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ネオデビルマン

2010.02.27
 本屋で見かけて思わず狂喜してしまった「デビルマン」のアンソロジーです。(正確には永井豪先生だけじゃなくて色々な人が描いてます。)作者自らが描いた「最後の戦い」の様子が見られたり、「明」の存在をしっかり見ていてくれたクラスメートが存在したり、人類混乱後の世界の人間模様が描かれていたりと色々な話が読めてとても感慨深かった記憶があります。ここまで話が出来てしまうほど「デビルマン」という話は重い存在感を持っていたんだなあ~、と読者の一人としては嬉しい限りでした。(とにもかくにも了に再び会えて嬉しかったです。明×美樹ちゃん絡みの話が少なかったのには秘かに「勝った!」と思ったり。←オイ!)

 ミーコ…ミケ子(猫名)という名前じゃなくてとりあえずほっとしました。(本名は美貴子というらしい。1字違いか…ゲフッ!ちなみサッちゃんの方は弟に言わせれば「幸薄子」(さちうすこ。薄幸だから。)という名前になるらしい。なんじゃそりゃ!)どうやら両親にまで見捨てられていたらしく(まあ、子供の非行に気付かない程ふれあいの無い家庭だったらしいから無理もないのかもしれないが…それにしても親失格だろ!)面会も無いままガラスケースに監禁されていたみたいです。(風呂、トイレその他はどうしていたんだろう…?)助けられたはいいものの今度は助けた「仲間」の為に戦うことになり「人間と悪魔と悪魔人間が傷つけあわずに生きていける世界は無いのか?」と疑念を持ちながら手を染めていくのが見ていて痛かった私でした。ラストシーンから察するにやっぱり最後はアーマゲドンが原因で死んでしまったようです。

 飛鳥 了…明「超能力とか使ってんじゃないのか?」
当たってます。どうやら明と幼馴染だったこと、親友だったこと、その全ては超能力による偽りの記憶だったようです。(「明」を選んだのは純粋に彼の好みだったから、でしょうね。一目惚れに見えました…ゴフッ!)彼なりに地球を愛していたことや明との本当の思い出が交錯していて読んでいて胸が痛くなりました。と、そのように感動を与えてくれたのでこの番外編でまたビジュアルが変わっている(いえ、相変わらず美しかったですが!)ことにはツッコミを入れないでおくことにします。(話を通して1番ビジュアルが変化してるキャラですよね、了って…。ちなみに私は3巻の人間体と5巻の天使体が1番好きです。いえいえ、もちろん了ならなんでもいいんですが!)最後、明が了を思う気持ちも見えて切ない話でした。

 シレーヌ…人間体も迫力ある美人だったんですね~。(鬼教官に近い雰囲気だというのは禁句です。)「美しいという言葉はアモンの頃に言え!」というセリフから察するに、もしかしなくても彼女はアモンが好き、だったの、でしょうか…?(カ、カイムの立場って…ガフッ!)カイムはもう魂まで彼女の1部になってしまった(挙句に乗用車として使われている。それでいいのか、男として!)ようですが、それでアモンを追っている辺りシレーヌは残酷なことをしてるな~と読んでて悲しくなった(別の意味でね…。)話でした。カイムの意識が表面化することはもう2度と無いのか?と思うとなんだか寂しいです。

 相沢 路子…珍しく「明」をちゃんと見ていてくれたクラスメート。(「変化」後も明の中に以前と同じ優しさを見つけてくれたりと本当に良く見てる。)明×美樹を真っ向から否定した話だったので否定派の私(了派ですから!)としては同志がいたのか…と嬉しかったりもしました。(オイ!)原作には出てこない完全オリジナルキャラの相沢さんですが、私の中ではぶっちゃけ美樹ちゃんよりも可愛いかったりもします。やっと家族と和解しかけた時に全てを無くしてしまってなんてタイミングの悪い子だろう(明と再会したのがよりによって美樹ちゃん死亡時で完全なとばっちりで殺されたこと、最後に見た光景が美樹ちゃんを抱えて涙する明だったことなど…どこまでも報われない子である…ゲフッ!)と可哀想な展開により好感度は上がっています。一人くらいちゃんと「明」を認めてくれていた人間がいてもいいよね…と(人間「明」のあまりの存在の薄さに)密やかに願っていたので彼女の存在は救いでした。ありがとう、相沢さん。

 スフィンクス…ギリシャ神話のオイディプスの話(予言に翻弄され父を殺し母と関係することになった悲劇の王。)で有名な「道を塞いで謎かけを出す半人半獣の化け物」(で、通りがかった旅人が答えられないと捕って食ってしまうという迷惑極まりない奴でした。)です。人として壊れていく親父さんが妙にリアルで痛かった話でした。そこまでして合体したのにあっさり明に倒されてしまう辺りが悲しいです。(弱いよ、親父さん…ゴフッ!)子孫である娘も亡くし(いや、どうせ最終巻のアーマゲドンで皆仲良く死んでしまうんですが。)将来権力の頂点に立つはずだったのに(まあ、その前にアーマゲドンが来たでしょうが…。)何も残せなかった彼の人生がひたすら哀れでした。

 不動 明…デーモンの体を寄せ集めて美樹ちゃんに同化させて蘇らせようフランケンシュタイン的展開ですかい!?)という明×美樹の話。その心意気はけなげですが、個人的にはボロボロになっていく明を見つめる了の方がいじらしかった感があります。(やっぱりデビルマンのヒロインはただ守られているだけの美樹ちゃんより、対等の立場に立てる了の方がふさわしい…ような気が。いや、個人的に。)バラバラにされたのはともかく、首から下を(加害者達と一緒に)火葬にしたのは明じゃなかったっけ、というツッコミはしてはいけないんでしょうね。(禁句。)ともあれ、アーマゲドンも近いしそんなことしてる場合じゃないよ、と声を掛けてあげたくなった話でした。
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BOYS

2010.02.20
 コミカル色の強い学園恋愛物。(でも「ミスターレディ」ほどぶっ飛んだノリじゃなくて安心しました…ゲフッ!)女性を挟んだライバル2人、野球の要素…まるで某野球漫画「タッチ」のようですが、主人公は1話目にして野球を辞めちゃっているし、ライバルも交通事故にあってご臨終したりしません。(ぶっちゃけ、タッチの展開は酷いと思いました。ライバルなら同じ土俵の上で存分に決着を着けてほしいと私は思うのですが。)「結局主人公とヒロインはくっつくことになった。」という王道を見事に覆してくれた話としては気に入ってはいるのですが、肝心のヒロインが微妙な性格をしているのせいであまり琴線には触れなかった残念な話でもあります。

 大塚 愛海…これで「めぐみ」って読むのか…まあ、五月(めい)って名前よりは数段ましかな、と登場早々考えさせてくれた女性。最初は「清楚なお嬢様」風の外見だったのに段々ビジュアルが変わり果てて「ちょっと太めのおきゃんな女の子」になってしまい、その変貌ぶりに唖然としてしまいました。
他ならぬ主人公の最初の彼女ですが、なんでも口にしてしまう自分の性格を分かっているからこそ、相手にも自分の意思を口にしてほしい(気を使ってくれるのは嬉しいが1歩距離を置いたような付き合い方をされるのは寂しい。)んでしょうね。七重に対して言った「気を使っているつもりで人を傷つけている。」というセリフはそのまま武士にも当てはまることだと思いました。(愛海が意見を口にするたび相手が自分を犠牲にしてそれを叶えようとするので心苦しい。)友達でも恋人でも「対等の付き合い」ができないと嫌なんでしょうね、彼女は。(主人公は最後まで気が付いていませんが…。)

 矢木沢…この年でもうソープに行く男。やさしく見えて実はええかっこしいだけ(好きな人に気を使っているつもりの自分に酔っているだけ。実は自分のことしか考えていないのにそれが見えていない。)の典型的情けない男です。岡田さんと付き合った後で小山さん(元本命)が自分のことを気にしてくれているのに気づいてしゃあしゃあと乗り換える辺り(振られたとはいえ変わり身早過ぎ。というより振られたことが小山さんに乗り換えるいいタイミングになってしまったのでしょうね。)どういう神経してるんだろうと私も好きになれませんでした。子供を降ろした後でも2人の付き合いは変わらない(相も変わらず自分の都合しか考えていない。)という考え方の幼さ(女っていうのは理屈じゃないんです。1度嫌だと思ったらもう永久に嫌だったりするんです。)もあって最後一人寂しくクリスマスを過ごしていたのは痛快でした。女と付き合いたかったらまず金や理屈で人を利用する姿勢を改める所から始めて下さい。

 小山さん…こんなに精神的に幼い女性(純粋すぎて相手の欠点が見えなかったり、自分をさらけ出し過ぎたりして結果的に失敗してしまう。)が妊娠した挙句に中絶することになる事実にびっくりしました。中絶を願われて初めて子供が父親に全く望まれていないこと(を通して相手の気持ちを二の次にしか考えていない矢木沢の本性にも気付いてしまった。)が分かって幻滅してしまったんでしょうね。(そして普通子供を降ろした後で上手く行ったカップルなど存在しない。そこで結婚に至らないのならそのカップルは色々な意味でもう終わっている…の、ですよ矢木沢君!)なので最後に別のまともな人を捕まえて幸せになっていたのがとても嬉しかった(矢木沢など論外。)私でもありました。そのまま幸せになって下さい。

 谷口 紫乃…ヒロインの七重に思いを寄せるレズ女優。(その率直な告白にびっくりしました。)どうして(100%報われないのに)そう堂々と気持ちを口に出せるのか、と七重に不思議がられてましたが、それよりも彼女の気持ちを知っていながら目の前で高太郎とイチャついている七重の残酷さの方が気になりました。(分かっているのなら目の前で…は止めてあげてよ。)御影さん(商業主義を軽蔑する発言をしながら宣伝には余念が無い。)といいその他大勢の男達(女の方から歩み寄らないとアプローチする勇気さえ無いのに、未練たらしい期待だけはこめて彼女を見つめている。)といい「男」の情けなさ、優柔不断さを目の当たりにしてきた彼女にとって潔癖すぎる七重は新鮮(へ理屈まみれなだけに「ハッキリ意見を言う人間」として逆に重宝がられたのでしょう。今まで彼女の周りには彼女に好かれたいあまりに「時に反対意見を出してたしなめてくれる人間」など存在しなかったようですし。)だったのでしょうね。でも、七重は貴女が憧れるほど素直でも毅然とした女性でも無いと思いますよ?(恋は盲目…というやつでしょうね。これは。)

 挟間 高太郎…高太郎「同性でも異性でも俺は恋できる。」(問題発言)
七重「問題はその恋の相手が男にも女にも存在することだと思うわよ。」
問題だらけのお二人でした。
既に七重の保護者と化している主人公の親友君です。(そんな依存し過ぎている関係はお互いの為にならないと思うのですが…。)それなりに顔はいいのに冒頭のラブレター事件では何故か候補として除外されてしまった男性。(か、悲しい…。)わざわざ武士に惚れている女性に近づいている辺り(ある意味武士が女性と結ばれるのが嫌で事前に防いだとも取れる。高太郎がいなければあの二人は自然とくっついてしまったでしょう。)やはり普通とは違うなあ(七重の本命が高太郎になって「武士に属さない女」になってしまったとたん彼女を物足りなく感じてる辺りもね。そこまで武士とつながっていたいんですか、貴方は。)と、変態とまではいかなくてもエキセントリックな男性と思えてならない私です。でも1度付き合った人間に対しては誠実で相手との関係を大切にしようとする(肉体関係を持ったことをきっかけに惰性で関係を続けることは避けた。焦ってはいたけど結局手を出すのを思いとどまったのが偉いと思う。)その姿勢が素敵だと思えて好感度が高いです。その高太郎の「武士への思い」に全く気づいていない七重が多少気にはなりますが…。

 白石 七重…おおらか→吞気、やさしい→気が弱い、悪口を言わない→皮肉を言うほどの頭が無い、今のことに一生懸命→思慮が浅い、裏表がない→単純…などなど、他のキャラとの言葉遊びの兼ね合いだけが好きでした…が、物語を通してのコミカルな雰囲気を持ってしてさえ(紫乃さんへの態度といい、)最後まで好きになれなかったキャラでもあります。他人にはご立派な理屈を述べているくせに友達にさえ自分の本心は明かさず(それは友達という対等の関係において卑怯なのでは?意見する資格無いよ?)好きな相手には理屈責めで噛みつく(思いを素直にぶつけられない分そういう形で発散してるのは分かりますが、相手にとっては「反論できない正論」で追い詰められることになるので辛い…でしょうね。)その自己防衛ぶりが苦手でした。窓に身を乗り出して顔を濡らす姿も正直危なく見えましたし(色んな意味でね。そんなことする女は普通いません。)周りにいる人間としては辛いだろうなあ(普通と離れた所にいる高太郎だからこそ上手くいってるんでしょうが…あの頼り過ぎな付き合い方男女交際として間違った姿のように見えてなりません。)と色々引いてしまったものでした。高太郎との付き合いを通して随分柔らかくなった(武士とではこうはいかない気がする。)彼女ですが、最後も「君が欲しい。」といった彼氏にマフラーでごまかしてもったいぶってる辺り(高太郎が今まで尽くしてきた分を考えると間違いなく赤字である。そんなに自分が大切ですか…。)根本的な性格は変わってないことを実感しガックリきたのも確かでした。最後で高太郎を裏切らなかったのは評価できます(とはいえ、一応彼氏がいるのに他の男に会いに行くのもどうかと思う。)が、正直どっちともくっついて欲しくなかったというのが本音でした。

 梶 武士…(エンディング風に)
「僕の人生の中の1度きりの17歳…彼女に振られたり、親友に女取られたり、姉貴が不倫した挙句に相手の奥さんが家に怒鳴り込んできたり色々あったけど…17歳はそんなに悪くも無かったじゃないか。」(本当か!?)
振り返ってみると濃すぎる1年なのに感謝の思いを持てる彼は凄いと思いました。(普通ならグレてます。)七重については、物語の始めから自分への気持を持っていることを薄々察しがついていたのでしょうが、彼女にするには重苦しい女性ということもあって(それでなくてもいつも言い負かされている。)「まさかね…。」と自分に言い聞かせながら向き合わないようにしてきたんでしょうね。(逆にいえば向き合いたくない女性でもあったんですよね…ゴフッ!)最後に触手が動いたのは恋心というより「逃げられたら追いたくなる」という人間心理から出ているもので(愛海に言っている「過去に自分への気持ちを持っていたのなら、他の男とくっつくのはルール違反。」という自分勝手な権利論。「それは相手との間を実らせる義務を全うした状態でだけ行使できる権利だ。」と見事に言い負かされてます。)愛ではないと直感したので彼を振った七重は正しい判断をしたと納得しました。(とはいえ「何様だ?」という思いは拭えませんでしたが。)しかしあまりにも寂しい終わり方に可哀想になった(そこまで女達に全否定されるほど悪行を積んだようには見えないので。不器用なだけで根は善人ですし。)のも確かです。18歳がどんな年になるのかは分かりませんがせめてマトモな1年になってくれたらいいな(17歳の1年は姉貴の事情もあって濃すぎ。)と影ながら祈っています。(いや、話は終わってしまったんですが。)電話告白時の「BOYS」のTシャツが妙に似合っているのが不思議な人でした。(どこで買ったんですか、その恥ずかしいTシャツ…。)

洗礼①②

2010.02.18
 友達のよしみつさんに貸した所、そのお母様までハマって読んでいた作品。(人が貸した本を「病院の待ち時間の間、ヒマだから何か読む物無い?」ってうちのお母さんが言っていたので(断りも無く)読ませて貰ってるよ!お母さんも「怖い」「グロイ」って楽しんでるよ!と、まるで自分の手柄のように利用するのはどうかと思ったけれど。そういえば悩み事の相談を書いた手紙もそんな風にしてネタにしていたね、アンタは。)解説にママドル達(ママ+アイドル)。酒井法子しかりの母親芸能人達の事。)が「芸能界という派手な世界で生きるより一般的な女の人生を生きる方が幸せ。自分はもう手遅れだけど、せめて娘はそちらの方を選んでほしい。」と嘆いている話が載っていて(ほとんど決まり文句化してるらしい。辛い世界なんですね。)リアルに痛かった話でもありました。

 若草いずみ…「若く美しく生まれ変われると思えばこそ今まで気が狂わずに済んだのよ!その為にさくらを産んだのよ!聞いてますか、先生!?」

若く美しく生まれ変わる…に、したって肉体若過ぎだろ!(さくらはまだ9歳です…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまった元女優。出産をしおに引退してからわずか10年しか経っていないはずなのに下手をしたら60代と言われても納得してしまいそうなくらい老けてしまったのが不思議(不妊治療も進んでいないあの時代に出産できたことからしてその当時遅くとも30代前半、と考えると現在では40代前半位のはず。)でならないんですが、トラックにぶつかっても即日退院できたり、さくらを追って町を全力疾走したりできる辺り筋力的にはまだまだ若いんでしょうね。(見た目相応に体内が老いていればこうはいかない。)手術後「今の私ならさくらの担任の先生をものにするのは簡単。」(本当か?)と息巻いてましたが、本当に彼が独身でも教え子の、それも9歳の少女に本気で萌える教師はなかなかいないと思うん…ですけど…。(懲戒免職まっしぐらの道ですぞ?)

 上原さくら…「涙の洗礼受けようとも心はとうに決めています。普通に生きたいだけだから。」

ここで言う「涙」を流すのは彼女ではなく、さくらの罠のおかげで他の男に襲われそうになったり、ゴキブリ入りのお粥を食べさせられたり、息子に猫の死骸を括りつけられたり、腕を骨折した挙句に股間をアイロンで焼きつぶされそうになったり、イジメの数々を受ける先生の奥様の方だというのがポイントです…ゲフッ!母親の脳を移植された為に(臓器移植をすると、それが何の臓器であれ親子の間でも拒絶反応が起こるので死ぬまで免疫抑制剤を飲み続けなければいけないはずなんですが…薬はどうした?)見た目は子供、頭脳は(嫌な)大人という最悪なパターンを地で行っている(オマケに長年女優業で培ってきた「類稀な演技力」も充分に発揮しながら周りを騙している。)彼女であり、とうとう奥様まで実家に追い出した様には、もう同情は出来ないとも思えてしまった女でした…ゴフッ!(この先彼女にどんな「当然の報い」が下されるのかが気になるけれど既に「可哀想な子」だとは思えない。)

 良子さん…良子「さくらちゃんのお母さんって本当にさくらちゃんを大切に思っているのね。」
さくら「そうなの。私を大切にし過ぎるのよ。」

さくらの頭に傷をつけたことで母親(いずみ)に殴られて血だまりができるほど鼻血を出すほどの怪我を負わされたにも関わらず、変わらずさくらと付き合っている辺り肝の据わったお友達だなあと感じた女の子でした。普通は「さくらちゃんの事は好きだけど、あんな母親持って可哀想だとは思うけれど、これ以上の付き合いは無理だわ。」(私が厄介事の巻き添えを食うのはゴメンだわ。)と何も言わずに友人関係解消に走る所(大多数の人間は自分が痛い目を見なくても厄介事を目の当たりにしただけで遠巻きに離れていくものなのですが、この子は本当の意味で優しい子だと感じた。)なのですが、娘のさくらにすら一言も謝って貰っていないのに↑のセリフだけでアッサリと許して、その後もお見舞に行ったりしてあげている辺り、なんていい子なんだと感動してしまった友人でした。さくらが母親に捕まりそうになった時に彼女を頼って家まで訪れたのも思えば納得の善人です…。

 谷川和代…谷川先生「私が愛しているのは残念ながら、お前だ。よくも愛なんて薄汚い言葉を使わせてくれたな。」
和代「そうかしら。愛のどこが薄汚いのかしら?」
谷川先生「愛をお題目にして言う事を聞かせようとしているだけじゃないか。そんな物のどこが綺麗なんだ?」

和代が何を言いたいかというと「あの女(さくら)よりも私の方を『愛している』のなら、このクソガキを追い出して!」という手前勝手な希望であって(最もここは元々奥様が暮らしている家であり、教え子とはいえ「赤の他人」であるさくらを養う義理も義務も無い訳で、正当な主張ではあるのだが。)「お前の言う『愛』のどこが美しいんだ!?」と夫が嫌悪するのも分かりますが…それでも、その事で「お前とはもう口もききたくない!出ていけ!」と言うのは言い過ぎで(い、一応、奥様の方を愛してるんじゃなかったの…?)夫なのに、彼は自分の事を守ってくれるどころか信じてもくれない、幼い息子を抱えて自分共々殺されそうになったのには彼女が思わず限界を超えてしまったのは納得がいってしまったものでした。しかし、罠を張り巡らせて相手を陥れるには彼女はあまりにも一般人(所詮その程度)であって、数多の修羅場をくぐってきた女優さくら(若草いずみ)には到底叶わなかったん…でしょうね。

 谷川先生…和代「じゃあ、あの子の事はどう思っているの?」
谷川先生「もちろん愛している。教え子として…。」

まあ、「愛人として愛している」でなくて良かったとは言うものの、妻としては「他の『女』が夫の側にひっついて誘惑している」だけで充分に不愉快な状況であり、教え子(正妻以下)とは明言されたものの彼女達の同棲生活が上手くいかなかったのには心から頷けたものでした。元々、本当は結婚しているのに妻の存在を隠して女生徒達に無駄な期待を持たせた谷川先生が全部悪かった(とはいえ生徒達は小学生、大人の女として恋愛を始める頃には小学校時代の憧れの先生=現・ただのオッサンになんて見向きもしないだろうが。)とはいえ、普通は彼が結婚している事を知った時点で「納得して諦める」場面でしょうに、それで逆に「奪い取る」方向で行動を始めるさくら(いずみ)の思考回路が怖いと改めて思ってしまいました。「何としても平凡な女の幸せを掴んでみせるわ!」と闘志を燃やす以前に、その関係のどこが「平凡で普通」なんだ!?とツッコミを入れてしまった教え子×担任教師の恋物語(?)です…ゲフッ!

「超」怖い話H(イータ)

2010.02.16
 「超」怖い話シリーズ7作目です。人間は「あそこの店のランチが美味しかった。」などの日々生活していく中で(雑談に)必要な事は脳の「テーブル」の上に出してあるものの、怪異となると人は「押入れ」や「納戸」の奥深くにしまい込んでしまうらしく(確かにそんな話を日常で嬉々として話す機会は少ないだろうし、そんな話をドン引きせずに聞いてくれる聴衆も絶対少数派だろう。)一つの話を聞き出す(相手が思い出す)までに2時間かかった…という事も少なくないと前書きに書かれており、「実話」だけに集める(聞き出す)のも大変なんだなあ~と改めて感じ入ったシリーズでした。

 萌し(きざし)…加瀬「産まれたいかい?そうだよな。せっかく生きてるんだもの。…でもな、今、君が産まれてくるとお母さんは色々な事を諦めなくてはならなくなる。したい事、なりたい夢、行きたい場所…そういった物を全て君の為に諦めなくてはならなくなる。もちろん、君の誕生はお母さんの喜びでもあるから『そんな事は気にしない』と言うだろう。でも人生で辛い事があった時、どうしようもなく悔しい事に遭遇した時、お母さんは口には出さないけれど必ず『君がいなかったら…』と思うはずだ。お母さんはまだ君を産むには人生を知らなさすぎるからね。もう少し待って、お母さんが心から安心できる時にこそ産まれてあげてくれないか?」

何と言うか「命は『母親のご都合』と引き換えには絶対にできません!」(じゃあその言葉の責任を取ってアンタが引き取って育ててやれよ。)「私は子供の命を産み出す手伝いをする為に看護婦になったのに、実際の現場では子供を殺すことが多いんです!どうして私がこんな目に…って中絶する母親達のせいでしょ!」(部署を変わればいい話だ。普通に大人の命を助ける仕事に移りなよ。)と綺麗事を振りかざす中絶反対派の方々(その割にやっている事は口先だけで、施設の子を引き取ったり、ボランティアで保育ママをしたり「子供の為の行動」は何一つしていない。)の言葉より、よほど胸に響いたものでした。ママは中学2年生(相手は誰なんだよ!?)の赤ちゃんも↑の言葉を聞いて得心したのか(心霊現象を起こすほど生まれたがっていたのに)中絶手術2日前に自然に流れてしまったそうで「納得してくれたんだな…。」と知らず涙してしまった話でした。

 オーラ…店主「あなたのオーラ、真っ黒です。普通は死んでいます。失礼ですが、お医者さん?刑事さん?それとも葬儀屋さんですか?」
平山「いえ、物を書いています。ただ、物が怖い話というだけで…。」

もしかして、だからHPの更新が最近は無いの?(そういえば最近手に入れた本もまた「昔の話の再録」だったし…。)と嫌な予感にも捕らわれたものでした。もちろん、その場で魔除けの数珠を作って貰ったそうですが、それではネタになる怖い話も避けてしまい仕事に支障も出るだろう、と魔寄せの数珠も作って貰った(蛇足ながら、魔寄せの数珠は滅多に作る機会が無い(そりゃ、そうだ。)という事で石も大粒の、かなり気合が入った物を店主は作ってくれた。)のですが、その2つ共に去年樹海に行く前後に千切れてしまった(元々、その店も友人に勧められるまま半分強引に行かされた所で、女性ばかりの客層に非常に居心地の悪い思いはしたし、以後は面倒臭くなったので、そのまま放ってある。by平山)事実と合わせて不安を感じた作者事情でした…。

 ベテラン…鹿沼「どうして不審人物が分かるんですか?」
赤城「俺、見えるんだ。不審者かどうかは分からないけれど血塗れの女やボロボロになった霊をくっつけてれば嫌が応でも目につくだろ…そういう事だ。」

そういう事ですか…と納得すると同時に、それでも普通の見える人は知らないフリを決め込む事が多いのに(だって厄介事に関わり合うのって面倒臭いんだもん。その霊達が「見える自分」について来たらたまらないし。)ほとんどの警官が民事不介入を盾に交番の椅子を温める事ばかり考えているのに(それこそ不法侵入してまで隣の家の車のワイパーを折って、名前入りの脅迫状を残したにも関わらず「彼がやったという証拠は無いですから。」と職務質問もせずに帰る程にな!←以来、我が家ではいつ誰が不法侵入しても証拠が残るように防犯カメラを設置した。)わざわざ警邏パトカーを止めて職務質問に行く、真面目に仕事をしているこの人は偉いな、と実感したものです。パトカーで街を流しているだけで不審者を捕える事が出来る「抜群の成績」から総監賞も何度も受けているそうで、この人にとって刑事という仕事はある意味で天職だなと感心もした理想的な警察官の話でした。

 開閉…不動産屋「うちだって迷惑なんだよ!浮浪者が勝手に入り込んできて、勝手にドアの前で凍え死んだんだからね!それだけで、えらい損害だったんだ!」
延島「『室内での変死』じゃないから告知義務は無いって言うんです。その分、安くもしてあるんだって。」

じゃなくて、瑕疵物件だと自分達でも分かっているから安くしてあるんだろ!(何を「義務は無いんだけど温情を出して安くしてあげていたんだよ!」みたいに恩着せがましく逆ギレしてるんだ?)と、それまでドアの開閉が悪かったのも「どこかで塩を買って来てドアに撒けば開きます。」(そしてコンビニで卓上塩を買って振りかけると本当にドアは難なく開いた。呆気ないほどだったという。)で済ませて、室内にその男の霊が出た事で説明を求められても「都合の悪い事を隠していた点に図星を刺された事で逆上する」不動産屋の手際の悪い対応に、また1人家主が去った結果と合わせて頷けたものでした。本当だったらウィークリーマンションでもないんですし、対応如何で何とかなったのかもしれないのに(昨今は瑕疵物件でも「安いならむしろOK!」という客だって増えたのに。)脅しつけのように怒鳴りつければ自分が強い立場になれると勘違いしている(結果、また客を1人失っている。)なんて、ダメダメな不動産の店員だな、と実感した有り様でした…。

 離散の家…井脇「寝たきりの婆さんがいるのにバリアフリーなんて微塵も考えていない新築の家だった。自力じゃ下りて来れない婆さんを2階に押し込めていたんだから実際『監禁』してたんだろうな。」
友人「階段から転げ落ちて死んだってのがそもそも変だよ。自分で寝返りも打てないような寝たきりの婆さんなんだぜ?」

実の母親が家の中で死んだのに葬式での夫婦の表情が明るいことから噂に拍車がかかったのですが、3ヶ月後には夫は交通事故で他界、いくらもしないうちに妻子も無理心中した(「でも小学生の息子は全身、痣と骨折だらけだったんだって。心中だったらもっと一思いにやるもんじゃないかな。あれは息子を虐待して殺しちまったから自分も慌てて…って事だったんじゃないのかな、と。」by井脇)事から一家離散の家(瑕疵物件)→廃墟(心霊スポット)と条件が整い、大喜びで首を突っ込む阿呆も出てきたそうです。そして井脇さんの弟(阿呆は案外身近にいた。)も、くだんの家に不法侵入した結果、階段を転げ落ちてくるお婆さんの姿を見たそうで、やっぱりこれはお婆ちゃんの祟りだったんだろうなあ、と一家全滅した様(孫はまだ小学生だったが、それでも↑の扱いを受けていた祖母を見殺しにした身内という事実に変わりはない。)に頷いてしまったものでした…。

 背守…父「斧の柄は木だから水を含ませることによって膨張させ、それで刃の枠にしっかりと固定させるんだ。使う前に水に浸けなかったら、すっぽ抜けて当たり前だろ!」

オマケに当の斧は両刃斧(ダブルビット。柔らかい木には硬い刃を、堅い木には柔らかい刃を使わなければ上手には割れないし、斧の刃もダメにする事を考えると一本で硬軟両方の薪が切れる理想的な斧。最も現在、斧の立場はチェンソーに取って代わられているが。)で、どう弟に当たっても首が落ちるはずだったのに、綿入れに縫いつけておいた背守(子供が迷子になったり事故に遭わないよう服の襟に縫いつけておく護符。)に当たったおかげで痣で済んだという嘘のような奇跡が起きた話…ですがそもそも↑の言いつけをきちんと守っていれば、始めからこんな「事故」は起こらなかっただろ!と親には当然、大目玉を喰らったそうです。しかし奇跡は奇跡ということで、斧(薪割り)と無縁の都会生活を送っている今も熊谷さんは自分の子供に背守をつける事を忘れていないそうです…。

 うずらの卵…神月「3人一緒の廃墟探検でも目的は少しずつ違っていたの。私は見捨てられた建物のボロボロで迫力のある写真が撮りたかったし、カオリは古い瓶や陶器、スプーンといったものを集めてたし、ミカは純粋に霊を見てみたいというのが願いだった。」
ミカ「神月は写真。カオリは備品。2人は今までの探検で満足したでしょうけれど、私は何も獲得してないの。高校卒業したら、もうこんな事は出来ないし、お願いだから、一緒にこっくりさんをやって!」

こっくりさんというのは、東洋式のウイジャ版という「霊と会話をする為の装置」でもあるので一家惨殺事件のあった廃墟内で速攻で反応が来たのに納得すると同時に、出たのは怨霊だったという結果に納得がいった話でした。「やらないと家族を殺す」という脅しつけの元に自分で自分の目玉をほじくって取らせた被害者の家に行った3人中2人が失明した(「駅の階段から転んで顔面を打って眼球が破裂したんです。」「バイクで駅に向かっていたらメガネの中に蜂が飛び込んできたそうなんです。蜂が入るなんて聞いたことが無いわ…。それに両目とも刺したらしいの。」by母親達)そしてバイトも辞めて怖くて引き籠っていたにも関わらず自分も枕の上に三角錐のオブジェが落ちてきた(「いつもは机の脇のケースに置いてあるのに、それが何故かベッドサイドにある書棚のてっぺんに載っていたんです。」by神月)そんなファイナルデスティネーション並みの悲劇の連続にはやっぱり祟りが有った様子です。霊能者に言われて、うずらの卵を女が出た所に供えて一ヶ月間毎日、謝った結果、彼女だけは難を逃れた様を見るに、どうしようも無くなった出来事に見えても、ダメ元で謝ることって大切なんだな、と切に感じた話でした…。

「超」怖い話Θ(シータ)

2010.02.15
 「超」怖い話シリーズ8作目です。とはいえ超怖い話→超怖い話2→続・超怖い話→新・超怖い話2、3、5…Q(9)と続き、↑のようにギリシア文字シリーズになってからの8冊目で「初代」から数えると発刊から15周年、通算19巻目の本になる(そして現在はギリシア文字も使いきって午や甲などの干支シリーズが始まっている。)そうです。一時は休刊したり(すると「新巻はいつになったら出るんですか!?」と読者から問い合わせが殺到したおかげで1年後にはめでたく復活となった。)刊行していた頸文社が倒産したり(そして竹書房が拾い上げてコンビニ文庫としてギリシア文字版が始まる。)2度ほど「臨死」したものの、そのたびにディープなファンの呼び声によって復活を遂げたという、さながらゾンビのような伝説を持つこのシリーズ。どんなに長いシリーズでも余程の文豪でもない限りは基本的には口頭でチョンが通常(ジャンプの「最近『ぬ~べ~』つまんないよね。で、いつ終わろうか?」が「クビ宣告」にしては回数を与えてくれた分だけ優しい方だった、という話を思い出しました。小説界も漫画界もそういう世界なんですね…。)という事を考えると意外にも続いているこのシリーズ、これからもチマチマと追いかけていこうと思います。(平山先生が書いている限りは…。)

 安置所ホテル…彼「フロントに行ったらメインスタッフや責任者がいないんだよ。いるのは警備の爺さんだけなんだ。このホテル、夜の10時を過ぎると警備を残してスタッフいなくなるんだよ。」
彼女「聞いたことないよ、そんなの!」

登山客が遭難すると「家族が遺体の確認に来る」まで置いておく場所(まさか家族を「死亡事故現場」である険しい山の中まで、はるばる連れていけない。冬山なら特に。)が必要になり、そのホテルは設立前は役場で乾燥室の辺りが死体安置所だった(おかげで夜中になるとホテル内を幽霊が徘徊し、そんな事情から地元スタッフは↑のように夜になるとサッサと退散している。)という様には、そんな話を聞いた時点でカプセルホテルにでも直行するべきだったなとツッコミを入れてしまったものでした。死体の皆さんも「冬山で死んで春先に見つかった物」となると熊に食べられてバラバラ死体になっていたり、五体満足でも目や鼻や口のみならず皮膚という皮膚に無数の穴が穿たれ広げられ、白や茶、黒、まだらの虫で大洪水になっていたり(動物に食べられなくても虫に食われる)酷い有り様になるそうなので、よく樹海で「山の美しい景色」を見ながら死ぬのは理想的な死に様みたいに言われているけれど、当の死体はそんな風になるんだなと改めて「発見されない死体」の無残さを実感した話でもありました…。(そんな姿の幽霊が出てくるんだから、泊まっている人間はたまったもんじゃないよな…。)

 正座…女の声「ギャアァァ~!」
宮下「…女だな。女の悲鳴だ。助けを呼べないキャンプ場っていうのを良い事に誰か姦られているのかもしれない。」
城内「強姦だったら助けないと。こっちは男が3人もいるんだし。」
山形「そうだな。他にもテントが有ったみたいだし、いざとなったら加勢して貰えるかもしれないしな。」

悲鳴が聞こえてから待つこと3分(カップヌードルかい)、異常事態に「すぐに飛び出す」のではなく既に最初の悲鳴から大分経っているにも関わらずテントの中でなおヒソヒソと声を潜めて会話をしている辺り少々へタレな男衆でした。(最もその正体は正座した女の幽霊であり、彼らが出てくるのを「誘いかける」為に悲鳴を上げ続けていた事を考えるとその選択は正解だったのだが。)ランタンの光が届かない暗闇の中でもハッキリ見えるその姿、正座を崩さないままベルトコンベアーで進むがごとく自分達に近寄って来たその移動方法から幽霊だという事はすぐに知れ、後はテントに入って朝まで震えていた御一行。こういう事があるから「きちんとしたホテル」(第一話目のような遺体安置所ホテルではない。)に泊まることって大切なんだろうなと実感もしたキャンプ場の様でした。

 鼠撒き…古道「百姓にとって米は命の次の宝。その宝を狙いにやってくるのが、植わっている間は雀とイナゴ、刈り入れてからは鼠だ。」
甚佐「で、俺は鼠の巣を見つけると、赤い袋みたいな子鼠を捕まえて親鼠が戻ってきた所で、頭、腹、手足と千切ってみせるんだ。それもゆっくりとな。畜生だとバカにしてても親は親だね。ピタッと動きを止めて引き裂かれるのをじっと見ているからね。」

あまりに惨いので女子供は気味悪がったけれど、確かにそれをすると、その家や納屋に鼠は二度と巣を作らなくなったそうなので、効果は有った模様です。ところが、いつものように鼠を追い立てている最中に倒れ、調べてみた所、脳の手術の出来ない所にデキモノ発見→中から膨らんで左目が抜ける→さらに顔の前に葡萄の房のようにデキモノが飛び出して言動も怪しくなる(「紫色のグツグツと吹きこぼれたようなデキモノは見ようによっては鼠の頭にも見えた。」by古道)→すっかり頭がおかしくなって線路上でデキモノを食べている所を発見→家族の真ん前で電車に思いきり轢き潰された(奇しくも自分が鼠にやっていたように、親の目の前で手足バラバラの轢断死体になって死んだ。)様は、まさしく祟りだったのでしょうね。以来、その村では「鼠神」というお札が配られるようになったそうです。(確かに神レベルの罰の当たり方でしたな…。)

 ダイヤモンドピアス…大門「別れてから会った事もない彼氏から突然、珍しいカラーダイヤモンドのピアスを贈られたんです。小劇団の新進女優として少しメディアにも出ていたし、何かで見て懐かしく思ってくれたんだなと思って…。」
ユタ「あなた、あと2日で死にますよ。だって死魂を身に着けているもの。これをくれた人に返しなさい。これは死人の亡骸です。」

イタリア系マフィアは殺す相手に敵意を隠して贈り物をするという風習を思い出しましたが、↑の事例もそれに違わず彼女に振られたショックで自殺した彼の母親が「元彼からのプレゼント」を装って送りつけたものだったというオチがありました。アメリカでは遺灰から抽出した炭素でダイヤを作る葬儀事業があるそうで「綺麗な宝石」はそのまんま彼の骨だったという事実に大門さんは都内のお寺というお寺をかけずり回って引き取ってくれる所を見つけて納めたそうです。(当の母親には「アンタがあの子をあそこまで苦しめたんだからそれ位持ってなさいよ!それはあの子の骨で作ったんだから捨てたら承知しないよ!」と返品不可の憂き目にあった。)自分をボロ雑巾のように捨てた女に尚おめでたく思い上げて宝石まで送る馬鹿な男なんてこの世にいやしない(「騙されている最中」ならともかく捨てられた後ではさすがに夢の見ようも無いだろう。)という常識を学んだ彼女は以来、自分のアクセサリーは自分で買うようになったとの事でした…。

 口笛…杉浦「俺、付き合う女、付き合う女と、いつもベッドインした途端に一方的に振られるんです。体の相性云々ではなく、とにかく起きると相手は消えてるんです。」
女優「私、杉浦さんのこと好きだし、今でも嫌いじゃないから話します。あの人、全然、悪くないんです。でも、事が終って寝ていたら彼の口から口笛が聞こえて、見てみたら口の中から女の顔が覗いて『次は殺す』って言われたんです。」

そんな話をどう説明すれば良いのか、また説明できた所で解決できる問題なのか(言ってどうなる話でもないような気がする。)と、仲介役を頼まれた共通の友人・高原さん(「次」に彼と会わない為に、と↑の話も2人が直接会って行われる事は無く、別々に高原さんに話すこととなった。)は悩んだ挙句に「女はやっぱりAV男優なんて仕事は嫌うんだよ。お前、寝ぼけて他の女の名前を呼んで抱きつく癖があるらしいぜ。」(何を理由にした所で、どの道「彼とはこれ以上つき合っていけない。」という結論だけは変わらない。)と大嘘を言ってその場を収めたそうです。しかし、今の彼女との付き合いが無事に「終わる」事となっても、このままだと彼も大変(彼氏が寝ている時にテレビがつき、シャワーの音が聞こえ、明らかな霊現象が始まったら誰だってビビる。)でしょうし、いつか本当の事を言ってあげて、霊能者なり、お百度なり、その道の対処を勧めた方が良いと思うのですが…。

 刑場前の歩道橋…幽霊「成敗や良し!」
中野「今まで気味が悪いと感じても『出る』ことは全然無かったからショックで…。」
友人「お守り買ったでしょう。それがダメなのよ。だってお守りって『来るな!祟るな!』って別の意味でケンカ売っているような物だもの。お守りの方が圧倒的に強ければ良いけど、あそこにいる者には逆効果なんじゃない?」

本当なら刑場の敷地を丸ごと取っておく(建築などせず手出ししない)のが本来ですが、扇状地にまで家を建てる狭い島国・日本(そして洪水が起こったが最後そこの家は甚大な被害を食らう。それでも懲りない。何故ならば土地が無いから。)では、そんな悠長な事は言っていられず、羽田空港の鳥居がギリギリまで残っていた事例(結局、移転はしたが工事を担当した社長が着工当日に瓦が頭に直撃して死んだり、その後立てられたアパートでも住人4人が続けざまに死んだり不幸が続いた。)よろしく、首を洗った井戸、慰霊碑、道具を収めた収蔵庫というポイントを残して国道や近隣の私道に削られていったそうです。おかげでそれらに限りなく隣接して造られた歩道橋では↑のように出ることもしばしばで、自分の腸が腹から溢れて首だけでブラブラ移動させられている幻覚(って切腹の果てに介錯をされた状況じゃないか!)を見せられた中野さんは度肝を抜かれたとの事でした。せっかくお守りを持っていても「効果を発揮するか」どうかはパワー次第でもある様子です…。

 隣の親父…奥山父「隣の親父が焼身自殺した翌日から、突然、家の中の者が壊れたり倒れたりという事が頻繁に起きるようになったな。人肉が焦げた独特の匂いもかいだし、これってやっぱり…。」
奥山母「でも、夫を亡くして不幸に打ちひしがれている奥さんに『お宅の旦那さんがうちに来て困ってます』なんて言えないじゃない。」
住職「家を間違えていると教えた方が良い。」

で、次の日からさっそく変な事をしてみた(葬式の時の案内表示のように隣家に向かっている家の壁に大きな指を描き、その下に隣家の苗字を書いた。)所、翌日からパタリと怪事は消えた(向こうもやっと間違いに気づいたらしい。)けれど、半年ほどで隣家が売りに出された後、誰もいなくなったのを寂しがってか、今度は明らかに他人の家と分かっていて入ってくるようになった…のには、さすがに対応の仕様がなく、結局、奥山家も近くのマンションに引っ越したそうです。食器棚の壁やコップを割られ冷蔵庫の中身を撒き散らかされ、壁にはケチャップが飛び散り、引き出しが全て引き抜かれ中身が散乱する他、年代物のコニャックまで飲まれ、さすがに我慢できなかったとの事でした…。(隣家は自業自得だから、まだいい。一緒に暮らした訳でもないのに、キチな人間の近くにいただけで迷惑を被る隣近所の住人は関係も無いのに、いい迷惑だ。)

14歳①~③

2010.02.05
 「漂流教室」が滅んだ後の地球を描いた作品だとすれば、この作品は滅ぶまで、終末までのプロセスを描いた補完的な作品とも言える物語です。地球の未来を描いた…と思いきや最後はとんでもない世界設定のどんでん返しを見せており思わず脱力したのもいい思い出でした。ともあれ最終巻間近まではリアルなサイエンスフィクションとして完成度の高い作品なのでちょこちょこ感想を書いて行こうと思います。

 戸川洋子(ヨッコ)…占い師「まあ、あなた!お腹の中に赤ちゃんがいますね!」

中絶の為に女友達同士でお金をカンパする話は聞いたことがありますがたかが占いの為にお金をカンパするという話は初めて聞きました。(皆さん、どんだけ友達思いなんでしょうね?)中絶するにしろ生むにしろ金がかかるのだから占いなんて非現実的な事より、もっと有効な使い方がいくらでもあるはずではないのか?(カンパが必要な程の占い代金というのも…一体どれだけ高額なんでしょうね?)ちなみにまだこの時点では語られていませんがお腹の赤ちゃんの父親は某アイドルです。(14歳にして遊んだ結果、身籠りました。)つまり金のある相手なのだから占い代も養育費もきちんと認知させて搾り取っていくべき(「誠意を見せてくれないならDNA検査をしてそれをマスコミに流す!」「児童買春禁止法違反として訴えてやる!」と脅して貰う物は貰うべき。)だと思うのですが…。占いに逃げる前に行動すべきことが沢山ありませんかね、ヨッコさん?

 繁野良行(チキン技師)…繁野「君はもう帰ってくれないか。僕は気分が悪いんだ。」
ユコ「良行さん、開けて!人の事を使うだけ使ったら追い返すつもり!?」

仮にも彼女に対してこんな扱いでいいのか…?(いや、悪いだろ。)と秘密(チキン・ジョージ)の隠蔽以前に周りの人達への対応に対して疑問を持ってしまいました。雑巾がけするにも家に入れなければ濯ぐ為に水道を使う事もできない訳で「何故、鍵なんてかけたの?」(私に真っ当な労働をさせる気があるんですか?)と彼女まで不審に思っている程です。そこまでしてチキンに尽くしてきたのに恩を仇で返すかのように殺害されたのは読者からも非難豪々だったらしく(人気にもかなり響いたらしく)その後「あれは麻酔を注射して1次的に動けなくしただけで彼はちゃんと生きてますよ~。」と後付けで生きて登場したのにはホッとしました。(で、麻酔を注射して1次的に動けなくする意味は何だったんですか?)彼が本当に殺されていたら多分一生チキン・ジョージを好きになれることはなかっただろうと心から安心しました…。

 チキン・ジョージ博士…チキン・ジョージ「君だけは人間の見本として取っておこうと思ったんだがね。」

チキン・ルーシーが本気で「人類を滅ぼすべきよ!」と主張しているのを「それよりも、その後どの生物が地球をリードしていくのか知りたくはないかね。」と気を逸らしている辺り、彼の方は脅しつけを通して相手の気を引きたい気持ちの方が強い様子です。(本当は友達が欲しいのに嫌がらせばかりするせいで皆に嫌われているバイキンマンのようだ。)ニワトリのくせに脱皮をし(爬虫類か、お前は!?)首から下は全裸男という謎の生命体である彼。(首から下だけは人間なのにね…。)いつの間にやらイギリスのケンブリッジ大学で博士号を取り、博士なんだか、教授なんだか、ドクター(医者)何だか、カテゴリが良く分からないキャラクターになり果てている様には博士号というのはそんなに易々と取れるものだったっけ?という当たり前の疑問も湧いて出たものです。そして博士号を取った割に「これは植物の呪いだ!」ととっても非現実的な説を唱えていて、一体何の部門で博士号を取ったのかも気になりました。(心霊関係ですか?)とはいえ序盤では育ての親をぶち殺し、尾行していた子供達を地下に閉じ込め、異様な動物園の動物達を檻から出して大混乱を起こした、ただの嫌な奴です。「これが私の元の姿だ!」とニワトリ(後のルーシー。)も1匹盗んでおり早速犯罪者になっていた様に、非業の運命を背負って生まれた割にはあまり好きになれなかったキャラでした…。(窃盗だから返してきなさい、そのニワトリ!)

 チキン・ルーシー…「人類は滅びるべきだと思うわ!すぐに動物の中のどれかが進化して地球をリードするわよ、ドクター・チキン・ジョージ。」

チキン・ジョージが動物園から盗み出したニワトリのなれの果てです。(返して下さいよ。)チキン・ジョージによって「知能」を上げて貰ったものの、「性格の良さ」は上がらなかった様子で、同類(祖先)でありながら後にチキン・ジョージが彼女を忘れて人間の女と恋に落ちたのも思えば納得してしまいました…ゲフッ!言いたい事は分かるけれどキーキー喚く短絡的なヒス女では付き合っていくのは疲れるだろうなあ…と振られるのにも頷けてしまった女性です。最も知能を上げて貰わなければ彼女は肉体だけは人間の結ばれる事の叶わない男(チキン・ジョージ)に恋する事も、辛い「失恋」を経験することも無かった訳で、「唯一の女性」(最もチキン・ジョージにとってはただ一人の「仲間」という意味でしかなかったのでしょうが。)と思わせて期待を持たせた後でポイ捨てしたチキン・ジョージは結構残酷な事をしてるよな、とも思えてしまったものでした…。

 ミッキー…「人類、ばんざーい!」

チキン・ジョージ博士と「遭遇」したヨット愛好会の青年です。(某ディズニー映画のマスコットキャラクターとは全く関係無いので念の為。)彼の話によりチキン・ジョージはひょっこりひょうたん島のような流れるゴミの島に住んでいる事が判明しました。(どんな住み家ですか!?)が、それはそれとして破傷風にかかっている上に骨が内臓にに突き刺さっているという重症で、よく脱走して大統領の元まで辿りつけたなと思ったら実は本体はとうの昔に死んでいて、自分はクローンでしかなかった…とは思えば悲しい結末です。(ていうか本当に酷いことしてるよな、チキン・ジョージ…。)クローン人間(所詮は他人のコピー)でも同じ体組織を持って、自我を持ってそこに存在する以上は立派な「人間」だと考えるとウイルスと共に自滅したのは、本人の意志だったとはいえ可哀想な展開でした。幸いなのは人類を犯すウイルスが、すぐに「現場」に戻って消滅させた為に一匹もばら撒かれずに済んだ事でしょうか。当のウイルスを作り出したチキン・ジョージが健在である以上、多少の不安は残りますが、ちょっと安心したものでした。

 ヤング大統領…「日本の遺伝子工学による食品革命は世界の平均寿命を150歳にしました。」

じゃあ町には認知症のおじいちゃんおばあちゃんが溢れ返っているのでは…?(ローズ氏を見ると分かりますが寿命は延びても「老化」はしっかり進むようですし…。)と、この世界の設定に早々に危惧を抱いてしまった瞬間でした。夫婦共に若く見えますが(若作りをしているだけなのか?)年齢的には結構年をとっているらしく息子のアメリカは高齢にして思いがけなく授かった子供だそうです。(だったら体が緑色という事より障害児かどうかの方を心配するのが先の気がしますが…。)他の子と違って髪の毛だけが綺麗に緑色(他の子は全身所々にあばたのように緑色。)のおかげで見た目はかなり麗しく生まれており(作者の)差別だとも感じてしまったものでした…ゲフッ!

漂流教室

2010.02.04
 某囲碁漫画のパロディアンソロジーでこの話のネタ(院生の皆が建物ごと不毛の未来に流されてしまったよ、というとんでもない話でした。)が載っていたので長らく気にはなっていたのですがラストがバッドエンドで終わっていることもはるか昔に(最後のページだけ)立ち読みして知っていたので手を出すのは遅くなってしまった話です。)でも本屋に全巻揃っていたので思わず買ってしまいました…ゲフッ!

 高松翔…とても小学生とは思えない統率力・行動力でみんなを引っ張っていってくれているこの話の主人公です。本来子供達を支えるべき大人である先生に殺されかけたり、よりによって未来で盲腸になってしまい麻酔無しで手術するはめになってしまったり、人1人(西さん)かついで学校と富士市(富士大レジャーランド・天国)を往復したり(学校はきっと静岡県内にあったものだと信じたいです…。)苦労の絶えない…というか私だったらきっと途中のどこかで精根尽きて死んでいる状況でよくたくましく生き抜けたと、子供ながら尊敬してしまいました。最後は結局帰れなかったんだ(苦労して頑張ってきたのにあのラストですか…。)と物語が終わった後悲しくなってしまったものです。続編はやっぱり出ないんでしょうね…ゲフッ!

 西あゆみ…眠っている間は翔のお母さんとの通信機になれる不思議な少女。(どんな人間ですか?)4日間眠り続けた翔の記録を上回って眠り続けていた後(何故、足が不自由になるのか分かった気がします…ゴフッ!)最終話になってようやく目を覚ましていましたが「良かった。あっ!また目をつぶった!」とまた眠りに入ってしまった(起きて下さい!)辺り、笑う所かと思ってしまいました。ともあれ彼女の不思議なパワーのおかげで取り合えずユウちゃん1人だけは現代に帰ることができました。1巻でユウちゃんの母親が翔の家まで怒鳴り込んできた辺り、家同士もそんなに遠くないでしょうし(少なくとも学区内であることは確か。)きっとパパとママにも会えたでしょうね。これで彼女の不思議な力が消えてしまうのは残念ですが最後に一人の子供を助けることもできたんですし良かったね、と言いたいです。

 咲っぺ…「私は翔ちゃんが好きでした。だから私は帰りたくなかった。元の世界に帰ったら私達はユウちゃんのパパとママではなくなるからです…。」

皆で輪になって現代に戻ることに失敗したシーンにて置き手紙を書いて姿を消していますが、手紙の内容も結構長いし、全校生徒がいた(しかも隣の人と手をつないでいた)にも関わらずよく誰にも気付かれずに姿を消せたな(忍者ですか?)と感心してしまいました。「たとえ翔ちゃんが他の女(西さん)を好きでも、この世界にいる限りは、ユウちゃんがいる限りは、私と夫婦。」と手紙にありましたがそのユウちゃんが一人で現代に帰ってしまった今、疑似夫婦でもなくなってしまったのにあんな辛い未来の世界に残されるなんて…と悲しくなってしまいました。死んだ人の体から草の芽が出ているのを発見したり、鳥達という名の食料が戻ってきたり(食料違う!)ロケットに積んだ物資が空から降りてきたり(もっと早くに降りてきて下さいよ…。)希望も見えてきたものの登場した化け物たちが消えたわけではないのですし彼女達の苦労はこれからも続くんでしょうね。取りあえず咲っぺ頑張れ、とエールを送りたいです…ガフッ!

 大友君…「まるで夫婦気取りじゃないか!その女をこっちによこせ!そいつは俺のものだ!」

というセリフの意味合い(愛の告白以外の何物にも聞こえません。)には、まるで気づかれず挙句の果てに「やめてー!」と咲っぺ(告白したご本人)にナイフで刺されている彼が哀れに感じました。(今までの翔との確執の原因は痴話ゲンカだったのね…。最終巻にしてラブコメにしなくても…ゲフッ!)再度の告白でようやく気づいてもらえましたが咲っぺは泣き伏すだけで返事は無言。(か、悲しい…。)それでも「俺は君のことずっと好きでいるよ。」と言える彼に根性を感じました。(ガラスのエリートのようなクラス委員長が成長したじゃないですか。)どうやら学校が未来に飛ばされた原因は彼が仕掛けたダイナマイトのようですが、それはともかく小学生がどこからどうやってダイナマイトを入手したのかという基本的な疑問が残ってしまいました。ナイフを持っている翔といい、このクラスには危険な生徒が多かったようです…ゴフッ!

 高松恵美子…翔ちゃんのお母さんです。西さんを通じて会話ができるのを利用して死人の体の中にコレラに対するワクチンを埋め込んだり(死体遺棄)、ホテルの一室にドリルで穴をあけてナイフを埋め込んだり(器物破損)、犯罪行為でも躊躇なく手を染める様はまさしく盲目的な母の愛だなあ、と感じました。西さんのパワーの影響か最終巻では全世界のテレビ中継に「翔達が帰るようにと心で強く念じて下さい!」というメッセージが(野球中継などの番組が中断されてまで)流れるという奇跡が起きていました。そこまで(他人の目を気にせずに)行動してきたというのに結局翔達は帰らなかった(もう2度と帰らないことを知ってもなお待ち続ける)…という終わり方が悲しくて仕方ありませんでした。続編は本当に…出ないんですね。(悲)

アンナ・カレーニナ

2010.02.03
 漫画版は今より20年近く前に出版された名作。(で、作者はいがらしゆみこ先生なのですが、他作品を読む予定が無いので強引に名作漫画化カテゴリ入れ。)原作者のレフ・二コラーエヴィチ・トルストイは醜男で有名(ツルゲーネフが「あの顔でドンファン願望を持つとは。」と呆れている程。)で同じ伯爵家レベルの女性には絶望的にモテなかったそうです。(彼の描く「美形男」が決して幸せになれないのはそのせいだろうか?)しかし農奴女達には「伯爵家の御曹司」は拒めず、彼の生まれ故郷のヤースナヤ・ポリャーナからモスクワまでの道のりには彼の子供が200名(!)ほど産み落とされたと今でも語り草になっている…そうです。(オイ!)その報いなのか、彼の奥さんのソフィア世界三大悪妻とまで呼ばれる強欲ぶり(財産を貧しい人達に分けたいというトルストイの意思に反し、作品の版権を取得しようと躍起になっていた。)を発揮し、対立したトルストイは晩年、末娘と共に82歳で家出しそのまま肺炎になって死んでしまったという悲しい死に方をしています。(女を弄んだ奴が女の為に苦しめられるとは、何とも皮肉な人生である。)そんな彼の作品です。
描き手のいがらし先生ががこめてくれたキャラ達への愛情を感じることのできる作品でもあります。また、ドレスやアクセサリーのデザインが凝っていて(現代でもパーティに着ていけそうな位、しゃれている。その点は現代版漫画以上です。)感動もしました。

 列車事故…ここでアンナが引き返していたら全ての運命は変わっていた…運命は人の手で変えることのできるものだと考えているのでこの表現は結構好きでした。(血塗れでしたが。)ヴィロンスキーがイカれてしまったのは舞踏会後なので、ここでアンナがとっとと家に帰っていたらストーキングされた(電車内まで追いかけてくるのはどうかと思うの。)上に不倫することはなかったと私も思います。

 ドリィ&スティーヴァ夫妻(ダリヤ&ステファン)…
スティーヴァ「ドリィのように老けてやつれた美人でもない妻はもっと浮気に寛容になるべきだよ。」
ドリィ「アンナ…彼は本当に心から許して欲しいと願っているの!?」
ここで旦那が本気で反省してると思う人は手を挙げて下さい。(私は挙げません。)現代版では真実後悔していた旦那ですが(涙目にまでなっていた名演技は必見。)ここでは妹アンナと結託して「所詮浮気女は家庭の妻にはかなわない」(離婚するほどの問題じゃない。)ことを刷り込んでいるようにしか、見えないのですが…ゲフッ!それでも騙されてしまう辺り、ドリィはどこまでもお人よしなんでしょうね。

 キチィ…現代版では「相手にされなかった子供」という感じでしたがこの話では社交界の嫌らしさの表現も合なって「幼くても人の痛みや悪意を敏感に感じることのできる純粋な女性」というように描かれていて、その落ち着きが好きでした。レーヴィンに対する思いも「心変わり」にも関わらず(現代版だったら「どうせ本命に振られるんだったらあの時OKしておけば良かった。」かのような消極的姿勢だったのに)あの時代で逆プロポーズする行動力も伴って(その後1コマで式を挙げるのも凄い。)とても好感が持てたものです。逆に彼女を慰めるドリィが諦めの方向にに悟りを開いていたのが悲しかった私でもありました。(「あなたにはこうなってほしくない」っていう慰めの仕方が…ゴフッ!)

 レーヴィン…年を重ねるごとにヒゲ度が上がっている殿方。(キティの回想ではツルツル→プロポーズ時は口ヒゲ→話終了後の序章では顎ヒゲが追加されている。)現代版の「自分の身近な美女に舞い上がってるだけのオッサン」(しかも1度失敗したら逃げ回るという根性の無い様を見せている。情けない。)とは違い、純朴で誠実な人柄の紳士になっていてビックリしました。舞踏会で目の前にいる美女(アンナ)を無視して迷わずキティを誘い、公衆の面前で(なるほど、キティが「その先は言わないで。」とストップ掛けるわけだ。)プロポーズをした玉砕上等の覚悟(本当に玉砕はしてしまいましたが…ガフッ!)が素敵でした。振られた後も相手の幸せを心から祝福してる辺り本当にいい人で(だから「いい人」止まりで振られちゃうんだよ、レーヴィン。)最後に幸せになってくれてとても嬉しかったです。

 アンナ・カレーニナ…表情がマトモだ(現代版を読めば分かります。)…と最初に驚いた主人公の女性。とりあえず1人息子のセリョージャが旦那似でなくて良かった(カレーニン氏のヴィジュアルを見てオオアリクイやナマケモノ等々の動物が連想されてしまうのは私だけ…?)と胸をなでおろしたものでした。最後の自殺も(現代版ではもう何がやりたいのか良く分からないような行動としか描かれてなかったのに)「たとえ終わった恋でもこの愛に殉じる」ような覚悟が伝わってきて初めて読んだ時には「凄い女だ。」とドン引きしてしまった(あの時、私は子供だったのです。)のも、懐かしい思い出でした。そんな「覚悟の決まった女性」だったので現代版の解釈(もう途中からただの行っちゃってる女にしか見えない…ゲフッ!)に驚き、思わず衝動買いしてしまったのも、いい思い出です。(決め手はそれでした。いつも本を貸してる友達に差を見せつけてやりたかったのです。)この話では最後まで人間性を失わなかったのに…ゴフッ!

 アレクセイ・ヴィロンスキー…「落馬には気をつけてね。」と注意された直後のレースで落っこちた人。この話は彼が「恋の為なら周り全てが見えなくなる子供」(「あなたの為なら全てを捨てます。」)から「周りを見渡せる大人」(「男に必要なのは仕事・名誉・地位で、愛なんて二の次の存在に過ぎない!」)に成長してしまったが故の悲劇でもあるでしょうね。自殺未遂時、あの位置にピストルを当てて良く助かったな(こめかみじゃ失敗しようにないと思うんですが…撃つときに怖くなって予定変更して壁でも撃ったのだろうか?)と感心したのも束の間、そのままお別れの方向に進んでいた彼に諦めの境地を感じてしまいました。(ある意味ここで2人の愛は終わっていたとも言える。アンナがここで飛び出さなければ2人が一緒に暮らすことも、その為に社交界を追われることも無かっただろう。)そのままあの生活が続いていたら重苦しいアンナの束縛に耐えきれずいつか家庭内離婚状態になっていたように思える(しかも彼は法律上は独身なので、有力者の娘と結婚して地位を上げることができる立場にもいる。)ので、自殺させるほど追い込んだという罪悪感を糧に彼を繋ぎ止めたアンナはある意味見事と言えるように感じました。(これで戦争から生き残ったとしても彼が他の女性の手を取る事は永久にないだろう。アンナも死んでるし、誰も幸せになれてない最悪な終わり方でした…ガフッ!)
トルストイの描く「美形」って設定からしてもう幸せになれないことは決まっていたとはいえ、破滅的な最後に悲しくなった人でもありました。

 (後書きについて)…「不倫という言葉が恥ずべきことでもなければ隠すことでもないように女性の口から語られる現在」…私の先輩はファミレスで旦那の悪口を言っているとばかり思っていた主婦が実は愛人の不満を語り合っていたと分かってギョッとした(その話題ははファミレスという公共の場で話すべきことなのか!?)経験を持ってるし、私も某学園の園長が「浮気はさせる方が悪いし、バレなきゃいいのよ。」(バレなきゃやっていいものでもないし、どんな状況であろうと浮気する人はするし、しない人はしないのだからその理屈は間違ってると…思うのですが。)と言ったのに愕然とした経験がある(いくら雇われ園長だったとはいえ、子供たちを教育する立場にある女性がそんなセリフを当たり前のように吐ける生活を送っていることに衝撃を受けました。)ので、この後書きを読んで、時代は変わり果てたことを改めて思い出しました。不倫は甘美な「毒薬」と否定的に見ている(…ですよね?)作者がここまで人同士の絆を大切に描いてくれたことが分かって嬉しく思う(皆さんはキティのような穏やかな幸せを掴んでほしいという一文に愛を感じました。)反面、それでも悲劇は免れなったという厳しい現実を描き切ってくれた(本当の現実は浮気を知りつつ黙認してたり、何事も無かったかのように今までの生活に戻ったりするご都合主義が多いのだけどね…ゲフッ!)作者に感謝もしたものでした。この作品を読んで不倫に隠された歪んだものに気づいてくれる読者が増えたらいいな…と私は願っています。

アンナ・カレーニナ

2010.02.02
 最近出てる「漫画名作文学」シリーズの1つです。(正確にはバラエティ・アートワークスではないのですが名作の漫画版という事で…。)原作者はトルストイで、漫画を描いたのは大瀧晶(最後のページに載っていた。)という人だそうです。アンナに対する悪意を感じたり、キティが軽く扱われていたりと、解釈の違いで物語の印象はこうも変わるのかと驚き、思わず本を貸した友達にはいがらしゆみこ先生版(絵は古いが主要登場人物に愛をこめて描かれていることが伝わってくる。ぶっちゃけこっちの方が登場人物の考え方に共感しやすく話を追いやすい。)を先に読むようにと強く勧めたのもいい思い出です。

 キティ(カテリーナ・シチェルバツカヤ)…逆プロポーズはしないのか…と話の展開にガッカリしたものでした。(いがらし先生版だと領地に押し掛けて自分から告白している名シーンが拝めるのです。)不倫の中で愛を育てようとするアンナとは反対に、結婚の中で穏やかな幸福を掴んだ女性(相手と暮らし始めた日が一緒、子供は1人という条件まで同じ…なのに生活はここまで違うのか、という対比表現でしょうね。これは。)なんですが、話の表現的に「身近にいた理想の相手に気づいた」というより「好きな人に相手にされなかった者同士が傷を舐め合うように一緒になった」というように読めてしまうのは、私だけでしょうか?(キティはその後「あの時アンナが来たおかげでキティは(初恋をぶち壊され、結果レーヴィンと結婚することになって)幸せになれたんだから良かったわね。」と言われるとまるで現状が不満なように「……。」と席を外してるし、レーヴィンは美人のアンナと会った時すっかりのぼせ上っていた本当に心が通ってるのか、この夫婦、と2人が心配になった瞬間でした。)序盤もただのヒステリックなワガママ娘にしか見えない(夜会のなかで泣きながら「もう、どうでもいいわよ!」なんて絶叫しては、噂に尾ひれがつくだけです。社交界で大騒ぎするほど子供すぎる女性とは…思ってなかったのですが。)ので、もうちょっと表現に工夫してほしかったなあ…と残念に思ったキャラでした。

 アンナ・カレーニナ…その笑顔に歪んだものを感じるのは私だけではないはずです。(描き手の悪意だろうか?そんなことしなくても嫌われる要素は充分持っているキャラなのに…ゲフッ!)難産(高齢出産のせいと私は見ている。中絶の仕方も売春婦じゃなくて医者が教えてくれた辺り「薬漬けのこの人が出産したら危険だ…っていうか前回既に死にかけたし。」というドクターストップではないかと思いました。)辺りから自殺に至るまで態度も表情もおかしくなってきて、段々何がやりたいのか分からなくなってきた女でした。(もうちょっと描きようはなかったのでしょうか?)最後は謝りたいという思いを前に「10時前には帰れない。」と拒否られたと思い込み、手紙の返事で「君の手紙が間に合わなかったのが残念だ。でもやっぱ10時前には帰れないから。(10時には帰るけど。)」とトドメを刺され、錯乱状態で電車に飛び込みました。(笑顔が怖いです。)この話は分別ある人妻が冷たい旦那への不満から不倫にのめりこんでしまう話なのに「読者も共感できるような旦那への不満」がちっとも描かれていないし(むしろ旦那が「不器用で人と接するのが苦手な誠実な夫」に見える。これでは悪役はアンナ…いや、どういう理由があろうと不倫する奴は悪人なんだけどさ。)どうも話の重心がずれてしまっている(旦那の苦悩に焦点を当ててアンナの悪い点ばかりクローズアップしてるような…。)気がしてなりません。まあ、「こんな解釈もあるんだ。」と楽しめはしましたが。

 アレクセイ・ヴィロンスキー…愛人さんの方です。トルストイの描く「女にモテる美形男」は決して幸せな結末を迎えられない(反対に女に振られたレーヴィンや、「戦争と平和」の不細工なピエールなどには必ず穏やかな幸福が用意されている。…ひいきだろうか?)という一説の通りに見事に不幸になったキャラ。しかし1回ダンスを踊ったくらいで相手の電車まで追いかけていくのはもう情熱的を通り越したストーカー的だと思えて…ちょっと怖いです、この人。「僕の願いは君に人生の全てを捧げること。」とやたらに何かに人生を賭けようとする姿勢(そして最後には戦場で人生を捧げる目標を見つけようとする。娘のアニーと共に穏やかな生活を続けるのが親の務めではないかと思うのだが…何故そんな極端な結論が出てしまうのか私には分からない。)が漢らしいというよりむしろ、ただ重苦しく感じて苦手な人でした。有能な事業家でもあるので、他に色んな人生を開花させることも出来たのに…と惜しまれます。(で、やっぱり死んだんでしょうか、この人…。)

 アレクセイ・カレーニン…アンナの旦那様。描いてる人のひいきか、「渋くて、不器用だがやさしさを持つ男」としてやたら魅力的に見えるおじ様。(本当だったら「体面だけを重んじる卑劣な政治家」の通り冷たい男なんですが…。)トヴェルスカヤ夫人の夜会で愛人と会ってた妻に対して、あの年で「最後まで話を聞いてくれ!私はお前を愛している!」と激白してくれた日には惚れ直しました。(その前に「第1に説明して第2に意味を教えて…。」と夜中の1時過ぎまでまで一生懸命独り言を言いながら待っていたのもけなげでした。私なら待ち切れずに眠っています。←オイ!)最後に愛人の子供のアニーまで引き取ってる辺りもどこまでもいい人に思え(この人、不器用なだけで本当は愛情あふれるやさしい人だったんじゃないかと思えるから不思議。)好感度は上がる一方でした。反対に主人公であるアンナが悪女(それは決して間違いではないのだが!)に描かれすぎていてやたら話が読み辛くなってしまっているのは禁句です…描き手が主人公を愛さずして誰が愛するというのかという基本的な間違いを犯してしまいましたよね、描いた人…ガフッ!
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