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恐怖の百物語・第1弾

2009.12.31
 1991年当時テレビでは超常現象をこぞって取り上げていましたがこの手の番組の仰々しい演出過剰の作り(余計な演出やテレビお得意のおざなりな分析や解析)が好きではなかった企画担当者(谷口さん)は余計な要素を一切排除してただ淡々と体験者の話を聞くだけの番組を作りたいと言う思いから関西テレビ(フジTV系列)の「恐怖の百物語」という番組を企画・作成したんだそうです。結果番組は大成功しその後のホラーブームの先駆けともなった事実(文庫本まで出てベストセラーになってしまいました。)を考えるにやはり大切なのは演出(見た目の派手さ)ではなく内容だよなと改めて思ってしまったものでした。

 霧の国道168号線、十津川沿いの怪人…友人「道を間違えるなんて200%の確率であり得ないんだ。この道は一本道なんだから…。」
投稿者「さっきまでは車2台が通れたのに今は車一台がやっとの曲がりくねった山道続き…とっくに五條市を過ぎていいはずなのに街の明かりも見えないし絶対間違えてるだろ。」

正解は道は合っていて心霊現象に巻き込まれていたという嫌過ぎる事情でした。十津川温泉でも有名な奈良県のあの辺りはダムを作る時にいくつもの家が湖底に沈みその家の人達の思いが残っているからか不思議な事が良く起きているそうです。出現した怪人が白い作業服を着ていた(そして四つん這いで猛突進し車に追いついた)辺り今回の霊はダムの工事で亡くなった人がさまよって出てきたのかもしれませんが、ともあれ夜中にこの辺は通らない方が良いらしいです。

 波間に浮かぶ白い腕の恐怖…「用心するに越したことは無い。沖には出ず浅瀬で泳いだり遊んだりしようじゃないか。」

と沖から手招きした手に危機意識を持って浅瀬で遊んでいたのに当の浅瀬で腰から下までずっぽりと砂に埋まるほど地面に引きずり込まれてしまったのでは予想外の展開も含めて顔面蒼白になってしまうでしょうね。浜辺の人達も本人の身を案じるより前に海の中でどうして下半身全てが瞬間的に埋まってしまったのか(浜辺なら自分達でわざと不自然なな埋まり方をしたのだと納得できますが)という不思議さに目を丸くしていた(いや、助けてよ!)そうで事態の異常さに改めて怖くなったものでした。結論として心霊現象を見た場所では遊ばない方が良いようです。

 首吊り自殺の現場を目撃したばかりに…「人間の首という物はあんなにも伸びるものなのでしょうか。」

首が伸びている=頸骨が折れて体重で皮膚が伸びているという事なので、さっきの今で下ろした所でもう助からないんだそうです。(首吊りはぶら下がったその瞬間に首の骨が折れる為、確実に死ねる自殺方法とも言われている。)とはいえ投稿者は別に彼の日常をストーキングして観察していた訳でもなく(もしそうなら呪われる理由も多少は理解できるのですが)たまたま偶然見たくもない最期を見てしまっただけであり、数々の心霊現象を起こしながら投稿者の抹殺を図る様(4度にも渡る異常な交通事故)には意味不明な嫌がらせにも程があるだろとツッコミを入れてしまったものです。投稿者自身ももう関わり合いになりたくない人物ではあるものの彼自身の行為の理不尽さを彼と世間に理解させる為にも敢えて全てを書いているそうで、脅しつけられても相手の都合の良いように、なし崩しに泣き寝入りはしないその姿勢に共感できたものでした。1人で勝手に死んで、死んだ後も人様に迷惑をかけている彼よりも酷い目に合っている投稿者や息子に先立たれた親の方によほど同情してしまった話です…ゲフッ!
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恐怖の百物語・第2弾

2009.12.30
 関西テレビにて6か月に渡って放映され大反響を呼んだ「恐怖の百物語・第1弾」の続編です。第1段がベストセラーとなった事もあり(番組の効果もあり当時の世間にはホラーブームが到来しました。)全国の読者からの「第2弾、第3弾を刊行して『百物語』を完成させよ。」という声が数多く寄せられ、しかし1冊の本にするには情報量(怪談)が足りない、という事でピンチヒッターとして中岡先生の所に完成に協力して欲しい(怪談体験談を教えて欲しい)と要請がなされ2冊目刊行に到ったそうです。他に何冊も中岡先生の著書(オカルト本)を読んだことがある私としては正しい人選だったと実感したものでした。これで怪談は29話にプラス32話(合計61話)百話までの数を計算すると第4弾でシリーズ終了ですかね…?

 水子寺に現れる不思議な女…「戦時中に沢山の婦女子が死んで滝壺が真っ赤に染まったというんだからかなり酷い状態だったんだろうね。」

裏高尾にある水子寺では水子だけでなく戦争で死んだ女性達の幽霊も存在するようです。口にしたとたんに当時のように滝壺全体の色が濁り水面から浮かび上がってくる水の塊が真っ赤な色をしていたという怪奇現象が起きた辺り(そもそも行きがけにさえ顔が半分崩れた女の霊が現れている辺り)彼女達の無念の思いは未だ晴れていないご様子です。その後一緒に行った友人の一人が取りつかれて除霊までする羽目になったそうで「お参り」には普通のいわくつきでない場所に出かけるべきだったなとツッコミを入れてしまったものでした。

 おばあちゃんの日本人形…「祖母の妹は階段から転落したことが原因で下の世話から一切の面倒を見なければ何も出来ない寝たきりの状態になってしまったのでした。」

それを婚期が遅れることも構わずにつきっきりで面倒を見て、抱きかかえては部屋や階段を歩かせ、妹が死んだ後は両親に隠れて手に入れた遺髪を大切にしまいこみ、子供ができた後は日本人形をこしらえてその中に遺髪を入れて死ぬまで大切にした、そんなおばあちゃんの情愛の深さを感じたものでした。祖母の死後百カ日が過ぎてから階段を昇り降りする(妹の霊の)足音が全く聞こえなくなった辺り妹にとっても祖母は心の拠り所だった事が感じられ2人の絆に恐怖心でなく心が動かされた話でした。

 神棚にひそむ黒い大蛇…祖母「殺さなくて良かったね。分家の者が青大将を叩き殺してから不幸が続いた事といい蛇の祟りは恐ろしいよ。」
祈祷師「その黒い大蛇はこの家の守り神です。もし殺していたら大変な事になったでしょう。」

そのお礼なのかトイレに置いてあった7体もの抜け殻は大蛇が卷族として残していったものだそうでそれを祀って以来、稼業も上手くいき全てが順調に行ったそうです。なのに祖母が不注意から出した火で祀った抜け殻も祠ごと焼いてしまいご先祖様の祟り(後継ぎの立場にありながら、いくつもの事業を手掛けながら、ご先祖の供養を怠りお墓すら建てていなかった。墓石って200万位するからホイホイと手が出ないのは分かりますが…。)と合わせてあっという間に落ちぶれてしまった(夫の葬式にさえ大勢いた親戚が散り散りになっており妻1人だけの参列となってしまった。)結末には思わず涙してしまったものでした。そんな折にも姿を現し以来、音信不通になっていた分家との連絡も取れて救いの日々をもたらしてくれた黒い大蛇さん。(胴周り10センチ、1メートル以上という見た目は怖いけれど)結構いい奴じゃないかと感動したものでした。

恐怖の百物語・第4弾

2009.12.29
 この本に収録されている話は21話。そして単純計算(20×5で100話になる。)からも分かるとおり、この文庫シリーズは次の5巻で幕を閉じ、「恐怖の百物語・スペシャル」「新・恐怖の百物語」に続いて行くのでした。(だったらスペシャル版も新バージョンも5冊出してくれれば良いのに…。)テレビ版では稲川淳二がゲストタレントとして常時出演していたことでも有名なこの話、第1回目から人魂が現れたり、稲川が憑りつかれたり、色々なハプニングがあったそうです…。

 闇の中、恐怖の肩叩きゲーム…林「このゲームやってみないか。部屋に住む妖怪で人には危害を加えないっていうから大丈夫だよ。」

元々は雪山で一人の死者を出した4人組が「このままじっとしていたら全員眠るように死んでしまう!皆、動くんだ!」と3人で山小屋(部屋)の4端に立ち、死者をテントの中央に置いて朝まで肩叩き移動を繰り返した(そして救出された後「角が一つ余ってるから、このゲームは3人ではできないじゃん!」と気がついた。)事件から簡単な降霊法として有名になった肩叩きゲーム・スクエア。確かに誰かが怪我したりの「危害」は無かったけれど妖怪だの幽霊だの魔性の者を呼び出すだけに怖い思いはする羽目になったという話でした。イタズラ半分に霊を呼び出すなんて、そんな気持ちで夜も遅い時間に呼び出された方(霊)は怒るだろうし、しっぺ返しもされるわな、と展開にも納得したものです…ゲフッ!

 首の無い市松人形…住職「お見せするのはいいのですが…くれぐれも人形には手を触れないで下さい。」
投稿者「うーん、位置が気に入らないなあ。少しだけ動かして右に向けてくれる?」

子供姿のおかっぱの日本人形として有名な市松人形ですが江戸時代に人気のあった若衆形の役者・佐野川市松を模して作られた物が流行してからそう呼ばれるようになった(つまりアレは女物の着物を着てはいるが男の人形だったんだな…ゲフッ!)という由来は初めて知ったので、なるほどと思った話でした。ともあれ、↑のように住職さんがちゃんと忠告してくれたのに勝手に夜中に無断で部屋に侵入して撮影し、友人に人形を触らせ、触ったことも黙っていた投稿者が一番悪かっただろうと事の顛末には憤りを感じてしまったものです。(位置が気に入らないんなら、自分で直せ!)結果、友人の一人は交通事故死、1人は神隠し(「あの、あなたのお友達にそっくりな顔の人形が一体増えてるんですけど…。」by住職)という最悪な顛末を迎えた様には溜息ばかりが出たものでした…ゴフッ!

 黒猫の祟り…投稿者「この間、走っていたら目の前に黒い物が飛び出して来てさ、コンポのスイッチを入れようとして片手運転してた事もあって黒猫を轢いちゃったんだよね。HAHAHA!」
淳(黒猫)「…俺を殺したのは、お前か!」

気まずい空気が重いから、何でもいいから話題、話題…という気持ちは分かるけれども、場違いとか不謹慎という空気を読む事も時には非常に大切だという話です…ゲフッ!飼い主(淳)からは殴る蹴るの暴行を受け、飼い主の友達(投稿者)に殺された不幸な黒猫がひたすら可哀想に思えた話でした。(周りをよく見ずに道路に飛び出してきた黒猫も悪かったが前方不注意と片手運転のイエローカード2枚で投稿者に言い訳の余地は無いだろう…ゴフッ!)うっかり轢いた猫が実は友達の飼い猫だったなんて、つくづく世間は狭いです。悪い事を武勇伝のつもりで語っても常識の元にドン引きされる事もあるのだし話題は本当に選ぶべきだという教訓話でした。(そりゃ、猫さんも怒って引っ掻きますってば…ガフッ!)

怖い本①

2009.12.28
 もはや8月の終わりにもなってふと立ち寄った本屋のコーナーで発見した実話シリーズです。ナムコ・ナンジャタウンの怖い話本も久しく見なくなって飢えていた頃に巡り会った本だったので嬉しさもひとしおだった思い出があります。読み終わって再び本屋に足を運んだ時には9月に入ってとっくにコーナーが終了しており続きを手に入れられなかったというのも苦い思い出です…。(まあ、古本屋で大体、手に入れたのですが。)

 第3話・自殺名所の管理人…「バイト代は一日2万円。その代り途中で辞めたら全額パー。たかが公園の管理なのに変な条件だな。」
「だって場所××××ですよお!」
「え!?あの自殺の名所の!?」

元々は観光名所だったのに毎年のように自殺者が出る場所(断崖絶壁から人がバラバラ落ちるのが有名過ぎて小説の舞台にまでなった事がある)という事で命は落としても金は落としていかない自殺者以外来なくなってしまった××××。このままでは観光費で食い繋いでいる皆の生活が破綻してしまう(それでこの話でも場所が伏せ字にされているのねと納得しました。)と公園に管理人を置く事にした地元人達…ですが、それならバイトでなくて自分達で見回りを行うべきではないかとツッコミも入れてしまったものです。自殺者だけでなく幽霊まで出ることが明らかになり挙句にこの本にまで載ってしまって余計に暗いイメージがまとわりつきやしませんかね…?

 第7話・おすそわけ…津山「両肩と頭が無い男に入ってこられちゃ大変だと思って必死で部屋のノブを押さえた。けど、その時、思ったんだ。人の家の廊下に入ってこれる奴が、こんなドアをすり抜けられない訳が無いって。」
平山「それで自分の意志で気絶したって…器用だな。」
津山「人間、死ぬ気になれば何でもできるものさ。」

沖縄のユタという霊媒にうっかり「幽霊に興味がある。」と生返事を返してしまった為に「幽霊を見る力」をおすそ分けされてしまった津山さん。たとえ話のノリでも、それで盛り上がってしまっても「自分は(決して自ら関わり合いになりたくないほど)興味は無い。」(「恐怖新聞」にもあるけれど、怖い話は「ウソみたいな、どこか遠くの他人の話」であるからこそ楽しめるのであって「自分で本当に怖い思いをしたい」のとは訳が違う。2次元と3次元の間には大きな壁があるのだ。)と答えておくべきでしたね。当のユタはブーイングに気を悪くしたのか「トイレ」を理由に二度と帰ってこなかった(実はこれは女性が体良くその場を逃げ去る為の王道の理由でもある。)そうですし、この話は女性への応対を間違えてしまったが為に起こった悲劇だったな、と感じた話でした。

 第15話・万年止めの369番…先輩「あそこの台は死神さんのもんやねん。だから誰か他人が座って大勝ちすると叱られんねん。」
店長「バカな事を言うな。あそこは弥勒(369)さんの席なんだよ。」

どっちにしろこの世ならざるものに呪われている台という事に変わりは無いようです…ゲフッ!出玉率を上げると娯楽性を高め過ぎてしまうという事で警察の認証により制限されているパチンコ(何故そんなに口出しできるのかというと全国遊技場組合(要するにパチンコ)は交通安全協会よりもよっぽど人気の天下り先であって利権が絡んでいるからである。)ですが所詮パチンコ店・店長の手の平の上で転がされているとはいえ立派な「賭博」であり様々な念を吸収する以上、刃傷沙汰が起こらなくても死亡事故に繋がることはあるようです。(実際の賭場では念が生む事故や災害を防ぐ為に神事を欠かさない。)ビギナーズラックで上手く勝っても所詮相場は2割3分(これが完全にコントロールされた賭場での客が勝つ範囲。これより少なすぎれば客は逃げるし多すぎれば胴元がコロぶ。)手は出さない方が色々な意味で身の為だなと改めて思ったものでした。(その前にパチンコの何が楽しいのか未だに分からないんだけどね…。)

 第22話・2階の無いマンション…事務員「時々、視界の隅を何か黒い影がかすめるし、この間は階段を袈裟着の坊主が昇ってるのを見たし、何なのかしら、このマンション?」
マヌカン「ここの大家さんはお寺なのよ。しかも土地が高いからって代替地に墓を移設しないで2階をぶち抜きで納骨堂にしてるの。私達はそこに住んでるのよ。」

正確には24時間そこに住んでいる訳ではなく、会社のオフィスがそのマンションにあったという話です。が、社長は交通事故、同僚の家は火事、自分も泥棒に入られた(バッチリ霊障が現れてるじゃないですか!)という様に、エレベーターで止まる階数に「2階」が無く、外から見ても2階には窓が一つも無い(だからお坊さんも入る時には階段からコソコソ入るしかない。)様に、前々から異常な物は感じていたそうです。(でもまさか、そんな信じられないホーンテッド・マンションを作られたとは発想が及ばないよな…常識人として。)本人自身は支店への出向が叶って難を免れたものの、オフィスの賃貸契約が残っていた社長はその後2年間そこに通い、結果ほぼ一ヶ月おきに大病を繰り返す半病人のようになってしまったそうです。お坊さん、ちゃんと仕事はして下さい(お祓いの効果が出ていません。←そこ?)と思わず語りかけてしまった話でした…。

 第28話・焼却炉…垣内「今度、ゴミに交じって動物が捨てられているのを見かけたら緊急停止させても良いですか?」
先輩「残念ながら、そんな暇は無いんだ。ゴミは次から次へと生まれる。迅速な処理が我々の急務なんだよ。」

それが動物の死体(一応、生ゴミ。)だったらまだ良いのですが、恐ろしいのは生きたままのネズミや猫がゴミと一緒に捨てられており、巨大な焼却炉に投げ込まれると同時に直ちに焼却されているという現実でした。飼い主の皆さん、中世の魔女狩りのような拷問(火焙り。それにしたって聖女ジャンヌのように「生きたまま焼かれた」のはレアケースで、ほとんどは絞殺してから死体を焼いたのだ。)を味あわせて死なせるのではなく、せめて自分の手を汚して楽に死なせてげるという慈悲の持ち合わせは無かったんですか?と祟り(警報の誤作動にガラスに現れた爪痕etc。)の全てが降りかかる羽目になったゴミ処理作業者の皆さんに同情してしまいました。他の話で読んだようにパンチ屋に金を払って一撃で「処理」して貰っている飼い主の方がまだ良心的かもしれない、と思ってしまったものです…。

 第40話・プライベート・テレカ…「これ、納棺の時の死体を撮った写真だよ。周りにあるのは菊ばっかりだし女の人の鼻には綿が詰まってるでしょう。」

テレホンカードは皆さんご存じのように金券ショップに行けば安く買える。そして経費削減に血眼になっている企業ではその千円のカードが980円で売られているというわずかな差額に目をつけてまとめ買いするというセコイ手をよく使っていたんだそうです。(携帯が普及した現代では電話ボックス自体が無くなり当のカードを使う機会自体あんまりありませんが。)が、写真と名がつくものなら何でもカードにしてしまえという風潮でもあったのか中身の分からない「一般テレカ」の中には↑のようなおどろおどろしいカードも有ったようです。結局度数を使い切る前に塩で清められ焼かれたテレカ。供養の仕方をちゃんと知っていた家庭で良かったなとも安堵したものでした。
ちなみに供養する方法はこんな感じだそうです。
①石の上などに下から白い紙、荒塩、写真の順に重ねる
②写真に火をつける
③燃えている間お祈りする
④夕暮れ時以外の時間に綺麗な川に灰を流す
⑤振り返らずに帰る
意外に面倒臭いのでこの母親が子供達に油を絞られた理由にも納得してしまいました…ゲフッ!

 第42話・訳有りのタクシー…沼田「俺のペアの男は所内の人間と乗務明けの明け麻雀を覚えちまってね。アレは、まずいんだよ。体は疲れてるのに、眠らないんだから。結局24時間後には乗車して20時間近くは運転しなくちゃいけないのに…。」

そうしたら案の定、居眠り運転で老人を轢き殺してしまったという経緯には、あまりにも予想通り過ぎて、もう溜め息しか出なかったものでした。(「俺、麻雀辞めろって何回も言ったのに!」by沼田)刑務所に送られた相棒の方は自業自得ですが、当の車をそのまま使う羽目になった沼田さん(タクシー=1年で距離計が一回転してしまう寿命の短い車なので事故をきっかけに廃棄される事が多いが「新車」だった事が災いして、修理して塗装し直しただけで返ってくる羽目になった。)は、いい迷惑だった話です。お約束通りに車には死んだお爺さんが地縛霊として憑りついており客層は悪化(「あれ、助手席にいたお爺さんは?」「え?ずっと私1人で運転してましたが?」「…!」のパターンの連続で普通の人は乗らなくなった。)事故現場で自分まで霊を見た事で沼田さんまで仕事を辞めた経緯には誰も幸せになっていない結末に暗澹たる思いになったものです。唯一の救いはタクシーの寿命を考えると、当の車はもう営業していないだろうという事ですが…。

怖い本②

2009.12.28
 心霊シリーズ2冊目の本…ですが、所々に生きた人間の生々しい事情が見受けられて別の意味で濃い一冊にも仕上がっているなと感じたものでした。幽霊よりも身近で、怨霊よりも執念深い変態(生きた人間)の方がずっと怖いと感じる私としては、これぞまさしく「怖い本」だなと本のタイトルに心から頷かせても貰った本でした。

 第2話・マグロ…渡辺「電車は、あんな細いレールの上に何トンという荷重がかかる。そこに飛び込めば車体に激突しただけで内臓破裂。『一瞬で潰されてしまう』から安楽死っていうか即死のイメージは強いのかもしれないけどね。」

「マグロ」というのは飛び込み自殺の符丁(隠語)だそうで、後始末をしなきゃならない駅員さん達はいい迷惑だよな(車体に激突して運良くホームに再び投げ返されれば死体の無惨度数はケースバイケースだが、車体の下に巻き込まれての轢断死体となると身体は部分部分で泣き別れの「解剖」状態となり、集めるのが困難の上に、遺族は死体が全部そろっていないと納得しない人が多いわ会社から威力業務妨害の補償の話は持ち出されるわで感情的になる場合が多い。)と整備士である彼の苦労が見て取れたものでした。(足りない小さな「部品」は大体車体の裏側にくっついており、後になってから整備場で見つかることが多い。)それでも「電車」であれば、まだ肉は残るが大型の雪をかき分けるラッセル車に巻き込まれれば車体の下で「粉末」になって加熱されて外にかき出されるせいでほとんど蒸発してしまう(誰だよ、飛び込んだ人間!)そうなので、それに比べればマシだそうですが…。

 第7話・特別な存在…犯人「もう何もかも嫌になったから女でも犯して殺してみようと思った。」
芹沢「そうかあ。取りあえず、お茶でも飲まんけ。最近は暑くて嫌になるな…って感じで必死で話し続けていたら、そのうちに納得したのか自分で出て行ったんです。」
警察「今から泊めて貰える親戚か友人はいますか?貴女は犯人に情をかけたことになります。統計では12時間以内にここに戻ってきます。今日から奴にとって貴女は『特別な存在』となったのです。」

えっ、そうなんだ。変質者には「友達面をしながら徐々に距離を持ってお別れする」という大人の常識は通用しないのね(しかも半日以内に戻ってくるのかい!)と、自分でドアから出て行った後も覗きレンズからず~っと彼女の様子を覗いていたり(そして彼女が怖々と覗きレンズを覗いて気づかれたとたんにドアを蹴った。怖いって。)異常な行動の数々に慄きながらも、取りあえず死んでいてくれた(首吊り自殺をしたとおぼしき幽霊になって出てきた、という事は…。)事にホッとしてしまった次第でした。「こういう変質者は10年経っても20年経ってもまるで昨日の事のように覚えている」との事なので、条件が整わないと出てこない幽霊よりも、24時間営業の生きた変態の方がよほど怖いと思う自分としては変な所で安心もした話でした…。

 第9話・サルベージ…斎藤「人死にが出た部屋でいつまでも空きが続くと『気味が悪いから自分達も出ようか』となって後はクシの歯状態になる。だから何も知らない外人さんに家賃4、5割引き・敷金礼金なしで一時貸しするんや。1年で外人が出て行った後で次は日本人に住まわせる。その人の契約期間が過ぎて出ていったら晴れて優良物件に返り咲きになるんや。それがサルベージじゃ。」

瑕疵物件の宿命として「前の住人」が自殺していた事実は告知義務があっても2人以上前の住人に関しては説明する義務は無いからこその法律の裏をかいた詐欺まがいの措置だなと感心した方法でした。まずは値段を下げて(別名シンカー。「沈める」という意味だが、そんな大バーゲン状態になっても「いつまでも借り手のつかない部屋を遊ばせておく」よりはよっぽどマシらしい。)2人以上人が住んだら値段を引き上げる(別名サルベージ。「引き揚げる」という意味。)という手法には唸らせて貰ったものでした。ちなみに斎藤さんの良心としてサルベージした後の部屋はテストを行っている(一級酒の入った一升瓶を未開封のまま「現場」の中央に一週間置き、それを借主に飲んでもらう。それを「酢の味になってますよ!」「鉄錆の味がする」と言う人間にはお断りする。)そうで「色々微妙な問題はあるけれど仕事は仕事としてキチッとこなしたい。」という彼の言にプロ意識を感じたものでした。

 第22話・披露宴…才田「あんな奴、絶対に辞めた方がいいよ!渋谷で水商売風の女と歩いていた所を見たし、わざわざうちの学園祭で飛び降り自殺した女子大の女は妊娠した所を奴に捨てられたのが原因だって!」
友人「…アンタ、妬いてんの?」

それはもう「彼女が純情でコロッと騙されちゃった」(「愛は盲目」で全ては友人をひっかけた男のせい)ではなくて、そんな男の本性に勘付きながらも結婚まで突き進む友人の方にも問題があったな(恋敵でもない女友達より最低男の方を取って絶交状態にしたくせに、男と離婚したとたん幼友達とヨリを戻すなんて随分勝手なお友達だな。どこが純情な女だ。)と感じると同時に「何を言っても無駄」(オマケに自分が恨まれるだけ)だからこそ「他人の恋路に嘴を挟んではいけない」のだろうと改めて思えた話でした。おかげで別名「疲労宴」と言う位に下手に気を遣い出すととめどなく疲れる披露宴では、お約束のスライドショーで新郎の写真に黒い影がかかるわ、スピーカーから女の悲鳴が流れるわ、金屏風から女の顔がのぞくわ、心霊現象満載だった2人の結婚式。(結婚のしょっぱなから、それかい。)当然の展開ですが、お2人は早々に別れた様子です…。

怖い本③

2009.12.27
 古本屋の中を探してようやく手に入れた続巻です。面白い事に買ってからその店の棚にズラッと続きが並びシリーズのほとんどを労せずして手に入れられたという経緯を味わいました。怖い本のコーナーをじっくりと眺めて探している人間ってあんまりいないでしょうから、おそらく店員さんが気を使ってくれた(あるいは「いいカモになりそうだ」とチェックしていた)んでしょうね。どっちにしろ100円で手に出来たのだから安い買い物だったとは思っています。

 第3話・100%…「なぜ四谷怪談を演じる時には必ずスタッフ・キャスト全員で報告に行くんですか?」
「そりゃアンタ100%だからですわ。ワテも長い事この世界で飯を食わさして貰ってますけど行かないで無事やったという話を聞いたことが無い。行かんかった奴は皆やられとる。だから行くんですがな。例外があったら誰がそんな所行きますかい。クソ忙しいのに。」

そんな「100%への挑戦」で四谷稲荷に勝るとも劣らない将門の首塚に肝試しに行った巻幡くん。「光源氏サイコー!」という落書きで見事に怒らせてしまった(同姓なだけのアイドルとはいえ平家を討ち滅ぼした源氏の名を書いてしまっては…ゲフッ!)事も有りその夜早々に化けて出られてしまいました。(100%なのである。)平家が滅んでから、お岩様がお亡くなりになってから何百年も経っているのに恨みは未だに滅んでいない現在、面白半分でいたずらするのは今もなお厳禁のようです…ゴフッ!

 第26話・栄光の手…「これは大きな願いでなければ何でも叶えてくれる手なんだ。」
「…なのに何でお前の『有名歌手になりたい』願いは叶わなかったんだ?」
「多分あの手には日本語が分からなかったんだな。」

女房がいたけれど教師の薄給じゃ思うような暮らしをさせてやれないことから「大金を下さい」と願いをかけ、3日後に交通事故に遭って死んだ奥さんの慰謝料と死亡保険金を手にした現・持ち主(「…俺はバカな男だ。」)同じく「金を下さい」という願いをかけて自身が交通事故に遭い両足を亡くした前・持ち主(金があっても遊びには行けなくなったね…ゲフッ!)願いは確かに叶うけれども代償は少なくないようです。(世にも奇妙な物語でも願いが叶った分だけ大怪我をするという猿の手の話があったなぁ…。)日本語が通じず願いが叶わなかった代わりに「代償」も来なかった牧岡君は僥倖だったと言えるでしょうね。この世の物でもあの世に通じてそうな物でも上手い話はどこにも存在しないという実例でした…ゴフッ!(元々処刑後の死刑囚から切り離された手という幸せから程遠そうないわくあり過ぎの物でしたしね…ガフッ!)

 第48話・四十九日…「お父上はあなたほど力が強くありません。我々が押しかけたら取り殺してしまうことになります。でもあなたは加羅姫の生まれ変わりですから。お願いします。」

力の無い人・弱い人がいたずらに霊に関わってはいけない理由がこれです。(手を差し伸べる優しさがあっても救う「力」自体が無ければどうしようもない)という訳で49日の間中最強のお守り(「お守りの中身を抜いてそれに短い線香を挟んで火をつけるの。強い所のはあっという間に火が消えるけど弱い所のはブスブス燃えちゃう。それを繰り返してついに日本一のお守りを発見したの!」にしても目が潰れそうなくらい罰当たりな発見方法だな…。)を手に、ヒモをつけて鞭打ちのSM…もとい浄霊をしていた彼女。(えげつない浄化法だな…。)ともあれ効果は口コミで廊下中に列ができてしまうほど抜群だったそうで、せっかくなのだからその1番強いお守りが売っている場所も記載してくれれば良いのにと思わず作者を恨んでしまった一話でした…ゲフッ!

怖い話④

2009.12.26
 この手の話の取材帰り、車の運転中に突然こむら返りが起こり死ぬ思いで運転したら車を停めた後ライトの先には光が届く先まで無数の足が並んでいた…そんな恐怖体験を通じてふと読者への防波堤役(自分は現実の心霊現象に苦しんで原稿を書いているのに読者は安全な所から他人の怖い部分を楽しんでいるだけで何も苦しんでいない。)に疲れて「怖い話に興味があるなら自分で(心霊スポットに行くなり)積極的に参加してみませんか?」(パトラッシュ、僕もう疲れたよ…4という数字が不吉でも5巻まで書けないよ…。)とこれにてシリーズは出し納めとしたそうです。内容が面白いだけに残念ですが作者・平山夢明先生の気持ちも分かるので文句は飲み込む事に致しましょう…。

 第5話・ケチ…叔父「彼女方の親戚の法事に出席してさりげなく顔を売っておこうという姑息な計算はともかく墓前用に大きな菊の花束を持ってくるなんてよく気が利く男だな。」
彼氏「悪い、あの花、拾ったんだ。」

花代がもったいないから(だったら花自体、持ってくるな!)それだけの理由で道に供えられた菊の花を勝手に持ってきた(盗んだ)彼氏君。(ケチ臭い性格以前に常識から外れている。)幽霊にまで「アンタ、彼女か?この男ダメだ。」とダメ男認定されたのに時すでに遅し、彼女は現在妊娠中だという現実が痛すぎました…ゲフッ!とはいえ「やっぱり男でケチはサイテーだわ。」とラブラブだった気持ちは冷めきった様子ですし子供がいようが彼氏と別れる(結婚してから後になって離婚するよりもまだゴタゴタが無い。)など前向きに人生を歩んで行ってくれると…良いんですが…ゴフッ!

 第13話・秘訣…「アンタ、豚骨スープの研究に熱心なのは良いが全然感謝してない。失敗したスープは無駄だと思って、ただ捨てていたでしょう。特にアンタが使っているこの種類の豚は頭が良い。頭が良いという事は考える力も感情も強いから材料の怨念が渦巻いとる。」

食べて貰えるのならまだしも「失敗だ」と土間にぶちまけられ無駄死にをさせられた豚骨達は「失敗も何も調理をしたのはてめえじゃねえか!」と納得いかない思いが死後も残ったようです。(頭が良いから魂だけになった後も状況をよく理解してしまったのだろう…ゲフッ!)結果「申し訳ございませんでした。」と店の隅にお供えの場所を設け、年に一度(豚骨の)供養に神社に行くようにした所ピタッとおさまった珍味現象。ミミズだっておけらだって豚骨だって皆みんな生きているんだ恨みもするんだという事がよく分かる怪談でした…ゴフッ!

 第23話・水で死ぬ…「転校生の押田さんをいじめて、その子のお父さんのお墓にまで馬鹿とか死ねとか落書きを書き連ねたの。子供だったとはいえやっぱりサイテーね。自分でも嫌になっちゃう。」

それは親が怒るのも当然だろ…(墓(御本人)の前で3人がかりで失神するまで実の娘を殴り倒したら祟りもするだろう。)と思わずツッコミを入れてしまいました。物を隠し、悪口を言い、自分でもサイテーの事をしてきたと分かっていながら本人を探し出して謝ろうとは少しも考えない、場所を知っている押田家の墓を掃除して花を供えて祈る事もしない、だから水で死ぬ呪い(父親の怒り)は解けなかったのだろうと思えて同情はできませんでした。おそらく本人達は「子供だったから」「軽い気持ちで」やったんでしょうが押田さんもそのお父さんも軽~い気持ちで受け止めてはいなかったし多分一生忘れないと思うよ、といじめっ子達には軽蔑の念しか出てこなかったものです…ゲフッ!

怖い本⑤

2009.12.25
 4巻でこのシリーズも終了…ということになっていたものの、読者からの好評(やっぱり、リクエストが無いと出せないよね、本は。)と、新しく知り合った女性2人が「面白いじゃない!」と彼女らのネットワークから次々に怪談話を取材してくれたことで平山夢明先生本人も「これはもしかしたらシリーズを続けられるかもしれない。」「いや、続けましょうよ!是非、再開して下さいよ!」という流れで、めでたく5巻が発売(そしてその後もシリーズが続いた。)という事になったんだそうです。そんな訳で面白かった話ベスト3の感想です。

 11話・レンタンカー…久里浜「確かに駐車場に入ってきた時には5、6人が乗っていたのに降りてくるのは一人か二人なんです。で、車内で待機しているのかと思って見に行くと誰もいないんです、そのレンタカー。」
おっさん「集団自殺で使われたレンタンカーってあるだろ。ああいう走れるけれど、どうにも買い手のつかなくなった車は安く買われてレンタカーにでっち上げられてるんだ。だから『いっぱい乗ってて』もおかしくない訳よ。まあ気にするな。」

乗っている生きた人間の中に霊感の強い人がいないと良いな(そしてやっぱり安い車は「そういう事情」があるのね…。)と思えてしまった話でした。昼日中の観光スポットでもハッキリと見えてしまうその車は霊が活動しやすい夜になると一体どういう事が起こってしまうのか、「自分が見える人間」と分かると無関係な他人でもついてきてしまうことがあるという霊の特性を考えると「今年は別のバイトをしようと考えている。」という投稿者に力強く頷けてしまった話でした。安い話には裏(別の危険性)があるという事例ですね、この話は…。

 25話・チハル…林「なんだかチハルがお婆ちゃんを守っているみたい。」
叔父「猫は死人の魂をたぶらかすっちゅうし、こんな猫!」
曾孫「お婆ちゃんがチハルが魂の緒を踏んでいてくれたから皆と会う事ができた。アレに皆から、ありがとうと言ってくれって…。」

つまり曾婆ちゃんを死に追いやったのは酒癖の悪い叔父の行動という事か(きっと一生、影でヒソヒソ言われ続ける事だろうな、この叔父さん。)と後先考えずに乱暴に庭に猫を放り出した叔父の浅はかさに「…。」と思ってしまった話でした。とはいえ死んだその日まで夕食に天津飯とギョーザを食べられるほどに元気(老女90歳ともなると胃に穴を開けてチューブで栄養を流し込みながら、食べる楽しみも味わえずに寝たきり状態で死ぬことがほとんど。)で、最期も皆に看取って貰えたというのは、年齢の割には幸せな死に様だな(まさしく老人が「理想の死に様」と夢見るピンピンコロリ状態。)とは感じたものです。猫にも尽くして貰えるほど人柄の良いお婆ちゃんだったのでしょうね。

 37話・水面…級友「随分モテた男の人だったわ。それで性格も良ければ言う事ないんだけど、残念なことに顔は映画スター並みなのに中身の『性格と誠実さ』という点においては野良犬並みだったのよね。親友の彼女でも、恋人の友達でも自分に気があると見てとれば付き合っちゃう、その辺の感覚が全く麻痺している人だったわ。」
ホスト仲間「俺は顔が普通だからね。結婚して子供が出来たら女遊びは辞めたけど、あいつはそれで食っていこうとしたんだ。あっちこっちに女を作ってはそいつらに貢がせて、泣いておかしくなった女も4、50人はいるんじゃないか?」

高校でも下級生を妊娠させて放校学処分となり、親のコネで地元の新聞社に就職する(羨ましい立場だな。)もそこでもやはり女性関係のトラブルからクビになり、ついには外国人まで引き込んでの女衒稼業をやるようになった彼。(マトモな仕事で生きるチャンスはあったのに全部自分でフイにしちゃって…。)死んだその時は、干からびたミカンのように縮んだ骸、寂しい通夜に川面に浮かんだ何十もの女の顔が嬉しそうに笑う訳だ(死んだのを皆が喜びこそすれ、誰も悲しんでいないって…。)と起こった心霊現象に納得がいってしまったものでした。投稿者が言っている通り「人間、死ぬ時が肝心だ。」と頷けた話です。

怖い本⑥

2009.12.24
 発行時は2006年、まだ実話怪談ブームが続いており(ちょうど終わり頃?)読者の要望もあってか有り難い事に4巻で絶えたかと思われたシリーズの続きも刊行されるに到ったそうです。怪談にも国によって色々な対応がありタイでは「洪水とかで四人が沢山出た土地には救援に行かない。取りつかれるから。」(それじゃ本来助かるはずの人もそのまま死ぬから余計に死霊が増えるのでは…。)「特に割れた腹から胎児をはみ出させている女性が困るんだよね~。」(クレーマーの特徴かい!成仏させてやれよ、その女性!)と全く現実的に対応している(「コイン状のお守りと小さな仏像が埋め込まれたネックレスが無いと地面に引っ張り込まれて困るから、警官、皆している。」←保身かい。)そうで、怖い話も色々だよなあ~(あんまり現実的すぎて別の意味で怖いわ。)と妙に感じ入ったものでした…。

 第8話・おふどうさん…「頭の中に昔飼っておった犬が出てきて『自分は今神様の元で眷族の修行をしている。ついては少しばかり自力がついてきたので恩返しがしたい。ひと月ほど寿命を延ばそう』って言ったんや。わしはあの世行きをちっと待って貰っているだけや。」

「お迎え」が来ている証拠に天井におふどうさん(不動明王)が来てる(驚異的な回復はしたが病気が治って退院できる未来はあり得ず余命はいくばくもない)事から犬の夢はデタラメでなく本当のことだったのだと確信を持ったおじいちゃん。ですが死ぬ前に食事もとれるようになって(美味しい物を美味しいと感じて食べれる。それが病院食であっても味気ない流動食や高カロリー輸液に比べるとやはり安全に味わって食べられるのは幸せな状況なのだ。)肺がんの末期なのに穏やかにあっけなく死ねた(ピンピンコロリとまではいかないが呼吸器系の病気なのに「息が苦しい~!」と苦しまずに死ねた。病名を考えれば幸せな死に方だろう。)死に様はやはり神のご加護だったとしか言いようが無いでしょうね。主人が死ぬ前にしっかり恩返しをして良い犬だなあ~と主従愛にも感動した話でした。

 第11話・相談…「相談って言っても仕事じゃなくてほとんど男女関係。その子、ちょっと見た目が可愛いくて男がコロッと騙されるのを良い事に好きでもない男と付き合って彼女と別れさせては影でガッツポーズ取ってるみたいな子だったから。」

当然、親身になってくれる女友達は皆無で同じ班の世話好きそうな先輩である彼女の元に相談に来たんだそうです。話を聞いてみると男の元カノ(にさせた)女性が自殺したという身も蓋もない内容で挙句の果てには気づかないうちに取りついていた彼女の霊が離れたのを良い事にさっさと帰ろうとした(「頭痛が酷くて歩くのもやっとだった位にだるかったのが治りました。帰りま~す。」「結局アンタの悩みは体の不調だけで何の罪悪感も感じてなかったんかい!」)のを霊はしっかり連れて帰って貰った先輩の応対が素晴らしい(「お古で悪いけど良かったら(彼女がとりついた)このブランド物の服、使って。」「先輩…。」「元気出せ!」)と感じたものです。タダより高い物は無い(タダでブランド物の服をくれるなんて「上手い話」には必ず裏がある。)という当たり前の理屈は恋人を奪い取って舌を出しても許されると考えている常識知らずの女には分からない話だったでしょうしね…ゲフッ!

 第27話・死なそ…「死なすか?」
「死なそ。あの松にくくらそ。」

会話の内容に驚いて思わず飛び起きたら話していたのは猫だった、それだけでは誰も信用してくれないものの(「母ちゃん、これはあかん!」「寝ぼけたんでしょ。猫が喋る訳ないじゃない。」)その後少年が聞いた計画通りに松にぶら下がった死人が出た事で(猫の分際で…というよりあの肉球で、どうやって首つり自殺を偽装する事が出来たのか不思議でなりませんが…ゲフッ!)村でもさすがに問題として取り上げ猫神様を祀る祠が作られたそうです。行動するのはいつも取り返しのつかない問題(死人)が出てから、そんな日本社会の歪みも伺える怖い話です…ゲフッ!(まあ少年の祖父が助かった(そして別の人にお鉢が回ってきた)だけでも僥倖だったという事で…ゴフッ!)

怖い本⑦

2009.12.23
 この本を執筆するに当たってひと月ほど墜落のように倒れたり泡を吹いたりしながら休憩をとっていた地獄の進行だった(以前よりも状態が悪化してるじゃないですか!)と前書きに書いてありました。担当さんも自殺を目撃してしまったり、変なオヤジに遭遇したり、金縛りにあったり大変な目に遭いながら(お祓い…は効かないって巻の前書きに書いてあったな。)何とか刊行したんだそうです。タイトルも「死にかけ店主の口上」(死にかけたのか…。)となっており申し訳ないけれどあまりのシュールぶりに苦笑してしまった7巻目でした。

 第12話・尾…芳雄「タヌキの尾を見せたら飴屋の親父から水飴もらった。やったー。」
教師「お前、糞なんかこねくり回して舐めとったらアメーバ赤痢になるぞ!」
芳雄「…!」

おそらくその飴屋のおじさんは死体から尻尾を取られたタヌキの血縁か何かで芳雄くんを化かして尾を取り返したんでしょうね。(人間の遺族でもそうだがなるべく五体が揃った状態で埋葬してやりたいもんな…。)タダで貰えるものは必ず裏がある、死体を冒とくした(尾をアクセサリー代わりにしてつけて遊んでいた)芳雄くんに見事に復讐を果たしたタヌキの見事なやり口に思わず笑ってしまったものでした。

 第19話・扉…「下手にお札を貼ったのが気に障ったんじゃない?」

お札を貼ると霊は入口や出口を見失って却って部屋に留まってしまうという説があります。(やみくもにお札を貼れば良いというものでもないらしい。)おかげで怒ったのかそれまではただドアを開け閉めするだけだったのに姿まで見せて居住者を追い出してしまった部屋の幽霊さん。霊現象が気になったら塩で掃除して場を清めた後に線香の煙で追い出すのが一番良いようです。(それでも追い払えない強力な霊だったら引っ越しだな。)

 第21話・猫が好き…「発見された時、彼女の死体には無数の咬み傷があったそうなんです。特に目の損傷が酷くて…飼われていた猫達が餌が貰えない物だから、ひもじくて齧ったらしいんですよね。」

可愛がっていたのに脳溢血で倒れたその時、助けを呼んでくれるどころか餌を食べる事しか考えなかった猫達。挙句に女性の命とも言える顔を食い破ってしまっては(猫は特に眼球を好むので目の周りはほとんど食いつくされていた。)飼い主として祟りたくなるのも少し分かる気はします。(今まで散々面倒を見てきたのにお前らは…みたいな。)可愛がっても所詮は猫、恩は3日で忘れ去り飼い主を足蹴にする(忠犬ハチ公のようにはいかない)可能性もあることを考えて飼うべきでしたね。猫の方も新しい飼い主の目を舐めたりすっかり味を覚えてしまった(懲りてない)ようですし怒り心頭に達してしまったのでしょう…ゲフッ!

怖い本⑧

2009.12.22
 実話怪談(他力本願。自分でこれだけの数の怪談を経験したら多分霊障で死んでいる。)シリーズなだけに締め切りまでに思うようにパンチのきいた話が集まるかは未知数で今回も担当さん達に血の涙を流させながらの地獄の進行で編集者達も難しい怒り(「横山秀夫風に言えば『もうお前は笑わせない!』といった心境になりました!」←どんな怒りですか?)を爆発させていたそうです。そんな難産の末に生まれた続刊ですが怖いだけではなくて色々な裏事情も拝めて面白かった話でした。

 第15話・単独行…「新聞に載っていないだけで色んな事をしている人は沢山いると思う。」

現在ではバラバラ殺人で山中に埋められた死体や幼児誘拐殺害などの事件でもすぐに犯人が捕まっていますが考えてみればそれはどれもこれも「防犯カメラに姿が映っていた」とか「知り合いの●●と最近険悪だった」とかの関係者の犯行であって、彼女のように防犯カメラの無い山で単独行している人間を鉈で殺すという「行きずりの殺人」では証拠も見つかり辛いし死体すら発覚しないかもしれないと別の意味で怖くなったものでした。今も昔も女の一人歩きは危険だという話です。

 第27話・賞味期限…「先生は私の霊感が弱くなるように、いわば一種のフィルターを掛けてくれたの。でもね、フィルターだから賞味期限があって時間が経つとまた徐々に見えだすのよ。」

強い霊能者から回路を閉じるように封印のようなものを授かるというのは他の本でも読んだ事がありますが(「地獄先生ぬ●べ~」でも霊感が強くなってしまった生徒に主人公がやって霊を見えないようにしてあげる話がありましたが。)その封印が永遠じゃない事は初めて知ったので多少新鮮な話でした。生きている時も死んでからも迷惑をかけ通している霊達(「マトモな人間だった感じがしないのよ。つまり生きている間から既に人に迷惑ばかりかけてきて、どうしようもなくなったから死んでみた、みたいなロクデナシばっかり。」by語り手)に思わず怒りも湧いてしまったものです…ゲフッ!

 第29話・改修工事…「拝殿の改修工事なんて神社の魂の部分をいじったりするときにはかなり力のある人がきちんとしなくちゃいけないのに。多分そこの宮司には力が無かったんだと思う。」

オマケに封じられていた本来の霊道(霊の通り道。道路と関係なく建物を突っ切る場合もある。)は自分のマンションを通る事もあってシャワーを浴びている時にモロに見て気絶までした(いくら男の霊でも「キャアアァァ!チカーン!」という漫画みたいなノリの応対はできなかったらしい。実際の痴漢の場合、意識を失う方がヤバイ気がするが…ゲフッ!)投稿者さんは早々に実家に帰る事にしたそうです。今では地元でも有名な事故多発交差点となってしまった周辺地。(「力が無いから未だに溢れちゃってるのね、封印したのが…。」)交通事故にはそういう場合もあるのかと納得したものでした。

怖い本⑨

2009.12.21
 折しも東日本大震災の年の夏に刊行された巻で「やっぱり地震関連の心霊現象ってあったんですか。」と読者からも聞かれたそうですが、内容を読めば分かる通り、震災関連の怖い話は犠牲者(死者)の数に反して不思議と聞かなかったそうです。思うに「怪談」というのは文字通り「怪を楽しむ」ものであって「シャレにならない大惨事」(もはや全然笑えない事態)は逆に誰もネタにしない(皆そこまでの悲劇を笑いもの(娯楽)にしないだけの分別があった。)のではないか、という著者・平山夢明先生の見解(前書き)が載っていました。ちなみにこのシリーズも9巻でとうとう完結したらしく、以降の巻は未だ発行されないまま終わっています…。

 第9話・足跡…占い師「アンタはエライ物を身につけているわねぇ。アンタの背後には金色に輝く毛を持った立派な雄猫が守り神としてついているよ。ここまで神獣に近いものは見た事がない。魂の穢れを全く知らないものを育てる以外にないのよ。アンタは凄いね。」

生まれたばかりで眠ったような顔のまま小さな舌を出して死んでいた子猫…縁もゆかりも無いその子を埋めてやり、翌日には線香と花を添えてあげた事から寄って来られた彼女(「多分、生まれたばかりで自分が死んだことすら分からないんだよ。それでたまたま親切にしてくれたあなたを親と思い懐いているだけさ。祓ったり嫌ったりするのは自由だけど少しの間は放っておいてあげるのも供養だよ。」by同僚)ですが、ここでポイントなのはその子が目を閉じて苦しまずに死んでいたこと。目を開けて死んでいた猫は苦しんで死んだ猫(そして最後の最後まで死にたくないという執念ばかりが残った猫)だから埋めてあげてもお供えをしても関わり合いになっただけで祟られるという話を読んだ事があります。害の無い猫でも放っておいてあげるうちに死んだことを理解して守り神にならずに普通に成仏する子も多いでしょうし、これは本当に希有な例と言えるでしょうね。

 第12話・闇滑り…「トシさんが発狂した原因に思い当たる事はほとんど無いんですけれど…あの7墓のお墓が関係してるのかなって今では思う時があります。墓石の底辺が最近引き抜かれたみたいに周囲の苔むした状態に比べるとあまりにも綺麗だった、あの墓…朽ちた無縁仏を山の斜面に落としたのはトシさんだったのかなって気がしてるんです。」

そうでもなければ都内からも車で日帰り可能のアクセス便利な所に超都合良く山奥の広場なんか有る訳ないよな…(「周囲は木がこんもりしているのに本当にそこだけ舞台みたいに日が当たる。ちょっと珍しいくらいに良いロケ地でした。立ち回りも可能な場所でしたし機材の搬入もできる。撮影監督もさすがはトシだなんて褒めてました。」)と投稿者の解釈に納得してしまいました。監督にも褒められて、いよいよこれからという時に映画製作自体を中止にされるってある意味最高の復讐だと祟りの内容にも頷けたものです。普通に場所を選べば良かったのに(「普通は過去に撮影した場所を参考にして使うって事が多いんですよ。だって森なんて作品が違えば同じ場所だってお客には判らないんですから。」by投稿者)変に気合入れて罰当たりな事をするから報復を受けるんだとトシさんの行き過ぎた行動にツッコミを入れてしまった話です…。

 第32話・予知…投稿者「この部屋って予知が出来るのよ。今まで2回も見た映像通りの怪我をしたの。」
友人「それは予知とか警告とかじゃなくて、ここにいるからそんな目に遭わされるんじゃない?この部屋でしか見えないんなら、それこそ部屋がおかしい証拠だよ。」

一般人を予知能力者に開眼させるより小細工を弄して未来日記にしてしまう方がよほど話が簡単だというオチでした…ゲフッ!(そもそも予知という警告(「気をつけろ」というサイン)だったら予告がある分余計に防ぎやすそうなものですしね。)という訳で友人の親切な忠告(現実的解釈)も有り3度目の正直にしてようやく部屋から脱出した彼女。引っ越した後は何も起こらず無事に平山先生に話を語っている辺り、やはり部屋が原因だったようです…。

新・恐怖の百物語

2009.12.20
 関西テレビ放送の編著です。1991年の4月~9月まで放映され驚異の視聴率を誇りホラーブームの先駆者となった伝説の番組「恐怖の百物語」(そうか、あの時代のホラーブームに火をつけたのはこれだったのか…。)に多数のリクエストが殺到し新シリーズとして「新・恐怖の百物語」が制作・放映→活字化されたのがこの本だそうです。(旧作版「恐怖の百物語」も活字化しているらしいがこちらはまだ未入手。)活字化するに到って筆を加えた部分も多いそうで(某ミステリーハンターさんが編集した「肝試し・恐怖百物語」に比べて)文章が上手いのはそのおかげかと納得もしたものでした…ゲフッ!

 フランス人形「ユキちゃん」のしわざ…勝手にクーラーをつけたり(電気代の無駄だっての。)家への電話をガチャ切りしたり(電話応対としてはかなり失礼。喋る気ないなら受話器を取らないで下さい。)勝手気ままに動き始めた「ユキちゃん」。あまりにも大切にされて人間のように扱われた人形は自分も本当の人間(対等な家族の一員)だと思いはじめ歩き出したり喋り出したりするそうです。(まるで生まれた時から大切に飼われたせいで人間への媚びを忘れた猫のようだ。)挙句の果てには持ち主が大人になって人形を構わなくなったり結婚して夫や子供に愛情を注ぐと焼きもちを焼いて呪いをかけることもあるそうで(まるで子犬を構う飼い主を恨んで「かまうの辞めろ!」と手に噛みつく犬のようだ。)大切にし過ぎるのも考え物らしいです。(犬猫でも飼い主に順位をつけたりという知恵が働く位なので自分が人間だと思い始めた人形は余計に思考能力が働いているのでしょうね。)「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」ということわざ通り、何事もほどほどが一番のようです。

 深夜残業の午後11時になると…「君があっさり採用が決まったのは前任者がいなくなったからなんだが…実はその人は会社を辞めたんじゃなく、自殺したんだ…。」

だったらお祓い位して下さい、会社の方々…(しかも部屋の窓から飛び降りたという会社内での死亡だったんですから。)とそのまま何事も無かったかのようにその人の机とパソコンを使わせる会社のアバウト具合にツッコミを入れてしまいました。もちろん悪いのは会社の金を使い込んでバレそうになったから死ぬことに逃げた前任者ですが、そんな周りの人間の迷惑を考えない人間だからこそ死んでもその性格は変わらないという事は有りうるらしいです。ともあれ中途採用で条件のいい会社に何事もなく入れるという「美味しい話」はやはりこの世には存在しないようです…ゲフッ!

 死神を呼んでしまった私…死にたい、死にたい、と願っていると(「じれったい!いつになったら決行するんだ!?」と待ち切れなくなるのか)時にこの世ならざる者を呼んでしまうこともあるようです。(別バージョンで「死神」でなく「三途の川の渡し守」を見たという人もいました。)とはいえ本当に死にたい人は誰にも止められない状況を選んで黙って決行するものなので(クラスの友達が見ている前でわざわざ5階の窓から身を乗り出すなんて「さあ、止めてくれ!」と皆に向かってアピールしているようなものです。)この人の「死にたい」願いは所詮口先だけで自分の命を餌に他人の注目を集めようとしていただけだったのでしょうね。(無意識の下の行動ですが。)そういう不純な動機は必ず我が身に皺寄せを呼ぶものです。死神を見て初めて「死にたくない!」という自分の本心に気づいたのは皮肉な結果と言えましょうね。

まんが残酷グリム童話④

2009.12.19
 本屋で見かけてつい衝動買いしてしまった本にして夏に友達に貸した本の続編。(このシリーズはクオリティが高くて好き。)冬なのに寒い季節だというのに、ほとんど話題作りの為に貸してしまいました。(ご、ごめん、よしみつさん…。)ところで、グリム童話にはまだ「狼と7匹の子ヤギ」「靴屋と小人」「瓶の中のオバケ」などなど色々な話があるのですが第5集は出ないんでしょうか…?(まさかとは思いますがエロスが盛り込める話じゃないとダメなんでしょうか…ゲフッ!)

 「ヘンゼルとグレーテル」…後家さんがひたすら可哀想な話。(住居・食事の提供までしたのに嫉妬に狂った妹のエゴの為に殺されてしまうなんて…せめて麻酔が欲しかったです。)ヘンゼルとグレーテルは森に捨てられたことをきっかけに「自分達さえ良ければ何したっていいんだ」(手本を示すべき大人である親が自分達の都合の為に子供を捨ててそれで良しとしてるので。)という間違った学習をしてしまったんでしょうね。ヘンゼルとしては後家さんが上から目線で自分達を憐れんでいるのに我慢ならずに、優位に立つ為だけに彼女と関係しただけ(いつでもできる妹との添い寝よりも、後家さんを征服して自分のエゴを満たす方が彼には重要。)で始めから何の愛情も無かったんでしょうね。(むしろ金持ちの余裕を感じて苦々しく思っている。だから後家さんか妹かの選択を迫られると妹の方がまだ大事。)人を助ける時は自分の命を捧げるつもりで手を差し伸べなければいけない(無縁仏の類に手を合わせると、とり殺されて連れて行かれてしまうのと同じ。善意を差し伸べても美味しい所だけを持っていかれてしまうことが多いのだ。)という教訓を感じてしまった無情な話でもありました。(それにしたってこんな結末…後家さん…。)
ちなみに親父さんが言っている「魔女の財産は奪っていい。」というのは魔女裁判の後、異端審問官が処刑される魔女の全財産を没収できた(懐に入れてきた。)という事例のことを言っている(魔女狩りがあそこまで盛んになった理由の一つがこのシステムにある。)のでしょうね。でもそれ、一般人である君達が行使しても100パーセント純粋な犯罪にしかなりませんよ?

 「ラプンツェル」…ずっと昔やってたアニメ版では子供を連れ去った魔女(もちろんその話では血の繋がりなど無い。)は「これからお前達夫婦には次々と子供が授かりやがてこの子のことは忘れてしまうだろう。」と預言を残して去っていき、その予言通り子沢山となった夫婦は本当にラプンツェルの事を忘れてしまった…という子供向けにしては酷い展開をやってしまっていました。(それでいいのか、親として!)
恋人を奪った母親を麻薬漬けでボロボロにした挙句にその子供は娼婦にする…なんて復讐にしては物凄く見事な出来栄えに思わず感嘆してしまった覚えがあります。(小説「本当は怖いグリム童話」では恋人に騙された女がどこぞの赤ん坊を娼婦に仕立て男を騙す復讐劇をする話だった…が、何十人騙しても裏切った恋人さんがどこかでのうのうと幸せに暮らしてるならあんまり意味ないのでは?とツッコミを入れてしまったものでした。)いつも理不尽な扱いを受けてきたゴテルおばさんも(この話で一番悪いのは期待を持たせて裏切ったハンスだと私は思う。)も娼婦以外の道を与えられず軟禁されてきたラプンツェルも(自分の不幸に気づいてないけどこんな人生って…。)目を潰された王子様も(でも、やめられないんだ、SMプレイ…ゴフッ!)ある意味、皆被害者で哀れだというのが切なく感じる話です。

 「ねずの木」…そういえば「夫の子供を授けて下さい。」とはお願いしてなかったね、お母さん…。(種族を越えて誘われたと解釈してしまったのか、ねずの木よ…ガフッ!)というわけで木と母の間に生まれたハーフのお兄ちゃんは鳥に変身したり、首がもげて食事にされても生き返ったり、およそ人間では有り得ない超能力を発揮しています。死んだ母親に似たおかげで父親の子供じゃないことは誰にも気づかれていませんが、本人がそれを知ってる辺り木とも会話が可能(ますます人間離れしていくな、お兄ちゃん…。)だという確証にもなっており、正直これからの展開が凄く気になる話でもありました。(取りあえず血の繋がってない妹の操が心配。)余談ですが、この話の「夫」は我々兄弟の中で「結婚したくない男ナンバー1」として最低の評価を貰ってもいます。

はるかなる風と光

2009.12.18
 「時の大きな流れの中で人の命は、一生は一瞬に吹きすさぶ風のようなもの。だが時に光を留める事もある。」というナポレオンのセリフ(を言わせたのは美内すずえ先生ですが)にもちなんで遙かな歴史の中で風のように光のように生きたヒロインの生き様を描いた傑作長編です。舞台はフランス革命後のイギリス。かのナポレオンも登場しますが大海亀(!)が出てきたり基本的にはフィクションなので(その割にはナポレオンの生涯や大陸封鎖令などよく調べられていますが。)鵜呑みにはしないで読み進めていきましょう。

 エマ・オブライエン…アドルフ「君は大きくなったら何になりたいの?」
エマ「イギリスに行って伯爵夫人になるの。」
アドルフ「伯爵夫人だって?君が?社交界に叶ったしとやかな女性であってもたかが商人の娘じゃ愛人が良い所だよ。」

そう、おばあ様がクロフォード家男爵令嬢であってもエマ自身の父は商人、母は原住民の族長の娘とエマ本人は貴族ですらない(親戚に貴族がいる、というだけで置いて貰っている厄介者である。)ので由緒正しい伯爵家の嫁になど望むべくも無い立場なのです。(ちなみにおばあ様の血統にしたって公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵と爵位の中では最下層の大した家柄でもない貧乏貴族なのでクロフォード家に正式に引き取られてもやっぱり身分は釣り合わない。)なのでエドワードとはどんなに愛し合っても2人が結ばれない事は始めから決まっていたんでしょう…ね。(駆け落ちでもすれば話は別だが温室育ちのお坊ちゃんであるエドワードにそんな事ができようはずも無い。)ともあれキング島第一の彼女は男との恋愛など島の二の次の問題(可哀想なエドワードとアドルフ…。)であり優先順位を葛藤しながらもちゃんと分かっている辺りはナポレオンが認める通り支配者の資質抜群だったのでしょうね。(思えばやり手の父親と行動派のモリオ族の血を同時に受け継いで開花したDNA良い所取りの子供だったのだろう。)実際にこんな豊かな島があったらイギリスが手を引いても他の国にすぐに侵略されていそうですが(長年続いた歴史あるポーランドすら一時期世界地図からその名を消している。アメリカもインディアンから土地を全て奪い尽くしての建国ですし、他国への侵略は実は歴史上よくあること。たかが島国一つなどハワイのようにあっという間にモノにされてしまいそうな気がします…ゲフッ!)そこは漫画、再生への希望を持って幸せに終わっています。まあ、エマの存命中だけでも王国として健在ならそれで良しとしましょうか…ゴフッ!

 エドワード・スチュワート伯爵…「おじい様、僕はあなたの人形ではありません。自分のやがて愛する人は自分で見つけます。」

そう願っていたけれど、おじい様の哀願に負けて好きでもない女性と意にそまぬ結婚をせざるをえなかった悲しき相手役の一人です。結婚しても性交渉までしていたのかどうなのか、確実に他の女(アン)と浮気していたであろうアドルフの性生活を思うと、そんな男に負けたのかと悲しくなってきます…ゲフッ!「今でもエマが自分を思ってくれていたら、エマとやり直す事が出来たら」とおそらくその微かな望みだけが彼の全てだったでしょうにアドルフが好きだとキッパリと望みを絶たれ挙句に槍で刺された傷が原因で早世してしまった最期にはもう涙しか出てきませんでした。彼がもし生きていた所で希望も何もなくなった生ける屍(人形)のようにしか過ごせないのも重々承知していますが家に振り回され家に運命を狂わされそして家の為に死んだ(彼とエマが引き裂かれたのはおじい様の画策であり彼が軍に入ったのは家に居たくないが為である。)どこまでも思い通りに生きられなかった生き様には同情しかできませんでした。結局、家の重さに勝てなかったんですね、この人…。

 メアリ・スチュワート夫人…「家の為に愛してもいない私と結婚して不幸だったと後悔してらっしゃるんでしょう?それは私も同じ事。でもあなたに未練は無くとも伯爵夫人という名に未練が残っていますわ!」

結婚当初はお家同士の政略とはいえ、彼女なりに幸せを夢見ていたのに当の旦那は昔の恋人の面影を追っていつもうわの空、彼女から逃げる為に軍の仕事に没頭している様(「進んで死地に行くほど自分が嫌かよ!」とこの辺でもプライドを傷つけられた事でしょう。)にわずかにあった愛情も消えうせたんでしょうね。結局エドワードとの間には子供を成せないまま戦死されてしまい、彼女の弟(男の子)という跡継ぎは確保できている(家の存続そのものに問題は生じない)ものの愛情の無い結婚は最終的には誰も幸せにしないという良い見本になってしまいました。最もこの縁談はエドワードがおじい様に強要されたのと同じく彼女にとっても家同士で決められた断りようの無い話でありメアリもまた被害者である(短的に言ってしまえば子供達の気持ちを無視して自分のエゴでこんな縁組を決めたおじい様が1番悪い。)とは言えるでしょうね。立ち位置的にはエドワードをなじる悪妻ではあるけれど、全然歩み寄ってくれない夫へのやるせなさもあったでしょうし、多少、同情もしてしまった女性でした。

 アドルフ・クレメンズ…「ある日飼っていた小鳥が逃げた。でも空腹になると、稲妻が走ると、荒鷲に狙われかけると、必ず戻ってきた。戻ってくるのは俺の元しかないのに小鳥は俺のものだという事を知らないんだ。」

完全なる小鳥の貢ぐ君じゃないですか!(小鳥がアドルフのものというよりアドルフが小鳥のものであると言った方が正確なような…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまったものです。エマとは軽口を叩きながらのどつき漫才夫婦のような関係(「チビちゃん」発言と合わせてガラスの仮面の真澄さまとマヤのようだ。)で顔面通りに受け止めてしまうエマの性格からなかなか進展はしなかったものの客観的第三者(エドワード、アン)から見れば彼がエマに気が有るのはバレバレで最終的には彼と結ばれる結末は思えば始めから決まっていたんでしょうね。子供の頃から主人公一筋の一途な男ではあるのですが…惜しむらくは下半身は一途ではなくて他の女と適当に遊んでいた点でしょうか?(出会った当初、主人公は8歳。大人になるまで10年近くも待つのが10代→20代の若さ溢れる男として辛いのは重々承知してはいますが…。)とはいえ他の女性とは深入りはせずに遊びと割り切り陽気にお別れできる辺りは男の実力というか甲斐性ではありましたかね?(彼がエマと結ばれた後アンが「酷い男ね!さんざん人の体を弄んで!慰謝料払ってよ!」と詰め寄る展開にならない辺り女の選び方・あしらい方をよく分かった出来た男ではあったかな…?真澄さまにもこれ位の対女性社交術があれば今ほどの泥沼にもならなかったかも…ゴフッ!)エマとカップルになるもお家はビューロンの港町にあるのでこれからは通い婚状態なのか(商売を考えるとその方が有利か。)子供が生まれたらどっちで暮らすんだ等々その後の想像も色々してしまった相手役でした…ガフッ!

 余談…人物相関図において
 エドワード→真澄さま(主人公に恋するも家の圧力に負け愛の無い婚約者との結婚を決めざるをえなかった男性。)
 メアリ→紫織さん(由緒正しいお家のお嬢様。婚約者の事はそれなりに好きだったが当の本人の心にはいつまでも他の女が住んでいる事実から悪役という婚約者を苦しめる存在に変貌した。)
 アドルフ→桜小路くん(恋人のアン(舞)と適当に遊んではいるが、その実、本命は主人公1人で彼女といい感じになりそうと見るとサッサと恋人を捨てて美味しい所を持って行く。)
…という構図が見えてしまったのですが作者は同じでもこれは「ガラスの仮面」とは別の物語ですし真澄さまがこれ以上不幸になる姿は見たくないので違う結末を迎える事が出来ればと切に願っています…。(ていうか、いつ完結するんでしょうね、ガラスの仮面…。)

魔女メディア

2009.12.17
 解説によると美内先生は「読売国際漫画大賞」という世界的にも有名な漫画公募の選考委員(課題の設定、ジュニア・一般部門の一次審査、最終選考会と世界各国から寄せられる約一万点の作品を(十数人の選考委員と共同作業とはいえ)見なければならない。会合も4、5回ある。ガラスの仮面の連載が遅れるのはこういう所にも原因があるのかもしれない…。)も行っているそうで、その席で「美内さんて理論家だねぇ。漫画家であれだけきちんと話す人はいないよ。」とやなせたかし先生がしきりと感心していた、と解説に書いてありました。課題についての論議で皆思うように話せない中美内先生だけは理路整然と自分の意見を言えていたそうで、こんな立派な人は当分選考委員を辞められないだろうなあ、と複雑な思いで読んでしまったものでした…。

 魔女メディア…神父「メディアは召使いに命じ近隣の若い娘を片っ端からさらい魔王の生贄に捧げていたのです。その生贄の数は600人とも言われ犯罪史上最大の殺人です。」

名前こそギリシャ神話に登場する魔女メディア(金の羊の毛皮を取りに行くアルゴー船の英雄(アルゴタウナイ)の一人イアソンの妻。夫に捨てられた事を苦に息子2人を殺し出奔した。)と同じですが、600人越えの娘殺しといい拷問器具といい中身のモチーフはむしろ血の伯爵夫人エリザベート・バートリーに近いな(最もバートリーの狙いは悪魔信仰でなく人々が苦痛に苦しむ顔を見たり、体を切り刻ませたり、純粋なサド精神で鉄の処女等の拷問道具を使っていたそうです。(余計にタチが悪いわ。)何はともあれ600人もの犠牲者が出る前に気づけ、皆の衆とツッコミを入れようとした所、皆うすうす気づいていながら「だって名門バトリー家だし…。」と見て見ぬ振りが続けられていたという背景がありました…ゲフッ!)と感じてしまった女性です。彼女に憑依されたおかげで主人公リリー(の人格)はほとんど出番がない訳ですが、あれだけハデに魔力を使っておいて「全部メディアのせいだった」で通るのか、婚約者の前でリリーへの愛を告白したピエールといい、彼女に拷問器具で足を砕かれたキャロラインといいこれからしばらく人間関係荒れるだろうなあとハッピーエンドと裏腹に暗澹たる思いが残った話でもありました…ゲフッ!

 人形の墓…アナベル「セーラ、分かるわね。おばさんは今、危篤よ。あなたが私を殺そうとした行動の為に心臓発作を起こしてしまったわ。死ぬかもしれない。これで本当におばさんが幸せだったとでも思うの?あなたではおばさんを幸せにはできないのよ!」

策士、策に溺れるというか、予定外の事態により相手を追い出すつもりが逆にライバルに好きな相手を奪われて立場を無くす結果になってしまうとは何とも切ない話です。そして自分で招いてしまった事態であるが故に何も言えない(何故ならば自業自得だから)辺りも…なんだか化けの皮が剥がれた紫織さん(ガラスの仮面)みたいで見ていて胸に迫ったものでした。(思えばジュース事件も指輪盗難疑惑も弄した策の数々が全部同じネタ…次は農薬混入に骨折ネタか?)最後は自殺という最悪な形で終わりを遂げたセーラでしたが願わくばガラスの仮面では紫織さんにこんな結末を迎えさせないで下さいと祈りを込めてしまう次第です…。(そうなったら後味悪過ぎです、ガラスの仮面…。)

 ビクトリアの遺書…ビクトリア「私は無実の罪を晴らせないまま死にました。王は永遠に私に裏切られたと思ったままでいた事でしょう。それが悲しいのです。私の王への愛を疑われたままでいるのが切ないのです…。」

自分を信じてくれず火炙りにまでした男をよくそこまで愛せたもんだ…(真犯人は自ら毒杯をあおったテレーズだと分かったにも関わらず「テレーズも可哀想だから。」と何もしていないビクトリアの濡れ衣はそのまんま放置したって酷い男だと思うが…。)とビクトリアの愛の深さにはオスカーならずとも感服させられたものでした。(「なんて不思議な人なんだ…。」byオスカー)でも何の為に生まれ変わったのかというとナナとして新しい人生を生きる為(この人生は「ナナ」のものであり「自分の人生」は既に終わっている。)であって前世が蘇っても事態が解決したら2重人格になる訳でもなく自ら消滅した様はいっそ潔いと感じた話です。しかし、前世では陰謀に巻き込まれて早世し、今世では両親を事故で亡くし親戚の厄介者になっているってビクトリアはつくづく運の無い魂だったのだなあ(呪われてでもいるのだろうか?)とも思ってしまったストーリーでもありました…ゲフッ!

 余談…「人形の墓」にて腕を骨折し全治2週間の診断を受けたアナベルにたった2週間で骨折が治るなんて若さは凄いな!(桜小路くんもあと10年若ければ交通事故に遭ってもサッサと治って紅天女試演に間に合ったろうにね…。)と別の所で感心してしまったものでした。(子供だと一週間で骨がつく事もあるそうです。つくづく若さは素晴らしい。)

怖い本ベストセレクション

2009.12.16
 ええ~、ほとんど今までの話の再録じゃないですか~、と内容にちょっとガッカリしたものの(それが「ベストセレクション」という物なんだってば!)古本屋をはしごしてもなかなか全シリーズ揃えられない体たらくを考えると、少しでも「新しい話」が読めた事に素直に感謝できたものでした。(で「怖い本」の10巻以降は、いつ頃発刊を…?)怖い話というものは「忘れよう」とするもので話しているうちに「誘われて思い出した」話の方が内容が濃い、という表記から私もついこの間経験した猫の話を思い出して納得したものです。本編シリーズの方もボチボチ探していこうと思います。

 第1話・頭…高野「花を買ったり、お供えできる金は無いし、続かないでしょ。でも立ち小便なら毎日できるし続けられると思ったんだよ。」

いや、毎日オシッコかけながら「俺の頭を良くしろ!」なんて、嫌がらせを元にした脅迫じゃないかと本人だけは「お願い」をしているつもりだったのに、現れた社の仁王が物凄く怒っていた(そりゃ怒るって。)有り様に納得したものでした。結果として「頭を良くしてくれたら、僕はそんなに長生きしなくても良いです。」という「お願い」の通りに早死にしてしまった高野くん。(「願いは叶えてやったんだ。だからお前も約束を果たせ。」by仁王)あるいは親の勧める通りに中卒から職人として生きて行った方が長生きも出来て幸せだったかも知れないのに、思うに根本的に「頭」の悪い男だったんだろうなあ、と実感した話でした…ゲフッ!

 第22話・いびき…伊方「実はその部屋、前の住人が死んでるんだよ。脳溢血で孤独死。」
平山「お前、そういうのは教えないといけないんじゃないのか?」
伊方「あ、いいのいいの。事件や自殺じゃなくて『病死』だから。殺しとかだと5年は告知義務があるけれど『病死』は、いいのいいの。」

死後1ヶ月が経ってから8月の一番腐りやすい時期に見つかり、幽霊の存在が確認されなかった時でも臭いがきつくて借り手がつかなかった部屋なのに、↑の理由で借主に真実は伏せられ、酷い場合には家賃も周りの部屋と全く同じ(普通だったら「いわくつき物件」は周りの部屋に比べて家賃は不自然に安かったりするのですが…この部屋はどうだったんだろう?)という体たらくに「…。」と思えたものでした。酒の勢いで部屋に入ったとたん「ご本人」に遭遇した投稿者(不動産屋)ではなく借り手のOLの方に同情した話です。発見したのもこの投稿者ですが「部屋の中には法律上、私は入れませんので確認の方をよろしくお願い致します。」とその目で見た訳でもないですし、幽霊に会ったのも自業自得の行動の結果ですし、微妙に思えた顛末でした。

 第39話・赤鬼と青鬼…加納「人間は腐るとガスがたまって倍位の大きさに膨らむんですが、陸で腐ると表面に血がゴボゴボと上がってきてしまうので『赤鬼』。水中腐敗したのは白っぽくなるので『青鬼』って呼んでました。写真だけでもこれだけは絶対に勘弁してほしいなあ、と思わせる迫力がありました。」

礼儀作法を身につけるには葬儀屋のバイトが一番(ことお客様の心境を配慮する事では、この業界に勝るものは無い。)、心身的に参ったらバイトでも「色をつけて貰って」30万もの大金を手にできる(私の給料の役2倍じゃないか!バイトのくせに!)という表記に、映画「おくりびと」の世界だなあ~(あの映画でも「片手でどう?」と経験も無い新入社員にいきなり50万円の高給だったしな。)と実感したものです。でも映画で描かれていたように腐乱死体の処理はあるわ、周りからは「死人を食い物にしている男」として偏見を持たれるわ、この話からも分かるとおり、最悪な場合、霊が家までついてきちゃうわ、大変な仕事なんだなあ(職業に貴賤無し…か。)と改めて思えたものでした…。

怪談 本当に起きた話

2009.12.15
 隣家にいた霊が自分の家に越してきてしまったという話があり多大な費用をかけて引っ越しをするより先に塩で掃除をし(場を清める。ベッドなど布系の物は岩塩を入れた水を霧吹きでかけると良いんだそうな。)お香を焚く(煙にのせて霊を家の外に出す。外に出された以上「清められた場所(家)」に霊はもう入れない。)か、餅は餅屋で霊能者を呼ぶか(霊能者の手にも負えない霊だったら引っ越ししかないけれど)「家を返して貰う」手段を講じても良かったのではと色々中途半端な知識を知っている私としてはツッコミも入れてしまった体験談もありました。という訳で琴線に触れた怖い話ベスト3の感想です。

 死の旅行への誘い…K「実は旅行にS君とY君とR君を連れて行くんだ。小学校の時の同級生の。」
友梨「どこに行くの?K君達も海外?」
K「いや、違う。けど、遠い所(=地獄)。」

事故の前日3人は「誰か」からの電話が原因でS君の家に集まってドライブに出かけることにしたそうで、K君が自殺した場所にわざわざ行っている事から考えても「Kからの電話はいじめを知っていた『誰か』からのイタズラで、あいつは死んでいなくなったんだ。」と彼の死を確認して安心する為にした行動だったんでしょうね。(それこそがK君の狙いだったとも知らずに…。)何年経とうが許せない事は許せない「連れて行って」しっかりと復讐を果たし、庇ってくれた投稿者を事故から守ったK君の道理に叶った行動に拍手したものでした。(オイ!)

 虫の祟りは移るんだよ…「子供を失いたくなかったら大切にしている事を隠して汚物のように扱いなさい。汚物を取っていく物好きはいないんだから、質の悪いよそ者に可愛く思っている事を勘づかれてはいけないよ。」

中国のとある地方では可愛い子供が悪鬼などに連れ去られないように「この子は本当に可愛くない子供だね~。」と声を掛ける風習があるというのを思い出しました。立派な地主のご一家から友達のMちゃんの家へ、そして投稿者の赤ちゃんへと全く関係ない人間に現象が出た辺り確かに祟りが移っている(物凄い迷惑な移り方だ…。)とも実感したものです。口先だけで悪口を言い表面を取り繕いながらも実は大切に扱っているという先人の知恵に敬服した話でした。

 恐怖の写メール…「気になるんなら消去しとけば?」

結果サッサと消去した友人には何も起きずに、うっかりそのままにしてしまった投稿者にだけ心霊現象が起きてしまった辺り「少しでも気になるもの」はもしもの事が起きる前にとっとと処分しておくのが正解(そもそも心霊スポットで写真など撮らない方が正解)のようです。心霊現象が起きたのが数日経ってからという辺り最初は怪奇現象が起きなかったからと言ってもどうなるか分からないんですね。いわくつきの場所で撮った写真など放置しておくべきではないという教訓話でした。

怪談実話~こめかみ草紙~串刺し

2009.12.14
 「ええ~、『幽』がテーマの連載って、既に心霊物は他所(「怖い本」シリーズ)でやっているし、狂った人間の話(「東京伝説」シリーズ)もやっているし、『同じこと』をあっちでもこっちでもやるのって微妙だから、どうしようかな?」「お前、そういえば心霊物にしても『なんだかよく分からない話』があるって言ってたじゃないか。」という流れから、まるで都市伝説のような(時には心霊現象をすっ飛ばして超常現象が起こっている)この一冊が出来上がったんだそうです。平山先生節はそのままに、なかなか楽しめた本でした。

 蛍火…荒井「いきなり蛍みたいにぼんやり光が浮かんだんだ。一瞬、何だこれは!俺は成人式の日に飲酒運転で起こした事故で失明して見えねえんだぞ!バカにすんなって思ったね。」

それでもつい、いたずら心から触れようと手を伸ばした結果、光の粒はそのままに自分の手だけが抜けて菊の花束に触れた(要するに「事故現場」だった。)事から、「視力」を失った人間でも霊って見える物なんだ…と感心すると同時にそれで見える物が腐乱した人間の姿(だけ)なら「見えない」方がまだマシだ(「今では暗い方がホッとする。闇が良いよ。真っ暗闇で充分だ。」by荒井)という彼の意見に頷いてしまったものでした。襲われた時にとっさに仏骨(喉にある急所のツボ)をついたおかげで、元々は通りすがりに怖がる人間を見て面白がってついてきただけの霊(地縛霊ならぬ自爆霊。)に過ぎない奴は「痛い目にあった」事で消えてくれた様子ですが(実際「その程度の霊」なら元が小心なだけに肘鉄を喰らわせれば引き下がるパターンが多いそうな。)それまで何日も部屋に居座られた荒井さんはいい迷惑だったろうな、と秘かに同情もした話でした…。

 ガスパン…院長「死んだ沖田は顔がこう断末魔の果てのような無残な形相だった。多幸感が味わえる笑気ガスを吸ってあんな顔になるとは…それだけが謎だ。」
看護婦「沖田先生が死んだ晩には病院の角で交通事故は起こるし、もう大変だったんですよ。」
貫井「ガスを吸っている間は他人に憑依できる沖田は、もしかしたら馬鹿な実験をして、そして見てはいけない物を見たんじゃないかなって思う事があるんですよ。」

今でも歯科治療で使われる事がある笑気ガス(硝酸アンモニウムを240度以上に加熱すると発生する亜酸化窒素。鎮痛作用を及ぼし、吸った人間は表情が弛緩して笑っているように見えるのでそう呼ばれる。「ちびまるこちゃん」のさくらももこも歯科治療の時に「麻酔注射が怖くなくなるから。」と使ったそうだが「マハラジャの気分でいた時に注射され、突然暗殺された気持ちだった。」と語っている。)ですが肉体的な後遺症や中毒性は全く無くても精神的な依存からハマることはあるそうで、吐きながらも繰り返し毎晩行っていた沖田(吐いたその時に懲りなよ。)は精神に変容をきたしたせいか↑のような幽体離脱&憑依現象まで体得してしまったそうです。おかげで通行人に憑りついていきなり道路に飛び出した時(「まさかそんな動きをするとは思わなかったのでブレーキを踏む間もありませんでした…。」by運転手)には精神的な衝撃から自分の体に戻っても心臓麻痺を起してしまった彼。(ショック死って奴ですね。)妄想の中で現れる小人にまで「ガスパン辞めな。」と警告してくれていたのだから、素直にその意見を聞いておくべきだったな、と頷いてしまったものでした…。

 ハカナメ…ヒロコ「私ね、いつも神様にお願いしてたの。皆にいじめられないようにして下さい。友達がビックリするような力を下さいって。そしたら黒い人が出てきて、この石を舐めれば念力がつくって教えてくれたの。」
坊さん「こら!そんな物を舐めたら祟られるぞ!それは罪人の無縁墓じゃ!」

おかげで夏休みが終わると突然いつでもどこでもスプーンを曲げられるようになったものの、繰り返し舐め続けたせい(「パワーを補給しないとダメなの。」byヒロコ)で舌が黒く変色し、体から変な臭いがするわ、飼育小屋の糞尿で汚れた土を食べるようになるわ、果ては吐血→入院→転校することになった結末には「…。」としか思えませんでした。(たかがスプーン曲げの為にそこまで破滅する必要ってあったのだろうか?)何事でもそうだけど「上手い話には裏がある」(結局そんな「怪しげな話」に乗らない方が結果的には幸せだった。)という話ですね…。

 28年目の回帰…阿部刑事「被害者は薬の売人をやったり、若い時には強盗事件を起こしてたり、殴られて当然と言えば当然の男なんだが、加害者の青年が何故殴りかかったのか…殴った本人も分からないとしか言わないんだ。」
同僚刑事「被害者の奴、その強盗事件の時に、ガキの癖にその家のカミさんを縛り上げて強姦したんだよ。産まれて半年になる息子の目の前でな。…名前も調べたよ。その時の赤ん坊が彼だ。」

きっと本人にも分からない部分で彼は母親の仇を討ったのだろう…(被害者の鞄から覚醒剤が出てきて、麻薬取締法違反+今までの前歴から現行犯逮捕、加害者青年の身元がしっかりしていた犯罪歴の無い人間だった事から、この「傷害事件」は不起訴となった。)という「美談」で片付けられていた事件でしたが、そこまで分かっているのなら加害者青年にも教えてあげなよ、その内訳を!(来月、結婚する婚約者の前で、いきなり見ず知らずの男を鬼のように殴りつけて、本人も彼女の方も「どうして、こんな事しちゃったんだろう?」とビックリしているまま、放置されてるんですけど!)と、内輪ネタだけで終わりにして、傷害事件(仕事)が無くなった事だけで満足している警察の体たらくにツッコミを入れてしまったものでした。28年目の良い話とは別に、警察ってこんな組織なんだな~という実感を改めて持った話です…。

 忌梯子…院内の噂「黒い梯子を悪い土地に面した箇所から立てかけておくと、それを伝って忌み物が入っていく。『忌梯子』って言って、この土地の呪術の一つなんだって。」
山崎「この特別養護老人ホームの西側は昔、処刑場だったんだって。今はマンションだけど。」

凄いのは紙で作られた真っ黒な梯子(決して簡単な作りじゃないもの)が、見つけられては撤去されているのに、以後2ヶ月間もほんの僅かな隙を見計らっては置かれ続けていた(その前後にはやはり立て続けに死人が出て、その辺りの地主の老人が死ぬまで治まらなかった。)その執念ですかね。その時期に西側で亡くなっていた人達に限って「酷い顔」をしていた(「何て言うのかな、こう『怖い』って顔なんだよね。断末魔の叫びみたいな人もいて、平生の顔とあまりに違うんで家族もビックリしちゃって。普通は寝たきりで意識もほとんど無いから『眠るように』死ぬんだけどね。」by山崎。)事を考えると「ターゲット」だった地主老人以外の、巻き添えを食って死んだ老人達が哀れだとも感じてしまった話でした…。

 予言猿…近所「八百屋のサルに掴まれた家からは死人が出る。」
塙「実際に服を掴まれた客の何人かが葬儀の片付けで顔を合わせて、そんな話が出たんだ。あの猿に服の裾を掴まれると一週間と経たずに家の者が亡くなる。まあ、死んだのは全部じいさん、ばあさんだったから猿のせいかは微妙なんだけどさ。」

しかし、当の八百屋の娘の服を引っ張った後、都会(職場)に戻った娘がフォークリフトに引っかけられて本当に死んでしまい、逆上した店主がサルを水責めにしながら洗い殺してしまったその時、サルは自分のちゃんちゃんこの裾をしっかりと握っていた辺り、「能力」は本物だったのだろうと思われます。しかし猿の能力は相手を「呪い殺す」力だったのか、相手の家に出る「死人を予言する」力だったのか、どっちだったんだろうと考えた所で、いくら人間より脳味噌の発達していない猿でもご主人様の娘を呪い殺してしまえば怒られるのは目に見えているし、どんな馬鹿でも自分を呪殺したりはしないだろう、という至極まっとうな考え方から力は後者だったのだろうと結論が出たものでした。人間でも「もうすぐ死ぬ人が分かる」人はいるそうですが、そういう力は隠した方が良い(「最初は気味悪がられて、当たると分かると今度は嫌われるの。死ぬのは運命なのに、私が不運を呼び込んだばい菌みたいに思われるのよ。」by怖い本)らしいです。

 詛…吉永「ドアに『詛』の字が上下逆さに書かれてる。でも詛(呪い)の逆さなら『祝う』って意味になるのでは…?」
ママ「それは『呪詛があなたの部屋に降ってくる』って意味だよ。」

怪我も無いのに続いた「原因不明の出血」のおかげで仕事も辞めて実家に帰る羽目にはなったけれど、ママ曰く「逃げだして正解」(田舎で地味に生きている方が、呪い殺されるよりはずっとマシ。)だそうで、部屋限定でかけてあり、本人に対してはかけられていなかった呪いのせいで無事に生還できた様にホッとした話でした。未だに吉永さんには心当たりは無い(いやいや、些細な理由で逆ギレする、「頭のネジが緩んでいる」どころか「ネジが無い状態の人間」の中に常識は入っていないんだって。第一、普通の人間は、どんなに嫌な事があっても、それを言い訳に呪いなんかかけないし。)そうですが、犯人の女も「相当のリスクを背負ってやっているはずの呪い」でターゲットに逃げられていちゃ世話ないよな、と今頃は自分でかけた呪いの代償に無駄に苦しんでいるであろう様に苦笑も漏れたものでした…。

孔雀色のカナリア

2009.12.13
 タイトルは↑になってますが正確にはイソップ物語の「オシャレなカラス」の話をアレンジしたものです。「一番綺麗な鳥が王様だ!」というチャンピオンリーグから水浴び後の皆の羽を自分にくっつけて(つまり誰も殺していません。)美麗に登場したカラス(で「普段の姿と違う」事には誰もツッコミを入れなかったのか?)でしたが、そのうちの羽一枚がハラリと落ちて偽物だという事がバレルと、鳥の皆から「俺の羽、返せよ!」とむしり取られ、元の姿以上にハゲテテになったカラスが残された…という有名な話で、カラスは勝手にカナリアに変わっているわ、クジャクは殺される話になるわ、どんだけおどろおどろしい話に勘違いして語っているんだ雨月兄さん(本職・童話作家がそれで良いのか!?)とツッコミを入れながらも楽しく読ませて貰ったダークヒロイン話でした。

 孔雀色のカナリア…亜紀子「これでいい。12月24日のクリスマス・イブに水谷亜紀子は名古屋の雑木林の中で首吊り自殺をしたのよ。誰もその時に長野県で絞め殺されたとは思うまい!」

完全犯罪成立…とほくそ笑んでいる所、悪いですが、「絞殺死体」では静脈の鬱血によって顔面は赤紫色に腫れ上がり(首吊り死体だったら顔面は蒼白になる。)縄の索溝も首をぐるりと一周以上して深さが均一(首吊りだと首の前半だけに深い溝ができ、真後ろでは途切れている事が多い。)さらに尿の失禁跡が死体の真下に無い(離れた位置に有った場合には殺人の疑いが強い。)という明らかな特徴から一目見て「殺人」だという事はバレるよ(最も誰も双子だという事実を知らない以上、DNAまで一致しているその死体が入れ替わった別の人間だとは思わないだろうが。)と「自殺」で片づけている警察の怠慢に思わず嘆いた話でした。(この時点で捕まえておけば後に江田トメさんも刺される事は無かったのにね。)ついでに言えば証拠隠滅(クラッシュ)の為に走る車から飛び降りている彼女ですが、ガードレールを突き破るほどスピードを上げている車からそんな真似をすれば手足をついても運動エネルギーの負荷から、まず骨が折れます。この犯罪はまさしく漫画だから成功した夢の展開だな、と現実では絶対にあり得ない穴だらけの殺人計画にツッコミを入れてしまった、そんな話でした…。

 すばらしき遺産…ケン坊「惜しいことしたね。お姉ちゃんが泥棒に殺されて死んじゃったら遺産の千両箱(小判)はママと僕の物になったのにね。」
叔母「バカなこと言うんじゃありません!その時は泥棒に全部盗まれていたわよ。」

東京伝説シリーズ(「怖い人」の実話恐怖譚)によると「プロの泥棒は3分あれば部屋(ワンルームマンション)の物色を終えられる」そうで泥棒に襲われて死んだ場合、後に財産が残ることはまず無いだろう(金庫が開かなければ金庫ごと持ち出して家で破壊すれば良いだけの話。取りあえず家主が戻ってくる前に何でもかんでもサッサと持って行くのがプロの技らしい。)と息子を叱る叔母の姿に頷いてしまった話でした。(そこ?)それにしてもガラスの仮面のゲジゲジ親父(真澄様の義父)といい、美内先生の描く金持ちはよく火災に遭うな(孤児ジェーンの話といい、「みどりの仮面」の話で周り中に騙されていたビアンカといい…。)と改めて思ってしまった話でもあります。まあ、どれもこれも火災後に家族との絆を取り戻している辺りが救いですが…。

 ポーリシュカ・ポーレ…ナターシャ「役者が役者としての能力を失った時、それはもう死んだも同じ事よ!」

ガラスの仮面よろしく「照明の落下」という事故により役者生命終焉の危機を迎えた相手役(それでも月影先生のように顔(女優の命)が潰れた訳でもなく、亜弓さんのように失明の危機に陥った訳でもなく、記憶喪失だけで済んだのは物凄く幸運だったと思う。)でしたが、おそらくその経験を通して、皆チヤホヤしてくれたけれど、それは自分の「役者としての能力」を求めてくれていただけで、役者の仮面をつけていない「ただの男である自分」の元に残ってくれたのはリリアだけだった…という事実も明るみになったんでしょうね。役者として復帰できた後も彼が「その他大勢」に過ぎなかったリリアを選んだのに納得がいった結末でした。

 シャーロック・ホームズのひ孫の冒険…プリン・ア・ラ・モード館長「ええ!?こんなちんくしゃのガキのあなたがシャルロット・ホームズ探偵ですって!?」
シャルロット「かの有名な世界的名探偵、シャーロック・ホームズの曾孫たあ、あたしのこった!」

「この事件は必ず解決してみせる!曾爺ちゃんの名にかけて!」…って、金田一少年の事件簿かい!と思わずツッコミを入れてしまった探偵ものドタバタコメディです。こうして、壊れたビーナス像(自作自演事故)の責任を取って美術館の館長を辞めなければならなくなっても、贋作作り(詐欺)で財を成した犯罪者として逮捕される事だけは免れる…はずが、無駄に有能な探偵を自分で雇ってしまった為に(結局の所、人の事も美術品の事も、どこまでも見る目は無かったらしい、この館長は。)最後は全てがバレて捕まってしまったモード館長。細工(「探偵を雇ってまで犯人を捜す館長」という演出)をしようとして墓穴を掘っちゃ意味無いわな、と頷きながら幕を閉じた話でした…。

燃える虹

2009.12.12
 「虹が美しく見えるのは幸せな人間であって、不幸な人間には美しい虹すら美しく見えないものだ…。」という父親の言葉を象徴にモンテ・クリスト伯(巌窟王)のような復讐劇を見せてくれる話ですが、この主人公の物語は悪人達への復讐を遂げられて万歳!という立場逆転(因果応報)ドラマの王道の結末を迎えず、ラストは復讐を遂げた後の虚しさを感じ、新しい生活(相手役)を手に入れた事でようやく幸せを実感する(復讐を遂げても幸せにはなれない)様が描かれていたのが新しいなと感じた話でした。そんな、昔にしてはなかなか濃い話ばかりの短編集です。

 燃える虹…父ジェイムズ「仕事の取引先の重要人を麻薬患者にしておき、ロッキンガム商会と取引しなければ麻薬を譲らないとあなたは脅していたのです。3か月前に死んだ親友のテオの遺書に詳しく書いてありました。」
ロッキンガム「いくら欲しい?その遺書を買い取ろう。」
ジェイムズ「お断りです。正義は金では買えないという事をあなたに伝えたい。」

ここで原本を売り渡しながらも「コピーいっぱい取っちゃった!皆さ~ん!ロッキンガムったらねー!」と事のあらましを配布していれば賢い男だったんですけどね…。(そういう「切り札」は市長選当日まで大事に取っておけよ。)と時期尚早にカードを見せたせいて破滅してしまった父ちゃんにツッコミを入れたものでした。(あなたの言いたい事は分かる。でもこういう人間は悪事を指摘された所で縮こまるだけで改心したりはしない。)対して、娘のドーナの男心を籠絡する手管の巧みさ(「奥様のある貴方のおそば近くにいたいなんて思った罰ですわ。」「結婚しよう、ダニエル!邪魔者(恋敵の弟)は撃ち殺した!」「いいえ!頭を冷やしてお考えになって!私が一度でも『あなたを愛してる、結婚したい!』と言った事がありまして?」「あ!?」)には唸らせて貰うばかりです。(そういうカードは相手が「やってしまった」後にダメ押し(トドメ)の一声として使う物だ。)ダミーの部屋まで用意して相手を追い詰めたり、どこまでも用意周到な復讐劇(なかなかに激しく血生臭いファンタジー)には、ただ、ただ拍手するばかりの話でした…。

 ジュリエッタの嵐…粉屋「あっはっは!粉屋のおかみ王妃になるって図だよ!」
ジュリエッタ「母様の服を…母様のにおいが染み付いた服を…あんな薄汚い人達が…いや!」

薄汚いだと、テメエ!と、同じ庶民である私としては両親を殺されたこの王女より、貧困と飢餓(国王の重税)にあえいで家族を亡くしていった国民の皆さんの方によほど同情してしまったものでした。そばで何もできずに、死ぬことが分かっていて「殺されていく家族」をただ見ている事しかできなかった…それは確かに大変な不幸でしょうが、目の前の人間が「同じ不幸」を経験している(しかも「それまでは何年も贅沢に暮らしてきた主人公達」より、もっと内容は酷い。)事など考え到りもせず悲劇の王女ぶっている様(とっくの昔に没落しちゃっているのに未だに「王家の血筋」を錦の御旗に掲げているトンチキな姉。)には、その無駄な矜持のおかげで弟が飢えて、果ては死ぬ羽目になった経緯と合わせて、何と言うか…あんまり共感は出来なかったヒロインです。最後に今更になって王女の立場を捨てたのも、それ(ユーリア王家復興)の為に犠牲になった弟の事を考えると微妙に思えたり…ゲフッ!

 泥棒シンデレラ…望「いらない!もう何もいらない!美貌も、成績も、贅沢な生活も、美しい声も、人の物なんていらない!」

そういえば確かにボーイフレンドの紫門だけは「いらない」と言っていなかったな…と、一つ返しそびれているものに関して、読み返して納得してしまったものでした。(「泥棒!人の彼氏を取るなんて、あなたは泥棒よ!」by百合)望みの物を手に入れても、手に入ったその時にはもう熱は冷めてしまうという典型的な「無い物ねだり」の性格だった彼女は、おかげで屋上から飛び降り自殺を迫られるほどに皆から恨まれる羽目になった(それが本人とって何の価値も無くなった物でも「奪われた側」としてはたまらない。)事で、ようやく身に染みて性格を改める気になった様子です。(そこまでの痛い目に遭ってまで得るべき価値のある物など、多分この世には無い。)高望みし過ぎると破滅が待っている(それこそ屋上から以下略。)事を考えても、そのままで充分幸せだと気づけたのは良かった事だったのでしょうね。(百合さん1人、可哀想なまんまですが。)

あなたの隣の怖い話

2009.12.10
 ニ子玉川にある都市型テーマパーク「ナムコ・ワンダーエッグ(たまご帝国)」のアトラクション「ホテル・ザ・ヘル」(「地獄のホテル」か…名前からして、どういうアトラクションだか推し量れるわ。)のオープンを記念して開催されたのが、この「あなたの隣の怖い話」コンテストであり、グランプリ以外にも集められた1100通もの話の中から「これぞ怖い話!」とお勧めできる物を選出して、出来たのがこの本なんだそうです。(1995年のノリって…。)表紙は懐かしの電話ボックス(携帯が普及した今、ほとんど姿を消している。)の写真ですし色々時代を感じた1冊でした…。

 午前6時42分のタクシー・ドライバー…運転手「美幸さんへ。いつもご乗車ありがとうございます。けれども今日で最後です。君から恋人ができたと聞かされて私は裏切られた気分でした。私の気持ちを知っていて、そんな話をするなんて君にも失望しました。私はもう死にますから、それは全て君の責任です。もし私にそんな力があるなら君も一緒に連れて行くつもりです。」
美幸「あの運転手さんの気持ちを確かめる為に『恋人ができた』なんて大嘘つくんじゃなかった…。」

「気持ちを確かめたかった」「でも自分から告白して玉砕するのは怖い」(あくまでも自分は傷つかない形で事を進めてみたい。)のなら、「恋人ができた」と言う(もはや相手がよほどの情熱の持ち主でもない限り「進展」してくれる事は無いだろう。「アンタの事は男として眼中に有りません」と言っているのと同義語ですし。)のではなく、「あ~あ、とうとう高校3年間、彼氏ナシでおわりそうだよ。運転手さん、もう貴方が恋人に立候補する気は無い?」と冗談まじりに相手の反応を見るのが正解(いざとなれば「ジョークで逃げられる形」を取れば深くは傷つかないでしょう?)で、そりゃ、そんな大嘘ついたアンタが悪かったわ!と思わずツッコミを入れてしまった話でした。挙句に運転手さんは死んで毎日玄関前に化けて出るようになってしまったし(たかが失恋くらいで自殺するなよ…!)おかげで救いようの無い展開を招いてしまったな、と思わず溜め息も出てしまいました…。

 あの世への道連れ…母「見えてる。この子には幽体の私が見えるんだ。この子が助けてくれるかもしれない。ママのお手々をつかんで…!」

生後数カ月の赤ん坊って感覚器官が発達しきっていない分、色々な物を感じる力が凄くある(5感までが未発達な分、第6感が優れていて幽霊やオーラを見たり感じたりする事が出来る。そもそも生まれるまでの10ヶ月間、直接的な視聴覚を通さずに(全部母親の腹ごしに)母親の気持ちを感じ取っていたのだから、外界に出ても数カ月はその名残りが残っているのだろう。)という話を聞いたことがありますが、それの実例でもある話です。指をつかんで引っ張り見事に母親を助けた4ヶ月の娘に対して、夫の方は全く何も気づかずに気持ち良さそうに寝こけていた辺り本当に男という物は、いざという時に頼りにならない生き物だなという事実を改めて実感してしまったものでした。思えば「道連れ」に来たのもほとんど面識のなかった隣家のお爺ちゃん(男)でしたし、本当に男という生き物は…!(実際「東京伝説」シリーズでも加害者は圧倒的に男の方が多い。)と思ってしまった話です。

 テントのまわりを歩く足音…煙草屋「アンタがテントを張った所にある山小屋では、以前若い女の人が殺されて今でも首が見つかっていないんだ。以来4日以降の日程で登山をした人は遭難死したり行方不明になったりする事が続いてる。登山届けを出した時にアンタも警察に注意されたろ?」
先生(言えない…何となく面倒臭くて登山届けを出さずに無断で登ったなんて。)

へえ、北アルプスを登る時って麓の町の警察に「登山届け」を出すなんて決まりがあるんだ。(そりゃ、そうだよな。万が一の時、本人がどの山に登りに行ったのかも分かりません、じゃ捜索の当ても無くなるしね。1人で登っているのなら特に。)と感心すると同時に、こういうキャンプ場では「助けを呼べない、防犯カメラも無い」のを良い事に変質者が頻出するという怖い話を思い出しました。おかげで登山一日目から謎の光→2日目は周りを歩く足音→3日目は人の顔でテントを押されるという心霊現象(どんどん悪化しているな!)に遭遇しギリギリ4日に到る前に下山して助かった先生。大人なら面倒臭がらずにきちんと手続きはこなして下さい(そうすれば始めから警察に事情を教えて貰えたでしょうに!)と思わずツッコミも入れてしまった話でした…。

 いたずらに近寄るなかれ…藤井「何で自殺の名所に俺だけ残して1人で行くんだよ!」
弟「絶対に誰かが後ろに乗ったから俺はバイクを出したんだよ。バイクに乗られた時はズンと後ろが下がる程だったし!」

伊達政宗公で有名な青葉城跡から車で5分ほど行った所にある渓谷に掛かっている橋(そこまで詳しく場所を語ってしまっていいのか?という疑問は既にテレビや雑誌で取り上げられた事もある場所に今更なツッコミなのだろう。)…その、ありふれた橋は自殺防止のための金網まで張り巡らされているのに、それでも時々金網を越えて飛び込む人が後を絶たず「自殺の名所」であると同時に「心霊スポット」にもなっているそうです。振り返ってみると「一度エンジンが止まってバイクを降りた」(藤井君と共にバイクを降りて「誰か」を乗せた)その場所はちょうど橋の真ん中でしたし、全ては霊の仕業だったのでしょうね。最も全部、霊の仕業で「後ろに誰も乗っていなかった」のが山道のカーブでうっかり友達を振り落として死なせてしまったのではない点に、かなり安心した話ではありましたが…ゲフッ!

本当に起きた怖い話

2009.12.09
 編者である中岡俊哉先生も交通事故を目撃した一年後、偶然同じタクシー、同じ運転手に乗って同じ道を走っていたら(どうやら我々が思っているより世間はかなり狭いらしい。)その時と全く同じ服装の人影が飛び出して来てフロントガラスに血が飛び散った(しかし死体はどこにも無い。)という不思議な体験をしたそうで、偶然というにはあまりにも出来過ぎた出来事に本人もビックリしたそうです。人の未練や恨みは根強く残るのか、生きている人間の方にも問題が有るよなと感じる話の多かった本としては、それにふさわしい前書きだと感じてしまったものでした。

 血を流す美容院の鏡…近所「あそこにオープンしようとしている美容院の元の持ち主は夫婦で心中して、今でも出るらしい。」

開店を邪魔しようとしている同業者が流した噂だと1人で思いこんで、全く耳を貸さずに店の準備を始めるのではなく「火の無い所に煙は立たず」の諺にならって事の真偽くらいは確かめておくべきだったな(本当に同業者が流した噂だったとしても「誰の仕業か」位は調べておくべきだったろう。)と、店を開いて「数日してから」の怪奇現象の連発→オープンしたばかりの店を閉める羽目になった(しかも嫌な話だが、その店は自分達の住居も兼ねている。)展開に、借金をしてまで店を開いた経緯と合わせて同情してしまった話でした。幽霊の方も、せめて工事の最中から心霊現象を起こしてくれていれば途中でブレーキが効いたのに(そりゃ、俗説として新しい人間が来てしばらくの間は何も起こらない、環境の変化に幽霊も慣れてから徐々に「行動」が始まるとは言うけどね…。)と何もかもが遅くなってから始まった「怖い話」に、ただ涙ばかりが溢れた、そんな話でした…。

 呪いのアクアマリン…横恋慕女「彼女、真面目そうな顔をしているけどアレで彼に隠れて他の男とデートしたり『遊んで』いるのよ。」
彼「俺は信じてるから、噂なんか気にするなよ。」
彼女「平気よ。私は全くやましい事なんか、していないんだから。」

そんな根も葉もない誹謗中傷・名誉棄損に値する噂を流した女からのプレゼントなんてロクな物じゃないのは確実で(事実、呪いが掛かっていたし)「高価な宝石」に目尻を下げるのではなく「今更、物で釣ろうとするなんて最低!」「祝う前に嫉妬からデタラメな噂を流した事を会社の皆に釈明して、俺達に謝ったらどうなんだよ!」と怒りと共に突き返すべきだったな、とアクアマリンの指輪にほだされてアッサリ許した2人の甘さ(結局「無理矢理置いて行った」のを良い事にそのまま受け取った。社内に悪い噂を流せる人間=社員ということは、いつでも何度でも彼女のデスクに置いて「返せる」人間だったにも関わらず。)にツッコミを入れてしまったものでした。案の定、指にはめたとたん狭心症+指の壊死を起こした彼女は指を切断する羽目になり、結婚式も挙げられなくなった痛い展開と合わせて、そんな指輪を貰うんじゃなかったな、としみじみ思った話です…。(タダより高い物は無い…か。)

 鬼火の燃える家…近所「自分の親をあんな酷い目に遭わせた夫婦なんだから、呪われても祟られても当然だよ。」

「足腰が悪いから病院まで連れて行ってちょうだい。」「嫌だよ、面倒臭い。俺達はパートの仕事があるんだから自分で行けよ。」という問題は見るに見かねた近所の主婦が病院まで送り迎えしてくれることで何とか解決したものの、病状の悪化を見ての医者の入院の勧めを「入院なんかさせたら余計な金がかかる。」(金はあるけど出したくない。)と断り衰弱しきった母親を残して夫婦で3泊4日の温泉旅行に出かけた(近所にも黙って出かけ、誰も母の元を訪れないように仕組んだ。)様には、ほぼ計画的殺人じゃないか!と案の定、旅行中に死んでいた母の最期と合わせて、ご近所の↑の言葉に頷いてしまったものでした。挙句に死んだ母親を見て後悔するどころか故人のへそくり、通帳、着物、装飾品までを金に換え、自分達の懐を肥やしたとあっては毎晩鬼火が出るのも納得ができてしまった話です…。(そりゃ、浮かばれないよな、お母さんも…。)

 自殺に追い込まれた妊婦の復讐…投稿者「婿養子の私は出て行っても働く当ても無かったので浮気がバレた後は義母と嫁のチクリチクリと刺すような嫌味にも耐えなければなりませんでした。まるで針のむしろの上に座っているような状態でした。」

「お前、本当にあんな根性悪婆さんの所に婿養子に行くつもりか?」という友達の皆の言葉を盾にした「投稿者の義母の悪口」から始まるこの話、車が欲しいと言えば買って貰え、浮気がバレるまでの1、2年はは肩身が狭いどころか大威張りで暮らしていたくせに「潔癖症の女房との夫婦生活(セックス)が赤の他人のようだったから。」と相手のせいにした理由(マトモに良心を持った人間なら「あなた、セックス下手じゃない。」という理由で浮気なんかしないし、そんな事をこんな所で言わないだろう。「Hは2人の問題でしょ。」と大人の玩具を買い漁るのが正しい対応だ。←え?)で、雇った女中に手を出して妊娠までさせたこの男(避妊くらいしろよ、既婚者!)に普通に人間として嫌悪感を感じてしまいました。そりゃ義母も嫁も嫌味の10や20言うでしょうし(これで笑って許してくれる女は天使か聖女か、あるいはただのバカだろう。)可哀想なのは投稿者でなく弄ばれた末に義母達にいびり殺された女中の方でしょうし、自分の保身ばかり考えて我が子さえ見殺しにした男が何を被害者面しているの!?と思わず語りかけてしまった話です。義母と嫁の所に化けて出ている女中さんの方にも、恨む人間を間違えているよ、とツッコミばかりが入ってしまったり…ゲフッ!

天人唐草

2009.12.07
 天人唐草というのはイヌフグリの別名だそうで、イヌフグリ(「犬の金玉」。果実が犬の陰のうに似ている事にちなんでいる。ゴマノハグサ科の1、2年草で道端、原野などによく生える。ちなみに、こんな名前でありながら花言葉は「神聖」。)の意味さえ知らなかった私としては感心すると同時に草花一つからここまでの話を描きだしたのは凄いなと素直に感動したものでした。という訳で5人の「子供」の「生きるという路上に置いて迷っている」迷い子達の話です。

 天人唐草…部長「さあさ、一杯。未成年なんて白けること言わないで…青柳ちゃんを見なよ。君より一つ年上でああだよ。」
響子「こんな人達と一緒の職場か…。上手くやって行けるかしら。」

会社という体育会系の縦割り社会でこういう時に1人だけ「いい子」になるのはタブーである。(特定の集団の中では常に正しい行動を取る事が理想的な結果を生むとは限らない。)別に無理して飲む必要はないが、佐藤さんのように相手に失礼の無いようにのらりくらりと上手くかわすか、宴会を盛り上げる腹芸の一つもする(何かで笑いを取る)べきであるし、すましていても↑のように内心彼らを見下している気持ちだって伝わるし(そもそも「仲間」だと思っていないから宴会一つマトモに相手しないんでしょう?音痴の女性が一人特訓して見事に歌えるようになった例があるけど、あなたは「皆の為に」何かした?)つまはじきにされてしまうのも何となく理解できたヒロインでした。悩んでいるのは分かるけれど自分の事しか考えていない女とは確かにやっていけないだろうな、と心ひそかに憧れていた新井さんにも見合い相手にも相手にされなかった(従順であること、でしゃばらないこと、それが女性の美徳であると自分を正当化し、その裏の「何でも相手任せで自己犠牲を払わなくて済む」という虫の良い依頼心と甘えには見て見ぬふりをし続けた。16、7の小娘ならどんな幼い性格でも「可愛い」という範疇に入れたかもしれないが(「育てる」まで長~い年月が掛かっても10年経ってもまだ20代である)、30を目前にしてそれでは男は一から彼女を「子育て」する気にもなれないだろう。)事にも頷けてしまったものでした。これは昔の少女漫画によく出てくる「自己の無い女」(高校も大学も就職先も「彼氏と同じ所」。確かにそういう女って男を失った後の生活をどうするんだろうと心配にはなる。)の悲劇だなと納得した話です…。

 ハーピー…川堀「佐和君が時々、私をジッと見てるのは知ってました。出来るだけ気づいていないフリをしてたけれど、そのうち帰りに後をつけてくるようになって…気味が悪くて一度勇気を出して、こんな事をするのは辞めて下さいと頼んだんです。それ以来、学校でも私の顔を見るのは避けるようになったので諦めてくれたんだとばかり…。」
友人「あいつ…内向的な奴だったから。成績も思わしくなくてノイローゼ気味だなとは思っていたんだけど…。」

「彼女が女面鳥獣(ハーピー)だなんて、この現代にそんな馬鹿げた事が起こり得るだろうか?」という主人公本人の一人ツッコミにあるように、そんな馬鹿げた展開がある訳もなく全てはノイローゼ(頭の病気)の元にストーカー行為を悪化させていった主人公の妄想だったという結論には(視点が主人公目線だった事もあり)意外に思いながらも頷いてしまったものでした。振り返ってみると彼を呼ぶ声も、コウモリの羽も全部主人公以外の人間には見えていなかったし(つまり幻臭に幻聴に幻視のトリプルパンチか。どんだけ脳に来ていたんだろう?)たとえ本物のハーピーでもシャワー中(!)に中に押し入って絞め殺そうとするのは完全アウトですし、確かに壊れていた(頭おかしい)のは主人公の方だったと改めて得心した話でした。思えば川堀さんの「憎しみに燃えた目」も正体を知った彼に対する本能的な嫌悪ではなくて、ストーカーに向ける「便所コオロギを見る時と同じ目」だったのだろうなあと1人納得もしてしまったり…ゲフッ!

 狐女…理(まさる)「親父は女なら誰でも手を出したんだね。たった一人(正妻)を除いては。アンタにはお義理で征一ひとりだものね。分かってたよ。アンタはお義理だよ。」
義母「出ておいき!人でなし!お前は人の子じゃない!お前なんか犬畜生にも劣るんだ!お前は父親と娘との間に生まれた畜生以下の子なんだよ!お前はあの狐憑きの聖子と夫との間の子なんだ!化け物!」
嫡男・征一「お母さん、辞めて下さい!相手は子供ですよ!それを言ってはダメだ!」

早熟で血の繋がった年上の姪っ子(!)にまで性的悪戯を繰り返す悪魔のようなクソガキではありましたが、その外面の悪さ(良くは無い。彼がもう少し媚を売るとか場を読む事の出来る要領の良い子供だったら、こんな結末は迎えなかっただろう。)は母親を知らず妾の子供である自分に白い目を向けてきた世間へ対しての「武装」であり、泣きわめくかわりに悪意と知恵を手に「対決」してしまうから結果として自分でいらない敵まで作って放り出されてしまったんだな、と納得してしまいました。夫に浮気されまくりのトラウマを喚起させた上に図星を指したことで義母を逆上させ、同レベルに立ってキレた義母(「お母さん、辞めて下さい!9歳の子供相手に大人気ないですよ!」by征一)が同じようにベラベラと秘密をしゃべって言い返した事から全ての真相を知ってしまい「実母」を見つけたその時には本物の迷い子になってしまった…というのは何とも悲しい結末です。「稲荷屋敷を利用できるだけ利用する」どころか、はした金を掴まされただけで追い出された結果にも涙してしまった話でした…。

 籠の中の鳥…人見さん「飛んだね、ついに。しかも飛んできて捕まえて引きずり戻すなんて君の一族の誰もがやれなかった事だ。君のお婆さんだって死返魂(しにかえしだま)をやる時は亡くなった人の声を聞き取るのが精一杯だったんだよ。」

祖母に、一族に、トリとして生きることを宿命づけられながらも「飛ぶ」ことが出来なかった為に保護者である祖母の死をきっかけに村から放り出されてしまった融(とおる)。(そのままだったら養護施設に入れられてしまう所だった。)そんな半生を辿ってきたが故に人見さんに引き取って貰っても、優秀な成績を修めても「飛べないブタは、ただのブタさ。」(by紅の豚)というように「飛べないトリ」(役立たず)であることに不安を拭い去る事が出来なかった訳ですが、人見さんが融を引き取ったのはそんな「研究材料」としての野心の為ではなく、純粋に人間としての情だった(「僕は君をどこへもやらないよ。そんな軽い気持ちで人1人を引き取ったんじゃないよ。」by人見さん)というオチの元に、この本の中では唯一ハッピーエンドを迎えた話です。思えば祖母の存命中に霊が見えた事をうっかり口にしてしまっていたら村から解放される事も無かったでしょうし、五体満足に生まれついた事といい奇跡のような確率で幸せになった子だな、と色々な意味で拍手した話でした。

 夏の寓話…スミちゃん「10年前の夏の朝、あたしは広島で死んだ。そのまま6つの女の子。いつまでたっても6つなの。」
真ちゃん「石か土が血を含んでいるこの地を我々は忘れてはならないんだ。」

留守番に行ったお爺ちゃんの家がある「北海道と真反対のH市」って広島の事ですか!と「ハロー原爆、朝ドラ終了後」(1945年の8月6日(ハロー)朝8:30=連続テレビ小説放映後)と受験生時代にロクでもない覚え方をした広島原爆の日(スミちゃんの回想ではちゃんとカレンダーの日時が8月6日になっている。)と合わせて納得してしまったものでした。霊能者によると原爆の日、中心地にいた人達だけは「一瞬で蒸発した」為に苦しむ事もなく幽霊になってもそのまま時間が止まっている(怨恨の念も苦しみも無く死んだ事も分かっていないまま無害な霊になっている。)ものの、中心地から多少離れた所にいた人達は「死ぬまでの間」苦しみ続けた為に「助けてほしい」念の強い悪霊(というか化けて出る怖い霊)になっている事が多いそうで、「あたし、燃えた…。」と死ぬまでの苦しみを知っているスミちゃんは残念ながら後者の例だったんだろうなあ、と涙ながらに感じた、そんな夏の寓話(日本の夏らしい怪談話)でした…。

誰かに話したくなる怖い話

2009.12.02
 昔はいわく因縁付きの物件は今と同じく家賃を安くしてはいたものの、それでも「理由」を知ると誰も借りてくれないからと隠していた(「一軒家の2階は使用不可って条件は何でですか?もしかして出るとか…?」「嫌なら辞めても構いませんよ。妙な事は言いっこ無しにしましょうや。」「脅迫かよ!」)そうです。挙句に霊が出た事でクレームを言うと「この立地条件でこんな安く借りれる訳ないって常識で分かるだろ!」「逆ギレかよ!」と開き直るケースも多かったそうで、そんな昔の時代特有の感覚(今は「霊よりも引っ越し資金の方が怖いから。」と「理由」を知っても借りる人が増えた為、業者もあらかじめ「事情」を説明してくれることが増えたそうです。)も感じられた2002年の怖い話です。(話はこの時66歳のおじいちゃんが小学生の時の話=50年近く前の事例だそうで納得もしたものでした。)

 とっておきの怖い話…「恐い話をしてると…霊が集まってくるんだよね。」

そのせいでバスの事故で死んだバレー部の皆さんや昔、教室で首つり自殺をしたヨウコちゃんが速攻で集まってきた(生きている人間は実は自分達2人きりだけだった。)という恐ろし過ぎる後日談には恐怖したものでした。言葉には言霊が宿っていて特別な力があるという話も聞くので口に出して怖い話をするのは色々危険なようです。怖い話はいわくつき以外の場所でひっそりと本でも読むか、家族でテレビ番組として(誰も話さずに)楽しむなど工夫した方が良いのかもしれません…。ともあれ面白半分にそういう話を口にしちゃいけないという事でしょうね。

 闇に浮かぶ幻の白衣僧…「須磨はご存じのように源平合戦の古戦場だったので切り殺された武士や自害した人達の霊が未だに現れるという因縁話もございます。平家一族の中には僧侶もいましたから一緒に最期を遂げたとすれば考えられる事です。」

若い妻を喜ばせようと「行き先を決めない小旅行」を決行したは良いものの(良くありません。行き先と宿泊先位はあらかじめ決めておいて下さい。)灯火管制が敷かれていた為に駅は薄暗く売店も閉鎖中、旅館も軍需工場指定にされて旅行者宿泊お断りで、歩きに歩いて辿りついた宿泊先でお化けに会いましたでは洒落にならないよなあ~と旦那さんの不首尾ぶりに「…。」と思ってしまいました。(喜ぶどころか不安と恐怖でいっぱいになります。)「行き先を決めない小旅行」ではなく「行き先を秘密にした小旅行」にすべきだと思わずツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 凶事を招く「怖い話」…「ワイドショーで行方不明になった女子中学生の映像を見て何とかならないものかと思った私は以前見た心霊番組の招霊を真似て女の子を心の中で呼んでみたのです。」

きっかけは病院通院中で暇だったから、正しい知識も持たずに見様見真似で安易に降霊した(招霊は霊感のある人間がやってしまった場合、コックリさんでも動物霊や低級霊などの「本物」が寄ってきてしまうので非常に危険だそうです。コックリはほとんどが自己暗示ですが、そういう力のある人間がやった場合、霊波の合う霊魂が感応して来てしまうそうで、そんな人が招霊なんてしたら成功もするよなと納得してしまいました。)とあれば暇つぶしと話のネタの為だけに呼ばれた当事者の霊が怒るのも当然だろうとツッコミを入れてしまいました。(だから鋏を頭上に落としたり、一緒に話のネタにした同僚を心筋梗塞にしたり、それでも懲りずに話した投稿者(懲りろ!)をクモ膜下出血にしたりと祟ったのでしょう、この霊は…。)居場所を聞き出せた所で「幽霊から聞いた話」を警察が信用してくれるとも思えませんし、そもそも関係者でもない貴方が何とかできるような問題でも無かったでしょうと投稿者の慢心から招いた自業自得の事態に呆れながら読んでしまったものでした…ゲフッ!

ツタンカーメン

2009.12.01
 古代エジプトの王の中で本来の王墓に納められていた唯一のミイラとして有名なツタンカーメン王墓発掘までのエピソードです。発見者のハワード・カーターの苦労(資金が無いことから独占契約をしたことで考古局、各国の報道陣に恨まれ、嫌がらせを受けながらも遺物の発掘を進めた。人前が苦手な彼が発掘権奪回の為に講演までして回っている。)が忍ばれたり、怖い本にも載っていた発見者の不審死の模様が見られたり(パトロンのカーナボン卿の事だったんですね。)発掘権の為に自分を犠牲にした人がいたことを知ったり(イーヴリンがそんな理由で結婚してたなんて…。しかもカーターはその理由を知らない事が切ない。)様々な人間ドラマがあったことが分かって(ただの歴史的発見という綺麗事ではなかったんですね。)思わずハッとした気持ちになった話です。しかし「アトンの娘」(ツタンカーメン現役時代の歴史物語。)との関連を期待していた私にとっては当時のエジプトに関する歴史的情報がほとんど無くて(新しく分かったのは死んだ季節が春だった事位。矢車草は春の花だったんですね。)期待外れだったことも確かではありました。(求める物が違ったんです…ゲフッ!)

しかし巻末にエジプト神話(1万2千年前、人類が地上に現れる前の話…なので、人間に見える登場人物は実は全部神です。そう、この話は「神話」なんです。)まで収録されていたのでお得気分を味わいながら読んでました。以下は神話「イシス」に関するコメントです。

 イシス…人として女としてそんな人生で本当にいいのだろうか…と思わずツッコミを入れてしまったエジプト最強の女神。姦計により太陽神ラーの本名を知った彼女(ラーのよだれを使って毒を盛り、治療の為と称して「偉大なる魔力を持ったラーの本名」を聞き出した。)は言霊(フウ)の力による強力な魔法を使うことができた(なら、自力でセトと闘っても勝てそうな気がするのですが…ゲフッ!)理知の女神としても知られています。話では冷めきった夫婦として描かれていましたが、神話ではそんなことはなくホルスは正真正銘彼女の腹を痛めて産んだ子ですし、成長したホルスを黄泉の国から見にきたオシリスはついでにイシスと逢瀬を重ねハルポクラテスという弟まで作っています。しかし、バラバラにされて川に捨てられたオシリスの遺体を皆と大捜索したり(結局男としての肝心な部分がどうしても見つからず、代理品をくっつけて復活させたので完全な復活ができなかったらしい。代理品だったのにホルスを作ることはできたのだから不思議な話である…ゴフッ!)息子のホルスに首を切られそうになったり(追い詰めたセトの命乞いに思わず1度見逃してしまい「復讐やる気あんのかよ!」と殺されかけました。身代わりの術を使って事無きを得ましたが。)苦労は絶えない女性です。神話上でもこの話上でも「オシリスにはもったいない女性」だというイメージはとうとう拭えませんでした。

 ネフティス…イシスの妹。漫画上では全然似てない姉妹ですが、本当は瓜二つの容貌です。オシリスが彼女と関係したのは酔っ払ってイシスと間違えてしまっただけ(いや、マズイだろ、それは!)だったそうです。そして兼ねてよりセトに不満(どんな面まで不満なのかは深読みOKらしい…ガフッ!)だった彼女は「喜んで!」とあっさり受け入れてしまったとか。(その「現場」をセトに見られてしまったのは周知の通り。ゲッフン!)しかしその後も何故か姉妹仲は良好で(…何故?)遺体大捜索の時には息子のアヌビス(オシリスの子供。ミイラ作りの神。)と共に探すのを手伝い、復活の儀式では彼女も魔力的に協力していました。王宮逃亡の時にも同行して苦楽を共にしたりと…あんまり肩入れしてしまったせいか、セトには一方的に離縁されてしまったそうです。

 オシリス…エジプトの冥界の神。ミイラの風習は1度死んだ後に(バラバラの体を体を繋ぐ為にに包帯で全身ぐるぐる巻きにされて)蘇った彼と一体化するため…のものだそうです。王にしては鈍感を通り越したマヌケだったようで、セトが「このお棺にピッタリ収まる人にこれを差し上げます。」と用意した豪華な棺桶(シンデレラの棺桶バージョン。乙女の夢などという甘いロマンは粉々に砕かれています。)に素直に入ってしまい(疑って下さいよ!)職人技で密閉された挙句にナイル川に流され、拾われた所で棺桶ごと柱として使われてしまった事が原因で死んでしまったそうです。(バラバラにされて川に捨てられたのは、イシスが慌てて柱を買い取った後の事。死因は窒息死か溺死か餓死か…何にしてもアホらしい死に様である。)イシスに復活させてもらうも体の大事な部分が欠けていた為に地上に留まることができず「じゃあ地下の死者の世界で自分の国を作ろう。」(死んだというのにポジティブだなあ、この人…。)と死者の世界をシャットダウンしてしまった為に死者の国へ生きてる人間が行き来することはできなくなったという迷惑極まりないエピソードが残されています。漫画版では疫病退治の件で礼を言っただけで何もしてくれない(挙句に浮気し放題。)最低の夫ぶりを発揮しており、自分がイシスだったら間違いなく別れているな、とげんなりした覚えがあります。

 セト…別に漫画版のようにホモの気があったわけではないそうです。(むしろ「女神アナトとアスタルテを与える代わりに王座からどいてくれ。」全裸で現れた女神達を前に呆けてしまうほどの女好き。ホルスが王冠をかぶろうとした時に正気に返って「こんなことで納得させられると思うな!」と話は振り出しに戻ってしまいましたが。)実の兄を殺害して地位を奪ったというのに何のお咎めも受けずに玉座に座り続けた(血筋と国を治める実力が伴えば全ての罪は帳消しになるらしい。それでいいのか…?)男です。ホルスが名乗り出た後も抵抗を続けていた為、後継ぎ問題は80年以上平行線のまま(長いよ、80年って!)でした。しかしある時イシスが変装して若い娘の姿になったのをそれと気づかず口説こうとして「うちの息子の財産を、親戚が奪った挙句追い出されてしまったんです。」という彼女の作り話に「けしからん!正しい相続人がいるのにその財産を奪う者は国から追放するべきだ!」とポロっと言ってしまい、「じゃあ本人がこう言っていることだしそのように致しましょう。」とあっさり解決されてしまった(なにしろ80年以上続いた問題だったので神々も疲れ果て、とっとと終わらせてほしかったのです。)マヌケな王様でもあります。女好きの癖さえ発揮しなければそのまま玉座に居られたのにね…ゲフッ!

 ホルス…イシスからラーの本名を伝えられた為に息子ホルスもまた魔法が使えるようになったそうです。セトに毒を盛られて仮死状態まで行ってしまったり、寝込みを襲われて両眼を抉り出されてしまったり(頭上に太陽円盤を抱いた愛の女神ハトホルが再生してくれました。)、王位を継いだ後までブタに変化したセトに左目を傷つけられたり(トト神が月の力を使って癒してくれましたが、月が満ち欠けをするものなのでほんの僅かに足りない部分があったそうです。これがハワード・カーターがお守りとして持ってもいた特別な象徴「ウジャトの眼」です。)苦労の絶えない王子様です。(この為ホルスの両眼は太陽と月を表すと言われています。)血筋的には問題がなかったのですが宮廷で教育を受けず母親と隠れ住んでいた人間に王位を継ぐ程の力があるのか?という難点が挙げられ(だったら性格が最悪でも今までしっかり国を治めてきたセトに任せた方が確実なのでは?とね。)後継ぎ問題はこじれにこじれました。(挙句に母親の首をチョン切ろうとしたことで疑問の声が大きくなってしまった。)最終的にイシスの姦計により国を継ぐことは出来ましたが、ストーリーを追ってみるとこの人周りの人にしてもらってばかりで特に何もやっていないような…ゴフッ!
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