでは等々眉唾臭い物を感じてしまった「ジャンヌ」のエピソードでした…ゲフッ!

 レナード・エドモンテス(ウィリアム・ジョージ・ステンプルドン)…ジャンヌ「あたしはあなたを許しはしない…!死んでもあなたと戦うわ、レナード!」

イギリス名門家の長男でありスパイをしていた事は完全なる「裏切り」とは言えますが、それは「フランスに対する裏切り」であって(彼が本気でフランスの為に行動してしまったら、それは祖国に対する裏切りである。)ジャンヌに対しては剣を教えてあげたり護衛として守ってあげたり結構尽くしていたのに(そして当のスパイ活動もピエールの活躍(殺人行為)によってちゃんと果たされていないのに←禁句)「ジャンヌ本人」に対しては何もしていないのに立場だけで決めつけてそこまで恨むのは酷くないか?と改めてジャンヌの幼い性格に対して共感できなかったものでした。(彼女を愛するレナードの気持ちを思っても余計に。)彼が死に追いやられた(橋の上で追い詰められた所を用意した油で火責めにされた)のも元々はジャンヌが仕掛けた策略でしたし涙する彼女の姿には貴女が自分でおやりになったのでしょう…?とツッコミを入れざるを得ず残念ながらヒロインへの好感度は下がるばかりでした…。立場的に結ばれなくても気持ち的には両想いだったとはいえこんな女性に惚れてしまったことこそが彼の最大の悲劇だったのかもしれません…ゲフッ!

 ジャンヌ・ド・アルク…「髪も切ったし、これで鎧があれば私…ウフッ、騎士になれるわ。わーっ!かっこいい!」

歴史に語られるジャンヌには確かに神がかり的というかキ印的な部分があった(要するに非常識だった)とされてはいますが、あまりにもミーハーで身分もわきまえずに図々しいお願いをして(冷静に見るとかなり常識外れなことをしているのに)何故か周り中の人間に好かれているという現象には逆に奇跡を感じながらも共感は出来なかったものです…ゲフッ!(「ジャンヌ、お前がフランスを救うんだ!」「知るか、んなもん!」「え?あの、ちょっと…?」とならない為にも「夢見がち」という素地がどうしても必要だという理屈は分かるのですが…。)「普通の女の幸せ」よりも「神からの使命を全うする騎士の道」を選んだ生き様がカッコイイと(史実上の)彼女を尊敬していただけに結婚からは逃げ出したもののレナード相手にポワ~ンと恋しているただの女に過ぎない美内先生版ジャンヌには…やっぱり、イメージ的に合わなかったものでした…。悪魔も登場するし「歴史物」でなく「中世のおとぎ話」であり「オカルト物」だと思えばそれなりに面白い…でしょうか…ね?聖少女でない「女の子」が何を選んで今この瞬間をどう生きてるかという話だと思えば…それは既に「ジャンヌ・ダルクの話」(聖少女の話)ではないんですが、個人的には…ゴフッ!

 「アマランスの女王」…マーラ「女王になろうとしてお金持ちにもなったし名誉市民にもなったわ。でも皆、私が放火犯の疑いを掛けられただけで実際に私は何もしていなくても手の平を返すし、ちっとも『幸せ』じゃなかったのよ。」

お金や地位や名声は得たけれどフィリップに、フランツ王子にと立て続けに振られ親友のヘレンにも距離を置かれ(「誤解しないでね、あなたは好きよ。でもあたし人の施しは受けたくないの。」byヘレン)気がつくと本当に彼女の側にいてくれる人は一人もいなくなってしまった現実に、お金はあっても死にかけている今の状況にやっと「昔の方がマシだったじゃないのよ!」(昔は友達もいて死にそうな目に遭う事も無かった)と本当の幸せに気がついたマーラでした。思えばヘレンが完全に彼女を見捨てる前、本当に孤独になってしまう前だったからこそ手放しても命が助かるまでに間に合ったのかもしれません。何事もほどほどが一番、賞金の10万ドルを手に入れて奨学金を打ち切った所で満足して捨てていれば良かったのにねとツッコミも入れてしまったものでした…ゲフッ!(欲をかいて女王になろうとなんてするから…ゴフッ!)

SとMの世界②

2009.08.23
 どうやらルイ14世といい、ジャンヌ・ダルクといい時系列は無視しながらもフランスの歴史を追っているようです。(じゃあ次はマリー・アントワネット辺りだろうか?)が、話はここで全2巻で完結しているのでその後セカイ達はどこに行ったのか元の世界にはいつ戻れるのか全てはほったらかしで終わってしまいます。タイトルであるSとMの世界はSM(サディズムとマゾヒスト)を表している訳ではなく人形の名前に過ぎない到って健全な内容(少なくとも最後まではヤっていない。)なので読者の皆様は誤解せずに読み進めていきましょう。

 舞姫セカイ…「さっきの絵の中の甲冑だ…。」

さすがに落ちやすいシーツ1枚の姿では戦えない(素っ裸になっても構わずに剣を振るえるほど羞恥心を捨てられれば話は別ですが)と無断着用して戦いに入ったセカイでしたが、それにしても甲冑の着方なんてよく知っていたなと別の意味で驚いてしまいました。戦いの後も「あの女共々射殺して構わん!」と矢の雨が降り注ぐ中、頭を庇って寝転がっただけなのに(せめてうずくまって体を縮めてはいかがでしょうか?)1発も当たっておらず思えば凄い(運の良い)主人公だなあ~と感心したものでした。(何だかんだ言って貞操も無事ですしね。)

 マキャヴァリオ…マキャヴァリオ「私の女になる前に死なれては困る。」
セカイ「守る理由は肉体目当てかよ!」

礼拝堂の塔の先端に腹を貫通されても平気で生きていられる化け物じみた体の彼に矢を何本撃ち込んでも問題は無いでしょうに(…問題無いの?)庇って貰った事実だけに騙されるなよ、セカイ!(今まで2度に渡ってアンタをレイプしかけた男でしょう、そいつは!)と思わずツッコミを入れてしまったものです。「僕の花嫁さん。」と恥ずかしいセリフを連発するソヴュールといい、事あるごとに襲いかかるマキャヴァリオといい1巻のカバーには「官能の世界」と書いてあるけれどセカイにしてみればただの「セクハラの世界」ではないのかと第1話にして逃げ出す彼女の気持ち(こんな子供と一緒にいたくない!)が分かる気がしました。好きな人(御堂君)には振られているのに好きでも無い男2人(マキャヴァリオ&ソヴュール)からセクハラを受けるセカイが急激に哀れになったものです…ゲフッ!

 ジル・ド・レエ元帥(青髭公)…ジル「残念だったな。お前がナントの司教に送ったはずの『術師を礼拝堂に入れた』という告発書は私の手に落ちたのだよ。」
ロシニョール「何の…こ…と?あなたは所領を巡る争いで聖職者を拉致監禁したことが原因で告発されるから術師は関係ないんですが…。」

無実の罪で殺されたオリジナルキャラのロシニョールの死に様はどこまでも哀れでした…。(ヤルだけヤられて殺されたって…ゲフッ!)ジル・ド・レエはジャンヌと一緒に百年戦争を終結させた「救国の英雄」ではあるのですが領地に戻ってから錬金術にハマり錬金術成功の為に黒魔術(大勢の少年の拉致監禁→凌辱&虐殺。)に手を染めたとんでもない後半生(と言うほど長くはありませんが。)の方がどちらかというと有名です。公開裁判では泣いて懺悔をした(全部俺がやりました、ゴメンなさい~…で済まないのが現実で)事で絞首刑にされ死体は火刑となり(この時代で貴族様にも関わらず「土葬」されなかったのね、この人。)「人間を攫って豪華な城(家)に閉じ込めセックスした後、最後には殺す」彼の所業はペロー童話「青髭」のモデルにもなったのでした。そんな訳なのであだ名は青髭公ですが(「青髭公の城」「青髭公の憂鬱」「青髭公の福音」とタイトルでもかなり「青髭」をアピールしていますが)彼の毛は青かった訳ではありません念の為。

 ジャンヌ・ダルク…ルーアン美術館にある「枢機卿に尋問されるジャンヌ」の絵やNYのメトロポリタン美術館にある「声を聞くジャンヌ」の絵に描かれている彼女は確かに黒髪(有名な「戴冠式のジャンヌ」で旗を掲げている絵や「火刑にされるジャンヌ」の絵では茶髪。写真の無い時代なので容姿について確かな事は言えない。)ですがフランス人女性のジャンヌと純生日本人のセカイの容貌が瓜二つというのはあり得ないだろ(彫りの深さからして大きく違うはずでは…?)と間違えているジル・ド・レエにツッコミを入れてしまいました。(僧侶のウスタッシュも「異国の女」と言っている辺りちゃんと日本人女性として認識しており「間違えている」のはジル1人だけ…乱視にでもなりましたか、ジル様?)話中「絵の中のジャンヌがこちらを向いた奇跡」もジルが目の悪さから今まで気づいていなかっただけで元々ああいう絵だったりして…ゲフッ!

SとMの世界①

2009.08.23
 「少女革命ウテナ」を作ったビーパパス(幾原邦彦)さんとの共作で展開も伏線も放り出しのまんま全2巻で終わってしまっているファンタジー作品です。(あの…続きは?)人気が出なくても出版できるのは同人誌だけで読者がついてこれない作品の命が短い事は(禁句ながらも)分かっているのですが歴史物大好きっ子な私としては続きが気になるというか「こんな形で終わるなんてあんまりだ!」とツッコミを入れたものでした。(新章始まってその第1話で終わりにされるよりはマシですが…。)

 舞姫セカイ…「さっさと消えれば?あたし御堂君がこの世界から消えたって平気だもん。」

1巻の表紙でパンツ見えてますよ!スカートを押さえて下さい!とツッコミを入れてしまった本作品の主人公。(17世紀でも「ヒザをさらけ出して俺達を誘惑しているぞ!恐ろしい!」と格好にはドン引きされています。)第1話にして想い人(御堂君)に振られるも列車事故の時に命をかけて庇って貰った事から恋情は収まる事なく燃え上がり続けていました。(だから振られてるんだってば…。)子供の頃は名前で呼んで貰えてキスまでしていたものの現在では苗字で呼ばれるようになった(距離を置かれた)事実からもセカイが一人で盛り上がっているだけでこの恋に望みが無いことが分かるような気がするのですが本人は現実を見ていないようです…ゲフッ!

 御堂君…「ゴメン。オレ舞姫は好きとか嫌いとかじゃなくて子供の頃からいい友達だと思ってた。これからもずっと友達のままじゃいられないのかな。」

 下の名前すら与えられていない主人公の想い人。(おそらくイニシャルMで始まる名前だとは思われますが。)理想的な答えでセカイの事を振っていますがその答えで本人が納得するかどうかはまた別の問題でした。(振られたにも関わらずセカイは相変わらず諦めていないしね…。)ソヴュールが時間をジャンプする為の人形がSならマキャヴァリオが時間を移動する為の人形Mはどこにあるのか、御堂君こそがその人形Mなのか、肉体が死んでしまった(ガラスの剣で心臓貫通。)から、ぼんやりとしか登場できないのか色々な妄想が膨らむ登場人物ですがそれらの謎は全て放り出されて物語は終わっています。キャラクターの中では1番割を食っている人物かもしれません…ゲフッ!

 モンテスパン夫人(フランソワーズ・アテナイス・ドゥ・モルトゥユール)…「陛下の多くの愛人の中から寵姫の座を勝ち取ってもう10年以上経つというのに相変わらずお美しい…。」

実際は相次ぐ出産と加齢により容貌が衰えており、だからこそ魔女ラ・ヴォワゾン(黒魔術の他に堕胎や毒薬、媚薬も取り扱っていた。)の元で寵愛を取り戻す為に黒ミサ(裸で祭壇に横たわり胎児の血を浴びた。しかし効果は無く状況は変わらなかった。)を行ったそうです。その後の黒ミサ事件(黒ミサ参加者の大々的な逮捕。黒ミサ、毒殺に関与している有力貴族が多数おりルイ14世の治世で最大の醜聞となった。)ではルイ14世もモンテスパン夫人を庇ってくれた(彼女の名前が出ないように特別審問回を中止させた。)ものの元々ヒステリックで嫉妬深い彼女の性格にうんざりしていた彼はこの事件をきっかけに完全に愛想を尽かすようになり数年間無視と軽蔑に耐えながら宮廷に留まっていた夫人がついに修道院に入る決意をした時には喜んで送り出した…そうです…。1時は王妃より贅沢をし王妃より豪華な部屋を持った寵姫だったというのに愛情とは儚いものです…。

 ルイ14世…「多情であるが偉大な魂の持ち主だった証拠」

と謳われるほど女性遍歴は乱れていましたが色恋沙汰は宮廷内に留め公の問題に持ち込まなかったのが彼の偉い所です。王妃の侍女のヴァリエール嬢、モンテスパン夫人、フォンタンジュ公爵夫人、スカロン夫人と浮名を流した彼でしたがフォンタンジュ夫人の死産→急死(時期が時期だけに「モンテスパン夫人が毒殺したのでは?」→「国王陛下の毒殺だって考えていたのよ、あの女は。」という噂まで流れた。)の後もモンテスパン夫人にはほとほと嫌気が差していたのか彼女に寵愛は戻らず彼女との子供達の養育係りであったスカロン夫人に寵愛が移っていきました。美人ではなかったけれど控え目で教養ある知識人だったスカロン夫人をルイ14世はことのほか寵愛し王妃マリー・テレーズ死去の後は彼女と秘密結婚をしたほどです。このように人間、最後は中身が物を言う…というよりどんな美人でも性格が悪ければいずれ愛想を尽かされるという良い事例となっています、モンテスパン夫人は。という訳で作中は彼女に毒殺されかかったことで涙するほど弱々しい国王陛下でしたが現実はこんなひ弱な性格でなく精力絶倫の肉食系な王様だったようです…ゲフッ!

UNIFY

2009.08.22
 いわゆる短編集ですが連載の原点になった読み切りや作者の個性を出しきった作品の数々が描かれており連載漫画の単行本と違って作者の歴史が詰まっている…のでタイトルは「統一する」「統合する」の意味を持つ「UNIFY」にしたそうです。どちらかというとマインドアサシンに近い雰囲気で読みやすいのはそのせいか(やっぱりこの人はこういう作風の方が合ってる気がします、個人的に。)と納得もしたものでした。

 「遊天使」…平井「今日こそは付き合えよ。今まで散々すっぽかしてきたんだからその償い位するべきだぜ。」
聖良「普通気づかない?あれだけすっぽかされたら『俺、嫌われてんのかも』って。」

見返り目当てのえげつない好意に見事にカウンターパンチを喰らわせた聖良ちゃんのツッコミに拍手を送ってしまったものでした。(甘やかして貰える事を目当てにやたらと「好意」をアピールする(そしてそういう自分が可愛いと解釈して貰えているだろうと勝手に勘違いして思い上がっている)男がいるけど現実の女は情けない頼りがいの無い男のお守りをしてあげる程おめでたい作りにはなっていないんだよね…。)挙句の果てにトイレに男2人がかりで連れ込んで言う事を聞かせようとしているのには「これで自分の行動が正当だと思い込んでいる辺り本当に馬鹿だろう(それは既に犯罪者の行動だ!)と私もツッコミを入れてしまったものです。純粋に相手の事を思っている裕理との対比も合わせて色々考えてしまった話でした。

 「外道」…梧桐「人を殺すのは罪で心を殺す事は罪ではないのか。」

ダークヒーローによる勧善懲悪話…なのですが懲らしめられる真の悪人(神父)が少年達に虐待の末に性的関係を強要するドSの肛門愛好者(ソドミー。禁忌を犯して滅びたソドムとゴモラの町の名前に由来してそう呼ばれる。)というこれは少年誌に載せてしまってOKなのかとツッコミを入れたくなってしまうほどのドス黒さぶりで、梧桐の家の事情(遊び半分に犯された女性から生まれたのが梧桐で、しかも家の名誉のためにと身分の低い母親は殺された。)といい苛められている少年の内容(性的虐待はナシで肉体的暴力のみに留まった。)といいソフトに変えられたのはさすがに編集部の配慮でもあったのでしょうね。作風はガラッと変わりましたが評判は良かったらしくマインドアサシンのかずいとは180度違った主人公はこうして誕生の機会を得たようです。

 「0-Game」…トーマ「俺、親友の恋人奪って自殺させたあの事件以来人を好きになるのやめようって決めたんだ。それでホスト始めた訳。愛が無くてもお金貰えて抱き合えて…だから寂しさなんて忘れてた。」

愛が無くてもセックスは出来るし「特別な誰か」でなくても快感は得られる…けれどそれは所詮満たされない気持ちを誤魔化しているだけで、いくら体を繋げても心の中はちっとも暖かくなれない事に2人共心の底では気づいていたようです。カヤとの関係は本人が言っているように愛とか恋とは似て非なるものだけど「同じ傷を持つ仲間」としての大切な絆ではあったのでしょうね。(「お互い自分の傷が分かって慰め合えるから一緒にいたいんだよ。」)それもまた「傷の舐め合い」に過ぎずこのままの関係を続けても何もならない事を分かっている辺りが切ない話です。ジャンプらしからぬ話で、しかも梧桐の後の作品だったのに「ドタバタじゃない話だ…。」と驚かされた話でもありました。

 「Juto-ジュウトー」…ジェス「色々見て回ってるけど世の中不幸だらけだ。私なんか生まれてきたことを不幸に思う事もあるよ。」

手で触れただけでジュウトやエイミーの傷を治した辺り彼もまた特殊な存在(噂ではARKウイルスの中に人間細胞を入れて出来てしまった実験室生まれの究極生命体だとも言われている。)ではあるのですが「地獄先生ぬ~べ~」の登場人物(美奈子先生)にも出てくるようにヒーリング能力を持った人間はごく稀にいるらしい(「人間」の中にも超能力者はいる…らしい。)ので、そう考えると謎は無い…でしょうか?ジュウトはそれまでの連載作の主人公達と違って幼い発展途上キャラでだからこそ彼の成長が連載版でのテーマにもなったのでしょうが、こういう厨二病のキャラは結構好き嫌いハッキリ別れてしまう(悪く言えば嫌われる時は嫌われて受け入れて貰えない。読み切り時はそれでもその暴走をノリツッコミに昇華してくれるジェスやエイミーがいたからまだ読みやすかったのですが連載版では止められる人間が誰もいなかったからなあ…。)ので完成系キャラのジェスがいない点も合わせて読み切りでの魅力が消えてしまったんだろうなあ~(隕石が原因という壮大なテーマの割に舞台も日本と狭く縮こまってしまったしね…。)と改めて連載版(鴉マン)が残念に思えてしまったプロトタイプでした。設定もキャラクターも全てこのままで連載していたら良かったのに…と惜しく思ってしまったものです。

UNIFY~セカンドジェネレーション~

2009.08.21
 2冊目の短編集です。今回は昔の読み切り作品も収録したそうで絵柄が古かったり話の感じが違ったり色々ですが正直2度の連載で描かれたドタバタアクション物よりはこういう静かで落ち着いた雰囲気の作品の方が似合うと感じる私としては読みやすかった1冊でした。

 「風嵐童子」…女生徒「風間は確かに性欲魔神だけど『コソコソと』痴漢するような奴じゃないよ。だって存在自体が痴漢だもん。」
男子生徒「…風間、お前、最悪だな。」

分かり辛いですが、この風間君は実は忍者で痴漢教師に対して使っていたのは幻術らしいです。…しかし主君の為に影で働くのが忍者であって自分で目的を持って動いているんじゃ「忍びの者」ではなくなってしまう(全然「忍んで」なくて己で主役を張ってしまっているじゃないか!)という事で連載の主人公としては行き詰ってしまったキャラクターとして終わったようです。女性の趣味も悪いようで思い込みが激しい挙句に暴力を振るうストーカー女の志依に何故惹かれるのか(「その偏愛が歓迎できればストーカーこそ最高の恋人」とは言うけれど…。)理由も今一つ分からず「…?」と思ってしまった主人公でもありました…ゲフッ!

 「司鬼道士 仙堂寺八紘」…司鬼「わしの妻になるはずの女は藤代太兵衛に犯され生きながらに体を刻まれ捨てられた。故に藤代の血が憎い。斬っても斬ってもまだ斬り足りぬ。」
鏡子「それならさっき殺したタクシー運転手のオジサンは関係ないじゃないですか!」

藤代の血と関係無いのに斬り殺されたタクシー運転手のオジサンが哀れだと感じた話でした…ゲフッ!(八紘の言う通り、この司鬼のオッサンは「復讐の為に動いている」のではなく「殺しを楽しんでいる」だけになり果ててしまったのだと実感した伏線です…ゴフッ!)復讐をしたいのなら婚約者を殺した男一人を拷問でもしながら殺せばそれで済む話であって200年以上も経って当人の4分の1以下に薄まった子孫に恨みをぶつけられても子孫は迷惑だよなあ~とツッコミを入れてしまったものです。不老不死になった所で人間は働かないと病んでしまう物なんだなあ(問題はそこか?)と人間を超越しながら浮浪者並の生活をしている司鬼の日常に思わず涙も流れた話でした…ガフッ!

 「ふしぎ島のキオ」…「この島には昔、神様がいっぱい住んでいたんだよ。だからこの島でふしぎな事が起こるのは当たり前の事なのさ。」

かのジブリ映画もこの位、分かりやすいといいのにね…(昔の神様や妖怪やおまじない、風習などを色々調べたのは分かるのだけれど細々し過ぎてて入れる意味も分からず理解し辛い作品が多くなったよね…。)と思わず遠い目をしながら読んでしまったものでした。不思議の世界で偽物でもお母さんの姿に出会えた感動や友達への友情、子供特有の好奇心が描かれていて(男女カップル愛ばかり押しているジブリと違って)なじみやすく面白かった話でした。子供ってこういうものですよね。(そもそも幼いうちは男女で真面目にカップルになったりせずに遊び仲間止まりになるのが普通です。)

 「Luck Stealer」…「お前みたいに何でも最初から諦めている奴には運は寄り付かねえ。話からするとお前の親父だって人生諦めてんだろ。」

一時的に運が上がった所で本人が前向きに頑張らなければ道は開けてこない、また人生は運頼みで思うように進むほど甘くない(「気がつきゃボーナスはスッカラカンのカ~ラカラ~馬で金儲けした奴は無いよ~♪」と歌にあるように運の良さで何でも上手くいけば誰も人生苦労しません。)という事なのでしょうね。運を操る力を持ちながら、それ故に妻を亡くしシビアな人生を歩んでいる彼が言うと説得力がありました。運の良さや他人の力で何とかして貰うのではなくちゃんと自分で前向きに頑張らなければ何も変わらないというのが話のテーマなのでしょうね。

紳士同盟クロス⑪

2009.08.20
 「今のりぼんに無い物を描こう」そして「自分の苦手なものに挑戦しよう」というのが連載を立ち上げるきっかけだったそうで真面目にホモップル(真栗とまおら)を描いたのもそういう理由(いつもは、というか他の作品では所詮ネタ止まりで話の中心としては描かれていない。)なんだそうです。が、結果は「男×男にはやっぱり何も感じないし、もう一生描かないだろう。」(それがハッキリ分かっただけでも良かった。)そうで苦手を「克服」したのかしていないのかなんだか微妙だなあと感じたものでした。キャラクターの初期設定も拝めてお得感も味わえる、そんな最終巻です。

 乙宮灰音…「もう決めたんです。私、お二人と結婚します。」
高成「俺は3人で結婚なんてゴメンだ!」

え、え!?3人で結婚なんてしたら初夜は一体どうなるの!?(3Pか!?)と大焦りしたのを覚えています。(下世話ですみません…。)ですが、そんな結末はやはり問題あるだろ(当たり前だ!)と作者がギリギリで止まってくれたおかげで日本の結婚制度に叶って1対1での結婚に落ち着いた様には胸をなでおろしたものでした。一応ヒロインだけあって(人気投票では妹の小牧に1位をかっさらわれていましたが…ゲフッ!)周りに人がいて皆からも愛されている女性ですがその周りの人間全員が内に問題を抱えていてその問題解決にいつも奔走している思えば苦労性の主人公です。彼氏(高成)は2重人格のようにコロコロ態度が変わるわ(双子で入れ替わっていたせいもありますが)親友(潮)は自分に屈折した愛情を抱いているわ、生徒会の仲間(真栗&まおら)の恋愛騒動のとばっちりを喰らうわ、親の19年越しの恋愛問題で傷つけられるわ(知りたくもない出生の秘密がありました。)弟(草芽)は灰音を愛しながら義理の妹と付き合いだすわ、この話の登場人物にマトモな人間はいないのか!?(おかげで主人公はいつも大変です。)と話を振り返って改めてツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!

 東宮高成…「お前が今のまま俺がどんなに冷たくしても後ろからひょこひょこついてくればいいと思う…。」

初期設定資料集のキャラクターファイルでのこの言葉に改めて何様だ、お前は!?と再度この男が苦手に思えてしまったものでした…。閑雅が病気になるまでは座敷牢生活で不遇の境遇だった(過去形)とはいえ戸籍が無かったのは再発行して貰えたし(戸籍ってそんな簡単な問題だったんだ…ゲフッ!)好きな女性(灰音)とは結婚できたし、東宮家で相も変わらず優雅に暮らしているし(婿養子に入ったんなら乙宮家で生活しなよ!弟の情けに甘えるな!)幸せいっぱいな結末にはもはや同情心が欠片も湧かず微妙に思えてしまった男でした。(結局好感度の上昇には繋がらなかったです、個人的には。)基本的には自分の事しか考えられない了見の狭い性格はあまり変わっていないので個人的には好きにはなれなかった(むしろ私だったら閑雅の方を選ぶのですが。)キャラクターでした…。

 東宮閑雅…「これからは灰音専門の人妻キラーになるから。」
高成「諦めたんじゃなかったのか!?」

むしろそんな報われない片想いは諦めるべき所のような気がしますが、彼としては灰音と高成と3人で仲良く暮らせれば別に恋が実らなくてもどうでも良かった(「兄さんと灰音がいてくれればそれだけで良かった」と自分でも言っているしね…。)ようです。3人での結婚は第1話の時点から決まっていてOKも貰っていた(そんな結末にOK出すなよ、編集部!)そうですが恋愛感情でなく灰音の「お情け」にすがって結婚して貰う閑雅が、それではあまりにも情けないだらしない奴になるからとギリギリで変更されたそうです。(灰音の行動力で掟を変えて貰い婿養子になった高成も大概情けない奴だとは思いますが…。)色々な意味で「それで良いのか、男として…。」とツッコミを入れてしまったラストでした…。

 十夜…「ごめん。こっちだった。」

と、ブーケではなくあなたを貰いますと理恵子さんを抱きよせていますが主人公達が20歳になっている辺り時は(自然消滅的に疎遠になってから)4年も後で、普通は「告白の返事に4年越しでOK出すなんて遅過ぎるんだよ!」(今更そんな決断力の鈍い男と付き合うか!)とツッコミを入れられている場面です。(泣いて喜ぶ場面じゃありません。)「友達と喧嘩して憎み合って別れるか、話して理解してサヨナラするかそれだけでも未来が変わってくる」と灰音に理恵子さんとの関係を揶揄されてもいましたが話して理解した所でサヨナラした後に元サヤに戻れるかは未知数なので(ていうか説教をくらった4年前のあの時に付き合いなよ…。)現実はそう上手くはいかないだろうなと「幸せな結末」にツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 香宮舞加…「これから81日間かけて世界中周るんですね。」

そんな旅行費あるんなら家の修繕に当てるべきではないのか?(他家(東宮家)に融資まで出させて!)と常識的概念からツッコミを入れてしまったものでした。正気が戻ったのを良い事に和仁様に「じゃあそろそろ部屋に…。(もといベッドに…。)」と誘われて自分からOKを出した結果4人目の子供妊娠という事態になったようですが散々迷惑をかけられた乙宮夫妻(未だに2人の間に実子はゼロ。)の事を考えると素直に喜べはしなかったり…ゲフッ!和仁様の気持ちが19年越しで(長!)報われたのは良かったけれど全てを過ぎた事としてあっさり流すには多大な迷惑を掛けまくってしまった(特に子供達に)ような気がして2人が幸せな反面、微妙に納得できない気持ちが残ってしまいました…ゴフッ!

 成宮千里…「こんな事があって決まり悪くても、もうどうにもならないなんて婚約されたお二人は可哀想ですよね。」

今までの数々の不祥事(女性問題)がバラされたとはいえ家同士の利益で進められているのか「何があっても2人が結婚することは決まっている」事が強みなのか暦叔父様は「あらら、バレちゃった。」程度で全く気にしていない様子から可哀想なのは婚約者のみといえるでしょうね。(婚約披露の席で親戚中に夫の性癖をバラされた婚約者はいい迷惑だろう。)この先生が何かと潮を気にかけて優しくしたのは沙花に似てたから(あくまで本命は沙花)だという話でしたが、だったらキスしたり抱き合ったりするのは浮気であり沙花に対しても潮に対しても不誠実ではないのかと改めてこの男に苦手意識を抱いてしまったものでした。潮の写真を(Eセットまで)購入して眺めているのもストーカー的で嫌悪感を催し「嫌い」ではなく「先生のバカ!キモい!」の間違いだろと潮にツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

 天宮潮…「感情だけで恋愛する人じゃない。そんな所も好きだったから。」

彼女の初めての相手である暦叔父様は感情だけで相手を選ぶ人じゃないだけに「選ばれた」と思ってしまったんでしょうね。(現実は自分の都合の良さだけで相手を選ぶ(しかも姪っ子という近親相姦も厭わない)最低男でしかない訳ですが。)番外編「恋愛迷宮」より13歳の時点で既に叔父の手にかかっていたことも分かり(夜中に忍び込んできた灰音を「叔父様?」と勘違いしている辺り彼はいつも夜中に潮の寝室に忍んできたことが分かる。13歳相手に犯罪だろ。)最低な環境で育てられた彼女に改めて同情してしまったものでした。それにしても初恋の相手は近親相姦までする手当たり次第の叔父、現在好きなのは恋人の面影を追いながらも他の女達に期待を持たせる千里先生(思わせぶりに接していたチョコ先生は、あの後どうなったんだろう…?)と潮は果てしなくどこまでも男を見る目が無いんだなあ~と涙してしまったものでした。カップル成立してる反面、正直あの男に潮を任せるのは不安いっぱいで仕方無いのですが…ゲフッ!

紳士同盟クロス⑩

2009.08.19
 この当時種村先生はアシスタントを募集していたそうですが採用してからその人の住所が北海道だった事に気づき「関東在住って応募資格に書いたのに!交通費全額支給なのに!」(良く見れば他にも高知や神戸など関東外からの応募があったそうな…。)愕然としたエピソードが描かれていました。次巻はいよいよ最終巻で「何一つ想像にはお任せしない事を約束する」旨が書かれていましたが…アレはむしろ想像(改変)できる余地を残しておいてほしかった終わり方だと読んだ後でツッコミを入れてしまったものでした。(ツッコミを入れられる分だけ楽しかったけど←オイ!)

 東宮閑雅…「僕が死ねば誰に文句を言われることも無く兄さんが東宮家の当主になれる。」

高成との当主決定エピソード(過去話のモノローグ)を通して「本当はずっとお兄さんの事を思いやっていたんですね。」(いい奴じゃん!)と人気が急上昇したそうですが作者は逆に「実の兄貴を見捨てて、ずっと監禁させていた(それを仕組んだ)奴がいい奴なの!?閑雅を許せる読者の皆がいい子だよ!」と(閑雅>高成の読者の反応に)大焦りしていたらしいです。裏切った事をずっと後悔していたにしても、それを1人で抱え込んで勝手に死ぬのは間違っているし見捨てた事実にも変わり無いかもしれませんが相手の立場や気持ちを全く考えずに自分の不利益ばかり見ている(辛い思いをしている自分の事しか考えずに実の弟の気持ちや立場を想像することさえ忘れている)高成の方が余程身勝手だと思う私としては自分の命を捨ててまで当主の座を返そうとする閑雅は潔くて好感が持てたものでした。(後ろ向きな思考だという事は認めますが…でも…でもね…。)

 東宮高成…「何もかもが無駄だった。もう2度と会いたくない!どうして放っておいてくれなかったんだ!」

「君をこの手で傷つけるなんて。」(そう思うなら辞めろよ、とツッコミを入れてしまいました。)と自己陶酔に浸りながら恋人とのお別れを選んでいる(相手の意見も聞かずに自分1人で勝手な結論を出している。)様には閑雅との過去も含めてむしろ「独りよがりで自分勝手」(辛い思いはしてきたけれど自分の気持ちしか考えていない。)なのはこの人の方ではないかなと共感できなかったものでした。灰音との別れ(傷つけて突き放した)を選んだ割には最終巻では閑雅と彼女の魅力をどれだけ分かっているかラブバトルショーをしている(ついさっき当の本人を泣かせて別れたことも忘れて恋人顔している。)様に、どんなに酷い事を言っても相手はついて来てくれると思っている辺り嫌な男だなあ~(勝手な事をしても自分ならいくらでもやり直しがきくと考えているなんて何様のつもりなんだろうか?)と改めて嫌いになってしまったキャラクターでした。

 東宮沙花…千里「逃げよう抄花!子供を産む役目は終えた!君はもう自由になるべきだ!」

いつの時代のどこの話だ!(人権の確立した20世紀以降の話でこんなお家騒動が有り得るか!)というツッコミはお二人には届きません。(子供を産み捨てて逃げるなよという常識的な意見もね…。)高成によると彼女もまた本妻・莢果さんの影武者でずっと監禁生活を送っていたそうで東宮家が決めた莢果さんの結婚相手の子供を産んで(この話の終わり方の「3人で結婚する」方式は親世代から健在だったらしい。)余計に体を弱らせたせいで(その上で千里に雪が降る寒い所に連れ出されたせいで)お亡くなりになってしまったようです。話によると東宮家では血を守る為に兄妹で結婚させていた時期もあったそうでその場合に出るのは白血病じゃなくて血友病と奇形児なのではないかともツッコミを入れたものでした…ゲフッ!

 成宮千里…「誰の前でも眼鏡は取らないって約束した。恋人と。」

潮とBまでしていてキスまでしかけて裸まで見ていて(風呂場に同伴…。)今更になって他に恋人がいると告白するのはどうなのか。またその恋人が産んだ息子が既に16歳になっている辺りこの男は今何歳なのか(若く見積もっても30過ぎのオッサン…?)改めてこのキャラクターに生理的嫌悪感を感じてしまったものでした。亡き恋人の抄花さん(閑雅様と同じ白血病だったそうですが白血病で何故、喀血を…?)とのエピソードでは駆け落ちする前に双子の姉の莢果さんに骨髄移植をお願いするのが先だったろう(病気の人間を雪の中に連れ出したら、そりゃ死ぬだろう。)とツッコミを入れざるを得ず抄花さんといい潮といいチョコ先生といい、女達にいい顔をして期待を持たせておきながら、その実、最終的には不幸(死別も含めた「破局」)に突き落としている彼の行動に嫌らしさを感じて好きになれなかったものでした。(亡くなった抄花さんこそが本命で遺言を守り続けるほど責任を取っていると言うのなら他の女とBまでするのはルール違反ではないの…だろうか?)若くて人生経験が足りないせいで気配りができないのなら分かりますがお年を召してこの性格は嫌過ぎるような…ゲフッ!

 余談…前巻で火事になった「香宮家のお屋敷や使用人への補償の為に東宮家が融資を引き受けた。」そうですが、そんな理由(文字通りの「お家」の事情。柱1本でも残ってしまったが最後、完全に人が住めない状態でも「全焼」とはみなされず保険が下りないって話は知っているけれど。)で娘の婚約者に甘ったれて金を借りるなよとツッコミを入れてしまったものでした。

紳士同盟クロス⑨

2009.08.18
 ちょうどこの頃担当さんがまた代わった(これで5人目でハッキリ言って代わり過ぎ(さてはタライ回しされてるな!?)とコメントがありました。)そうで坊主頭の上に剃りこみが入ったヘアスタイル(ヤクザ組織の香りでいっぱいです!)作者をアンタ呼ばわり(でも小池田マヤ先生が「担当のハリーが作者(自分)の事をアンタと呼びます。これは礼儀的にどうなんですか?」と自著(「…すぎなレボリューション」)で語っていた辺りそんな失礼な担当さんは他にも存在はするらしい。)打ち合わせでも「色々あんだろ?取りあえず全部出してもらおうか?」(権利書や現ナマを要求するんじゃないんだからさ…。)と問題発言を連発する(これでも伏せ字を使わなくて済んでいる分マシな発言らしい。)様に衝撃を受けたのか、それまでの4人と違って巻末オマケマンガで(書き下ろししてまで)語られていました。とはいえそれを「いつも楽しませて下さいます。」と謙虚に(持ち上げて)表現し「顔が広く社内では凄腕で有名で紳士同盟クロスの切手の企画を実現させたりやっぱり凄い人。」と褒めている辺り人間が出来ている作者だなあ…と感じたものでした。

 香宮舞加…「灰音の声が聞きたくて…?いいえ、今思うとそれはただの口実で建前。」

…え?灰音(子供の存在)は2の次だったの?とショックを受けましたが、ともあれこの頃はまだ樹様も緑香さんと結婚する前でモノローグにある通り樹様と結ばれる「最後のチャンス」ではあったのでしょうね。(小牧と橘、2人の子供達の存在を無視するのなら…ね。)記憶を失くした後うわ言でペラペラ樹様とのラブロマンス及び灰音の名前の由来(=出生の秘密。小牧が必死で灰音を香宮家から遠ざけようとしていた理由が分かります。)を話していた事から情報はダダ漏れだったようでその事で傷ついている子供達(人格崩壊が原因で生まれてからずっと母親と触れ合えなかった橘も可哀想。)がひたすら哀れでした。初恋の人(樹さん)と結ばれなかった事は同情しますが灰音を作った辺り(燃えて無くなってしまったとはいえ)恋は立派に実らせたし子供を慈しむことも含めて記憶を「忘れた」事は完全に母親失格で和仁様を救ってくれた反面「親」としては好きになれなかったキャラクターでした…。(和仁様の事だってこの人がちゃんと話し合っていればここまでこじれなかったのでは…?)

 香宮和仁…舞加「許してはいけない人でした。憎んでいなくては私は私を保てませんでした。」

それでもヤルことはしっかりヤッていたのかアンタ達…(「灰音の出生の真相は隠し通せるわ。」という根拠の無い自信からも結婚直後からちゃんとセックスしていた事は分かりますしね…。)とツッコミを入れてしまったものです。出生の真実から灰音は「私さえいなければ父様と母様は時間がかかっても幸せになれてたかもしれない。」と言っていましたが正しくは「灰音さえいなければ」ではなくて「舞加さえ避妊してセックスしていれば」(むしろヤらなければ)の間違い(そもそもの原因は何もしていない灰音ではなく婚約しながらも他の男とセックスした舞加である。)で不義の事実を知りながらも全部許している(そして彼女が責任放棄して記憶を失くした後も面倒を見ている)和仁様に涙してしまいました。最後はめでたく両想いの運びとなっていましたがそれにしたって19年も引っ張るネタじゃないだろ!とツッコミを入れざるを得ずハッピーエンドの割には皆に迷惑をかけ通した経緯に改めて舞加様に微妙さを感じたものでした…ゲフッ!

 乙宮樹…「さよならを言いに来たんだ。約束を待てなかった僕をどうか許してほしい。」

さよなら(「もう会わない」)は19年前にしっかり言っており、それを聞き流していても夫との間に他に2人も子供を作って相手(樹様)の方も他の女と結婚している事実だけでもう2人の間は立派に「終わっている」(さよならを言うまでもない)と言えると思うのですが…。(19年も経った今更になって学生時代の恋を理由に呼び出されるのも迷惑な話である。)樹様の方は19年前から「お別れ」の結論は変わらなかったようですが、これで舞加の方が彼に未練があったらどうなっていたことか(灰音が養女に行ってから何年間も「樹様…。」とうわ言で未練タラタラだった割にはあっさり心変わりしたよね、舞加様…。)勝手な真似ばかりしてきた舞加様の全てを許している(そもそも舞加が和仁様に「誤解」されるほど親密に接しなければ2人が引き裂かれる悲劇は起きなかった…ていうか彼氏がいるのに他の男とも仲良くする女って。)彼には心の広さを感じたものでした…。

 乙宮緑香…「もう…帰ってきて下さらないかと思ってました…。」

息子の草芽は今の夫(樹様)の子供ではなく確かなものが何も無い中で子供まで作った以前の恋人に会いに行かれたら不安も募ったでしょうね。(夫の「愛人」の子である灰音を郭公の托卵のように育てているのも考えてみれば酷い話である。)夫婦間に亀裂が入りそうな呼び出しをされたり奥さんもまた被害者となっている(正確には「舞加様も奥さんも」じゃなくて奥さんこそが被害者。)様には改めて舞加様の2つのラブロマンスに共感できなかったものでした。また生徒会の役員でもない一般女生徒であった彼女まで知っていた樹様×舞加様の噂(目につく所で膝枕までしていたら、そりゃバレるだろう。)に再度「隠す気あったのかよアンタ達!?」とツッコミも入れたものです…ゲフッ!

紳士同盟クロス⑦⑧

2009.08.17
 8巻の表紙は「人気投票で見事1位をゲットしたキャラクターへのご褒美と投票してくれたファンへのサービスでその人物を1人ピンで描く」(それまで郵便屋さんと守衛さん、十夜君達東宮家お付き3人組などなど複数人が続いていましたが)とあったのでてっきり灰音がまた来るのかと思いきや小牧の絵だったのでビックリしました。(主人公である姉を超えたのか…凄いな。)髪の毛の艶ベタは大変なキャラなものの結果が結果だけに以来気を引き締めて塗るようになったそうです。

 辻宮征光…「僕が君ならいいのに!僕が君なら潮さんを幸せにしてあげられるのに!」

最も潮が望んでいるのは(本人も自覚していませんが)恋愛の成就ではなく自己肯定して貰う事であり、男でも女でも恋人を作っても幸せになるには自分の力を使うしかないので灰音が言う通り「それで問題は解決しない(バカ言わないで!)」のでしょうね。他の男達が彼女との付き合いですぐにセックスに走っていたのに彼だけは交換日記から交際を始めていた辺り(どんだけ初歩から手順を踏んで交際しているんですか…ゲフッ!)純情ぶりが伺えて、手を出していなくともB(お膝に抱っこ)と視姦(素っ裸でバスタブに入っている時にすぐ隣にいる。出て行けよ!)はしているエロ保険医よりも余程好感が持てたものでした。正直男にはモテルのに何故あの保険医を選ぶのか潮さんの趣味の悪さが未だに分かりません…ゴフッ!

 天宮潮…義母「私に子供さえ産めればあなたのような子を引き取らなくても済んだのに!」

愛人の子供なものの体外受精で作られたという事実に某予備校の社長愛人の話を思い出しました。(とっくに閉経している年齢のくせにある日突然「あなたの子供を産みました。」と赤子を出してきたのでDNA鑑定で調べてみた所「確実に社長の子供だが確実に愛人の子供ではない。」という驚愕の事実が発覚した。精子を手に入れられる立場を利用して体外受精+代理母出産で勝手に子供を作ったらしい。結局子供が社長の血を引いていても財産を分けて貰える権利があるのは実母だけとして思惑通りには進まなかったそうですが。)潮を作った手段が体外受精でも天宮家当主と愛人がセックスしていた(子供を作るのに100%確実な体外受精を使ったというだけで)という事実には何も変わりがなく正妻としては忸怩たる思いがあったようです。(にしたって食事に毒を持ったり首絞めたり悪口言ったりするのはやりすぎというか虐待で共感はできませんでしたが。)可哀想なのはいつも親の勝手に振り回される子供だよな…と複雑な事情の元に生まれた潮に同情してしまったものでした。

 香宮和仁…「両想いのつもりだった。」

いや、手作りのクッキーを差し入れたり(異様に粉っぽいから本命の樹様にはあげられないという理由だったら…悲しい。)何度も親しく話したりの特別扱いをされたら誰だって「誤解」するだろ…と舞加様の不手際ぶりに「…。」と思ってしまったものでした。本命の恋人である樹様との関係を公表するのを躊躇っていたのも彼女(その割に副会長の和仁様の前(人前)で平然とキスしていましたが…隠す気あるんだか無いんだか。)の自業自得で外堀から埋めることをしなかった彼女の身から出た錆にも思えて、むしろ期待を持たされてどん底に落とされた和仁様の方に同情したものです。男は現実をきちんと見ない勘違い野郎という1面もあるので不特定多数にバラ撒く(それでも勘違いする男は勘違いをするので危険。)のでなければ手作りの物を渡すのは辞めておきましょうね、舞加さん。(マフラーのプレゼントさえ「手編みの物って気持ちが籠り過ぎていて重苦しい」と言われているんですから…。)

 璃宮舞加…「樹様は子供が作れないと1度診断されている。」

不妊治療にいそしむ夫婦だったら分かりますが何で高校出たばかりで結婚もしていない男がそんな事を調べてるの!?(しかも和仁様が強制した訳でなく自ら進んで調べたらしい。)と考えてどうやら樹様の方では始めから灰音の出生に関して「疑惑」を感じていたらしい事に思い到りました。(結局「子供が作れない」のではなく「子供ができにくい」体だっただけなのでしょうね。)100歩譲って隠し子まで作った樹様とのロマンスを受け入れても、夫には都合の悪い事は何も言わずに郭公の托卵のように他の男の子供を育てさせるのは酷過ぎるし、現実から逃げて子供全員を忘れ去るのは確実に母親失格で友人には嫌われていたキャラクターでした。運命を捻じ曲げられた人生には同情しますがしわ寄せが行っている子供の立場を考えると賛同はできない母親だと私も感じたものでした…。

紳士同盟クロス⑥

2009.08.16
 これまでの長期連載2つ(「神風怪盗ジャンヌ」と「満月をさがして」。どちらも全7巻。)を越える長さになった連載という事もあり作者的には感無量だったようです。最終的には全11巻という長さまで続くので(とうとう2桁行ったんですね…。)それまでツッコミを入れながら話を追っていこうと思います。(ツッコミを入れる方向かい!)

 乙宮灰音…「まおちゃんが私のこと好きって言うのは私と真栗が似てるからだよ。」

それを理由に公衆(恋人含む)の面前でキスされるわ、恋人の皇帝(生徒会長)の立場にはリコール出されるわ、周り中から噂されるわ、灰音にとってはいい迷惑だったでしょうね。(そりゃ怒るよな。)手を出されている反面それは好きな人(真栗)の身代り扱いで気持ちがこもっていない事も女として人間としてやりきれなかった事でしょう。「自分を誤魔化す嘘をつく」のはまおら本人の勝手ですが他人を巻き込んで迷惑をかけるのは辞めろよ!と灰音同様、大迷惑野郎のまおらにツッコミを入れたものでした。

 東宮高成…「自分で俺のものにするから。」

開き直りやがられてから灰音にも優しくなりラブラブになってきた様には(別人で2人いると分かってから灰音はどんどん高成様本人に傾くようになりましたよね…。むしろ「恋人の身代り」にされているのは閑雅様の方だったのかもしれません…ゲフッ!)本人(閑雅)のいない所でズルイ男だな、コイツ、とあまり好感は持てませんでした。「いつからですか…?」というより「今更ですか…?」という思いが先立って今までコロコロ態度変えて灰音に八つ当たりしていた過去も相まって好きにはなれなかったものです。「好きだ。」と告白する前に「今までごめんなさい。」と謝る方が先だろとツッコミも入れたものでした…ゲフッ!

 辻宮真栗…「これ以上近づけばずっとそばにいるか取り消せないほど傷つけて別れるかどっちかじゃけ。」

つまり真栗としてはまおらと無理に恋人になりたい訳ではなく今のままの友達でいたいのでしょうね。(「まおらは大切な人間だけど『進展』するのは嫌だ。」と言ってますよね…。)同じ顔でも社交的で明るい閑雅(気さくなくせに本当の心は見せず完璧な笑顔で他人を排斥していたある種の偽善者)は嫌いな事から2重人格者のまおらは180度彼の好みから外れる(しかも顔も好みではない。)事も知れ告白されても「困るから動けない」(嬉しくはないんだよね…。)という彼の気持ちはよく分かる気がしました。最終的には付き合っていましたが、それも知らないうちに同一人物(郵便屋さん。これが真栗の好みと知っているのならいつもこの格好&性格でいてあげればいいのに結局相手に対する思いやりより自分の都合の方が大切なのね、まおらさんは…。)にモーションかけてしまった責任を取っただけに思え、あまり萌えなかったものでした…。(郵便屋さんの正体が実はまおらだったという「悲劇」もまおら本人がサッサとカミングアウトしておけば起きなかった事態なので、まおらには自業自得で共感できない反面、大切な事を隠されて振り回された真栗には同情してしまったものでした…。)

 一ノ宮由貴(まおら)…「真栗は何で男の子が好きなの?まおらが『男の子』だったからじゃないの?」

ゲイが何故男が好きなのか、それは一般的大多数の女性が男性を好きな事と同じ生理的な「感覚」であり相手の性別が同性だから男がOKになったという事とは違う(それはゲイ(男色)ではなくバイ(両刀使い)と言うのです…。)ので「実はそれこそがずっと自分を追いかけてた証拠だ。」というのは真栗の言うとおり自惚れが過ぎると感じたものでした。「それなのに1歩を踏み出せない弱い真栗は嫌い!」というのはもはや完全に勘違い思考に近く思え、真栗に似た性格の女性(灰音)にモーションかける行き過ぎた行動といい大迷惑野郎ぶり満載な様にはもはや何も共感できなかったものでした。恋することは素敵な事ですが「恋情を理由に何をしてもかまわない」という自己本位な考え方は間違っている訳で性格悪い男だなあ~(周りの迷惑を考えなよ。)と改めて思ってしまったものです…ゲフッ!

紳士同盟クロス④⑤

2009.08.15
 この作品の連載中に首に突起(腫瘍。石灰石や脂の塊などの固形物。盲腸などと違い薬で散らしたり自然に治ったりする物ではなく外科手術で切開して取り出すことが必要。)ができて手術する羽目になったそうで(しかもその腫瘍は予想外に大きく(奥歯位の石が3個もあったんだとか。)麻酔を足して40分以上の大手術になったそうで)辛い手術を終えてボーっとしながらも単行本コメントのネタになると考えていらした辺り、やっぱリこの人はプロだなあと改めて感じたものでした。

 乙宮灰音…「私はこの家で自分だけよそ者だから、お金払って居場所を買っているつもりだったんだ。」

高校生のバイト代風情で会社経営の足しになる訳ないだろとは思っていましたが、やっぱりこういう当たり前のオチが待っていました。とはいえ潮曰く「今も灰音が前向きになっただけで『他人』に囲まれて暮らしている苦痛でしかない『状況』は何も変わっていない。」そうで灰音なりに必死ではあったんでしょうね。だからこそ、その行為を金で人間(実の娘)をやり取りした父親と同じじゃないか(父親を軽蔑しながら自分だって同じ事をしているじゃないか)と自分で打ちのめされてしまった時にはショックだったようです。最終的には家族に甘える事もできるようになった灰音でしたがまた一つ本当の家族(香宮家)から離れてしまったようで(実の母親は灰音の事も忘れて自分の世界に逃げ込んでいるし。)色々複雑に思ってしまったものでした。

 十夜…高成「千里。こいつにするぞ。俺に一生仕えるんだ。」(2巻より)

何様だ、てめえは!と常に上から目線で恩着せがましい高成に一気に嫌悪感が募ったものでした。(いくら捨て子時代より裕福な暮らしができると言っても家来扱いで一生を縛られるのはあまりにあんまりな人生だと思いますが…そんな毎日でも宝物なの?)「家撲の自分と一緒にお茶してくれるなんて!」という身分差別バリバリの思考で感激している様にはこの子は一体、何時代に生きている人間なんだ(今は四民平等がまかり通っている平成時代のはずなのでは…?)とドン引きしそれを当然と受け止めている高成の傲慢さにもついて行けなかったものです。とはいえこの子も「灰音が高成の手に入れば彼の気も晴れる」と高成の略奪愛(と言えば聞こえは良いがただの泥棒猫恋愛である。)を進めたり他の誰もどうでもいいという腹黒い思考回路を持っており実は純粋でも何でもない(天使のような甲斐甲斐しさは演技である。)様子には微妙さを感じて主従共々好きになれませんでした。「生涯あの方にお仕えする身ですから一生恋愛も結婚もしません。」という行き過ぎた思考回路には彼に想いを寄せる理恵子さん同様「そんなの変だよ。アンタおかしいよ。」とツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

 乙宮草芽…「灰音は俺の姉ちゃんだ!」

灰音に恋するも義理の「弟」である事を主張することでしか彼女を振り向かせることができない(2人が姉弟から進展する日は永遠に来ない。)事を誰よりも知っているが故のセリフです。灰音も草芽が自分に気がある事を仄めかされても全く意に介していない(挙句に他の女(小牧)との仲を応援している。)辺り灰音の中で草芽は男としてはどこまでもどうでもいい存在である事が知れ、それならば自分にもまだチャンスがある(むしろ自分の方が可能性がある。)と小牧も思い直した様子です。「好感だけは権力で買えない」ものの「レアチケットなどのエサ(金を駆使してのプレゼント)で釣る」事はできる(オイ!)訳で一生懸命な様子に草芽も次第に心を動かされたようでした。草芽と香宮家、灰音と東宮家と姉弟2人して玉の輿に乗った事ですし乙宮家具もこれで安泰でしょうね。(注目すべきはそこなの?)

 香宮小牧…「乙宮草芽くん!好きです…。」
草芽「72点。」

と、潮さんのようにギャグに逃げて誤魔化せば良かったのですが、いかんせんギャグというのはタイミング大事な代物で固まってしまったが故にアドリブで逃げる事もできませんでした。(沈黙が続く前に「ゴメーン!」と叫ぶのが結局1番無難なお断りの返事のようです。)そんな草芽の性格も彼の気持ち(本命は灰音)も知り抜いているからこそ偽物でも何でも「恋人」になりたい(「どんなに嫌な女になっても草芽の側にいられるのなら構いません!」)と願う辺りはやはり灰音の妹だなあと感じたものでした。レアチケット(VIPルーム)といい誕生日パーティーが一大イベントになっていたりスケールの大きさにはさすが大金持ちと感心したものです。

 余談…デートでNGな食べ物についてハンバーガー、サンドイッチ(大口開けて食べなければいけない。)ミートソースパスタ(口の周りが真っ赤っかになる。)ラーメン(ズルズルすする。)ピザ(チーズで糸を引いたらカッコ悪い。)などがあることを分かっている(なので親子丼やピラフなど口に入れる大きさを調節できるご飯物がベスト。)辺りちゃんと理解しているな、この作者、と感心したものでした。

紳士同盟クロス①~③

2009.08.14
 種村先生には珍しくファンタジー要素の全くない学園物です…が、金持ち度合によって差別があったり、お家騒動があったり普通の(一般人の)学園恋愛物とは明らかに異なってしまっている(何故一介の高校生風情を様づけにしたりお辞儀して道を譲ったりするの?皇族か!?)ぶっ飛んだ作品になっています。もしかして本当に皇族が通っている某お嬢様お坊ちゃま学校(噂によると旧来の華族同士などは卒業後も頻繁に同窓会を行ったり一生親しく過ごす反面一般人とは在学中から付き合わないらしい。)をモデルにしたのかと思いきや友人より「この作者は絶対そこまで考えていないよ。」とのコメントを頂きました…ゲフッ!

 乙宮灰音…閑雅「五千万円で売られた…?」

人一人の値段にしては五千万円は安過ぎ(会社を立て直すのには120億かかったから養女代の5千万円は「はした金」に過ぎない。)と作者は言っていましたが現実の養子縁組は無料で行われており一時期影で盛んに行われていたらしい赤子の売買も100万円超えの話は聞かない(日本人の子供は頭が良いからと高値で買ってくれたらしい。)し、現代は昔より貨幣価値が上がっているという背景を考慮しても「高過ぎる値段」だと思うのですが…。結婚しても分け隔てなく(むしろ溺愛して)育ててくれている樹パパも物凄くいい人で(現実の養子縁組は「一緒に暮らしてみたらやっぱり気が合わないからお返しします。」という施設逆戻り(再度捨てられる)のパターンも少なからず存在する。)「親に捨てられた」割には恵まれている子だなあと感じてしまったものでした。

 東宮閑雅(本物)…「こんな夜に眠れないで1人で泣いたりしないで君は君らしく生きなよ。」

真栗曰くこの本物閑雅は気さくなくせに自分の心は見せずに周囲を偽っていた気に食わない人間(ある種の偽善者)だったそうで(最も幼い頃から笑顔の仮面(外顔の社交辞令)に囲まれて育ってしまうと自己防衛の為にもそれが身についてしまうのも仕方ないと思いますが。)それもあってひたむきで純粋に気持ちをぶつけてくる灰音は新鮮だったようです。双子の兄を陥れてまで当主の座をゲットした閑雅と不良(ヤンキー)になり果てた灰音と、自分の中に弱さや欠点があるからこそ「憧れた相手の姿」を道標に頑張って生きて行く姿が素敵だなあ(最も相手の本質が変わっていなければこそ成り立つ美談で現実問題5歳の頃から変わらずにいられるのは不可能でしょうが…ゲフッ!)と再会をきっかけに純粋さを取り戻していく灰音の姿に惹かれたものでした。そしてまたそんな運命の相手なのに別人(双子の兄)にすり替わっても気づかないのねと灰音の判別力の低さにもツッコミを入れたものでした…ゴフッ!

 東宮高成(偽物)…「灰音が好きになったのは絵本を描いた俺だ。だけどあの日あいつを暗い夜から救い出したのは確かに閑雅なんだ。」

つまりこの人は灰音を救った事も本当の意味で助けたことも無く、何の努力もしていないのに灰音に愛されているだけの恵まれた男なのでは?(絵本だって「灰音の為に描いた」訳ではないですしね…。)と今一つこの人の恋(ほとんど自己陶酔)に共感できなかったものです。学年トップを取りながらも生徒会の仕事はちゃんとこなす事務能力の凄さは認めますが能力がついて行けない人はあからさまに馬鹿にするし人とは関わろうとしないし(そもそも「閑雅」を演じれていないじゃないですか。)アンタの周りに生徒会とお家の人以外の人間が集まらないのは影武者だからじゃなくて性格のせいだよとツッコミを入れてしまったものです。親友の潮とBまでされたり(下半身は「何もなかった」とはいえ…。)突然恋人を解任されたり、こんな人の勝手にいつも振り回されて傷つけられている灰音は大変だろうなあ(同じ「閑雅」なら取りあえず兄貴の方は辞めとけや。)としみじみ思ってしまったものでした。

 一ノ宮由貴(まおら)…「皇帝に恋なんて不毛だからもう辞めちゃいなよ…。」

不毛でも偽物でもいいから側にいたいという真栗の気持ちは完全に無視されています。(実はこの人、相手の気持ちなんて考えていません。)作者にも「生徒会中で1番性格が黒い。」と言われている2重人格者(後に分かる事ですが郵便屋さんの正体は他ならぬ彼。)であり幼い頃から真栗に惚れているも彼が自分に振り向いてくれないから意地悪を繰り返す、何とも性格の悪い男です。いくら恋情故でもしょっちゅう自分を馬鹿にする人間なんて付き合う付き合わない以前の問題で一緒にいるのが嫌になるのは自然の流れで、だから2度も「あなた自身」は選ばれなかったんだよ、とツッコミを入れてしまいました。(3度目の正直はあったとはいえ、それも「自分を選ばないのならもう絶交だ!嫌いになるからな!」と相手を「追い詰めた」結果であって…自然じゃないよね。)皇帝と真栗を引き離した(灰音を生徒会に入れて2人の関係を破局に導いた)のも彼で性格の漆黒さから好きになれなかったものでした。見た目(だけ)は明るくて可愛いけど腹の中はブラックですよね、この人…。

 余談…「何すんだコラァ!離せよ!」と言っていたガラの悪い灰音でしたが相手が閑雅様(かつての憧れの人)と思いだしたとたん見事に(その場で)性格と言葉使いが変わった変化の激しさにビックリしたものでした。(3年の冬から勉強して志望校に受かったのも凄い。恋って偉大なんですね…。)

おにいさまへ…

2009.08.13
 百合的闘争漫画の先駆けと言える作品…でしょうか?舞台は上流階級ばかりが通う名門女子高であり「華麗なる人々」の家柄や血統にこだわる事の愚かさが主人公という一般的な女の子(なのかは個人的には非常に微妙ですが)を通して描かれています。…が、迫るお姉様に、歪んだ姉妹愛に百合的な萌え要素はてんこ盛りとは言えるのでしょうが同じ女としては笑えないシーンも多く私的には読み辛い作品ではありました。全2巻という短い物語なのに(カテゴリが百合という読者を限定しそうな作品なのに)「あの池田理代子の作品」だからかネットでの感想コメントはやたら多くて驚かされもした物語です。(まあ、良くも悪くも濃い作品ではあるからな…。)

 名門女子高校・青蘭学園…体操服にまで香水を振りかけ(「二ナ・リッチだわ。」と匂いで判別できる主人公も凄い。)読む本はライナー・マリア・リルケやサド(浅田次郎とか西村賢太とかの日本人作家じゃないんだ。←元ヤクザと女の歯まで折った最低人足では乙女チックな雰囲気ぶち壊しだから!)涙した時に入る時計塔に刻まれた詩はヴェルレーヌ(ここは日本人として宮沢賢治の「雨ニモマケズ」でしょ!)という耽美趣味の極地に位置する濃い高校。日本人なのに「ミス・ボルジア」や「モナリザの君」「バンパネラの君」と外人名を当てはめている姿(平たい日本人の顔でその名称ね…。)など、もはや痛々しくて見ていられない一面もあり普通の高校を出てそれになじんでいた私としてはついて行き辛い環境設定でした。制服云々言うよりもまずは高校を選べと主人公にツッコミも入れてしまったものです…ゲフッ!

 御苑生奈々子…「おにいさまになってください…。」

ラストでは義理の父親の実子であり家族関係上、本当に「お兄様」に当たるというオチは有りましたが名前さえ覚えて貰っていない知り合い以下の男に対して普通はいきなりこんな事言わないだろう(質問等を通してよく話をする「仲の良い間柄」だったらまだ分かる。それにしたって「文通相手になって下さい。」が普通である。)と物語序盤からドン引きしてしまった主人公でした。生まれの卑しさで迫害を受け女相手に恋い焦がれる辺りは「ベルサイユのばら」のロザリーを連想させる人物ですが、いくら「麗しの君」でも宝塚のような格好でギターを持って色んな教室に演奏しに行く明らかな変人(日本にこんな高校生いないよ!)相手に想い焦がれる辺りも個人的には共感し辛く(学校をサボる以前にあのお方相手に並んで歩くと変に目立って落ち着かなそう…。)行き過ぎた思考回路にはどこまでも一歩引いた目で見てしまった記憶があります。それが百合漫画であり乙女思考だと言ってしまえばそれまでなのですが…ゲフッ!

 信夫マリ子…「あなたは男性の不特定多数の女性に対する無責任な性衝動と手前勝手な所有欲をどのように説明し弁護なさるおつもり!?」

それが偏見ではなく夜がどのように男(父)をオオカミに変えるか見てきた(本妻と愛人が同居する家で育った)彼女はそれが娘の誕生日に招く友達が一人もいなくなるほど軽蔑に値する弁護のしようの無い事実だと実体験を通して知っているのでしょうね…ゲフッ!官能小説作家の娘であり金は有りながらも人はいない現状を哀れに思う反面、豪邸を建てホテルの一室を貸し切れるほど小説家とは儲かる職業だったろうかとツッコミも入れてしまったものでした。(エロ小説では絶対に直木賞とかのご立派な賞の候補に入れないはず。口コミでそこまで売れるエロ小説もある意味伝説である。)母と共に捨てられるも慰謝料2千万なら当面の生活には確実に困らない(どんだけ稼いでるの、お父さん!?)でしょうしセレブなお家の御曹司(一の宮貴兄さん)とのフラグも立っているし変な話ですが心配はいらないなと安心したものでした…ゲフッ!

 花のサン・ジュスト様(朝霞れい)…「どっちの耳?蕗子さまの唇が触れたのは…どっち!?」

「主人公に」キスしたのかと思いきや単純に蕗子様と間接キスをしたかっただけだという内情にはもう、笑うしかありませんでした…ゲフッ!(「あなたの心の中は蕗子さまでいっぱい…。」by奈々子)今はないがしろにされているけれど昔は一緒に心中してくれるほどだった(昔は確かに愛されていた)その事実が心の拠り所だったのに、それが実は自分を抹殺したいが為の演技であり「こんな奴、殺す価値も無い」(こんな奴の為に自分が刑務所に入るのは嫌だという保身)から生かされていたに過ぎなかったという真相を知ってしまったが為に絶望したんでしょうね。自殺直前に会いに行くのも「蕗子さまに貰った抱き人形に似ている」主人公である辺り病の深さが伺えます。いくら愛されても露ほどにも蕗子様本人に似ていない主人公では相手役としては無理があったんでしょうね…ゴフッ!

 宮さま(一の宮蕗子)…「れいを見るたびに私は優越感と誇りでぞくぞくしたわ!私より劣った人間、私より血の卑しい人間!一生側に置いておきたいとさえ思ったわ!」

彼女曰く「それでもれいを愛していた」(傷跡が残る程手首を切ったり剣山で攻撃した人間が言うセリフじゃないな。)そうですが、そんな絶対権力者に奴隷のようにかしづく関係の下でしか認めて貰えない愛され方では死にたくもなるでしょうとツッコミを入れてしまいました。結局愛する男(「おにいさま」こと辺見武彦氏)も愛する奴隷(れい)もプライド(ソロリティ)も全てを失ってしまった彼女。全ては影で策略をめぐらし人を貶めてきた自業自得の結果でもある(男の為に余計な騒動の種を撒いて不信感を抱かせなかったら、れいを妹としてちゃんと愛していたら、こんな事にはならなかった。)のでラストシーンで涙しようが、もはや誰もあなたに同情しないよとしっかりと釘を刺したものでした…ゲフッ!

 右大将・薫の君(折原薫)…「れいは生きようと思えば生きられたのに死をしか見ようとしなかった。余命5年未満の私の苦しみを知っていたのに1人で逝ってしまったれいが許せない…。」

自殺か病死かの違いはあっても同じ「死に直面している人間」として親近感を持っていただけに乳癌の手術をした直後であり再発を恐れていた彼女にとって「仲間の死」は余計に恐怖心をかき立てられた事でしょうね。それはそれとして「お乳が無くなる」程の大手術はしても意味が無いのに(服の上からでも「胸の辺りが変」と指摘を受けるほどアンバランスになっている。昔は癌本体だけでなくその周りの健康な肉を大量に切り落としていたので、おそらく乳房丸々ザックリと「抉り」取られたのだろう。…ペチャパイでも異様さが伝わってしまうほどに。)と近藤誠先生の著作を読んだ私としてはツッコミを入れてしまいました。(癌は視認できる大きさになっている時点で既に全身に細胞が回っており、手術は「今ある異物の排除」はできても「これからの予防」にはなりえないのだ。)…普通の漫画だと結局再発ならずにハッピーエンドで終わるんですけどね。最後は主要登場人物が死んで終わるという後味の悪い終わり方は「ベルサイユのばら」でも「オルフェウスの窓」でもこの作品でも変わらないようです…ゲフッ!

 辺見武彦…教授「(今の妻と出会ったのは)元妻が10歳になる息子を連れて私を捨てて愛人の元に走った直後だった…。」

父親が妻子を捨てて子持ちの愛人と再婚したのかと思いきや父は逆に妻と子から捨てられた人間であり、母×愛人の居心地の悪い家庭の中で「やっぱりこっちの方がマシだった。」と半年も経ってから来た辺りは息子も悪かった(「一目父親に会いたくて来た」気持ちより「満たされていた『環境』が惜しくなった」気持ちが勝っているのは明らか。半年も経った今更になって愛情を注がれる相手が他の人間に移ってしまっていても母親と一緒になって父を捨てた当人として文句は言えないだろう。)とツッコミを入れてしまいました。和解(再度父子として家族になる)に当たって「器が広い」のは明らかに父親の方だろうなあとも感じたものです。(半年どころか11年も経ってから思い出したように父親面を求められてもね。事実主人公がいなかったら思い出しもしなかったんでしょうし…ゲフッ!)ちなみに、あのラストは一説には主人公がおにいさま(血の繋がらない特別な絆を持った相手)と結ばれる為の伏線とも言われているそうですが、だとしたらその為に犠牲になった薫の君も哀れですしこれ以上家庭を複雑にしないで(この上あのお父さんを悩ませないで)と切に願ってしまいました…ゴフッ!

君主様の恋は勝手!

2009.08.12
 この話に出てくる「藤緒家の皆さん」は実は他作品にも登場していた(…私は読んだ事は無いけれど。)そうで、そこまで関連させるほど脇役に到るまで愛着を持って書いている作者だから、その後の連載作でも場所が同じだったり近場だったり、脇役の方の姿が見られたりするのか(脇役止まりか…いや、本編で主役ほど活躍できなかったキャラクターだからという作者なりの配慮なのかもしれないが。)と、ちょっと納得もしてしまった話でした。

<君主様の恋は勝手!>
 黒巴織人…俠吾「お前みたいのは生徒会長には向かないかもな。」
黒巴「向かないだなんて、選ばれもしなかった奴が言う事か?隆也がただのバカで何もできない奴だったら副会長になど任命したりしない。副会長にも値する相手と思うなら尚更、いつでも傍にいてほしいと思うのは当たり前だろう。」

まあ、言っている事の筋は通っているな。責任ある立場に就いた事も無い「相手より格下の人間」が自分の事を棚に上げて他人を非難する資格は無いし、一応「能力が有るから雇った」(魅力的でも、ただのバカに過ぎない相手だったら「恋人」止まりで役職なんか授けていない。「愛人に下駄を履かせている」部分はあっても、その仕事なら無難にこなせる力はあるから雇った、というのは映画「天使にラブ・ソングを…」よろしく現実ではままある話だ。)のなら文句のつけようは無いと納得はしてしまった持論でした。公私混同に違いは無いのですが(そのえこひいきが一般人には許せないのでしょうが。)「その人の実力が群を抜いて優秀なら話は別だけど、所詮ドングリの背比べなら、後は断る理由を探すだけ」という話…なのでしょうね。

 藤緒隆也…黒巴「バイトなんかしなくたって俺の側にいれば何の不自由もしなくて済むぞ。俺がお前の面倒を見てやるって言ってるんだ。」
隆也「何、訳の分かんねー事、言ってんだよ、気持ち悪いな!俺はシンデレラじゃねえぞ!」

女だったら、顔良し、金有り、高身長の生徒会長様から、ここまでベタベタに愛されたら(たとえ性格がワガママ君主でも)狂喜乱舞した事でしょう。けれど隆也は男だ。「男」に愛されても、嫌な意味でたまらないだけだろう…と年下という年齢を差し引いても「理想的な物件」であるにも関わらず、2人の仲は遅々として進まない理由が分かったものでした。最も、ゲイというアブノーマルな条件を差し引いても、金持ち嫌いの隆也(「金を持っているから嫌いなんじゃなくて、自分で稼いだ金でもないのに偉そうにしてる奴が嫌いなんだ。」by隆也)相手では、↑のセリフを持ってして口説く事は出来なかったでしょうが…。

 真名月俠吾…隆也「大丈夫、俠吾の気にする事じゃないから。でも心配してくれて有難うな。やっぱ、お前っていい奴!」
俠吾「(どうでも)いい奴って…好きな奴に言われたら、体の良い振られ台詞だよな。」

本当にいい人で「友達」の中では特別だったのですが、彼は甘えられる部分を利用していただけ(「俠吾って、しっかりしてる所とか兄貴っぽいんだよな~。」by隆也)で、相手が自分と仲良くしたい気持ちに嘘は無かったけれど「都合の良い男」を求められていただけだった(だから「恋人」には別の人間を選ばれている。それも、よりによった相手を。)というのは、悲しい話ですが現実ではよく聞く話でもあります。相手が自分に興味が無いのは仕方ない事(自分がどんなに好きでも、所詮はそんな人間。)なのだから「騙されていても楽しかった」という笑い話で済む程度に線引きをしてダメージを最小限に抑える形で付き合っていきましょう(でなきゃ、いくら人好きのする人間でも、そんな勝手な奴はシカトぶっこきなさい。)という話でした。

 甘い誘惑&甘く酔わせて…直哉「ちゃんと舌つけて発音しないと外人さんは聴き取ってくれないよー。これがTHの時。これがR。これがL。」
湊「ばっ、ばか!何でそこでキスに走るんだよ!」

かのヘレン・ケラーは耳が聞こえない分、相手の口に手を突っ込んで触感から発音を学んだそうですが、その為に相手とディープキスをしたなんて話は聞いたことが有りませんし、舌よりも手の方が器用に動かせる(「触って確かめる」のなら、普通、大多数の人間が口に含むのではなく手触りで確かめるだろう。)事を考えても、↑のような事はあまり意味が無いと思うのですが…。ともあれ「男の家に上がり込む」以上、こういう危険性はつき物で「勉強を教える」などという表面上の口実(違う意味での「勉強」を教えられてどうするんだ!?)に騙されて話のように襲われる事が無いよう気をつけて行きましょう。要は男の部屋になんて上がり込むものじゃないし、男を部屋に連れ込むものでもない(2人きりという状況を作ってしまった時点で危険である。)という当たり前の話でした…。

 手塩にかけてます…祥「何い!?寝言で好きって言ってた『しょーたろーくん』が俺ぇ!?」
一也「だから、もう起こしに来るなって言ったのに。最近、祥ちゃんの夢ばっかり見てて時々、現実とごっちゃになったりしてるから、バレたらきっと軽蔑されるって思って…。」

その前に高校生にもなったら朝くらい1人で起きなよ…と常識の元にツッコミを入れると同時に、起こす役をお隣に任せる親も親だ(お向かいの若い男を家(寝室)に上げるって…。)と、それにGOサインを出している母親に溜め息が出てしまったものでした。(無責任なのは家系なのかな…?)高校生になっても人格が変わる訳ではない、それは分かっているけれど、「子供」と言えるギリギリの年齢はやっぱり中学生まででしょうし、学校を卒業した以上は別の意味でも卒業しなきゃいけない部分が有るよ(私も妹が高校に入ってからは私の友達の輪の中に入れてチヤホヤさせたり、寝物語をしたり、甘やかすのは辞めた。それをするからこの子は「自分の周り」の人間を思いやらないし、嫌われても「いつでも可愛がってくれる下僕」がいるから良いと思っているし、成長する(「失敗」してもやり直せる。)にもギリギリの年齢だろうと判断したので。)と現実にはまずいないであろう幼い性格の幼馴染にツッコミを入れながら読み進めた話でした…。

 ワーストデイ&やっかいな笑顔…森下先輩「あーあ。ったく。いきなり雨に振られるわ、来る途中に西高の奴らに絡まれるわ、遅刻するわ、風紀委員の優等生(男)に告白されるわ、しょっぱなから最低な日だな、ちくしょう!」
風紀委員・崎本「俺、惚れた相手は逃がしませんから、諦めて下さいね。」

2話目ではナイフを使ったケンカで深く切られるわ(とはいえ切られたのは、よっぽど上手く切らないと死ねない手首(腕)であり、死傷率が高い足(の付け根の動脈)じゃなくて良かったね、とは言えるけれど。)、怪我をしている今だからこそ好き放題できる(え?)とばかりに当の風紀委員に襲いかかられるわ(嫌がっている態度はツンデレなだけで「自分でも気づいていないけれど本心では惹かれている相手」(のはず)だから、許せる範囲内で済んでいるけれど、普通だったらここで終わっている。)本当に厄介で最悪(ワースト)な目に遭っているなと私も頷いてしまったものでした。本人がため息をつきながらも「諦められる範囲」である辺りは、まだマシな展開ではあるのでしょうが…。

ブラザーコンプレックス

2009.08.11
 思えば、この作者の「絵」は元々、水戸泉先生の小説(「恋のからさわぎ」シリーズ)の挿絵で見て、絵が上手い人だな~と思っていた所、「お金が無い」シリーズ(やっぱりBLコーナー)の近くで同じ「作者名」を発見→あんな綺麗な絵の人が漫画の方まで描いてたの!?それもこんな冊数を!?(一体どんだけ時間がかかるんだ、それは?)と思わず手に取ってしまったのがきっかけでハマった(逆に言えば、この作者が水戸先生の挿絵を描いていなかったら手に取る事も無かった。)事を思うと、何が縁になるかって本当に分からない(思えば私は本業以外の所から入った読者だったな。)と懐かしくも思い出してしまう本です。という訳で初期の短編集です。

 ブラザーコンプレックス…高見「え、瑛一、お前、弟相手に何してんだ…?」
瑛一「スキンシップだ。」
高見「サラッと言うな!外人じゃあるまいし男同士でキスするか!?」

いくら家族(従兄弟)であっても、外人(ハーフ)であっても、ここは日本であって、本物のアメリカン一家だって「挨拶代わり」に頬にキスする事はあっても口をつけてのディープ・キスはしない(「君だってアメリカ人とのハーフだから家族同士のキスくらい挨拶としてしてただろう?」「ええ、でも、どんなに仲の良い親子でも舌を絡め合ってのディープ・キスはしないわ…!(この息子の野郎は本気で私の旦那を狙ってやがる…!)」by「パパはなんだか分からない」水戸泉より。)それは外国映画をよく見れば分かる事ですし、日本映画のどこにもそんな親密なスキンシップの様は無い事を見れば、日本でやっちまったら周り中の人間がギョッとする事は分かりそうなものなのですが、このお兄ちゃんは本当に我慢したり隠しているつもりだったのでしょうか?と思わずツッコミを入れてしまった話でした。何はともあれ「年頃の男の子」がいる家に我が子を置き去りにして仕事にかまける親が一番の原因を作っていたなとも納得してしまった話です。(男同士だからこそ「危険」は無いだろうと思ったのでしょうが…。)

 隣人…委員長「高橋が煙草を辞めたら、いつでもご褒美してやるからな。」
高橋「その日以来、俺は煙草を吸わなくなった…。」

むしろ「タバコを吸ったら、いつでもお仕置きしてやるからな。」の方が効果が有るような気がしますが、それはそれとして確かに不健全な展開ではあるけれど、健康的な展開ではあるな(そっちの方なら肺が真っ黒になり喘息や呼吸困難、果ては肺癌になる危険性は無い。痔になる可能性はあるけれどポラギノールで治るだろう。←オイ!)と、持論には納得してしまったものです。しかし、それが原因で停学になっても懲りずに家で煙草吸ってますって、依存症って本当に病気なんだな(普通は一度叱られて、罰まで受けた事で懲りて「悪事」を辞めるものだけれど、いけない事だと分かっている上で辞められないって、どうしようもない精神状態だな。最も物が煙草であって、シンナーや麻薬の類じゃない分だけ、かなりマシではあるけれど。)と実感もしてしまった話でした…。

 嫌いだなんて言わせない…斎藤亮「本当はこんな学校にだって転校したくなかったのに、祖父ちゃんがここの理事長だからって勝手に放り込まれて!世間体を気にして構われても却って迷惑なんだよ!」
斎藤先生「両親が事故死して1人で強がっているのは分かるけど、何でも他人のせいにしてる所なんか、まるっきりガキじゃねーか!お前のそういう態度見てると、こっちはイライラするんだよ!」

相手は実の兄貴の息子で甥っ子だぞ(志村けんのネタの一つで「叔父さんの(ダンサーになる道を肯定してくれた一言の)おかげで今の私があるのに!私あんなに気持ちが良かったのは初めてだったのに!」「…気持ちいい?って、オイ!姪っ子だぞ!?」「兄さん、俺は許せねえ!」「ちょ、ちょっと姪っ子ちゃん!そういう誤解を招く発言は…!」という話が有ったなあ、とチラッと思いだしてしまいました。)という根本的な問題は男同士という関係(何をしようが子供が出来る事は無く、当人同士以外に「犠牲者」は広がらない。)の前にアッサリと流された様子です。(に、したって相手が中学生という年齢では援助交際すっとばしてロリコン(ショタコン)という犯罪だと思うが。)当人同士がそれで良いのなら別に構わないのですが、今後、理事長である祖父とかには何て言って説明するのかな、とか色々不安も残ってしまった話でした…。

 身勝手な恋愛…神崎遥「いくら、お姉さんが君の初恋だったとしても、ちゃんと諦めなきゃダメだよ。彼女は君のお姉さんで、俺の親父と結婚までしてるんだから。」
カズちゃん「俺だって、幼稚園の頃にプロポーズまでした、ちゃんとした初恋の『ハルカちゃん』がいたわい!」

実際、当の「ハルカちゃん」も今、目の前にいる男その人で、初恋も2番目の恋も間違ってはいた訳ですが、ともあれ、遙とか珠貴とか薫とか、こういう男女双方で通用する名前は「息子」が女の子に見まがうほど可愛く発育してしまった時には「誤解」を生むので考えものの様子です。(両性具有の方々またはトランスセクシャルの方々には、手術もできる年齢になるまでに成長した時、どっちの性別を選んでも通用する名前なので重宝するらしいですが、現実にはそんな偶然はあまり無くて改名する場合がほとんど。)最も幼稚園時代の初恋(というか相手の姿)なんて、10代後半の成長しきった時になれば粉々に砕け散っているのが大半(実際、「幼馴染み」に久しぶりに会ってみた所、パンク少女になっていたり、デブのオタク男になっていたりと、予想通りに美しく成長してはいなかった相手の姿にガッカリする事の方が多いんだとか…。)なので、話のようにマトモに綺麗に成長していたのは男同士とはいえ理想だな、と頷いてしまったエピソードでした…。

 わがままなスプリンター…葛西先輩「山口も高校で陸上続ける気があるんなら俺と同じ高校来いよ、な!」
山口「そう言われて、この高校にも入った。俺、先輩の事が好きなんだよ。中学の時から。」
葛西「待て!俺、男だぞ!な?根本的に間違ってるって!」

男(先輩)が男(後輩)を同じ学校や職場に熱心に誘いかけるのは、そうすれば「優良債権」をその会社に引きこんだ自分の株が上がるから(要するに後輩をダシにした打算)であって、実際に就職(就学)してみたら、そこは理想の職場(学校)でも何でもなく、誘いこんだ先輩自身も「後は知~らない。」とばかりに自分を見捨てるようになった、というのは残念ながらよく聞く話です。就職や就学は「誰かの心意気に打たれた」からではなく、失敗しても「それが自分で選択した道だったんだから」と自分で納得できる道を選びましょう(そうすれば少なくとも人間や友情に対しては幻滅しなくて済む。)という話でした。↑のような恋愛感情であるかは別として、自分の方は特別に相手に尽くしたのに、相手の方は自分の人の良さを見込んで甘い汁を吸う事しか考えていなかった(美味しい部分だけを利用する事しか考えていない。)という打算的な人間は世の中に多いので、対等に返してくれない人間には(それがその人間の本性なのだし。)関わらないようにしましょう、という教訓です。(残念ながら話のように「いつか自分の気持ちに気づいて大切にしてくれる日が来る」というのは、ほとんど夢物語で終わる。「今、既に自分の気持ちに無関心」というのが、その相手の現実である。)

レディ・マスカレード

2009.08.10
 マスカレードとは仮面舞踏会(相手の顔、ひいては身元が分からないよう仮面を被ったダンスパーティー。)の事で転じて「この女性(レディ)の正体は何だ?」という意味を成している(と思われる)復讐ロマンス物語です。(復讐にロマンスも何もないとは思うが…ゲフッ!)勉強の為にさいとう先生自身も様々な復讐の本を読んだそうですが「凄く人が悪くなった気がした上に復讐方法が結構セコイ。」そうで、周りの人達に「頭、悪そう。」と思われても、それでもやるわよ私は!という気力と根性が復讐には必要だと実感もなさったそうです。

 麻生せつな…健生「全然治ってないじゃないか、セックス恐怖症。」
せつな「恐怖症じゃなくてもこんなことされたら普通に怯えるわ!」

恐怖症ではなくても初体験には女性はある程度の恐怖心を抱くものなので(最も好奇心が完全に恐怖に打ち勝っているケースも沢山ありますが…。)あれが本当に異常な生理的嫌悪症状なのか、ただの普通の拒絶反応なのか私には判別つきませんでした…ゲフッ!(嫌がっている割には健生とも楠のおじさまともBまでクリアしていましたし…ゴフッ!)病気というほど重い精神疾患には見えなかったので(最もそこまで重い症状だったら話も始まらなかったでしょうが…。)彼女の人生を狂わされたからきっかけを作った人達に復讐するという持論にも今一つ共感できなかったものです。追いかけた4人もちょっと脅すだけで始めから殺すつもりは無かった(全部、義理の父の策略だった。)そうですしね…。

 ジョゼ・グレアム・岡田…「やっぱりお前はあげまんだよ。」
せつな「やっぱりアンタはセクハラだよ。」

あげまんとは寝るとツキが上がる女性の事を言うそうですが現代では死語になっており立派なセクハラ用語でもあるので良識ある皆さんは使わないようにしておいて下さい…ゲフッ!この人への復讐がたっぷり1冊かけて描かれていたのに後の皆さんは1話で終わっていたり(十文字)2人まとめて葬られていたり(麗&詩朗)した辺りは打ち切りの足音が聞こえました…ゴフッ!大人の復讐劇を行うにはせつなには色気もしたたかさも足りなかった(最もそんな冷淡で好色な女性をヒロインとして読者が共感できるかという問題もありますが。)ので無理からぬところでしょうか…ガフッ!

 十文字彰…十文字「淫らな目で私を見る者は許さない!正義を行う私を堕落させようと企む者は皆…悪魔の手先だ!」
せつな「その程度の誘惑でクラッとくるあなた自身に最も問題があるのでは…?」

涙目で見られただけで自分の心はそそられてしまう…そんな無自覚天然淫乱男(しかも女性に見られたが最後、相手が援助交際希望の女子高生だろうがせつなだろうが不特定多数に欲情してしまうようです…ゲフッ!)の自分を否定したくて殺人を繰り返してきた連続殺人犯です。(殺される側はいい迷惑です。)そこまで女性に弱いのなら定期的に風俗にでも通って発散・免疫をつければいい物を、世間体を気にしてか妙な潔癖さからそれはできない損な性分のようでした。(こういうのをムッツリスケベと言うんでしょうね…。)ずっと潔癖に生きてきたこの人にとっては初体験(異母兄妹との近親相姦の上に4Pという激しいプレイで挙句に目撃者を事故死させてしまった。)が強烈過ぎたのかもしれませんね…ゲフッ!

 九丈麗&夜久詩朗…詩朗「麗…。ど…どうして?」
麗「あたし海外に2人で逃げるのは嫌。あたしがスターでない世界になんて。」
詩朗「自分が日本止まりの実力しかないって分かってるんだね、麗…。」

黙れ、コノヤロ!と毒物を注射されて恋人に殺されてしまった哀れな弟です。近親相姦物で兄×妹が多い中、この話では珍しく姉×弟のパターンで日頃から「妹萌え」に疑問を感じていた(実際に自分に妹がいるからこそ分かるが、妹はそんなに可憐な生き物ではない。)私としては普通に納得したものでした。(納得するなよ!)とはいえ弟の宿命か常にパシリ状態でいいように使われており肉体関係という禁断のご褒美があるとはいえ、その扱いには同情してしまったものです。愛する姉と共に逝けたというのが唯一の救いでしょうかね?

 楠雅彦…楠「お会いしたかった、麻生せつなさん。」(手にキス)
せつな「欧米か!」

と外国人男性よろしく下半身も節操のない本作品の黒幕です。(最もアメリカ人女性は気が強く浮気に関して厳しいそうなので実際の欧米男性全般というよりタイガー・ウッズだけを連想して頂けた方がしっくりくると思いますが。←何が?)4人の子供達に関しては「母親に手切れ金は渡したし自分の遺伝子を受け継いだおかげで美貌と才能を兼ね備えた人間として生まれたのだから感謝されこそすれ、これ以上責任を要求されるいわれは無いぞ、この恩知らず!」と完全にうっとおしがっている様子でしたが厄介事が嫌なら種をまくなよ(避妊くらい考えて下さい。)と子供達の怨霊に連れて行かれた最後には自業自得だと納得できたものです。…ところでこの火災殺人事件の始末はどうつけるつもりなんでしょうね、健生さんは…?(悪夢が終わった後は義父殺しという厳しい現実が待っていそうですが…ゲフッ!)

ダークサイド・ブルース

2009.08.09
 臓物が出てくる話(例「神の左手悪魔の右手」)も女体が出てくる話(例「デビルマンレディ」)も平気で読めた私なのに(ホモでもエロでもどんとこいのこの私が…。)妙な艶めかしさからくる気持ち悪さ(特に序盤の上半身全裸の女性を拷問するシーンなんて特に。)が苦手でなかなか読み進み辛かった話です。(印象強い作品と言えば聞こえはいいですが正直こういう印象強さはあまり好きじゃないかも…。)これは原作の菊池秀行先生の方の作風なんでしょうかね?人気が出なかったのは分かりますが(禁句)中途半端な終わりぶりに「また未完の物語ですかい!」とツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 舞衣…「救世主」の女リーダー。強姦事件(…どうしてこの話、こんなに大人のいやらしさが詰まっているんでしょう?)をきっかけに俊足の逃げ足(残像付き)を身に付けたご様子です。(どういう原理だろう?)ダークサイドに「治療は必要ない。(そこまでの闇を君は引きずっていない。)」と言われてショックを受けていますが、それもそのはずPC(ペルソナ・センチュリー)にいい感情こそ抱いていないものの、だから(物凄い実力・人脈があるのに)テロリストに入って復讐しようとかいう発想はなくあくまで街の不良止まりの彼女はPC側にしてみれば脅威にはなり得ない…んですよね。(PCへの復讐を考えているらしいダークサイドが彼女に興味を抱かないのはある意味当然の結果ともいえる。)物語が対PCの話だけにあくまでおせっかいのレベルでしかない彼女をヒロインにというのはちょっと間違っていたかも…ゴフッ!

 ケンゾー…見かけは相撲取りだけど専門は電子工学という舞衣の部下的存在。とはいえいくら得意分野でもボール紙製のランチャーやブリキ製のミサイル(アンチセンサーシステム付き。)などは原材料的に作れるわけないだろ!とツッコミを入れてしまいました。(そもそもボール紙製のランチャーが発射後に炎上しない事自体あり得ないと思う。)そこまで作れてしまうほどの能力の持ち主なら街の不良なんか今すぐ辞めてしかるべき企業に就職すべきだと思うのですが…ガフッ!(PC以外にこの世界に企業は存在しないのでしょうか?)文化系かと思いきや古武道の達人でもあり1VS10の抗争にも勝利していました。仲間からはたった2回登場しただけのダークサイド相手に「勝ち目ねーな、お前。」と言われていますが正直あんな顔以外の取り柄がよく分からない男よりこっちの男の方が断然役に立つような気がしてしまうのですが…ゲッフン!

 セリア…元看護士。初登場時は似合わない和服を着ていたのに達也さんとの同棲以降、洋服しか着なくなったのは女心なんでしょうか?量子砲で家を家族ごと破壊された時も、至近距離で達也さんが銃弾を受けて蜂の巣になっている時も何故か彼女はかすり傷一つ負わず無事な辺りは(乗りこんだ反PCのヘリも「仲間を撃たれて何もできずに逃げ帰るのは屈辱でしょうな。」と尾行さえされない。私がPCの幹部だったら念の為にと撃ち落としてる所ですが…ゲフッ!)物凄く運の強い女性だなあと思わざるを得ませんでした。「小娘一人何ができます。」と黒海幹部は高をくくっていますがその小娘は銃の扱いにも慣れておりマーシャルアーツも体得している人間なので(そして医療知識も豊富というオマケ付き。むしろ殺された達也さんよりもずっと役に立つ人間だろう。)立派に反PCの強化に繋がってくれるでしょうね。その後絶対に黒海さんは見逃した責任を本社から問われるに100円を賭けたい私でした。

 法月炎血…「美少女戦士セーラーム○ン」のタキシード仮面じゃないんですからバラを投げないで下さいよ!とツッコミを入れてしまったのは私だけじゃないでしょうね。女の腹を裂いて拷問していた妹のたまきや強姦魔の紅蓮兄さん(こっそり下に降りてヤルことがそれですか、兄さん。)に比べると不良に絡まれていた女性(セリア)を助けてあげたりなかなかいい人じゃないですかと個人的に好感度は高かったりします。(作品中では明らかにされてませんがもう一人の妹・小夜はどうやら「園長」として子供達やPCに追われている人間を助けている様子です。そんなことする位ならもっとおおっぴらに父親に反対してほしいものですが。)それにしても紅蓮兄ちゃんといいこの炎血といい…男の名前のセンスの悪さは蘭土父さん(この名前もどうかと…。)の趣味なんでしょうか?凄い名前だなあ、と思ってしまったのは私だけではないでしょうね…ゴフッ!

 ダークサイド(カブキチョー)…ダークサイド「その猫、何とかしよう。」
おばあちゃん「あたしの足は治そうとしないわけかね。」

彼のテーマはモンテ・クリスト伯(「巌窟王」のタイトルで有名な復讐小説。無実の罪で投獄された主人公エドモン・ダンテスが脱獄後モンテ・クリスト島の隠し財宝を手に入れ富と権力を使ってかつて自分を陥れた者達に復讐していくという物語。)だそうですが、序番の糸を吐く黄金の蜘蛛、巨大鏡アービス、ビルの屋上から降りても平気な謎の馬車等々伏線を全て放り出したまま物語は終了してしまいました。(セリアのその後も心配だし文庫化に当たってもう1冊分位描いて消化してくれてもよろしくてよ、両先生方?)最も舞衣やセリアなど存在感あるキャラに食われっぱなしの彼であり(物語の終わりで主役張ってたのはセリアさんだしなぁ。)人間離れしすぎているせいもあってあまり共感できなかったですし、大長編で彼を語られてもなあ(読者の個人的な好みの問題だとも思いますが。)と物語が始まらなかったのにはちょっとホッとしてしまったり…ガフッ!(キザ男は苦手なので…。)とはいえ、あまりにも尻切れトンボな終わり方なので後書きでチラッと触れるだけでもいいのでもうちょっと彼らのその後(または過去などの初期設定。)を語ってほしかったです。色々残念な作品だったなあ(最初の拷問シーンが無ければ連載はもうちょっと長続きしたような気がします…ゲフッ!)と思ってしまいました。

目を閉じて愛

2009.08.08
 表紙では姉がいないうちに夫を奪った菜苗、駆け落ちしてまで結婚したのに妻を捨ててあっさり義妹に乗り替えた龍一、そんな身勝手な父親の元に生まれてしまった尚くん(実母は姉。)の3人が幸せそうに笑っている絵ですが複雑過ぎる家庭環境に笑えなくなってくるのもそう遠い未来の話じゃないだろうなあ~と読み終わって乾いた笑みを漏らしてしまったのもいい思い出です。思えばさいとう先生特有の問題ありまくりの恋話はこの頃から健在だったのかと納得もした傑作集でした…。

 目を閉じて愛…龍一「後は…離婚手続きの問題なんだ。」

その「手続き」が一番時間がかかるんだよ!(離婚を成立させてから他の女に手を出せや!)と現実面から冷静に分析してしまいました。相手が姉と結婚している妻子持ちの男(不倫)であること、孫(尚くん)が生まれても姉共々自分の両親から縁を切られている問題ありの男である事実(駆け落ちしてまで結婚したのに、その姉と上手くいかなくなったからと妹に手を出したら親はまた泣くだろう。)にはタイトル通り目を閉じて(閉じるな。)愛を貫くことを選んでいますが、相手(現・正妻)が受け入れていない場合は離婚は中々思うようには進まないでしょうし、子供(尚くん)だってヒロインを気に入っていても数日間遊んだだけの叔母の為に実の母親と絶縁する道を選ぶかは未知数(叔母ちゃんに「リボンを渡してくる」為に追いかけたのであって母親とお別れする覚悟を持った訳でも父×叔母の不倫恋愛というスキャンダルを良しとした訳でもない。)ですし、ヒロインが選ばれた所でこの恋が思うように成就するかは限らない(仮に成就した所で親とは絶縁し前妻子に養育費と慰謝料を払い続ける貧乏生活の中で苦労するだけだろう。)とツッコミを入れてしまったものでした。姉と上手くいかなくなったからって、ひょっこり訪ねてきただけの義妹のアプローチに数日で陥落している辺りこの男は上手くいきそうな女にはすぐフラフラするだらしない男(子供がいてもブレーキにもならない。)だという事実も伺え先行き不安感が満載になったものです…ゲフッ!

 迷子の恋心…京介「俺はお前が女でホッとしてんだ。俺は…お前が好きだから、男じゃないジュンがいいんだから…!」

惚れた相手が男じゃなくてホモにならなくてホッとしたとはいえ相手はわずか15歳の中3の女の子である以上(相手がボーイッシュで女らしくないという問題以前の年の差とかロリコンとかいう問題があるような…。)前途は多難な恋だろうなあ、とラストのモノローグにはより実感が湧いたものでした…ゲフッ!ジュンの兄嫁のさくらさんも17歳の幼妻(高校中退…?)だそうで、この話に出てくる男はロリコンばっかりだ!と愕然としながらツッコミを入れてしまいました…ゴフッ!

 黄金のLOVE STEP…多田くん「君は体裁とか構わないでやるべきことをやってきただろ。だから僕もバレエをやると決めた以上自分に今一番必要な道を選んだつもりだった。」

学校にまで父親の裁縫物を持ってきて直してあげている「おかあちゃん」(家でやりなよ…。)と休み時間に碁盤を広げて囲碁を打っている多田くん(私も普通に学校に行きましたが中学、高校と授業の休み時間に囲碁を打っている学ラン男は見た事ありません…。野球とかサッカーとか他に一般的大多数の男の子がやりそうなことはいくらでもあるのによりにもよって囲碁とは…!)と年より臭い趣味を持っている者同士お似合いのカップルだと思ってしまいました…ゲフッ!世間ずれしていても恋することは自由ですしちゃんと優先順位を分かっている辺りは偉いと感じた話です。

 ジョーカー…真理子「あたし最強の手を知ってるの。どんな男(カード)にも勝てるジョーカー。あたしのジョーカーは焦らすだけ焦らして絶対寝ないこと。」

じゃあ寝たら「負ける」んだなと単純男の杉浦くんは暴挙に出てしまったようです。(そしてデートや付き合いの延長上にあろうが「レイプした相手とは普通は終わる」(決定的に嫌われる)という定説通り真理子とは完全に終わったのでした。当然の結果です…ゲフッ!)とはいえ好意を知っていながら目の前で他の男とのラブシーンを見せつけたり、散々相手の心を弄んだ(相手は実らなかった恋のやつ当たりの為に傷つけていい「カード」ではなく一人の心を持った人間だという事実を全く考えていない)彼女にも問題はあったとは思います。過去の彼氏に振られたとはいえ慰謝料という名の学費を出して貰ったりとしっかり利用している様には、そりゃしっぺ返しも食らうし皆にも嫌われるだろとツッコミを入れてしまいました。世の中そうそう思う通りにはいかないものですよ、真理子さん。

おいしいSTUDY

2009.08.07
 林檎(奈)、葡萄(武童)、梨(実梨)、苺(一悟。オカマのイっちゃん。)木通(アケビさん)桃(桃次郎ことももさん)、八朔(法作くん)栗(栗太郎じいちゃん)と登場人物に果物(一部除く)の名前が当てはめられたお話で名前の由来を探してみるとなかなか楽しい話でした。この時の渡瀬先生曰く「大人しいヒロインは性に合わない。」(主人公を知的な秀才にしようとして失敗した。)との事で確かに「ありす19th」や「イマドキ!」の主人公達より、その前の問題にガンガン自分からぶつかっていくこの頃のヒロイン達の方が魅力的だったなあと私も思ってしまいました。

 樹奈…「父親の好物だからってリンゴなんて変な名前付けられて。」

葉奈々(バナナ)とか派音(パイン)とか紀憂(キウイ)とかじゃなくて良かったじゃないですか(葉緒とか恵流とか香里とかあぐりに比べれば良い名前をつけて貰った方だよ君は…運子(うんこ)じゃなくて良かったじゃないですか。)と慰めを入れてしまいました。リンゴの本当の漢字は林檎で「奈」(変換で出ませんでしたがあれは木編がついている奈の本字。)と女の子らしい当て字をつけて貰った部分も恵まれているし不満を言う筋合いは無いぞとツッコミを入れてしまったものでした。

 蔓木武童…「俺はただ成績表で自分の価値は計れないと言いたかったんだ。」

周り中の人間が「理想的な優等生」(秀才)としてしかヒロインの事を見ていなかったのに彼だけは性格の良さを見ていた…のですがそれはそれとして下着について言及したり女物のパンティを贈ったりしたら嫌われるだろ!(誕生日プレゼントにお手製単語帳を贈るヒロインもヒロインでしたが。)とツッコミを入れてしまいました。内身はいい奴なのに周りからは不良と誤解されている彼。彼の良い所を見つけたのもクラスメート達でなくヒロインだけだったというのも恋に(いつのまにか)落ちた理由の一つだったのかもしれません。

 蔓木実梨…武童「兄貴は変態だぞ。変だ。おかしい。キテる。最悪。」

そこまで言うか!とツッコミを入れたものでしたが、でもベッド(就寝)まで一緒しようとしてロッカーの中で待ち伏せされる(何故そんな中で待つんですか?)その行動は確かに変だ(周りの「あの人は天使様だ。」とやられてる人達はそこにツッコミは入れないのか?)と納得はしてしまいました。その普通を通り越した気遣いは病気で1学年遅れてしまった双子の「兄」への思いやりだったようで「そんな『他人行儀』なこと俺はちっとも嬉しくない。」と当の本人に言われてもいた「お兄ちゃん」でしたが…他人行儀を通り越して変だから!ともツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

実話恐怖体験 本当にあった話~キこえル~

2009.08.06
 消費税も上がって表紙を描く人に出す原稿料も惜しくなったのか以前出版されたシリーズのコマの一つが茶色を基調としたカラーコピーで引き延ばされており、それに話のタイトルが大きさを変えて書かれているという省エネ臭を感じる作りで表紙が作られていたシリーズ最新刊です。どうせなら新しい話の中から一コマ選んであげた方が探す楽しみもあって楽しいのにと残念にも思いましたが、それだとその作画担当の人に払う原稿料が増えるのかという事実にも気づいて思わず溜息が出てしまったものです…。

 第17話・浄点眼の猫…トモちゃん「夜逃げする事はマキちゃんにしか言ってないのに、この嘘つき!裏切り者!」
マキちゃん「そんな…私、しゃべったりしてない。」
トモちゃん「どっちみち実の父親が私の家から金を絞り取ろうとするのを黙って見ていた事に変わりは無いじゃない!」

情報を漏洩したのは猫のクロですが笹原家(トモちゃん家)から滞納している賃料を取れるだけ回収しようとしている父親を止めもせずにただ見ていた(友人のピンチに追い打ちをかける事を目の前で見て知っていながら放置した)のは事実で「裏切った」事に変わりは無いような気がした私でした。トモちゃんもよりによって賃貸契約を交わしている不動産屋の娘に話してしまうとは行動を誤ったな(両親と同じように「誰にも言わず」に引っ越していれば真犯人がクロであれマキちゃんであれ「告げ口される」事は無かったのにね。)とツッコミを入れてしまったものです。他にも「しゃべったからハムをくれ!」と飼い主が一人の時に要求したり、子供の頃に猫を抱っこしたら「離せよ」と言われたなどなど猫が話をしたという報告例は地味に多い(江戸時代の昔から化け猫が喋っていた)ので人前では気を使っているようですが彼らは人間語を介し話ができるようです。それを利用して専属契約を結んでいた中田の婆様は頭が良かったな(どうやって会話を交わす程に懐柔したんだ?)とも感心した話でした。

 第18話・お札の隣人…「あれ以来、俺は自分の部屋に戻っていない。戻って荷物を引き上げ部屋を出ていきたいけど、いまだにその勇気を持てていない…。」

その「あれ」(隣のお札のかかった部屋からドンドン壁を叩かれ、怒って文句を言いに行ったら霊(住人?)に足にしがみつかれた)が一年も前の出来事で1年間も荷物を放置している辺りいくらなんでもほっぽらかし過ぎだろ(1年間も泊めてあげている友人達もいい迷惑だろう。)とツッコミを入れてしまったものでした。夜中に怪奇現象が起こるのは確かとはいえ投稿者の部屋には入ってこれないようですし真昼間に友達と一緒に荷物を運び出してお札の部屋には入らないようにすれば明日にでも解決できる問題ではないのかな(真面目にちゃんと引っ越しなよ。)とも思ってしまったものでした。壁・ドアをノックするだけでしがみつかれても易々と振りほどけるほど弱い霊らしいですし(足を地面から出た手が握っていたという話はよく聞くけれど大抵振りほどけずにそのまま行方不明になるか1晩放置されるという展開が多い。)冷静に関わり合いにならないように対応すれば済む話のような気がしたものでした…ゲフッ!

 第19話・真夜中のテレビ…渡し守「あんた紙銭(しせん)を持ってないだろう。アンタはまだこの川を渡るべき者ではない。向こうへ行きなさい。」

紙銭とは死者が三途の川を渡る時の船賃としてお棺の中に入れられるものだそうです。思えば無理矢理死者の国に連れて行こうとした太い腕の持ち主と違って渡し守の方は律儀で親切だったのでしょうね。(単純にタダ働きを嫌がったという解釈もできますが、「向こう」へ行きなさいとわざわざ戻る方向を教えてくれた辺りはやっぱり良い奴だったように思える。)映画「ポルターガイスト」でも真夜中にテレビから霊気が噴き出る描写が描かれていたりテレビと霊の相性が良い様が表現されていました(人間の思考は電気信号でやりとりされているのでその関係もあるのかもしれない。)し、夜中にテレビには近づかない方が良いようです。要するにいい若い者は夜更かしせずに早く寝ろという教訓話でした。(違うから!)

恋人達の場所

2009.08.05
 親→子へ姿を投射した継続的恋愛(結ばれなかった親世代の恋を子供を使って昇華する親のご都合に非常に叶った恋の形)はさいとう先生のいつものパターンであり、ある意味原点ともいえる作品なのかもしれませんが、その原点(考え方)自体を微妙に感じる私としては正直あまり共感は出来なかった作品でした。とはいえツッコミ所は沢山あったので、この場を借りて語っていきたいと思います。

 神沼麻耶(まあや)…「いつか本当にモデルをやりたくなる時が来るかもしれない。でもコメットガール(あなたの特集)は嫌なの。」

モデルにスカウトされたり7歳の頃から従兄弟の男の子(和彦くん)に唾をつけられていたり彼女が「美人であるという設定」は認めますが、それにしては平々凡々とした外見・性格に今一つ説得力を感じなかった主人公でした。和泉透と嫌がらずにキスしていたりしながら彼に対して本気になりきれなかったのは所詮彼は恋のスパイスでありそれ以下でもそれ以上でも無かった(「刺激」はあったけれども愛情は無かった)という事だったのでしょうね。それで振られた和泉透もおかげで苦しんだ彼氏の和彦君もいい迷惑で傍迷惑な女性だなあ(そういう所は母親譲りだったんでしょうね…ゲフッ!)と感じたヒロインでした…ゴフッ!

 神沼和彦…「彼女もきっと分かってくれるよ。ハンカチで隠されていれば、そこは恋人達の場所だって。」

つまり恋人同士の人に見られたくないような行為をしている真っ最中の場所だと分かってはくれるでしょうが…正直、彼に想いを寄せる久美さんに対しては残酷な対応だな(最も諦めさせる為の見せつけとしては有効な手段なのかもしれないが。)と実感してしまいました。とはいえどこまでも一途に麻耶だけを思い続けている辺り彼が失恋する展開(もとい彼が麻耶程度に決定的に傷つけられる展開)など考えられず元サヤに治まった終わり方には彼が幸せにならない終わり方は私も他の読者も許さなかっただろうなと深く頷いたものです。…で、結局この人も麻耶のお父さんと同じく他の男に走った彼女の裏切り(A止まりで良かったね。)には目を瞑るのかというツッコミは置いておきましょう…ゲフッ!

 久美さん…「和彦君が麻耶さんの事ばかり気にしてるから、あたし麻耶さんのこと嫌い…。前からそう思っていたの。」

バタ臭い麻耶と比べるとお上品な彼女の方がどうしても美人に見えてしまうのですが、大人しいお嬢様だからこそ扱いに困る面もあるというか「付き合う相手」としてはくつろいだりふざけたりできない重苦しい相手になってしまう部分はあるかもしれない(美人ではあるけれど「高嶺の花」タイプですよね、久美さんは…。)と彼女を見ていて感じてしまったものでした。(麻耶は離れて行っても自分で諦めて何も言わないタイプだろうけど久美さんは「責任取ってよ!」と相手に迫りそうなタイプですしね…。)少なくとも2階の窓から不法侵入したり胸に手を入れたりふざける事が大好きなロマンチストの和彦くんには守備範囲から外れてしまったんでしょうね。(そんな事をされて喜ぶ久美さんなど確かに想像が出来ない以前に見たくもない…ゲフッ!)当て馬役扱いが始めから確定していたとはいえちょっと同情もしてしまったキャラクターでした。

 神沼彩子…「何も知らない麻耶と和彦君を引き裂いたのはあたしだ!」

夫の方は「(他の男と駆け落ちして失踪した)あの時もやっぱり帰ってきたんです。」とまるで行方不明になった猫が帰ってきたかのような気安さで妻を許していますが、戻ってきたからって裏切って他の男とセックスしていた事実には変わりないんですし全てを不問に処すのはいくらなんでも寛大過ぎる応対だろう(普通は帰ってきた所で締め出して離婚届を突き付ける場面である。)と夫の器の大きさに唖然としてしまいました。挙句に「結ばれない私達の代わりに娘の麻耶が貴方の息子の和彦か雅志とくっついてくれればいいのにね…。」(子供を使って不倫恋愛続行計画ですか!?)という思考には思わず悪感を感じたものです。(「こんなドロドロ恋愛の身代りみたいな関係なんて…あたしは自信ない。」と娘の麻耶がドン引きする訳です。)そして全てがバレてまずい立場になった時にする事は酒を飲んでの逃避(そして飲み過ぎで倒れる。…バカですか!?)という辺り、正直最低な母親だなと実感してしまった女でした。ほっぺにキスして誤魔化す前にまずは夫と娘に土下座して謝罪しろ(もちろん相手の奥様と息子さん達にもね!)とツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

実話恐怖体験 本当にあった話~旧軍の慰霊碑~

2009.08.04
 相変わらず他の本の原稿のページの拡大コピー+タイトルの羅列という省エネ仕様で刊行された新刊です。(もしやこれは今までの本も買わせようという編集部の策略なのだろうか?)夏はまだまだ続くのに今年はこれで「本当にあった話」シリーズは終了らしく(次巻予告が無かった…!)色々納得できなかった私でした。(まあ一か月ペースで原稿を上げて本を作成するのは色々大変だし分かるんですけどね…。)

 第3話・ざらつく机…主人公「後ろから嫌がらせをされていたいじめられっ子が一番後ろの席のはずがない。じゃあ、いじめっ子が座っていた俺の席には何の落書きが…?」

回答として、机いっぱいに「呪」の落書きをして死んだいじめられっ子。しかし、自殺後は自縛霊になってしまい(要するに机から動けず)2年生に進級したいじめられっ子には未だ復讐を果たせないまま、新入生相手にに人違いで襲いかかってしまうほどに耄碌してしまった(それ、違う人だから!)ようです…ゲフッ!何もしていないのに怖い思いをした投稿者さんはいい迷惑でしたよね…。学校も学校でそんなおどろおどろしい机をケチって使わせずに最初から新しいのを買って下さいよとツッコミを入れてしまった話でした…ゴフッ!

 第10話・のぞき霊…女生徒「この学校昼間から霊が出るんだって。授業中窓の外から教室を覗いていて目を合わせると取り憑かれるっていう…。」
先生「授業中の生徒なら窓にいる変質者じゃなくて黒板を見ろ、黒板を!」

要するに集中して授業を受けていれば何の問題もないという話ではあるんですけどね…ゲフッ!ついつい怖いもの見たさでのぞき霊を見てしまった為に放課後まで姿を見せ教室のドアを開けても向こう側にも教室が広がっている(廊下を消された)というトリックまで使われてすっかりパニックに陥ってしまった福島さん。凄く良いタイミングで先生が来てくれたおかげで事無きを得ましたが…そもそも特別課題を出して彼女が放課後に残るようにしたのは先生本人である事を考えると微妙な展開です。最もその特別課題を出されたのは授業中よそ見をしていた福島さんの自業自得である以上文句は言えないのですが…ゴフッ!

 第11話・呪いの術…綾子「巫蠱の術って言うんだけど犬や猫を首だけ出して地面に埋めて目の前に餌を置いておくの。そして飢えて苦しんで発狂した所で首をはねるのよ。」

いわゆる犬神を「作って」の呪いの方法ですね。かの丑の刻参りも藁人形に釘を打ちながら、その実精霊の力を借りて相手を呪う方法(要するに釘を打つのは雨乞いと同じく「儀式」であって相手に不幸を授けるのは儀式によって呼び出された精霊が行っている。本人の力ではない。)なので代替の力である怨霊を作り出す方法としては理に叶ってはいますが…犬が可哀想な方法ではありますよね。(おふざけ程度の気持ちで本当に生きた犬を埋める生徒達が怖い。)その後、埋められた犬を殺したのは綾子さん達ではありません(犯人不明)でしたが綾子達が埋めなければ犬は変質者に殺される事もなかった訳で祟られる理由には納得できたものでした。(ていうか先生共々祟られただけじゃないのか?)死体を発見した後、犬の怨霊に襲われるまで、首チョンパで地面から出ている死体をそのまま埋葬もしてあげなかった(次の日…ってあの状態のまま一日放置してたの!?)生徒達の方が怨霊より余程怖いと実感した話でもありました…ゲフッ!

SEE YOU AGAIN

2009.08.03
 里中満智子短編集その3です。まだ読んだことはないですが1、2巻も戦争がらみの話を収録した戦争短編集になっているそうです。戦争物は大抵主人公の男が基地を飛び立っていく所で終わっているそうですが、この話達に描かれているようにそれで戦争が終わったわけではない…んですよね。兵士達が死んでも戦争の悲劇は終わらない、戦争によって降りかかった不幸を全身に背負いながら過酷に、しかしたくましく生きていく様に女達の強さを感じました。今回は2作品ともベトナム戦争関連の話です。

「水色の雲」

 マージー・ウィルソン…ぶっちゃけ男に媚びて生きているキャロンよりも彼女の方が可愛いとは思うのですが、男にとっての可愛い女と女にとっての好感持てる女は違うと何かの本に書いてあったのを思い出しました…ゲフッ!そして厳しいこと言ってしまうと、こういう幼い頃から兄妹同然に育ってしまった幼馴染は相手に対して知りたいと思うことが何も残っていないので(特に男の方は)最もカップルになり辛いのだそうです。だから、そんな振り向いてもくれなかった男に一生を奉げるのはどうかと、思うのですが…。「SEE YOU AGAIN」のように実は彼が生きていたという奇跡も無かったんですし諦めて違う人生を歩んでほしいのですが…ね。

 ダニー…婚約者のキャロンと一緒になって「マージーは子供だ。」と言っていますが、出会って3か月足らず(季節はまだ同じ秋です。)でその辺の女(キャロン)と勢いで婚約してしまったり、他の人間の目の前でも平気でキスしている辺り(目の前は辞めてやれよ。いくら割り切ったとはいえ女心は複雑なんだよ。)お前の付き合い方の方がよっぽど子供だ!とツッコミを入れてしまいました。離れたことで婚約者のキャロンの見せかけの落ち着き(実は誠意の無い男への媚態。)にも気付いてきましたがだからってマージーへ恋心が芽生えているわけではない(「ありがとう、マージー。」であって「愛してるよ、マージー。」ではないのね、という所が…マージー哀れ。)というのが悲しい所です。もしベトナムに行かなかったら生き残っていたかわりにそのままズルズルとキャロンと結婚していた(離れないと分からないことってあるんです。)でしょうし期待があるように見せかけて実はマージーに可能性は(どんな選択肢を彼が選んでいたとしても)一欠片も無かったというのが悲しいです。ともあれ女心はもうちょっと考えなさい、とツッコミの絶えない嫌な男でした…ゲフッ!

 キャロン…こういう男に縋らないと生きていけない女性というのはたまにいます。口ではご立派なことを言っていますが、中身の無い内容(自分の心のこもっていないただの綺麗事。)に人として温かみを感じない、とダニーも離れて初めて気がついたようです。(でも生きていたらそのまま彼女と結婚してたんでしょうが。)ともあれ婚約者ダニーの訃報から1年も経たないうちにもう他の男と結婚してる様に、もしダニーが生きていたとしてもこの女が彼の仕事が終わるまで3年間も待ち続けることは不可能だな、と尻の軽さに改めて幻滅してしまいました。また恋人として付き合っている間は何でもハイハイ従う都合のいい女に徹しているでしょうが、妻になったとたん「仕事と私とどっちが大切なの?」とチクチク責め立てるタイプでしょうな(事実、マージーに対しては「私は女として愛されたけど、あなたは子供過ぎて愛される資格が無かったのよ。」と酷い厭味を言っている。「正論」で相手を追い詰める性格の悪い女の典型です。)と底意地の悪さが見えてあまり好きにはなれませんでした。こんな人が友達なんてマージーも苦労するな、と改めてマージーに同情してしまった私です…ゴフッ!

「SEE YOU AGAIN」

 ミリアム・シンプソン(ミリー)…「あと3日もある。」とわずか3日で燃え上がっていた2人(挙句にその後の休暇で会えたとたんもうヤルことヤッている。早過ぎです。)にちょっと待て!とツッコミを入れてしまったのは私だけじゃないでしょうね。彼女がいながら元妻の写真を見せつける父親(結婚と恋愛は別、と割り切った考え方。でもね、これはミリーの母親に対する愛の証とも思えるの。)を軽蔑していましたが、それってあなたがジェフリー社長に対して行っているのと全く同じことでは?(やっぱり親子だな。)とも思えてあまり共感はできませんでした。(何年も報われないまま彼女の為に尽くしているジェフリーの事を思うと特に。)それなりに辛い思いをしているのは認めますがへ理屈ばかり多くてあまり好きじゃないです、こういう女性。(個人的な好みのタイプとしてね。お話的にはいい話だと思うのですが。)ベルナルドとも完全に終わったことですし、そろそろ頑なな生き方は改めてみませんか、ミリーさん?

 アン・ハンプシャー…富豪の家を捨てて貧乏な夫との暮らしに飛び込み、尽くしていく様が素晴らしいと感じた女性。ミリーやベルナルドのように綺麗事を言いつつも実際はエゴを捨て切れていない人達(というより綺麗な言葉で自分のエゴを隠しつつも正当化しようとしている人達。)より「私は引き止める女として生きたいの!」と堂々と自分のエゴを主張している彼女の方がカッコイイと感じてしまったり…ゲフッ!夫・サイモンとのドラマチックすぎる恋愛(キスされたから好きになっちゃったって…。)には少女趣味だとツッコミを入れてもしまいましたが、それでもわずか3日で燃え上がっているミリー達よりはディティールがある分まだ現実的かな、などなど色々比較してしまいました…ゴフッ!徴兵逃れは人として卑怯だとこのご夫婦にツッコミを入れる方もいらっしゃるでしょうが太平洋戦争で生き残った日本人など戦争で生き延びた人は「逃げた人」だけです。無駄死によりも実のある人生を取った二人として私はそんな現実的な所(現金主義?)も含めてこの人達が好きだったりします。

 ベルナルド・ロレンツォ(バーナード・ロレンス)…記憶喪失が治った後「しかし僕は既に家族を作ってしまっていた。」(じゃあ子供が出来ていなかったら今の奥さんのことは捨てていくつもりだったのかお前は。)というようにべトナムに残った理由を言い訳していましたが、本当の理由は「今更国に戻っても脱走兵扱いされて処罰される。」のが嫌だっただけじゃないかと私はにらんでいます。「ここの人達には医者が必要だから僕が一生の仕事として尽くしていく。」みたいなことを言っていたのに、援助の手続きの為に無処罰で帰国できたとたん「このままアメリカに戻ったままじゃダメ?」とミリーに甘えようとしている(そして妻の替わりを押し付けようとしている。)辺り彼の腐った性根が見えた気がしました。(ベトナムのようなど田舎の暮らしよりアメリカの文化的な生活の方が誰だっていいに決まっているけれど、女達の気持ちや子供を言い訳に利用するのは人として卑怯だと思うの。)元々ミリーとは3日間+休暇の1日で燃え上がっただけの恋でしたし、彼にとっては所詮それだけの価値しかなかったのかもしれません…ね。

ガンブレイズウェスト

2009.08.01
和月伸宏 19世紀のアメリカを舞台にした西部劇…のハズなのですがサイボーグ化した人間やジェット噴射で己を弾として打ち出す鎧人間など明らかに時代考証を無視したアレンジ(20世紀を超えて機械工学が発達してきた時代ならまだしも19世紀のカントリー世代なんだよ…?)が加えられていて古き良き時代の世界感は見事に砕かれてしまっているのが残念な西部物でした。戊辰戦争後の「るろうに剣心」と何気に同じ時代とはいえやっていい事と不自然な事ってあるよなとツッコミを入れてしまった作品です。

 ビュー・バンズ…「自分は命懸けてねえのに相手の命は殺るなんて、そんな薄汚ねえ真似は俺はゴメンなんだよ!」

多分「自分は死ぬつもりはないのに相手は自分の都合で死なせるなんて酷いだろ?」という事を言いたかったのだと思いますが読んだ当初は「…え?命がけで頑張っていた訳じゃなかったの?」(熱血しているのは戦闘シーンだけで後はずんべらぼうに生きているアホな特攻野郎の君では「人生真面目に生きてねえよ!」と言っても妙に説得力があるんですが!←オイ!)と疑問ばかり出てあまり共感できなかった主人公です。冒険と自分がどこまでやれるかを試したいという王道少年漫画の主人公らしいと言えばらしいのですがガンブレイズウェストに行った所で、そこで最強になった所で、史上最高の銃を貰えた所で、その後どうするのか(そこが到達点なんだから後日談なんてどうでもいいんだ!と言われてしまえばそれまでですが…。)目的が今一つ漠然としていて(9歳のまま旅立っていたらその幼さにも納得できますが、ガタイが大きくなってもそのまんまって…。)考え方に共感できなかっただけに彼が引っ張る話にもついて行き辛くて打ち切りにも納得いってしまったものでした。勢いはあるんでしょうが生き方がいつも行き当たりばったりで物を考えて行動してないだろ!とツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

 ウィル・ジョンストン…ビュー「なあ、親父の借金ってこれで足りるか?真っ当な金だから安心して貰えよ!」
ウィル「俺達が貰う筋じゃない。」
キャロル「お兄ちゃん!借金を返す気あるんならくれるっていう物は貰っておいてよ!」

という訳で金貨は全額暴れて壊した店の修理代&食事代(高過ぎるだろ!)として進呈されマスターから「お前たちへの正式な給料とボーナスだから。」と筋をを通して貰う(「いきなり高給に上がるのは不自然すぎて貰う筋は無い。」と拒絶はしないのね、お兄ちゃん…ゲフッ!)という面倒臭~い経緯を経てようやく彼は仲間になるのでした。10年間読書をしていた割には腕はかなり立つ文武両道な万能キャラ(実力的にはね)になっており今後成長する(為の)要素なんて残っているのか出来過ぎていて逆に疑問も感じてしまった人です。考え無しに行動するビューよりもこの人の方がリーダーに相応しいような気がするのですが…ゴフッ!

 佐藤こりす…「だってなんか面白そうだったんだもん。」

小リスってなんだこのドキュンネームは!?農村の娘だったらとにかく(農民出身の野口英世の姉の名前はイヌだったから、それなら他の同じ身分が底辺の娘の名前にリスとつけられても不自然ではない…かもしれない。)一応生まれは会津のお武家様だったんでしょ!?(せめて八重とか於一(おかつ)とか人としてマトモな名前をつけてあげるべきじゃないのか、佐藤家!?)と名前のセンスの無さに大焦りしてしまった女性でした。「アメリカに移民するも失敗して小さかった私はサーカスに売られた」と本人は言っていますが移民の経緯だけでなく日本(会津)の時代背景(戊辰戦争に負けて武家すらマトモに食えなくなったからアメリカに新天地を求めて移民した。)についてまでちゃんと理解している辺りアメリカに来た時点で年はそこそこ行っていた(だから19歳と3人の中では1番年上なのか…。)=親に連れ回されて人生を狂わされたのではなく自分で決めて歩んできた事が分かり少しホッとしたヒロインです。ナイフ投げを基調とした「戦えるヒロイン」ではあるものの銃を基調とした男達の中に入れるとどうしても実力的に見劣りするし、むしろ「剣心」の薫や操のほうがドラマにも絡めるバトルヒロインとして見栄えがしていたなあ、と残念に思えてしまったメインヒロインでした…ゲフッ!

 マーカス・ホーマー…「どうしても戦わなきゃならない時は絶対に戦え!そこで逃げたりするといつの間にか自分の1番からも逃げるようになるぞ!」

不精髭・胴長・短足・猫背の4連コンボで作者が自分で言っている通り決して女性達からモテるタイプ(容姿)ではないけれど、現代で言えばただのニートだけれど(せめて主夫と言ってあげたいがシィシィ姉さんのハートも掴めず(良い奴なんだけど「いい人」で終わってトキメキに繋がらないタイプではあるからなあ~。)居候止まりで終わっている以上厳しい物がある。)引くときは引いて主役を譲るその妙なダメっぷり・潔さに好感が持てたキャラクターでした。それだけに彼がフェイドアウトしてからの展開にはあんまり魅力を感じなかったり…ゲフッ!(心意気だけは一人前の子供のビューと意気地無しだけど現実が分かっていて敢えて半人前のカテゴリにいる大人のマーカスのそのコンビが良かったのに…。)最終話で実は生きている事が分かって物凄く嬉しかった(そういえば川に落ちても死体が上がった訳ではなかったっけ。)ものですが、どうせならもっと早くに出てきて仲間に加わってほしかった(再登場したのに連載終わっちゃたよぅ!)と最後まで残念な立ち位置のキャラクターだったなあと実感した人物でした…ゴフッ!
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