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薔薇の名前

2010.05.28
 恐るべきはリニューアル版(ホワイトハートX文庫版)の方のこの本が、健全でノーマルな人間(腐女子ではないマトモな趣味の人間)が数多く集う「図書館」に置かれていたという事実でしょうね。(うっかり何も知らない人がライトノベルと勘違いして手に取ったらどうするの!?表紙だけ見て肝心の中身の方を確認しなかったでしょう、図書館の職員!)という訳で未完の作品として終わりそうだったこのシリーズは、ついに「美しい完結」に向けて改稿を重ねながら出版されていく…予定のはずなのですが当の1冊目(改訂版)以降、続きが全然出ていない様子なので旧作版の方で感想を書いていくことにします。

 藤川翔…瀬名「藤川のインキュバスとしての能力は一流だ。藤川の力で売れたタレントは一人や二人じゃない。」
彬「ふざけんなよ!そこまで腐ってるのかよ、この事務所は!」
瀬名「言っておくが藤川から妖力を貰っている者達は皆、自分で望んでそうしたんだ。藤川だけを責められるか?」

歌唱力やギターの腕などの「技術」なら練習次第でいくらでも上げられるけれど(まあ、生まれついての才能もある程度必要ではあるけれど。)「舞台映え」するかどうかはカリスマ性にかかっている。(実際、ロクな「実力」も無いのに何故か売れた芸能人など山ほどいるし、「技術」はあるのに表舞台には立てないバックダンサーやバックバンドも大勢いる。)その点「人心を操作する能力」に長けた妖魔の末裔をスカウトし、タレントとして大成させていった瀬名は良い所に目をつけたなと感心したものでした。売れる為に体(下半身)を利用している辺りは社内の風紀の乱れも何も有ったもんじゃないと私も彬同様にツッコミを入れはしたものの実際の芸能界は結構そんな物(肉体やコネを使ってチャンスを掴むなんて当たり前の社会。ただ、漫画にしろ小説にしろ、そんな現実をありのままに書いてはあまりにも夢が無いだろう(ていうか本が売れないだろう。)という事で表立って書かれたりはしないが。)らしく、瀬名の事務所だけを責めたりもできないな、と納得もしてしまったものでした。ちなみに当の藤川はインキュバスに憑依れただけの、ただの人間(「『僕』の体はどうなってもいい。すぐに次の宿主を都合して貰う約束をラ・ロルナとしているもの。」by藤川)だったそうで、事件に関わったが為に胸に大穴を開けられて殺された様には何も悪い事はしていないのに死ぬ羽目になった元人格(妖力を分け与えるという名目の元で新人タレントを食いまくり、コンサートで集団催眠をかけて地獄絵図に変えたのはインキュバスの所業。元人格は最後までひたすら眠らされていただけ。)に同情もしてしまいました。封殺されて(きちんと仇を取って貰えて)本当に良かったね、と最後にはちょっと慰めも入れたものです…。

 山上彬…瀬名「お前の事は全部調べた。山上彬16歳。父親は写真家の山上勉。12年前ルーマニアに渡ったきり行方不明。母親はルーマニア人のエレナ・プレシッツァ。3年前に病死。お前と弟は8年前に来日し日本国籍を取得。現在は父方の叔父の家に身を寄せている。ここまでが表向きのプロフィールだな。」
彬「…個人保護法違反とプライバシーの侵害とストーカー規制法のトリプルパンチで訴えてやる。」

ハーフでキリスト教圏で育ったのに「いただきます」と日本式に手を合わせる所を笑われた…事に怒る前に、もっとツッコミを入れるべき事があるだろう、と↑のセリフを読みながら思ってしまったものでした。故郷ルーマニアでは危うく殺されかける所を封殺士の「訓練」を受けていたおかげ(反射的に体が動いて地面に伏せたおかげで遊び仲間の返り血もかかって「死んだ」ように誤魔化せた。)で何とか助かったという壮絶な過去には、なるほど、秘密警察に連れて行かれて行方不明の父親と、まだ生きている母親を残してでも水と安全はタダだと謳われた日本への移住を考える訳だと舞台が日本に移った経緯が見てとれた主人公。(ストーカーとかの変人が増えてきたとはいえ銃刀法のおかげで「銃殺される」心配はまず無いし、保身大事の警察の皆さんは犬に対しては13発も弾をブチ込む事はあっても、人間を撃つ事はまず無い。たとえ目の前でヤクザに撃たれた仲間が苦しんでいようとも膠着状態のまま何時間でも放置するほどに。)移住先の日本では命は無事なものの、インキュバスの藤川に、所属事務所の社長の瀬名に肉体は無事じゃない目に遭わされている様には、行方不明の弟が既に「死んで」いた事と合わせて、不遇な人生だなあと思わず同情してしまいました。「恋人」の瀬名とも(素直なのは肉体だけで)上手くいってはいない様子ですし、故国ルーマニアに傷心旅行には行っても2週間以内には帰ってくる予定らしいですし(「ええ~?2週間て事は無いでしょう?せめて1ヶ月位は…。」「甘いよ。うちの兄さん、意固地だけど根性は無いんだよ。」by奈津央)シリーズが続く事と合わせて彼の苦労はまだまだ続く模様です…。

 瀬名勇…「20年前、1人の無責任な父親がいた。そいつは妻と2人の子を捨て女と逃げた。母親であるその妻は半狂乱になって家に火を放った。しかし煙に巻かれながら1人だけは燃え盛る火の下から抜け出した。…俺は炎からは逃れたが、そこで力尽きて死んだ。」

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(父親が憎くなれば、その「分身」である子供まで憎く見える。)という心理なのか、浮気も家出もしていないのに母親に殺される羽目になった子供(瀬名)にひたすら同情してしまった過去物語でした。(最も彬に好き放題に手を出して弄んでいる「現在の彼」に同情する余地はどこにも残っていないけれど。)おかげで「第三の存在」として体温や心臓の鼓動まで操れる屍鬼(血液という食事いらずのヴァンパイヤ)になって復活し、妖魔の一種(らしい)自分の能力でタレント所属事務所の社長(スカウトの天才)として大成した様には、人生何が幸いするか本当に分からないと改めて実感したものでした。社長業をやっていなければ彬と出会う事も、契約書を盾に縛ることもできなかったし(「契約期限はあと2年だ。旅行は構わないが1ヶ月以内に帰ってこい。」「おい、この違約金、一桁増えてるぞ。」「逃げる可能性の高い奴には保険代わりにかけるんだ。逃げたら身内から取り立てる。」「悪徳金融みたいだな、お前!」by彬)金で人の心は買えないけれど、金の力で相手の自由を奪う事は出来るって本当なんだな(最も現実には「そこまでの金を持っている人間はほとんどいない」という統計は有るにしても。)と幼い頃のトラウマなんて微塵も感じさせずに我が道を突き進んでいる彼にツッコミを入れてしまった、そんな男でした…。

 山上奈津央…奈津央「いや僕、進路の事とかで結構悩んでて…そんな時、パソコン通信で知り合った札幌の友達がしばらくこっちへ来ないかって誘ってくれたんだ。兄さんに言ったら反対されると思って、つい黙って出てきちゃったんだけど…。」
彬「このバカ!そんな軽い理由で半年も家出したのか!?」

実際「東京伝説」シリーズ(頭のおかしい変態に遭遇した人間の実話事件集)でも時々あるのですが、そういうパソコンで知り合った顔も知らない友達(出会い系含む)とは「メールのやりとり」だけなら普通の人間でも好奇心からやってみるものの本当に相手と会おうとする人間はかなり痛い奴らが多いそうで、ご多分に洩れず奈津央の場合も美少年にイタズラしたい変態に騙されて殺されてしまった(会った事も無い人間をタダで何日も泊めてあげるなんて上手い話がこの世にあろうはずもない。)というオチがついていました。弟が見つかった(出てこれるほど動けるようになった)のはラ・ロルナ(南アメリカの伝承に出てくる「泣き女」。恋人に子供ごと捨てられ、当の恋人の結婚式で泣き叫び、錯乱して子供を殺してしまった女。転じて結婚式に現れては男を誘惑して食い殺す魔女と伝えられるようになったが、ここでは瀬名の母親(悪霊)の別名にされている。)に憑りつかれていた彼が、瀬名から妖力を貰って力を上げた彬に呼応した結果で、文字通り体を張って弟を庇っていた(「弟が可愛いければ封殺もアイドル稼業もお前が頑張れ。」by瀬名)のに、実はすべてが手遅れだったという彬の様に思わず涙してしまったものでした。(それも大体全部↑のようなバカな行動を取った弟の自業自得であることを考えると尚更に。)最後はどういう理屈か瀬名と同じく「第三の存在」として復活していましたが、おかげで葬式の最中に遺体が消えるという大騒動にもなっていますし、胸を痛めている彬がひたすら痛々しく感じた話でした…。(ちゃっかり生き返って彬の乗った飛行機を見送る前に…出てきて謝って少しは反省しなよ、弟!)
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天国の門

2010.05.27
 本の間に挟まっていたペーパーで主人公2人の別れ損なっているその後の話(ダメじゃん!)が拝めたりなかなか得した感が味わえた1冊でした。タイトルの「天国の門」というのは(最初「天獄の門」にしようか迷ったそうですが)受の穴の比喩表現という名の下ネタで割と健全だった受が病んでる攻めにつられて病んでいく(天国という名のそっちの世界に行ってしまった、という事か…。)というどうしようもない終わり方をした話です。個人的にはより受を必要としている方(景)1人だけを選んでほしかったんですけどね…。

 柏木景…母「柏木一也様。私が子供を養育するのは不可能です。あなたの子供でもあるのですから責任を取って下さい。すぐに保護されなければあなたがこの子を捨てた犯人として保護責任者遺棄罪に問われます。」
裕太「玄関前に子供を置き去りにしていく母親は保護責任者遺棄罪にはならないってのかよ。」

自分に対して厄介者という感覚しか抱いていない両親と違い唯一無償の愛情を注いでくれた裕太に彼が執着したのも、それがいつしか(何故か)恋愛感情に変わってしまったのも分からないではないですが(普通は24も年上=現在44歳のオッサンに対してはいつしか恋心は冷めていくものなのですが…ゲフッ!)全ては裕太の気を引く為、4才にして指を2本「事故」で落とし、足を骨折し、自分の上に植木鉢を落とし、果ては手首を切ってその画像をメールで送ってくる男に対して真実重苦しさを感じずに付き合える気になれるかというと、それは非常に難しい問題だろうなあ…(どちらが「裕太がいないと生きていけない人間か」はまぎれもなく景の方だがどちらがより「普通の人間か」といったらやはり一也の方に軍配が上がってしまうのだろう…ゲフッ!)と結末にガッカリしながらも納得はしてしまったものでした。(だから実の子供に欠片も愛情を見せないダメ父でも「本命」は一也の方なのね、裕太さん…。)愛情の大きさ(だけ)は確かに本物だけれど、人の愛情を逆手に取って弱みにつけこんで家に縛り付けるのも、挙句に足を鈍器で殴って逃走不可能な怪我を負わせてから薬を使ってレイプするのも間違っている(3次元では「通報します」の一言で終わるイベントである。男がどう頑張っても強姦の被害者になれない日本の法律上でも傷害事件の被害者にはなる事ができるし…ゴフッ!)訳で遠くから見ているのならともかく現実にこういう人と関わるのは大変だろうなあ…とは痛感しました。作者曰く男だらけのエディプスコンプレックス(「父を殺す」と予言されたが為に父親に捨てられたエディプスだが、おかげで養父母を本当の両親だと思い込み、神託で旅をした時にそうとは知らずに道の譲り合いで実の父親を殺してしまい、その後スフィンクス退治の英雄としてその国の王となったせいで実母(元王妃)を娶ってしまった。)祭りを書いた話だそうですがギリシャ神話の内容を知っている私としては父親、死んでないじゃん!ともツッコミを入れてしまったものです…ガフッ!まあ父と息子の二人して「母」性溢れる受け(しかし男)を取り合っている話として見ればその通りなのですが…ゲッフン!

 柏木一也…「女など抱かなければ良かった。これが呪いでなくて何なのか。」

愛情も無いのに性欲の処理の為だけに女を抱く事の是非はともかく(裕太さんなんて15年以上も立派に禁欲できてるんですけど。)避妊せずにセックスしたせいで子供が出来て母性の欠片も無い女性に産ませたせいで自分で養育する気は微塵も無いのに親になった。それが自業自得でなくて何なのかとツッコミを入れてしまったものです。(当の子供の景に最愛の恋人(裕太)とのクリスマスから初夜に至るまで奪われたのも思えば天罰が下ったのだろう。)景が自宅前に置き捨てられた事に関しては「慰謝料及び養育費として(責任逃れに)一括して2億も払いました。4年で使い果たすって彼女は大したものだと思いますよ!」(だから母親の方が悪いんだ!)と言い訳してますが金は唸るほどあるんですし成人するまでの分割払いにすれば母親は子供(という名のATM)を手離すはずが無かっただろと詰めの甘さを指摘せざるを得ず全然同情はできませんでした。自分といるのに裕太はいつしか子供(景)の話しかしなくなったと余計に嫉妬を募らせていた彼ですが当の子供より2ダース(24歳)近く年上の大人にしては大人気無さ過ぎる悩みであって共感は…し辛いですね。それでも自傷行為や傷害事件、男への強姦をしない分だけ彼はマトモな人間なんだと言われてしまえばそれまでなのですが…ゲフッ!

 十和田裕太…景「裕太さん、大人なんだからキス位した事あるでしょう?」
裕太「そりゃ、あるけども…女とはした事が無い。」

そりゃ、可哀想に…(想い人の一也なんて女相手にキスどころか子供まで作っているというのに…ゲフッ!)と思わず同情してしまったものです。ゲイであることを同僚に知られ(挙句に秘密をバラされたくなければセックスフレンドになれと脅迫されたのを断ったせいで)警察官という職を失い息子がゲイである事を受け入れられない両親からは絶縁を言い渡され(この辺りがリアル。昨今は漫画やドラマなどのメディアを通じて育った世代が大人になったおかげでセクシャルマイノリティに対しては随分と受け入れる人間が増えたけれど、やっぱり珍しい存在ではあるしそれが身内として一緒くたに後ろ指さされるなら別の話だマイノリティな御本人は「自分で選んだ道」としても、家族だからという理由一つで何で一般的大多数である自分までヒソヒソ噂されなきゃならないのか)とどうしても受け入れられない人間はやはり存在する(身内なのに…ではなくて身内だからこそ尚更。)ので現実をよく踏まえた話だなあ~と実感したものでした。)ゲイであるが故に全てを失った裕太さん。だからこそ一也への気持ちには自分からアプローチしないだけの自戒する分別を持っていた(最もそんな分別が無くても景が全力を持ってして阻止したでしょうが。)のですがそれが誰の事も幸せにしない分別であり結果的には3人共に人生を狂わせてしまった様が痛かったです…。人生が狂うも何も元々彼は19にもなる男(景)のベビーシッター兼、月に1度くらいしか顔を合わせていない男(一也)のボデイガードという半分(以上)ニートのような立場(ハッキリ言ってお情けだけで与えられている、いてもいなくても全く問題は無い仕事)で真っ当に職にさえ就いていないだろ(そもそも人生確立してたっけ?)とツッコミを入れられてしまうと返す言葉が無いのですが…ゴフッ!

凌辱の再会

2010.05.26
 作者曰く昔から左翼の人を観察するのが大好きで、この話にもあさま山荘事件を元ネタにしたエピソードが入っていたそうですが諸般の事情(どう考えても要らないだろう、このエピソード)から自主規制をして削除した、と後書きに書かれていました。(あさま山荘事件のおさらいとしてむしろ読んでみたかったですが…。)という訳でエリート警視(無尽蔵の甲斐性がある男)による凌辱と依存の物語でしたが、「人間は一人で生きるべきだよ。(他人に依存はしたいけど自分が依存されるのは重いから嫌なんだよ。)」「いや、もうちょっと夢を見ようよ!(そういう生々しい本音はぶちまけなくていいよ!)」という作者と友達の語らい(後書きより)からも分かるとおり、こういう話は2次元でしか楽しめないよな、と認識を新たにしたものでした。

 咲良淳成…「昔、こんな風に兄の膝に抱かれていた。腹違いの兄だった。ただ可愛がられているのだと思っていた。…性的な事が分かる年齢ではなかったからな。」

警察官になったのを幸い、そのクズ兄貴を幼児虐待で逮捕しちまえよと思った私でしたが、旧態依然とした警察署内(役人社会)では「あの人、子供の頃に実の兄貴にレイプされてゲイに目覚めたんですってよ。」と後ろ指さされるのも出世に響く(それでなくても独身では出世に不利。)でしょうし、「この男の悪事を皆に分かって貰う為なら自分はどんなに恥をかいても構わない!」(言えば相手は司法の元に初犯に過ぎない軽い罪を受けるだけで、言った自分は「そんな経験を持つ男」として一生噂のタネにされる。しかしそれでも構わない!)という覚悟が無ければ復讐ってできないんだろうなあ、と全てを諦めている彼に納得してしまったものでした。(現在、大槍にレイプされ続けている事も日本の法律ではどう頑張っても大人の「男」は強姦罪の被害者にはなれない現実の前に起訴はできないしね…ゲフッ!)おかげで自分ではそれが愛情だと思っていたけれど、相手の方は欲望や打算の為に自分を利用しただけだった、愛されているどころか相手の勝手なコンプレックスの元に憎まれていたという展開には彼自身も癒しがたいトラウマを持ってしまった様子です。現在ようやく大槍だけは(内容が凌辱の日々であっても)「愛情」の元に自分に接してくれていると人を信じられるようになった彼ですが当の大槍ですら咲良を騙している部分はある(小林を忘れさせるために「咲良を狙った凶弾から彼を庇った」のではなく「小林を狙った凶弾に巻き込まれただけで裏切り者だった」と事実を改変した。)事を考えると、それで良いのか…と色々複雑になってしまう終わり方でした…。

 大槍理人…咲良「侑子さんはどうしてるんだ?」
大槍「抱いたらイク時に貴方の名前を呼んだんですよ。そんな女と結婚できる訳ないじゃないですか。とっくに別れましたよ。」
咲良「すまない…って、俺は彼女に何もしてねえよ!何なんだ、あの女!?」

咲良の彼女かセフレで泣く泣く捨てられたというのならまだ分かります。しかしその「微かな想い」は脳内妄想の中だけの勝手な片想いであり、それはそれとして紹介された大槍とはキープ君として付き合いセックスする時には彼を張り型に本命の男を思い描いていた(それが思わず口に出てしまった)って物凄く嫌な女だな(おかげで「咲良先輩、邪魔になったからって『自分のお古』を俺にあてがったのかよ…!」とあらぬ誤解が生まれてしまっているんですけど!)と大槍の性格が歪む要因の一つにもなったであろう女のしたたかさにツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!大槍は元々は「大型犬を連想させる無邪気で人懐っこい後輩」だったらしいですが(そのままでいてくれれば好感が持てたのに…。)咲良(男)に片想いし、酔った勢いで情事に及んだら「小林」の身代り扱いされ、目が覚めたら栄転とはいえ明らかに自分を遠ざける為だけに北海道に異動され、傷心を癒す為にも「彼女」と妥協(結婚)するかと思ったら彼女にまで咲良(よりによった人物。それではセックスするたびに彼の事を思い出さざるを得ない。)の身代り扱いされた…という経緯に性格が歪む理由は充分に理解できた経緯でした。とはいえ酔った勢いでの情事には「あなたが最初に間違えたんだ!」「間違えたのを良い事に甘い汁を吸っていいのかよ!」と咲良が激怒するのは当然だ(そりゃ普通に吐くだろう。)と思えてなりませんでしたが…ゴフッ!

 八坂茂尋…八坂「お前、あの人の前で女王様って言うなよ、絶対。あの人、気にしてるぞ、顔のこと。」
御崎「不細工なら気にする権利あると思いますけど、キレーな顔してんだからいいじゃないですか。俺だったら喜んで刑事なんか辞めて芸能人とかになっちゃいますよ。そして酒池肉林です。」

「大王様」ならとにかく「女王様」と呼ばれたら嫌な気持ちになるだろう、男として…(そして芸能人をやるには顔だけじゃなくて世渡りの上手さとかコネの作り方とか実力とか顔とは別の才能も必要なのだし、あの性格で酒池肉林をやれるほど成功できるとは思えないが。)と八坂の真っ当なツッコミに頷いてしまったものでした。せっかくの登場人物なのに話のほとんどは咲良と大槍が引っ張っており、ラストの「アンタの憧れの小林は実は自分達を裏切っていたスパイでした。」という「真実」に信憑性を持たせる以外は何の役にも立っていない(挙句に咲良に自分の仕事を横取りされ憤る羽目になる)という、せっかく部下として設定されている割には活躍できてなくて、もったいない(禁句)と感じてしまう登場人物です。(小林の妹から情報を集めたり、検事が大学の同期で裏情報を教えて貰ったりとコネも人脈もあるのにね…。)それが主要登場人物でなく脇役の運命だとか、ページの都合で焦点当てている場合でも無かったのだろうとか色々事情があるのは察しますが…ゲフッ!

 小林信士…八坂「アンタ、一つだけ罠を仕掛けた。小林が咲良さんを庇ったのだけは真実だった。」

彼を大切に(愛をこめて)思っていたのは咲良だけで小林の方は自分より一段上に出世したこの「親友」に対してずっとトラウマとコンプレックスを抱いていた、最後も咲良を守って死んだのではなく小林を狙った「流れ弾」に咲良が巻き込まれただけだった…それが大槍の書いた筋書きであり、K国(韓国?)と公安の間でダブルスパイをやりながらも親友の事は一応大切に思っており凶弾から咲良を庇って殉職した見事過ぎる死に様は「本物」だった(咲良を守ってくれたのは事実。)という真実は死人を美化するだけだから(でもって自分の事を振り向いてくれないから。)と大槍の手によって永遠に隠蔽されてしまっていました。それが恋愛感情ではなかった(小林にとっての咲良もまた憎むべき出世敵でなく「大切な人間」であったけれどそれは「親友」だからであり、一生ただのお友達に過ぎない事も、また確か。)とはいえ誘拐された両親は保身ばかりを大切にする警察に見殺しにされ殉職した挙句に「真実」は病んだ攻に揉み消され、ただの受を裏切った悪役にされたという報われなさには涙するしかありませんでした…ゲフッ!人間が心から幸せになる為には隠しておいた方が良い真実もある(「本当のこと」が必ずしも勝っているとは限らない。傍目(理想)通り何も言わないであげた方が苦い真実を知って悩むよりも幸せな場合だってあるし、正直に名を借りた無神経さに価値は無い。)と八坂はむしろ咲良の為を思ってこのまま黙っている事を選んでくれたのでしょうね。(実際に一番咲良を裏切って騙しているのが大槍本人であっても、人(大槍)を信じきって柔らかく笑えるようになった何も知らない咲良は間違いなく今、幸福なのだろうから。)今更言っても仕方ないし、もうそのまま放っておいてやれと私もツッコミを入れてしまったラストでした…。

優しいその指で酷く

2010.05.25
 水戸先生はモモンガの他にハムスターも飼っていらっしゃるそうで「1才(中年)にもなるのに何故あんなに可愛いんだ。ずるい。」と本のカバーにコメントが描かれてました。ハムスターは寿命が短いものの死ぬその時まで可愛さを維持できているから凄いよな、と私も納得してしまいました。毛皮の生えている動物は老化で外見が変わらないから素敵です。という訳で本編の感想を書いていきたいと思います。

 錫代浹…これで「とおる」って読むんだ…(漢字変換で字が出ませんでしたが。)と名前の読み方にちょっと戸惑ってしまった主人公です。葉蔓に惚れて以来「自分にそういう趣向があったのか。」と驚いている割に行為に関してはスムーズに事を(リードして)成し遂げていた辺り本当にこの人にはそういう趣向が無かったのか!?とビックリしてしまいました…ゲフッ!復讐よりも大切なもの(童顔美青年との愛)を見つけてしまったおかげで最後はなんとか幸せになっていましたがエリートの道を蹴ってしまった人生や犯人探しの為に無駄に費やした8年間など復讐の為に失った物を思うと色々悲しい気持ちになります…。復讐は誰も幸せにしないって本当だったんですね…ゲフッ!

 秋元葉蔓…葉蔓「あの、俺、普通に働けます、よ?」
錫代「刑事以外の職ならな…。」

本の中でも「そうか…?」と疑問形で答えを返されていた葉蔓君。(悲しい話ですが彼は記憶力が優れているだけで社会的には全くの無能です。)現実問題捜査一課は最も派手で刑事らしいと世間で誤解されている「汚れ部署」であり体力も胆力も無い葉蔓には無理のある仕事だと思うのですが…ゲフッ!(家族を養うだけの金が欲しいのなら警視総監であるパパのコネでも使ってまず栄転(配置転換)することを考えるべき。)しかし夫婦でイチャイチャ一緒にいるのが1番の目的であるお二人にはそんな現実は見えていません。(どうぞ、お幸せに…ゴフッ!)振り返って見ると、この子自身は何もしていないのに父親の勝手で私生児として育ち、学校では男(国府田先輩)にセクハラされ、職場では男(錫代)に最後の1線まで超えたセクハラをされた上に殺されかけたという思えば哀れな人生を送っている登場人物です。水戸先生が後書きで書いていた通りもうちょっと運命というか周りの男達に対して苛烈な復讐をしてもいいのでは?と私もツッコミを入れてしまいました。(話に出てくる男が変態ばっかりだ…ガフッ!)

 架津見駿二…架津見「俺が嘘ついたことあったか?」
錫代「たくさんあった。」

日常を振り返っても信用できないのは当然ですがまさか8年間ずっと犯人を知りながら隠し続けていたとは…葉蔓の書類製作や肉体奉仕など数々の苦労が全部誤魔化しの為の無駄な労力だったと分かって涙が出そうです…ゲフッ!(本人の合意&覚悟の上であり性別も男だからとはいえ立派なセクハラ&パワハラじゃないですか、これ…。)錫代の家族を殺した犯人を知りながら黙っていたのは犯人自体が既に廃人と化しており復讐するに値する理性の持ち合わせを失っていたから(意味の無い殺人の為に錫代を犯罪者にするのが嫌だったから。)でもあったのですが、それでも8年間も何も言わずに期待を持たせていたのは残酷な気がします。「これを知っても平気でいられたか!?」とカミングアウトするなら始めから言ってあげて下さいよ、架津見さん…ゲフッ!

 今給黎正臣…「いまきいれ」というこの苗字は創作でなく鹿児島の枕崎周辺に多い珍しい苗字です。(あの辺りはかつて給黎群と呼ばれておりそこから取られたらしい。喜入町の喜入は給黎の表記が変わった物なんだとか。)鹿児島くんだりから新宿まで上京して警視総監になった彼の苦労が偲ばれますが、そこまで苦労して地位を築いて来たのなら「息子」の犯罪位ちゃんと取り締まりなさい子供の方も股間の方もね!)と葉蔓の出生の事情(養育費を払う代わりに認知等は一切しないという取引。)も踏まえてツッコミを入れてしまいました。「息子が犯した罪は一命を持って償う」というのなら息子が殺人を犯した時点で警視総監を辞めるべきでしたし、息子の薬物中毒も周囲にはアルコール中毒と誤魔化しているようですし、責任感があるというよりはヤバくなるたびにあの手この手を使ってオタオタ逃げているだけのように感じるのは私だけでしょうか…?(今更になって警視総監を辞めたのもスキャンダルを恐れて一般市民の立場に逃げ込んだように見えます。)最も日本の上層部の人間は往々にしてそういうものなのかもしれません。それを考えるとリアルな話だなあと思ってしまったり…ゲフッ!

 余談…秋元と言えば「こち亀」の作者の名字じゃないか(そういえば何かの本で水戸先生の中では両さんも部長も受けだと書かれていたっけ…ゲフッ!)と名前の由来が身近な所に潜んでいた事を発見して秘かに喜んでしまいました…ゲフッ!

BLUE DRAGON ラルΩグラド

2010.05.24
 タイトルに付いているドラゴンヘッドの記号が出なかったのでΩ(オメガ)で代用しました。原作者の鷹野常雄の考え方なのかも知れませんが「女を馬鹿にした漫画」だと友達に評されており、その通りだと私も思ってしまった(女としてこの話を好きになれなかった。)そんな漫画でした。「世知辛く殺伐とした3次元より萌えられる2次元で行きたいと思っている人も少なくないはず。」という鷹野先生のコメントからも、だからこの話はリアル感が決定的に欠けているのかと納得でき、連載が1年持たずに終わってしまったのにも頷けたものでした…ゲフッ!

 ラル…「親は子供を可愛がる、そうミオに教わった。15年子を閉じ込めた親などこれでいい、違うのか?」

そのミオを教育係として付けてくれたのもこの父親で、子供を大切に思っていなければ閉じ込める以前に一緒に殺しているはずでこの子の父親が殺されるほど親失格な男だったとまでは思えないのですが…。考え方が独りよがりでいっちゃってる原作者だなあと思ってしまった瞬間でした。男の子は女の子が好きなのは健全にしても所構わず胸をもみしだくのは問題ありだし(その辺は教育係としてもちゃんとツッコミを入れて下さい、ミオ先生。)「城の守りをお願いする代わりに気に入った女を1人だけ自由にしていい。」(その女の子の人権ってどうなるんだ…?)というのも、いくら城主にしたって勝手過ぎる気がして共感できなかった主人公でした。女を追いかけている割には最後は女より友達を選んでいるし、あくまでも女性(人格)でなくて肉体(乳)が好きだったのねとその辺でもげんなりしてしまったものでした。

 ミオ先生…ラル「じゃあ女王が教えてくれたあの遊びをしよう。しりとりだよ。ラルグラド。」
ミオ「ど?ど…ど、どうもありがとう。」
ラル「なんだそれ?」
ミオ「感謝の気持ちよ、ラル、グラド。」

ラルとグラドが暗闇の中でしりとりを行っていたからラストもしりとりで絞めようという案が出ていたそうですが個人名を出すわ文章で返すわそれは既にしりとりではないぞ?と最終回第1案に対してツッコミを入れてしまいました。(そしてラルとグラドが暗闇の中で行っていた遊びは「しりとり」でなく「なぞなぞ」です。)当初の予定では彼女もいっしょに2次元の世界に行く予定だったそうですがそれでは悲劇的に見えるという事で元の世界に残ることに変更されていました。(それで正解だと思う。)結果としてミオと残ることよりもグラドと行く方を選んだラル。やはりタイトル通りラル×グラド(カップリングにするなっての!)となって終わったという所でしょうか?

 カフカ…ラル「結局ストラ姫が好きで近くにいたいから倒しに行かないなんて、ただ女が好きってだけだろ。女を好みながらも闇女王を倒しには行く俺の方がマシだ。」
ミオ(ラル…ストラ姫の目の前でカフカの気持ちを言ってしまっては…。)
カフカ「……。」

うつむいて言葉を失っているカフカが哀れでした。(そして姫にはお別れに即して笑顔で手を振られている。)彼がラル達とついていったのは気持ちが完全にバレた以上いたたまれなくて姫の側にはいられないというヤケクソの気持ちもあったのではないかな~、とも感じてしまう私です。最終話でめでたく闇女王を倒したのでこれで彼は城に帰れるわけですが帰った後、その後が気まずいだろうなあと同情してしまいました。

 ビラ…「私にふさわしい容姿と知恵を得るのだ。私に種を植えるにふさわしい者に。」

パラサイトイブと同じ展開か!?とイメージがダブってしまいました。しかしこの話には利明のようないい男は登場せず、結局ビラの野望は叶わずじまいで終わってしまいました。男性読者へのサービスショットに近い絵が多い割に性格は最悪でファンはいなそうですし、それを反映してか最後は火炎1発でやられているし、思えば儚い人生送っちゃったなこの人、とちょっと同情もしてしまったラスボスでした。(分不相応な野望なんて持つから…。)

 余談…ビラを取り巻く欲望の野獣どもが全員秋葉系に見える(キモく萌えている所なんて特に。)のは私だけじゃないですよね…?敵キャラ(雑魚キャラ)に魅力を感じないのはよくある話にしてもドン引きしたのは初めてでした…ゲフッ!

少女革命ウテナ

2010.05.23
 「卵の殻を破らねば雛鳥は生まれずに死んでゆく。自分が鳥になるという事さえ知らぬまま…。」というセリフで有名な耽美要素多めの有名アニメの原作漫画です。アニメ化と同時進行で連載していたのですが濃ゆいアニメと違った生ぬるい内容・逆ハーレム展開・ベタベタな終わり方にかなり微妙に思ってしまったものでした。さいとう先生のカラーセンスの独特さ(ピンクの学ランにオレンジの髪は無いだろというツッコミが相次いだのか3巻からアニメ仕様に変更されています。)や作品に珍しいギャグ漫画(他の連載でも番外編として描いてみればいいのに…。)も拝めツッコミ所はかなり多めの作品です…ゲフッ!(取りあえず毎週決闘する暇人が多い学園だという事はよく分かりました…ゴフッ!)

 天上ウテナ…女教師「どこで手に入れたんですか!?そのドピンク色の学ラン!」

ウテナ曰く指定服でちゃんと注文した物だそうですがランドセル(男女共用だからか水色やピンクなど最近はいろんな色が使われるようになった。)ならともかく男子限定着用の学ランでピンク色は無いだろこれを注文・着用する男子学生が果たして存在するのだろうか?)とツッコミを入れてしまいました。その服装・男勝りの性格から宝塚の主演女優よろしく女生徒に人気があるのは分かりますがセーラー服を着ただけで男子生徒にモテモテになるというのはまずありえない展開(男のほとんどは何でも言う事聞いてくれそうなメイドタイプの大人しい子が好きな訳で姫宮ならともかくウテナは明らかにそのタイプから外れてしまっているような気がします…。)でいくらなんでも持ち上げ過ぎだろともツッコミを入れてしまったものです。無駄に男にモテテいた(そしてそのどれにも真剣に向き合っていない。)事もありあまり共感できない主人公でした…。(ウテナが好きという人には嬉しい原作かもしれないですけどね…。)

 姫宮アンシー…最初はウテナから「アンシー」と呼ばれていたのに話が進むにつれて「姫宮」と名字で呼ばれるようになり友達になりたいとか言いつつだんだん距離を置いている(ようにしか見えない)ウテナの対応に冷たさを感じてしまったものでした。最後はウテナの代わりのように男装の麗人化していた彼女ですがそこまでする程ウテナが友情に厚い女性だったかというと疑問も多かったり…します。(本当の友達が婚約者もいる自分の兄貴に手を出して関係をグチャグチャにするかね、普通?)時代の古い漫画だからか「古い終わり方だなあ~。」と感じたものですが10年以上前に初めて読んだ時も「古い!」と思ってしまったのであの当時既にベタ過ぎる終わり方だったんでしょうね…。

 桐生冬芽…「オレを君のしもべにしてくれ。」

下僕は辞めとけや!と妹と共にその場でツッコミを入れてしまいました。そしてしもべと言う割りには女性(ウテナ)の目の前でタオル一丁のみの裸を晒し(セクハラです!)「俺は君のしもべだぞ!」とどこまでもついてくる様にはもはや下僕ではなくストーカーなのでは?とも疑念が出てしまいいました。幸いな事に男として情けない下僕状態は(読者にも不評だったらしく)早々に辞めてくれましたが結局ウテナを口説きながらも全く本気にされないチャラ男で終わってしまい(挙句にウテナは後から出てきたダメ理事長に寝取られている。)ある意味、可哀想なキャラクターだなあ、と思ってしまいました…。(あそこまでよく脱ぐ男に付きまとわれたら嫌になる気は分からんでもないですが…ゲフッ!)

 有栖川樹璃…この人は始めから容姿・性格ともにハッキリ決まっていたそうですがアニメ版では友人・枝織への禁断の恋に苦しみ、原作での想い人の瑠果君(アニメでは樹璃に嫌悪感以外持たれなかった人なのでそこまで格上げされて両想いになれて良かったね、と拍手してまいました。)にはマトモに相手にして貰えず、本編で勝手にウテナと三角関係の図を作られた冬芽にあっさりとフラレているという「好きな相手にフラれ通す役所」が始めから決まっていたというのなら、こんな哀れなキャラは他にいないような気がして思わず同情してしまいました。部下(部員)の幹にまで「有栖川部長がいなくてもウテナさんが入部してくれるならその方が嬉しい。」みたいなことを言われてしまっているし色々報われない女性です…ゲフッ!

 鳳暁生…「最終勝利者は最初から私の花嫁になることが決まっていたのだ。」

男が最終勝利者として残ったらどうなっちゃったんでしょうね?鳳理事長の孫娘と婚約している為、既に鳳姓を名乗っており理事長代行として好き方題している人です。女生徒を車に乗せるわ(いったんドアをロックすれば男は女を好きな所へ連れ出すことができるという犯罪に直結している展開であり作中のように健康的に海を歩くだけという流れはまずあり得ないかと…ゲフッ!)実の妹に手を出すわ(アニメ版では婚約者の母親とまで関係していた。)そのご乱行ぶりは留まるところを知らず婚約者が全てを知ったらまず間違いなく婚約破棄の憂き目にあっていただろうと思われるダメ兄貴です。「天空の城に昇って世界を革命するディオスの力を手に入れる。」とカッコイイことを言っている割にウテナやアンシー、婚約者など多数の女性の力に頼り切っている部分が多く行動だけを見ると決してカッコ良くない(むしろただの妹のヒモなのでは…?)ので「何でこんな男に熱を上げるのさ?」とウテナも含めて嫌悪感が募ってしまったものでした。男だったら世界を革命する力は自分1人で頑張って手に入れて下さい(女に甘ったれて頼ってんじゃねえよ。)と声高に言いたい、そんなダメ男です…ゴフッ!

 余談…金星について、明け方1番最後まで光り続ける「暁の明星」=自分(ルシファー)、夕刻1番に夜空の星々を引き連れて現れる「宵の明星」=ウテナ(ヴィーナス)としていましたが男装少女は「女神」からは程遠い気がして、そんな(明らかに心のこもっていない)甘言に引っ掛かるなよ、とダメ男の言うなりになっている主人公に幻滅もしてしまったものでした…。

円舞曲は白いドレスで・総評

2010.05.22
 読んだ順番が「恋物語」シリーズ(もとい番外編の「月下香小夜曲」。目の前で死人(夫)相手に当てつけられている将臣さんに同情した話)→「円舞曲は白いドレスで」(失恋の上に不治の病まで抱え込んだ終わり方かい!とさらに同情した話)→「白木蘭円舞曲」(ヤれば良いって物でもないだろ!?と扱いの不憫さに改めて同情した話)と順序だてて読まなかったせいかヒロインの悪かった第一印象をずっと引きずってしまった話でしたが、それでも話は面白く続編が描かれ番外編が3つも描かれ、さらに真と和臣の息子達の話も見たい!というリクエストまであった(でも「戦後の時代に踊っている場合でもないし、そこまでのデタラメは描けない」とさすがにそれは果たされませんでした。)この作品の人気ぶりには納得したものでした。コメントを頂いた嬉しさも込めてここに改めて総評を語ろうかと思います。

 青木湖都…「力んだ顔がサジットそっくり。」

現在の夫(将臣さん)の前で何の配慮も遠慮も無く前の男の話をするとはなんて無神経な女だろうと第一印象は最悪でそれをずっと引きずりながら読んでしまった覚えがあります。華族・男爵家の妻でありながら他の男と駆け落ちし家名に泥を塗った女(本来申し訳なく思って一歩下がるべき女性)でありながら「そんな君でもかまわないと今はそう思っている。」という将臣さんの言葉に甘え過ぎているのか自分の何もかもを受け入れて貰えるのが当然だと勘違いしているのか事実関係だけでも心中複雑な夫(しかも余命いくばくもない夫。)に対してあまりにも気配りが無さ過ぎる彼女に幻滅したものでした。根本のストーリーがサジット×湖都の話(将臣さんへの転向は読者のリクエストに応えての結果で本来作者が描きたかったものではない)なので仕方が無いのかもしれませんがそれならそれでサジット一筋で将臣さんや龍一兄様へとお相手を2転3転させないで美しく話を終えて欲しかったです…ゲフッ!

 鬼堂院将臣…将臣「真がいれば君は生きていけるよ。」
湖都「それって所詮は真の2の次の将臣さんの身代り扱いにされる自分の子供はいらないって、そういうこと?」
将臣「普通にそうだ!」

「これ以上一緒にいてもお互い辛くなるだけだから別れよう、日本に帰ろうって決めたんでしょ、兄様?」という父と妹の説得に応じた(納得した)辺り湖都との生活に辛さを感じていた事実が伺えセックスしてようが同棲(結婚?)してようが彼は決して幸福ではなかった経緯が垣間見えたものです。むしろ自分とそんな関係になってもサジット(他の男)の写真を見て未だに泣くほど恋い焦がれている、サジットの事を決して忘れ得ない彼女に将臣さんは「限界」を感じていたのかもしれません。(いや、余命少ない人間と分かっているのなら少しはサジット萌えを自重してよ、湖都さん!)息子の和臣が生まれた事で自分にも彼女に格として残せたものがあったと最後に実感して満足して死んで行けた事だけが(少しだけ)救いでしたが、それにしてもあまりにもお粗末な扱い・対応にファンとしては納得できなかったものでした。彼の死後湖都さんが「2度ある事は3度ある」かのように、またあっさりと他の男(龍一)とくっついた事も含めて悲しさを感じてしまったものです…ゲフッ!「将臣さんが幸せになって良かったよう!」と言っている読者全員に世間体(外面)が良ければ幸せだというのか?とツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!

 ウィリアム・サジット・アスター…「さあ、お立ち、湖都。君はもう一度勇敢な男と愛し合って、その腕の中で息を吹き返して歩き出すんだよ。」

雪原に放り出された湖都に聞こえたこの言葉は真実サジットの霊が囁いた言葉だったのか彼女の妄想からくる身勝手な解釈だったのか(湖都を想うたくましい男として認めながらも結局自分が奪い取って駆け落ちした決して譲らない彼の性格から考えると)後者の気がする私としては、その後まるでサジットのお墨付き(許可)を貰ったかのようにしゃあしゃあと将臣とくっついた湖都に微妙さを感じたものでした。後編ではサジットの目の前で犯されそうになったり彼の事も追い詰めていた湖都さん。(毎度毎度、彼女の為に雪の中を走る羽目になる将臣さんも良い迷惑です。)サジットの事をしょっちゅう話題にしている割には死後、他の男(将臣さん)とあっさり元サヤに収まって子供まで作っているし忘れているんだか忘れていないんだか良く分からない微妙な扱いには彼に対しても同情してしまったものでした…ゲフッ!3角関係(ライバル同士)はともかく死んだ後に後釜を見つけたかのように都合良くくっつくのはどちらに対しても失礼だと思うので将臣さんが当て馬扱いから相手役に格上げされるならされるでちゃんと生きて戦ってほしかったです…ゴフッ!

 鬼堂院龍一…「女の子ってのは突然花が開いたようになるもんだ。こればかりは親父の言う通りだったよ。」

湖都の母親に振られた(その割に見合い結婚で娶った愛情も感じていない女性と子供を3人も作っている。子供だった龍一まで「全て」を知っている辺り余程バレバレで終わった夫婦関係だったのだろう。そんな関係ならセックスするなとツッコミを入れたいですが…ゲフッ!)父親の遺伝子(女性の好み)を兄弟揃って色濃く受け継いでしまったのかモノローグ(前編あらすじ紹介)にさりげなく込められた「伏線」に改めてゾッとしてしまったものでした。結局最後はまた他の男とくっついた前の男2人の立場台無しの終わり方には溜め息が出るのを通り越して嫌悪感を感じてしまったものです。これでまた父親似の3人目の息子が生まれてしまうのかと思うと(少なくともヒロインだけは)ハッピーエンドを迎えているのに不気味さを感じてドン引きしてしまった、個人的には全然幸福感を感じられない、そんな終わり方であり嫌な相手役でした…ゴフッ!

 余談…インドでは古くからサティーと呼ばれる夫の火葬中に妻がその火に飛び込み殉死する風習(ガソリンを使わないので250度ほどの低温で絶命まで10分以上も苦しみながらじんわりと焼け死ぬ)があるのですがインドの地で思いっきりインド風に埋葬されたサジットの妻であった湖都は何故のうのうと生き長らえているのかサティーが出来ないだけでその女は貞節の無さを一生罵られる(おかげで本人の意思を無視して親族に投げ込まれるケースまである)というのに再婚まで果たしたって…。)とツッコミを入れてみたところ、サジット自身はハーフのイギリス人で生粋のインド人ではないというオチがありました。サティー自体も1829年に禁止法が成立されましたし(それでも2008年に普通に行われたそうですが…。)お目こぼしを受けたんでしょうね…ゲフッ!

白木蘭円舞曲

2010.05.21
 「円舞曲は白いドレスで」の続編です。文庫版では続編として区分けされずに収録されており「白木蘭円舞曲」(マグノリアワルツ)というタイトル自体が消滅していました…ゲフッ!(前編の話は綺麗に2巻で収録できていたのに…何故?)前編で「将臣さんが可哀想過ぎ!作者のバカ野郎!」と殺到した読者のクレームを考慮してかヒロイン相手役が途中で移り変わって話が終わっています。が、肝心の将臣さんが湖都に頼られて甘えられてばかりで幸せになれたように見えないんですけど…ゲフッ!(挙句に結局将臣さんも死んじゃって今度はその兄貴とロマンスが始まっているという展開はどうなんですか、さいとう先生…。)

 ウィリアム・サジット・アスター…「自分の信念と自分の気持ちだけを信じて冒険心だけでいつも行動してきた。」

それが他人をどんな立場に追いやるか深く考えもせずに…とナイジェルの恋人とイイ仲になってしまって兄弟仲に決定的な溝を作ってしまった事や、インド独立運動の第1線で働く事(「奴はイギリス人でありながらインド人の為に働く裏切り者なのだ!」と命を狙われる事。)で心配する母の気持ちを分かっていなかった事、華族の男爵家の花嫁(湖都)を奪って将臣さんを決定的に絶望させたこと…などなどの周りの皆さんにかけた迷惑をようやく省みれる程大人になったようです。銃で撃たれても演説が可能な位元気なら出血多量で死ぬ前にとっとと病院に行けよ!ともツッコミを入れたものですが、どこまでも冒険心というチャレンジ精神のままに行動してしまうのが彼でした。出来ることなら自分の行動がその後どういう結果に繋がるかとかのその後を予測する目も持ってほしかったものですが…。

 青樹湖都…「同情かもしれない、サジットがいない寂しさかもしれない。それでも心が死にかけている今のあたしにはあなたが必要なの…!」

まるで心が死にかけていなかったら、同情や寂しさが無ければ将臣さんを必要とはしなかったとも聞こえてそれは当人に対しては黙っておけや、この無神経女!と自分の気持ちを正直にぶつけるばかりの彼女にツッコミを入れてしまったものでした。(正直なら何でも言えばいいってもんじゃないというか…自分の好き勝手に気持ちをぶつけることよりも受け手側の主観が大切だと思うのですが…。)「あたしがこんな仕事していれば将臣さんは意地でも倒れないでしょう?」というのも倒れそうな位苦しいのを意地で我慢させて病状を悪化させているようにも思えて(倒れなきゃそれでいいって訳じゃないですよ、湖都さん?)微妙に感じたものです。前編では陰口を言われようが凛と立っていた女の子だったのに後編では将臣さんに甘えてばかりでキャラクターが変わったな、この子…とも悲しくなってしまったものでした…ゲフッ!(男に頼らず自分で道を切り開いていく所が良かったのに…。)

 鬼堂院将臣…「俺には残された時間が見えてる。泣き言を言って時間を潰したくない。」

いい者も悪い者もない、遅いか少し早いか、それだけの違いで命は全てかげろうのように儚い(「銃の引き金は静にそっと引く…闇夜に霜が降りるように。」発言といいこの人は詩人だなあと感じたものでした。)と自分の死に対してもとても冷静で見ているこっちがハラハラしてしまうほど無茶をしている生き様(ドクターストップを無視して軍務をこなし子供を作り…何という体力でしょうか?)はこの人らしかったものの別にサジットの後釜のように湖都とくっついて欲しくも無かったので展開には微妙さを感じたものでした。「湖都は俺の妻だ!」発言からも、どうやら前編で入籍した後、戸籍はそのまま放置してしまった事が分かりますが問題は戸籍上の事実関係じゃなくて中身の方だよな(サジットと駆け落ちして新聞沙汰にまでした彼女は始めから妻の役割を放棄していた上に、今ここでもスキャンダルの的になって鬼堂院家に泥を塗り続けている。)と自棄を起こしたようにカミングアウト→暴走した将臣さん(そして湖都の毒牙にかかる。)「落ち着けよ、重病人!」とツッコミを入れてしまったものです。彼の本当の幸せの為にも湖都の為にプライドを捨ててしまう惨めな姿は見たくなかったです…ゲフッ!

 鬼堂院龍一…「湖都ちゃんの1番最初の婚約者は本当は僕だったんだよ。」

話を締めくくったこの大問題発言にハッピーエンドを感じるどころか不気味でゾッとしたのは私だけではないでしょうね…。(そんなオヤジ臭い自慢を連発する前にさっさと二人の父親の事を話しておくべきでしょうに。)サジットが死んだ時も「サジットが出てこなければお前達は本来結ばれてしかるべき間柄だったんだし、いい機会だと考えて何が悪い?」と早々に将臣達にはっぱをかける発言をしていましたが(不謹慎の上に酷いと思います。)弟の時もですか!と節操の無さに驚愕してしまったものです。(ある意味お似合いの二人かもしれません…ゲフッ!)結果として将臣を毒牙にかけ龍一にまで魔手を伸ばしている湖都に華子が嫌悪感を持つのも当然だろうなあと納得してしまいました…ゴフッ!(「湖都ったらよくも平気でこんな侮辱…!」by華子。)

 余談…息子の真を取り戻すため「撃つわよ、本当に。脅しじゃないわよ!」と危うくそうと気づかずにサジットを撃ち殺してしまう所だったシーンでは湖都に射撃の腕が無くて良かったね(せっかく将臣さんが教えてくれたのに身につかなかったんですか、湖都さん…。)と安心をこめてツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

円舞曲は白いドレスで

2010.05.20
 太平洋戦争が起こる数年前の昭和の日本を舞台にした洋装店の少女の物語です。昭和初期の「女は3歩下がって男を立てる」という風潮は当時まだ存続しつづけているものの、英語圏の文化も含めて厳禁になる時代の前なのでヒロインはセーラー服で登校しているし英語も(おそらくは学校で習って)話せています。(それでドレスを着るお客さんと話している。)何気に時代背景をしっかり調べて描かれているな、と話の細やかさにも感動した話でした。

 ウィリアム・サジット・アスター…「苦しい時ほど笑っているのが僕の流儀だ。」

冷静に考えると苦しい時にヘラヘラ笑っている人間ってかなり怖いんですが…ゲフッ!インド人なのに何で髭生やしてないの、この人?(インドの男は皆、鬚を生やしている。)と思ったら彼はインドとイギリスのハーフ(イギリス人の愛人に産ませた子供。)で戸籍上はイギリス人だからという背景がありました。こういう妾腹の子供は戦争の時に嫡男を犠牲にせずに貴族(自分)の家の人間を戦場に送る為の格好の生贄にできるという事で(事実この人が軍籍にいる現在嫡男のナイジェルはバンコク行きの船で遊び暮らしている。)身分の賤しい女性から生まれても貴族の子息として引き取ってもらえたという事例はあったようです。そんな感じに生まれて身分が低いのに貴族や華族の勝手で振り回されている事、それにもめげずに自分の信念に基づいて生きようとしている様が湖都とシンクロした(この2人は生きる姿勢も価値観もぴったり同じ。)のか彼女とは強烈に魅かれあう事になりました。願わくば将臣と婚約する前に出会って欲しかったものですけどね…ゴフッ!

 青樹湖都…「自由になるっていうことは世間からも皆からも離れて、こうやって1人で立つってことなんだ。」

世の中の決まり事を無視して好き勝手に振舞うという事はそれだけ世間や周りの人間からつまはじきにされるという事でもあるんです。それでも父を捨てて生まれ育った国を捨てて(ついでに夫も捨てて)新しい世界で人生を歩むことを選んだ彼女の行動派な生き様には好感が持てたものでした。ラストも不倫の果てに駆け落ちした身勝手な女という事実を忘れてしまう程の爽やかさで感動したので、続編は本当に要らなかったなあとげんなりしてしまったものでした…ゲフッ!

 鬼堂院将臣…「俺はもう、あんたの人形は辞めたんだ。」

彼がいつでも端正に完璧に生きてきたのは他ならぬ父親の期待に応えるため(だけ)だったのですが(婚約者さえ「父親の趣味」で決められた女性であって男爵家の妻にふさわしい女性でも将臣を理解してくれる女でもない事は火を見るよりも明らか。)湖都の家に縛られずに世間から後ろ指を指されようが自分の意志で自分の人生を歩んでいく様に触発されたのか、彼女に恋すると同時に彼もまた父親のいいように振舞う人形のような中身の無い人生を歩むのは辞めたようです。湖都が彼を選ばなかったのは始めから決まっていた結末(禁句)なので仕方のない話ですが、それはそれとして不治の病にすることはなかっただろうと他の読者同様、私も彼の扱いには非情なものを感じてしまったものでした。「戦争でいつ死ぬかも分からない自分の妻になるよりインドで好きな男と暮らす方を選んでいい。」だけで良かったじゃないですか…ゲフッ!

 鬼堂院華子…「あんたは…いつでも眩しいような生き方をして。」

湖都の婚約(同棲)当時、1番彼女をいびった人間という事で読者には偉い嫌われていたようですが、婚約者のくせに他の男(サジット)に熱を上げて兄の心を(鈍感が高じて)最も効果的に傷つけている湖都の姿には妹じゃなくても「何、この女…。」と思う事でしょうね。しかしサジットへの手紙を白紙にすり替えてくれたり(手紙がそのままだったらサジットはこの時に逮捕されている。)駆け落ちの手引きをしてくれたり湖都の為に1番役立ってくれたのも実はまた彼女でした。(皮肉な話です。)兄の言いつけに背いてまで駆け落ちの手助けをしたのは、このまま世間体や体面の為に家に縛り付けられたら気持ちを殺して愛していない男の妻として人生を諦めなければならない湖都も、いくら愛しても気持ちが伝わらない相手と結婚生活を送らなければならないマサ兄様も不幸(湖都曰く「あなたは私の敵。」だそうです。)だという事が同じ女として見えたからでしょうね。最後には湖都の生き方をも受け入れていた彼女に成長を感じたものでした。

 余談…鬼堂院という物凄い苗字はさいとう先生が「機動戦士ガンダム」から取ったそうで現実の日本には存在しない苗字です。(鬼堂とか鬼童とかいう苗字なら存在するのですが。)それにしても凄い名前だなあと初めて読んだ時に度肝を抜かれたものでした。

もう一人のマリオネット⑤~⑧

2010.05.19
 少女漫画という物はヒロインの内面・将来についてはくどいほど敏感に描かれるが、お相手の男性については「問題など無い人間」としてほとんど語られない(男性側にも好感度を持たせる為ある程度は描かれるが所詮ヒロインの比ではない。)という構造の上、結末は愛だの恋だの結婚だので締め括る物が多い…のに、この話では相手役の神さんの人格にスポットが当たっておりヒロインの愛は問題解決の手助けにしかなっていない(ほとんど傍観者状態。)という面白い作りになっています。恋愛以外にもテーマがあるからこの人の作品は面白いんだよなあ(「少女革命ウテナ」という微妙な作品もあるのでピンキリですけど。)と再認識したものでした。

 ジャンヌ・ダルク…「ジャンヌは神の声に従った。だが神は結局ジャンヌを見捨てた。戦いに駆り立て幸福な人生を奪ったあげく彼女を火刑の宿命から救おうとはしなかった。」

つまりこれは炎に包まれて燃やされた哀れな神の操り人形の物語、マリオネットの悲劇なのだと作品と主要登場人物との関連を裏付けた劇でした。健が演出家としての才能を発揮し、鏡を使って本物の炎を取り入れるという凝った舞台装置を作ったりという力の入れ具合が伺えますが、美紗緒には「以前の神さんの作品ではなくなっている。」と鋭いツッコミを入れられ(見る人が見れば分かってしまうという事ですね。「神真之が作ったジャンヌ役」に憧れ続けた彼女には観客を魅せることばかり追っている健との違いが見えたのでしょう。)挙句に舞台上の事故で火災が発生し観客が避難する羽目になったトンデモ劇にもなってしまいました。これで木曜舎も演出を担当した神さん本人も信用ガタ落ちになることは確実でこの先が大変だろうなあと悠貴さんの苦労がしのばれる、そんな終わり方です…ゲフッ!(前回の「美女と野獣」の時といい公演のたびにトラブルを起こされ、その事後処理に追われていますよね、悠貴さんは…ゴフッ!)

 萩野七生…天王寺「神秘性の欠片も無いな。」

確かにジャンヌは農村で生まれた身分の賤しい田舎の小娘でしたが…「美女」の解釈(貴族でなく裕福な商人の娘なのだからと気品や誇りの見られない「一般人の少女」になり果ててしまった役。)といい七生の作る役というのはどうしてこう品が無いというかバタ臭い小娘ばかりなのか(…ワンパターン?)微妙に思ってしまったものでした。(もしかして美内すずえ原作のジャンヌ・ダルクを読んでしまったのだろうか?)その後はライトが当たる中で神の御使いとしてお辞儀したり神の名を唱えながら炎に捲かれたり神秘的な少女風に変わっていた辺りはダメ出しを食らったことを感じて役の性格を変えざるをえなかったことが伺えたものです。話の中でも神さんとの恋愛ばかり追っていてあんまり演劇の練習をしている様子が見られない(マイムは得意らしいですが。)のでここは一つ本格的に演劇を学んでほしいと思ってしまったものでした。(次の芝居は自分の話なので役作りの必要も無さそうですが…。)

 天王寺一…天王寺「神が仲間を捨てない限り、お前と神はもう一緒に芝居を創れない。」

2重人格という個人的な都合で自分の劇団を解散させた勝手な神さんがそもそも仲間を捨てることにためらいや葛藤を感じたりするのか疑問だったりするのですが…ゲフッ!(悠貴さんが尻拭いしてくれるのに甘えて何度でも勝手な行動をとりそうな気がしますが…ゴフッ!)ともあれ神さんを苦しめ七生に手を出そうとする顎割れ男(読者の皆さんには「その顎がキモいのよ!」とよく言われていたらしい。アメリカでは顎が割れているのはハンサムの証なんですけどね。)として悪役らしく読者には嫌われていたキャラクターです。同じ七生に手を出そうとしていた男でも読者に好かれていた健の事や今回のジャンヌの劇での騒動を思うとむしろ迷惑を掛けられたのはこの人の方である意味同情もしたくなってしまうんですけどね…ゴフッ!(火災騒動は起きるし神の弱点である2重人格は治ってしまうし彼を陥れる為の陰謀はすべて裏目に出ちゃいましたよね…。)

 神真之…七生「神さんの方が2重人格の裏側だなんて、偽者だなんて、あたしにはとても信じられない…。」

多重人格者のホスト(最も表に出て日常をこなす人格)となるのは必ずしも元人格とは限らない(元々、辛い現実から逃れる為に別人格を作りだした訳ですしね…。)という統計からも不安は倍増したものでした。そして統合された人格(真之)が神さんとは違う性格だった事からも「神さん」が2重人格の裏側の人間で本物ではないというのはあながち外れきってもいないような気がして悲しくなったものです…ゲフッ!2人が一つになって別人となった事には2人(の人格)とも納得しているようですが(神さんでも健でもない)体が同じだけの「新しいキャラクター」と七生がこれから恋愛していくのも微妙な気がして今一つ引っかかる終わり方だなあとも感じてしまったものでした。

 黒崎健…七生「神さんじゃなくて健だって分かっているのに側に来られるとドキドキしちゃうの。」

ビジュアルがモロ好みのタイプ(ていうか同じ体)でしかも自分にベタ惚れの行動派とくればほとんどの女がクラッと来てしまう事でしょうね。(むしろ自分のプライドばかり重視して七生を2の次にする神さんより健の方が…ゲフッ!)健当人が火事で死んでいたという事は二重人格の方の健は神さんが頭の中で作り出した存在で本物の健ではなかったという事、です、よね…。(本物の健君は火事の時に天国に行ったのでしょう。)ともあれそこまでして「健」を作りだしたのに何年も押し込めて外に出す機会を与えなかった神さんは分身に過ぎない存在とはいえ健に恨まれても仕方ないよなと改めて納得してしまったものでした。そんな訳で七生が健の人格にも魅力を感じだしてきた矢先に新しいキャラクター(真之)とくっついたことはやっぱり微妙に感じる私でした…ゲフッ!

もう一人のマリオネット①~⑤

2010.05.18
 演劇をテーマの一つとした作品ですがかのガラスの仮面と違う所は演じる作品のキャラクターにスポットを当てるのではなく、話を通して自分達のドラマを引き立てている所でしょうね。(「美女と野獣」→一人二役で神さんの2重人格への対処を表現。「ジャンヌ」→ヒロインの少女は神に従って犠牲となった哀れなマリオネットだったというタイトルの由来を表現。だから男の名字は「神」なのかとも納得しました。)演じる話はあくまで「引き立て役」な様に「いつまでこんな扱いで話が進むの?」とうちの妹は不満げでした。(ディズニーでもおなじみの「美女と野獣」だった時はともかく、妹が苦手な男勝りのヒロイン「ジャンヌ」に移ってからはもう…。)

 美女と野獣…「他の役者との呼吸も関係なし。ウケさえすれば許される。それがこの子のやり方なんだ!」

1人舞台ではないのだから自分の解釈に突き進むだけでなく他の役者との連携も考えて動くべき(他の登場人物が自分の勝手に合わせて動いてくれる「引き立て役」でなくちゃんとした「登場人物」であることを認識すべき)だと私も思ってしまいました。(これじゃあ一緒に共演する人はたまらないでしょうね…。)主役だからこそ勝手な動きも「意外性が功を奏して目立っている」事(だけ)で何とか許されていますが、これが脇役だった場合、話の主軸を無視して独走する為お話が滅茶苦茶になってしまうので大人の仕事でないことだけは確かです。(少なくとも上演当日まですべきことではない。役になりきってアドリブもこなせるのが役者であっても舞台には照明係りやナレーター係りもいる訳で…。)神さんの2重人格の1件が無くてもこの調子ではこの劇団は遠からず解散していたなと私も確信してしまいました…ゲフッ!

 萩野七生…「あたしはあんたの『影』よ!無視しないでっ!」

だからって話を無視して紗幕の前に飛び出すなよ!と自分が目立つ為(だけ)に行動した様には正直引いてしまいました。(「役になりきって体が勝手に動いてしまった」のではなく「自分」を認めて貰う為に意図的にした行動なので、それはどうなのかと…。)挙句に(2重人格神さんの指示とはいえ)舞台を途中でほっぽり出して野獣としけこんでしまっては他の団員から反感を食らうのも無理はないでしょうね。「劇団」という集団の中なのに北島マヤと違って友達が一人もできていない様にも納得してしまいました…ゲフッ!

 冠雪子…「覚えてらっしゃい!主役に選ばれたことを後悔させてやるから!」

新人(七生)とのダブルキャストに落とされた事に泣きながら意気込んでいた彼女でしたが、その後、影の美女に勝手に出て来られたりと演出の無視に次ぐ無視(挙句に「あんたの愛情には中身という物が無いのよ。」と作り上げた役の性格まで侮辱されている。)の上、舞台を投げ出されたせいで一人二役までこなす羽目になり実際に主役に選ばれたことを後悔したくなるような扱いを受けているのは彼女の方となってしまっていました。(本人は気にしてませんけどね。)主役と準主役(野獣)が同時に舞台を放り投げた後、収集をつけた彼女こそ真の役者と言えるような気がします…。(演技力のレベルの問題ではなくプロ根性として。)

 神真之…神さん「劇団29世紀は今日をもって解散する。」

自分の2重人格を治療しきるまでは劇団を率いる事も芝居を作ったり演じたりすることも無理だと解釈して初日に神さん抜きでも(舞台監督が蒸発しても)ラストまで演じきって芝居を成功させていた団員達の底力を完全無視している様にはどんだけ自分を過剰評価してるんだと団員達の怒りにも納得してしまいました。練習してきた「美女と野獣」も公開初日だけで中止させる有り様(だからアンタがいなくたって公演できていたんだってば!)で大人としての責任を完全に忘れている模様に半数以上の劇団員達が彼を見限ってしまう訳です。2重人格以前の話で己の性格の方を治した方がいいと思うのですが…ゲフッ!

 黒崎健…「神なんて関係ない!俺がお前を欲しいから貰うだけだ!」

つまり嫌がらせ(神さん)目的でなく愛情(七生)が目的で犯しかけている訳ですが、どっちにしろレイプ未遂を受ける側としては嬉しくない状況でしょうね。(「あんなの愛じゃない!」by七生。)愛も優しさも知らないからこの人は攻撃的で残酷なんだと同情→ハグ→キスしている七生でしたが健が同情と愛情は違うという切ない現実を理解してしまったら人生に絶望して何をしでかすか分からないと神さんの焦燥を後押しする結果にもなってしまい2重人格(健)を引き連れたまま失踪されてしまいました。そして6巻以降に続きます…。

銀の狼

2010.05.17
 宝塚歌劇団原作の歌劇漫画化作品です。(さいとう先生は宝塚のファンだと公言なさっておられるそうです。)「トウランドット」「ファウスト」「ハムレット」(他にも「皇女アナスタシア生存説」など。)等々、有名所な作品を元に話が作られているものの人物相姦図がやたら複雑に昇華されていたり、エピソードが不必要に膨らまされ過ぎていたりして話を追うのが大変だった記憶があります。これなら「ベルサイユのばら」も上演できるはずだと納得したものでした…ゲフッ!

 銀の狼…ペネロープ「助けて!あなたの事は誰にも言いませんから!」

夫を殺した銀の狼に対して自分達も殺されないようにとそう訴えたご婦人でしたが、その約束は立派に反故にされモンタージュが出回る羽目になりました。(ただの口約束ほど当てにならない物は無いってね。やっぱり誓約書を書いてもらって破った場合は代償を支払うように社会的措置が取れる方法を取る方が確実のようです。)相手が哀れな被害者でも口封じの為には殺しておく以外手は無いようです。そうして追い詰められた銀の狼の正体は、過去は何なのか?というサスペンス色が強い男女恋愛に重点を置く宝塚歌劇においては異色の作品に仕上がっており色恋沙汰がメインテーマでないだけ読みやすかった覚えがあります。最終的にはかつての患者の遺族であるミレイユとカップルとなり新しい人生を歩み出す二人でしたが過去を失っていた間にさんざん行った殺人罪への償い(「銀の狼」という通称が有名だった、ということは…。)とかミレイユの母親の世話など人として行うべき大切なことを全部放置して旅立っていいのか?とツッコミも入れざるを得ず、アレで話が終わりというのもちょっと納得がいかない私でもありました…。

 彷徨のレクイエム…ロシア革命で殺されたはずのアナスタシアが記憶を失っていただけで実は生きていた→皇女として立場を保障して貰おう!という革命後実際によくあった話(革命後10年で名乗り出た「アナスタシア」は30人以上いる訳ですしね…。)をアレンジして舞台化した話です。想いを寄せていた大佐に、殺害された当時17歳の小娘にすぎなかったアナスタシアが完全スルーされて21歳のオリガ姉様が愛されていたのは(フィクションとはいえ)当然の結果とはいえ、結局その時の怪我が元でオリガ姉様は死んでしまったり(銃弾がそれた分、無駄に苦しんだだけだったんですか…。)一緒に逃げていたはずのアナスタシアが何故か途中ではぐれて記憶喪失になっていたり(どんな展開で別れ別れになったんですか?)話の筋として色々無理を感じたものでした…ゲフッ!結局「現実」通りにアナスタシアはロシア革命時に死んだ者として一般の人間(フェリックス)と幸せを掴む方を選ぶ訳ですがだったら名乗り出る意味が無いじゃないか!と最後までツッコミは絶えず逆に迷走した話として面白いとも感じてしまったものでした…ゴフッ!(話の設定的に既に無理があったんでしょうね…ガフッ!)

 トウランドット…侍女としてカラフ王子への秘めた愛を貫いたリュウの存在を完全に塗りつぶして1回会っただけのアデルマ王女(捏造キャラクター)が出張っているのは正直微妙でした…。(従者ゼりムとアデルマ王女とで1人のキャラクターを二人に分けなくても…。)王女というキャラクターを利用して「故郷に財宝があるから自分と一緒に逃げてくれ。」というアデルマの意見も金があるなら奴隷なんてやらずにとっとと逃げればいいのにとツッコミを入れずにはいられず展開に無理を感じたものです。(そして金で相手を釣ろうとするのもどうかと思う。)原作を知っているだけに「王子が処刑されようがトウランドット姫の物にならないだけで私は嬉しい。」(死んで良し!←オイ!)などなどカラフ王子へ想いを寄せる女性がリュウよりも明らかに性格の悪い女に変貌を遂げてしまった事が悲しかったものでした…ゲフッ!無駄にオリジナル要素を作らないで原作通りに上演すれば良かったのにね…ゴフッ!

 天使の微笑・悪魔の涙…明けの明星と謳われし天上界で最も美しい天使はメフィストフェレスではなくルシフェル(ルシファー)の事ですけど…と開始1ページ目にしてツッコミが入る「ファウスト」のアレンジ作品。マルガレーテの境遇をより悲壮にする為か看病している相手は母親ではなく叔母で、しかも「あんた達は主人の遺言で仕方なく引き取ってあげているだけだから早めに結婚して出て行ってほしい。」と厄介者扱いされている様に(原作では愛し愛された母親を男への恋情にかまけて見捨ててしまったことと、自分の妹を汚された事を怒って決闘騒ぎを起こした兄と、2人の大切な家族を自分のせいで死なせてしまったことが精神崩壊の決定的な理由でもあったのですが…兄貴の方も女と遊びまわっているし、それほど妹を大切にしているとも思えません…ゲフッ!)こんな2人が死んだ所で発狂するほどのショックは受けないだろうと説得力に欠けてしまったものでした。マルガレーテ本人が老人でもかまわない!と言っているのに不必要に若さを手に入れたファウスト博士も得した男に思えて今一つ共感できなかったり…ゴフッ!

 バレンシアの熱い花…「ああ父上、あなたの遺品のこの剣に誓って必ずあなたの恨みを晴らします。」

というシャイクスピアの3大悲劇「ハムレット」(後の2つは「オセロ」と「リア王」。)を元にしたような話です。ハムレットでは彼氏の変貌ぶりに精神を病むほどのショックを受けたオフィーリアが川に落ちて死んでしまう訳ですが同様に主役の男達は2人とも最愛の女性を失ってしまったのでした。フェルナンドが恋するイザベラは酒場の踊り子に過ぎずたとえ彼に婚約者がいなかろうが名門貴族の妻になることなど身分の格差が許さない…だからこそ「自分には婚約者がいる。」と始めから期待を持たせない形で告白をした訳でアレは彼なりの思いやりでもあったのでしょうね。(それなら始めから告白しない方が思いやりの気がしますが…。「責任を取るつもりは一切無いけど愛しているのは君だ。」なんて言われた日にはイザベラも困ったでしょうね…ゲフッ!)最後の「私のイザベラも死んだ。」というのも「私の都合のいい女だったイザベラが死んだ。」というのと同義語に聞こえてかなり微妙に思えたものです。彼の立場からすればイザベラを愛人として囲って末永く楽しむことも充分に可能だったのにそれをしなかった辺りいい奴だと解釈すべきか真剣に彼を愛している2人の女性のどちらも選んだいい加減な女の敵めとツッコミを入れるべきか…迷った末に後者を選んだ私でした…ゴフッ!

gigolo ジゴロ

2010.05.16
 ジゴロとはフランス語で「女に養ってもらう男」(日本語でいう所のヒモ)という意味です。だから「女に軽い男」と言えばイタリア男なのに(幼少期の)舞台は敢えてフランスなのかと納得しました。女に金を出させるだけの男だけあって主役2人はかなりレベルが高いですが、彼らが相手にするのは社長令嬢や医者など巨額の金を動かせる人だけなので我々一般人にはまず間違いなく関わりを持てない遠い世界の人達だとして安心して読み進めていきましょう。

 gigoro…ゴロー「『いずれ別れる』し『女は他にもいる』けど『貴女を大切にし今だけは誠意を尽くす』…『その瞬間の愛を売るのがジゴロ』なんだ。」

このクソフランス人、いたいけな少年2人にロクでもないこと教えやがって…!と実感してしまった持論でした。その後も純情に愛を捧げているギィ(愛>金)と比べて理屈っぽく斜に構えているゴロー(愛<金)は本当に基本に忠実なのか疑問の余地が多い(初恋のように全力で愛を捧げているようには…とても見えない。)ですが、第2話を読むに彼にも色々あったようです。最終的に女性二人は男よりも自立の道を選んだ為「なんとか金の目処はついたものの2人共また客がゼロ。」という状況になっていましたが金の目処がついたのなら別に客がいなくても困らないのでは?とも疑問に感じてしまいました…。

 gigoroになった夜…多少分かり辛いですが第1話の「gigoro」より1年以上前の話です。ゴローの初めてのお客さんであった由美子先生は精神科医であっても「医者」である以上、実はかなりの金持ちです。(色気の無い恰好に騙されそうですがよく見るときっちりスーツを着込んでおり、いい靴を買える金とホテル代に不自由しないだけの金が常に常備されている財布もあることが分かる。ただだらしないだけなのでしょう。)とはいえゴローの事は「私だけのジゴロ」(あくまでも恋人でなくジゴロ。)として利用しただけであり、婚約者には自殺されたもののホストと会ってる最中にまで電話をかけてくる「訳ありの男」もいたようで(まさか婚約者が自殺した理由って…。)この後2人は上手くいかなくなったのでしょうね…。ゴローが恋愛に対して斜に構えていて「ジゴロは愛情を売る商売なんだ。」と冷徹な目で見ているのはこの辺に根っこがあるのかもしれません…ゲフッ!

 サボテンと薔薇の王子様…「貴志ガーデニング」の専務取締役ってこんなに暇なものなんだ…と取りあえず感心した話でした。(一カ月もの休暇をあっさり取れる辺り大した仕事はしてないと見た…ゲフッ!)ゴミ屋敷の掃除費用(のオーバー分)も負担し新種のバラ栽培も無料で行ってくれるという辺りかなりの金を自由に動かせるのが分かりますが、逆にいえば金にだらしないとも言え部屋がだらしない小宮山さん(ゴミ山さん)とはある意味お似合いかもと思ってしまいました。とはいえオースケが芽衣を好きなのは尊敬するおじいさんの孫娘(血縁)だからという意味合いが強そうで、真実住処をゴミ屋敷にする女と知っても好きでいつづけられるか、同棲を続けているうちに嫌にならないかは未知数でその後が心配だなあとも思ってしまいました…。

 オーロラ…「踊る、ただ1度の恋の為。それは踊りを禁じられた国の王女の切なくも美しい恋の物語。」

というキャッチコピーがつけられた2006年のフランス映画「オーロラ」の漫画化作品です。(日本をイメージしたと思われる「ジパンゴ王国」の王子に吹きました。)政略結婚なのに女の意志が通るのか国が破産寸前の時に嫌とか言っている場合ではないと思うが。)と個人的に驚いてしまった話でした。持参金がちゃんとついてくるのかも怪しい王女に求婚してくれる王子がいるのにも驚き(美しさは何もかもを凌駕してくれるんですね…。)でしたが、何よりも国を全く省みないで恋に溺れている勝手な王女にビックリでした。彼女がその後女王として恋愛を打ち捨てて国を治めていたのならまだ共感できたのですが、破綻寸前の国を再興させた(と思われる)のは弟の所業でありこの王女は本気で何もしていません。(踊ってるだけです。)カテゴリー的には「悲恋物語」ですが1番哀れなのは姉に置き捨てられた弟であり、なんだかんだで愛する人と永遠の愛で結ばれた姉姫は恵まれていると言えるような気がします。こんな自分の事しか考えていない姫でなく1人1人の民のことを考えている弟の方が国の後継ぎで良かったな、と実感してしまった話でした…ゲフッ!

ある日、ナイトに会ったなら

2010.05.15
 名作「ローマの休日」が女王×一般人だったのを王子様版にしたのがこの話なんだそうです。イギリスでも「セブン・ナイツ・イン・ジャパン」(1週間かい!)というイギリス皇太子×日本人バスガイドという映画(まさかチャールズ皇太子じゃないでしょうね…?日本では公開ならずに内容は不明ですが。)を作ったそうで…やっぱり皆この手の話には憧れるんでしょうか?という訳でさいとう先生の「王子様」は色黒で長髪で白馬に乗ったアラブ人だそうでだから「円舞曲は白いドレスで」も「少女革命ウテナ」も相手役に色黒男が出てくるのかと納得したものでした。(でも誰も馬に乗ってませんよ、さいとう先生?)

 ある日、ナイトに会ったなら…坂口「結婚?冗談じゃない。このホテルの次期支配人の僕がエレベーターガールとなんて…。結婚相手は金も地位もあるいい所のお嬢さんと決めているよ。」

デパートでもそうですがエリート職員の結婚観について、自分の所の案内嬢風情と結婚するのはマイナスにはならないけれどもコネクション万能の世界では上司の紹介や大学(まで当時の時代にして行けた、いい所のお嬢さん。)のクラスメートなど自分を高売りできる相手と結婚した方が心強い恋を楽しむ相手と結婚相手は別という考え方があったようです。それでも妊娠もしてないのに床に散らばる程の大枚の金を手切れ金として渡す辺り坂口さんは太っ腹な男だと思うのですが…ゲフッ!(アブド王子といい、どうやら未来はセレブな男を落とす手管に長けていたようです。長続きさせる手管が無かったのが欠点ですが…ゴフッ!)日本人の自分ではイスラム社会の王子様について行けないとアブドの事も諦めていますがエレベーターガールなんてボタンを押すだけの近い将来絶滅する職業についている辺り将来の不安は絶大なのでむしろついて行った方がまだ生活していけるはずなのですが…ゴフッ!(坂口さんも今はまだ別れたばかりで彼女への好意が残っていたから現職のクビを庇ってくれましたが、あんな態度とっていたらそのうち完全に嫌われるでしょうし次の職を斡旋してくれるかどうかは…。)そんな訳で色々その後が気になる話でした。

 17歳のマリアージュ…今時(いや昔の時代なので今よりさらに性は乱れていたのだが)キスしただけで結婚を決めるって…と翼さんの純情ぶり&行動派ぶりに度肝を抜かれてしまいました。(あのナポレオンでさえ関係を持ってからプロポーズしたというのに。)そうやって相手をよく知りもしないのに勢いで結婚まですると後でトラブルが起こるものです。(母親は息子を家に縛る為の口実に嫁を使い、嫁は実兄の家の厄介者で居場所が無いのを利用できるという側面にも惹かれ…と女性の寄生心満載の縁談でもあったのでした…ゲフッ!)男女二人の愛の誓いを確実にするものが結婚だとしても結婚は生活で成り立つ物だという事実もちゃんと認識していくべきでしたね。無計画にセックスした為に高校在学中に妊娠してしまうし勢いで行動してしまう前にちゃんと考えろよ!とツッコミを入れてしまった、そんな話でした…。

 雨、ときどき微熱…実際は微熱どころの騒ぎじゃなく何日も寝込んでしまう程の酷い有様でしたが…ゲフッ!ともあれ他の(興味の無い)女の子からのプレゼントをちゃんと拒絶した辺りこの男の子は偉いなあとヒロイン一途な様に感心したものでした。(最初、その子が心をこめて贈ったプレゼントという名のお土産をそのまんま他の女の子へのプレゼントに利用したのはどうかと思ったが。)物を受け取ってくれたが最後、相手は自分まで受け入れてくれたと勘違いして期待を持ってしまう事はまま有りうる(そしてその快感から贈り物を繰り返す→そのうちクラスでも噂になる→最悪の場合、半公認の仲として他の相手との恋愛に周りからブレーキがかかる。)事なので正しい判断だと私も納得したものでした。実際は不特定多数の女性からの好意に鼻の下を伸ばして何でも受け取ってしまう男も多いんですけどね。

 0019は2人の番号…美希「待ち合わせの時間通りに来たためしなんかない。時々デートの約束さえ忘れる。しかも全く反省しないどころかヘラヘラ笑っている。」

そんなしょうもない男なんかとっとと忘れちまいな!(そんな男は自分の結婚式の日取りだって忘れてしまうでしょう。)とのツッコミはまったくの無意味で文句を言いながらも彼氏にベタ惚れな様に微妙に思ってしまったものでした。この頃はまだ携帯電話が普及してなくて家に1台きりの電話機で会話をしていたんだな~(黒電話じゃないだけ時代はまだ現代に近いか。)と時代の特徴も感じながら読んだものでした。

 余談…身に付けている時計を見て「この男は金持ちだ。」と目を輝かせてタクシー代を肩代わりした未来の姿に、時代は携帯電話の今ですが自分の身分(金持ち度)をアピールする為には時計は有効なアイテムなんだなあと改めて実感したものでした。時計は相手の収入の具合を判断するにはとてもいいアクセサリーのようです。(そして人は態度を変える…ゲフッ!)

彩雲国物語⑤~⑦

2010.05.12
 中華風な割に仕事や展開が変だと思ったら原作者曰く「科挙や3省6部の行政制度などを参考にはしたが都合の良い箇所を抜き出しているだけで中華風でも歴史物でもない。」そうでだったら何を書いているつもりなんだろう?(…微妙なノリの恋愛小説?)としばし悩んでしまいました。というわけで世界観に微妙にリアリティも欠けることですしこれからも小説版は手に取らないかも、です…ゲフッ!続きを読む予定も未定なので取りあえず不特定多数カテゴリ入りにすることにします。

 王慶張(三太)…秀麗に想いを寄せる金持ち幼馴染。彼女をその気にさせる為に「お前もそろそろ嫁き遅れの年だな。」「持参金なしで貰ってくれる奇特な奴なんてうち位だ。」とさりげなく(見え透いた考えを)囁いていますが、普通の人間はそうやって餌をぶら下げて釣り上げようとする見下された扱いは本能的に嫌悪感を感じるものなので(よほど「結婚」に焦っている女性は別かもしれないが、それにしたって相手への尊敬には決して繋がらないことだろう。)彼に対して「進展」しない秀麗に納得してしまいました。相手に認められたいのなら周りの力でそそのかすのではなく自分で努力しない限り本当の心は得られないという人生真理です。(子供だからまだ可愛く見えるけれども鬚顔のおっさんが上のようなセリフを言っていたらしつこいセクハラ男以外の何物でもない…でしょ?)

 杜影月…彼が押し付けられた靴磨き、秀麗の厠掃除といいそれは本来は官吏でなく宦官の仕事のはずなのですが…。(中国でなく中華風ということで宦官がいないのだろうか?それにしたって「役人」ではなく「召使い」の仕事だと思いますが…。)官吏になった俸禄として与えられた銀80両は全て郷里に送ってしまった件について「蒼穹の昴」(自宮した子供には銀50両の褒美が出るはずが本人の手元に届く頃には銅貨一袋と麻の袍だけに減っていた。)でもあったように貧しい時代に役人達が途中で横領することなんて日常茶飯事だったでしょうに、そこに頭が回らないなんて本当に苦労してきたのか、この子は!?と彼の「貧しい育ち」に疑念を抱いてしまいました。無計画な自身の行動から行き倒れるたびに必ず誰かに拾ってもらえる(幼少時→堂主様、酒場→藍楸瑛、及第後→秀麗。)物凄く強運な少年なので基本的に物事を深く考えていないのかもしれません…ゲフッ!(縁談話はうやむやにして後でこっそり断るとか勧められた酒を飲むとかいう相手に対する嗜みや気配りにも欠けてるしね…。)

 紅秀麗…劉輝「誤解だ、秀麗!余はこんな所に来なくても自分の所で男も女も選り取り見取りでいくらでもヤルことができる!」
秀麗「サイッテー…。」

とはいえ既に彼の妻でもない彼女に劉輝の性生活を咎める謂われなど微塵も無かったりはするのですが…。今回妓楼で襲われそうになった際「この花瓶は金五百両!」「この置き物は一千両は下らない!」と価値を十二分に分かっていながら投げて破壊し尽くしていく様そして全て敵にヒットしていない。)には状況を利用した(つもり)の胡蝶への復讐か!?と訝しんでしまいました。もったいないと思うなら始めから逃走だけに力を入れてはいかがでしょうか、秀麗さん?(多分、全部投げ切るのに5分もかかっておらず時間稼ぎにもなっていませんよ…。)

 胡蝶…「良いのは顔と体と金周りだけだね。」

王の側近・藍楸瑛への評価です。話では「本人をこき下ろした評価」として扱われていますがそれだけ揃っていれば男として充分だと思いますが…。(もしやこれは彼女なりののろけだったのでしょうか?)妓楼の名妓として1晩の値段が庶民の何生分の稼ぎに匹敵するそうですが、それだけ値段が上がってしまうと買える男は果たして存在するのか(藍家というパトロンがいるから大丈夫?)町を統治する組連の親分衆というマフィアのドンみたいな裏仕事してるから買われなくても大丈夫なのか(それはそれで悲しい気がする…。)色々謎が残ってしまっているお姉さんです。秀麗に対して「怖い思いをさせて悪かった。今まで冷たくしてきたのは演技だったんだよ。」と言っていますが家一軒分建てられる高価な壺他諸々の芸術品破壊に気づいて演技でない真の怒りを発揮するのはこれからでしょうね…ゲフッ!

彩雲国物語③④

2010.05.11
 「黄金の約束」編です。巷では由羅カイリ先生が挿絵を担当しなければここまで売れることもひいてはドラマCD化、アニメ化することも無かったのではないかという不穏な噂が流れている小説の漫画化作品です。小説の感想にも「読みやすいのはいいけど大した構成の話ではない。」「正直、挿絵の為だけに買っています。」という微妙な意見を見かけてしまったのでこれからも小説版は手に取らないかも、です…ゲフッ!

 紅秀麗…珠翠「あの、邵可様。これ…秀麗様への夜這い御免状に見えるのですが…。」
邵可「サイッテー…。」

とはいえこんなにピンク色の少ない夜這いは他に無いでしょうね…ゲフッ!劉輝の気持ちに応えられないから手紙の返事は一切返さない、というのはある意味での理屈ですが(でもその「一切の無視」はストーカーへの対応と同じでもある。返す当てが無い本物ストーカーならともかく、住居が割れているのにそんな扱い受けている劉輝も哀れ。)贈り物の問題点はともかく貰うものだけ貰っておいて文句を言うというのは最悪の対応だな(この場合丁寧な礼状と共に送り返すのが正しい対応である。)しかも量に問題点があったとはいえ贈られたものを(静蘭という恋敵を含む)他人にあげるというのも酷い話だと思え(贈られた物をいいように利用するなんて贈った人に対して失礼。)改めて秀麗の上から目線ぶり、貴族気質特有の嫌らしい性格に「…。」と思ってしまった私です。けじめをつけるというのなら食事を振舞う為とはいえ最後に会うのもルール違反でしょうし(これで「私はもう貴方の妃じゃありません。だから2度と会えません。」とドアを盾に会うことを拒んでいたら立派だったのですが…。)むしろけじめにかこつけて自分の都合で他人(劉輝)を振り回していないかな、この人と思えてむしろそんな人に(3か月以上もなしのつぶての扱いを受けながら)想いを寄せてる劉輝に同情してしまいました…ゴフッ!

 浪燕青…彼が言うには秀麗はずっとそばに静蘭がいたせいで美形慣れしているそうです。責任を取る意味も込めて秀麗と結婚しろ(そうすれば彼女は縁談話に悩まずに今の生活を続けられる。)と静蘭を急かしていますが本人はスルー。ずっと兄妹のように過ごしてきた人間を今更異性として意識しろと言われても無理な話です。(血のつながりが無ければ誰でも欲情できるようなケダモノじゃないんです、人間と言う生き物は。恋とは「相手のことを知りたい」気持ちから始まるので「良く知っている人間」は逆に恋愛対象から外れて友達止まりになってしまうんだとか。)ともあれ「姫さんがうちの上司になってくれれば面白いのに。」と彼が預言した通りに女官吏となった秀麗は茶州に配属されグダグダ編…もとい茶州編が始まるらしいです…ゲフッ!

 黄鳳珠(奇人)戸部尚書…美しさは罪といいますが野郎の顔に見とれて試験も満足にできないような男なら受かった所でロクな官吏にはなれないよ(だから本人が気にしなくていいと思うよ。)と慰めを入れてしまいました。しかし「その美顔に毎日敗北しながら隣で奥さんなんてやってられません。」と顔を理由に結婚を断った女性の気持ちは私もかなり分かるのでそっちはフォローの入れようがありませんでした…ゲフッ!(女心とは微妙なのです。)本来だったら金と顔が揃っていれば(よほど下品な性格でもなければ)モテモテの引く手あまたの男になるもんなんですけどね…。むしろ金さえあれば顔が仮面でも構わない女(…秀麗?)だって見つかりそうな気がするのですが…ゴフッ!

 紅黎深吏部尚書…秀麗の実の叔父にして絳悠の養父。秀麗が彼に気に入られるための努力を何一つしていないのに姪っ子という生まれつき持っていた条件だけで彼女にメロメロな様子には冷たく厳しくされてばかりの絳悠の立場を考えるとただの差別主義者じゃないのかこの人…?と微妙に思えて仕方なかったり…ゲフッ!(男の子より女の子の方が可愛いという「父親の心理」は分かるのですが…。スルーされてばかりの上の子(絳悠)が傍から見ていて哀れでなりません。)極端に走る前に今一度自分の周りの人への接し方を考えてみてはいかがでしょうか、おじさん?(いくら「拾ってくれた絶対の存在」でも幻滅される時は幻滅されますよ?)

彩雲国物語①②

2010.05.10
 「はじまりの風は紅く」編です。原作者の雪乃紗衣先生がアンジェリークファンだったそうでその縁もあって由羅カイリ先生に挿絵の話が舞い込み、アンジェファンの方々がどっと挿絵に釣りあげられたという噂を聞く小説の漫画化作品です。私も「アンジェリーク」を(今更ながら)読んでいなかったら、恐らく手に取らなかっただろうし、漫画としては可愛い話だけれども小説(文章)で読むのはどうなのかな…と思ってもしまった話なので、これからも小説版は手に取らないかも…です…ゲフッ!

 紅秀麗…貴妃モードと普段モードと瞬間的に微妙に顔を変えられる自力顔面整形の達人。(ほっぺ叩いただけで20代後半の貴婦人→幼女へと早変わり。)彼女が霄太師に貴妃(教育係)に選ばれた理由として「市井を知り知識と行動力がある」事よりも万一、王家の陰謀に巻き込まれて死んでも1番騒ぎが少ない貴族の女だから(王族と姻戚関係になることで中央に引き上げられる親族とは絶縁状態で、父親はぶっちゃけ窓際から動く気が無いダメ男である。)というのが大きいような気がします…ゲフッ!とはいえホモ男の期間限定の仮の妻なら女官達がいくら段取りを整えようとも何も心配はいらないとしてあそこまで慌てる必要はない気がするのですが…。主人公である彼女よりも彼女達に弄ばれて…もとい後押しされて王としての道を歩む羽目になった劉輝の方が哀れに思えたり…ゴフッ!ぶっちゃけ秀麗は貴妃という王と共に責任を持つ立場から離れた美味し立ち位置だよなと思ってしまったり…ガフッ!

 紅邵可(黒狼)…暗殺者・風の狼前任者。だから「風は紅い」のか、とサブタイトルに納得したものでした。それはそれとして雲の上の人に等しい隆盛を極めた宰相(上司)に桶と柄杓でお茶出しするなんて(家畜と同じ扱いを…。)挙句にその後クソジジイ呼ばわりしてナイフ投げつけるなんて…だから貴方は万年窓際族なんだよと微禄の理由が分かる気がしました…ゲフッ!(むしろそんな父だからこそ「自分が管吏だったらもっと真っ当にやっとるわ!」と管吏願望を抱くに至る娘の気持ちが分かる気が…ゴフッ!)何故高官にも関わらず府庫の主に追いやられてしまったのか、親族に縁を切られてしまったのか(そりゃ目上の人にそんな対応続ければ絶縁されるわ!)自分の生き方を今一度見直した方がいいなあ、この人と思えてならないダメ親父です…ガフッ!(暗殺稼業より先に色々やることがいっぱいありませんか?)

 紫劉輝…劉輝「今決めた。静蘭は抱かない。弄ぶにはもったいなさ過ぎる。」
静蘭「サイッテー…。」

女を抱いたら子ができるから皆に男色家だと見事に思い込ませるほど男に手を出した(どんな理屈だよ!)というのなら、かなりの数の女性を抱いたことがあるというのは言ってることとヤッてることが違うじゃないか!と言動の矛盾にツッコミを入れてしまった国王陛下です。そしてかなりの回数女性と関係しておきながら秀麗への対応のお粗末ぶりには微妙な男だなあ~とも思ってしまったり…ゲフッ!(本来だったら「経験」に比例して女性および修羅場への対応が手慣れて上手くなるものなんですけどね…。ダメだよ劉輝、ヤルことだけじゃなく、つきあうって事をちゃんと考えなさい。)政治面に関しては元々王としてやっていくつもりは無く、バカ王と皆に思いこませて失脚し兄・清苑公子が王として立った後は宰相レベルで支えようと思っていたようでして学問的にも武術的にも卓越してはいますが性格が子供過ぎていまいちリアル感の掛けたキャラクターだなあ(大人なのは下半身だけか…ゴフッ!)とも思えてしまう人物です。(アレを可愛いと思うか微妙だと思うかは意見が分かれそう…。)現実には色々な意味でこんな男は存在しないでしょうね…ガフッ!

 茈静蘭(清苑公子)…茈とは紫草、静蘭とは「アンジェリーク」のサラリンとした教官セイラン様から取ったらしいです…ゲフッ!(セイラン教官とは似ても似つかない顔で良かったです…ゴフッ!)身分的には1番の王位継承者だったのですが本人自身は貧乏でも暖かい暮らしにすっかりなじんでしまい「とんずらこかれたくなかったらお前が王をやれ。」「我慢しろ。」と弟(劉輝)に帝位を押し付けていました。(酷い兄貴だ。それでも貴方はブラコンなんですか?)「影ながらお仕えする。」と言っても米倉番人の身分で一体どれ位王様を助けられるというのか劉輝は絶対に騙されているなと確信してしまいました…ガフッ!

悪魔の花嫁③

2010.05.09
 基本的に短編の形で進んでいく話なので、そのせいか「その後の事後処理はどうやったの!?」という疑問や「あの状況からどうやって助かったんですか、貴女は?」というツッコミが絶えない物語です。前篇・後編の形にすら分けない所に作者さんのこだわりを感じますが、おかげで読者の私としては疑問がいっぱいです。(まあ、映画デスノートの後編程「詰め込み過ぎ」が酷くはないので個人的には許容範囲には入ってはいますが。)カテゴリがホラーなので夏に貸せば良かったと今更ながら後悔している私です。ごめんね、よしみつさん。

 黄泉の国から…たった1話で四谷怪談のお岩さんよろしく美貌を失ってしまった少女の悲恋の話。(衣羽子というキテレツな名前はやっぱりお岩さんから取っているのでしょう。)この頃は整形技術は日本が世界1だったんだなあ~(今は韓国が世界1で日本からの整形旅行者が後を絶たないとか…ゲフッ!)と感慨深くなった私でした。(どこに注目してるのさ!)話については、人前で妹(守備範囲外)だと公言して傷跡を見たとたん化け物呼ばわりした婚約者の残酷さ(挙句の果てには「偽りの心で側にいたら衣羽ちゃんが辛いし彼女もそれに気づいている。」と衣羽子に無理のある解釈を押し付けて他の女を口説いている。)が好きになれませんでした。幼い頃から長~く続いた恋愛は、女の方は思い出と愛情が積み重なるけれども男の方は時と共にトキメキが無くなっていくだけ(だから恋愛の期間の長さと結婚は反比例するんだそうな。)なので始めからこの恋は望みが薄かったとはいえあんまりな変わり身の早さに思わず踏みつけたくなりました。女の命ともいえる美しさを無くした後の展開があれって衣羽子もヴィーナスも可哀想です。

 魔性の毒百合…別に花の形の痣くらい手袋で隠すなり何なりして放っとけばいいじゃないか(顔に出てしまった人はそうはいかないだろうが。)と美奈子の嘆きぶりに「もしやこの人ナルシスト?」と疑惑を持ってしまった私です。(最も触った特殊セメントは使われた特殊混合液に骨が歪み内臓が膨れるという放射線障害顔負けの症状が出る毒物で早めに手を打たないと大変なことになる代物ではあったのですが…そんなこと知らずに手の痣を消すことしか考えてませんでしたよね、彼女。)社長一人しか作り方を知らない特殊混合液が切れた状態で社長が死んでしまったのでこれ以上特殊セメントを作ることは不可能でしょうが、それはそれとして今まで世に流出し使われた分はどうなるんだ(テニス部の壁などそのまま放置ですか!?)とその後が不安になった話です。仇を殺したらそれで満足ですか、信夫さん?

 天才は早死にする…少年「このハンカチいつ返せばいいの?」
美奈子「明日の日曜日ここで待ち合わせしましょう。」
少年「今日は雨なのに1日で洗濯・乾燥を済ませて返せと!」

少年はその夜デイモスとチェスばかりやっていたのによく乾かす時間があったな(取り上げた不良の兄ちゃんがアイロンでもかけてくれたのだろうか?意外に家庭的な兄ちゃんである。)と読みながら感心してしまいました。あっさり勝ったように見えるチェスの勝負ですが1ページ目でデイモスがチェック(チェックメイトをする1手前に言う宣言。)をしている所を見るとギリギリのいい勝負だったようです。この少年は生まれながらに理不尽を味わっている不運な人間の顔をしてますが(いやいや弟にかまけて目をかけてもらえなかった兄貴の方が不運だろうよ。)兄貴を暴力に任せて殺した後「何度も頭を打ち付けてしまったから警察が調べると殺人だとバレる。」と死体を隠蔽した計算高さや自分の都合の為ならリリイ達(日本人なのになぜリリイ?)など周りの人間をあっさり切り捨てる薄情さから彼のご都合主義が垣間見え共感はできなかった話です。むしろ殺された挙句に恋人に誤解された兄ちゃんの方が哀れと言えるでしょう。

 闇の中の瞳…自由研究のレポートなんです、と怪談話を取材している美奈子にどんな自由研究だよ!とツッコミを入れたのは私だけではないでしょうね。ブラックジャックでも目の奥の腫瘍から瞳が輝く奇病を取り上げていましたが(思春期以上の大人はほとんどかからないらしいですが…ゴフッ!)この光子さんも同じ病気で猫又に取りつかれたわけではなかったのでしょうね。頭を矢で貫かれながら池まで歩けた普通の人間である彼女に凄さを感じましたが、破傷風さえ起こさなければあの位置は助かるんだそうです。(アメリカでも炭鉱現場の暴発で鉄パイプが頭を貫通したが処置が良かった為に命は助かったという実話がある。脳の外側は理性など感情を司る部分が多く内側は呼吸器系など生命の維持に必要な部分が多いので外側は傷ついても命は大丈夫なんだとか。逆に割りばしが喉に刺さると死んでしまうのは内側だからだそうです。)つまり全ては主人の勝手な思い込みで病院にさえ連れて行けば助かった人(水辺なんて殺菌のたまり場に行かなければ助かったろう。)なので、妄想壁の激しい主人にガックリきました。猫又の復讐に見せかけて実は全て科学で解明できる話なんです、この話。

 生き血に飢えた少女…RHマイナスAB型は日本人では千人に一人の珍しい血液型(このことから美奈子の自分はRHマイナスAB型宣言は嘘だということが分かる。)だというのに何故美奈子の周りには毎月一人の割合で生贄が見つかる程集中して存在しているのか、と展開に疑問を覚えてしまった話です。最後のページでもう半分腐りかけていたし、犠牲者の見つけ出し方の難しさ(そもそも血液検査も無しに次々に生贄を見つけられた今までが異常なのだ。)から考えても彼女はそのまま溶けて消えてしまったんでしょうね。

 悪魔より愛をこめて…行方不明の人間と共に金が消えたのならその人間が金を持って蒸発したと考えるのが最も自然な解釈だろう(そしてまさしくその通りでした。)に何故第3者の強盗殺人になってしまうのか、と警察の無茶苦茶な判断に幻滅してしまったものです。日本のどこにあんな広大な屋敷が建てられる土地があるんだというツッコミは禁句(1巻「蘭の組曲」の金持ち兄弟といい2巻「黒ミサの果実」の貴族といい日本にしてはゴージャスすぎるというよりあり得るはずもない豪邸の数々が何故か美奈子の周りだけには存在している。ここは本当に日本なのだろうか?)としてもあの四角い落とし穴は一体何だったのだろう(そしてあんな広い穴なら普通落ちる前に気付かないか?)と疑問の尽きない話でした。とはいえ執事一人が勝手に起こした自業自得の事故なのでヅラ女と貧乏人のカップルは書類送検だけですぐに家に返されることでしょう。

 耳を切る女…飛子「あなたを手に入れる為ならどんな卑怯な手段でもと…。」
圭一「って、耳を斬り落としたのはわざとだったんかい!」

あの展開で良く彼氏は疑いを持たなかったな、と恋の奇跡(どうやら恋すると細かいことは気にしなくなるらしい。)にびっくりしました。美奈子が来た(というよりいつも彼女にくっついているデイモスに会えてしまった。)ばかりに恋人を手に入れるチャンスをつかんだメスオオカミの話です。(その時好きな人は目の前で婚約してしまい最後のチャンスでもあった。考えてみるとタイミングと運に恵まれたオオカミでもある。)1日で捨てられた元婚約者は哀れですが「ねえ美奈ちゃん、あなたの耳もちょうだい。」(切り取った耳の中に動物のものが多かった所から見て飛子の正体については知っているのでしょう。よりによって動物に負けたなんてショックだったでしょうね。)というホラーな展開から美奈子はどうやって逃げたのかという疑問が放置されていて釈然としないものが残ったんですが…あんな所で話を終わらせないで下さい、池田先生。

 叛逆の園…トロイの木馬でも有名なトロイア戦争(ギリシャ神話)をアレンジした話です。かつて海の女神テティスが人間と結婚した時、1人だけお祝いに呼ばれなかった争いの女神エリス(争いの女神じゃあねえ…。)があてつけで「世界で1番美しい女神へ」と書いた黄金のリンゴを会場に投げ入れた為、ヘラ、アテネ(マニーナ)、ヴィーナスの3人の女神が「これはまさしく私の物よ!」と大騒ぎをし神々の間で決着がつかなかった為に人間のパリス王子が審判役に選ばれました。パリスは世界1の権力(ヘラ)とどんな戦争にも勝利できる力(アテネ)を退け「世界1美しい人間の女を妻にしてあげる。」(自分じゃないのね。人間を勝手に生贄扱いするのね。)といったヴィーナスにリンゴをあげてしまいその言葉通り美しい人妻である他国の皇后ヘレネを手に入れたパリスは王様にトロイア国ごと滅ぼされてしまったのでした。(権力の女神ヘラと戦いの女神アテネに嫌われたパリスには洟から勝利できるはずがなかったのである。)
話について、同じ葡萄酒色の瞳と書いてあるのに何故片方はスミレ色で片方は勿忘草の色と違うのかと考えて、赤ワインと白ワインの違いだと気が付きました。サテュロスもパリスと同じく女を選ぶ辺り俗物ぶりが伺え思わず吹いてしまいましたが最も1番気になったのは「すごいよマサルさん」のめそのように素肌に直接マントをつけたデイモス(マントの下は上半身裸…って変態ですか!?)でした。…何で止めてるんでしょうね、マント?

ガラスの仮面⑥

2010.05.08
 話がヘレン・ケラー編に入る事も有り表紙は6、7巻続けてヘレンとサリバン先生の絵です。ポンプの水をきっかけに「これは単なる指遊びではなく『名前』だったんだ!」と悟る(直前の)ヘレン、サリバン先生と手話で話をするヘレン(「会話」を覚えて以来2人はより一層手話に精を出し、おかげで手荒れが酷かったそうです。)が描かれており、せっかく2冊も有ったのに「無宴桜」の方はサラッとスルーされてしまったんだなあ(端役の千絵では仕方ないか。)とちょっと残念にも思えてしまった文庫版でした。

 「無宴桜」…亜弓「見てらっしゃい。この舞台、見事私がつないでみせる…!」
マヤ「相手が亜弓さんだったからだわ…。歌彦さんと鏡子さん役の人達だったら永遠に沈黙が続くばかりで舞台が終わっていた…。」

マヤが初めて「呼吸を合わせて」演技する事に成功した舞台です。また舞台の話の全容を分かっている事はとても大切な事だと実感もした話でした。(さいとうちほ先生が立った舞台で共演者が全員自分のセリフしか覚えてこなかった為にセリフがつかえたその時誰もフォローができずに舞台上で沈黙が続いたという話を思い出しました。)大幅な変更があったとはいえ、父親が帰って来ようがチラシで語られるだけであろうが千絵が「私もお父さんについて行く!」と家を出ようとして捕まり縁談の話が進められる(そして何故か海堂寺家没落のきっかけが生まれる)展開は変わりようがないでしょうし、一度流し読みはしておくべきだったな(開演数十分前に決まった代役で時間が無かったから仕方ないけど。)とツッコミも入れてしまった話でした。「百合の花を咥えて悔しさを表現している千絵にどうやって自然に悔しさを忘れさせればいいの!?」と立ち往生するばかりのいとこ兄妹に比べると見事な手腕で話を繋いだ亜弓さんの才覚は素晴らしい(その素晴らしいアドリブでマヤを助けるのがカッコイイ!)と感動し、マヤが才能の差に涙するほど羨ましがっている姿にも切なさを感じてしまったものです。余談ですが全ては因果応報というのか「私もここまでの才能が欲しい!」と泣き濡れる立場は紅天女編においては逆転する事になるのですが、その折他人が努力して身につけた表現力を努力もせずに羨ましがるその後のマヤの姿にはちょっと違和感を感じたものでした…ゲフッ!

 普通の生徒A「ねえ…あたしあんたと友達になっているのがつくづく薄気味悪くなってきたわ。」

名前も与えられなかったせいで誰だか説明し辛いのですがマヤが高校の自分のクラス(別名タレントクラス)に入った際、1番最初に馴れ馴れしく話しかけてきて「自分より格下の普通の生徒」というレッテルを貼った(友達顔はしているものの、どこか上から目線で図々しい)茶髪ショートヘアのそばかす娘のことです。(名前が無い…というよりマヤが1度も彼女の名前を呼んでいない、覚えているのかも不明という辺りただつるんでいるだけで本当の友達ではなかった事も分かる。)ビジュアル的に特徴はあるものの主役で人気が高かったマヤに対してこんな態度・物言いをしているのが祟ってか息の長い脇役にはなり損ねたクラスメートでした。(私も、何かこの子嫌な感じだからいなくて良いと思ってしまった記憶が…ゲフッ!)その後、マヤが芸能界を追放されて学校生活に帰ってきた後も出番は無く、一人芝居の台本(女海賊ビアンカ)に触れるきっかけを作ってくれたのも新しく登場するキャラクターですし(本来だったら「仲の良いクラスメート」である彼女に「ねえねえ、それ何の本?」とマヤが話しかけるのが自然な展開。)よっぽど人気が無かったんだなあ~と心から納得してしまった女生徒です。出番がこれきりで悪いけど良かったとも思ってしまった登場人物でした…ゴフッ!

 速水真澄…「どうかしてるぞ、速水真澄。相手は10いくつも年下の少女だぞ。俺ともあろうものが…!」

私も妹も意外でした。今までの親切は全て劇団つきかげを倒産に追いやった処々諸々の事情からくる罪悪感の埋め合わせだとばかり思っていたので、まさかそこに愛があったとは…驚きでした。(抱きしめた当人の真澄様まで自分にビックリしていましたが。)とはいえ「10いくつって一体何才差!?1ダース以上年が離れているのはそこに愛があっても犯罪(ロリコン)だろ!」というツッコミがあったのか無かったのか、その後正確な年の差はギリギリ1ダース(12)未満の「11歳差」という線で落ち着いた様子です。(男の方が年上なら問題は無いような気がするんですが。←女が年上の場合「いつになったらこの子は大人の男になるんだろう、そして11歳も年上の私はその時健康な子供を産めるんだろうか。」という切実な問題が浮上してくるけれど。)ヘレン・ケラーの役作りに当たって自分の別荘を演劇の稽古場として提供している太っ腹な紫のバラの人ですが「思いきり好きにして下さい」とはいっても「備品を破壊しろ」とも「別荘を荒らせ」とも言っていないのにあそこまでの状態にしてしまうマヤさんは掃除をちゃんとしたのか、叩き壊した窓ガラス以下備品の修理費は全部速水さん任せかとか細かい部分も気になってしまったものでした。ともあれ「会えた、会えた、この人だ!」ガバッ!と抱きつかれる方向で目隠しを取る行動に出られなくて良かったね(マヤ相手なら顔を見られた所で「指文字?何書いてるか分からなかったよ。ひらがなってむずかしいし。」と誤魔化せそうですが。)と今回もギリギリで正体がバレなかった展開にホッとしたものです…ゲフッ!

 金谷英美…「北島マヤ、姫川亜弓、2人のライバル。いつかきっとしのいでみせる…!」

しかし当の2人には全然相手にされず、のみならず読者にまでスルーされてしまったせいで奨学金まで出されて入学した実力派にも関わらずその後の出番は有りませんでした…ゲフッ!(6歳の少女ヘレンを演じるのにべビーフェイスの可愛い子ちゃんばかり集められた中で1人ごつくて皆引いちゃったんだろうな、きっと…ゴフッ!)おかげで玄人はだしのはずの実力のある1つ星学園演劇部はその後マヤと共演する「わが愛しのオランピア」でも部員であるはずの彼女は出て来ず(…どうしたの?)化粧術や衣装ばかりが豪華な素人集団になり下がってしまっていました。(いや、水準以上の実力はあるんだろうけどマヤという天才の前ではどうにも見映えがしないんだよね…。)審査員も「このまま捨てるには惜しい素材だ」「いつか何かの形で使いたい演技者」と言っていたのに読者の人気が無いと惜しい素材も使われないまま終わってしまうようです。(禁句)舞台中心に活躍している俳優はテレビに出る機会が少ないせいで有名にはなり辛い(息の長いファンはつくものの地域限定で有名になる為に郷里に帰ると「アンタはいつになったらファンがつくほど有名になれるのよ!?」「ファンもいるし既に有名になってるけど!?」と親に嘆かれる事態も珍しくないらしい。)と聞くのでマヤがテレビ(芸能界)で活躍している間も彼女は別の舞台で活躍してて当時17歳の彼女は「オランピア」をやる頃にはマヤよりも年が上だったのが祟って既に卒業していた…だったらいいなと期待を持ちながら終わる事に致しましょう。(マヤの元彼の里美さんといい実力はあったはずなのに「あの人は今どこで何をしているのか」という芸能人は結構多いですよね、この漫画…ガフッ!)

悪魔の花嫁②

2010.05.05
 カバーをめくった所にある素敵なイラスト達も秘かに気に入っている私です。(大抵の文庫本・漫画本は真っ白なので。)テレビアニメ化はされなかったものの(やはりデイモスとヴィーナスの近親相姦関係がネックに…なってしまったんでしょうね。)オリジナルビデオアニメ化はされ当時声の出演をした声優さん達の解説も文庫版に多く収録されています。オムニバス形式にしてはロングランで連載が続いた傑作(大体の短編は10巻を数えずして連載終了することが多いので。すごいです。でも最後はちゃんと終わって下さい。)でその人気に裏打ちされた話1つ1つの素晴らしさも評価が高いです。

 魔王のメロディ…母はピアニストとして自分を理解してくれる人の事を愛してしまったとありますが、彼女が5年間行方不明になっても騒ぎになってない辺り母親の完全片思いで愛人だったわけではないようです。(愛人関係までいっておきながら放置していたのならそこに愛は無かったと言えるでしょう。)シューベルトの「魔王」の曲は中学で私も習いました。曲では死ぬのは息子ですが、話では「坊や、何故顔隠すか?」という1フレーズを使いたかっただけのようで5年間飯抜きで監禁された母親の方が死んでます。死体はばあやが処分してくれ騒ぎは防がれた、とありますがどこにどうやって処分したのかという肝心な所が不明で(そもそも簡単に処分できる物でもないでしょう。)話の終わり方に疑問を覚えてしまった私です。(目撃者である美奈子も何故警察に通報しないのだろう?)ともあれ彼が美奈子に近づくたびにデイモスの魔力でオートで「魔王」の曲がかかるようになり(少なくとも恋愛には不向きなムードぶち壊しの曲ではある。)この恋は終わったようです。

 月子先生の秘密…かぐや姫が赫夜姫と書くとは知りませんでした。20年ほど前に狼と共に獣のように過ごしていた姉妹(カマラとアマラ。)が発見されたように狼に育てられた人間というのは歴史上存在しますが、だから3月で成人するという例はあるわけがなく(幼少期の脳の発達が刺激の少なさによって阻害されるため、2足歩行の難行、言語能力の低さなどある程度の年齢になっても人間社会でやっていくのが難しい事柄は山ほどあるのだが。)むしろ月子先生の例はライカンスロープ(獣人間。)のような妖怪変化の類の話だろ、とツッコミを入れてしまいました。雪女のように復讐の為に人間社会に交わる妖怪の話は昔からよくあり、この話もその典型を取ってます。ところで、あの後美奈子は雪山からどうやって帰ったのでしょう?

 恋の勝利者…「不気田君」(犬木加奈子)にも取り上げられていたギリシャ神話のアラクネの話(とは関係なく要素として使われているだけの話ですが。)です。神話のアラクネは機織りを得意とする娘で「女神アテナ様より早く仕上げられるわ。」と自慢したとたん怒ったアテナに勝負を挑まれ、結果は引き分け(全く同時に織り上げた。)だったものの「神と人間のスキャンダルの絵を織り上げるなんて!」とせっかく織った布は引き裂かれ、死んだ後は「織物が好きなんでしょ。」と蜘蛛に変えられた(機織りのできる人間に転生させてあげる慈悲はないらしい。)哀れな娘(としか私には読めない。)でした。話では恋の絶頂のうちに死ぬ幸せをデイモスに示す怖い女として描かれてますが、昆虫に囲まれて安らぎを感じるマニアな人間がそうそういるわけがなく、正気のままなら死ぬのは拒んだであろうことが分かるのでその理屈は当てはまらないよ、と自然にツッコミを入れてました。デイモスに響かず美奈子が無事なのもうなずける話です。

 死神の誘い…もう一人の主要登場人物、死神登場です。とうとう待ちきれなくなったヴィーナス(20世紀待ちじゃなあ…。)が依頼を出してしまいました。結局強引に役を奪ったジュリエットが本物のナイフと気づかずに自殺する形(に見せかけてデイモスが胸に刀を刺している。)で死神の鎌から助かってますが、その後も美奈子が狙われている辺りヴィーナスさんはその辺の女の体で満足する気はさらさらないようです。(でも今の体よりはマシな気がするのですが…。)

 バラの影…譲二って誰ですか?とモデルに謎が残る話。自分も不細工な方なのでブサイク女の気持ちはよく分かります。初めて自分に興味を持ってくれた美形の男性に嬉しさを感じてる辺り微笑ましく映ったのですが、デイモスの魔力で作り出したまやかしの人間(他の人間を知らないので誰にでも興味を持ってくれているだけ。悲しい話だが彼女に「特別の興味」を持っていたわけではなかったのです。)である辺り彼女の恋が成就する可能性は始めから無かった(パーティに参加するまでが約束の範囲で会って、そこから彼が心変わりしないという保証は無かったしな…。)と考えると切ない話です。(でも眼潰しの刑にするのはやり過ぎ。)最後の絵の目からあふれ出る血が不気味でした。おそらく次に彼女が絵を見に行った時に譲二の正体を知るのでしょうね。

 恨み模様の振袖…霊を斬ってみたらそれは妻だった、みたいなまやかしの技を霊はよく使います。(雨月物語の「吉備津の釜」にて、障子の向こうから光が差していたので思わず外に出たらそこに朝日は無くまだ夜だった、という展開はあまりにも有名。「恐怖新聞」でも霊能者に化けた霊に騙され除霊に失敗してました。失敗例ばっかりです…ゲフッ!)しかしながら1番悪いのは婚礼の約束をしてながら何も言わずに他の女と結婚していたこの男でしょう。(奥様なんて完全なとばっちりで殺されています。)婚礼の振袖を着た気違いと決め付け、文字通り斬り捨てることで口封じをするとはいくらなんでも酷すぎます。報いがなかったら全く救われない話で終わる所でした。(この終わり方も充分救われていないのは承知の上ですが…ゴフッ!)復讐成就見事です、お艶さん。

 黒ミサの果実…世界には兄妹で愛し合う人もいるのよ(何処の誰の話ですか?妹よ。)と熱弁をふるっている妹ですがそれ以前の問題として貴女はまるで相手にされていないのよ、と1人で盛り上がっている妹にツッコミを入れてしまったのは私だけではありますまい。黒ミサという呪いの方法を教えるばあやもばあやなら実行する妹も妹だと独走ぶりにあまり共感できなかった話でした。人を呪わば穴二つの言葉通り最後は自滅しています。呪いなんてかけるもんじゃありません。

 オリンピアの媚薬…ギリシャ神話のヘラクレス死亡のエピソード(戦争に勝ってかつて恋い焦がれた王女を手に入れたヘラクレス。そのまま自分が捨てられることを恐れた奥方はかつて自分に恋い焦がれた男が「媚薬の効果がある。」と渡した彼自身の血をヘラクレスの服に秘かに浴びせました。その服を着たとたん体を締め付けられついには体中の皮膚が剥けてしまい苦しみに耐えられなくなった彼は焼身自殺をした、というのが神話のあらすじです。)をアレンジした話です。いくら媚薬の効果とはいえお色気大作戦が功を奏した辺り(あの旦那さんの性格を考えると自分の命を狙った相手は問答無用で斬り捨てそうなものなのですが。)シュビレーはよほど自分に自信があったのでしょう。あの時代(時代が合ってるのかは疑問ですが…ゴフッ!)離婚は旦那が宣言すればそれで成立していたので奥方の不安は尽きなかったのでしょうね。ちなみにシュビレーは太陽神アポロンのかつての恋人の名前でもあり愛の証しにと神力で手の平いっぱいの砂粒分の寿命を授けられた女性です。アポロンは二人の仲が終わった後何百年も経ってからふと彼女の事を思い出し、老婆(ミイラ?)になっても生き続けているかつての恋人に思わず「ゴ、ゴメン…。」と謝ったとか。(謝って済む問題じゃありません!)ともあれ想像とはいえ別れの杯をものすごく喜んでいる美奈子の隣にいるデイモスがとても滑稽に見えました。熱烈完全片思いで終わっているのだし諦めてヴィーナスの元に帰ってはどうですか、デイモス?

悪魔の花嫁①

2010.05.04
 デスノートのアンソロジーのパロディ(というかコメント)にこの話のネタが載っていて興味を持ったのがきっかけで読み始めた話。ギリシャ神話の要素も強くてて気に入って読み始めたものの最終話の尻切れトンボぶりに思わず踏みつけたくなってしまったことを覚えています。(あまりにいつもと変わらないノリなのでしばらくの間最終話とも気づきませんでした。結末が出ないのなら「こんな感じで彼らの(異常な)日常はまだまだ続いていきます。」風な空気を出してほしかったです。)ホラー要素も強いのでそっち系の話が好きな方は楽しめるかと思います。

 暗い金曜日…説明のつかない呪いの証明の為だけにとばっちりを食って犠牲になったカップルの話。「君は必ずフランスに行く。」…ってルーブル美術館の事かい!(留学じゃないのかい!)と読みながらツッコミを入れてしまったものでした。カップルはともかくペットの小鳥を殺したことの意味はなんだったのでしょう?(あまりに強引な展開に思わず笑う所かと思いました。)ヒロインの伊布美奈子(イフ ミナコ)というキテレツな名字は「もしや(if)私の愛するビーナス(美奈子)なのでは?」という強引なこじつけの元に作られた名前で(変な名字だと思いました。)デイモスは原作者池田悦子先生のイメージではもっとケダモノに近い物だったのですが「それじゃ小コミ読者が萌えられないだろ!」という意図が働いたのかどうなのか現在のように化粧の濃い美形風になったそうです。

 人形は死なない…昔のミイラだって炭化して生前の顔さえ分からなくなっているのに、いくら内臓を抜いて(鼻に鍵針を近づけていた絵から見てミイラと同じように鼻から脳みそをくり出したのだろう。グロい絵を拝まなくて済んで助かりました。)プラスチックでコーティングしたからといっても常温保存で放置されてる中身(肉)はそのうち腐るんじゃ?(冷蔵庫の中の密封した野菜だって放っておくと腐るのよ。)と保存方法に疑問を覚えてしまった話です。これからの夏場、きっと異臭と共に真実が明るみに出て大騒ぎになると思うので断った美奈子は正しい判断をしたと思いました。

 秘密の報酬…「あなたが黙ってほしいのなら訳は聞かないし岩のように口を閉ざしているわ。」彼はこの言葉を読者のように「報酬の欲求」と取らずに「あなたの気持はわかってるし辛いことは話さなくていいわ。」という思いやりの言葉だと受け取ってしまったんでしょうね。(あれだけ嬉しそうに黒く笑って、わざわざ隠したスパイクまで見せつけている女をそう解釈する彼も凄い。どうやら底抜けのお人良しらしいです。)普段人が嫌がる雑用も進んでやっていた彼女の姿も合いなって水野さんを聖女のような人間だと誤解したのでしょう。水野さんも自分が秘密を握っているから付き合ってくれている(本当は彼女に当てはめた聖女のイメージを重ねながらも真実水野さん自身に好意を持っていました。「秘密」のせいじゃなかったんです。)と誤解しているし誤解が誤解を生んでしまったラブストーリーです。水野さんが早目に真実に気づいて上手く立ち回っていれば何とかなった…んですけど、ね。

 鈴のささやき…美奈子が霊にとりつかれ最後のシーンまで本人の出番がなかった話。(事件が起きたことすら分かってません。)回想シーンについて「私は病気なのよ。沼に追放なんて酷いことしないで。」とか言っている間に船から降りて逃げればいいじゃないかと当然のツッコミを入れてしまいました。(せめて猫だけでも降ろしてやって下さい。)双子でも片方がかかった病気にもう片方がかかっていないことや、同じ環境で育ったのに演奏の実力が大きく違うことから察するにこの2人はよく似た二卵性の姉妹のようです。ともあれ二人とも沼で死んでいる今、一刻も早く警察を呼んで死体を引き揚げて供養してあげるべきだと思うんですが…。

 ヴィーナス我が愛…もう1人のヒロイン、ヴィーナスの登場です。この話よりなぜデイモスが美奈子を狙うのかが判明するとともに美奈子にとっては敵が2人に増えるという最悪の展開が待ち受けています。ギリシャ神話でも有名な美の神ヴィーナスは元々海の泡から生まれ(ゲーム「マーメノイド」で海の世界を守る女神に設定されているのはこの辺が由来しているんでしょうね。)成人するまで貝の上で漂いながら過ごした(漂いすぎです!)女神です。あまりに美しすぎるので「手を出したらそれだけで他の男神全員から恨まれる。」と女好きのゼウス(大神ジュピター)は逆に口説くことができなかったらしいです。話では「兄妹で愛し合うなんてこの恥知らずどもが!」と罰を与えられた二人ですが実の姉であるヘラ様を正妻にしているお前にだけは言われたくないよと私は逆にツッコミを入れていました。「自分ばっかり…。」とデイモス達から恨まれるのは当然です。この後、この話の中でゼウスは双子の娘を殺されたりと彼らから様々な復讐を受けています。

 能面の祈り…能面をモチーフにした前世の恋の話。美奈子は恋人の前の彼女に嫉妬から殺された美輪の生まれ変わり、とありますがそれならその時代に美輪の死体を引きずって黄泉の国に持っていけばヴィーナスは助かったのでは?とデイモスの探索能力の低さに(見つけ出すまでに20世紀もかかってるしな。)呆れた話です。ヴィーナスが言うには美奈子はヴィーナス→美輪→美奈子と転生を繰り返してきた自分自身だとの事ですが、じゃあ今ここにいるヴィーナスはなんなのだと考えると、美奈子はたまたまヴィーナスと顔が瓜二つの赤の他人(世の中には自分とそっくりな人間が3人はいるそうですから…。)で、ヴィーナスが勝手に誇大妄想的に解釈してるだけの方が正解のようです。(おかげで美奈子は大迷惑です。)そのせいもありヴィーナスは登場からたった1話で恋人であるディモスから恨まれる羽目になっています。でもね、そもそもの原因は妹に手を出した挙句に体探索に果てしなく長い時をかけて、見つけたと思ったらぐずぐずしているデイモスのせいなんですよ?

 砂漠に落ちた星…カリウドアリとそれに捕食された蜘蛛の話。「ごめんなさい。」といいつつも3コマでデイモスを逆さ吊りにしたティナ(しかも複雑に縛り上げている。)が凄いと感心しました。(あれだけの縛りの技術を駆使してごめんもないもんだと思うのですが。)アリの女王は始めからティナ姉妹を利用した挙句殺すつもりだったので妹を犠牲にしても逃げるしかティナに生きる道は無かったと考えると切ないです。結局姉妹2人とも死んでいるし何とも悲しい話です。

 蘭の組曲…「出品者名簿で住所をチェックしたんだ。」現代日本でいえばそれは立派なストーカーです。良い子は真似してはいけません。
お姉さんの昔の恋人、弟の婚約者、今回の入賞者とあれだけにこの家の周りで人が消えまくっているのにまるで騒ぎになってない辺り警察の怠慢を感じます。「特別の肥料」を作る為に定期的に人間の死体が必要な事を考えると、毎年死人が出ているはずなのに事件になっていないのも凄いです。(人間が燃えた炎で何故か手帳が無事なのもおかしいと思う。)お姉さんの目の前で恋人(間男?)を燃やした父親は何故今いないのか(恨んだ姉の手により殺害され肥料の1部になったに100円。)疑問も尽きない話ですが解明されないまま焼身心中して終わってしまいました。作者さんは尻切れトンボな話がお好きなようです…ゲフッ!

ブラザー×ファッカー

2010.05.02
 学年を区切る誕生日は4月2日。(4月1日生まれの子は4月2日生まれの子より100%1年遅れの究極の早生まれとなる。)なので4月に第1子を産んで速攻で子作りして次の4月1日を待たずして第2子を産んでしまうと双子でなくても「同じ学年」になってしまうという悲劇が待っています。(しかも子供を産んだ後は体が身籠る事を覚えてしまっているのか妊娠しやすい。)以前そんな風に双子でないのに同じ年の子供がいる(もちろん学年も一緒。)夫婦がテレビで取り上げられてもいましたが、「兄弟」の一般的大多数は年齢が離れているので無駄に分かり辛い年齢設定にせずに普通に年は離してほしかったです…。(「同時期」に高校受験をして同じ学校に行く為には必須の設定だというのは分かるのですが…。嗚呼、それ以前にこんな中学3年生はいるもんかというツッコミを入れたいな…ゲフッ!)

 仁科吉祥…「どんな形になったって彌勒は彌勒だ。お前まで諦めるなんて俺にはできない。」

ベッドに潜り込んで自分を襲いかけようが風呂場に侵入しようが家の中でキスされかけようが彌勒が大切な弟だという事実には変わりないから受け入れる(いいのか、そんな弟で…ゲフッ!)と決意を新たにしているお兄さんでしたが「彌勒がどんな気持ちだったか分かってやれなくてゴメン!」(だから好き放題させてあげるよ!←オイ!)いうのは「罪悪感」であって「恋」ではないような気がしてしまった私でした。「もうすぐ思うように会えなくなるから」と弟の無体も受け入れたのにその弟は同じ学校に入学することも転部して同じ部屋になる事も黙っていて2度に渡って兄を騙しており(「このっ…悪魔があ!」by吉祥)ここまでされたら目覚まし時計を投げつけたり頭突きをする程度で済まさずに杉浦と一緒にもっと殴ってしまえとツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!

 仁科彌勒…「ファックする間くれえ静にしてろ!」

こんな高校1年生は嫌だ(こんな大人も嫌だけど)と人前で言っていい事とドン引きされる事の区別もついていない(挙句の果てには「これが俺だ。」と開き直っている。)弟に引いてしまったものでした。彼曰く「都合の悪い過去ごと俺を消しちまいたかったんだろう?」と被害者の顔をしていますが他の生徒の顔を丼に突っ込むわ指を折るわ行動の酷さには(中学時代よりはマシという問題を既に超えており)これだけの事をしたら普通に消えて欲しいと願うだろうとツッコミを入れてしまったものです。恋人なら自分のダメな部分も含めて全て受け入れて甘やかしてくれるのが当然という勘違い思考(「だから酷い事を言って『ありのままの自分』を拒絶する吉祥が悪いんだ。」という被害者顔)の元に「お付き合い」を求めているようですが、そもそも恋愛って相手の好意を盾に自分が美味しい思いをする為にあるのではないし(それは恋人でなくママンに求める気持ちだと思うし)実の兄弟とか男同士とかいう禁忌以前に(え?)こんな彼氏は嫌だと心底思ってしまいました…ゲフッ!

 氷室神鷹…「偶然にも吉祥の進学先を知っていたし、口止めをされた覚えは無いしな。」

黙っていてほしい話は「『常識』でしゃべらないでいてほしい事は分かるだろう。」(わざわざ口止めを「頼む」という「面倒臭い事」をしなくても黙って自分の都合の通りに動いてくれるだろう。)と相手の人間性を利用するのではなくちゃんと口止めを頼んでおくのが友人としての誠意というものです。(そもそも「聞かれてまずい話」を自分はペラペラしゃべっておきながら聞かせた友達が話す事は許さないというのは不平等。)隠し事をしていた友人に「全部お前らの都合だけじゃないか!」と吉祥は責めていますが「隠し事」をしていたのも「相手を自分の都合で動かそうとした」のも実はお互い様で責めるべき資格は無いだろうと感じてしまった(苦労している結果に同情はしますが。)ものでした…ゲフッ!こういうのを因果応報というんですよ、吉祥さん…ゴフッ!

 仁科母さん…「私達もあの子も吉祥が大好きよ。本当に感謝してるわ。」

息子2人が深刻なトラウマ(問題)を抱えているのに呑気に演奏会になんて出かけている場合ではないだろ、お母さん(代わって苦労してくれている長男に感謝する前に親としての責務をちゃんと果たしなさい。)とツッコミを入れてしまったダメ母親です。(そもそも2人が一つの布団で密着する…もとい弟に襲われかけていた長男を見て何の危機感も抱かない辺りで、もう…。)次男の彌勒が暴力沙汰を起こしまくって荒れていた時期も街に行って説得したのは吉祥で(本来は親の役目。)まるで親として機能していない様には呆れを通り越して軽蔑してしまいました。息子達に彌勒と吉祥なんて仏教マニアのようなドキュンネームをつける割には仏様に仕えている者らしい気配りや配慮がまるでなっていなくて弟にだけでなく親にまで気を配らなければいけない羽目になっている吉祥に心底同情してしまったものでした…ゲフッ!

風を摘むプシケ

2010.05.01
 「人生は人と人との出会いで大きく変わってしまう事がある。」という象徴的な言葉が印象的な一般人→芸能界の名プロデューサーという女性の(出来過ぎた)サクセスストーリーです。タイトルと内容はどう関係しているのかと読んでみたら主人公達のドロドロ3角関係恋愛映画の名称になってました。(あんなダーティーな話、大画面で見たくないんですけど…。)プシケとはギリシャ神話の恋愛の神エロス(キューピッド)に流されるまま妻になった女性の名前で、最終的にはご都合よく男も地位も手に入れた女主人公には確かにお似合いかもしれないと思ってしまったものです…ゲフッ!

 秋庭圭子(お圭)…「まるで激しい嵐の中を下着のままで散歩したような不思議な一日だった。」

どんな一日だよ!(女性なのに下着姿でお散歩するんですか、貴女は!?)と表現の仕方にツッコミを入れてしまいました。仕事のほとんどをこなしたにも関わらず「いいとこ取りの独り占め」と悪口を言われていることにショックを受けているお圭さんですが、確かに結果的に1番苦労してきたのは分かるけれども、彼女が頑張ってきたのは仕事に対してだけであって人の心を汲みとろうとは全くしてこなかった(だから「仕事」からは評価されるけれども「人間」からの好意は集められない。)のである意味当然の結果ではあるんですよね…。(「仕事の腕」と「人に好かれる社交術」は別物なんです。)「思いだしてよ、業界に入った頃の、全ての人に感動できるようなものを作りたいっていう気持ちを…。」という理想論は確かに素晴らしいですが理想だけで人はついてきてくれないというのが現実です。誰かと一緒に仕事をするのなら強権を行使するだけでなく(たとえどんなに自分以下の働きであっても)時には褒めたり持ち上げたりしなければ相手からもそれなりの扱いしか返ってきません。能力が低くても相手も人間、決して馬鹿ではないので(その人が実力をつける為に努力をしてきたのとは無関係に)「見下されている」事はいつか必ず伝わってしまうものなのです。きつい物言いの人間って結果的に損をしてしまうんですよね…ゲフッ!

 渋谷由美…「私、お圭には何でも話してきたわ。最もお圭が本気で聞いてくれてたかどうかは別だけど。」

そう「綺麗事」を振りかざしてはいるけれどもお圭さんは自分から何かを犠牲にして相手の為に尽くそうとしたことなんか1度も無い(いつも自分大事に中途半端な生き方をしている。)のです。相手が悩んでいることも仕事大事にして平気で聞き流しており(「あの人の頭の中には映画の事しかないのよ。私の事話しても馬鹿にされるのがオチって感じ。」)くだらないことであってもその人なりの精一杯の気持ちで悩んでいる人間にしてみたら、恨まれても仕方ないような気はします。彼女がお圭の想い人の丸山監督を寝取ったのも、ブラックな人間になり果てて辛辣な嫌味を言っていたのも積もり積もった恨み故ではないでしょうか?(お圭さんは口先だけで謝ってはいたけれど「償い」としての行動は何もしていませんでした。だから一か八かの賭けに近い仕事で自分を抜擢してくれた時に初めて自分を認めてくれた、本気になって向き合ってくれたと本当に許せる気持ちになったのでしょう。)最後はお圭さんが与えてくれたチャンスもあって見事に名シナリオライターとして確立していましたがそもそもシナリオライターってこんなに簡単に成功できる程甘い世界だったっけ?(「シナリオライター志望者だけで全国に3万人おり、そしてシナリオライターで生活できている人間は百人もいない。プロデューサーに至っては志望者数は掴み切れず、一流と言われるプロデューサーは10人もいない。」…のでは?)とお圭さんの不自然な成功と同時に疑問に思ってしまいました。「あたしの手が汚いなら、覗き見をするお圭の眼は腐ってるわよ!」等々解釈や言葉回しが上手い事は認めるんですけどね…。

 吉井もも子…「あたし自殺してやる!死んであんたに復讐してやる!」

自殺なんてしなくてもこの映画を降りた上で週刊誌等の記者に「自分の都合で仕事を増やす上に人気絶頂の役者を平手打ちするとんでもない駆け出しプロデューサー」の話をすれば十二分に復讐は果たせる(間違いなくその無礼な駆け出しプロデューサーは業界から干される事でしょう。)と思うのですが…。お圭さんの理想論でコロッと考えを変える辺り…可愛い女性です。(いい意味でも悪い意味でも中身が子供で純粋なのでしょう。)以来すっかりお圭さんに惚れこんでファイアープロダクション(どちらのセンスで名付けたのか凄いネーミングだなあと度肝を抜かれてしまいました…。)の社長にまでしてくれましたが…惚れこんだだけあって相手の変化(夢も何もない仕事に追いまくられるただのプロデューサー屋になってしまった。)には敏感だったようです。大林さんにも去られ「2人とも酷い。」と嘆く前に去られた理由(嫌われるだけの原因)を考えない辺りがお圭さんの最大の欠点と言えましょうね。(私に言わせれば軽蔑に値する人間になってしまった後でも退職金代わりに2千万円の小切手を渡す辺り立派に誠意を見せてくれたと感謝すべきだと思いますが…。)一般人の弟さえ知っていたスキャンダル(番組に視聴率を上げる為の嘘。)さえチェックしておらず、逆に言えばもも子さんに対してそこまで関心を持っていなかった(マネージャー兼社長になってからも自身の過去を相談できない「言っても分かってもらえない人」で終わっている。)のだから破局に至ったのはある意味お互い様、自業自得とも言えるでしょうね…。人間関係というのはそういう物なのです。

 丸山英心監督…由美「英太は確かにあなたの子供です。」

それは事実だったのか、あるいは死を目前にした人間に対して「仕事以外にもあなたにはこの世に残せたものがある。」という優しい嘘だったのか…血液検査でハッキリバツが出ている辺り後者というのは確実(実の子供だったら由美さんの意地の張った性格からしても絶対に夫を手放したりはしないでしょう。)でしょうが、死ぬその時まで自分を利用して捨てた男に対して嘘を貫き通してくれた辺り由美さんは優しい女性です。また実の子供ではないからこそ「あなたが生きた証は映画しかないはずです。」と人生最後の映画を撮らせようとしたのではないかと思えてならず、悪ぶった由美さんの裏にある健気さに思わず感動してしまいました。これは「自分の子供」に対して父親として何かを残してやりたい、という1人の男が人生で初めて見た夢の世界に付き合ってくれた由美さんと(これは由美さんが嘘をついてまで監督に見せてくれた優しい夢である。)心の奥底では違う事を本能的に知りつつもそれを打ち消して「息子」へのメッセージという甘やかな夢の為に映画に心血を注いだ監督の、まさしく2人の(違う形での)愛の物語でありじゃあお圭さんはいらないじゃないか!と映画「風を摘むプシケ」に対してツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!「息子」に対して残した「両親のロマンス」(君の父親はこういう人間でした。)という内容の映画なので脇役に当たるお圭さんと魚住さんのことは別にクローズアップする必要は無いような気がするのですが…ゴフッ!

 魚住さん…「君は今、僕に抱かれることを理由に夢を捨てようとしている。逃げ出そうとしているんだ。」

丸山監督の時もそうですが、朝ごはんを作ったり疑似新婚家庭を楽しむ「子供の恋愛ごっこ」はできても、時には互いにぶつかり合って傷つけあう「大人の恋愛」はできない(最初の1流商社マンの時もまさしくベッドインの時に逃げ出している。ホテルまで入ってあんな体制にまでなってからよく逃げ出すことができたなと男の紳士ぶりにも脱帽しました…ゲフッ!)それがお圭さんの恋愛スタイルです。魚住さんに縋ったのも仕事に行き詰まって「もう決してあなた以外は見ません。女のくせに夢などを追い続けた私が悪い子でした!」と仕事からの逃避の手段に使おうとしていた部分が多く(「お圭…自分勝手すぎるわよ。」by由美。)何の損得も無く抱き合えたのは由美の言葉に触発されてからでした。そんな仲になった後にも関わらず監督の死後「もう夢を追いかけるのも人を愛するのも嫌だ。」と1人勝手にニューヨークに旅立つお圭さん。経験者になろうが自分勝手な性格は変わってません…ゴフッ!その後魚住さんが迎えにきたおかげで2人はめでたく復活愛となった様子ですが自分の勝手で行方をくらました迷プロデューサーが現場に復帰できるか(日本に帰った所で就職口はあるのか?)は未知数でこれからの生活は大変そうだなと感じてしまいました…ガフッ!

 余談…見合いについて、由美が「お圭が私だったら3回のデートしかしていない相手を死ぬまで愛せる?」と言っている通り女にとってこれは一種の賭けです。(「当事者」でない親は条件だけで満足できるからそれでいいけど結婚する当人は相手の人格や性格も関わってくるんです。)子供を産める年は30まで(だから25までに相手を決めておくことがベスト。)という現実は確かに存在するのですが、それ以前の問題として相手を尊敬したり愛情を持てるかは別問題で、周りが追い詰めれば追い詰めるほど嫌気がさしてくる(つまり相手の男は「若い自分を相手にしてくれる」以外の利点が何もないつまらない男なのだ。)というのは分かるような気がします。少子化と言いますがそれは二ート問題をクリアしてから悩むべき事項(産んだ所でその若い世代が働かないのなら何の解決にもならないのでは…?)だと思いますし、実際問題現代日本には言っていい事と悪い事の区別もつかない(モラルも何もない)ダメ男ばかりなので無理をして結婚したり相手をしたりしても幸せにはなれないような気がします…。(「無理よね、誰だって無理なのよ。」by由美。言葉通りその後スピーディーに離婚していました…ゲフッ!)
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