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続・アナスタシア倶楽部

2009.11.30
 もはや歴史と関係なくなってしまった続編こと最終巻です。(アナスタシア絡みの話でなくても歴史上の人物が詳しく語られている所が好きだったのに…。)さいとう先生曰く「瀬名の秘密がついに明かされる」編だそうで男同志のキスシーンは出てくるわ(またか。)服はよくはだけられるわ(ウテナの時から思っていたけれどさいとう先生が描く男はよく脱ぎます。)色々凄い展開を見せており読みながら何度も笑ってしまいました。(笑うなよ!)

 椿カムイ…星羅「心配しなくても2人共大人なんだし…。」
瀬名「少なくとも片方は完全に子供だ!」

それは中身が幼い葉一郎の事を言っているのか身長が低すぎて子供にしか見えないカムイの事を言っているのか微妙な所だなと思ってしまいました…ゲフッ!身長は低いものの美少女ではあるという設定から瀬名はロリなのか?という疑念も出てきて男娼時代といい、どれだけ犯罪的な人生送っているんだ、瀬名君は…とツッコミを入れてしまいました。2人がデキ上がってしまうのは当人達の自由ですが学生の分際で結婚までするというのには展開早過ぎ!とも驚いてしまいました。カムイちゃん曰く「今まで分からなかった瀬名の新しい1面を知るのが凄く楽しい。」そうですが個人的にはアナル非処女の夫なんて凄く嫌だなと思ってしまいました(そんな1面知りたくもありません。)…ゴフッ!

 瀬名卓斗…インディゴ・ブルーの瞳の彼にはアンバーの瞳の弟(葉一郎)がいたことが今作にて判明しました。が、どうやら2人の父親は相当なケチだったらしく瀬名の母親が死んだのをいいことに愛の証のティアラを新しい女(葉一郎の母親)に与えるだけでなく指輪まで使い回しにしていた(ちなみに遺言状もそうですが後から決められた方が優先されるのでこの場合、桜尉家の方に優先権があると言えましょうね。)ようです。正妻と離婚できないまま別の女2人に子供を産ませた辺りもそうですが相当だらしなかったんですね。(息子の瀬名が幻滅する訳です。)とはいえ当の瀬名本人も過去に男娼の真似ごとをしたせいで痴情のもつれで今回のようなトラブルを起こしているし偉いことは言えない立場だな(もつれ過ぎている大人の恋愛経験者という点では同じ立場。)とは思ってしまいました。当人達は勝手にしてていいけど、巻き込まれる周りの人達は迷惑だという話です…ゲフッ!

 桜尉葉一郎…母「お茶入れるけど葉一郎はちんちんがいい?」
葉一郎「うん、ちんちんにしてちょ。」
祖母「やっぱ、ちんちんなのはええが~。あ、卓斗さんも呼ばれや~。」
瀬名「俺はあんた達と親戚付き合いする気はないからな!」

ちんちん=名古屋弁で「滅茶苦茶熱い」という意味です。ちょすいとる(威張ってる)ちいとねゃあ(少し)とろくしゃあ(アホくさ)などお母さんとおばあちゃんが方言を交わしているシーン(そして「お母様はちょっと黙ってて!」と瀬名の前では気を使ってストップをかけた。)より家ではバリバリに方言を使って会話を交わしていることが察せられ何故瀬名がこの人のいい親戚たちを嫌がるのか理由が分かる気がしました。結婚式は上げるけれども未入籍(偽装結婚じゃないですか。)で正妻がいるのも他に隠し子がいるのも受け入れている辺り人格は(不必要に)いい人達のようです。が、義理ママ・マリーヤにホイホイついて行ってしまう辺りなど非常に騙されやすい1面も持っていらっしゃるご様子で、これからの人生ちゃんとやっていけるのか不安を感じてしまうキャラクターでもありました…。

 墨雷介…「大きいのは僕のカムイくんへの愛。」

アナスタシアクラブ内で唯一4年で大学を卒業し警察官という公務員に就職した真っ当な男。(結婚相手として選ぶとしたら普通はこっちの方なのですが…。)エルミタージュで彼女と瀬名がキスしていたのも知っていてそれでも諦めきれないと告白していた彼(「知らなかったのなら今分かってくれ。カムイ君も僕を好きになってくれ!」)ですが「これからもキスしたいのは瀬名だけ。」とひたすら冷静に返されていて見ていて哀れでした。(冷静に返せるのは前々から気持ちを知っていて驚きに値しないか動揺もしない程どうでもいい男だったかどちらかですが、どっちにしても不憫です…ゲフッ!)今作では情事の後ホテルから結婚の報告をされてとうとう泣いています。(か、可哀想に…。)振るなら振るで構わないからもう少し気を使ってあげてもいいんじゃないかとカムイに対してツッコミを入れてしまった私でした…ゲフッ!
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平山夢明 恐怖全集~怪奇心霊編④~

2009.11.29
 この「怖い話」シリーズをしくじってしまえば後は無く、またコンビニの店長に逆戻りする他ない。ならいっそ自分で「体験」できないだろうか、と事故現場や樹海に行ってみたそうですが、結果として「寒い」「眠い」「腹減った」以外の体験をできた試しが無く、股間が釘でウニボールのようになった藁人形(「相手はホストだな。」と確信した。by平山)など珍しい物は見たものの、およそ思うように恐怖体験は出来なかった、と後書きに書いてありました。遭遇する人はしちゃうのに、しない人はしないというのも「怖い話」の理不尽な点でもある様子です…。

 ペット殺し…染谷「最初は飼えなくなったペットを集めて大型の保健所の『天国の棒』にくくっていたんだ。朝になると職員が『処分』してくれるからな。でも数が多過ぎる事でバレて、保健所の職員に怒鳴られてからは、もうやってないんだ。」
平山「じゃあ、どうしてるんだ?」
染谷「凄く金の良い仕事だから続けてる。毒まんじゅう食わせて殺してから造成地の穴ぼこ探して投げ込んでる。小さい奴だと段ボールに詰めて車で轢いたりしてるんだ。」

自分でわざわざ保健所まで連れて行って「死地に置き去りにする」のは気が重いし、そんな時に「この人、サイテー!」という視線を浴びせながら横を通る一般人の皆さんの目も気になる。だったら多少、金がかかっても家まで「引き取り」に来て貰って、他人の手で厄介な事を全部済ませて貰う方が、自分的には気が楽だ…とペットの処分を第3者に依頼する人は多いそうです。しかし、結果は同じといえども↑のようなやり方はさすがに犬の恨みを買ったのか、その後、染谷さんは夜な夜な四つん這いになっては息子の足を噛んだり、と明らかな狐憑き状態になってしまったそうで、思えば保健所の職員に「うちに汚れ役を押しつけるんじゃねえ!」と怒鳴られた時点で辞めておくべきでしたね。何事もやり過ぎは禁物、という話です。

 レントゲン…馬羽医師「超過勤務が原因で2人ほど婚約者に逃げられてるんですよ。デートの約束をしてても患者が危篤なら行かなければいけない。どんな親族だって担当医が臨終の場にいなけりゃ怒りますから。だから、おちおち酒も飲めない。呼び出しを受けた医者が酒の臭いをさせていたら裁判沙汰にもなりかねないですからね。」

昔に比べたら医者という職業に対する尊敬度が落ちた上に、課せられる責任の度合いは逆に強まった。おかげでおちおち恋もできない、婚約までしながら「私と仕事と、どっちが大事なの!?」と2度も捨てられた時には医師という職業を選んだ自分を恨んだほどだったそうです。(「このままでは一生、結婚できない。本当に医師を辞めるか、もっとヒマな個人病院に転院するか、真剣に考えていました。」by馬羽)先輩が教えてくれた「レントゲンの影が人の顔や怨・呪などの文字に見える」(だから、そんな人はもうすぐ死ぬ。)というのは、かなり眉唾臭い話ですが「死ぬ時期が分かる=呼び出しを受ける時期の予測がつくからスケジュールが調整できる。」のは本当で、向上心のある医師はデートの為でなく「遺族に現在の状況を説明して、死への心構えができる」ように、予見出来るように己を鍛えているんだそうです。給料が高くても医者って大変な仕事だなぁ、と改めて感じた話でした。

 蜘蛛 二題…アート「うちの家(テキサス)じゃ、夕方になると玄関や窓の周りの蜘蛛を全部焼き払っておくのが習慣なんだ。」
平山「どういう意味があるんだ?」
アート「スペル・スパイダーって言って、蜘蛛の巣で文字を書いて死者を告げるのさ。」

朝、玄関の柱の間にあった蜘蛛の巣に「ジェフリー」と自分の父親の名前がつづられており、それから3日後にシャレでも何でもなく本当に親父さんが交通事故で死んでしまった、という話には、日本にも「夕方の蜘蛛は親でも殺せ」というおまじないがあったなあ(もしかしてアレはそういう意味だったのか?)とふと思い出したものでした。しかも名前を書かれてしまった所で何か対処法がある訳でもなく、神のみぞ知るという展開には、どうしようもない事(せいぜい蜘蛛の巣を取って予防を重ねる事位しかできない。)である事実と合わせて溜め息ばかりが出た話でした…。(もうすぐ死んでしまうのを知りながら、何もできないのか…。)

 覗き…鷹見「モデルのバイトをしているとストーカーとか多いんですよ。家から学校までつけられた事もあるし、イタズラ電話も多いんです。半年に一度位の割合で全部、事務所持ちの費用で引っ越してますね。」

プライベートな仲間だけに携帯番号を教えているのに、それでもイタズラ電話がある辺り、事務所の中に変な人がいるんだろうという彼女の勘繰りに、「東京伝説」シリーズでAV女優のマネージャーが部屋の合鍵を複製して売っていたり、本人情報を売って小金を稼いでいた現実例があったのと合わせて頷いてしまったものでした。(考えてみれば当然だけど「仲間うちの人間のうち誰かが裏切っている」から情報が流出している訳で、消去法を使えば犯人の正体はともかく「裏切り者の範囲」は予測がつくな。)職業に貴賎なしとは言うけれど、モデルもその類に洩れず体系維持だけでも大変な仕事であり(とある外人事務所など「稼いだ金で何を食っても自由だけど、契約期間が終わるまではスタイルを崩すな!」と喉にハンガーの柄を突っ込んで無理矢理吐かせているそうです。)たかが写真撮影とはいえ「顔を売り物」にしている以上は危険がつきものなんだという事を改めて感じたものでした。話にあった「窓から覗いていた瞳」も、たとえそこが13階でも、本当に幽霊だったのか、生きたストーカーだったのかは怪しい所だな、と思ってしまったり…。

 居酒屋…土岐「地元の人間は一切来ないのに平日の午後とかも結構、宴会が詰まってるんだ。大きな寺から程良い距離にあるし、大通りに面してる事で法事を頼まれる事が多くて…昼間から喪服の集団を見慣れるのも妙な気分だったよ。」
バイト仲間「この店、元処刑場だったんだと。やっと潰して更地にしたけど、長い間、買い手が全くつかなくて、そこを茨城から出てきた今の店長が何も知らずに買ってしまったんだって。」

地元の人間が一切来ない、自動ドアでもないのにドアがガラッと開く、人数分出したおしぼりの数が多かったり少なかったりする、カラオケから変な声が出る、盛夏でも冷房は弱で充分、果てはバイト仲間が立て続けに3人も事故で入院した(「3人とも全然、別の場所で怪我してて、事故多発地帯に行った訳でも何でもない。共通するのはあそこでバイトしてたって事くらい。それでこれは少し変だなって話になったんだ。」by土岐)のは、そういう訳だったそうです。(そして↑の話を聞いて、その場で2人が辞める決意をした。)裸一貫で始めた店を守ろうとしている店長に同情もして、店で寝泊まりもしてみたけれど、そのとたん腹わたを引き摺る霊や上から見下ろす生首に話しかけられた(分かってはいても、人間、出来る事と出来ない事がある。)事で、さすがの土岐さんもバイトを辞める決意をし、結果、店のバイトの回転率は今日も非常に良いらしいです。

 小能力…浦谷「僕、超能力者になりたくて小さい頃から訓練した結果、体調の良い時なら箸とか錠剤を動かせるようになったんです。」
中俣「そんなこと何の役にも立たないだろう。」
浦谷「パチンコ玉ってちょうど5グラムなんですよ。体調の良い悪いは自分で分かりますから、大当たりを出すことができるんです。」

超能力者ユリ・ゲラーの真似をしているうちに「自分でもできるようになっちゃった人」(ゲラリーニ)は他にも多数いたそうですが、彼らゲラリーニ達のほとんどは極めて短い期間で超能力を失った(それで手品やトリックに頼り、ゲラー本人までインチキだと叩かれた。)そうで、浦谷さんみたいに大人になってからも力が使えるのは稀な例らしいです。(しかも長年の保持者である浦谷さんでさえ「体調の良い時限定」でしか力を使えない事からも分かる通り、ゲラリーニの能力は非常に不安定。)そして、小さな物なら動かせる程度の力を使えた所で何の役にも立たないだろう、とツッコミを入れていた自分としては、そうか、念力ってそういう使い方もあるのか、と発想の転換で「巷の達人」になった浦谷さんに拍手したものでした。(種も仕掛けも無いイカサマ方法だが、一応、怪しまれないように店は固定せず流しでやっているらしい。)とはいえ「将来はユリー・ゲラーになるのが夢だったんです!」という一般的大多数の大人が聞くと大体の確率で引いてしまう「変人宣言」を語ってしまっては、男の職場でつまはじきにされてしまうのも仕方なく、給料日前に1人だけ涼しい顔をしているせいもあって、一時期いじめに遭っていたそうです。特別な力の有無は別として、空気を読む事は大切だよなという社会常識を改めて感じた話でもありました…。

 リフト…鴫原「おい!ここで事故が起きたんだろ!」
男「…そうだよ。俺はここで死んだんだ。」
鴫原「後で話をすると、皆、僕しか乗っていないリフトから変な笑い声が聞こえていたから、怖くて振り向けなかったと教えてくれたんです。」

人間、見たくない現実は無かった事にしてしまう風習がある。鴫原さんが2人乗りのリフトに一人きりという寂しい状況(ではなく、声が聞こえた瞬間から何者かが隣の席に座ってガン見してきたらしいが。)で、すぐ前の席に仲間達が座っているにも関わらず、された事が、そんな風に「見殺しにすること」でした…。最も、うっかり振り向いて、木に激突して死んだ明らかに状態が悪いであろう遺体(霊)の姿(「グシャって、でっかいスイカを叩き潰したような音がゲレンデに響いたんだって…。」by鴫原)なんて見てしまった日にはビックリしてリフトから落ちてしまう可能性も無きにしも非ずですし、彼らの判断は正しかったのでしょうが(それにしたって、その場で一言、「ゴメン!怖過ぎて振り向けない!」と返事を返してくれても良さそうなものだが。)現実って、人間って、いざとなると冷たいよなあ…と感じてしまった話でした。

平山夢明 恐怖全集~怪奇心霊編②~

2009.11.28
 平山先生が「デルモンテ平山」(ハーフか何かかと疑いそうな名前だが「怖い本」シリーズの著者近影を見る限り、思いきり自国・日本のオッサンである。)というペンネームを使って書いていた頃の初期作品集であり、要するに再録集でもあり、シリーズを読んだ私としては知っている話もかなりあったのですが、古本屋で手に入れ損ねた本も多々ある身として知らない話も有り、読み返してみて、なるほどと思える話も有ったので、ここにお気に入りの話をまとめてみました。

 石を拾う…彼女「この石、凄いわ。まるで本物の人の顔みたい!」
僧侶「これは晒し首の支えに使われていたものだよ。そういう物は本来あるべき姿に返す。もう妙なものを拾わないように。」

石にペインティングするのがマイブームだった当時、「色塗りにピッタリの石」を見つけた事で思わずいつものように持って帰ってしまった辻くんの彼女でした。が、それから2週間位すると電気製品の故障や金縛りなど「定番の霊現象」が相次ぎ、原宿の歩行者天国で通りすがりのお坊さんにお札を貰った所、その石の上に札が落ちたとたんに止んだ…ことから、さすがの彼女も「原因」が分かったそうです。河原というのは水道が普及していなかった昔、すぐそこに水が有って返り血を流しやすい場所(処刑場として最適の場所)として使われていた所もあり、他にも、神社の石だからと安心して持って帰ったら呪いの丑の刻参りを行っていた女性の念が張り付いていたとか色々な話を聞いたことがあるので、基本的に「石を拾う」事は辞めておいた方が良い様子です。(無料で持ち帰るのはドングリ程度に留めておきましょう。)、

 ハッパ…長倉「俺達は現場の前に味噌汁は飲まねえんだ。それに貫通まで女は絶対に坑内に入れない。」
平山「どうしてですか?」
長倉「理屈じゃないね。しなけりゃ必ず事故が起こるからさ。」

長野五輪だと大騒ぎする少し前(古!)、向こうの方では大変なトンネルラッシュだったそうですが、日本のように隆起が激しい岩盤は練られている為にシールド・マシーンでも刃が立たない。なのに穴を開けるにはどうすれば良いのか、という事で登場するのが「ハッパ師」と呼ばれる爆破専門官(要するにダイナマイトで爆破して吹き飛ばす。)です。彼らの言葉に根拠はいらない。(え?)実際にうっかり味噌の握り飯を食べてきてしまった現場土工が、岩の欠片に頭を割られて入院したり、それはもう四谷怪談並みの実証主義で本当に事故が起きているそうです。しかし、固い岩盤ではそれでも1メートル削るのに100本近いダイナマイトが必要になるそうで、「水爆を利用してトンネルを作ろう!」とバカを言い始めたテラー(水爆の父)の言葉もあながちアイデアとしては悪くなかったのかもしれない(使う物さえ間違っていなければ。)と少し思ってしまった私でした…。

 コビーのこと…妻「さっきから猛烈にバシッ、バシッてラップ音みたいな音が室内で聞こえるんだけど…。」
平山「床が乾いたんだろう。」
妻「今、窓ガラスにピシッと何かが当たった音がしたんだけど…。」
平山「虫だろ。」
妻「あなたがいない時に廊下をドスドス歩く音が聞こえるのは、どういう訳なの!?」

そして、そういう時に限って10か月になる娘のコビーちゃん(チビのくせにビービーうるさいので、そんなあだ名がついた。)が音のした方向に向かって話しかけたり、ケラケラ笑ったり、視線が向かった先で物が倒れたりしている様には「当然、この子には『見えて』いるんだろうな。」と晴明神社のお守りを握りしめながら(って、平山先生も実は霊現象の方だって分かってるんじゃないですか!)実感したそうです。怖い話をしたり、集めたりしていると、霊が寄ってくるって本当だったんだな(まして平山先生なんて、1人で百物語をやっているようなものだしな…。)と改めて感じた小話でした。

 人形のこと…人形師「出来上がったばかりの人形には『自分は人間ではないんだ。遊ばれて玩具にされて捨てられる事が自分の幸せなのだ』と引導を渡します。人形は『自身の魂は死んでいる』のが良い状態なので、産み出した瞬間に『殺してやる』のが我々の仕事でもあります。」

人形が「生きた」まま貰われると最初にすることは「気を吸うこと」、次にすることが「嫉妬」だそうです。「人の形」という彼らの成り立ち自体が念を吸収する事を前提に造られており、流し雛では子供の災いを雛に背負わせる事を主眼としているし、藁人形(プラスチックでできた上等なものでなく、顔すら描かれていない、ただの藁)を見るに細部の緻密さが決して彼らの能力を減退させるものではないという事が分かる。そして「人形に嫉妬されると、持ち主の気持ちの状態はどんどん悪くなり、とり殺されることもある。」という説に、平山先生は、かつてアンティーク・ドールにハマって、骨董価値の高い物を次々を買い漁る為に水商売にまで身を落とし、果ては衰弱死した(直接の死因はともかく「人形の為」に死んだことは確か。)という女性を思い出したそうです。という訳で人形を大事にし過ぎるのも考えもののようです。

 こっくりさん…飯野「大体、当たらないけれど、アレは男と女が手をくっつけ合う口実みたいなもんだから。」

10円玉などという「狭い場所」に数人で指を乗せるのだから、それはもうベタな少女漫画のように指が触れて「あっ…。」「ゴ、ゴメン!」「い、いえ、こちらこそ…。」という展開になるに決まっているという打算も有ったらしいです、あの遊び。(そんな、ときめきメモリアル要素があるとは知らなかった。女子限定でやっているイメージばかりが先走って「わずか10円でできる占い」だとばかり思っていたよ…。)とはいえ、降霊術の一種である事には変わりなく、せっかく「ちょっといいな。」と思う女の子と行っていたのに、「飯野くんの好きな子は?」の質問で彼女の名前を出されたり(オイオイ、初な男の子はそういうメンタルが弱いんだから直で聞くなよ。)、思わず逆走して指を離して辞めると10円玉の形に紙と机が焼け焦げていたり、ムード台無しの目に遭ったそうです。やっぱり恋愛はこっくりさん絡み無しで進めておきましょう。

 ベトナム・チーム…伊佐「私達のバイト内容はフルメタルジャケット(黒い死体袋)に詰め込まれた兵士を『修理』する事だったの。普通の兵隊さんはドッグタッグ(認識票)のみで死亡処理がなされていたから、皆、位の高い人だったと思うよ。」

へえ、「米軍基地のある国」ってそんな事もしなきゃならないんだ。(最も1964年のトンキン湾事件→翌年の北爆(コード名・ローリング・サンダーと呼ばれる絨毯爆撃作戦)→ベトナム人の聖なる休戦日「正月休戦」を一方的に破って爆弾を見舞った「テト攻勢」→1975年のサイゴン陥落に到るまで続いたベトナム戦争は既に終わっているので、今はそんな必要も無いが。)と当時、人知れず行われていたバイト内容に引きながらも頷けたものでした。しかも場所は暑く湿気のある国ベトナム。オマケに地雷や手榴弾、ロケット弾を食らって「爆死」した死体(もう既に挽き肉)は中継地点である日本に着いた時には、防腐剤加工専門のエンバーマーに引き渡す以前に大分腐っていたそうで、時給は良いものの大変な内容だったそうです。何度、縫合しても剝がれると思ったら他人の手だったとか、そんな陳腐な怪談の前に「凄いバイト内容」に慄かされた話でした…。

 お願い替わって…和田「あの列車事故の時に、俺が席を譲ってあげたばかりに、化けて出てくる女子高生は亡くなってしまったんだ。だが一体、俺の何が悪かったんだ。席を替わったのが原因だとしても悪気は無かったんだ。」
霊能力者「あの人、自分の親切が仇になったと言ってるけれど、あれはウソ。本当は座っていた女の子を疲れているからって無理矢理、替われって立たせたのよ。彼女はそれを認めないことが悔しいって言ってる。あの人、それを認めて御両親に謝罪しない限り、死ぬわよ。」

席を替わらせたことで九死に一生を得た上に、死んだ女子高生をネタにして「美談」(俺って疲れていても若い娘さんに席を譲ってあげちゃう位のイイ奴。)に仕上げては、そりゃ、死んだ後まで冒涜された娘さんは怒るでしょうね。「そんなバカなデタラメがあるか!」と彼は逆ギレしていましたが(真っ赤になって怒るって事は「図星を刺されて逆上した」って事ね。)嘘だろうと本当だろうと「そのお話の通りです。」と両親に謝れば命は助かるという内容なのだし、痴漢の疑いをかけられた会社員が真実濡れ衣でも駅長室で10万円の罰金を払ってサッサと事を終わらせている(その方が裁判沙汰にまで展開し、自分の疑いは晴れても、終わった時には職も、より高額の金(弁護士費用)も失っていましたという結末よりは「被害が少ない」から。)ように「ごめんなさい」をしてしまえば良かったのに…と「最後」まで認めようとしなかった(そして「あの人は本物だ。」の言葉を最後に電車に飛び込み自殺をした。)様に溜め息が出た話でした…。

優しいけれど意地悪で・強引だけど優しくて・優しいだけじゃ足りなくて

2009.11.22
 恒例の「俺達の冒険(ではなく恋愛)はこれからだ!」という終わり方の前後編で話を絞めた所、「これで終わりじゃないですよね!?ていうか続きを描いてください!」という手紙がたくさん舞い込み、担当さんにまで「この話、続くんですよね?」とも言われ、「じゃあ2人の行きつく所(最後)まで描かせて貰おう!」と話を続けていったのが、このシリーズなんだそうです。「鮎川君の話も護サイドで描いてみたいかも…」という3巻目の希望も「それはぜひ描いて下さい。」という読者の声で実現したそうですし、連載って本当に人気の有無で命運が決まるんだなあ…という真理をまざまざと感じたものでした。

 木場駆…駆「さっき母さんに頼まれた買い物で裏路地の橋を渡ろうとしたら、酔っ払いがたむろってんの見かけてさ、絡まれてる担任の先生を助けよーとした、はずみっつーか…。」
母「…で、助けようとしたはずみで、結局アンタが川に突き落としたって訳?」

という訳で勢い余って川に落とし、打ち所が悪くて記憶を失くした担任の「面倒」はいつの間にか下半身がらみの内容にまで及び、セクハラの数々に辟易しつつも、それでも「とんでもなく根性悪な素顔」の持ち主でも可哀想な境遇があったんだな(=どんなに哀れな過去の持ち主でも「嫌い」な奴には同情すらできない=ある種の好意はある。)という気持ちが、いつの間にやら成長し恋愛感情にまで発達してしまった模様です。(…ナイチンゲール症候群か?)男2人だけで泊まりがけの旅行をするという展開に母親の方には2人の仲を勘付かれている様子ですが(事故をきっかけにしてなった常連さんにとはいえ、一生徒に過ぎない駆を店の改装(に合わせた夫婦旅行)の間、自分の家に住まわせたり、いくら担任だからって明らかに度を超えている。)実際問題、対応に困る内容(自由恋愛)なだけに、まだ何も言えない模様です…。

 若狭朋也先生…楠木委員長「ガキ(女子高生)に騒がれたって鬱陶しいだけって…アンタって最低!女の敵よ!」
駆「この二重人格!それ、他の奴の前で言ってみろ!嫌われるぞ!」
若狭「俺は本音と建前を使い分けてるだけだ。社会に出たら誰でもする事だぞ。」

「自分がこれだけ素の姿を見せるほど貴方は特別」という主張と「その姿を知った相手がドン引きせずにいられるか」というのは、また別の問題であり、そんな「無神経な正直さ」をさらけ出して相手に甘ったれるよりも、嘘ついて取り繕ってでも「相手に気を使う」方が良い場合もあるという常識(そもそも人間の本性なんて、大抵は醜いものなのだ。)を考えると微妙にも思えてしまった2重人格ぶりでした。家族にも「笑顔の鉄仮面」で他人行儀な態度を通してきたからこそ、恋人には「うわべだけ」で接したくなかったのでしょうが、おかげで「特別」に悪く扱われている駆はいい迷惑でしょうし、群がる女子にも良い顔をする恋人には嫌な気分になっただろうな(「俺だったら、誰にでも愛想の良い八方美人の恋人なんて、お断り。」by恭悟)と、色々と周りの人間の方に同情してしまったものでした。義理の母親の元に婿養子に入った父親の連れ子として、肩身の狭い思いをしながら育って、微妙に思っていた異母弟に愛の告白をされた上で事故死されて、この人もこの人で重い物を抱えてきた人生は分かるんですけどね…。

 鮎川恭悟…駆「よっしゃあー、取ったあ!ほらっ、プールに落としたから、これで俺と若狭がキスしてる写真データもパーだ!」
恭悟「携帯のデータってパソコンに落とせるって知ってた?こんな事しても無駄だよ。」
駆「お、脅す気かよ…?」

用意周到にホモップル(ホモ+カップル)のラブシーンの写真を手に入れ(つまり、他には誰も気づいていない2人の関係に気づくほど、そんな場面にまで居合わせるほど、日常的にストーキングしていたって訳ね…。)脅迫という卑劣な手を使い(「言う事を聞かせる」には有効な手段かもしれないが、それで嫌悪感が芽生える事はあっても、トキメキは生まれてこないぞ。)「他の男が好きだ!」とハッキリ振られても、めげずに追いかけ回した(普通だったら「振られたんだ、俺!」と駆のように泣き寝入りして身を引く場面である。)そんな彼のどこが「諦めが良い」だって…?と思わず番外編の始まりにツッコミを入れてしまった恋敵でした。しかし、ライバルが人間(若狭先生)で割って入る隙間も無かった前・想い人の駆と違い、所詮ライバルは犬(ハル)に過ぎない現・想い人の護さん(ハルをどんなに愛していても獣姦趣味でもない限り「恋人」という対象にはならない。)とは、それでも上手く行ったようで早々に新しい恋人を手に入れた様子です…。

 坂上護さん…「俺の爺ちゃん、関西でも有名な犬の訓練士だったんや。でも犬を育てんのは上手くても、自分の娘の扱いはダメダメでな。相手がどこの男かも分からん子供(俺)産んで、爺ちゃんの所に預けたまま、いなくなったと思ったら、暴力団のオッサンと付き合っとって、交通事故で一般人まで巻き込んで勝手にあの世行き。そんな騒ぎになって、爺ちゃんが警察犬を扱う公認訓練士を続けられる訳も無いし、俺も訓練士の資格取って警察官になるっつー夢も絶たれてん…。」

警察官って本人が何の罪も犯していなくても、4親等内に犯罪者がいるとなれない規定が有りますからね…。「暴力団関係者の母親」の存在が明るみになってしまえば必然的に警察犬訓練士にはなれないわな(でもって「暴力団の女の父」になってしまった爺ちゃんの方も警察犬訓練所を閉じるしかなくなったんだろうな。)とバカ母のせいで人生を大きく狂わされた護さんの過去に同情してしまったものでした。(ちなみに当の事件をきっかけにして爺ちゃん本人も「バカ娘の息子」である護さんを疎み始め、家庭も崩壊したらしい。)本当に可哀想なのは犯罪を犯してペナルティを食らっている犯人(それは自業自得。)ではなく、何もしていないのに「そんな人間の血縁」に生まれついてしまったが為に影で後ろ指を指される家族の方だよな、と妙に当たり前の事に思い到ってしまった番外編でした…。

拘束・束縛・恋人プログラム

2009.11.20
 実はこの話に出てくる警備会社は他ならぬ「優しい~」シリーズの番外編主人公が転職した先でもあり、同僚として本人と犬が脇役で出てきた時にはビックリしたと同時に「…アレ?彼氏の恭悟君は?」と多少の不満も感じたものでした。(プライベートで付き合っているだろうから、「仕事中」に職務を忘れてイチャイチャ会ったりはしないだろう。主人公カップルじゃあるまいし。(爆))資産家の一人息子とボディガードという一般にはまず見かけない設定の2人の話ですが、ツッコミ所は多くて結構楽しめたものです。

 華月春真…「今日、大学の外で知らない男達にさらわれかけた!そいつらに俺『うまそうな子猫ちゃんだな』って意味不明な事、言われたんだ!理由を教えてくれないなら、家出して生活費の為に夜のバイトも始めるからな!」

良家の子女って、それを知られるだけでも大変なんだな(そういえば昔、母親が金持ちだってだけで攫われたガードの緩い女性がいたな。)と資産家ならではの苦労に納得が行くのと同時に、おかげで大学生になった今でも世間ずれせず純情に育ち、結果として周りと上手くコミニケーションが取れずに、彼女の1人もいない有り様(ファーストキスが男相手ですか…。)に同情もしてしまったものでした。男なのに痴漢に遭い、男(昇陽)に口説き落とされ、3巻では集団で性的なイタズラをされかけたって、この子もこの子で大変な人生を歩んでるよな(現実でも「可愛い子」だから攫われて犯されて捨てられた事件を耳にするし、もはや美形に生まれると、それだけで損をする時代なのかもしれない。)という様をまざまざと感じてもしまった主人公です…。(ボディガードという名の彼氏に守られているなんて夢のようだけど、それって変な男に狙われているから成立した状況であって…。)

 呉橋昇陽…「俺を恋人だって言った事には責任を取って貰います。身の危険を、俺で身をもって体感して下さい。」

アンタが一番、危険なのかい!(貞操的な意味で。)とツッコミを入れると同時に、第一話(早!)にして主人公のファーストキスを奪い、1巻の終わりでは相手から告白させるほどその気にさせ、2巻からは既に同棲を始めている、手熟れのホストのような対応の上手さ(普通だったら、いくら可愛くても「世間知らずで、すぐに拗ねて、甘えてばかりの幼い性格の男」なんて正直つき合っていくのが面倒臭い相手である。)に思わず溜め息が出たものでした。と同時に確かに主人公相手では、こういう包容力があって強引にリードしてくれて、ワガママや甘えも笑って許してくれる大人の男じゃないと務まらないだろうなあ、と改めて実感もしたものです。最も、恋愛においての相手の扱いが上手いだけあって「過去」はいっぱいあるらしく(「過去」で済んでれば良いけどね…。)こういう人と付き合うのも大変ではあるでしょうが…。(これだけ仕事に忙しく、これだけ恋人との時間を作り、その上で他にも女がいるとすれば、それはそれで見上げたもののような気もするが…。)

 華月小雪…小雪「私、結婚する事になったの。アラブにある産油国の第二王子であられる方なんだけど…。」
昇陽「春真坊ちゃん、しっかり!…そりゃ、一国の王子だし気も遠くなるだろうけど。」
旭人「第二王子とはいえ、何かあったら政治的にも問題視されるレベル…。」

19歳大学生の年の離れた姉(=20代後半)という年齢を考えると、ちょうど適齢期で結婚もするか、と納得もできた展開ですが、だからと言ってアラブの王子はちょっと行き過ぎてないか!とスケールの大きさにツッコミを入れると同時に、当の国の文化を考えて不安にも思えた結婚(「アラブ旅行に来たら、何だか道行く人に愛の告白ばかりされるのよね。私も『王家の紋章』のキャロルみたいにモテモテ?」「違いますよ。この国は一夫多妻制なんで小金を持っている男は誰かれ構わずプロポーズするんです。珍しい日本人なら、なおさらです。」by「王家の紋章」文庫版後書き)でもありました。それにしても大学生にもなって「義兄なんて俺は絶対にいらない!考えただけで気持ち悪い!」と大泣きするなんて、春真坊ちゃんはよっぽどのシスコンだったんだなあ(まあ、それだけ純情だったって事なんだろうけど。)と改めて実感もした有様でした…。

 グレン・シャゼル…グレン「春真坊ちゃんは、私の仕えるマフムード殿下のお妃になられる方の弟君です。だから私が責任を持ってお護りします。命に代えても王子に恥をかかせるような真似はできません。」
春真「ちょ、ちょっと、手にキスなんて辞めて下さい!ここ、大学の構内!人が見てますってば!」

「外人なんだから価値観とか色々ずれてても仕方ない」のかもしれないが、それにしたって、人前で麗しい金髪碧眼の白人の男が男相手に腰をかがめて手にキスしていたら目立っただろうなあ(ナイトですか、アンタは!)と、友人に過ぎない男の頬にキスしてる小雪と同じく日本でそれをやられると反応に困る態度を取っている彼にツッコミを入れてしまいました。(外国では「よくある光景」でも、日本では「映画でしか見ない非日常な光景」であり、誤解や噂話を招く触れ合いである。)この人は、この作者の作品でよく使われている「郷に入りては郷に従え」(ローマではローマ人のように振る舞え。)という言葉の意味を、もうちょっと学んだ方が良い、と実感もしてしまったものです。最も、そんなに目立って存在感のある彼も、この話上では「当て馬役扱い」に過ぎず、オマケで描かれている通りに「忘れられてた人」に過ぎない辺りが痛いですが…。(目の前でイチャイチャは辞めてあげましょうよ、春真坊ちゃん…。)

怖い話のネタ本~呪いと祟りの怨霊実話集~

2009.11.19
 「心霊」とは「浮かばれない霊を仏にすることだ」という持論を持った国際サイコトロニカ研究会(国際意識力学会)の一員さんの編著です。「様々な人の体験談を通して、生きている人間だけが全てであり、この世のことだけ、目の前のことだけが重要だという考え方を改めるべきだろう」という前書きの文章にはオカルト好きな人だけでなく現代日本に生きる人達すべてに当てはまる言葉ではないかと感心したものでした。表紙は時代を感じた程古いセンス(それもまた良し!)でしたが中々怖い話、感慨深い話が揃っており、個人的評価としては大満足の2000年夏に発行された本です。

 私を呪って自殺した妹の怨霊…妻「あなたは人間じゃない。あなたとなんか、もう一緒にいる事は出来ない。」

世の中には夫が自分の娘にセクハラをしていても(実の娘の訴えに蓋をして)夫と結婚生活を続ける妻がいるというのに近親相姦の事実(兄×妹の強姦行為)を知って離婚に踏み切った最初の奥さんは偉いなあ(何故離婚したのかという「理由」を人に言う事も出来ないほど酷い内容だというのに。)と読んでて感心したものでした。離婚せず、しかし見て見ぬふりもせずにお遍路の旅をして罪を償うよう諭した2番目の奥さんの行動力にも感心しましたが、やはり問題に真っ向からぶつかる人間の姿には感動できるものです。反面人でなしは周りの人間から責められる事に悩んでも、その根本原因が自分の犯した心ない行動にあるという事を考えてみようともしない(皆から嫌悪感を持たれるのは自分の犯した罪の結果で自業自得という経緯には目を瞑っている。)という人間の身勝手ぶりもリアルで色々考えされられた話でした。

 呪われたハーレー…「このハーレー、事故を起こしているようだな。気をつけないと危険な目に遭うよ。」

そのハーレーはかつてバイク屋のおやじさん本人が修理した、かつて老人をはねて死なせていたいわくつきの代物で都合の悪い事は黙って部下に(しっかり金(バイク代)を取りながら)押し付けた部長さんにも、問題有りの品物だと知っていて「危険な目」に遭うまで黙っていたおやじさんにも「…。」と思ってしまったものでした。心霊現象を起こす呪われたハーレーだと分かっても乗って1ヶ月も過ぎた後では、かつての愛車のナナハンも売れてしまった後でしょうし、話が終わった後からが大変だったろうなあ、と投稿者に同情してしまいました…ゲフッ!

 古都で拾われた呪いの怪石…「きっと、あの石の狐がお母さんを連れて行ってしまったんだわ。」

パワーストーンという物があるように石には力が宿ってしまう事があり、持ち主を守護し高める事を意図して「作られた」石ならまだしも野外に転がっている他人のどんな意志を吸って力を持ってしまったか分からない石は危険で拾った人間に害悪をもたらす事が多いそうです。(実際、他にも綺麗な石を見つけて持って帰った後から災難が続いたという話は聞いたことがある。)川に捨てた父親の行動は無意識ながらも一応呪いの浄化方法ではあった(キリスト教の聖水や日本の灯篭祭りなど水には穢れを払い清める作用があるとされた。)のですが時すでに遅し狐の石は母親をあの世に連れて行ってしまったようでした。そんな訳なので旅先で綺麗な石を見つけても決して拾ってはいけないという実例話です。

悪魔の手鞠唄

2009.11.17
 かの横溝正史の名作「金田一耕輔の事件簿」シリーズ(実際に遭った事件「津山33人殺傷事件」の犯人・都井睦雄をモデルにした「八ツ墓村」は中でも特に有名。)をオカルト方向に大胆に脚色(し過ぎ)をして描かれた漫画化作品です。原作小説シリーズを読んだ事があるだけに、原作との違いも楽しみながら読む事が出来た1冊でした。

 リリス…金田一「あの悪魔的なコスチュームデザインでしかもトップレス。大胆さが当たったんじゃないですかな。グループ名の『リリス』っていうのは中世西欧の悪魔の女王の名でしょう?」
地元民A「いや~、セクシー!日本一!皆すごいボインちゃんやのう!」
地元民B「今夜、僕、1人で眠れないわ~!」

原作ではアイドルデビューしているのは別所ゆかり1人のみで芸名も「大空ゆかり」という至極普通のスターだったんですが…トップレス(おっぱい丸見え)の歌手グループという明らかな色モノの一員になってしまったオリジナリティ溢れる設定の変更(し過ぎ)に度肝を抜かれたのは私だけでは無いでしょうね。帰郷してのショーも、「故郷に錦を飾る」という名目の市中引き摺り回しの間違いではないのか(こんな恰好(セミ・ヌード)で地元民の前でコンサート(という名の晒し者)って嫌過ぎるんですけど!)と思わずツッコミを入れてしまったものです。↑の客からの評価からも分かる通り、有名になったとはいえ「そういう目」で見られていますし、(有名になりさえすれば、客ウケさえすれば、何でも良い訳ではないと思うぞ!)スターになったとは言っても、これは褒められるべき内容でも、誇れる姿でもないように感じてしまった私でした…。

 多々良放庵…5番目の妻・おりん「別れてはみたものの、もう自分も寄る年波で心細い身の上です。噂に聞くと貴方も8人目の奥さんに死に別れて今は独身との事。お互い昔の事は水に流して、もし良ければ短い余生を一緒に送ろうではないですか。」
放庵「わしも当時は憎い奴…と思ったが、こうして詫びを入れられると、また可愛い。そういう訳なら、いつでも帰ってこい!こちらも1人で不自由しているし、自分も昔のような無茶はしなくなったから粗末にはしない。今後は仲良く暮らしていこう!」
リカ「だ…誰が『2人分の生活費』を出すと思ってるんだ、この男は…!」

だったら今からでも警察に出頭して夫殺しの犯人として強請られるネタを無くせば良いものを、都合の悪い部分だけは隠して上手い事いかせようなんて有り得ない思考回路の元で行動するからドツボにハマる結果になるんだよ、と長年強請り続けられた事からの逆恨み(犯人偽装の為の入れ知恵をしたのが放庵であっても、それに乗ったのも殺害した実行犯もリカ本人。秘密を黙っていて貰う代わりに金を渡すのは所謂「ギブ アンド テイク」であり、むしろアイデアを提供してくれた人物として感謝こそすれ、恨む筋合いは逆に無い。)で新たな殺人(放庵殺し)を実行に移すリカさんにツッコミを入れてしまったものでした。他人(放庵)あての手紙を勝手に着服・開封して読むわ、放庵さん以上にこの人の方が狡い思考回路だったのではないか(狡「賢く」はないけれど。)と思えてしまった第一の殺人でした…。

 青池里子…「顔のアザがどうしたというんですの!私のクラスメートの、あの酷い死に方に比べたら私の顔のアザなんて…私は誰に見られても、もう平気です!2度とアザを隠して生きることはしないつもりですわ!」

秘かに隠れていたリリツを青池館から連れ出せるのは、それを知っている自分か母親、または警察しかいないはず(で、自分ではないし、ましてや警察がそんな真似をするはずが無い。)という消去法から考えれば、証拠が無くても「この人以外の誰にそんな犯行が可能なんだ」という当然の結論から自ずと犯人は見えたのでしょうね。だからこそアザを恥じる事も辞め、誰に醜さを笑われても構わないと決然と人前にさらけ出すようになったのに、母親のした事はそれでも懲りずに新たな殺人に走ることだった(で、知っているだけでも2度も人を殺した母親が全く信用できなかったので身代りに同じ格好をしていた自分が殺された。)というのは切ない展開です。おかげで自分の娘だけは「無残な死体」をなるべく晒したくないという親心が仇になり、鈍い警察陣からも、さすがに1人だけこれはおかしいと気づかれたのは皮肉な結果とも言えましょうね…。

 青池リカ…「夫の浮気相手である3人の娘は華やかなスターになったのに、正妻である私の子の里子は全身赤アザの醜い子。出来る事なら里子にこそ歌手になって自分の夢を継いでほしかったのに…殺してやる!どうせ殺すなら3人共!その前に自分を強請り続けた、あの憎い放庵を…!」

逆恨みにも程があるだろ、一体どんな思考回路だよ!と「自分の娘と同じように赤アザを持ちえず普通の人生を歩んでいる」(うち1人は自分の夢だったスター歌手にまでなっている。)だけで嫉妬して、「気に食わない」という理由一つで何の罪も無い2人の娘を手にかける母親の病んだ考え方にツッコミを入れてしまったものでした。本来だったら正妻として夫の不始末(自分がしっかり夫を捕まえておかなかったせい)で作られた子供達に慰謝料なり養育費なり払うべきを一銭も払わずに、そんな事を考えているのだから本当に始末に負えない女です。(この人には夫の浮気相手の方々が歌手の夢を叶えるどころか、その夢を絶たれて未婚で妊娠する羽目になった苦悩にも、私生児として生まれた子供が散々周りから迫害されて育った事も、何も見えてはいないんだろうな。自分1人だけが不幸だと思いこめば楽だろうけれど、本当に可哀想なのは、くだらない嫉妬で殺された女の子2人の方だと思うよ。)という訳で娘を自業自得でブチ殺してしまっても、発作的に自殺しても、全く同情は出来なかった真犯人でした…。

呪凶介PSI霊査室

2009.11.16
 日本でもオランダの超能力者クロワゼットが透視によって少女の死体を発見したように超能力を捜査に活用すればいいのに(外国の警察ではとっくの昔に超能力を取り入れて迷宮入り事件を数百例も解決している。)という作者の願いかこの話では「民間協力」の形を取りながらも警察の中に部屋も持っている立派な超能力捜査室という異色の展開が拝めます。が、原因解明に効果がある反面、毎回必ずと言っていいほど死人(犠牲者)が出る非常に後味の悪い話になっており事件の「解決」と「予防」は違うんだなあ~と言葉の重みも実感しながら後味の悪い思いをしながら読み進めた、そんな話でした…。

 「狐狗狸殺人事件」…狐狗狸「遊び半分程度の気持ちで我らを呼ぶだけでも無礼極まるのに…その上笑い物にし馬鹿にしたこと、絶対に許せぬ!」

人間であっても霊であってもプライドの高い人間(「俺に敬意を払え」と思っている地位のあるお偉方)に対してぞんざいな対応をすると後が怖いという話でした。そういう相手に対して「何があったってそんなの自己暗示に決まっている」(=狐狗狸になんて何の力も無い矮小な存在だ)なんて禁句を言ってしまっては復讐もされてしまいますよね。という訳で3人の犠牲者が出た後さらに赤間君も呪い殺されてしまい「コックリさんは御覧の通り危険なので辞めましょう」(辞めたら学校の残りの生徒達はこんなに平和になりました。)という教訓で話は締められています。そんな感じで今後も毎話死人を出しながら進む話の形式に心霊的原因が分かっても解決(死人予防)に対してはまったく役立っていないんじゃないか、この霊査室!?と第1話からツッコミを入れてしまったものでした。

 「死人に口あり」…田上「今の法律では運転するのを知っていて酒を飲ませた者も罪になる。殺人の共犯者になりたくなかったら酒を飲んでいない彼女が無謀運転をして死んだ事にするんだ!」
善三「そうだね。刑務所に入った挙句退学したり職を失ったりするのは嫌だから言う通りにするしか仕方ないね。」
ひろみ「そうはさせないわよ!」

飲酒運転で殺された挙句に「悪いのは全部この女です」と事故の責任を全部なすり付けられては死んだ女性も浮かばれませんよね。元々運転席のシートの位置が大きく後ろに下げられている事(身長の低い女性では運転するのに無理がある)助手席にこびりついていた血液と毛髪がひろみさんの物、運転席の血液が田上の物だとDNA鑑定で断定できた事から警察は怪しいと思っていたようですが(死体の胸の上に車が乗り捨ててあった事例でも「自殺」(どうやって!?)で片付けられる事があるというのに、ここの警察は真面目に仕事をしていたんだなあ、と感慨深くなりました。)4ヶ月間も霊現象に悩まされて犯人達もとうとう根を上げたようです。それにしてもひろみさんの霊が頑張っているばかりで霊査室の方は状況を見ているだけで活躍していないような気がした(本当に役立ってますか、この課は?)そんな第2話でした…。

 「恐怖の館」…美魂「国磨氏の霊がこの家の本当の相続人である息子夫婦だけをこの家に住ませたいと思った。だからおそらく管理人夫婦は危害を受けなかったんです。」
管理人「わしらがこの家に住んだ目的はあくまで父の死体を発見したいが為に仕方なくでしたし『不審死が連発したいわくつきの館』に住みとうはありません…。」

そりゃそうです。いくら家具も豪華な広大な洋館でも毎晩ラップ音と悲鳴が響き鬼火や人玉をしょっちゅう見る羽目になる館では、いくら命に及ぶ危害が(自分だけは)起こらないとはいえ永住したいとは思えませんよね…ゲフッ!話の中で起こっているポルターガイスト現象はその場に霊能者や霊感の強い人がいる場合に起こる(霊が霊能者の体のエクトプラズムを利用して現象を起こす)そうなので思えば「プロ」の主人公2人を現場に行かせたのは最悪の人選だった(心霊関係だからと言って何でもかんでもPSI霊査室に押し付けるべきではなかった。)と上層部の考え無しの判断にツッコミを入れてしまったものでした。(おかげでベッドごと突き飛ばされるわ刀を突き刺されるわ王手刑事は大迷惑です。)結果として霊現象の主犯(父親)も見つかり館も燃えてこれ以上確実に犠牲者が出ない(ていうかもはや人が住めない)展開にはなってくれたは良いものの数多の犠牲者が出る前にこういう展開にすることはできなかったか色々考えてしまいました…。

 「眼のないネズミ」…呪「無数のネズミにかみ殺されるなんて本当にすさまじい死体だったなあ。」
美魂「さすがのあたしもその後ご飯が喉を通らなかったわ。」

でも話のネタにはするのか、アンタ達…と道を歩きながら雑談扱いしている主人公達に「…。」と思ってしまったものでした。(そもそも人の死に様は話題にするようなものではないと思いますが…。)ネズミ捕り方式では(餌でおびき寄せて生け捕りにした)生きたネズミをそのまま水につけて溺死させたり油をかけて火あぶりにして殺す事になり、殺鼠剤(クマリン)方式では鼠の目を見えなくして家から追い出して明るい所で天敵(車、鴉、猫)に殺して貰う、どちらにしても生きながらに苦しんで死ぬ羽目になるネズミは、そりゃ人間を恨みたくなるのかもしれませんが情けをかけて放置した所でネズミは土地税も食費も払ってくれません。挙句の果てに壁をかじるわ糞はするわ毛というゴミは出るわ家はボロボロになっていくばかりです。話のように大量に増殖してからやっと腰を上げるのではなく早め早めに(数の少ないうちに)駆除しておけばこんな事にはならなかったのかもね(そもそもあれだけ増殖するまで放っておいた街の住人全員の感覚がおかしい。)とも感じてしまった異常な話でした…ゲフッ!「考えて研究する」前にネズミ捕りを仕掛けるなりさっさと対処してよ!とお父さんに対してツッコミを入れてしまったものです…ゴフッ!

 「死体殺人事件」…呪「死体がつっぱってお棺の蓋を突き破った…なんて話は聞いたことがあるけど死後硬直って何ですか?」
医師「そんな話を知っていながら死後硬直を知らないのか君は!?」

物知りなんだかそうでないんだか微妙な呪君でした。(どっちにしろ日常生活ではまず話題に上がらないトリビアですが。)死後2、3時間後に人体は筋肉や関節がカチカチになり丸1日後に最高に硬くなる(その数日後にまた柔らかくなる。)それが死後硬直であり、その硬直の過程で筋肉が引っ張られて、または死後硬直が緩んで死体が動く事があるそうです。(なので死体が動いてもそれは心霊現象とは限らない、と医学的に恐怖が薄れました。)話では「許される事なら孤児になってしまう我が子を道連れにしたい。」「一人ぼっちになる位なら自分も連れて行ってほしかった。」という母子の思いに感応して悪霊が死後硬直を超えて死体を動かしその願いを叶えてしまった…のですが、そもそも死者の霊が道連れを連れていくと評判の病院(明らかな心霊スポット)の霊安室に幼い少女を1人放置するのも、「いっそ私も死にたい」と考えている人間を密室で1人にさせておく(自殺したらどうするんだ?)のも対応として完全に間違っており、アンタ達は本当に心霊のプロなのか?(常識的判断からして間違ってるだろ!)と主人公達にツッコミを入れてしまったものでした。心霊事象に関わらず今回の事件は対応次第で無駄な犠牲者は出なくて済んだと思うのですが…ゲフッ!

 「恐怖の呪術師」…美魂「随分虫の良い事を言うのね。何故、自分を呪い殺そうとしたお婆さんを助けなきゃならないの?」
呪「他人が酷い目に遭うのは平気でも自分の家族は助けたいのか!?」

他人が苦しんでいるのを楽しんでおいて、いざ自分にその苦しみが降りかかってきたら、酷い目に遭わせた相手の善意に都合良く縋ろうとする自分本位な考え方に今もなお無言電話を続ける匿名を思い出しました。(呪君の言う通り、こんな人間が「もう2度と悪さは致しません!」と約束したって守るかどうかも分からない。)それでもこの子は家族の事は大切に思っている辺りまだ人への優しさが残っている(匿名は家族へと渡されたプレゼントも「美味しかったから全部横取りして食べちゃった。」と平気でくすね、しかもそれに対して何の罪悪感も抱かない人だったので。挙句の果てには友達にも平然と話す程「自分が悪い事をしている」意識が無い。家族にまでそんな扱いをしているなんて本当は人として非常に恥ずかしい事なのにね。)とも感じたものです。2人が呪いに走ったのは自分達以外は皆、敵でしかない(だから攻撃する。←するな!)という個人主義的な社会に対する復讐心もあったようで色々な人間らしさも感じてしまった話でした。ともあれ主人公である呪君達にさえ見捨てられかけたように自分の事しか考えない人間は最後には誰も手を差し伸べてくれなくなるようです…。いろんな意味で人間はもっと他人に親切にするように心がけなきゃいけないという教訓話でした。

 「波間の怪」…呪「奇怪な事です。大城くんと小清水さんの2人が海に飛び込んで消えたとたん、あれほど酷い津波がまるで嘘のように治まったのです…。」
美魂「残念なのは一回ザブッと町を直撃する前に治まってくれなかった事です…。」

人の爪を食らい、食った人の体を乗っ取って悪さをする波間鬼は除霊されそうになって「この上は遊べない。」と判断したのか、海に帰ることにしたようです。それまでに何人もの水死人を出され、津波で家屋を壊された(非難して命は無事でも、その後の処理は大変だっただろう。)町の人達はいい迷惑だったろうな(「海水浴に行く時には生爪に注意してね。」という注意で終わるような軽い話ではないだろう、どう考えても。)とツッコミを入れてしまいました。結果として除霊もしてないままバッドエンドで終わっている話ですが、主人公2人はそもそも休暇中であり、仕事を果たす義務は無い(義務は…ね。)立場である以上、「ちゃんと解決しなさいよ!」と強く言えない辺りが微妙な所です…。

 「生まれ変わり」…美魂「呪和之進は上意で殺されたから、騙されたとはいえ『殿様の命令だったから仕方ない』と納得している。しかし騙し打ちがバレて切腹させられた須貝帯刀の方は『上手いこと行かずに死ぬ羽目になった無念さ』に因縁霊となる可能性は高いわ。」
呪「自業自得で死んだくせに『やり直し』をしようとして命を狙われる俺はいい迷惑だ!」

おかげで呪家は代々須貝さんの因縁霊に呪われて2人に1人位の割合で変死する(50%という高確率で、よく家系が絶えなかったなとビックリしました。)「血みどろの歴史」を送る羽目になったそうです。主人公の代では須貝さんもまた生まれ変わっており、霊魂と違って肉体が有った為に本人が刀の上に転んで刺さって死んでしまうマヌケな結末で話は締められていましたが、ナレーターによると因縁霊はそれで消える訳ではなく、これからも呪くんが呪われない保証はどこにも無い(嫌なこと言うな。)そうで暗澹たる気持ちになってしまいました。幸か不幸か念動力付きのサイコゴーストにつきまとわれる前に連載は終了してしまったので「嫌過ぎる後日談」を見なくて済んだ事だけは幸いでしたかね…ゲフッ!

 「弟が消えてしまった」…阿部勇「一体何で俺がこんな所に!?あんた達は誰だ!?」
半村教授「それもそうだ。まず君に訳を話そう。実は…ドッキリカメラだったんだよ。ビックリしたかい?」

…と言っておけば取りあえずパニックにはならなかったのに(でもって道路に飛び出して車に轢かれる事も無かったのに)普通の人にいきなり「今、君の体には他の人間の魂が入って、そのまんま北海道で暮らしている。」とディープな事情を直で言ってしまう教授の対応の悪さにツッコミを入れてしまったものでした。(そりゃ、言われた本人は錯乱もするでしょう。)結果、全員の肉体を取り戻したは良いものの、最初に消えた弟は間に合わずに(「なにしろ行方不明になってから飲まず食わずで数日経っているからな…。」by半村教授)腐乱死体となって家の玄関前に「出現」した最後には、親の気持ちも考えてもっとマシな結末は用意できなかったものか、むしろ今までの段取りが悪過ぎやしなかったか(呪君の肉体の入れ替わりという「余計な事故」は起きてしまっているし…ゲフッ!)色々後味が悪過ぎた事件でした…。

 「ざしきわらし」…父「息子が夜中に外へ抜け出しては近所の家につけ火をするようになったので、蔵に閉じ込めて、物音はざしきわらしの仕業だと誤魔化していたんです。」

ちゃんとその時に警察に突き出して拘置所に入れておけば、物音(ざしきわらし)に興味を持って蔵に入った娘が頭のおかしい息子に殺される事も、妖怪(心霊関係)事件だと駆り出された美魂さんが巻き添えを食って殺される事も無かったのにね…と自己保身(隠蔽)に走ったことで更なる被害を招いたダメ両親の行動に呆れたものでした。(都合の悪いことを隠し立てしても、いつか必ずバレるんですよ。)親も親で「こんな事(息子の犯罪と、それを知りながら隠し立てしている自分達)が知れたら村にいられなくなる。」と(自分達の保身だけを)悩んでいたそうですが、要するに全焼した家の弁償をするのも、夜逃げという面倒臭い事をするのも嫌だったから息子を監禁しただけで、その行動は既に子供への愛情ですらなかっただろう(ただ保身に走っただけで、おかげで新たに人が2人も死ぬ羽目になった事実を考えると恐ろしい話だ。)とツッコミを入れてしまったものです。「首吊り」が首を吊った瞬間に頸骨が折れて、まず確実に死ぬ方法(アレは窒息して死ぬのではなく首の骨が折れて死ぬのであって、すぐに降ろした所でガクッと吊り下がった後ではもう手遅れ。)という絶対に助からない方法だという事実も知っている以上は色々怖くなった話でした。本当に恐ろしいのは霊ではなく生きている人間…という事ですかね。

2009.11.15
 神は何もしてくれない、だから頼ってもいけない、侮ってもいけない、けれどそこに存在している。…その事に自分では当たり前だと思っていた「漫画を描く力」を失って初めて意識した(「今まで自分の力で描いていたと思っていたのは実は『描かせて貰っていた』のではないか?誰に?…そう考えた時に神を意識しました。」by山岸先生)との作者の言葉に、持ち前の霊能力で馬券を当てて「これで食っていけるかも。」と考え出したとたんに力が消えたという霊能者の話(「焦りました。目の前にお客さんがいるのに自分の力では何も見えなくなっているんですから。この力は自分の金儲けの為に授かったんじゃないと始めて悟りました。」by当事者)や、「風と共に去りぬ」の続編「スカーレット」の訳者の言葉(「オリジナル作品でもなく、既に話の流れも結末も決まっている物語を『より良く表現する』為だけに書いているのだとしたら、ならば私は『巫女』でいい。」)も思い出して色々考えさせられたものでした。本に収録されている「鬼」の話は作者が初めて許しを乞う意識で描いた作品(漫画家としてようやく再出発を果たせた話)だったそうで、読者に救いを感じさせた結果に作者本人も驚いたとの事でした。

 鬼…あぐり「うちは曾お爺ちゃんの代まで秋田なの。秋田は米所だから何とかなったけど、隣の津軽や南部は飢饉で酷かったと言ってたわ。」
住職「その最も悲惨なのが江戸時代の三大飢饉と言われる享保、天明、天保の飢饉だ。餓死者が続出して、通りがかった旅人が林の間の白い物が残雪だと思ってたら、それが全部、白骨死体だったと言うんだから。」

おかげで人が死ぬたびに「どうか『片身』を分けて下さい。うちの人が死んだら『お返し』しますから。」と「前代未聞の貸し借り」の元に死肉を食い合っていた話まで残っているという有り様に、「餓死」が人間の死の中では最も長く苦しむ死に方だという事実と合わせてゾッとした内容でした。この話では食いぶちを減らす為だけに穴を掘って捨てられた余り者の男の子達(女の子だったら小さい子でも「(売値を)まけて悔しい花一匁」で「売る」ことができるが、悲しいかな、いくら可愛くても男は売れない。)が、飢えに負けて互いの死肉を食いながらもとうとう力尽きて全員死んだ(そして悪霊(鬼)となった男の子は村の幼子の側に寄るだけで祟り殺し、その地は子供が無事に生まれない・育たない土地となった。)という壮絶な話に肝が冷えたものです。どうせ全滅させるのなら親も無駄に苦しませるよりもいっそ殺してやった方が楽だったろうに、自分の手を汚す事もしないで放置した大人の身勝手にこそゾッとした話でした。

 肥長比売…肥長「今すぐ他の女とは手を切って下さいませ!そうでなければ私に指一本、触れてはなりません!」
本牟智和気「所詮『敵方に贈られた女』の一人だというのに…正直ゾッとしたぞ。岐比佐都美の娘だからこちらも大事にしたつもりだが、頼られ期待されているだけなのが、ちと重いというか…オマケに、もうこの世にいない誰かと比較するのだ。」
明立「なるほど…死んだ者はいくらでも美化されますから、たまりませんな。」

始めから彼女は「大和に恭順を示す為の生贄」だった(言ってしまえば望まぬままに周辺の豪族の元へ送られたとはいえ「妻の一人」としてきちんと嫁入りした姉達の方が、「その場限りの肉奴隷」でしかない肥長比売よりは立場的には保証されていた。)というのに1人で勝手に勘違いして正妻面し始めたのだから、本牟智和気としては「こいつ、うざい。」(これなら身分の低い卑しい婢でも、さばけた考え方で「愛人」をやれるイヅメの方が余程やりやすい。)としか思われなかったのでしょうね。「その場」では怒りに燃える彼女をなだめる為に嘘八百をつきながら抱いて誤魔化したけれど、結論としてはこの時に出ていた(その日から彼の訪れは徐々に間遠になり、ついには彼女に何も言わないままに本国に帰ってしまった。イヅメは連れて行ったのに。)と思われます。だったら男の方を川に沈めれば良い物を恋敵であるイヅメを水底に引きずり落とした辺りは女心だったのでしょうか?そんな事をした所で彼には大和に正式な妃がいるという事実(正直、無駄な女の争いである。)が痛過ぎて涙しか出なかった、そんな修羅場の様でした…。

 着道楽…妹「着物をネコババしたなんて人聞きの悪いこと言わないでよ。『形見』に貰って何のバチが当たるというのよ。」
姉「当たるわよ、罰が。着物に執着してたのは貴女も知っていたでしょう。伯母さん、成仏できないわよ。だって私、さっきからそこの廊下を志麻子伯母さんが行ったり来たりしてるような気がするのよ。」

だから「現在の志麻子伯母さん」(の霊)はお気に入りの桜の着物を着れていないし、法事(彼女自身の葬式)はもう始まっているという訳か…と納得すると同時に、現在は縁起の悪い物いっぱいの場所のおかげで(焦って骨壷や卒塔婆を持ち運んでしまっている為に)廊下を行ったり来たりするだけで済んでいる伯母さん(の霊)が、落ち着いて全ての事情を悟った後にどうするか、物凄く不安に感じたものでした。(まず間違いなくお気に入りの桜の着物を探し出してとり憑くだろうし、多分確実に無断でネコババした妹は祟られる事でしょうね。)マトモな良識を持っている姉娘の方は妹と離れて住んでいる様子(同居していれば妹のタンスに勝手に増えている着物に葬式の前に気づいていた事だろう。)で、関わりなく済みそうなのが救いですが、やっぱりこういう死人の物を、着服できる物なら何でも!と、横取りするような人間って意地汚いな、と改めて感じた話でした。

ゆうれい談

2009.11.14
 霊が見えた人間が特殊な能力を持った人だと言いたい訳ではありません。何故なら人間はそういう能力を失った代わりに知性を得たのですから。ただ知性が暴走すれば「神も仏もいないんだ。幽霊だっている訳がない。」(と、無神論者である日本人は物事を善悪でなく損得で判断する。)と人間は謙虚さを失いがちです。しかし幽霊がいて、いついかなる時も、だらけている時も見られているのだとしたら恥ずかしくて、それこそ怖いと書かれていた作者の実体験中心の怖い話です。あれだけ効果的に神や仏や幽霊を描いてきた作者なのに、実はこんなに怖がりな人だったのか、と別の所で驚かされもした本でした。(逆に凄い怖がりだからこそ「自分が怖いと思った事」を全部作品に使っているそうです。)

 ゆうれい談…山岸「我々漫画家を憧れる人も多い昨今…しかし、あなた!現実は厳しいのでありますよ。五大欲望のうち第一の欲望である睡眠欲を奪われておるのですから。」

漫画家って読者の大半が子供という事もあって「子供だましで絵を描いている楽な職業」という誤解があるけれど、小説家と同じく紙とペンだけ(でもないけれど)で成立する職業なので、元手が安く始められる仕事だという認識もあるけれど(そっちは否定しないが、それで売れる作品を生み出せるかどうかは別の話だろう。)「絵(漫画)を描く事が好き」なのと「それで食っていけるほど働く事」は別の話なんだなあ~としみじみ感じてしまった冒頭の言葉でした。という訳で眠気覚ましに猥談…以外にも怖い話を話していった結果、国分寺の石垣沿いの道は「出る」と仲間内からも複数の証言が得られた(「あの子ずっとついてくるな。」「方向が同じなんだろ。」「…オイ!今は夜中の3時だぞ!?」byアシスタント)そうで、かなり確率は高いそうですが、私も読むのはとにかく、自分で関わり合いになるのは怖いので実際に行きはしないだろうなと作者共々思ってしまった話でした…。

 読者からのゆうれい談…手紙「○○子の母より。」
山岸「うわ~、嫌だなあ。こういうのはPTAからの文句が書いてある場合が多いのよね。」

そうなんだ、苦労して原稿をあげて、せっかく手紙貰ったと思ったらクレームが書いてあるなんて因果な職業だな…と改めて漫画家の辛さを感じた話でした。最も山岸先生の描く話ってボーイズラブが描かれていたり(「日出処の天子」)近親相姦が描かれていたり(「夜叉御前」)親としては「情操教育に悪い!」とか色々難癖つけたくなる気持ちは分かるが、それ以前の問題として子供に買い与える雑誌を間違えた親の判断の悪さにツッコミを入れたくなったものでした。(それは作者のせいではない。進み過ぎた雑誌を手にできる小遣いを与えた親と、そんな雑誌を選んだ子供本人の自業自得だ。)実際は第一話で「読者の皆様も怖い話があったら教えて下さいね。」とうっかりノリで言ってしまったが為に「お母さんの怖い話を書いてあげて!」と娘にせがまれて書いた理解あるお母さんの「ゆうれい談」だったのですが、あまりにも怖過ぎてダンボールごと捨ててしまったそうです。(今度から「笑い話」を募集しましょう、山岸先生…。)

 ゆうれいタクシー…運転手「F病院からここまで送ったお客さんが消えてしまったんです!」
忌中家主人「実は今日、F病院に入院していた妻が亡くなりまして、そのお通夜です。じゃあ今、妻が帰ってきたんですね。」
運転手「ち、違います!私が乗せた女性は『山岸さん』と言って表札の名前じゃなかった!」
夫「ええ…妻の旧姓は山岸と言うんです。」
息子「あ、座席にお母さんのカーディガンが!」

「幽霊を乗せてしまったタクシー」の話はよく聞くけれど、そのタクシー会社では創業以来初めての出来事(怪談の定番と言えるほど「よく聞く話」ではあるが「実際に遭遇すること」は、やっぱりそこまで稀らしい。ストーカーと同じだな。)だったそうで「山岸って、まさかペット(猫)を病院に連れて行くのにうちをよく利用してくれる、あの常連の山岸さんじゃないよな?」「違う、違う!」と次回、作者が乗った時に「同じ苗字」だった事で話題に上がったそうです。ちなみにこの時に幽霊を乗せてしまった「体のデカイ、頭がツルツルのタコ入道みたいな運転手」はそれまで一度も出会った事が無かったのに、猫のとはいえよりにもよってお葬式の時(猫の死体を運ぶ時)に初めて出会ったそうで、本当に彼はこういった事に関わりのある人なのかもしれない(いかにも優しそうで霊に頼られるのも頷けなくもない人なのだが、本人は「嫌だ!幽霊にまとわりつかれるなんて!」と叫ぶかもしれない。)と思ったそうです。

 蓮の糸…山岸「連日3~4時間の睡眠で青息吐息で仕事をしておりました。…当時よく過労死しなかった。好きな事やってたからかしら?」
義母「お願い、涼子さん。お父さんのお葬式が終わっても、できるだけ一緒にいて!」
山岸「自由業だから自由になるように見えてるんですね?」

実際、山岸先生はパーティだのコンサートだのを「だ、ダメみたい。仕事、終わりそうにないものぉ。」と、いつもこう言って人生の楽しみを諦めていたそうで、他の作者でもチケットまでバッチリ取っていながら「畜生!おかげで原稿が終わったのよ!」と涙目で諦めた漫画家(漫画家になる前は「何故、皆、行けば良いのに遊びに行かないのだろう?」と不思議がっていた御本人。)の話を読んだ事がありますし、家族にすら理解されていないけれど本当に大変な職業なんだなあ~(漫画を描く事が「好き」である以上に「根性」が無ければ絶対になれない職種だろう、確実に。)と「父親の死後、御本人が家の中で溜め息をついてから出ていった」話とは別の所で、妙な実感を感じたものでした。ともあれ、動物(飼い猫)も感じた父親の気配といい(後に義母に「何でその時に私を起こしてくれなかったの!?」と恨まれたそうだが、怪奇現象に直面しているその時にそんな余裕は無いだろう。)この世ならざる者はやっぱり実在する様子です。

 タイムスリップ…娘「ねえ?さっきから、どう見ても同じお地蔵さんと同じ山肌を流れる水と同じ景色が続いてるよね?」
母「お前もそう思う?お母さんもよ。一本道のはずなのに。」
タクシー運転手「いやあ、比叡山の辺りはこんな事がよくあるんですよ。」

実際、作者も経験したという「一本道のはずなのに同じ場所から何故か抜け出せない」この怪奇、他の場所でもたまに見られるそうですが(本にあったように500年前のパリにタイムスリップする事例でもそうですが。)こういう時には煙草に火をつけると良いという定説(「良く分かりませんが昔からタヌキやキツネに化かされた時は一服するもんだって言うんです。」byアシスタント)は知らなかったので「霊は煙に乗りやすい」(だから葬式でも墓場でもお線香を焚く。)という実例と合わせて納得したものです。どれもこれも目的地が湖だったという事(霊は水場に溜りやすい。霊道を通った部屋を借りてしまった人間は霊の一人に「風呂の水を抜いてくれないとアタシ達が出ていけないじゃないか。」と教えて貰った事例さえ有るとか。)と合わせて何となく頷けてしまった実話集でした。(比叡山に行って↑の現象が起きた時は運転手さんに一服して貰おうっと。←他人任せかい!)

 余談…京都の道路の三角地帯に建っているホテルの一室にて、うすら寒い部屋で女の人の泣き声が聞こえたという明らかな心霊現象において「やだなあ、今時のホテルは防音がしっかりしていないから、隣の真っ最中(ニャンニャン)の声が聞こえる~。」と山岸先生が下した現実的な判断に笑ってしまったものでした…。

逃亡急行

2009.11.13
 本来、作品というものは雑誌掲載→単行本→文庫本という流れで残って行く(そして需要(人気)が無いとその流れにも乗れない)のに、この作品は企画本→文庫本→単行本と全く逆の流れで雑誌掲載から13年目にしてようやく単行本になったという経緯(つまり色々な形で読みたいと需要があった)から、この作者の作品の人気ぶりが伺えたものでした。そんな売れっ子作家でも作品を見れば分かるとおり一気に100ページ掲載という有り様で人気が出ても漫画家は所詮「頭に王冠を乗せただけの奴隷」に過ぎない(by犬木加奈子)というのは本当なんだなあと変な所で実感してしまった短編集でした…。

<逃亡急行>
 野々村悟…「汚名を着せられてクビになった刑事ってのが、俺だよ。」

じゃあ、つまりこの人は今現在、無職な訳で(だからこそ自分から職を奪った池上緋佐子をスイスなんて外国にまで追っていける、ストーカーし放題のヒマがある訳だけれど。)それなら恋人と2人で暮らす為の「新しいマンション」なんて探す前に職を探すのが先なのではないか(今、菜摘さんが住んでいる独身者ばかりのアパートだって狭いとはいえ元夫の私物が残っている=2人で暮らせる程度の広さはあるんでしょう?転がりこめばいいじゃないか。)とツッコミを入れてしまった男でした…ゲフッ!汚名を晴らせた所でめでたく再就職が叶うほど警官はおめでたい職場ではないでしょうし、記事をボツにされてばかりの(記者として見込みの無さそうな)奥様と一緒にこれからどうやって生活していくんだ…と変な所ばかりが気になって話に蹴りはついたものの、その後が心配なお二人さんでした。復讐するのは結構だけど、問題は復讐を終えたその後どうするのかだよな、と妙に当たり前の事を思えてしまった話です…ゴフッ!

 日向菜摘…「大学の卒業も待ち切れずに結婚したのに、新聞記者だった夫の和彦はある日から帰ってこなくなった。待ったわ、父が籍を抜いて日向の姓に戻されても、悟さんが調べた書類を見て死んだ事を知るまで帰ってくるのを待ち続けていたわ。」

家出して7年以上連絡が無かったら失踪宣告というのを受けられる(戸籍上「死んだ人間」として死亡届を出せる。)そうなので、夫が意志表示出来ない状態だった(スイスで殺されて氷河の中に捨てられていた)にも関わらず彼女が「独身」に戻れたのは、そういう事情もあったのでしょうね。(卒業前に子供もいないのに結婚した=何はともあれ、まだ学生の娘とヤルことやってたらしこんでいたのは確かで、父親の覚えは始めから悪そうな条件の夫だしな…ゲフッ!)しかし夫の仕事を追って自分も新聞記者になったり、今もなお2人で生活した部屋で彼の物は一切捨てずに暮らしていた辺り彼女の愛は本物で、その場で新しい恋人(悟さん)ができたとはいえ悲劇的な結末でピリオドが打たれた最初の結婚生活には同情してしまったものでした。最も今になって夫が生きて登場しても新しい恋人ができた現在、非常に困る訳ですが…ゴフッ!

<失踪都市>
 榊原敏彦…敏彦「そうだ、私には付き合っている女がいる。だがそれを家に持ち込んだことがあるか!?」
蛍子「いつも違う香水の匂いをプンプンさせながら帰ってきて、何が『家に持ち込んでいない』よ!」

旦那さん、「家に持ち込まない」(家庭に波風を立てないように奥さんにも気づかれず上手くやる。)ことと「家に連れ込まない」(かの伊東博文のように堂々と愛人を家に入れて妻の目のある所で平然とセックスする。)ことを勘違いしてやいませんかね…とツッコミが入った顛末でした。これはもう立派に離婚が請求できる条件で、今更「奥さんが浮気した」(「お互い様」にまで条件を整えた。)程度で離婚の要求を拒否することなど出来ない(むしろお互いに「浮気」してるなら完全に夫婦として終わっている。)のですが、その辺は基本的に地頭の悪い御亭主だったご様子です…ゲフッ!(まあ、奥さんに払う慰謝料の額は違ってくるのかもしれませんが…。)離婚が面倒臭い(「離婚したって?原因何よ?」と周り中から聞かれるのが嫌。)なら始めから浮気なんかしなきゃいいのに、馬鹿正直に浮気相手にまで「お前は所詮遊びなんだ。」と言ってしまっては、そりゃ、刺されるでしょうね…。自業自得とはいえ、どこまでも頭の悪い男だったんだなあと実感できた旦那様でした…ゴフッ!

 吉田恵…「蛍子ったら本当にお嬢さんなんだから。あたしが彼と付き合ってたのに全然気づかないんだもの。でも、あの人、離婚する気は無いんですって。アンタと別れてあたしと結婚する気は無いと言ったわ。」

↑の言葉から察するに彼女は「気づいてほしかった」(でもって修羅場→離婚という展開を待っていた)のだと思われます。香水の匂いだの散々「愛人が存在するサイン」を示してきたのに当の蛍子は浮気されている事実に泣き寝入りするだけで一向に話は進まない、夫の浮気に気づいているくせに相手が誰だか調べようともしない(結局のところ「浮気するなら離婚したい」というのは口先だけで1ヶ月以上黙認…。)不貞行為は立派に離婚要因として認められる(男の方が「そんなつもりじゃなかった!」と言っても裁判(調停)になれば妻の言い分が通る。「外に女を作るのは男の甲斐性。うちの嫁なら理解を示しなさい!」と姑が叫んでも、そんな「個人的な家庭の事情」は裁判所では通用しない。)にも関わらず何も動こうとしない蛍子にイライラも募った様子です。それならそれで男を殺す前に蛍子(奥さん)に全てを打ち明けて離婚を迫った方が平和的な解決方法だったと思いますが…ゲフッ!

千一夜の鍵

2009.11.12
 鍵と猫がよく出てくる短編集です。そのレギュラーキャラの猫の方はさいとう先生が飼っているヒーリングペットのチュチュ太郎くんだそうで「シャ・ノワールのしっぽ」同様、猫にしてはいやにムッチリ系というか骨太系というか巨大というか…ペットショップなどで一般的な日本猫の体格を見てきた私としては「…あれ?」と体格の差に驚くこともしばしばでした。(シベリアン・フォレスト・キャットというのは皆そうなのだろうか?最も脂肪という肉厚をつけなければロシアの厳しい冬には耐えられないのかもしれませんが…。)こんなに大きいなんてきっと触りがいがあるだろうなあ~と登場人物の皆さんを羨んだものです…ゲフッ!

 女王様のたそがれ…桜万里「結婚を機会にお仕事引退してキングを助ける可愛いクイーンになりたいです。」
編集者「あーあ、もったいない。あんなに儲かっていたのに。」

その後暮らしてている新居(という名の城。狭い島国の日本(おかげで土地代がバカ高い国。)でどうやったらこんな広大な土地を手に入れられるんだ!?と思わず焦って読み返してしまいました。)の広さに儲かりぶりの物凄さが分かります。(どんな作品描いたんですか!?漫画化はここまで儲かる職業ではないのでは!?)結婚前、心惹かれていたシミタクは「いつも聞きたくない本音ばかり冷徹に言う」(言っている事が正論なだけに反論もできず一緒にいるのが辛い相手。)から、世界で一番(顔が)好きだったけど結婚相手には選ばなかったそうで、性格の不一致が選ばれなかった理由なら、新しいスタートを切っても上手くいくのは難しいのでは…と先行き不安にも思えてしまった話でした。仕事復帰できたのは良いけれど「漫画界の女王様」なんて所詮は頭に冠乗せただけの、ただの奴隷なのよ(by犬木加奈子。)だそうですし、これからが大変だろうなあ…と改めて思ってしまうヒロインです…。

 上海スナイパー…李駿明「月、華…。」

これで車に轢かれそうになって助けられたこの猫が元々駿明の飼い猫だった、あるいはよく餌をあげる「野良」仲間だったとかなら、このいきなりの一目惚れにももっと説得力が生まれたのかもしれませんが、この猫は持っているピストルをかじろうとした、ただの通りすがりの「他人」に過ぎず、連れ帰って飼い始めた月華(ユエホワ)さんの優しさは分かるものの、駿明がそこまで惚れこむ理由が分からず(やはり顔かな。いくら猫を助けた「美談」でもデブでブスだったら絵にはならないしね…ゲフッ!)ついて行き辛かった話でした。貰われっ子の月華さんが実は日本人から買った子供だった(科挙制度の名残か「日本の子供は頭が良いから」と当時欲しがる中国人は多かった。が、役人にも跡取りにもなれない「女の子」を欲しがるかは微妙。)というのもリアリティに欠けて色々微妙に思えてしまった設定でした…。

 君のためのアリア…乙音「あなたも、ちゃんと服着ること。聖・レオン・森。」

それはもう、早めにお願いします…と願っていたにも関わらず、そのまま服を着ること無く情事にもつれ込んだ展開には思わず吹いてしまいました…ゲフッ!そして、いくら男の方の視力が弱くて女性側の裸が見えないとはいえ、視力がマトモな乙音さんにはレオンの裸は見放題だった訳で素っ裸同士でいつまで語っているんだ!?(人の事言ってないで、あなたも、ちゃんと服着ること、乙音さん。)とツッコミも入れてしまったものです。そもそものきっかけも振り込みミスで横領沙汰になったのを「愛人になるなら助けてあげられるけど?」とそそのかす支店長代理のお誘いから始まっているしセクハラ満載の話だなと感じたものでした…ゴフッ!

 異人館の午後…アレクセイ先生「イツモ…覗いてタノ?若い女性のすコトと違う…。」
里世「先生だって、いつも鍵穴からバッチリ丸見えの体勢で事に及んで…鍵穴にテープ位張っておきなさいよ、いやらしい!」

覗いている人も覗いている人ですが、こんなにクリアに見える鍵穴は現実に無いだろ!(そりゃ遠からず二人の関係もバレルだろう。)とツッコミを入れてしまいました。夫にバレた後に、それでもこの人は忘れられないと復活愛を果たしたのは良いですが(良くねえよ!)限られた人間しか出入りできない異人館ではなく、大勢の生徒の目の前という学校で抱き合ってしまっては夫は良い面の皮だったろう、と思わず同情もしてしまったものです。(不倫という背徳の関係にしては隠す気あったのかアンタ達!?とツッコミを入れたくなるほど2人は盛り上がり過ぎている。)結果として身代りにキスされて終わった散々な初恋を経験した里世さんといい、奥さんに逃げられた夫といい、ロクな目に遭っておらず、不倫というのは立場も周りの人達の気持ちも無視して自分最優先に突っ走った身勝手な恋愛に過ぎないんだなあと改めて実感した話です…。

 鋼のブレスレット…明日海「鍵はいらないよ。手錠のままで二人で出るんだ。」

手錠をつけたまま彼らは一体どうやって調理服に着替えたのか?というこの話の最大の謎は放置されてそのまま終わっています。魚屋の子供に臭いの話はしてはいけないという禁句(最も今はスーパーが普及したせいで魚だけを扱っている店は軒並み潰れたのですが…ゲフッ!高級寿司屋という事で生き残れたんですね。)をきっかけに憎み合っていた2人でしたが1夜を共にした事で結婚まで1気に話が進んでいました。(早!)2人はそれで良くても悪口三昧で日常的に猫を使って迷惑をかけている明日海の父親(そんなだからアンタは奥さんにも子供にも逃げられたんだよ…。)と付き合うのは大変でしょうし結婚したら親戚付き合いが大変だろうなあと秘かに心配したものでした。

 天使のいる部屋…祖母「天国って死んだ人の行く国よ。神様や天使がいるの。」

という事は「天使がいるという噂の部屋」は天国に違いない→死人ゾーンのエリアなので入ったが最後死んでしまうに決まっている!という発想の単純さはさすが5歳児です。自分さえいなくなれば父親と母親は上手くいくはずだと信じ切って部屋に踏み込んだ花乃ちゃんでしたが、当たり前ですがそんな呪われた部屋であるはずがなく都合よく駆けつけた母親(アンタ、田舎に帰ったはずでは…?)と共に家族は再生していました。多少ご都合主義で強引ですが(禁句)心暖まるいい話です。

 ドロボウの紋章…マーク・ビスマーク「あなたなら確認できるわけ?」

「確認」にしてもキスの感触一つで犯人だと判別がつくなんて、もなかさんは物凄く触覚の鋭い唇をお持ちだったようです。(こんなことなら泥棒ついでにもなかさんの唇まで盗んでおくんじゃありませんでしたね、ビスマーク氏。)…がキスされた事をいい事に寝技(セックス)に持っていったビスマーク氏は彼女より1枚も2枚も上手でございました…ゲフッ!盗品のネックレスまで押し付けられて、捕まえるどころか、すっかりスペード野郎に振り回されているもなかさんが再び彼と再会するその時が本当に楽しみです…ゴフッ!(で、続編は描いてくれたんですよね、さいとう先生?)

 悪魔の契約書…エリファス・レビ「私の契約書まで燃やさなくても…!」

たった一度の恋(というより肉欲)ごときで200年も不老不死を保てた魔術をおじゃんにしてしまうなんて…と魔術師エリファス・レビのお粗末な結末に笑ってしまったものでした。(笑い事じゃないだろ。)魔法をかけるなら、その辺をウロウロしていても問題の無い猫程度に変身させるとか(あるいは蟻に変えてこっそり踏み潰しておくとか。)いくらでもやりようがあったでしょうに虎に変えてしまったが為に押さえ付けられて身動きが取れなくなってしまった(そして魔法の契約書を全部焼かれた為に…。)様子には頭悪いだろ、お前!とツッコミを入れざるを得ず、やっぱり笑いが出てしまったものです。結末としてはハッピーエンドなのですが全裸男に抱きつく下着姿のヒロインといい一体これは何のショーなのか集まった警官隊は事の顛末が分からない上に目のやり場に困って途方に暮れた事でしょうね…ゲフッ!

 禁じられた扉…冬守「顔も上げられないくらい恥ずかしいだろ、羽流彦。」

目には目を、歯には歯を(byハムラビ法典)という訳で自分と同じように隠れて描いていた裸の女の絵を惚れた女に見せつけるという同等の復讐に走った羽流彦くんでしたが、その後の行動(父親の恋人にも関わらず横恋慕して奪い取った。)に関しては復讐(同等)を超えているので多少やり過ぎている感もあります。おかげで最愛の妻の面影を宿した息子も(一夏限りとはいえ)恋人もいっぺんに全てを失ってしまった(でも考えてみれば妻が死んだ15年前から、もう生きている意味は無かった…。)と思いこんだ冬守先生は衝動的に焼身自殺してしまったのでした。今まで虐待されてきたとはいえ復習するにしても度を超えてしまったという話です…ゲフッ!

 魅せられた愛撫…羽流彦「お前という存在をすべて受け入れる。お前が人が隠していた裸の女の絵の数々を勝手にバラした挙句にそれをネタに恋人を寝取った事も全て許している。」

以上、羽流彦くんが「したこと」の内訳です。改めて書き出してみると、やったことは結構エグイこと(しかもそれがきっかけで父親は自殺している。)なので奈月さんが罪の意識を感じて外国にまで流浪の旅(堕ちる所まで堕ちて羽流彦君との幸せを諦める。)に出た理由が納得できたものでした。この「父のメッセージ」(死んだ冬守先生は自分達を恨んではいなかった。)が伝わったことで奈月さんも愛の無い結婚に飛び込むことを辞めて羽流彦くんにどこまでもついて行く事に決めていましたがそれにしたってエジプトにまで行くことはないだろう(バックにピラミッドが…。)とスケールの大きさに度肝も抜かれた話でした…。

 スペードの王子…もなか「ルノワール、ルイ16世の祈祷書、吉祥天女像まで…。」

どうやらビスマルク王家は和風なんだか洋風なんだかよく分からないご趣味だったようです…ゲフッ!元々王家に有った品を買い戻せるだけの充分な金が有りながらわざわざ盗んでいるビスマーク氏と、海を渡った外国まで盗んだ犯人を追いかけて行ったもなかと他人が見たら「そこまでするか?」とツッコミを入れてしまいそうな理解者の少ない2人は互いの孤独にも惹かれたのか、この話で急速にくっついていました。より高価な美術品を進呈して告訴を取り下げて貰うなんて大人の手段が可能なら始めからそうしてくれ(そうすればもなかの叔父さんも心労祟って死んだりしなかっただろう…。)ともツッコミを入れてしまい、最終回にしてようやく収拾のついたマトモぶりにホッとしたものでした。(それにしたって舞台が日本→アメリカ→イタリアのルッカ市→インドのアーグラーとコロコロ変わった凄い話だったな…ゲフッ!)

エニシダの五月

2009.11.12
 黄金の拍車シリーズ6作目にして最終巻です。後書きでは「この後まだ短編集が1冊出る予定なので、あんまり感慨深くはない」と書かれていたのですが、ネットでもそんな本が出たという情報は無く(まあ、「実際にどうなるかは未定」と書かれてましたし、「ネタが無いですよ、担当さん!」と作者自身も始めから難色を示していましたしね…。)「担当さんの美しい計画では岩崎画伯の漫画も入ったりお楽しみページも充実の短編集になる予定!」とありながら、これで本当に最後となってしまったようです。今から出版するというのは、もう10年近く前の作品にもなるし、やっぱり無理があるんでしょうね…。ブログのトップに書いた匿名さん(元々このシリーズを買っていた人。「足の無い獅子」編完結と同時に買うのは辞めた様子。)とか挿絵の為だけに買って絵の質が落ちてきたから買うのを辞めた人は沢山いそうな気がしますし今さら復活は無理なんでしょうね…。(リチャードとギルフォードが腹も出て脛毛も全開のオヤジだったら始めから誰もこのシリーズを買わなかっただろうと思われ…ゲフッ!)

 ガストン・ド・ベアルン…リチャード「彼が国王陛下に楯突いてガスコーニュを独立国に仕立て上げようとしたことは知ってます。バーネル司教がその騒動の調停役を果たされた事も。」

軍を進められた為に渋々屈服はしたものの、納得はしなかった様子でフランス王フィリップの元に走り「ガスコーニュの宗主はフィリップ様でしょう。じゃあ、そこを自分のものだと主張しているエドワード王は1人で誤審(勘違い)しているだけで、これってフランスへの反逆罪じゃないですか!」「ガスコーニュがわしの物…か。イイね、それ!」と利害が絡み合ってこじれにこじれたこの事態、結局フランスと「多少の事には目を瞑ってこれからも仲良くしましょうや。」(お互いの主張がほぼでっち上げという事は分かっているけれど、こんな事の為に「戦争」する事は無い。)と外交上の駆け引きの元に終結したのですがもしも一方だけが「主張は言いがかり以上の何物でもない」と公にされたらどうだっただろうか?(そりゃ鬼の首を取ったように脅しつけて言う事を聞かせていただろう。)という設定の元でのフィクションストーリーです。細かい歴史事項も調べながらの執筆で辻褄を合わせるのにも色々大変だったろうなと思ってしまった最終話でした…。

 リチャード・フィッツロイ…「宮廷は俺のような田舎者が快適に暮らせる場所ではありません。もし、お許しを頂けるのなら俺は自分の領地で静かに暮らしたいと思っています。」

若者らしい野心(いつか血筋にふさわしい立場(宮廷)に返り咲いてやる!)が欠片もなく、縁側で日向ぼっこをしている枯れ果てた老人のように相も変わらずやる気の無い彼。確かに王家の血筋の者だと認められ黄金の指輪(アンジュー王家の異名ともなったエニシダの枝の模様が刻印された指輪。かつてこの王家の祖となったアンジュー伯ジェフリーが好んでそれで帽子を飾った為にトレードマークになったらしい。)まで与えられたものの結局シリーズの最初から最後まで田舎でのほほんと暮らす人生で終わるのでした…。普通だったら「王家の人間」なのにあちこち傷がついてへこんだ使い古しの指輪をあげるから、それ(だけ)で満足してくれという展開に「ふざけるな!俺だって血縁として同等に遺産を貰う権利があるだろう!」と同母兄弟ですら骨肉の争いに発展する場面なのですが、争う心が無いというのは面倒臭くなくて良いものです。最も今の彼は家(領地)持ちで充分暮らしていけるので、争う必要も無かったのでしょうが…ゲフッ!

 王弟ブライアン…「君こそ何故こんな所で身を縮めて暮らしている!?同じ王家の血を引きながら、彼らは権力の中枢に居座り我々は日蔭者として蔑まれる!どうして君はそんな事に耐えられる!?」

唯一彼を庇ってくれるはずの母親はリチャード同様出産時に亡くなったのか、彼の側にいないだけでなく誰も彼女がどんな人間なのか口を開こうとしない(「母はどこの何者なのか判らない。(息子なのに)私には知らされていない。」byブライアン)恋人もいない(持参金目当てとはいえ目をつけているレディ・メリッサはさっぱりなびいてくれない。それどころか目の前でギルフォードに色目を使っている。)友達もいない(弟とはいえ「国王に嫌われている人間」「一緒にいると自分まで謀反を疑われそうな男」ということで誰も積極的に近づいてこない。)そんな中で兄弟達との差(えこひいき)を見せつけられて育った彼はすっかり心が歪んでしまわれたご様子です。それを思えば叔母夫婦という「両親」に愛情を注がれながら育ち、友達(ギル)も恋人(娼婦ジェイン)もいるリチャードは本当に恵まれているよな(「井の中の蛙」という現実はある意味では幸せな事なのかもね…。)と改めて思うきっかけにもなった登場人物でした。リチャードのように野望なんか持たなければ長生きできたでしょうにね…。

 レディ・メリッサ…スティーブン「面目を保つのには金が掛かる…莫大な額が。その問題を一瞬で解決できる機会をみすみす逃すことは出来なかった…。」
ダニエル「国王陛下を裏切ってまで、保たなければならない面目をお持ちとは。」

「衣食足りて家名を欲す」(正しくは「衣食足りて礼節を知る」。明日生きられるかも分からない貧困生活では略奪、万引き、何でも有りだが物質的に恵まれていれば精神的に病んでいない限り人間は品行方正に暮らすものである。)とはよく言うものの、金が有っても人間的に腐っている奴はいるようで、娘に贅沢なドレスと宝石を買い与えながら、面目(贅沢)を保つ為だけに告訴を無効化した手紙(下手をすればイギリスとフランスの戦争を招きかねない代物)を金の為だけに売ろうとした父親に「…。」と思ってしまったものでした。(生活に困るのなら、簡単な話で贅沢なドレスやら宝石やらを売って金を作れば良い話じゃないのか?)その後、国王の庇護下に置かれる事になっても充分な持参金は持っている娘(簡単な話で贅沢なドレスやら宝石やらを以下略。)の売国奴になっても豊かな生活基盤に、ぶっちゃけ無駄な事をしたな(売るのは国じゃなくてプライドの方にしとくべきだったね。)と父親に思わずツッコミを入れてしまった物語でした…。

水に棲む花

2009.11.11
 何はともあれ髪を切れ!と主要登場女性人物2人にツッコミを入れてしまう(もしかしてプールで泳ぐ際にスイミングキャップをかぶっていないのは帽子の中に入りきらないほど髪の毛の量が多いから?←それは切れよ!)この物語、ミステリアス・ロマンと銘打ってはあるけれど色々な謎(ミステリアス)は説明されないまま放置されているし、浪漫譚も男1人がずっと男1人(戦う相手ではあるが)を追い求めたという微妙な内容だしあんまり面白味は感じなかった話でした。ツッコミ所は沢山あって、その点では語りやすい話ではあったんですけどね…。

 二階堂六花…「楪ちゃんはどこ!?場所を教えて!楪ちゃんに一番近い水へ私を通して!」

おちおち浮気一つ出来やしないのか…と情事の真っ最中に邪魔された楪ちゃん(物凄い気まずいシーン)に同情してしまったものでした。(その水を操る力が立夏と同様に生命の種を飲んだ結果なら花形の痣が7つ揃った今、完全に水になじんだ彼女は現在でもその力を使えるだろうしね…ゲフッ!)最後は生命の種の力で人の一生分だけ生きたい(だからこれで打ち止めで構わない)と物語は終わっていましたが、生命の種を飲んだ人間は果たして普通の人間並に老ける事が出来るのか(戦国時代から生きてきた金さん銀さんも真っ青の長寿を誇る立夏は現在でも当時の姿のままでした…。)色々疑問は残ってしまって、そこで終わってしまっていいのかツッコミを入れたくなってしまったものです。まあ連載終了が決まってしまった以上、仕方ない終わり方だったんでしょうけどね…。(禁句)

 二階堂楪…「祖父も父も白龍の血を継いだ二階堂の長男はずっと昔から短命だった。その最終走者の僕がより短命なのは当たり前だな。」

なんだか「闇のパープルアイ」で豹に変身する人間達が細胞の変化について行けずに皆が皆短命だったのと同じような展開だな(まあ作者が同じだからパクリには(なっても訴訟沙汰には)ならないと言ってしまえばそれまでだけれど。)と多少白い目で見てしまったものですが、結局のところ最初から相思相愛の出来レースが出来上がっていた2人の恋愛譚には何の心配も芽生えず、あんまり気にならなかったものでした。(むしろ六花が1人で燃え上がっているだけで楪は妹としてしか見ていないのではないかとそっち(ストーカー)方面の心配があったりして…ゲフッ!)最後は白龍の本性を取り戻し健康になった所で(何それ。)人間となって生きて行くことを決めている彼ですがハッピーエンドの反面ご都合主義な終わり方だなあ~と微妙な目でも見てしまった…話でした…ゴフッ!

 水地立夏…「六花が求めていた娘ですって?それまでの立夏はただの間違い?ただのつなぎだったというの!?いいえ!出水は間違っていなかった!」

白龍を甦らす事の出来る娘こそ「出水が長年追い求めていた本物の女性」なら、それは自分だ(それにしたって超都合よく家系図が出てきて自分にも資格があると分かるのは出来過ぎた展開だと思うが…戦国時代からよく残っていたな、家系図も。)と死ぬことすら恐れずに白龍(楪)と寝ようとした彼女の愛の深さが伺える(立場上の資格を証明する為だけに他の男と寝ようとするって、この人プライド捨ててるじゃないですか…そこまで自暴自棄になったとも言えますが…ゲフッ!)と共に何をしても出水にとって女はどうでも良い存在だった(白龍を甦らせたからといって別に何を認めてくれる訳でもない)と分かった時には絶望と憎しみは募ったでしょうね。痴話喧嘩の果てに刃傷沙汰(ではなく素手でブチ殺した)で終わった最後には心から頷けてしまったものでした…ゲフッ!

 出水…出水「や…めろっ!とどめは白龍に…お前じゃないっ!」
立夏「黙れ!このホモ!」

…と言わんばかりに痴情のもつれで殺された最期にはそんなシーンじゃないと重々承知しながらも笑ってしまったものでした…ゲフッ!(女性を弄ぶと後が怖いという話ですな…ゴフッ!)女にこだわって戦いに支障をきたすのは笑止だと出水は言っていましたが、その女(リッカ×2の生気)のおかげで負けてしまい、当の女(立夏)に処置を任された展開を考えると彼の女にこだわらないやり方(それはともかく気まぐれで女性を弄ぶのはお辞めになった方がよろしいかと…。)は、やっぱり「間違っていた」んでしょうね。少女漫画なのに男(との戦い)にばかり夢中になってしまったのが思えば彼の敗因だったのだろうと納得したラストでした…ガフッ!

暁に立つライオン

2009.11.10
 大人気連載「天は赤い河のほとり」(トルコ(ヒッタイト)の史実上の人物が登場するフィクション歴史漫画)を描いていた事もありトルコの新聞記者にインタビューされ、その時うっかり「ちょうど秋に『天は赤い河のほとり』ツアーでトルコに行くし、取材して読み切りでも描いちゃいましょうか。」と公の場で言ってしまったが為に一年の予定だった休暇は半年に短縮→この話を描くに到った(しかも読み切りで終わらず3回連載…本一冊分のページ数…。)という経緯が後書き雑記に載っていました。ダンメダロップ(そのまんま「回る戸棚」という意味。これを使うと顔を見せずに料理が出せる。)や戸棚の中の風呂(昔は一軒の家に親戚が何世帯も住んでいたから部屋に風呂がある。)などトルコの伝統文化がふんだんに取り入れられており、トリビアとして楽しめる一冊だなと感じたものでした。

 シンクレア・ショーン…シンクレア「えりな、戻って来なさい!君には危害を加えるつもりはない!」
えりな「危害を加えるつもりはないって、あれだけ撃っといて…。」

せっかくの「眼鏡の金髪美形外人」ならアルプ氏と同じように読者ツアー付きのハンサムガイドのユミット・ツナ氏を使えば良かったのに…と思った所で「マフィアのボスを追うカッコイイ刑事」ならともかく「裏で麻薬の密輸取り引きをする極悪マフィア」の役所ではご本人も喜ばないよな…と名前すら使われなかった経緯に納得してしまったものでした。(作品に登場できれば良いってものでもない。イメージという物があるのだから。)最後は麻薬王と会っていた証拠写真と共にお縄となっていましたし、いくら眼鏡を取ると美形度がアップする少女漫画のお約束的顔をしていても内容的に喜ばれない男だよな~と再度実感した登場人物でした…。

 和泉鷹士…「これ以上、えりなの側にいられなかった。それでも逃げ場所にこの国を選んで良かったと思っている。」

いくら両想いであっても、血の繋がりが無くても家族として一緒に暮らしている「妹」と愛し合っているのは重い現実だよなあ~(実際に連れ子同士でデキ上がって出来ちゃった結婚をした事例を聞いたことがありますが、式場にいる新婦・新朗のご両親が一組だけという事態に親族・友人一同は始終怪訝な顔をしてヒソヒソ噂していたそうです…ゲフッ!)と大手企業に就職した仕事まで捨てて(捨てるな!)トルコにまで逃げ去った鷹士(そこまで遠い所に逃げる事も無いと思うが…。)の意気地無さに納得してしまったものでした。現地で「恋人」を作るも、えりなの事は忘れられなかった様子で麻薬密輸事件に巻き込まれた挙句に当の恋人に殺された最後には涙しか出なかった登場人物です…。同じ「海を隔てた逃げ場所」なら北海道とか佐渡ヶ島とか沖縄とか国内で妥協してりゃ良かったのに…ね。

 シェリフェ・ミカ・アイドゥートゥ…「こんなに鷹士を愛しているのに!こんな所までついて来た私の目を盗んで、えりなにあんなラブレターを送ってたなんて酷い!」

日本とトルコのハーフ(イスラム国であるトルコ人)なのに顔を隠してないんだ…とアバーヤ(目の所だけが開いている黒いベールのようなもの)も被っていない彼女に驚いたものでしたが、作者に取材したトルコの女新聞記者キュリュンさんも顔面モロ出しでインタビューしていたようですし、アルプ氏も「昔は女性が家族以外の男に顔を見せる事は無かった。」(それはあくまでも昔の話。)と作中で言っているので今のトルコ女性はこんな感じなのかもしれません。(本編にも取材雑記にもベールをかぶったイスラム教特有の女性の姿は見られなかったしね…。)ともあれ「付き合っている」のに話と言えば妹えりなの事ばかり、麻薬の密輸取り引きの証拠を手に入れてしまい自分達がいつ証拠隠滅の為に消されるか分からない逃亡の旅ですら「ああ、アルプの言ってた通りの景色だな。えりなにも見せてやりたいよ。」とホンワ~とした空気で和んでいたら「てめえ、状況分かってんのかよ!」と思わず突き飛ばしたくなる気持ちは分かる気がしました。(で、折悪く突き飛ばした先は崖だった、と…ゲフッ!)ダメだぞ、鷹士、付き合うって事をちゃんと考えなさいと思わずツッコミを入れてしまった、そんな恋人達のエピソードでした…ゴフッ!

 アルプ・アスラン・タネル…アルプ「鷹士は君の事いつも話していたよ。つまり、その、あまり沢山の事を聞いたし写真も見てたし…イスタンブールで会った時、本当は初めて会った気がしなかったんだ。…愛してるよ。」
えりな「は?どういう意味?」

うわあ、本命の女性・えりなまで親友に奪われるなんて鷹士兄ちゃんはどこまでも哀れだと感じてしまったラブラブハッピーエンドでした…ゲフッ!(アルプにしたってアナトリア全土に広がり長い年月の間に混血を繰り返した一般的トルコ人と違って地方都市に住み着いたおかげで純粋に近い血が残っている希少なトルコ人なのに、ここで思いっきり混血(日本人の女)に走るのか…とちょっとガッカリしてしまった。)作者のトルコ取材雑記によると取材一行付きとなったアルプ・アスラン・タネル氏を5割増美化して(良かったね、えりな。)名前と顔をそのまま使って登場させたのが彼(現実の彼はマフィアを追う刑事でなく普通のガイドさんらしい。)らしく、後書きオマケ漫画で出て来た時には多少ビックリさせられたものでした。(っていうか、良いの?キャラクターとして使ってしまって…。いや「名前が同じだけの別人」ではあるんだろうけど…。)

海に墜ちるツバメ

2009.11.09
 描き方が上手いから、読んでいて嫌悪感はそんなに感じないけれど、13で子供を産んだ事を隠蔽する為に2人も人を殺す脚本家といい、妻帯者の男と不倫し運転中に人を撥ねても隠蔽に走る女といい、親友を裏切って当の彼氏と寝る女といい、人間関係がドロドロした(というより単純に性格が悪い)女ばっかりだなあ~と話を追いながら微妙に思えてしまったヒロインばかりの短編集です。「人間関係がやたら複雑」で「連続殺人」が起き最後はその犯人が「崖から落ちる」(火曜サスペンスドラマだとこの時に落ちる人があからさまに同じ服を着た人形だとバレバレ)というベタな展開を踏襲している辺りは王道だなあと感じたものですが…人間として付き合う場合この人達の性格・生き様って…と微妙に思えてしまいました。

 海に墜ちるツバメ…亮介「13の時、君は恋をした。通常なら『可愛い初恋』で終わったかもしれないそれが交際を反対された君達は逃げようとして不幸にも養父を死なせてしまった。」

わずか13歳の子供相手にセックスして孕ませた男との交際は父親として当たり前に反対するだろ…(13歳の少女を妊娠させて連れて逃げたって、どう見ても未成年への性的虐待の果てに誘拐までした犯罪者にしか見えないだろう。←そりゃ警察に追われて追われるし、海に落ちても積極的に助け出されようとはしない人物だろう…ゲフッ!)と「可愛い初恋」から程遠い顛末にツッコミを入れてしまったものでした。現在の恋人には「刑務所で罪を償い終わって出てくるのを待ってる」と言って貰えはしましたが、2人も計画的に殺した彼女は模範囚になっても刑期は長いでしょうし(現在36歳だから下手したら出てくるのは50歳近くになってから。それまで28歳の若く前途有望な彼が本当に待っていてくれるのかは疑問。)当てにならないよな、と未来に思いを馳せて暗澹たる気持ちになってしまった話でした…。

 記憶の足音…笙子「私、あなたの足音知ってる…。1人で残業する時いつも聞いてた…。」

妻子持ちの男に騙されて肉体を弄ばれただけでなく知らない間にATM扱いされて殺されかけた、その次に見つけた男は残業(一人きり)となると側でうろついて、車で撥ねたら生霊となってもっと大っぴらにストーキングしてきた学生バイト(今までずっと彼女が好きだった以前にその根暗な執念が怖い。(筋金入りのストーカーかよ。)彼を撥ねてその事実を隠蔽した自分の非もあり、どう断りの返事を言えば良いのかも難しい。)という展開を見て彼女のあまりの男運の無さに知らず溜め息が出てしまいました…ゲフッ!会社の金を使い込んだのが自分でないと証明できても由紀也と愛人関係だった事実は詳らかになるでしょうし(結局会社に居辛くなるのには変わりない。)この先に不安を感じてしまったものでした…ゴフッ!

 死刑台の72時間…真由美「桐子ちゃん、もういいのよ。はじめはあなたが妹の恋人を寝取らなければ、妹はここに泣きに来る事も通りすがりの男にレイプされて殺される事も無かったと恨んだけど、痴情の縺れでなく殺した男本人が妹の命を奪った原因だと私達も知ってるわ。」

そう、「親友に男を取られた」なんて実際とてもよくある話(不倫ブームに代表される今時の若い人は本当に節操が無い…そうですから…。)であり「死ぬほどの話」じゃない(まあ妹も当分は泣き暮らすだろうけど、そのうちに忘れて新しい男を見つけてそれなりに幸せにはなっただろう。通りすがりの男に殺されなければ。)事は冷静に現実を見ればおのずと分かります。憎むべきはブチ殺した当の本人であり、妹を裏切った親友カップルは真犯人捜し(自白)に72時間も協力して演技してくれた分だけまだいい奴らだ(普通は彼氏を寝取って裏切れるほど軽く思っていた親友の為になんて「はあ?『殺した』のはあたしじゃないし!」と死んでも動いてくれないだろう。)と漫画ならではの美しい展開に拍手してしまったものでした。自白成功おめでとうございます、遺族の方々、と思わず快哉を叫んだ話です。

アナスタシア倶楽部①②

2009.11.08
 歴史物が大好きで(その割に頭の中には入ってなくてテストでは散々だったが。)つい買ってしまったフィクション。ディズ二ーの映画でも「アナスタシア」がありましたがあっちもこっちもフィクションなので信じてはいけないお話です。(というかディズニーは人魚姫が生きてたり、「ノートルダムのせむし男」の魔女として処刑されたエスメラルダが助かってたり子供に夢を与えるために事実の歪曲部分が多いので基本的に信じてはなりません。分かる人に話したら恥ずかしい思いをします。)

 ①②巻~アナスタシア編~
 アンナ・アンダーソン夫人…革命後10年で30人以上現れた「アナスタシア」の中で最も本物に近いと言われた女性。ロマノフ一家が処刑された18ヶ月後にベルリンの橋から自殺を図ったのを警官に助けられた所「私は皇女アナスタシアだ。」と名乗りを挙げ、1大センセーションを巻き起こしました。しかしどうやって逃げ延びたかと聞くと「記憶喪失で覚えていない。」(1番大事な所でしょうが!)と曖昧で、外反母趾や額の傷などの身体的特徴は一致するものの、証拠不十分と裁判では棄却されました。(そして次々に「新しい証拠が出た。」といたちごっこに裁判が…ゲフッ!)彼女の死後DNA鑑定した結果(1979年に手術摘出した彼女の小腸の組織標本とロマノフ王家の親戚であるデンマーク王家のミトコンドリアDNAを比べたそうです。)99%別人であり、彼女は生前から囁かれていたポーランド農夫フランツィスカ・シャンツコフスカの娘だと判別しました。その娘さんは親父さんが手留弾の安全装置を外してしまい隣にいた同僚は即死、自身も大怪我をしたのがきっかけに精神に異常をきたし、精神病院に入れられた後、病院を脱走し行方不明になったそうです。(そしてこれが橋で流されてた彼女が発見される数週間前のこと。ピッタリ辻褄が合うじゃないですか。)今でも「小腸は病院ですり替えが可能だ。」「40年も皇女だと偽装を続けられるものか?」等々アンダーソン夫人=アナスタシア皇女説は根強いですが、私は「軍人が処刑を見逃すような甘い仕事を許すわけがない。」と偽物説の方を信じてます。

 アナスタシア皇女…明るくてひょうきんでいたずら好きで1番皇女らしくない性格のお姫様だったそうです。目撃者の証言や文書によると(地質学者のアヴドーニン博士が1991年ソビエト連邦が崩壊の兆しを見せたのを機にマスコミに公表した。それまでは「惨たらしい真実は革命推進の妨げになる。」とKGB(秘密警察)も躍起になって証拠隠滅に努めていた。殺害現場のイパチェフの館が取り壊されたものこの為。)彼女は銃殺時に奇跡的に無傷で姉たちの死体の中で息を潜めていたものの兵士に足で仰向けに蹴飛ばされた時に恐怖のあまり叫んでしまい、その場で銃の台尻で顔や腹を滅多打ちにされ頭が割れて死んだ…そうです。(その後家族共々身元が分からないようにバケツ2杯の硫酸を浴びせられたうえで埋められたという。)わずか17才の短い命でした。(ちなみに姉のオルガは21才、タチアナは20才、マリーは19才。皆いい年の適齢期なのだから、とっとと他国に嫁に出して直接関係のない立場にしておけば助かったかもしれないのに…ゴフッ!)

 大津事件…1891年滋賀県でニコライ皇太子が津田三蔵巡査に斬りつけられた事件。(ドラマ「坂の上の雲」でもやってた有名な事件。結局この時に斬られた頭の傷跡は一生残ってしまったとか。)当時の松方内閣はロシアとの外交を考慮し死刑を要求したが、大審院児玉惟謙は司法権独立の為に拒否した…ということで有名です。この時の証拠品は今も博物館に保管されており、衣類の血痕からニコライ2世の血液型を確認したこともあるそうです。

 TV・アマチュアオークション大会…物語の主人公カムイたちがイースターエッグを手に入れる為に出場した番組。「それぞれが鑑定した額まではタダで、ヒットして値を吊り上げた分だけお金を払う」システムで、正直それで番組が続けていけるのか疑問に思ってしまいました。(どう考えてもスポンサーの大損じゃないですか?このシステム。)結局カムイは負けてるし。(いや、偽物を高値で敵方に掴ませたんだから勝ったというべきか?)

 「ニコライ2世の骨は偽物」説…日本で本当に新聞に載った記事。しかしこの見出しは新聞編集者の皆さんが捻出したもので、教授が別人の骨をニコライ2世と間違えたわけでは無かったそうです。ミトコンドリアDNAの配列に誤りがあっただけで結論には間違いはないと言ってました。

 占い師…「最後は占い任せか。」…いやいや、そんな不確かなものに任せたらマズイだろ!と思わずツッコミを入れてしまいましたが驚異的な的中率を誇って物語を進めてくれ、逆にフィクションの要素を色濃くしてしまっている存在。日本では要人が専属で占い師を雇い彼らの言うがままに動くことなどまず考えられないのですが、ロシアでは魔法や超能力を(その結果がどんなにインチキ臭いものでも)真面目に深~く信じてる人が多く批判しようものなら烈火のごとく怒られるそうです。(ある通訳が「知的水準が低いからこういうオカルトが流行るんですよね。日本も似てますよ。」とフォローした所、日本でいえば読売や毎朝に相当する新聞記者ロシア人は「お前らみたいな不信心者がいるから魔法使いたちは超能力が発揮できなかったんだ!クソ食らって死ね!」と怒鳴ったそうです。怖い。)そんな国風なのでオウム真理教が流行ってしまったのもうなずけて…しまいます。(魔術の要素が絶妙に組み込まれていて、まさにツボにハマってしまう宗教。…そういう人達にとっては。)今でもあの国では魔術が(真面目に)信じられているんでしょうか?(この話の要人が占い師を重宝してる所から察するに…やっぱり信じてるんだろうか?)

 ラスプーチン…プーチン大統領が改名を余儀なくされてしまった程ロシア国民から嫌われている怪僧。(だからラスプーチン→プーチンと変えたそうです。)彼が、重い血友病でベッドに伏せっていたアレクセイ皇太子に話しかけた所、蒼い顔した皇太子の顔色が良くなり、上半身を起こして話の続きをねだるようになるまでに回復しました。それを見ていた憔悴しきっていた母親アレクサンドラ后妃(精神的疲労に加え后妃自信も心臓病だった為、そのやつれ様は凄かったらしい。)は涙を流して喜び、以来夫婦はラスプーチンの言うがままになってしまったそうです。彼一人が重宝されてしまった為に他の聖職者、権力者の権威は地に落ちてしまい、結果恨みを買ってしまったのでした。精力絶倫で大力無双の荒々しいイメージで有名ですが、実際の彼は青白い顔をしたひ弱な優男(女性にモテたのはむしろ母性本能を刺激された要素が強いかもしれない。)だったそうです。最後にはある日お茶会を催すからと呼び出され、そこで毒入りのワインを飲まされましたが死なず、火打ち棒で殴られても死なず、最後には脇腹にナイフを抉られて殺された(おかげで「殺しても死なない男」としても有名。)という酷い死に方をして1916年に亡くなりました。ロマノフ王家の殺され方といい、昔の人はやる事酷かったんだなあということを実感させてくれるエピソードです。(一般人に生まれて良かった…。)

 瀬名 卓斗…モザイク模様のシャツは止めてほしいと切に願ってしまった(キャラとしては合ってるけど)アナスタシアの曾孫。(注・この話はフィクションです!)ラスト付近、パトロンだったミハイロビッチ氏の最後など大分省略されてしまった為、話の展開が分かり辛かったのが難点でした。(ミハイロビッチ氏はどんな事故にあったのか、事故で死んだ部下になり済ましたはいいが本物の部下の死体はどうしたのか…などなど。いきなりアレクサンドル3世が彼に似ているという証拠写真が出てくるのも都合良すぎな気がします…ガフッ!)個人的には彼の出生の真偽の程はとにかく、皇族の血縁としてはあまりのチャランポランした性格に(いや、だからこそ「皇女らしくなかった」性格のアナスタシアの直系と…言えるのか、こんなことで?)「こんな奴が曾孫か?」とより「アナスタシア=アンダーソン夫人説」を信じられなくなったきっかけにも(元々否定派でしたが。)なったキャラでした。おかげで色々調べるきっかけにもなり「この作品、色々しっかり調べた元に描かれているなあ。」と作品の評価は上がってます。

ミスターレディ

2009.11.07
 「ミスターレディ」。この言葉を作ったのが他ならぬ里中先生だと知って感心するのも束の間、今まで読んできたのとあまりに違う作風に「里中先生、頭でも打ったの…!?」と大ショックを受けてしまいました。(今まで大人の深~い話ばかりだったので。)もちろんこういうのも有りですが…色々な物書いてたんですね、里中先生。(まだショックから立ち直りきっていない私でした。)

 園丘 メリー(おばあちゃん)…母「いい加減にしてください。青いバラなんて何の役にも立たないものに沢山のお金をつぎこんで!」
祖母「あんたこそ似合いもしないドレスを毎月何枚も作って、いつも着てるのは着物じゃないか!」
母「……。」
この勝負、おばあちゃんの勝ちですね。
最初はまともな髪形だったのに、回を追うごとにお団子頭が排泄物の形(としか見えないんですが…ゲフッ!)に変化してしまったバラ研究者。作中で語っていた通り、バラで青系の色は出せないんだそうです。(そんなわけでドラマ「ガラスの仮面」でも紫のバラの人は苦肉の策としてくすんだ感じの薄い赤紫色のバラを持ってました。そこまでの色が限界だったのでしょう。)研究に金をつぎ込んでる割には酒盛りをしたり、ボーイハントをしたりと成果は一向に進まず、完成したきっかけも花子が被せたゴミ捨て場のダンボールの成分に反応してのことだった(しかも愛情を持って接しないと白バラに豹変する…なんじゃそりゃ!)という研究者としてはダメダメな姿勢に(しょせん金持ちの道楽か…ゴフッ!)思わず沈黙してしまった愉快なおばあちゃんでした。嫁に口ではきついことを言いながら、仲直りのきっかけを作ってくれたり、この人結構いい人じゃないかと私の中では評価が高いキャラです。

 園丘 花子&太郎…どこから見ても両親に似てない主人公の双子。(禁句。)中学生なのに私服で学校に通ってる辺り、あの学校は私立らしいです。(みのる君、学費は大丈夫なのかな…。)パツ金で瞳が青や緑という辺り、日米ハーフのおばあちゃんの血は隔世遺伝で父ちゃん(どっから見ても純日本人顔。)をすっ飛ばしてこの双子にだけ出たと解釈しています。モテモテなのはそのせいでしょうか?(子分、ブルー、みのる君、幽霊の男の子…と男性キャラのほとんどが思いを寄せている。反対に太郎が目立ってないのは主要女性キャラがりり子さんしかいないという禁句によるものだろう…ガフッ!)お互いに互いの性別に憧れていますが、本当は性別というよりも性格の問題(男でも女々しくてしつこい人はいくらでもいるし、女の問題が背景の1因としてある戦争も沢山ある。長所ばっかり見てるけど、男も女もそんな単純な生き物じゃないのよ。)なので、成長とともにいつか憧れは消え去る…ような気がするのは私だけでしょうか?そもそも性別らしさの欠片もない兄妹が側にいる時点で憧れを持てるのに無理があるような気がするんですが…ゲフッ!

 ブルー・セルリアン…本来なら高校に入る所を何故か中学校に入れられた16歳。(可哀想に。)身長が175センチあるはずなのに周りの中学1年生と頭1つ分も変わらない(皆どんだけ背が高いんだ!?)不思議な現象が起きてました。今は男同士がはやり(…そうなの?)という問題発言をぶちかまし、太郎への思いを貫こうとしていたのは素敵でしたが、結局花子に走ってしまってガッカリしてしまいました。(で、「最初に愛したのは太郎」疑惑はどうなったんですか?)そしていくら外人だからって2巻始めのバラ柄のスカーフ&上着スタイルには度肝を抜かれた私です。(そしてコンクール終了後にはブドウ柄に…それで接客業をしないで下さいよ!)普段も女装番太郎のようなピラピラした服を着てるし、好きな相手は13才(ロリコン…!)だし、いったいどういう趣味をしてるのかとても心配になったキャラです…ゴフッ!

 柳原 りり子…最初はたれ目ながらも目のぱっちりしたそれなりの美人(あくまでそれなりに…ね。)だったのに回が続くごとに脇役系の日本人顔になってしまったバイリンガル。(禁句だろ!)パシフィックマンションという名のマンション(というより調度品や部屋の広さから見て億ションというやつだろう。)に住んでおりセレブかと思いきや一般の漫画化の先生と友達(「外中魔血子」先生って!笑)の良く分からない交友関係を築いている13歳。(そうか、友達いないんだ…ゴフッ!)デパートの売り上げを伸ばそうとキャンペーンをしてましたが、その謳い文句は「1月10日~2月13日の間に食料品10万円以上お買い上げの方だけに青いバラプレゼント」…約1ヶ月の間に食べ物だけで10万円を使うこと自体無理があると思うんですが(そりゃ、暴動も起きるよね。)子供の浅知恵に大の大人が乗っかってしまったが故の悲劇でしょうね、これは。(そもそも中学生に本気で経営の一端を任せるのが間違ってるんだよ。)しかし、そこに気づかなかったということはこの人は普段月10万円の食費が出る生活をしてるという証拠…に、なるんでしょうか?(どうやらセレブという所だけには嘘はないらしい。)

 新谷 みのる…極貧のはずなのに何故か社長令嬢・御曹司(花子、りり子・太郎、ブルーetc.)の集まる私立中学に通ってる13才。(あるいは逆玉を狙った計画なのだろうか?)フケだらけの所を見ると家には風呂もないらしいです。(ていうか、あれは家というよりバラック…?)花子がブルーに思いを寄せてることで悩んでいますが、父親がおらず(「死んだ」じゃなくて「いない」と言ってた所に引っかかったんですが…母ちゃん、騙されたのかい?)母親が病気だという家庭状況を思うとそんなことで悩んでる場合じゃないだろ!とツッコミを入れたくなるのですが、どうなんでしょうね…。1日何も食べないという苦行に耐えて味自慢コンテストで1年間1位の食品プレゼントの権利を手に入れてた(栄養のバランスが取れてるのはおにぎりカツ位で後は食べ続けてると成人病になりそうなメニューだというのは置いといて…ガフッ!)ので取りあえず食費の心配は無いのかもしれませんが…個人的には恋路の行方より生活の行方の方が遥かに心配な一家でもありました。

 フデキ・イロミ・ヤロー…全国味自慢コンクールの審査員の皆さん。名前から察するに懐かしのアイドル、西条ヒデキと郷ひろみと一色シローのアレンジだと思われます。読みながら大爆笑してしまいました。

恋物語⑪~⑭

2009.11.06
 代表作の一つ「白木蘭円舞曲」の取材の為に中国のハルピンやインドに行った旅行記が載っていました。どうせなら番外編を載せた8巻に入れれば良かったのにと思いきや昔は単行本のページ数が決まっていた(その為に「ミスターレディ」の最終話など連載が終わってもページ数の都合で省かれてコミックスに入っていない話も昔の漫画には存在する。)ので色々難しかったんでしょうね。という訳でその辺に関してもコメントを残しておきます。

 星無き夜の情事…小夜「昴は昴よ!あんたなんかの為に生きてるんじゃない!」
望「昴は僕の物だ!喜んで夫以外の男に抱かれていたインラン女が何を言う!」
昴「小夜…俺に任せろ。」ボカッ!

女(セックス)はいつも昴と共有し、妻の小夜は「昴のものじゃない」事で満足で、挙句に「昴は僕の物だ!」と妻と激しいラブバトルショーを見せてくれる(その勝負に彼は「負けたよ…。」と言います…妻に。)そう、この話はトライアングル・ラブロマンスという事実に間違いはないのですが望→昴⇔小夜という真ん中ににいるのが男という稀有な図式を見せてくれる話でもあるのでした…ゲフッ!昔はどうして昴が望を毛嫌いするのか(大学の学費を出して貰ったり車をプレゼントして貰ったりした上に文字通りの「同じ穴」のムジナなのに何故、嫌う?)理解できなかったのですが大人(腐女子)になった今、読み返すと新しい図式が見えて色々納得できたものでした。小夜さんは実はモテテいた訳ではなく当て馬役に過ぎなかった(それで薬飲まされてレイプされた挙句に知らないフリされて下手人と結婚する羽目になった)奥さんの小夜が、かなり哀れにも思える、大人な話でした…ガフッ!

 13月のベラドンナ…詠子「殺されるほど愛されるって恵麻にはまだ分からないわね。死ぬほど怖いけれど死ぬほどの幸せを感じられる瞬間なの。」

ベラドンナはイタリア語で「美しい貴婦人」、花言葉は「汝への死の贈り物」というそうです。成分中のアトロピンは鎮痛・催眠効果があり薬として使えるものの、葉には猛毒を含んでおりルネッサンス時代には毒殺に最も使われたそうです…。作中目立っているのはセックス殺人(動機を激しくする為、情事の前に飲ませると心臓麻痺を起こす。)で使われていたジギタリスの方でした。(結局ベラドンナは義父が自分で飲んで自滅したしね。)かつて飲まされた叔母の詠子は「そこまで愛されて幸せだった。」(これは自分の武勇伝)と言っていますが、おかげで叔母の形代にされて殺されかけた姪っ子の恵麻は良い迷惑ですよね。全ての事情が分かってもなお傍迷惑な2人だったなあと実感してしまいました…ゲフッ!

 ロミオの名前…ジュリエット「おおロミオ、貴方は何故ロミオなの?私を想うのならその憎い名前は捨ててしまって下さいな。そうなさらないのなら私への愛を誓ってほしい。そうすれば私はキャピュレット家の人間ではなくなりましょう。」
ロミオ「いや、さっき初めて舞踏会で会っただけなのにそこまで思い詰められても…。」

というセリフで有名な(違うだろ!)シェイクスピアの悲恋物語「ロミオとジュリエット」。仇の家の男であり恋人でもある「ロミオ」は一体誰なのか…その前に「路実男と樹里干支」という名前では日本人としてマズイだろ!という訳で名前は和風に「嵐」と「椿」に変更されていました。相手に振られたと思い込んで犬猿の中に拍車がかかっていたおじいちゃんカップルも誤解が解けてラブラブ(2人とも都合良く結婚相手の方がお亡くなりになった後で良かったね…ゲフッ!)に、孫達も最後の1ページで結婚式を挙げる程幸せになれていましたが、それはそれとして旅館の次の後継ぎはどうなるのか疑問も尽きない私でした…。(2人以上産めば大丈夫な話か?)

 休日はパリで…オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」は知っていますがレスリー・キャロンの「パリのアメリカ人」は知らないので微妙ですが内容(設定)がダブっていそうな気がするのは私だけでしょうか…?「アメリカ人」の方を見たことないので事実関係は分かりませんが(映画見てみたら?)少なくともこの話での大物がおしのびで街に繰り出して一般人の異性と仲良くなるという部分は男女逆にしただけでまんま「ローマの休日」なので微妙さを感じたものでした。最後は舞台を中断してまで社長を助けた功績もあって盛り上がっていたお二人でしたが、それよりも何よりもオペラ座って銃の持ち込みが可能なんだ(しかも遠距離用の本格的な銃。服の下に隠すのも無理があります。)とフィクション炸裂の展開に驚いた話でもありました…ゲフッ!

 キューピッドの不思議な卵…上杉丈史「可愛い、可愛い、太郎ちゃん。パパそっくりだよねぇ。」
深町貴和子「そんな訳ないでしょ。本当の父子じゃないんだから。」
丈史「…それはそうなんだけどさ~。」
貴和子「バカ。」

4、5巻ではまだ「子供と父親の立場を守ろうとする女の心意気」にだけは好感を持てたのに序盤のこのやりとり(息子をあやすのもそっちのけで自分の化粧に夢中。挙句にこの物言いである。)に一気に好感度は下がったヒロインでした。偽装結婚するのは「女」としては最低でも「母親」としては立派だと、そこだけは評価していたのに、実の息子にまで嫌われているダメ母ぶり(要するにロクに子供をかまっていない。)に幻滅する気持ちの方が強く共感は…できませんでした。挙句の果てには昔の男リュウ・ウォングの登場で「どうしよう、流されてしまいそう…!」と浮気しようとしてしまっているし(息子が誘拐されたその時に男とベッドインしている場合じゃないだろ、お母さん!)丈史が撃たれたその時になって「やっぱりこんな都合のい男を失くすのは惜しい!あなたが必要なの!」と愛を語ってくれても全然嬉しくなかったものでした…。これでようやく「ベビーの父親は誰(どっち)?」というこのシリーズの命題も完結した訳ですが肝心のヒロインの事が人間として好きになれないとガッカリした最終話でした…。

 カプチリオな吐息…安珠「観光スポットで写真撮るより靴のお店見たいんですけど。フェラガモとかロセッティ、タニノ・クリスティ…日本では『安くて楽チンで軽くて目立たない』そんな靴ばかり売れるのを見てきたから、本物の靴ってどんなに綺麗だったか思い出す為に貯金はたいて1人でもイタリアに来たの。」

カプチリオといえばチャイコフスキーの「イタリア綺想曲」(カプリッチォ イタリアン。チャイコフスキーが妻と離婚後、傷心旅行で行った地イタリアで感銘を受けて作曲した民族的色彩を持つ管弦楽曲)が思い出されますが、作者のチャイコフスキー好きといい舞台がイタリアな事といい絶対にそこからこの話のイメージを膨らませたんだろうなと妙な確信を持ってしまった私でした。イタリア旅行心得「観光スポット山のよう」「ナンパ男多し!注意!」「ドロボー、スリ、メチャ多し!」とある通りスリにパスポートを盗まれ、ナンパ男のジョルジオ(妻帯者の運転手。ツアー関係者までそんな男だとは世も末な設定である。)に口説かれて関係を持って終わったヒロインのイタリア旅行。「アンジュにウソ(だけは)言ってない。」と既に結婚している事を黙って隠し事をしていた辺りジオは一応「正直者」の範疇には入る(そんな不誠実な正直さに価値があるかどうかは疑問だが。)かもしれないけれど話のように「一夜の恋人」が大きいブランド会社の一族である妻を捨てて、国も捨てて日本(外国)にまで迎えに来てくれる展開なんて現実にはあり得ないから信じない方が良いゾとツッコミも忘れない私でありました…ゲフッ!

 秋の姫…秋姫「あたしの奴隷のくせに!あたしに嫌われたら生きていけないくせに!」

そこまで見下されてキレたのは分かりますが14歳でレイプは早過ぎるだろ!と刑事事件にならなかった奇跡(それと2人の間にカップルが成立した異常事態)に驚いた話です。おそらく秋姫は父親が自分を捨てて女と失踪した事で「自分はもっと大切にされるべき人間なのに!」と思いこみ過ぎてしまったのでしょうが、その個人的事情は家族でもない他人(八誠)には関係の無い話で、愛情もないのに下僕扱いをする道理は無いですよね。そこに愛があるからこそ、こんな特殊な関係で自分と関わっていると思っていた八誠のショックは大きく失恋の痛みを合わせて暴走してしまったようです。人を甘く見て良いよう利用しようとしたら後で必ずしっぺ返しを食らう(人間はそうそう思い通りになどならない。)という良い事例です。(いや、悪い見本か…ゲフッ!)

 エデンの香り…綾香「10歳の時から何度もあなたのこと夢想してきたの…。」

君は一体何歳その男と年が離れてるの…?と黒樫さんのロリコン趣味(年齢差)にドン引きしたものでした。かつて自殺した恋人の妹と知ってもわざわざ住所調べてまでセックスしに来る辺りが催眠状態でナイフを振りかざす綾香よりも余程怖いと思ってしまった私です…ゲフッ!綾香のお姉さんだけでなく催眠術師のまどかさん(大物女優との付き合いの為に体良く捨てられた。)まで手を出していた女の敵なんて相手にするなよ!と綾香の恋(それも姉の洗脳の結果のように思えるが。)に共感できなかったものでした。アダムとイヴが追放された「エデン」だからリンゴの実なのね、と禁断の香りにも裸がよく出てくる事にも納得した(オイ!)ものですが相手役の男にはあまり(かなり)好感が持てなかった話でした…ゴフッ!

 楽園のキス…天野「(妻とは)離婚したんじゃないんだ。」

彼がジープのへボ運転で事故を起こしたことがきっかけで「もうアンタとはやっとれんわ!」と妻は愛想を尽かし別居中&マトモに運転ができる住友さんと不倫中と夫婦としては終わったようです。(きちんと離婚しろよ。)住友さんは合コンで知り合った婚約者(灯)に「同居ができないなら婚約だけでも!」みたいな形で婚約していたものの現地女性とイイ仲になってしまって婚約者が重荷になってきた時に天野×灯のカップリングが成立→双方相手が出来た上で婚約破棄の事態になって都合が良かった事でしょうね。お互い乾いた笑みを浮かべながら円満にお別れできそうで安心した話でした。(お互いがお互いの相手とデキ上がったなんて凄い偶然だな、この話…。)

<ちほのとらべるパッチワーク・12巻より>
 中国・ハルピン編…冬の気温はシベリア並のマイナス40度となり写真を取ろうとしても寒さでカメラがイカれるという恐るべき場所です。(そんな中に馬車から放り出されてよく湖都は凍死せずに済んだな。)凍った松花江に穴を開けて寒中水泳している中国人達(「水」の方が温度が高いので氷が浮かんでいるにも関わらず湯気が出るそうな…ゲフッ!)にはこの人達がタイタニック号に乗っていたら沈没しても助かったんじゃないか(全身-40度の氷水に浸かっていると人は数分と持たずに心臓麻痺を起こす。タイタニック号が海運史上最大の死者を出したのは沈没した場所に問題があったのです。)とまで思ってしまいました。私だったら金払ってまで寒中水泳はしたくないです…ゲフッ!(中国人はたくましいなあ。)

 インド編…水に問題があるというのでさいとう先生はボトル3本も持参したそうです。(実際に「王家の紋章」の作者は水を飲んで腹を壊したそうなので行動としては大正解でしょうね。)早朝にガンジス川で沐浴する風習は宗教がきっちり生活に入っているインドならではの光景ですが、時には観光客が乗ったボートの方が多くなったりすぐ横では洗濯してるわ火葬してるわ(遺体の灰の半分をガンジス川に、半分を長男がヒマラヤ山中に捲く。)シュールな光景になってしまう事もあるそうで文化が違う事を改めて認識しました。ちなみに漫画では色黒キャラが多いもののインドは広いので土地によっては色白の人もおり一概には言えないそうです。(髭生やした東洋系の人はヒマラヤに近いインドネパール人に誤解されることもあるそうです。)

 イタリアはオペラだ!…ローマ以来の栄光の歴史の上に築かれた余裕の産物、それがオペラです。(そうか?)イタリアにはミラノにオペラの総本山のスカラ座がありその近くにはミラノのシンボル、ドゥオモ(屋根にも登れるらしい。)があり、それに続いてヴィットリオ・エマヌエレ2世アーケード(クラシックな鉄とガラスのアーケード。)があり…と見所満載な所ですがやはり1番の見所はオペラでしょうね。せっかくの舞台でもプリマドンナが喉を痛めるとラストまで15分もあるのに舞台を終了させてしまったりアバウトな所もあるそうなので「お話」をきちんと楽しみたい方はLDその他を買った方が正解かもしれません…ゲフッ!(まあ、オペラというのは「歌」を楽しむものだから…。)

恋物語⑥~⑩

2009.11.05
 ドラマチックラブストーリーに1番必要なのは「禁じられた関係」である、というさいとう先生の考えから愛人(?)もの、(義理の間とはいえ)姉弟恋愛もの、近親相姦もの、とアブノーマル話ばかりが集まっている話です…ゲフッ!先生曰く「よく考えると怪しい作品なんだけど爽やかに読めるのが理想」だそうですが「怪しい作品」で爽やかさを表現するのは無理があるだろ!ともツッコミを入れてしまいました。だからこの人の作品には怪しい話が多いのか、と力強く納得もしたものです…。

 暁の姫君…姫宮「人間は生まれ変わる。でも生まれ変わっても前世と同じ不幸の道は歩かない。それが生まれ変わる意味。」

だから違う人に出会って違う人と恋をしたりする。生まれ変わったら「違う人間」だから…この持論、なかなか好きです。かの「セーラームーン」でも「火の鳥」でも「海のオーロラ」でも輪廻転生恋物語が描かれていましたが、どれも「前世で上手くいかなかった恋愛の焼き直し」でその為だけに巻き込まれる周りの人間が哀れ(「前世からの自分の運命の人が決まっている」のなら、主人公達に恋をする周りの人の気持ちは偽物だというのか?)で共感できなかったので、時には違う人間にスポットが当たったち違う結末を迎えることもあるという、さいとう先生ならではの解釈には好感が持てました。相手役の壬生先生に到っては姫宮に出会馬で自分の復讐で手一杯で前世の事など、すっかりさっぱり忘れていた有り様(鬼の腕に願掛けてまで生まれ変わったというのに…ゲフッ!)で色恋よりも大切な物がこの世には沢山あるよなとさらに好感度は高まったものでした。(オイ!)

 永遠の好き…沙羅「今の瞬間の好きだけが永遠だから。」

だから明日には彼が他の人を好きになっていたとしても今が全てだからかまわない(かまうだろ。)とすっかり恋に溺れている沙羅さん。(免疫が無い女性はこれだから…。)「ずっと持っている意志で人を好きになる。」という持論は一季の誘導尋問(「人間の気持ちは瞬間の中にしか無いよ。」に完全に取って代わられたようです…ゲフッ!最初はエーコちゃんが味わった振られる気持ちを味あわせるという復讐目当てだったのに所詮、女の友情は儚いのでした…ゴフッ!ともあれ完全に一季の言いなりになっている現状(そして「従順な子は嫌いで頭が良く手引っ張り回す位の女が好き」という彼の好み)を考えると沙羅も彼とは長続きしなそうで、その後が不安な恋愛と言えます。1晩限りの遊びもする性格(実例・エーコちゃん)のようで、そもそも潔癖な沙羅とは性格的にも合わないような気がしてしまいました。そんな訳で今の瞬間は振られなくても恋が冷めるのも早そうな気がしてしまった恋愛譚でした…ガフッ!

 ミューズ…クレール「ALISAはミューズだ。私のインスピレーションを導きあふれさせる新しい芸術の女神なのだ。」

私達が日々使っている薬用石鹸(ミューズ)にはそんな意味(芸術の女神。ムウサとも言う。)があったのかと感心したものでしたが「センセにとってのあたしは何?」と聞いて「石鹸だよ。」と言われた日には、それだけ!?と日本人ならではの感性で傷つくでしょうね…ゲフッ!という冗談は置いといて、正確にはありさは着飾られるだけの存在(価値があるのは「外見」だけ。)で夫となるクレール本人さえ自分の中身はどうでもよく思っている、結婚まで清らかな関係というスタイルも「先生の理想像」であって「現実のありさ」の気持ちなんてお構いなし…という現実がジュールとの恋を通して見えてしまったんでしょうね。(その点、ジュールは「アンタがどれだけ世間でもてはやされてようが、綺麗だろうが、モデルだろうが関係ない!」と外面を全く見ていなかった男でしたから…。)「自分の意志で何かする」事が愛情の冷めた相手との結婚式に出ることだとは皮肉な結論でしたが、その後に先生が出したどんでん返しが最高でした。(あんな異質なドレス&演出でモデルに全く勘付かれなかったのが凄い…ゴフッ!)大人の対応ならではの爽やかなハッピーエンドで読後感が良かった話です。

 真夜中のシンデレラボーイ…直木賞じゃなくて尚木賞なのね、と微妙な違いに吹いた話でした。本のカバーに顔写真がついていたから正体が分かりましたがネットも普及していなかったこの時代、ヒロインがたまたま本屋でバイトしていなかったら泉君の正体は分からずじまいで一人寂しく病気を悪化させて死んでいた(心臓病のくせにセックスという激しい運動をするわ、真夜中に病院を抜け出すという自殺行為を繰り返すわ彼は病人という自覚があるんでしょうか?)事を思うとタイミング良く会えて良かったと安心しました。親からの仕送りも止められたヒロインでしたが泉君(お金持ちのシンデレラボーイ)との婚約で玉の輿に乗れる訳で、後は手術が成功することを祈るばかりです。これで手術が失敗したらまさしく悲恋だなあ(どうして心臓病患者の話ってこれから手術という時に話が終了してしまうんだろう…?)とその後を気にしつつハッピーエンドを信じて終わる事に致します。

 とじられた夜…奈緒「あたしは…別人なの。佐久間彩羽じゃない…!」

せめて誘拐する相手の顔くらい事前にチェックしておきましょうよ、相沢さん…と、どこまでもマヌケな犯人の手口にげんなりしながらツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!という訳で式の当日にウエディングドレスを盗まれた花嫁さんでしたがお色直し用に他のドレスもある事ですし社長令嬢という金のある立場なら急遽白いドレスを用立てることさえ可能かもしれませんし、奈緒さんの言う通り悪質なビラが撒かれようがドレスが無かろうが堂々と式を挙げていた事でしょうね。(捨てられたせいで危うく犯罪行為に手を染める所まで苦しんでいた2人の立場って…ゴフッ!)話しているうちにあんな最低人間達の為に懲罰歴を飾ることは無いと現実が見えて来たようで2人共吹っ切れていましたが結局あの最低人間達には何のお咎めもなく2人に償う事さえしないのか(ここまで良心をかなぐり捨てられる辺りは凄いと評価すべきかもしれないが)とちょっと納得いかなかったものです。悪人同士で式を挙げた2人とお人好しで泣き寝入りする2人と、それぞれお似合いだなあと思ってしまった話でした…ガフッ!

 死が2人を別つまで…晃介「いいかげんな気持ちじゃない!オレは会った時から…!」
ひなこ「いや、あなたに会ったのはたった4日前だし!」

真剣な気持ちで襲いかかった(それも嫌な話だ。)と言われても男性不信のひなこは嫌悪感を募らすだけでしょうね。妻が浮気をしない為に部下も不細工なのを選び(妻がブスフェチだったらどうするんだ?)行動も束縛する(割には4回も家出に成功している成功率の高さは何だろう?)という夫のディープな愛し方(挙句に夜の営みは窒息プレイや緊迫プレイなどのSMばっかり。)にお嬢様育ちの箱入り娘であるひなこには耐えられなかったでしょうが(そもそも箱入り娘が身一つで豪邸から逃げだすだけでもすごい決心である。)この夫は、読者からは「そこまで執着するほど愛されればいっそ女として本望!」と人気は高かったそうです…ゲフッ!(世の中にはそれが趣味の夫婦もいるそうですし…ゴフッ!)最後は見合いよりも前におじいちゃまの見舞いの品(スクールリング)を買った時に晃介とひなこは既に出会っていて記念のリングに結び合わせられるように上手く行った2人でしたがスクールリングは見舞品じゃなかったのか!?(何故、渡さずに着服してるんだ、お前は!?)と過去に疑問も感じてしまった、そんなバイオレンスなSM話でした…ガフッ!

 月下香小夜曲…湖都「子供が欲しい。そうすればまた生きていける。」

将臣さんがいなくなったら何を身代りに埋めたらいいの?という自己質問の答えがコレでした。愛の証として面影を受け継いだ子供が欲しいというのは分かりますが、まるで「子供がいればあなたがいなくなっても平気。」とも言っているようで将臣さん本人が好きな私としてはあまり嬉しくはない回答でした…ゲフッ!この時は本編の話を全く知らずにあらすじだけを読んで話に入ったのですが将臣さんの前でも平然と前夫・サジットの話をし写真を眺める湖都になんて無神経な女だ(しかも手紙では「酷すぎます。」「嫌いです。」と悪口のオンパレード。こんなの読んだら病気が悪化するだろう。)と愕然として一気に嫌いになったヒロインでした。白血病の末期だったにも関わらず子供を作れた辺り将臣さんのすさまじい体力が伺えます(さすが軍人です。)が早産中の湖都に遭う為に雪の中を馬で駆けて来たのはさすがに命に関わったらしく血を吐いてお亡くなりになってしまいました。(しかし白血病で何故、喀血を…?)つまり将臣さんが死んだのは湖都のせいじゃないか!と読み返してあらためて湖都が嫌いになってしまった、そんな短編でした…。(将臣さんが幸せに…なれたようには今でもどうしても思えません…ゴフッ!)

 時計じかけの愛人(アマン)…母「氷室興産が倒産したんだよ。この不況に事業を広げ過ぎてね。借金3億円だって。」

だからこそ毎日ハラハラして退屈しない男だ、と彼の腕に飛び込んだ満ちるでしたが借金3億円の状態では妻になったが最後、暴力金融屋から風俗まがいの方法を取ってでも金を返せと脅される日々も決して夢ではなくなり父親も最初から反対していた縁談(つまりお父さんの方は始めからこの男が嫌いだったんですね。政略結婚撲滅の為に会社まで見事持ち直させたんだから凄いもんだ。)だった事から親から絶縁されることも十二分に考えられる状況で、正直これからが大変だろうなと切に感じてしまいました。取りあえず親が真の意味で号泣するのはこの後の話でしょうね…ゲフッ!

 ブルー…羽子「三貴くんが好き…!この1年、ずっとそうだった…!」
三貴「オレも…そうだった。自信なかったんだ。」
陸貴「俺という婚約者の目の前で2人の間を見せびらかしてそんなに面白いかよ。最低の人間だ、お前らって。」

プロポーズは冗談半分にしたもので自分と触れ合おうともしなかった理由も納得できたからいい(俺の事は気にするな。)みたいなことを言っていましたが、同棲(半ば婚約)までして「この人との結婚に関して父親に文句は言わせない!」とまで決意は固めていた辺り羽子への好意は本物だった事が伺え、心中複雑になりました。(弟と違って引き際が潔過ぎです、兄さん…。)弟の心は青い(ブルーの)空のように澄み渡っていましたが兄さんの心はきっとブルー(憂鬱)だろうなあと平気な振りをする兄さんに同情してしまいました…。(弟に婚約者寝取られるなんて男としてみじめ過ぎます…ゲフッ!)

 秘めごとの夏…流夏「千尋兄さんは19で千秋兄さんは15、あたしは12歳だった。」

…12歳で!?と読み返して改めて初体験時のヒロインの年齢の低さに度肝を抜かれたものでした。(これは完全に児童に対する性的虐待であると共にその御年の彼女を襲った兄貴2人がクズだと思ってしまいました…ゲフッ!)この話はチェーザレ・ボルジアとその妹のルクレツィアの関係(美しい妹を愛した兄2人が対立して一方を殺してしまった。)を下敷きにしているそうで、だから兄貴はイタリアかぶれしてるのか(ボルジア家の舞台はイタリア。)と納得した物ですが、それにしたって葬式にサングラス&イタリアンカラーの原色の背広&薔薇の花束献花は無いだろと顔を覆って逃げ出す流夏の気持ちが分かる気がしたものです。最後はクラスの同級生に近親相姦をカミングアウトしてしまった為に国外逃亡する羽目(「イタリアに行こう、一緒に。」)になっていましたが、この先どうするんでしょうね…。(取りあえず高校は中退か…ゴフッ!)

 チェーザレ・ボルジア…ルクレツィア「私の2人目の夫もホアン兄さんもやっぱりお兄様が殺したのね!?」
チェーザレ「直で殺したのは俺ではない。部下に命令しただけだもん。」
ルクレツィア「…それだけ!?実の弟と妹の夫を殺しておいて言い訳はそれだけ!?」

刺殺されテヴェレ川に投げ込まれたホアン兄さんの死体から財布は取られていなかった(犯人の目的は強盗ではなかった)事から弟の軍人の地位(教会軍の司令官)を狙っていた兄・チェーザレが犯人ではないか(事実その1年後にチェーザレは弟の地位に取って代わっている。)と当時からまことしやかに囁かれていたそうです。3度も結婚したルクレツィアでしたが1度目の離婚(「死が2人を別つまで」離婚は認められないカトリック信仰に基づいた結婚でも肉体関係が無い「白い結婚」ならば離婚は出来た。)の後に作った愛人ベロッデ・カルデスも殺された(そして2番目の夫も役に立たないので殺された)事から「ルクレツィアの夫や愛人になってしまったが最後、チェーザレに遠からず殺される。」という噂まで流れたそうです。ルクレツィアの最大の不幸は兄を愛してしまった事ではなくこんな人非人の妹として生まれてしまったことと言えるでしょうね…ゲフッ!

 影~オンブル~…瞳「あたしだってショックでした。自分の知らない所であたしが勝手なセックスを…!」
若社長「確かに…君にとっては悪夢だな。」

つけてしまったが最後、自分でも知らないうちに好きな相手の所に出かけてセックスしていたなんて一体どんな催淫効果のある口紅だったのでしょうか?(しかもそれが初体験だったなんて酷すぎます。)ラストでは壁いっぱいのポスターにして宣伝していましたがこんな危険な口紅、危な過ぎて売れたもんじゃないと思うのですが…ゲフッ!社長にしたってオンブル(美女)探しに戸惑うまでもなく普通は同じ顔、同じ声の人間が目の前にいるんだからサッサと気づくはずではないのかとヌードにするまで分からない(それにしたって会社内で脱がすなよ…。)鈍感ぶりにツッコミを入れてしまったものです。宣伝には成功していますが化粧品としての品質の高さ以前に根本的な問題(夢遊病効果&催淫効果)があるので売れた所でリコールを食らうでしょうね…ゴフッ!

 北の国の野ばら…野ばら「あのっロビーの彫刻の弟切さんて…どこでしょう?うち?」

そう聞かれただけで知り合いでも何でもない人間(野ばら)にあっさり住所を教えた受付の人ならびに案内したタクシーの運転手(「東京から時々お客さんを連れてくるから場所は知っているのよ。」=よくやっている事のようです。)に個人保護法違反だろ!とツッコミを入れてしまいました。会って一ヶ月で結婚してしまう(よく式場が見つかったな。)しかも会った回数は結婚式を入れて経った3回というスピーディーぶりに父親の方は「俺の両親の時代はこんなもんだった。」とツッコミも入れずにスルーしていますが(いや、突っ込めよ!今はその頃より3代も時代が進んでいるでしょうが!)母親の不安通り家出騒ぎが起きてしまっていました。最終的には誤解も解けてラブラブになった2人でしたが、それはともかくお金とか色々入ったトランクを早く取りに行った方が良いだろうともツッコミを入れてしまわざるをえないバカップルにもなってしまっていました…ゲフッ!

 余談…9巻に出てくる「ルクレツィアの壺」(彼女が壺の中に隠れて兄達とかくれんぼで遊んだ。)について、ルクレツィアは修道院で少女時代を過ごしており(で、その後13歳で結婚した。)兄2人と子供時代を過ごしてはいない(一緒に子供の遊びを楽しんだりしていない)はずなので、取りあえず由来ともどもあの壺は偽物と言えそうです…。(骨董趣味のお父さんは騙されちゃったんですね…ゲフッ!)

恋物語①~⑤

2009.11.04
 「少女革命ウテナ」(アニメ版)を見て初めてさいとう先生を知り漫画版の内容の薄さにガッカリしながらもツッコミ所の多すぎる作風(とにもかくにもこの人の話って男がよく脱ぐんです…ゲフッ!)に衝撃を受け、堂々とホモを描いている潔さ(男同士キスしてるシーンや心中未遂(by花音)まで描かれていて、「怪しげな二人」という範疇で終わらないんですか!?と爆笑しながら読んでました。)も気に入って妹と共に色々読んでしまったものでした。という訳で手を出してしまった短編集です。

 薔薇の実を食べた?…作中描かれているハマナスの実(薔薇の実)はバラ科バラ属の落葉低木(海岸の砂地に生え果実が梨に似た形からハマナシと呼ばれていたのが訛った。現在は園芸用に品種改良された物がほとんどで野生に自生しているものは少なく、探しに行った2人が見つけられなかったのは当然の結果と言える。)であり果実は名前の通りローズヒップとして食用にされる(生の実は弱い甘みと酸味がありヒロインの言うとおり「酸っぱい」らしい。)のですが芳香は乏しく主人公達が感動するほど匂うはずはないと思うのですが…忍兄さんはどんだけ鼻をヒクつかせていたんでしょうね…ゲフッ!話としては一生懸命、問題の無い近親相姦物を描こうとしたことが伺える話ですが血の繋がり的に問題はなくても戸籍上で立派に兄妹として登録されてしまっては、ばあちゃんが言うように「結婚」はできない間柄ではあるんですよね…。後妻として入った後に生まれた仮名子が実は他の愛人の娘だったというのは同じ家で暮らしておきながら何も疑問に思わなかったのか!?(元々がデブ過ぎて分からなかったとか?)と長男のニブチンぶりにビックリした物ですが何にせよ花嫁略奪は結婚式当日じゃなくてもっと前にやってくれと周りの人達を代表してツッコミを入れてしまいました。(親の勝手のツケが全部ここに…。)取りあえずおばあちゃんが死んでくれた事で結婚式は中止(喪中に式は挙げれないでしょう、良識があれば。)でしょうが、会社同士の政略が絡んでいる結婚だっただけにこれから収集をつけるのは大変だろうなあと感じてしまった話でした…ゴフッ!

 隣のケンタウロス…人格入れ換わり話はありふれているものの人⇔犬と入れ替わっている辺りが新鮮で面白かった話でした。(犬や馬って鎖骨が無いせいでラストシーンみたいに腕を広げて鉄骨を掴むとか木登り系のことができないはずなのですが…。)ケンタウロスとは上半身が人で下半身が馬の半獣人の事です。つまり相手役の男は馬並に節操がないという事だったのか手当たり次第に人妻やタレントに手を出していたダメ男でした。(そんな男の毒牙にかからないで下さい、和華子さん。)ともあれタレントの方は元に戻ったことですし仕事はこれでちゃんとこなせる事でしょうね…ゲフッ!犬の口で何故あれだけ饒舌に喋ることができるのかという構造上の不思議には目を瞑っておくことに致しましょう…ゴフッ!

 チェックイン!…「タクシー代なんて手持ちが足らなくても家の前に乗りつけりゃ払えるじゃない。」

手持ちがなくても家の中の金庫には金がある…という話です。こんな見え透いた手に引っ掛からないように女性読者の皆さんは気をつけましょうという教訓話でした…ゲフッ!(百々子さんも忠告を受けた時点でタクシー乗り場にUターンすればいいのにね…。)ラブホテルにチェックインした後、男に風呂場に逃げられるも「ライトが止まらなくなっちゃったの~。」と見え透いた手でベッドに呼び戻し相手が風邪で倒れようが「あたしはどこに寝たらいいんですか?」と同じ布団にもぐりこむ(安静にしろよ!)彼女の攻めっぷりにむしろ騙しているのは女の側のような気がした話です。部下が言うとおり川原さんがどうもできるわけがなくとも百々子の方は違ったという話でした…ゴフッ!(翌朝もこれ見よがしに同時出勤&マスクのペアルックで早速見せつけてるしね…ガフッ!)

 魔性の夏…詩織「確かに…雪高君は優しかった。でも…。」

でも泥のついた発掘品まみれの部屋で、部屋のどこかに銀色の回虫が潜んでいるというシチュエーションじゃロマンチックなムードも何も無いよな…(時と場所は考えようよ、雪高くん…。)と彼女の不満に納得してしまいました…ゲフッ!「自分に邪な心を持った人間が分かる回虫」の効果で皆が化け物に見えてしまっていましたが、それはつまりイケメンの雪高君をゲットした事で女友達の皆さんも「あなたのどこがいいのか知らないけど。」と内心は邪心満々だった(実は周り中から嫌われていた。)という訳で別の意味で切なく感じてしまったものでした。来年留年確実のダメ男に乗り換えたおかげで事無きを得ましたが、元恋人も友人も失ってしまった彼女に同情はつきませんでした…ゴフッ!(うぶな娘があんなもん見ちゃその後普通に付き合い続けるって無理ですよね…。)

 今宵限りのイエスタディ…「この子の名前、青慈って言うの。ブルーを愛するって意味よ。」

唯一の肉親である父親の容体が悪い時に出会ったその日の女性とセックスして、もちろん避妊なんかしない辺りはさすが女好きのイタリア人だとブルーの最低ぶりに幻滅したものでした。(今わの際に行方くらましてないで父親の側について看取るべきだったでしょ、お前は。)一応世界で一番難しいと言われる日本語(漢字、ひらがな、カタカナと文字が3種類あり同音異義語も多い。)を勉強し4年後に忘れずに迎えに来た辺り彼の思いは本物だったようですが(あれだけの財力があれば、もっと早くに見つけられなかったものだろうか?)4年も放置していたら、どんな出来た女でも意固地になるのが普通でハッピーエンドまではかなり紆余曲折かかってしまった2人です。最終的には仲直りしたものの公演直前にラブシーンしている場合ではないだろとツッコミを入れざるを得ず、未成年(青慈)誘拐未遂(「この子は返してやんない。」以前に保護者(持ち主)は母親の方です。)も含めてブルーの勝手気ままな生き様に執事の苦労が偲ばれたものでした。最も勝手気ままでわがままな人間だからこそ貴族でも何でもない外国人(日本人)の女を妻にしたり、ハーフの子を伯爵家の跡取りにしたり身勝手を通せたのでしょうが…ゲフッ!

 綺羅星わたる…悠生「俺は綺羅星(妹)を嫁さんにするから!」
乙女「お母さーん!悠生が狂ったー!」

綺羅星って凄い名前だなあ(叔母姉妹の「乙女」と「姫子」という名前にも吹いたけど。)ビックリしたものでした。結局主人公と「妹」の綺羅星は血のつながりが無く近親相姦的に問題いは無い間柄だという事が判明しましたが、それ以前に綺羅星の方が恋愛云々を自覚していない子供(なのに悠生が1人で燃え上がっている。)ように見え、彼女が本当に「大人」になった時に、既に結婚して家に縛り付けられているのが苦痛になりやしないか(そもそも家族(兄)の意識で接してきた悠生を男として見れるのか?)色々先行き不安に思えました。彼女に言わせると嫁さんになる事も「よく分からない」そうで、これで夫婦になれるのか今、既に心配です…。(結婚したらキスやB止まりで済まないんですけど…。)

 十七の花冠…糸子「どうしてあの頃に帰って来てくれなかったの?夢中で愛し合ったあの花のような時代に…!」
(訳:何年も経った今更になって恋人面してんじゃないわよ!)

糸子さんと高以来さんは「ヨリが戻った」のか「セフレになった」のか微妙な所ですが木の枝でぶっ叩いて喧嘩したり↑のセリフを言っている辺り多分、後者なんでしょうね、糸子さんの中では…ゲフッ!ともあれ27歳の甘さの欠片も無くなった手強い女性(糸子さん)にわざわざ手を出しているのに自分は女(口説く対象)としてすら見てくれていないという状況だけは悟った様子で、主人公は負けを認めてとっとと帰る事にしたようです。分相応の彼氏もいることですし、甘酸っぱい17歳の思い出としてサッサと忘れてしまいましょうよ、七夜子さん。

 唇に刃…「カピタンさんよ、女いらんか?あー…シャボン、ビードロ、スベタ?」

船長(キャプテン→カピタン)はともかく、シャボン(ソープ。転じて本番OKの店という隠語でもある。)ビードロ(vidro。ポルトガル語でガラス(製品)の古称。ガラスばりの部屋でもあるのだろうか?)スベタ(顔の醜い女。または節操のない女。)と片言ながら堂々と売春を斡旋している日本人の存在に時代が今と違う事をひしひしと感じたものでした…。馬之助先生(動物の名前に助平の助なんて酷い名前だ。自分の息子と同じ年頃の娘を嫁に貰おうとする辺り助平というのはあっているのかもしれないが…。)といい、あずき(豆の名前ですか!)といい微妙な名前のセンスはともかく取りあえずハッピーエンドで終わったので良しとしましょう。「唇に刃」というタイトルでしたが突き付けられたのは刃ではなくて木刀(木)ですし2人はキスもしていない(薬を飲ませる為にしたのは「医療行為」なので。)ともツッコミを入れてしまった、そんな話でした…。

 黄金のモザイク…瑠奈「主役のヴィオレッタにあれは無いんじゃないの?胸の病でやせ細って最後には死ぬ役なのに。」

現実に「椿姫」初公演はそれ(デブ)が原因で大失敗に終わったというのに…ゲフッ!(他にも色々原因はありましたが。)代役をムッチリ系欧米外人から体格の貧弱なやせ型日本人女性(瑠奈)に任せたのは確かに正解だったろう(まだ説得力が湧くだろう、体型的に。)と私も納得してしまいました。それにしてもレベッキーニ家の額の三日月の痣→月(ルナ)と関連させてヒロインの名前を取ったのでしょうが瑠奈(ルナ)って凄い名前だなあ、と読んだ当時はビックリしたものです。(今ではもっと凄い名前がありふれているので、これはかなりマシな部類に入りますが。)父親と同じく日本人女性(瑠奈)とヴェネチアの別荘(ヴィラ)で運命の一夜を過ごした青慈・レベッキーニ。(きっと彼らにとってこの別荘は連れ込みホテルと同じなのでしょう。)最後は青慈の演出を採用(クビも取り消し?)瑠奈はマエストロとお別れし成功の道を歩み始めた(実績も無いのにこの後、嫌がらせを受けないか心配。)という夢のような展開で終わっていましたが現実はここまで甘くないのでオペラ歌手を目指している人はあまり信じないで読んだ方が良いと一応書いておきます。

 薄薔薇色にふりつもる…鹿鳴「薄薔薇色で綺麗だったな、銀子の裸。」

今度は銀子って名前か…と度肝を抜かれたものでした。(凄い名前だな。)タイトルの「薄薔薇色」の由来(裸のたとえですか!)といい「棒振ったり球投げたり」→下ネタ連想の発想といい真面目なんだかギャグ色なんだか微妙な話だな、と楽しんでしまいました。(楽しむな!)でもこういういかがわしいお店ってお客さんも色々(酔っ払いも多いでしょうし、絡まれる事もあるだろう。)で大変ではあるんでしょうね。ストリッパー=男好きで何でもしてくれる安い女というレッテルを張られたり悪いイメージを決めつけられる事も多いことは伺え、そこまで自棄になっていたのか、銀子さん(7年も経ったら立場重視で自分を振った男の事なんて忘れときましょうよ。)と改めて彼女の傷の深さを実感したものでした。最終的にはとらばーゆ(転職)して八百屋と花屋を合体して暮らしていくことが決まっていましたがスーパーが普及していくこれからの時代にその店構えでは成功しないだろうなあと将来に不安を感じてしまう2人でした…ゲフッ!

 キューピットの卵…上杉丈史「子供は案外…俺に似ちゃったりして…。」

それは、無いよ…(他の男の子供なんだしさ…。)と常識を下地に涙をこらえながらツッコミを入れてしまったものです。女実業家のキャサリン・梅とデキテいた挙句に出来ちゃった婚で社長令嬢と逆玉に乗ったことで会社内では「下半身で仕事している男」と目の敵にされており、婿養子として継ぐことになっていた会社は乗っ取られかけるわ、会長(義理パパ)は倒れるわ、妻(貴和子)には離婚届を置いて失踪されるわ(その上、過労じゃ誰だって限界を迎えるだろう。)腹の痛みは間違いなくストレス性胃炎だろうと実感してしまいました。男つわりが本当に実在するかはさておいて(どんなエスパー夫婦ですか?)腹痛は本物なんですから「痛え…。」なんてこらえていないで、きちんと医者に診て貰って下さいと切に思ってしまいました…ゲフッ!

 キューピッドの降りた夜…上杉丈史「初めて会った時から愛してた…。(「会った」のは数時間前ですが。)」

貴和子の腹の子の父親は誰なのか!?という彼女の過去を追及した話ですが中国マフィアのドンであるリュウ・ウォングと、彼のそっくりさんの丈史とも同時期に寝ており母親本人さえどっちの子供か分かっていない有り様という風呂敷が広げられており、疑惑は余計に深まるばかりでした…ゲフッ!(候補に入っている事は分かりましたが結局どっちの子供なんですか!?)恋人(リュウ)と他人(丈史)を見分けられずに誘い受けでベッドを共にする貴和子や、写真で見て顔を知っているはずなのに目の前にいる社長令嬢(しかも中国マフィアの愛人になっている。)に気づかずにスルーしてしまっている丈史にお前ら、顔位よく見なさいよ!と思わずツッコミを入れてしまったものです。彼女が結婚相手に丈史を選んだのは「万が一子供が父親に似てもリュウによく似たこの男ならごまかせるだろう。」という打算もあったんでしょうね。家族の為にも丈史の子供であってほしい所なんですが…どうなんでしょうね?

 シャングリラの庭で…桃源郷とも言える「豊かな国」が今までよく侵略されずに済んだな、と感心したものですが、よく見ると洗濯機などの電化製品が一切無い原始的な国であり、石油などの地下資源も無い様子に、侵略した所で日本より不便な生活しか送れない国の現実が見えました。(豊かなのは自然だけでした。)「日本は戦争の後たった半世紀であんなに文化的な国になったのに…!」(同じように資源の無い国でウチはどうしてこうなんだ!?)と王様がしゃにむに頑張っている理由が分かります。そんな王様に惹かれてスターの座を蹴ってまで、このバゴダ国に残る決意をした美欧(凄い名前だ。)ですが慣習を無視して王様の嫁さんになれるかは未知数ですし(芸能人、仕事を辞めたら、ただの人…ってね。)いい加減に長老や王族・貴族達が黙っていないでしょうし燃え上がっている2人には悪いですが先行きに不安を感じてしまいました…ゲフッ!

 いっしょに朝ごはん…ほのぼのとしたタイトルとは裏腹に妹の事故死や姉の駆け落ち、母親の自殺未遂など壮絶な家庭ドラマが拝める暗い話です。最後は「嘘で気持ちを塗り固めて表向きだけ平穏な生活をしても本当に幸せにはなれない。」(あなた達は本当にそれで平気なんですか?)というヒロインの綺麗事を鵜呑みにして自分の思うように行動した姉弟ですが、おかげで父親の会社は倒産確実ですし、これからの生活が大変だろうなあ、と同情してしまいました…。他人の立場から好き勝手に理想論を言うのは簡単でしょうけど当事者たちにとってはそんな単純な問題じゃない(好きに行動するのと、それで生活していけるのかは別問題な訳で…。)と思うのですが…ゲフッ!

シャ・ノワールのしっぽ

2009.11.03
 「シャ・ノワール」というのはフランス語で「黒い猫」という意味だそうで、そのタイトル通りこの話には猫が多く出てきます。が、何分さいとう先生が自分で飼っている体格のいい猫(猫の癖に体重が10キロ以上あるように見えます。ちなみに種類にもよりますが普通の猫の体重は2.5~7.5kgだそうです…ゲフッ!)がモデルなだけに犬かと見まごう程の立派な猫?(疑問形)になっていました。ボス猫のシャールだけでなく下僕達まで巨体猫な辺り猫のくせに相当いいものを食べている様子です…ゴフッ!(さすがフランス料理店の飼い猫です…ガフッ!)

 シャ・ノワールのしっぽ…撫子「右京さん、ありがとう…あたし達もやっと安心して暮らせます。」
右京「撫子さん…。3姉妹の中であなたが1番、僕が狙っていたお母様に似ています。」
撫子「やめてよ、気持ち悪い!」

作中では「自分の憧れの女性に1番似ている」(1番、自分好みのタイプだ。)と解釈して頬を染めていた撫子さんでしたが母親を手にできないのならその面影を残した娘と…という右京の執念(もはや恋心と呼ぶにはディープ過ぎる。)には恐ろしさを感じてお前は豊臣秀吉か!(憧れの女性・お市様に振られたので長女の茶々を側室に迎えた男。)とドン引きしながらツッコミを入れてしまいました。母親の恋人だったという噂も「事件解決の為の話し合いでいわゆるデートではなかった。」と都合良く判断して気にしていませんが少なくとも男の方は下心バリバリだった(彼の事件解決への熱情は明らかに「仕事」を超えている=十分問題あり。)というのに、それでいいんでしょうか、撫子さん…ゲフッ!次女の方も不倫の果ての新しい恋だし、色々濃過ぎる話だなあとしみじみ思ってしまいました…ゴフッ!

 三日月のブレス…父「家出同然で4年も音沙汰なし。医者にもならず登山だのスキーだの遊び呆けて…!」

挙句に3日後に結婚式を挙げるはずだった弟の婚約者を寝取ってしまったら今度こそ確実に勘当でしょうね…ゲフッ!弟(翼)は真実美月を愛していたものの嫉妬心から「美月×兄の仲直りの機会を握り潰していた」(挙句に別れたショックで美月は流産してしまった。)罪悪感で「自分が美月と結婚することで『罪』をチャラにできる。」という気持ちもあったと告白してましたが、それにしたって家族にも何も告げずに行方をくらましてしまった兄に1番問題があった(実は仲直りの機会を最も潰していたのはこいつ本人。逃げ出してどうするんだ、兄よ。)でしょうに、全部自分のせいだと思い込んでいた辺りこの子は天使だなあと改めて実感してしまいました。ヨリが戻った2人に対して「きっと、これで良かったんだよ。」と言っていますが結婚式の2日前になってこんな事態になったことをこれから親戚達にどう説明するのか疑問は尽きず本当にこれで良かったのか!?とツッコミを入れてしまいました。仲直りするのならこんなギリギリではなくもっと早くして下さいと切実に思ってしまった、そんな話でした…ゴフッ!

 ジェミニ…真心「信じられないかもしれないけど…オレあなたのこと好きだよ、恵麻。」
恵麻「目の前で姉とキスしてた直後に…どう信じろと?」

ジェミニとはローマ神話でいう双子座のことです。(Gemini。カストルとポルックスの双子の兄弟を指す。)が、話の中に出てくる双子は女性で男の方も「双子だったはずが一人になって生まれてきた」(…何があったん?)と双子じゃありませんでした。「真心はあたしのもの。恵麻もあたしのもの。皆あたしのもの。」という萌お姉さんの思考には、こんな姉貴がいたら大変だろうなあ~と(男を振る役目を押し付けられて利用されている普段の生活と合わせて)思わず同情してしまったものです。最後はワガママ言う人間がもう一人増えてしまい連綿と続いていく恵麻の受難に、なんだかもう溜め息しか出ませんでした…ゲフッ!

5時から9時まで②③

2009.11.02
 Catch me if you can(もしもあなたに出来るなら私を捕まえて→「捕まえてごらんなさーい!」) TOXIC AFFAIR (毒性の出来事、情事→転じて毛利さんの事→「可愛いだけじゃダメかしら」)MALADY OF LOVE(恋による慢性の病→「恋の病」)という英語タイトルに唸らせて貰った巻でした。(思えばこういう意訳が苦手で私は英語が嫌いになったんだよなあ…。)ホットギミックからスピンオフ参加で成田凌兄さんが星川さんの寺の弟子という形で登場したり、百絵先生の部屋のポスターにハニーハントの遥が描かれていたり他作品のキャラクターも多々登場するファンには発見が面白い内容でもありました。

 桜庭潤子…「ただのセフレだったら最高の相手だったかも。」

それはモモエ先生が言うように「大人っぽい」のではなくて「男にだらしなくてふしだら」と言うんだよ(うらやましがるどころか同じ女として軽蔑すべき1面だと思いますが…。)と語りかけてしまいました。「体の相性は最高だけれど結婚相手としては受け付けられない相手」(じゃあヤルな!)という悩みも「資産家でイタリアのフェラーリで送り迎えしてくれる男」に対して贅沢な悩みだとしか思えず(アパート暮らしの貧乏フリーターなら「そんな生活(収入)能力ゼロに近い男は確かに結婚対象にはなれないよね」とまだ理解ができますが…。)姉妹揃って現実を見ろ(自分という物を分かってないだろ、アンタ達!)とツッコミを入れてしまったものでした。祖母への借金がかさんでいるのも元を正せばローン組んででも高額な靴や服を買ってしまう貯金ができないこの人の性格に根差したものだし(「衝動買いで5万以上の靴はちょっとあり得ないですよね。」by毛利)自分に合わせて資産家(星川さん)と結婚すべきでは?と思ってしまったヒロインでした…ゲフッ!

 三嶋…ゼクシイ毛利「手を伸ばせば届いたかもしれないのに怖くて手も伸ばそうとできなかったんだろうか、この人は。…なんて馬鹿な二人なの。」

桜庭に彼氏がいても飲み友達でいられる(仕事に生きる彼女はそもそも結婚を前提とした恋愛に向いておらず従って彼氏ができても「一時的な恋人」以上にはなりえない)事実に安心しきって9年も友達をやってきてしまった訳ですが今回本当に結婚してしまいそうな婚約者、しかも自分から見ても好条件な彼氏の登場(「専業主婦に適した条件の男でお前には合っていない」とは言えても彼本人を悪く言えないほど非の打ち所がない男ではあった。ストーカー癖、監禁癖を知ればそうも言ってられなくなるでしょうが…ゲフッ!)に初めて焦りを感じてやっと手を伸ばした…のでしょうがこんな時にアプローチかけられても余計にゴタゴタする関係に潤子先生は大変でしょうね。(何故星川さんが出てくる前、もっと早くにアタックせずに彼氏になるチャンスを逃してきたんだよ、お前は…。)恋愛はタイミング命だから「時すでに遅し」という状況もあるよとツッコミも入れてしまったものでした…ゴフッ!(こんな時にアタックされても「今更」困るよねえ…ガフッ!)

 アーサー先生…百絵「女が皆してあなたみたいな外人の言う事に何でも言いなりで虜になると思ったら大間違いです。」
アーサー「正確には『金髪碧眼の白人』に、ですけど虜になりますよ。何もしなくても寄ってきてちやほやして、すぐにベッドに入りたがる。日本人女性は皆そうですよ。」

日本人は彫りの深くない平たい自分達の顔に劣等感を持っているからね…(中国人、韓国人はそんなコンプレックスなど感じていない人間が多いが、そういう訳で日本人女性は「外人(もしくはハーフ)の彫りの深い顔の彼氏」がいる事はステータスになると思っている人間が多い。)と今まで数多くの日本人女性につきまとわれたであろう彼(それもあって腹黒男子属性がついたんだろうな。)に同情したものでしたが、彫りの深い顔というのは年を取るとシワが凄くなる顔でもあるので、そんな苦労に困るのもあと6年くらい(30歳になるまで)の話ですよと慰めもいれたものでした。外見で判断する女達だからいくら金髪碧眼の白人でもシワが目立つオッサンになったら誰も声を掛けないでしょうしもう少しの辛抱ですよ、アーサー先生…ゲフッ!

 山渕百絵…百絵「凌辱モノで…グループレッスンのクラスの男子全員で…アーサー様総受で是非…。」
アーサー「寝言の意味は分からんが…何故だか凄い悪寒が…。」

↑のカバー裏の4コマに吹いてしまったものでした。趣味ばかりに生きているとはいえ飲み会にも参加しない、会話はすぐに終わらせる(で、家でボーイズラブの漫画やゲームをしている)ではそのうち友達も生徒も失くすよ(その趣味を否定はしない。がそんな事の為に「2の次にされている」人達は誰だって彼女を失礼な女だと思うだろう。)とツッコミを入れてしまったものでした。今だって生徒や職場の同僚からの人気が低くて非常勤講師という不安定な立場(要するに彼女のセールスポイントは「まだ20代の美人で帰国子女」という点だけ。それを失いつつある今、もっと危機感を持つべきだろう。)なのだから、もっと人と関わって人付き合いのスキルを上げないと理想的な職場まで無くすよと語りかけてしまったものでした。ご趣味の品物の数々(脅迫されるきっかけ)にしたってそんな物を「職場」に持ち込むのが常識外れで迂闊と言えますし全ては自業自得で同情は出来ないと感じてしまったり…ゲフッ!(翌日が休日なら何故、安全に買えるその1日を待てないんですか…?)

 桜庭寧々…由希「勘違いさせるようなことする蜂谷も蜂谷だけど、でも最初から止めたでしょ、あいつは辞めなって。それをノコノコおめかしして来ちゃうんだもん、呆れちゃうよ。」

他人(どころか身内の姉)に黙って自分に都合がいいように事を進めるわ(お姉ちゃん目当てなら連れてきたが最後「あたし」は用済みで笑顔で話して貰えなくなる→「お姉ちゃんは用があってこられませんでした」と…。)すぐに自惚れるわ(由希の事を「彼女」だと誤解しておきながら「彼女がいる」相手にポーっと出来るのも凄い。)機嫌が悪いと八つ当たりするわ(オカマとはいえ事あるごとに助けてくれた相手に対して超失礼。)どうも苦手な妹さんです。(姉の潤子先生は少なくともここまで独りよがりではなかったのに似てない姉妹だな。)由希に好感を持ったら持ったで「姉はもうお寺に住み込んでいる」(婚約者と同棲している)と(姉を早く諦めさせたくなって)わざわざ傷つけるようなことを言っているし控え目な性格の割には自分の事しか考えていないみじめったらしい嫌な娘だなと思ってしまいました…ゲフッ!(むしろ気を使ってあげている由希の方が可哀想な気が…ゴフッ!)

NANA⑫~⑱

2009.11.01
 映画では場所の許可が取れないままゲリラライブのシーンを撮り、急いで撤収したものの後で警察に怒られたそうです。(現実的に東京の1等地での許可は無理だよなあ…ゴフッ!)ナナ役の中島美香さん(言わずと知れた人気歌手)ハチ役の宮部葵さん(去年の大河ドラマの「篤姫」)シン役の松山ケンイチさん(映画「デスノート」のL探偵)幸子役のサエコ(ダルビッシュ選手とできちゃった婚をして世間を賑わせた女性。知りあって3カ月で既に妊娠3カ月という驚異的なスピードを誇った為、某週刊誌4コマでは「女優×セコ」とまで書かれていた。)とキャストも豪華(しかし2ではハチとシンはキャストが変わってるそうですが…その理由はあまり考えないようにしておきましょう。)で評判も良かったそうです。(でも私はまだ見てませんが…ゲフッ!)

 はっちゃん(一之瀬 奈々)…「勝手に週刊誌にネタ売っちゃうし。」とタクミのことを怒ってましたが「実は直前までブラストのノブと出来てて子供が100%タクミの子だという確証がない」ことは黙っててくれたんだし(ナナ×レン偽装結婚以上のとんでもないスキャンダルである。というかタクミが誰とデキてようが偽装結婚ネタ以上に盛り上がるはずがないんだから、倉田さんもその辺を良く考えて交渉してれば…こんな凄いネタが手に入ってたのに。)詫び入れの一つに入ってるとはいえ結婚までしてくれた(そして他の女達じゃ有り得ないゴージャスな暮らしをタクミの金で続けてる。)んだから(事前連絡がなかったとはいえ)文句をいう資格は無いと…思ってしまうんですが。ゴフッ!一途に見せかけて未だにノブのことを引きずってる(ノブの前だと気まずくなるくせにタクミの前では当然の権利と言わんばかりに図々しくなる態度の変化がなんか嫌です。18巻の未来編でノブの肩に頭摺り寄せてるのもどうかと思いました。)のが嬉しいのをすっ飛ばしてイラつきました。(自分で振り切ったんだから変な雰囲気出して惑わすのは止めてほしいです。)ナナの側にはいても結局1番に思ってるのはタクミ…なら、側にいてもらっても辛いような気がしてしまうのは私だけでしょうか?

 ナナ(大崎 ナナ)…この子は何にもしてないのに、1番触れられたくなかった母親のことは記事にされ、シンが警察に捕まったとばっちりでバンドは解散、レンにはプライド捨ててまで縋ったのに冷たくあしらわれ、ヤスには拒否られ…と、どこまでも痛い目にあってる(のに、話に影を落としてないせいで盛り上がりに欠けてるというのは禁句である…ガフッ!)のが悲しくなりました。「何で他人が起こした不祥事であたしばっかり痛い目に合わなきゃいけないんだよ!」というセリフが痛かったです…。(レンが言う「血のつながった親とメンバーのシンは「他人」じゃないだろ!」というのも分かるんですが…本人が頑張ってる中、特に手を差し伸べてくれたわけでもないその人たちに足を引っ張られていることが歯がゆいナナの気持ちも分かるんです。)1人で頑張る決意をしてましたが、未来編で生死不明なまま外国で歌っていた所を見ると、やはり持たなかったのでしょうか?(何があった…というかこれからもまだ痛い目に合わなくちゃいけないのか、この子は?)

 上原 美里(本物)…ナナの異父妹。手紙にあった「誰にも言えない悩み」というのが血の(半分)繋がった実の兄貴を女として好きだということを知った時にはたまげました。(だからブラストのナナ以外のメンバーには触手が動かなかったのか…ゲフッ!)挙句の果てに母親の一件で兄貴が彼女と「同棲」にまで進む羽目になってしまったら…そりゃ、母ちゃんのことは許せないでしょうね。(理由はそれかよ!)なんにせよハチが彼女の家に来たのは全くの無意味だったように思えるのは私だけでしょうか…?(むしろ「ナナの親友」の彼女が来てしまったら余計に記事の信憑性が高まってしまうだけのような気がするんですが…ゴフッ!)

 ヤス(高木 康士)…レイラといいナナといいミューさんといい、包容力があるというよりは「寂しい女」をほっとけないだけ(しかも最後まで面倒は見きれずに途中で手を離してる。それなら最初から手をつなぐような真似はするなと言いたいが。)のような気がする…んですが。浮気はしない主義なら体よく利用してる詩音さんの存在は何なんだ(…浮気以下!?)という女を大事にしてんだかしてないんだか分からないスタイルが正直苦手です。読者を含めた皆からは悟りを開いた大人のように慕われていますが、個人的にはそんなにいい人には見えないです…ガフッ!

 シン(岡崎 真一)…彼の言う通り英語は元々11世紀にイギリスを征服したノルマン人のロマンス系言語と原住民のケルト人のゲルマン系言語が交わって生まれた混合種なので地域によって色々言い方が異なるそうです。(私にはさっぱり分かりませんが。)
レイラさんと別れたこと(というより初めて金勘定無しで無条件に愛してくれた女性に「拒否」されたことがショックだったんでしょうね。)で稜子さんと選りが戻ってしまった…んでしょうね。(なんでもいいからぬくもりが欲しかったんでしょう。…稜子さんごめんなさいですが。)薬物系で捕まっておきながら復帰できたのは凄いですが、タイミング良く警察が来てしまった辺りやはり芸能人は目立たないように行動すべき(最悪、兄貴が通報した可能性すらある。)だと彼がまだ16の子供だという事を痛感した出来事でした。未来編でレイラさんのことを歌をきっかけに羽つきで美しく思い出してた辺り、やはりやり直すことは出来なかった…んでしょうね。彼も心配ですが、拠り所0になってしまって暴走しそうなレイラさんも心配…です。
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