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沙漠の国の物語~楽園の種子~

2010.06.30
 誰が読んでも不愉快なコメントをよこした自称「匿名」の彼女が「この本の作者は実はボクの友達なんだ。」と誇らしげに貸してくれた本でした。(書いたのはその友達・倉吹ともえさんであり、彼女ではないのに何故匿名さんが自慢げにしているのか謎でした。)初版刊行当時私に貸したのは私が当時から読んだ本の感想を便せんにキャラ別に書く人間で(手紙かブログか媒体が違うだけで書く「形式」は全く同じ。)上手く使えば長い感想が手に入るから「感想を書いたら作者が喜ぶよ!作者に見せてあげる!」と人の手紙(労力)を利用して自分のネタに使うつもりがあったからのようでした。その後手紙を渡すも作者が喜んでいたとかいう話は一切匿名から出ず(便せん2枚程の感想を書いた私に関して使い終わった人間にはもう興味は無いのか…。)続巻に関しては話題にも上がらなかった(友達が作家として頑張っていても興味が有るのは最初だけ、後は何冊本を出そうが知ったこっちゃないという事ですかね…?)経緯から本人は「友達」と言っているけれど少なくとも世間一般的な「友達」への対応ではないよな、と振り返って改めて彼女の人間関係の作り方に疑問が湧いたものでした。(作者からしてみれば私という「他人」の感想でなく「友達」である匿名さんから感想を貰う方がよほど嬉しいと思うのですが匿名さん本人はこの本に関して「友達」が頑張って書いた事実も含めて何一つ感じる所がなかったのでしょうか?)元々同じ部屋で暮らす実の弟が大音量でスレテオを流そうが家具を壊そうが階段を蹴ったり八つ当たりしながら出ていこうが周りの部屋の住人の迷惑を省みて「止めよう」とはしない彼女は(弟と同様姉である匿名本人もまた周りの住民の事を真実慮ってはいない。住民以外のその事を言っても責められない人間(私)を選んで愚痴を言う事はあっても姉として弟に取りすがってでも諌めたりという家族としての誠意などまるで無く自分さえ面倒事と関わり合いにならなければそれで良いという身勝手な思考を感じて付近住民の方々のほうにむしろ同情したものでした。)家族に対してすら薄情な人間なので仕方ないのかもしれません…。ともあれ普通に読める内容で(てっきり匿名さんの趣味の菊池秀行先生ばりにヤバイ内容の小説かと身構えていましたが)面白かったのでこの場を借りて感想を書いて行こうと思います。(数年前に1回読んだだけのおぼろげな記憶頼りで内容は手紙で書いた時と微妙に違う部分もあると思いますが…。)

 ラビサ…木から落ちようが軽傷で済む(暴れまわってもジンが守ってくれて大怪我にはならない)ジン使い効果のせいかすっかり男の子らしく育ってしまった(注・男らしく、ではない。)本作品の主人公。純真で世間知らずでええかっこしい幼い性格が微妙で、「聖地カヴルの罪」を知ってしまった前使者達の苦悩や砂嵐旅団で生活を営む人々の苦労を思うと自分の信じたい綺麗事しか見えていない苦労知らずの幼さぶりが癇に障って最初の印象はあまり良くなかったものですが、最後にわざわざ盗賊集団の集落での木の世話を(強引に)買って出てきたり、砂嵐旅団側の立場にも気づいたり彼女もまた成長した事が分かります。が、守ってくれる兄がいて、旅でもジゼットに助けられ、努力も無しに強力なジンを従う事が出来てやっぱり恵まれているよなあ、この子…(ジン使いに関しては生まれついての才能であり「体質」だから仕方ない、本人のせいではないと分かってはいるのですがそんな才能を持って生まれることができた時点で既に「運が良い」訳で…。)と世知辛い舞台設定のせいもあってあんまり共感は出来なかったものでした。(いい子なんですが、それよりも兄貴やジゼット、カヤルなどの恵まれない人達の面々が可哀想過ぎてそっちの方が気になります。)これからの成長に一層の期待…でしょうか?

 ジゼット…ジンを「見る」ことはできても「使う」事は出来ない器用貧乏なラビサの相方。(ジンを使えても見ることはできず今まで全く自分の力に気づかなかったラビサと合わせて最強のコンビと言えるかもしれない。)しかし「見える」おかげでジンの力で区切られ1度出たら2度と入れない砂嵐旅団の町にも1人だけ何度も出入りができ家族と交流を取ることができる旅団の中では恵まれた男です。(なればこそその力を利用して盗賊集団と家族の間の懸け橋になってあげれば良いと思うのですが…。)彼曰く自分の弟妹達は全員種違いで、けれど子孫を残す事(産めよ増やせよ政策)の為にはそんな乱れた性文化も仕方ない(つまり、そうしなければ子孫が残せないほど生活が厳しい。)そんな文化的「事情」を思うと病気がちでも結婚できるたった一人と愛を誓ってそれで人口を絶やさず暮らせるラビサの故郷はやっぱり恵まれていると改めて感じてしまったものでした。ラビサとのやりとりを通して彼女の成長も促した非常に良いコンビを築いていましたが結局この2人は今後どうなったんでしょうね?(キャラクターの名前確認の為にネットで調べたら続編があることを知ってビックリでした。その後「進展」したのかコンビはコンビのままであくまで友情物語として幕を閉じたのか気になる所です。)

 カヤル…ジゼット「カヤル、お前の母親は死んだよ、3年前に。」
カヤル「3年前に言えよ、それ!」

3年間無駄に母への手紙を書いていた苦労と無情が偲ばれる可哀想な敵役。(家族を想う気持ちも有り根本的には「悪い人間」ではないのにね…。)ジンを見る才能にも恵まれず(おかげで母親と交流するどころか死に目にも会えませんでした。)使う才能も無く(嵐を呼んでパニックを起こせるあったら便利なジンの力は盗賊稼業に大いに役立つ事だろう。)水を湧かせる木の種を運ぶ使者(と、裏切り者のジゼット)を捕える為に人外の者・シャイターンと契約している様(私利私欲の為に契約したのではない。)には凄く実直で真面目な人柄が感じられて、立場や生まれが決まったらこの人も少しは幸せになれたのだろうかなどなど色々考えてしまいました。大切な人(母親)は死んでいるし作品中で1番報われなかった登場人物に思えてなりません…ゲフッ!

 シムシムの木…地球では「ゴマ」の意味を持つ(でもファンタジー設定なので名前は関係ない)育って大樹になると何故か水を湧かせてくれるファンタジー植物です。(普通は木って逆に水を吸ってしまう物なのですが…。)それはそれとして大樹になるまでの成長に必要な水はどこから調達すればいいんだ(それまで育てる住民は何の恩恵も与えられないのか?)とちょっと考えてしまったものでした。人の心に呼応し豊かになるのも荒むのも人心次第という不可思議さ故に仲良くしていた人と引き離されてしまったが故に枯れてしまった例もあり面倒臭い植物だなあ~とも感じてしまった木でした。舞台が砂漠故に重宝はかなりしそうですがね…。(ただし大木になればね…。)

 余談…本当は以前同様主人公の兄貴や彼に想いを寄せる村人女性についても語ろうかと思ったのですがネットで調べても名前が載っていなかったので割愛しました。最も以前も村人女性が想いを寄せている反面、兄貴の方は村を出ようとしたり完全に彼女を2の次扱いしている有り様でラビサの言うとおり「お似合いの夫婦になる」かどうかは微妙だというような身も蓋もない感想を書いた覚えがあるのでこれで良かったのかもしれません…ゲフッ!
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子爵ヴァルモン~危険な関係~②

2010.06.29
 一体こいつらのファーストネームは何と言うんだ…?(肉体関係まで行った恋人同士がいつまでも苗字呼びっておかしいだろ。)という疑問の元に今までの映画・舞台を調べてみたそうですが、見事に全部バラバラ(で、適当につけられている。)なので、それじゃあ自分も好きなようにつけるようにする、とさいとう先生の好きなオペラから主人公の「トリスタン」という名前が決定したのだそうです。(ああ、ワーグナーで有名な古典的恋物語「トリスタンとイゾルテ」ね。確かにあれも最後は男女共に心中するように死んでしまう話だったしね…。)そんな訳で身勝手昂じて人気が出なかったであろう主人公2人(少なくとも初心な少女が好むような人柄ではない。ヴァルモンもメルトイユ夫人も。)を軸に話が展開してきた、この話もいよいよ最終章を迎え、中身が濃いだけに個人的には早々に終わってしまったのがちょっと残念に感じてしまった話です。

 セシル・ボランジュ…メルトイユ夫人「結婚は誰としても同じよ。それよりも結婚すれば『大人』と認められて恋愛は自由になる。『良い結婚をさせる』のが目的のお母様も恋人に走る貴女にもう何も言えなくなるわ。」
セシル「今…生き返った気分。ありがとう、メルトイユ様。」

要するにこの子にとって大事なのは「ママに叱られない事」と「ダンス二ー様に嫌われない事」だけ裏切りがバレなければ(自分さえ責められなければ)影でどんな事をしても構わないんだ!(だから大っぴらに抱き合えないダンス二ー様の代わりにセフレのヴァルモンと快楽を「楽し」んで良いんだ!←良くねえよ!どうせ拒み切れないからって喜んで身を任せるなんて最低。)とメルトイユ様の元に間違った学習をしている経緯には、さすがに嫌悪を感じてしまいました。結局全てがバレてダンス二ーの心も失った事、女として尊敬していたメルトイユ夫人(母親よりも彼女の言う事の方を信じている。)にこんな黒い部分があったのかと愕然とした気持ちから社交界の男女双方に幻滅し、修道院に入った決意(「もう2度と女として生きる事ができなかろうが、この世界にはもう未練はありません。」)だけは立派でしたが、作中唯一好感を持っていた、純情で一途な彼女がこんな打算的な女に変貌してしまった展開にはガッカリで、幻滅してしまいました…。彼女の無垢な素直さだけは評価していたのにね…。(「素直」に黒い考えに染まってどうする…ゲフッ!)

 ラファエル・ド・ダンス二ー…ヴァルモン「メルトイユ夫人の新しい恋人は君だったのか、ダンス二ー君。セシルに恋する青年が夫人との旅行で骨抜きにされたようだ。」
ダンス二ー「自分の事は言い訳できませんが夫人には失礼だ。」

彼がヴァルモンの子供まで妊娠した恋人セシル(流産してしまったが、それで全てが「流れた」訳ではなく浮気は浮気である。)に幻滅しながらも憎み切れないのは自分もお互い様だから(恋する相手とは思うように会えないから、好きに会えるセフレと快楽を楽しんでいた。それは自分も同じで言い訳できないから。)という側面がありそうです…ゲフッ!とはいえ自分に責める資格が無くとも、そんな女を変わらずに愛せるかというとそれはまた別の問題で、決闘はするけれども自分の名誉が傷つけられた(「恋人」を寝取られた)事実に筋を通しているだけで、もはやセシルへの恋心は消え果てた(恋人であった(過去形)彼女の為に頑張るけれども復縁はありえない。)というのが…現実だよなあ(争いごと嫌いの日本人なら「終わった女」の為に命なんか懸けるかと決闘すらしないだろうなあ…。)と思わずシビアに読んでしまったものでした。この人もこの人で一連の事件から恋愛に大いに不信感を持っていそうで救われない終わり方でした…。

 マリアンヌ・トゥールベル法院長夫人…ヴァルモン「大抵の女にとって恋愛は見栄や競争に近く、そうでなければ単なる快楽の入口に過ぎません。だから彼女のように一途に恋に身を投げる情の深い女に出会ったら、ほんの少しの間でも手放せなくなったとしても不思議はないでしょう?」

…って恋を見栄や競争としか考えていない女=メルトイユ夫人で、単なる快楽の入り口に過ぎない女(だから誰が「相手」に変わっても平気)=セシルの事を示唆してないか?(そりゃ図星を指されたメルトイユ夫人は怒るだろう。)と夫人がマリアンヌを「刺し殺す」ように仕向けた展開には嫌悪感を感じながらも納得がいってしまったものでした。とはいえ↑の手紙の文句からも分かるとおり彼女が他にない稀な素晴らしい女性である事はヴァルモン自身も分かっていたのだから虚栄心(女は弄ぶに過ぎない存在である放蕩者のプライド)の為に振ったりせずに、そのまま付き合っていれば良かったのに…と残念に思えてならない展開です。(それにしてもセシルといい娼婦エミリーといい浮気男(ヴァルモン)にとって浮気とはもう「病気」で想い人と両想いになっても治しようが無いという事がよく分かった…ゲフッ!)最後には誤解も解けて一緒に天に上って行くほど愛し合っていましたが、この男が相手では天国でも苦労しそうだなとちょっと微妙にも思えてしまったラストでした…ゴフッ!

 イザベラ・メルトイユ夫人…「昔のあなたを私は本気で愛した。私達もあの時、本気の恋をしたことを貴方は忘れてしまったのね…。」

というセリフから察するに彼女の「本命」はずっとヴァルモンだったようですが、アンタはそもそも(未亡人とはいえ)既婚者で、ヴァルモンと出会う前も後も男関係は絶えず(従妹の娘セシルの恋人にまで手を出している。どんだけ手当たり次第に食ってるんですか!?)恋に傷ついた被害者の顔をしている所悪いけれど、貴女に同情すべき点はもはや一片も残されていませんよ(そもそも貴様はゲームを仕組んだ加害者であり、周りを誤魔化している偽善者だろう。)とツッコミを入れてしまいました。(「こんなのって無いわ!」と思惑通りに行かなかった事(ヴァルモンの死)だけを悲しんでいるけれど、相手に恨まれる「原因」を作ったのが自分である以上もはや自業自得としか言いようが無い。)天然痘にかかったり、旦那の遺産も継げなかったりと今になって苦労はしているようだけど、ブーイングの嵐を送る第三者達の反応からも分かるとおり、軽蔑されても仕方無い事をしでかした(今までは運良くそれがバレなかっただけ。)という現実の前には誰も(表立っては)味方してくれないでしょうね。どんなことでもいつかバレる日が来るものです。彼女が責められるのは当然、せめて死ぬ前位には改心してると良いね(期待はできないけど。)と頷いて本を閉じる事とします…。

子爵ヴァルモン~危険な関係~①

2010.06.28
 18世紀のパリを舞台にした(ということは「ベルサイユのばら」と同じくもうすぐフランス革命か。)映画「危険な関係」の漫画化作品です。原作小説(あまりにもスキャンダラスな問題小説。)を書いたラクロは作家ではなくこの当時の貴族で軍人だそうで、だからこの恋愛模様は心理作戦、スパイ情報戦、休戦、突撃…といった(今の恋愛のような出来レースとは程遠い)サスペンスのような趣を醸し出しているのかと納得したものでした。恋愛って本来はこういう男と女の駆け引きによる戦いなんですよね…。

 セシル・ボランジュ…「私は修道院出で婚約者がいて交際するなんて罪だもの…。」

神父様曰くそれは「地獄に落ちるほどの罪」だそうで、その後交際程度で済まない関係(肉体関係)をヴァルモンと持ってしまった(生娘だった彼女は様々な性技を仕込まれた挙句に彼の種まで仕込まれてしまった。)彼女の悩みはいかばかりかと考えると辛いです。(ここまで深刻な悩みを一体どうしたら解消できるというんですか、メルトイユ夫人…。)ヴァルモン曰くセシルの処女を奪う事は自分の悪口を想い人に吹き込んだボランジュ夫人への復讐だそうですが(「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえ。」とは言っても…。)だったらセシルではなくボランジュ夫人本人の方をレイプでもすればいい話(オイ!)でセシルにしてみればいい迷惑だろうなあ、と同情してしまいました…。

 ラファエル・ド・ダンス二ー騎士…「彼女は嫁入り前の娘です!大切にするのは当たり前でしょ?」

確かに「嫁入り前」という事実に間違いは無いのですが他の男の元に嫁に行く寸前という現実を彼は分かっているのでしょうか?あるいは分かっていて貴族社会の常識にあてはめて彼女の結婚後に恋を満喫するつもり(財産を守る為に結婚前は処女を固く守り結婚後こそ男も女も恋を自由に楽しむ。)だとしたら…それはそれで嫌です。ともあれ「この男じゃ100年経っても1線を越えられやしない。」(結婚前に非処女になって欲しいというのに。)というメルトイユ夫人の三行半からせっかくセシルのお相手に目されていたのを選手交代され、しかも「どうか私達の文通が続けられるよう子爵に協力して下さい。」という自分の指示がセシルの処女をヴァルモンに奪われるきっかけを作ってしまった(母親から鍵を盗んで合鍵を作らせた事が転じて…。)というのは、まさしく皮肉な結果です。非処女にさせるならさせるでせめて好きな男と初体験を経験させてあげる方が救いだという常識は初体験は経験の1段階に過ぎないというメルトイユ夫人には通じないんでしょうね…。

 マリアンヌ・トゥールベル法院長夫人…ヴァルモン「初めて見た。愛される覚悟と死ぬ覚悟を同時に瞳に宿す女。」

漫画上には一コマも登場しないのでつい忘れそうになってしまいますが彼女は既婚者であり夫がいます。(現在、夫の仕事の間だけという事でローズモンド夫人の元に滞在している。ダンス二ー騎士と引き離す為にセシル達が身を寄せたりと夫人の家は体のいいホテル変わりによく利用されるご様子です…ゲフッ!)セシル以上にキリスト教的道徳を信じ切っている彼女がヴァルモンに熱烈な恋(不倫の罪深い恋)をしてしまったのはまさに悲劇と言えるでしょうね。貞淑だった彼女はヴァルモンによって会うとすぐに体を求める淫乱な女に変貌し(付き合ってしまった男が男だからなあ…。)そして「放浪者の運命」の元に捨てられる羽目になるそうです。それもこれもメルトイユ夫人に勝つため(「捨てなければ自分とヨリを戻すのは許さない。」と言われた為。)で結果にはヴァルモンも非情に後悔したそうなのであんな性格の悪いエセ貞淑夫人に勝つことなんか忘れてトゥールベル夫人と普通にラブラブしてれば良かったのに(…夫はどうした?)と2人の性格を知る私としてはツッコミを入れてしまったものでした。

 イザベル・メルトイユ侯爵夫人…「セシルとトゥールベル夫人、2人を征服した時には私はあなたの物になると約束いたしましょう。」

ただしトゥールベル夫人をキッパリ捨てなくてはその約束は無効で、しかもヴァルモンの物になるのは1日限定と(振った後で)言われた日にはそりゃ彼も怒るでしょうね。ジェルクール将軍に捨てられた事をいつまでも根に持って当事者でもない(親が決めただけの婚約者である)セシルの人生を狂わせたり、ヴァルモンの気を引く為にベルロッシュ男爵(彼の親友)をたらしこんで利用したり…こういう他人の恋愛事を自分の楽しみの為にいいように扱おうとする人間は現実にもたまにいます。(最も見え透いた欲求を暗に仄めかすような程度の低い真似をしていない辺り彼女はかなりレベルが高いとは言えますが。駆け引きというのはたとえ第3者であっても相手に自分のエゴを気取られてしまってはお終いです。)後書きでさいとう先生が書いていた通り超ド級のエゴイストであることは確かなのですが恋愛は周りの皆に自慢する為のステータスでなく真実自分の為に行うものであるという真理をちゃんと分かっていたり俗物になり果てていない辺りは好感持てたものでした。

 トリスタン・ド・ヴァルモン子爵…「愛して征服して捨て去ること、それが自由(リベルテ)を唯一の友とする放浪者(リべルタン)の運命だから。」

そうした悪い生活を続けているうちに彼にとって恋愛はいつしか駆け引き(勝負事)でしかなくなり勝負に勝っても手に入るのはセックスの「快楽」だけ(「自分にはもう快楽しか残っていないのか。」)という虚しいものになっていたもののトゥールベル夫人との関わりを通してやっと「恋する気持ち」を取り戻したご様子です。(「彼女が青春の幻を返してくれたのです。」)1巻最後も数カ月かけて追い求めてきた「恋愛の勝利」よりも彼女を傷つけたくない気持ちを優先させてしまったり本人も自覚がないまま彼女を深く愛してしまっていますが、その後の展開を(ネット情報で)知っている私としては今後が心配な所でした。

スクリーム

2010.06.27
 スクリームとは英単語の通り「悲鳴」の事で、その名の通り叫び出したら止まらないショッカーミステリー映画です。(そんなタイトルに反してヒロインは大して叫ぶこと無く反撃に出ていましたが。)既に飽きられていたジャンルである「スプラッター映画」のお約束を逆手に取り、そのパターンを時には擬えられ、時には裏切りながら殺されていく絶妙な設定から大ヒット→1990年代の中頃にしてブームを復活させることに成功した一作でもあります。ちょうどこの頃(1997年)日本では少年Aによる神戸連続児童殺傷事件が起きていた事で公開が6月→8月に延期になったのも記憶しています…。

 ケイシー・ベッカー(ドリュー・バリモア)…犯人「じゃあクイズだ。『13日の金曜日』の殺人鬼の名前は?」
ケイシー「ジェイソンよ!20回も見たから間違いないわ!」
犯人「ところがどっこい。第一作目は彼の母親。ジェイソンが出てくるのは2作目からだ。」

犯人、お前、たとえ彼女が「ジェイソンの母親」と答えた所で「シリーズのほとんどはジェイソン本人だよ~。」とどちらの答えでも不正解扱いにしてブチ殺すつもりだったでしょう…と庭で縛られた彼氏が映画を20回も見た非常に正解率の高そうな彼女を前に「ケイシー、待て!辞めろ!」と必死で止めようとしている(つまり彼女が何と答えても、答えたが最後、自分は殺されてしまう事が分かっている。)様から見てとれたものでした…。本編の人間模様とはまるで関係が無いのに主人公・シドニーの隣の席だった事(だけ)から狙われて惨い殺され方をした彼女。せっかく帰ってきたのに、すぐそこにいる娘の危機にも気づかずにさっさと家に入ってしまった為にニアミスで娘を救えなかった両親(パロディ映画に到っては居眠り運転をしていた為に助けを求めて道に出てきた娘を自分達で轢いてしまっている。)にもツッコミを入れてしまったものです。(「子機から、あの子の声が聞こえる。」と言っていた通り、その時点ではまだギリギリ生きていたのにね…。さすがに首を吊るされて速やかにはらわたを抉り出されてしまった後では手遅れでしょうが…ゲフッ!)警察の言うとおり車を持っていたビリーはケイシーの家で事件を起こした後、血まみれの「衣装」を脱いでシドニーの家でBをする事なんてたやすいでしょうに、おめおめと容疑者を釈放しているダメっぷりに溜め息が出てしまった展開でした…。

 ゲイル・ウェザーズ(コートニー・コックス)…シドニー「(私のママが惨殺されたことを書いた)本はどうなの?」
ゲイル「もうじき発売よ。一冊送るわ。」
シドニー「…!」ボカッ!

「浮気なんてするはずが無い理想のママの姿」(だから「痴情の縺れ」で殺されたんじゃない!コートを脱いで部屋に掛けるという女性を押さえつけるでもなく余裕で服が脱げる不自然な間があったとしても、これは強姦殺人なのよ!)を1人いつまでも信じ上げている娘に対して「町じゅうの男達と寝ていたビッチな母親」の姿を赤裸々に語った本を送ってあげるというのは真実とはいえ残酷な展開だろうと逆ギレした娘にグーで殴られた展開に納得したものでした。(ダメだよ、ゲイルさん。楯くらい用意しておかないと。←そこ?)加害者の家族(一緒に暮らしておきながら犯している犯罪行為に気づきもせず、気づいた後でもその本性には知らないフリをして、どうすれば自分が責められないか、逃げることしか考えていない人間。本当に可哀想なのは被害者の家族の方であって、犯罪を止められもしないまま食わせてやっているご家族はむしろ犯罪者を増長させている存在だと思う。)に遠慮も同情も感じる気になれないのは分かるけれど、それは逆鱗に触れる行動なんだから気をつけようよ…と1でも2でもツッコミを入れてしまいました。本人のお綺麗な面しか見ようとせず逆ギレしている娘にはパロディ映画のミスコンに彼女が出るシーンにて「俺の彼女だ!俺の女だぜ!」「俺も彼女とヤッたぜ!」「俺もだ!最高だったぜ!」「ケンカ売ってんのか、お前ら!」と彼氏が唖然としながらも怒った姿がフラッシュバックしたものでした…ゲフッ!

 シドニー・プレスコット(ネーヴ・キャンベル)…「どうせ私の苦しみなんて、あなたのお荷物なのね。」

母親を殺されて2度と会えない「悲劇のヒロイン」なのに当の母親があまりにも尻軽・淫乱・ビッチ過ぎて誰も同情してくれない。親友のテイタムにすら「周り中の男に手を出しまくったおかげで、とうとう刺された」説が最も納得して信じられている様に本人も色々思う所があった様子です。かのタイガー・ウッズの愛人の一人が情事を暴露したと同時に今まで関係を持った他の女性達まで事実関係をバラし始めた事例からも分かる通り、こういう事って1人が声を上げると他の人達まで「合意の上で行っていたけれど(オイ!)私達だって被害者だったんです!」と一斉に名乗りを上げるものだから、容疑者として捕まったのが愛人の一人だった事も有り、なし崩し的に全てが明るみに出たのでしょうね。寂しければ誰にでも股を開くビッチマミイ(娘の彼氏の父親とまでって…どんだけ手当たり次第だったんですか!?)ではあっても自分にとっては大切な母親だった…のでしょうが、夫や父親を奪われた被害者達にそんなお涙頂戴劇は通用せず、彼氏にすら「俺だって(お前の股の緩い母親のおかげで)お袋は出て行った。君も『母親を失くした』ことを受け入れろ。」と言われてしまっているシドニーさん。辛いのは本当かも知れないけれど加害者側に属している(一番、加害者を許してスルーしている人間である)以上、同じ穴のムジナ扱いされて責められてしまうのは仕方ないだろう、と周りの反応に頷いたものでした…。(最も母親殺しの犯人が当のビリーである以上、どちらが被害者側なのかは今となっては微妙な問題でしょうが…ゲフッ!)

 ビリー・ルーミス(スキート・ウーリッチ)…「お前の母親は街中の男をたらしこんでシャロン・ストーン気取り。俺の親父ともファックして、それでお袋は俺を捨てて出て行った。立派な『理由』だろ?」

一応パロディ映画みたいに「彼女にお預けを食らっているうちにゲイに目覚めて、それで本妻の立場にいる彼女が邪魔になった」という「理由」ではなくて良かったですが、たらしこんでいたのは母親本人だけ(娘も一緒になって3Pに及んでいたのなら、それは娘にも復讐をする理由にはなるが。)という事を考えると母親を殺した時点でもう復讐は終わっており、今のアンタの「理由」は単なる逆恨みでしかないよ(挙句に主人公を怖がらせる為だけに殺したケイシー達以下沢山の人々はまるで関係が無いじゃないか!)とツッコミを入れてしまったものでした。結局のところ「まさかずっと近くにいた恋人のこの人が犯人だったなんて…!」という火曜サスペンス劇場のお約束パターンの通りに、警察の推理通り(なんだから、容疑者は拘束しておいてよ!)に、彼が犯人だったというオチで判明する真犯人(最も全員が容疑者というこの状況の中では誰が真犯人でも話の辻褄は合いそうですが…ゲフッ!)ですが、それでも2のようにまるで存在感の無い脇役が実は犯人でした(そんな事言ってもアンタの事なんか、ほとんど印象に残って無いんですけど…。)という終わり方よりは面白かったな、と改めて1の評価を上げている所です。最後は怒ったヒロインに傘で刺された上に頭をぶち抜かれて殺されてしまった彼。その時、今までの彼と同じように死神の衣装を着ていた彼女の姿にこの話は「お互い様」という諺を地で行くシナリオだったんだなあと認識を新たにした物語でした…。

 余談…事件後、死神のマスクをつけてふざけた生徒2人が退学になった事に、日本でも解剖実験中に医大生が「壁に耳あり」をやってしまった(死体から取った耳を壁につけてふざけた)おかげで退学になった事例を思い出しました。それが内輪の事でも「学校の品位を汚した」事は立派な退学の理由になるようです。最も1人になった校長が同じようにマスクをかぶって遊んでいる辺り説得力は出ませんでしたが…。(そのせいかどうか自分で言ったとおりに「退学どころか、はらわたをえぐられて吊るされるのが妥当だ!」とゴールポストに吊るされてしまった校長先生でした…ゲフッ!)

アンナ・カレーニナ

2010.06.26
 豪華絢爛な「舞台」を間近で見ているみたい…と美しさに酔いしれる人と、「特殊過ぎる演出」について行けない人とおそらくは大きく分かれるであろう、本作品。話の内容も平たく言うと貞淑な妻だった(過去形)アンナが何だかんだ言いながらも結局は誘惑に負けて夫も子供も捨てて出ていく話であるので共感できない男性視聴者は数多くいるだろうなあ…と、ヒロインの兄夫婦の浮気劇を中心にしたコメディパート(注・奥さんは笑えない状況)はまだ見ていたのに、話の流れがアンナ(不倫)に移り始めたとたんに興味を失くした家族(男衆)の姿を見て納得はしてしまったものでした。隠れた名作ではあるものの万人受けする話ではなかったね、と認識を新たにした、個人的には素晴らしい映画です…。(ただし話の内容上、男が共感できるヒロインではないな…確実に。)

 アレクセイ・ヴロンスキー伯爵(アーロン・テイラー・ジョンソン)…アンナ「私に平安を返して。」
ヴロンスキー「もう平安などありえない。悲痛か至福か、どちらかしか。」

同じ人間が顔をススまみれにして働いている中、片や貴族に生まれついたというだけでシミ一つない服を着て、毎晩のように夜会を開いて、飲めや歌えや踊れやしていたらそりゃ革命を起こしたくもなるだろう(なるほど、ロシア革命が起こる訳だ。)と、たった一度会っただけの人妻に入れ上げて、遠~いペテルブルクまで追いかけて、ストーカーのようにつきまとう貴族の次男坊・ヴロンスキー(こんな奴の為に小作人達が汗水たらして働いた分の血税が使われている。)の姿に変な所で頷いてしまったものでした。「アンナの影」と言われるほど行く先々に現れる情熱的(ストーカー)な所は同じく「結婚」に縛られずに恋をしている母親譲り(息子2人があんなに大きくなった今でも「恋の噂は絶えない」女性。だが所詮は「火遊び」止まりで世間体を捨てるほど溺れこまない辺りが彼女の大人な所である。)なのでしょうが、それならそれで世間体や良識くらいは弁えてくれ(出世を棒に振ってまで不倫に走るな!)と切実にツッコミを入れてしまった登場人物でした…。

 アンナ・カレーニナ(キーナ・ナイトレイ)…ヴロンスキー「君も彼女を罪人扱いか。」
ベッツィ「問題なのは法でなく、社交界の掟よ。」

そう、恋の噂の絶えないヴロンスキー伯爵夫人(後は同じ帝政ロシア時代を背景に描かれた実在人物伝「ブロンズの天使」(ロシア詩人プーシキンの妻の物語)などなど。)を見ても分かるとおり、お家の都合で結婚することがほとんどだったこの時代、離婚はともかく不倫は非常にありふれており、結婚しても他の男と火遊びを楽しむ程度の事はよくあること(結婚はあくまでも政略的な物と割り切っており、表向き「きちんとした夫婦」を演じてくれさえすれば夫も妻も相手がどこで誰と何をしようが干渉せずというのが、いわば貴族社会のモラル)でした。家の為に愛情の無い結婚をしたのだから、ささやかなお楽しみ程度には目を瞑りましょう(噂にして楽しみはするけれど表立ってバッシングはしない。)という事なのでしょう。ですが、そんな危険な関係にも約束事はあります。「家の都合で結婚したのだから、影で『浮気』を楽しんでも良いけれど家を捨てるのはNG」という事です。おそらくアンナは花火を逆エビ反りになって見たあの美しい夜に「もしも奇跡的に彼の心が変わっていなければ自分は世間体に縛られず、この愛に全てを預けよう。」と決意したのでしょうが、どんな言い訳を持ってしても夫と子供を捨てて愛人に走った妻をこの時代の世間が許すはずもなく、駆け落ち前は普通に楽しめたオペラでも、まるでバイ菌扱いをされてしまいました。不倫の果てに逃避行して皆を傷つけたツケは回ってきて当然、真実の愛に生きるという題目で大暴走しても誰も共感してくれないという痛い実例です…ゲフッ!

 アレクセイ・カレーニン伯爵(ジュード・ロウ)…アンナ「ご主人?あんなの家具よ。」
カレーニン「何故、私がこんな目に?」

妻の浮気にも目を瞑り、周り中の噂の的になってもやんわりと窘める程度に留め、競馬場で落馬したアレクセイ(愛人)を見て取り乱した妻にさえ「私(アレクセイ)はここだ!ここにいる!」とその場を取り繕い、ひたすら彼女を庇ってきた良き夫。(大体こんなに実直で真面目な旦那さんのどこに非があるのか。社交界の華と謳われた派手な女には「つまらない男」としか映らないのかもしれないけれど、魅力的(?)なアンタの愛人ヴロンスキーとだって貴女は幸せにはなれなかったじゃないか。)なのにアンナがした事は「誤解じゃなくて全部本当の事よ。」(ウソでも「違う」って言ってやれよ…。)と無神経な正直告白をした挙句に不義の子まで産んで、それすら許した夫を息子共々捨てたという最低の行動で、それだけでも男が共感できない女だという事は見て取れました。(息子の誕生日に突撃したのは一応、母親の愛だったのでしょうが普段一緒にいないくせにイベント事の主役という美味しい場面だけは持って行くって考えてみればズルイよなあ、と思えて母親としてもあんまり共感は出来なかったです。)最後は結局不義の子・アーニャまで息子共々育てる羽目になっているし、思えばこの作品で一番被害を被ったお方でしょうね。「私は本来、寛容で人を憎みません。だが妻は憎い。決して許せません。」という御本人の言葉通り相手が苦しんでいることを免罪符に許してやる必要なんて無いぞ(「罪のある者が罪の無い者より苦しむのは当たり前よ!」by小説版ドリー。)とツッコミを入れてしまったものでした…。

 ステパン・オブロンスキー伯爵(マシュー・マクファディン)…スティーヴァ「不公平だよ。愛して結婚したし良い夫だ。子供にも恵まれて時が流れ、気がつけば妻は若さを失っている。一方、私は精力絶倫。それで魅惑の犠牲となる訳さ。」
コンスタンチン「理解できないね。満腹でパンを盗むのと同じだ。」

「私は妻を「心」から愛している」というのは、つまり体は別腹で他の女との性欲処理には走るから(「最低よね。でも『愛』じゃないわ。」←愛じゃないからと開き直っている分、尚の事タチが悪いと思うが。)という意味だったんでしょうね…ゲフッ!ある意味この兄貴にしてあの妹アンナありきと納得できる家族構成ですが、彼の評価できる点は家庭教師(下手すれば子供達にまで感づかれる家庭崩壊直結の相手)からバレリーナ(「舞姫」からも分かるとおりアイドルはパトロンがいなければやっていけない。浮気ではあるものの金⇔体というビジネスライクな関係である。)へと「家に持ち込まないように上手くやる」ようには学習した点(バレてはいるけれど。)ですかね。何だかんだ言いながらも奥さんとの間にも新しい子供をバッチリ儲けている(「痛んだバナナでもそれが自分の選んだものであれば美味しいと言って食べなければならない。」という暗黙の了解(どんな了解だ?)は守るようになった。)事ですし一応、浮気を通して「成長」はしたと言えます…かね。(それが良い成長だったのかどうかは微妙な所ですが…ゴフッ!)

 ダーリャ・オブロンスカヤ(ケリー・マクドナルド)…キティ「(新しい子供が生まれた所で)相変わらず浮気されているのに、それのどこが愛なの!?」
ドリー「そうね。…でも、愛なの。」

それでも私は彼を愛しているし彼は他の女とどんなに「浮気」をしても家庭を捨てることは無い(所詮、浮気は浮気であり遊びでしかない。)辛いけれど「失う」よりはまだマシだろう(あなたには分からないだろうけれど私達はそれでも愛し合っているの。)という妻として母として割り切った切ない愛の様は…恋に理想を夢見るお嬢ちゃんのキティには理解しがたいだろうなあ、と納得はしてしまったものでした。(「許せるだけの愛が残っていないのなら別れの運命を受け入れるしかないわね。」「運命!?私は何もしてないのよ!」…で、許す方向で正妻の立場を維持したのがドリー。許せなくて相手に縋りつく事もできなかった結果ヴロンスキーを完全に失ったのがキティ。最もそこまでしてキープするほどの価値がある男かという基本的なツッコミは両者どちらに対しても入ってしまうのですが…ゲフッ!)浮気をしても体面を保ってくれればそれでいい、ヴロンスキーの兄夫婦(「夫が離婚に合意してくれないの。私の不貞が原因でも、もうこんな陶器のカップの生活なんてうんざりなのに!」←と言いながらも家は出て行かず居座っている奥方も奥方。離婚だの何だの言いながらもアンナと違って所詮「口先だけ」で内輪の話でしかないのだ。)といい、これこそ貴族社会の正しい夫婦関係だったのだろうと実感した有様でした…ゴフッ!

 エカテリーナ・シチェルバツカヤ(アリシア・ヴィキャンデル)…コンスタンチン「申し込みに来たんだ。つまり、その…僕の妻になってくれないか?」
キティ「無理だわ。ゴメンなさい。」
コンスタンチン「…そうだね。無理だよね。(涙)」

こうして新しく出てきた男(ヴロンスキー)の為にリョーヴィンを振った女が、同じく新しく出てきた女(アンナ)の為に振られる羽目になるとは、まさしく因果応報だったのかもしれません。(それでも「キティは君には逃げ帰られ、ヴロンスキーにも捨てられたんだ。Wで恋人に去られたなんて、君以上に哀れだ!」「僕は彼女を捨てたんじゃなくて断られたんだ!」と話をすり替えられているのにはリョーヴィンの方に同情してしまいましたが…。)ヴロンスキーに惹かれた理由も恋情というより「伯爵夫人」としてアンナのような社交界の華になりたいから(彼と結婚すればリョーヴィンとの田舎暮らしなんて目じゃないわ!)という打算が占めていた部分が多く、1晩でアンナに寝取られた一件も失恋よりプライドを傷つけられた気持ちの方が大きかった様子です。そんな訳で、胸の内の打算はともかく自分の恋人ランキングNO.1の男が自分より年上の子持ちのオバサンに取られた(若さという強力な武器を持っていたにも関わらず子持ちの年増女に負けた)というのはそれなりにショックだった事でしょうが、顔面偏差値の高さは認めてもリョーヴィンが例えるような「天使」にはちょっと思えなかった女性でした。(大した器でもないくせにプライドだけは高い小娘にしか見えない…。だからリョーヴィンを振ったのを「もったいない事した」と思いつつも自分から頭は下げられないし、ソワソワとプロポーズを期待しながらも自分からは何も言えず常に受け身なんだろうなと納得してしまいました…ゲフッ!)話を通して男を見る目を改める(そして自分の身の程を認める)程には成長したのでしょうが、それもそれで打算的に思えて、清らかで無垢な「天使」にはやっぱり思えなかった女性でした…。(まあ、アンナに比べれば確実に性格の良い女性とは言えるでしょうが…ゴフッ!)

 コンスタンチン・リョーヴィン(ドーナル・グリーソン)…リョーヴィン「今もまだ、あの『ノー』は絶対?」
キティ「あの時は分からなかった。私を許して。」

小説版を読んだ方はお分かりになると思いますが話の主人公はこの人です。トルストイの作品のテーマは「戦争と平和」を読んでも分かるとおり不細工男でも真面目に生きれば美形よりも幸せになれるという内容(結局「憧れの女性」も他の男の手垢がつく事も無く処女のままでゲットし、社交界の華やかさの裏側にある汚れた一面を知った彼女は田舎暮らしに文句を言うどころか売春婦の夫という義理の兄の世話まで偏見なく行う聖女にまで成長していた。何と男にとって理想的な女となった事だろうか。)なので、その対比として一番不真面目に生きて道を踏み外し見事に不幸(自滅)になった人間=美形のアンナが作品のタイトルを冠することとなったのでしょうね。(アンナと関わった男2人(特に夫)も立派に不幸にはなっているが、生きている分まだ「やり直し」はきく人生ではある。)最後はお子様にも恵まれ立派に幸せになった彼。同じ「妻のおめでた」でも他の男の子供を押し付けられ人生に耐える男の背中を見せていたカレーニン氏の哀愁漂うラストシーンとの対比と合わせてこの作品は比較を美しく描いているな、と感じた映画でした…ゲフッ!

千と千尋の神隠し

2010.06.25
 ストーリーは「少女が自分や親の罪を贖う為に娼婦に身を落として働く」(性風俗産業の話をもって現代の少女を取り巻く現実を象徴した)だそうで、だから主人公は湯女(娼婦という意味がある)として働くわ、来る客(神)が全員男だわ(それを拭いてあげるサービスって…ソープですか!?)深く考えなくても怪しい意味合い満載なのか…と情事のシーンは一秒もないのに一部の視聴者の間で大騒ぎしてる理由に納得したものでした。それにしてもよしみつさんが気に入っている話ってこの手のお話ばっかりだな…と貸して貰ったフィルムブックを読みながら思ってしまったものです…。

 千(荻野千尋)…「ここで働かせて下さい!」

奇しくも小説「嫌われ松子の一生」にて素っ裸でトルコ風呂(性風俗産業)への採用を迫った主人公が言ったのと全く同じセリフだ…と裏テーマを思いながら思わず遠い目で見てしまったものでした…ゲフッ!千尋達家族が不思議の世界に迷い込んでしまったのは現実世界に対して全員が投げやりで生きる力に欠けていたからだそうで家の手伝いもした事が無く手際の悪かった千尋が(職種内容はともあれ)仕事を通して自分でも気づかなかった適応力や忍耐力を身につけて成長した(生きる力を身につけた)以上この後彼女は何があっても不思議の世界に迷い込むことは無いと思うと少し寂しいです。(親や周囲の環境など彼女を取り巻く現実は行った時と全く変わっていないが不思議の世界で得た経験から彼女自身は自分でも気づかぬまま大きく変わっている。)全ては夢だったと思えても一度身に着いた習性はそうそう消えないでしょうし彼女にとっては意味のある出来事にはなったんでしょうね。

 カオナシ…「千ほしい。千ほしい。」

そう言いながら金を差し出して誘う辺り援助交際かよ!(実際問題「この位でどう?」と街娼を買おうとするスケベオヤジの行動と何が違うのか分からない。)と思わずツッコミを入れてしまいました。まだ12歳のいたいけな少女である千尋が「そんなお金いらない。欲しくない。出て失せろセクハラ野郎!」とお断りするのにも納得の1場面です。(まあ同じく湯女として働く自分の操に対しても砕けた意識の先輩達は大喜びで貰うでしょうが…ゲフッ!)お金の欲望そのものである彼に「負ける」と呑み込まれてしまう為、もしここで貰っていたら不思議の世界から戻れなくなってしまっていた設定を考えても彼女は正しい選択をしたと言えるのでしょうね。顔を持たないキャラクター性から唯一海外版で名前が変えられていた彼。(英語圏ではノーフェイスと訳されフィルムブックでも仮面と書かれていた。)性別はやっぱり男だったということから余計に性風俗物語疑惑に確信が持ててしまったものでした…ゴフッ!

 ハク(ニギハヤミコハクヌシ)…「また会おう。」

と約束はしているものの、この後彼は湯婆婆の言葉通りに八つ裂きにされる運命にあり自分でもその未来を受け入れている以上つないだ手を離した後の別れはそのまま永遠の別れとなってしまったそうです。(現実世界での彼の姿であるコハク川も現在はマンション建設に伴い埋め立てられて今は無いことを考えても…悲しい顛末である。)元々湯婆婆の手先となって利用されていた作中の時点で心身ともに限界が近づいており(つまり八つ裂きにされなくても彼は遠からず死ぬ運命だった)死んだ後に魂のみで人間界の彼女に会いに行くという意味だったようですが、あんまりにも儚い後日談には悲しみを感じてなりませんでした。…それにしても、それはそれとして何故彼は男なのにオカッパ頭なんでしょうね?(読み始めるまで彼の事は真面目に「お姉さん」(女の子)だとばかり思っていました…ゲフッ!)

 湯婆婆…「可愛いねぇ、坊や。」

周囲の事は全く意に介さず自分と子供だけは「特別」、ワガママを言おうが傍若無人な態度を取ろうがそれは「可愛い」程度で全て許して貰える客観的な第三者の目から見たら彼らは少しも「可愛く」など無いという現実は見えていないし、また見ようともしていない。)と信じ上げている知り合いの某一家と全く同じ偏執的過保護から子供をダメ人間に育て上げている母親の典型的な事例だな(ワガママで気に入らない事があると泣くか(姉)暴れるか(弟)で通そうとする子供も子供だが、親も親で子供が社会とマトモに関わっていない事実に対しては無関心周囲に迷惑をかけようが子供を自分の手元に置く事しか考えていない社会的に大いに問題がある人格をしている。)と妙なリアリティを感じたものでした。子供にも自立心を求めて冷たい態度の千尋の母親もまた母親として問題があるけれど(こちらは母として愛情が無さ過ぎ。)愛情の名の元に子供を好きに増長させるのも間違っているよなと対比と合わせて色々思ってしまったものでした。

サイコ

2010.06.23
 サイコ最高!という寒いダジャレはとにかくとして、評価は本当に最高得点を与えたい伝説的ヒッチコック・スリラーにして全てのサイコ・サスペンスのルーツとも言われている、あまりにも有名なアルフレッド・ヒッチコック監督の名作です。かの「シックス・センス」のようにオチを知って改めて見るとさらに深く味わえる(むしろ完璧に辻褄が合っている事に感動すら覚える。)作品であり、振り返って見れば「母親」と「息子」の口論の時に全く声が被らなかった(「同じ体で話している」から「同時に2つ以上の声は出せない」訳で考えてもみれば当たり前なのだが。)事と合わせて「全てを知っても違和感なく見れる」作りに感心した古き良き名作でした。

 サム・ルーミス(ジョン・ギャヴィン)…マリオン「ねえ、サム。結婚しましょ。いつまでもこんな風にコソコソと会うのは嫌よ。」
サム「父の借金もまだ残っているし、別れた妻に慰謝料も払わなきゃいけない。奥さんになるんなら、前の妻に金を送る時は君に切手を貼って貰うっていうのはどうだ?結婚なんてそんな夢のあるもんじゃないよ。」

「それでもいいわよ、結婚しましょ!」(せめて「紙切れ一枚」でいいから確かな物が欲しい!)と迫った彼女に対して、彼が出した答えは「金が無いから結婚できない。」(そんなに「結婚」したいのなら、いっそのこと他の男を探したら?)という、やる気ゼロの回答であり、それを「お断りの返事」でなく顔面通りに(強引に)解釈して受け取った彼女(逆プロポーズを断られたのを認めたくない気持ちは分かるけど…愛情の無い男にしがみついても幸せにはなれないと思うよ。)は思わず魔が差して会社の金に手をつけて逃亡するという暴挙に出たのでした。あるいは彼が「金の話」をゴチャゴチャしないで「お前は所詮セフレで結婚する気は無いんだよ。」とハッキリ断るか、「僕は確かに貧乏で苦労をかけると思うけれど、金以外の事なら君の為に何でもするよ!」と責任を取っていれば今回の事件は起こらなかったかもしれないと思うと切ないです…。最も後者のような誠実な男だったら始めからこんな展開にはならなかったでしょうけどね…。

 マリオン・クレイン(ジャネット・リー)…上司「マリオンは金曜の夕方に体調が悪いと早退してそれっきり…待てよ、あの後、元気に車を運転している彼女を見たぞ!」
キャシディ「4万ドルもの大金をアッサリ諦められるか!ちょっとでも減ってたら、あの女の体で払って貰うからな!なんて女だ、札束を見せた時には目もくれなかったくせに、わしに気のあるフリをして謀ったな!」

気のあるフリなんかしてないから!(むしろドン引きしてたでしょ、彼女!)とヒロインの被害妄想の中でもセクハラ親父扱いされていたキャシディさん(実際は娘の結婚資金(土地家屋代)を持ち逃げされた男やもめの哀れなオヤジであり、セクハラ的な一面は有ったものの、この人こそ被害者。)に同情したものでした。しかし↑の未来予想図からも分かる通り、大金を持ち逃げした所ですぐにバレるのは明白で、車をポンと現金で買っちゃった(既に金を一部使ってしまった。)為に後戻りできない立場になってしまった(後戻りはできる。今すぐ帰って謝れば良い。自分を正当化して謝る気が無いだけだろ。)彼女の横領をめぐったクライム・サスペンス話…かと思いきや泊まったホテルで何の関係も無い人にいきなり「主役」が殺された様には初めて見た時、非常に驚いた映画でした。ついでに言えば、犯人の人形のような腕の動きといい、どう見てもナイフが刺さっていない(「ていうか、刺してないだろ!」byうちの弟)のに、何故か彼女が死んでしまった展開にも地味に驚いたものでした…。

 ノーマン・べイツ(アンソニー・パーキンス)…母「ダメよ!絶対に許しません!知らない女をこの家に連れ込むなんて!一緒に食事をするだけ?下心は分かっているわよ!その女に『下品な女は連れ込めません』と言ってらっしゃい!それとも私が代わりにその女に言わなきゃダメ!?」

窓くらい閉めて口論しなよ…と管理人の手際の悪さにツッコミを入れると同時に、その後も食事を理由にお客様を「母親との辛い生活」の聞き役にさせる彼モーテルって接客業じゃなかったっけ…?(何故、金を払ってまで泊まりに来たのに愚痴に付き合わされなきゃならないんだ?)と当たり前の事柄を振り返ってしまった顛末でした。(このモーテルが廃れたのは「新道にホテル街が出来た」だけが理由じゃないと思う…絶対に。)「母親」は頭の病気だし、どうせホテルにはほとんど客なんか来ないんだし、「母親」に女性客が殺されたのもこれが初めてではなかった(「他にも被害者が?」「行方不明の女性が二人。息子のノーマンが殺したと『母親』が自供しました。」by精神科医)そうですし、こんなホテルさっさと畳んでしまえば良かったのに(そうすれば女性客が殺される事も無かっただろう。ていうか3度目の正直で「息子」の人格の方も学習しろよ!)としみじみ思ってしまった、個人的には絶対に泊まりたくないと思ってしまったサービス最悪のモーテルでした…。

 ミルトン・アーボガスト探偵(マーティン・バルサム)…ノーマン「これはライトのスイッチです。先週来たお客さんにも『明かりが無いとお化け屋敷みたいだ』と言われちゃって。」
アーボガスト「なるほど。2週間、誰も来ないとさっき言ったけど客が有ったんだね。マリオンはここへ来て、君を利用して匿って貰っているという考え方はどうかね?」
ノーマン「僕は利用されるような人間じゃありません!それに僕は騙せても、母の事は騙せない!」
アーボガスト「つまり、お母さんも彼女に会ったんだね。会わせてくれると助かるんですがねぇ…令状が必要かな?」

嘘をつく人って話せば話すほどボロが出てくる(自分でついた嘘に1人(だけ)で納得して、客観的な立場で聞けば明らかにおかしい話なのに、「そんな事も言えちゃう自分」に酔っているせいで指摘されるまでまるで気づかない。)って本当なんだな、と「色々なネタを出して話にリアリティを持たせようとしている」反面、冷静なツッコミの元にボロボロと嘘が剝がれて却ってマズイ立場になっている様には思わず追い詰めている探偵さんに拍手したものでした。むしろ何も言わない方がまだマシな状況だったでしょうに、自分でペラペラ余計な事を話して墓穴を掘り、ツッコミを入れられると言葉に詰まってどもるという不審な態度から自分で逆に疑いを深めている様には、だからこの世には「黙秘権」が有るんだろうな(やましい事をしながらも話術で上手いこと誤魔化せる大物なんて実際にはそうそういないし、できない。)と変な所で納得もした内容でした。惜しむらくは真相にたどり着く前に探偵さんが車と一緒に沼に不法投棄されてしまった展開ですかね…。

ラストサマー

2010.06.22
 今でも無言電話女の匿名を友達扱いすることを諦めていない理髪師さん(けれど匿名の方は高校を選ぶ時も「同じ高校に行こうね!」と約束しながら理髪師さんに黙って別の高校に行ったり(「その高校の方が偏差値が高いから。」という後付けの言い訳に惑わされるなかれ。「友達」だったら普通は相談する。)理髪師さんを友達扱いしているように思えないけれど。)が勧めてくれた映画です。そうか、パロディ映画「最終絶叫計画」の元ネタはこれだったのか!とシリアスな内容に反して、手紙「去年の夏、何をしたか知ってるぞ」「あ~、去年の夏は彼とイイ感じだったのよね~。」「違えよ!ビッチ!ひき逃げの事だ!」、写真「俺は知ってるぜ(お前が短小だという事を。)」「ふざけるな!男の短小は病気と同じだ!病気の男を笑っていいのかよ!?」、ミスコン優勝「俺の女だ!俺の彼女だぜ!」「俺も彼女とヤッたぜ!」「俺もだ!最高だったぜ!」「ぶっ殺されたいのか、お前ら!?」…とパロディギャグの数々が頭をよぎって含み笑いばかりが漏れてしまった映画でした。いや、この元ネタの方の映画自体も完成度が高くて充分楽しめたんですけどね。

 ジュリー・ジェームズ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)…ジュリー「お別れね。あなたとは2度と会えない。離れたくないわ。辛いわ。」
レイ「君次第さ。今すぐボストンの大学に行くのを辞めて俺とNYに来ればいい。」
ジュリー「ええ。でもいつまでもコーヒーハウスでパソコン講義をダラダラとする訳にもいかないでしょ。」

「辛い」のはニューヨーク⇔ボストンと会うのが不便になるから、別れることを(勝手に確定事項として)決めている恋人と会えなくなる事ではなく、スキンヘッドにピアスのバカ女に昔の恋人を奪われる事(自分は自分で大学で新しい彼氏を見つける予定だけれど、昔の恋人も他の女には渡したくないと思っている。)という辺りが微妙に思えたヒロインでした。ひき逃げ事件に関しても、優等生キャラだし(その割に進学した大学では1年目から留年の危機に陥るほど頭は悪い様子だが。)主役だし、一人位は反対しないと映画的には面白くないし、と当初は隠蔽する事に頑なに反対していたものの「大学進学&奨学金を棒に振れるのか?」の一言でサクッと同意しているしこの女、いい人ぶっているだけじゃない?(本性は他の3人と全く同じじゃないか!)と思えてしまった主人公でした。ちなみに、さらに1年後のラストシーンは彼女の夢オチ(留年が危ぶまれていた落第生が、いきなり成績が上がって表彰されるレベルになるなんて奇跡はそうそう起こらない。)だったそうで続編でも元気に主役を張ってくれているらしいです…。

 ミッシー・イーガン(アン・へッシュ)…ジュリー「ここで1人で住んでるの?」
ミッシー「ええ、そうよ。父はずっと昔に亡くなったし、母は弟の死のショックで精神科に入院してるの。あれから人生が変わってしまったわ。」

そうして「自分達のひき逃げ」で人1人を殺した(しかも証拠が無いのを良い事に現在でものうのうと暮らし、罪を償っていない。)事に罪悪感を感じる位ならその場から逃げ出して車に戻っていないで、茶くらい付き合え!(今のアンタが一番すべきことは、この「遺族」のお姉ちゃんの心を癒すことだ。)と、どこまでも自分が楽になる事しか考えていない主人公にツッコミを入れてしまったものでした。大体、考えてもみれば新聞記事で事件当時から「被害者」の名前を知っていた(遺族の住所氏名は楽に調べられ、いつでも謝罪に行けた)のに1年近くも経ってから、自分の周りに危害が加えられて初めて偽名を名乗りながら会いに行ったって随分とご都合主義な行動だなと呆れたものです。それなら同じ事を「事件当時」に行った元彼の方が犯人探索の情報収集の為という「目的」と引き換えでなかった分だけ、まだ人間らしい心を持ち合わせていたな(それが昂じて「もしかして彼は私に気があるのかしら?」とお姉ちゃんにあらぬ誤解を抱かれたとしても。)とも感じてしまったミスリード話でした…。

 ヘレン・シバーズ(サラ・ミシェル・ゲラー)…ヘレン「もしかして彼、死にたかったんじゃない?1年前に同じ道で恋人を亡くしたのよ。あそこで死ぬチャンスを待っていたのかも。」
ジュリー「そう考えれば、ゆっくり眠れる訳?」

一緒に車に乗って結局ひき逃げ&死体遺棄に同意した同じ穴のムジナが何を責める側に立って正論を吐いてるの?(「人の事」なら何とでも言えるだろうけれど、そういうの「自分の事を棚に上げている」って言うんだよ。)と彼氏も親友も「自分とは関係の無い人間」にし始めた主人公(「酷いわ。前は1番の親友だったのに。」「昔の話よ。」byジュリー。都合が悪くなったというだけで、別に彼女達がジュリーに何をした訳でもないのに、よくそこまで手の平を返せるなと呆れました。)に嫌悪感を感じてしまったものでした。(むしろ貴様に責める資格など無い!)その後、ヘレンの方は自分で出した↑の結論に安心してか(まだこの時点では誰の死体も発見されておらず、まさか殺されるとは思っていなかったのか)帰宅しても玄関に鍵もかけずに易々と家に侵入されている様にもツッコミを入れてしまったものです。(鍵かけなよ!)クローゼットにずっと侵入されていたのに、よく髪を切られただけで済んだな、という答えは犯人の7月4日当日までは殺さない(脅すだけ)というポリシーに根差しただけで別に殺意が無い訳ではなかったという事だったのでしょうね…。

 ベンジャミン・ウィリス(ミューズ・ワトソン)…ベン「一つ忠告してやる!死体を捨てる時には本当に死んでるかどうか確かめるんだな!」
ジュリー「私達、誰も殺してなかったのね。」

ひき逃げされた彼は、どうやら頭から血がダラダラ出ていただけで思いのほか軽傷だったらしく1年後には全く何の後遺症も無く次々に連続殺人を行えるほど元気いっぱいな姿を見せてくれました。(はねられた時はお互い知らない者同士だったとはいえ捨てられる直前に握りしめたティアラから犯人はミスコン優勝者とその一味=ジュリー達だという事は調べがついたのだろう。)おかげで被害者は生きていた=自分は人殺しではなかった事だけに安心してホッとしているジュリー。(既に仲間が2人も殺されて、その死体を目の当たりにしているのに、全く関係無い自分の幼馴染と友達の姉まで巻き添えで死んでいるのに、思う事はそれだけ?)あれだけ良識派ぶって正論を振りかざしていたのに結局ひき逃げの件に関しては隠蔽しているし、要するにあの女はどうしても言い逃れできないなら減点10(素知らぬフリを続ける極悪人)より減点5(自首した人間)を選ぼうとしていただけで「死人に口無し」(隠蔽可能)となったら喜んで口をつぐむ、結局こういう人間だったんだな、と改めて主人公が嫌になってしまったものでした…。

ラストサマー2

2010.06.22
 今でも無言電話女の匿名を友達扱いすることを諦めていない理髪師さん(それこそ、わざわざ休日を利用して「ネットに広まっていること」を危惧して知らせている程に。その割に匿名がした事は彼女の忠告(親切)に感謝して改めるどころか逆ギレして、まるで話を聞かずにその翌日から無言電話を再開するという有り様で、どうにも理髪師さんを友達扱いしているように思えないけれど。←無料で髪を切ってあげたり、▲▲さんのような「匿名の汚(お)友達」というよりは「貢ぐちゃん」だな。)が勧めてくれた映画です。ホラー×バケーション×青春映画という面白要素をてんこ盛りに詰め込んだ続編です。犯人のフィッシャーマンも走って追えば追いつけるのに、わざわざゆっくり歩いて追いかけるというB級殺人鬼としての立派な振舞いを見せてくれたり、南の島でのバカンスのはずが雨天だったり、彼氏の他の男にも言いよられたと思ったら勘違いだったり、王道の展開がどれもこれもツッコミ所満載だったというオチと共に進む話に軽いホラーとして充分に楽しめた映画でした。一応3作目もあるそうですが、この話から10年後(全然「ラストサマー=去年の夏」でなくなっているじゃないか。)「前にこんな話が有ったんだってさ。」と鉤爪付きフィッシャーマン(ベン)の話がチラッとされるだけで、まるで関係の無い話になっている(劇場公開もされておらずビデオのみとなった。)そうなので私のラストサマー記はここまでとしておく事にします。

 ジュリー・ジェームズ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)…「死ね!死んで地獄に落ちろ!」

そんなアバズレ女の攻撃で、自分で用意した墓に自分で入る羽目になったオッサン(本当はスプレー書きした名前にある通り、ジュリーを入れる予定だった。)の、うっかり自分で息子を殺してしまったマヌケぶりと合わせて同情すると同時に、改めてヒロインの性格の悪さに「…」と思ってしまいました。彼氏のレイも婚約指輪を買うほど真剣に彼女の事を愛してはいても「日に焼けて、トロピカルドリンク飲んで、後は…分かるでしょ?」(訳・ホイホイ舞い上がってOKを出せば私とこんな事が出来るのよ。)と自分と過ごせることを餌に人を釣ろうとする彼女のドリーミングな姿勢には引いて、オフなのに「ゴメン、今は大漁なんだ。」(そうやって人の好意を良いことに足元を見ようとするのはどうかと思うわ。)と思わず断っているし可愛い子ぶってはいるけれど性格は悪い女だよな~と改めて実感してしまったヒロインでした。ちなみに今作のラストは夢オチでは済んでくれなかった(だから1作目でベンに忠告されてたじゃないですか。「死体を捨てる時には本当に死んでるかどうか、よく確認しろ!」と。最も5発も銃弾撃ち込まれて元気に生き延びているとは普通は思わないけれど。)そうで、このシリーズで彼女が主人公を張るのはこれが最後になったようです。

 カーラ・ウィルソン(ブランディ)…カーラ「人を殺して事故で済ませたって…失望したわ!何で私にも隠していたのよ、親友なのに!」
ジュリー「巻き込みたくなかったのよ。」
カーラ「もう遅いわ!」

今までは「通りすがりの殺人鬼につけ狙われて親友まで亡くした被害者」だと思っていたからこそ、授業中に居眠りして奇声と共に跳ね起きても、クローゼットで服を物色しているだけでナイフを手に襲われかかっても、「悪夢を見るの。勉強が手につかないの。彼氏とトラブってるの。」とウジウジ辛気臭い顔していじけていても、友達として励まし元気づけてきた。(「友達」を辞めなかった。普通の人間なら色々ドン引きして1年と持たずに離れて行ってしまうだろう。)けれど実は彼女は「車でうっかり轢いて半死状態にしたオッサンを海に沈めて見なかった事にした悪行が祟って追いかけ回された加害者」だったというオチにはもう同情できる余地なんて、どこにも残っていないじゃないか!(オッサンもやり過ぎとはいえ、そもそもは原因を作ったアンタの自業自得で、関わり合いになってしまったが為に巻き込まれた私はいい迷惑だ!)というカーラの怒りに納得してしまいました。奇跡的に助かったから良かったものの、それでもジュリーと友達を辞めない辺りはお人好しここに極まれりと思ってしまったものです…。

 エステス(ビル・コッブズ)…「ブラジルの首都はブラジリアだ。リオじゃない。」

きっとTokyo(東京)でもKyoto(京都)でもOkinawa(沖縄)と答えても「正解」にして貰えたんだろうな、あのクイズ…と、立派に間違えていたのにバハマ旅行ご招待となった時点で分かる人には罠だと分かるクイズの真相でしたが、主人公達アホの子4人組は自ら足を踏み入れるまでお分かりにはならなかった様子です…。おかげで「勝手知ったる元職場」に獲物がホイホイ引っかかって舞台が整った事から「邪魔者」はサッサと退散(成仏)しろ!と次々に惨殺されていったエステス以下、ホテルの従業員達。今作で最も可哀想なのは間違いなく何も悪いことをしていないのに(若干一名、大麻の生成、密売を行っているヤク中はいたけれど。)主人公達を怖がらせる為だけに死ぬ羽目になった無関係なホテルの皆さんだな、と頷いてしまった展開でした…。

 ウィル・ベンソン(マシュー・セトル)…ジュリー「あなたのこと信じてたのに!何でこんなことするのよ!」
ウィル「よく考えろ!俺はウィル・ベンソン!ベン・ウィリスの息子(ソン)さ!」

そうか、ベンソンはミドルネームだったのか…ってダジャレかい!その名前!とツッコミを入れると同時に、ブラジルの首都(クイズの罠)同様、何でこんなあからさまな「答え」に気づかないんだ!?(悪夢を成績が悪い言い訳に使っているアホの子には無理な話か。)と改めてヒロインの頭の悪さに納得してしまったものでした。自分に気のある相手だと思っていた(それを良いことに彼氏の代役(自分のナイト)として上手いこと使っていたつもりだった。)のに、実はそれは彼女を信用させる為に長い間続けてきた彼の「演技」で嘘八百だったというのには「騙したつもりがチョイと騙された~、俺がそ~んなにモテルわけ無~いよ。分かっちゃい~るけど辞められない♪」というスーダラ節の3番が知らず、頭の中でリフレインしたものです。クイズ→バハマ旅行当選同様、世の中にそんな上手い話がある訳が無いという常識にもっと早くに気づいていれば今回の悲劇は起きなかった…そんな気がします。

ミリオンダラー・ベイビー

2010.06.21
 「タイトル戦はミリオンダラー(100万ドル)だ。」というセリフを元にロッキーを連想させるサクセスストーリーが展開した(「プロを育てるのに4年はかかる」のに31歳から始めてタイトル戦に手が届いたのは凄い。と言うより無茶。)かと思いきや、尊厳死という極めて慎重に議論が重ねられている題材がモチーフとなっている深い作品です。家族からすらも愛情を受けた事の無い孤独な女性マギーと、家族にすら愛情を見せた事の無い不器用な老年男性フランキー(おかげで娘からは絶縁され、手紙は送るたびに開封もされずに送り返されてくる。)の間に芽生えながらも非情な結末を迎える「愛」の物語であるだけに最後は涙なくしては見れない、久しぶりに見た内容の濃い映画です…。

 フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)…「モ・クシュラは『お前は私の親愛なる者。お前は私の血』って意味だ。」

病院の人間は誰も彼女の望み通りに彼女を殺してはくれない、彼女の意志に反して意地でも延命治療を続けようとする、だからせめて自分の手で楽にしてやろう…と「誤解」している所悪いですが、そもそもアメリカでは老若男女問わず意味の無い(本人の意思に反した)延命治療は行いません。(逆に意識のハッキリした患者の意志に反して治療を続行すれば「暴行」とみなされる。)全身麻痺(体が動かせない)と意思表示ができない(植物状態)とは全く違うことですし(確かに体は動かせないが頭はハッキリしていてフランキーともディズニーランド帰りのママ達ともベラベラ「話」をしている。どこが意思表示できない状態だ。)病院スタッフでもないフランキーがわざわざ手を下さなくても必要な法的形式書類が保証されていれば病院は従わなければならない(つまり手続きさえ行えば病院が「処置」をしてくれる。)ので「お願いがあるの。パパが犬のアクセルにしたように私を殺して。」「分かった。じゃあこの書類にサインしてくれる?歯で噛んで書いてくれていいから。」とすれば何も問題は無かったん…ですけどね…ゲフッ!↑のようにゲール語に精通していることから分かるとおり彼はWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)ではなくアイリッシュ(アイルランド)系アメリカ人(被差別白人)でありアイリッシュの90%以上が厳格なカトリック(自殺も他殺もダメ!絶対!)の信者であることをアメリカの観客全員が知っていることもあり、あのラストには宗教上の思想もあって反発もされた…そうです。

 マギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)…マギー「ママの家よ。マーデルと孫達と住んで。」
母親「あたしに何の相談もせずに!生活保護が打ち切られるだろ!家なんか買わないでお金をくれりゃいいんだよ!」

こんな奴等の為に真面目に働いた人達から絞り取った税金からなる生活保護が出されているなんて…(しかも偽申告。ちゃんと仕事しろよ、役人!)と実直で義理固いマギーとは真逆の図々し過ぎる性格に愕然としてしまったご一家でした。(「仕方ないから住んで『あげる』けど金は出してくれるんでしょうね。」って…下衆のそしり食いか!文句あるなら食べるなっての!)母親の言う「言いたかないけれどアンタは皆の笑い者さ。」(言いたくないなら言わなきゃいい。当の娘からの送金で養って貰っている身分で言う資格も無いだろう。)というのも、自分より真っ当に生きて頑張っている人間に対する負い目から、バカにして見下さないと自分のプライドを保てないというしょうもない自尊心から来るウソ(普通に世間一般の基準で見れば嘲笑と軽蔑の視線を向けられるのは間違いなくニートかヒモのように他人の金を食い物にして暮らしている母親達の方だろうし。)だという事も知れ、同じ穴のムジナである妹の方には優しくしても、立派な姉の方には金だけかすめ取って後は知らない振りをしようとする腐りきった根性に人間として嫌悪感を抱いてしまったものでした。(金を稼ぐ能力が無いのは別に良い。専業主婦や主夫が悪いとも言わない。だけど養って貰っている立場である以上、度を超えて態度が悪いのはいかがなものかと思う。)最後はマギーも目を覚ましてこの寄生虫のような家族を追い返してはいましたが最後まで家族に愛されはしなかった現実には涙するしかありませんでした…。(それで以来、死にたい気持ちになったのか。毅然とした態度を取れても「心が傷つかなかった」訳じゃないですもんね…。)

 スクラップ(モーガン・フリーマン)…「15ラウンドやり、結果は判定負け。翌朝片目が失明してた。以来23年…奴は何も言わないが俺を見る目が全てを語ってる。『あの時あの試合を辞めさせて俺を救うべきだった。あの109回目の試合を白紙にしたい』と。」

スクラップ本人は「タイトル戦のチャンスを貰って悔いのない戦いをした。」と負けた事も、ボクサー人生がそれで終わった事になっても満足そうですが、フランキーの方は「それからの半生はどうだった?痰壺掃除だろ?」(マネージャーが先走り過ぎてタイトル戦に無理に出さずに時期を見ていれば、お前はまだまだボクサーとして活躍できていたのに。)と虎の子のボクサーをタイトル戦に出す事にブレーキをかけるトラウマにまでなってしまった様子です。(「もう待ちきれない!俺はアンタと別れて別のマネージャーとタイトル戦に出るからな!」と手持ちの有望ボクサー・ウィリーに裏切られてしまうほどに。)つまりマギーの「事故」はフランキーの心の傷を再び見事に抉ってしまった内容だったのかと余計に切なくなってしまった過去物語でした。(でもあの事故はフランキーのせいでもマギーのせいでもなくあのチャンピオンの性格が悪過ぎたのだと思う…ゲフッ!)多分誰よりもフランキーの不器用な愛情を知っていた、他の誰よりも昔から付き合いのある悪友だった(他の人間に比べると遠慮無く気持ちをぶつけたりしているが勝手にマギーを新しいマネージャーに紹介しようとしたり「親友」(フランキーの絶対的な味方)と言うには微妙に距離を置いてはいるが。↑の過去について互いに意見が別れている事も有り思う所は色々あったのだろう。)からこそ、この話のナレーターをも務めていた(「どこに消えたにせよ、ケイティ、君のお父さんはそういう男だった。」byスクラップ)のだろうと納得した終わり方でした…。

 「青い熊」ビリー(ルシア・ライカ)…ナレーター「彼女は東ベルリンの娼婦あがり。汚いファイトで有名。相手を殺しかねない反則…だが観客は喜んだ。」

マギーに後ろからパンチを喰らわせ、椅子の上に殴り倒した事で首の骨を折った張本人(椅子の上に倒れたこと、そこまでの重傷を負わせてしまうことは彼女本人も予想外だったようですが、事態は既に「そんなつもりじゃなかったの。テヘペロ。」で済む範疇を超えている。)であり、本来だったら試合中に起きた事故(不可抗力)として何となく許されるどころの話ではなくプロの権利を剥奪されて法廷送りになるのは明白のウェルター級チャンピオンです。(もはや「観客は逆に彼女のビッチぶりを喜んでいた。」とかそういう問題ではない)試合中(事故前)にも「これ以上こんな真似をしたら減点どころか失格だぞ!」とレフェリーに怒られているし、これ以前にも全く同じパターンで相手に重傷を負わせている事が何度もありましたし(「今夜の相手は?」「後ろから殴られた事で脳震蕩を起こし鼓膜が破れた。」byフランキー)もう言い訳の仕様もなくボクサーとしての彼女の人生は終わった…のでしょうね。(今までは運良く時間が経てば日常生活が送れる程度に回復する傷で済んだ、そして「この人はそういうキャラクターだから」と誰も自分を非難しないので味をしめて同じ事を繰り返していたのだが、とうとう運にも見放されて最悪の事故が起きるべくして起こってしまい、今までの行状を顧みればあまりに酷い内容に客観的な第三者の立場を持ってしても誰もフォローの仕様が無い。)その後がスルーされていますが是非、自分が今までやってきた事にふさわしい刑罰を受けてほしいと切に思ってしまった登場人物でした。

進撃の巨人①~⑫

2010.06.21
 匿名に何度騙されてもお人好しが昂じて何度でも彼女を友達(「普通の人間」。実際には何を友達に言われても逆ギレして無言電話という犯罪行為を繰り返すストーカー女で、どう頑張っても「気持ちの悪い変質者」のカテゴリにしか入れないと思うが。)として認めようとする理髪師の友人が勧めてくれた本です。こういう本に感じる所があるのに何で彼女は皆に騙されて利用されてばかりいるんだか…と考えた所で、「欠点さえ目をつぶれば割といい奴」(普通は「自分を食い物にする」その欠点一つで台無しだが。)だとか悪人どもの言い分の「謝っても許される事じゃないけど、それでも誰か自分の辛い気持ちを分かってほしい!」(なら、まず犯罪行為を辞める事から始めろよと言いたいが。)に思う所があるとかの余計な事ばかり考えるから、どんな目にあわされても人を見限れずに、結果として利用されては用済みにされているのかな(「私は友達が少ないから。(そんな人間だと分かっていても友達を失くすよりはマシだから。)」と尽くしまくっているが、相手は所詮そういう人間なので尽くした所で彼女に責任を取ったり「対等に返したり」は決してしない。それを薄々分かっていながら手を切れないのなら私にはもう、どうしようもない。)と別方向で納得もしてしまったものでした。そんな個人的事情は置いておいて久々に本当に面白かったと思えた本です。

 エレン・イェーガー…「ミカサ…お前、髪が伸びてないか?いや、何か凄く長い夢を見ていた気がするんだけど…何だったっけ、思い出せねえな。」

これでもし1巻の↑のセリフを伏線に「全ては長い夢でした」(エンドレス夢オチパターン)だったら凄く嫌だなと思ってしまった物語の始まりでした。技能も体力も人並み(に、ちょっと毛が生えた位)だけど根性だけは一番という少年誌王道の性格をしている主人公ですが、実は作者的には「王道を狙った」だけで好みの性格ではなかったらしく、そのせいもあって実写映画版ではミカサ(ヒロイン)すら見捨てて逃げた「しょうもない童貞野郎」に性格が激変しているそうです。(最もこの改変、男衆には「自分もそういう部分があるから凄く共感できる。むしろこれこそ正しい童貞の姿!」と一部で物凄く共感されているらしいですが…。)なので、漫画版のひねくれ者ながらも人一倍頑張っている彼が好きな私としては映画版を見る日は来ないだろうなあ…と心ひそかに確信もしてしまったものでした。ちなみに男なのになぜエレン(女名)なのかというとトルコではこの名前は普通に男につける名前だそうで何もおかしい所は無いそうです。(東洋人のミカサといい、金髪碧眼(思いっきりヨーロッパ系)のアルミンといい、巨人に追われ続けたせいで一部の狭い地域に人種のるつぼが出来たんだろうな、と納得しました…。)

 ミカサ・アッカーマン…ミカサ「私は…働ける。凄く、稼げる。エレンよりも…凄く稼げる。ので私はエレンを養う事が出来る。例えば一人でも。」
ジャン「残念なのはお前の言語力だ。あれでプロポーズしたつもりでいやがる…。」

というネットのネタに吹いたものでした。幼い頃に家族を失い、誘拐団一味から自分を救ってくれたエレンを家族(夫候補?)だと強く慕って守ろうとしている様には、ちょっと電波な部分が混じっている(「どうだ、ミカサ!俺はやれる!巨人とも戦える!もうお前に世話焼かれる事もねえな!」「目でミカサに『どうだ!』って言ってるよ!」「いや違う。『どうだ!これでお前と離れずに済むんだ!』と安心している…。」「違うから!」by立体起動訓練時)のを差し引いても、彼が死んでも「彼を思い出す為」だけに戦って生きていこうとしたり(どんだけ健気なんだ…。)その姿勢が滅茶苦茶可愛いと思えたバトルヒロインでした。エレン(巨人時)に殴られたせいでついた頬の傷といい、彼もサッサと責任取って結婚してしまえば良いのに(とはいえエレンの方は優秀過ぎる彼女に逆にコンプレックスを感じているばかりの様子なので、そのいじけ虫な所が治るまで前進は難しそうだが…。)と思ってしまった少女です。

 ぺトラ・ラル…父「娘が手紙を寄越してきましてね…リヴァイ兵士長に全てを捧げるつもりだとか…まあ、親の気苦労も知らないで惚気ていやがる訳ですわ。でも、その、まあ、父親としてはですな…嫁に出すにはまだ早いかなって思う訳です。あいつもまだ若いし、これから色んな事が…」

↑の手紙の内容から察するにどうやら彼女はリヴァイに恋していたらしいですが、取りあえず親は反対する縁談(そりゃまあ「人類最強の戦士」の妻と言えば聞こえは良いが、そんな立場の人間が戦場から足を洗って一般人として地味に戦わない人生を選びますなんて巨人がいる限り世間が許さないだろうし親としては「普通の結婚」をして幸せに長生きしてほしいのが本音だろう。)だった様子で、仲間(オルオ)とのフラグも立っていたし(「もし仮に、そのしゃべり方がリヴァイ兵長の真似してるつもりなら本当に辞めてくれない?いや、全く共通点とかは感じられないけど…。」「フッ。俺を束縛するつもりか?『俺の女房を気取る』にはまだ必要な手順をこなしていないぜ?」「…舌を噛み切って死ねば良かったのに。」byぺトラ&オルオ。どっちかというとオルオが1人で勘違いを膨らませているだけでぺトラの方はむしろオルオを嫌がっている様子ではありましたが…。)もし仮に彼女が生きていたとしてもリヴァイと上手く行ったかどうかは微妙な所ではあったでしょうが…だからと言ってその可能性まで根こそぎ奪った事が正当化される訳でもなく、殺し方の残酷さと合わせてアニ達に物凄く嫌悪感を感じてしまったものでした。バレなきゃ何したってかまわないと考えている(ブログのトップに書いた匿名&▲▲さんと同じ思考回路じゃないか!)からってここまでの事が出来る人間ってそうそういないだろうとアニ達裏切り者一味に嫌悪感を感じてしまった最初の展開でもあったものです…。(既に娘は死んでいるのに、知らずに娘の将来を思っているお父さんの姿が、痛過ぎて…。)

 サシャ・ブラウス…父「我々一族も狩りを辞め森を明け渡すべきなんかもしれん。森を切り開き穀物を植える方が多くの人の腹を満たすことができるんてな…。」
サシャ「嫌やって!私達はご先祖様に教えて貰った私達の生き方があるんやから誰にもそれを邪魔できる理由は無い!」
父「その『同族のみの価値観』と心中する覚悟はあるんか?これからどんな危機に見舞われても助けを乞うてはならんぞ?義務を果たさん者がその恩恵を受ける事が出来んのは当然やからな…。」

何と言うか、昭和の時代まで日本に生き残っていたサンカと呼ばれる人達を思い出しました。定められた住居を持たず、あちこちの山に居を移しながら生きてきた彼ら(と言えば聞こえは良いが、今で言えば要するに山を根城としたホームレス一族である。)は戸籍も持たず(つまり第1次・第2次戦争中も招集されるという「対価」は表向き払わなかった。)自分達で作った竹細工を町の人達に売る事で生計を立ててきた…のですが竹細工(主な収入源)なんて電化製品も普及してきた時代にいつまでも売れ続けてくれる訳も無く平成の現在、彼らは見事に滅んでいる(サシャの父親が言うように「一生山の中で自分や同族のみの価値観と心中した者」か「伝統を捨ててでも山を捨てて町の人達を未来を生きた者」かのニ者択一を選ぶしかなく「サンカとして生き残る」ことはできなかった。)事を考えると、なかなか象徴的な話だな、と思えたものでした。父親としては娘に森を出て同族以外の他者とも向き合ってほしかったからこそ訓練兵に入れたであろう展開を考えると立派な兵士になった(食欲旺盛なバカ娘という彼女の基本性格は変わらずとも、彼女なりに周りには馴染んだ。)結果は嬉しかっただろうな、と実感もした展開でした。

 アニ・レオンハート…アルミン「女型の巨人は『エレンの顔』を知っているばかりか、『同期』でしか知りえないエレンのあだ名『死に急ぎ野郎』に反応を見せた。大体何で検査時に巨人に殺されたマルコの立体起動装置を持っていたの?」
ミカサ「アニと聞いた今なら思い当たります。エレンも女型の巨人と格闘戦を交えたのなら、アニ独特の技術を目にしたりはしなかったの?」
エレン「証拠が無いのに、どうするんだよ。アニじゃなかったら…。」
ミカサ「アニじゃなかったらアニの疑いが晴れるだけ。」

うん、あるよね。物的証拠は一つも無くても状況証拠で犯人バレバレ(むしろアンタ以外の誰がこんな真似出来るんだ?)という現実って…とブログのトップに書いた匿名の行動(警察から連絡が来たとたんに毎日続いていた無言電話がピタッと止んで、それが警察から匿名家に伝えられたその日から無言電話が再開した。「証拠が無い」(だって親父の携帯電話の記録を身代りに提出したんだもん。)事を盾に無関係ぶっているが犯人以外の誰にそんな真似が「可能」なのだろうか?)と合わせて頷いてしまったものでした。彼女は自分の行動(巨人になって仲間を殺し続けた)に関しては「実際クズだと思うし悪い奴に違いないよ。でもそれも『普通の人間』なんじゃないの。私はただそうやって流されるような弱い奴でも人間だと思われたいだけ。」と言っていますが、クズだって人殺しだって人間なんだ…じゃなくて人間のクズが何を開き直って権利だけは主張しているの!?(「どんな大義があって人を殺せた?」byエレン…ではなくどんな大義があってもそんな事は出来ないのが「普通」でアンタは立派な異常者だよ。)とツッコミが入るばかりで全然共感できませんでした。(いくら何でもやっている事が度を超え過ぎている。)結晶の中に閉じこもって眠り姫化している現在も、いっそ情報を引き出すことなんか気にせずにミサイルで木っ端微塵に砕いてしまえば良いのに(実際、金正日はよくこの方法で「裏切り者」の遺体を残す事も許さず「制裁」を与えている。)としか思えなかったり…ゲフッ!

 ベルトルト・フーパー&ライナー・ブラウン…ゲスミン「いいの?2人共?アニなら今、僕のベッドで寝てるよ…。凄い悲鳴だった。あの悲鳴を聞けば彼女が処女だったっていう事は分かる…。」
ベルトルト「悪魔の末裔が!根絶やしにしてやる!」

…というネットのネタに笑ってしまったものでした。(オイ!)お二人曰く「皆の事を友達だと思っていた」のも「一緒にいて楽しかった」のも嘘じゃない、今もなお巨人の力で人を殺して仲間すら蹴散らして裏切り続けているけれど(そこが一番問題。)誰が好き好んでこんな役割を担いたいと思うんだよ!と被害者達の当然の恨み事(「あんな事した加害者が、被害者達の前でよく…ぐっすり眠れたもんだな。」「こいつらは人類の害。それで充分。」byジャン&ミカサ)に逆ギレしている様ですが、やった事を見れば彼らは「任務だから仕方ない」を建て前に、ユミルのように巨人に対抗する力(巨人化)を持ちながら保身に走って本来助けられる仲間を見殺しにした訳で、その後もエレンを攫って「味方」側に被害を出しながら逃げた(反省するどころか同じ過ちを繰り返した)辺りには、てめえらに人並みに怒る資格なんか無いだろ!(アンタ達の言う「仲間」って、それこそアルミンが言う所の「自分にとって都合の良い人」に過ぎないんじゃないのか?)と思わずツッコミを入れてしまったものでした。コイツらが辛いと思っているのは「皆に責められる」事だけで、その原因である「自分達がした行い」を決して心から後悔していない、しかも「自分が辛い思いをしている」(アンタらに殺された人達の方が、もっとずっと辛かったでしょうよ。)のを被害者面する言い訳に使っている所にはエレンが言うように「本当に気持ち悪いよ。」(残念ながら全く同情は出来ない。)としか思えませんでした。最も2人を見ていてブログのトップに書いた匿名&▲▲さんに似てる(影で同じ悪事を繰り返しながら被害者面する事しか考えていない所とか特に。)と思えた私としては非常にリアリティを感じた描写ではありましたが…。(それとコイツらを許せるかどうかとは、また別の問題だな。)

 ユミル…ライナー「せっかく人間に戻れたんだ。上手く立ち回って自分だけは生きたいと思っただろう。クリスタと出会うまでは…。奴には自分より大事な人間ができちまった。巨人の群れに飛び込めるぐらいのな。」

要するにライナーは同じようにクリスタを「可愛い」と思いながらも所詮、自分の保身の方が大事で上手く立ち回ることしか考えていなかった(仲間に魅力を感じた部分は「本当」でその気持ちは騙していた訳じゃない、ジレンマで二重人格になるほどだったが結局、彼が選んだのは「仲間を裏切る」ことだった。)そしてそれは後の2人も同様で、それを考えると同じように都合の悪い事は知らないフリをして黙っていたにしても、仲間(クリスタ)の為なら保身をかなぐり捨てて巨人化して戦ったり、ベルトルトの言葉(「僕らに謝る資格なんかあるわけない。けど、誰か、頼む。お願いだ。自分の辛い気持ちを見つけてくれ!」)に同情(するだけの価値は残っていないと思うが。)して、自分を犠牲にする方向に出たり、同じ「裏切り者」にしてもユミルの方がまだ人情を持ち合わせている(少なくとも彼女は自分の都合の為ではなく人の為に動いている。)…そんな気がしました。おかげでライナー&ベルトルト=匿名&▲▲さんと見ている自分としては「あの2人は他人を犠牲にしても、それでもまだ同じ事を続けられるんだ。」(本当に懲りるっていう事を知らないんだな。)と、ますます嫌悪感を感じてしまった最期でもありました…。

 余談…「俺達に任せろ!」と仲間達皆がエレンのように手を齧って巨人化ししたり(巨人兵団降臨。何と頼もしい展開だろうか。)、ミカサ(みかりん。趣味・エレン)が筋肉系ステージエンターテイナーになって熱狂のアイドル編が始まったり(でも舞い踊るのは血飛沫。)、ライナーがサシャとミカサから平手打ちや肘打ちなどの特に理由の無い暴力を食らったり(とても納得のいく暴力がライナーを襲う!)、嘘予告の数々に笑わせて貰ったものでした。

進撃の巨人⑬~⑱

2010.06.21
 長く続いているだけあって途中、中だるみのグダグダ根暗展開(ヒストリア編。物語のメインテーマだった巨人との戦いは何処に…。)も見られたものの、18巻現在になって原点回帰というか面白さが戻ってきた感があるシリーズの続きです。相も変わらず性別が微妙に感じる名前のキャラクター(ハンジ・ゾエ。普通は銀次とか平次とかワンピースのサンジとか「○○ジ」とつくと日本人としては男名と取りたくなるのだが、一応「ヨハンナ」という女名の愛称であり、女性である。)が出てくる辺りは、もう完全に作者の趣味だなと思ってしまったネーミングセンスでした…。

 ハンジ・ゾエ…サネス「ラルフ!よくも俺を裏切ってくれたな!信じていたのに!」
ハンジ「彼は何も話していない。ラルフは君が遠くにいると知らされていた。そしてナイフで脅され、私の作った作文を声を出して読んだ。それだけだ。」
サネス「じゃあ…自棄になって全部喋った俺が、王を裏切ったのかよ…悪魔め!」
ハンジ「嬲り殺しにされたニックにもアンタらがそう見えていただろうね。だから、あの時言っただろ?あんた達が可哀想だって。本っ当に惨めだよ。オッサンが泣いて喚いてみっともない…ざまあみろ!バーカ!」

上から威圧して「いい気になって説得している」つもりが、自分に酔って余計な事までベラベラしゃべり過ぎてしまった為にどんどん墓穴を掘って正体がバレている様(「これは人が人を殺したんだ。俺達は何十年もこういった『現場』で仕事をこなしてきたんだ。」「という事は中央第一憲兵団…?何故、王都の憲兵がこんな最南端の地区に?」「ち、治安が悪化して兵士が足りてないんだよ!ウォール教の関係者だった被害者の地位を考えれば強盗殺人が起こるのもおかしくないだろ!」「え!?彼は椅子職人だと書類に書いたし、本人も部屋でひきこもっていたし、地元民がそんな事を知ることはできないはずなのに!」「き、貴様…!」by本編)には下手な作り話を語ったせいで「自分で流した情報」から立場を悪くしている▲▲さんのようだと妙なリアリティも感じたものでした。次いで、「貴女の中(だけ)にはそれなりの正義や大義があったのかもしれない。匿名の手下に成り下がっただけだから罪を負う事は無いし仕方ない。そういう風に考えているのかもしれませんが、そんな事は私にとってどうでもいい事だ。どういう判断を下されるのかは世間に判断して貰えよ。」(ざまあみろ、バーカ!)と今日もチマチマとブログを広めている私です…。

 ベルク新聞社…ピュレ「ロイさん…いつから我が新聞社は王政の広報機関になったのですか?」
ロイ「私も昔は世を正す理想に燃えていた。だがな、人と出会い、女房と娘を持つ頃には、自分なんかどうでもよくなっていたよ。」
ハンジ「つまり『私の部下が民間人に襲いかかった末に殺された』のは、やはり創作だったのですね。私の部下は死してなお侮辱されたようだ。私はアンタ達の手の形を2度とペンが握れない形に変えてやろうと思ってたけれど…ブン屋もそれなりに大変そうなので、今日は止めときます。」

この人が、悪事を働いた人間に加担して真実を隠蔽しようとした、それは確か(ちょうど理髪師さんが「まだ、泥仕合を続けていたんだ。何でかなって思って。許してあげる事ができないの?」と匿名を庇って私を睨んできた時のように。←無言電話を辞めたならまだしも、同じ嫌がらせを辞める気配も無く続けている状況で許せるはずがないでしょう?)だけれども、それはそれとしてこの人にはまだ同情の余地がある(理髪師さん→その気になれば「予約が入っちゃったから謎の日本人さんの接客は出来ないの~、永久に。」と私と会わないように細工する事も可能なのに、一度騙そうとして果たせなかった気まずい相手でも大人の対応で拒否らず接客する姿は「敵」ながら天晴だとすら感じているし、匿名に全性生活を吹聴された話は真面目に同情に値する。▲▲さん→匿名と結託して「人を騙す事に悦びを感じるタイプ」のクズで過去も現在も同情できる要素ゼロ。)真実を捻じ曲げようとした理由も▲▲さんのように「一緒になって愉しむ為」ではなく、誰かを庇う為という犠牲心だった(その辺も▲▲さんと理髪師さんの違いだな。理髪師さんの方は無言電話や中傷コメントに対しては匿名が悪いという常識はあった(それがいけない事だという倫理観は有った)けれど、▲▲さんの方は匿名と一緒になって人を騙すことに夢中(よく、そんな事に夢中になれるね)で、自分が言っている事がおかしいという常識すら忘れている様子だったしね。)その理屈に私も思い当たることはあったので思わず頷いてしまった一言でした。結局、最後に物を言うのは、その人の人間性という話です。

 ロッド・レイス…ヒストリア「父さんの為にエレンを食って、この世から巨人を駆逐する!それが私の使命よ!」
ケニー「オイオイ、この親父がお前にした仕打ちを忘れたのか?今まで『無かったこと』にしていたくせに、本妻との血統書付きのガキ共が一晩でお釈迦になったとたん、ようやくこの体の良いジジイはノコノコお前の前に姿を現した。そりゃ何故だ?突然に父性に目覚め唐突に娘が愛しくなったからか?いいや残念!こいつはお前の血に用があっただけだ。オマケに自分が巨人になりたくねえから弟や娘に使命をなすりつけるようなクズだ!」

弟も娘も、そして今のヒストリアも「自ら望んで巨人になる道を選んだ」のは確かですが、それを良い事に本来なら自分が果たすべき辛い役目をホイホイと押しつけた(兄として父として、身代りになろうとする無謀な家族を押し止めて己が役割を果たす事は出来たのに、それはしなかった。)のも、また確かで、この人もこの人なりに苦悩しているという主張に嘘は無いんだろうけれど、それは匿名が「本当に辛いのはニートの僕ではなく、そんな娘を持つ両親の方です…!」と言いながらも就職活動をするどころか無言電話を続けて、さらに親の顔に泥を塗っているのと同じく綺麗事を本気で言いながらも、やっている事は周りの人間に犠牲を強いることだけ100万言の口先だけの言葉より、やってきた行動にこの人間の本性が出ている。)という有り様に、この人間の本性が透けて見えたものでした。振り払われた時にする行動も「土下座して頼む」ではなく「逆ギレ」(肩を掴んで思い通りに動いてくれなかった事を責める。責められるべくは浮気した挙句に愛人をぶち殺した身から出た錆満載のこの男の方の気がするが。)という様に匿名と重ねて凄くシンパシー(と嫌悪感)を感じた登場人物でした…。

 ヒストリア・レイス…「私は人類の敵だけど、エレンの味方。いい子にもなれないし、神様にもなりたくない。でも、自分なんかいらないなんて言って泣いてる人がいたら、そんな事ないよって伝えに行きたい。それが誰だって、どこにいたって、私が必ず助けに行く!」

実際、父親ロッドに良いように利用されて動いている彼女にはかなりイライラさせられた(客観的に話を聞いたエレンの感想同様、「この男がクソ野郎で間違いない」のは少し考えれば分かるでしょうに、彼の自分への興味を離さない為だけに、まずい事には全部目を瞑って良いように信じ上げて今まで一緒に頑張ってきた仲間さえ見捨てる方向で彼の「都合の良い女」になり始めた様に、かなりムカついた。)ので、ギリギリとはいえ彼に「媚を売る為」ではなく「自分の為」に生き始めた(その為に一番大切な「彼」まで、ぶん投げた。)様には思わず快哉を叫んだ展開でした。どんなに都合の良い人間になろうが、相手が「道具」として利用している(「人間」として対等に返していない)以上、使い終わったら捨てられる運命にある未来が予測できるだけに、反旗を翻した(で、巨人化した彼の破片を切ったとたん記憶が流れ込んできた様から考えるに彼女こそが「当たり」を引いてしまった事も分かる。親殺しになったのは切ないが、そこまで自分を貫いたのは立派だと思った。)様には思わず拍手もした女王即位の経緯でした…。うん、、気の弱い普通の女の子の割に頑張ったよ、君は。

 ケニー・アッカーマン…「妹の忘れ形見を見殺しにできるほど人を捨ててねえが親に代われるほどできた人間じゃねえ。俺が教えられる事は多くないが、まずはナイフの握り方、それとご近所付き合い、挨拶の仕方。身の振り方とナイフの振り方。…力さえありゃいいんだよ。少なくとも妹みてえな最期を迎える事はねえだろうからな。」

そして立派な下地ができたと思ったらその手を離した。放したその手を2度と繋ごうとはしなかった(リヴァイの方はその時まだ立派な子供で、まだ大人に手をつないでいて欲しい年齢だったのだが。)…で、先日の再会と相なった訳か、と2人の確執に納得したものでした。というか↑のロクでもない教育方針から見てもアンタが「親失格」なのは始めから分かっているんだから、せめて側にはいてやれよ!(子供にとっては、親がどんなにダメ人間でも「側にいて接してくれる=愛情」で、それで充分だと思っているんだから、「俺は『親』になれるほど立派な人間じゃねえよ。だってダメ人間なんだもん。」と1人でいじけて見捨てる事は無かったと思うぞ。)と思わずツッコミを入れてしまった話です。実際リヴァイの方も殺し合いをしながらも彼こそが自分の父親なのではないかと疑っていた(本人の言から間違いは分かったが、それでも「何で俺から去って行ったんだよ?」(親等なんてどうでも良い話なのに。)と言っている辺り、気持ち的には「彼の子供」であったのだろう。)そうですし、色々切なく感じたアッカーマン本家(ミカサは分家)の物語でした…。

 キース・シャーディス教官…キース「特別な人間はいる。ただ、それが自分ではなかったというだけのこと。たったそれだけの事に気付くのに大勢の仲間を殺してしまった。何故こんな事をしてしまったのか。大きな流れにただ翻弄されるだけの私が何故あんな勘違いをしてしまったのか。」
カルラ「特別じゃなきゃいけないんですか?絶対に人から認められなければダメですか?私はそうは思ってませんよ。少なくともこの子は偉大にならなくても、人より優れていなくてもいい。この世界に生まれてきてくれたから、だからこの子はもう偉いんです。」

自分が特別だと、そう思い込むきっかけを作ってしまったのはグリシャの一言(「調査兵団のあなた達はこの壁の中の誰よりも賢く、勇気がある特別な人間だ。」byグリシャ)でしたが、自惚れて増長して周りの意見にも耳を貸さずに突き進んでしまったのは自分自身であり、念願の団長になりながらも何も成し遂げられなかった。(もうちょっと頭が良ければ全員突撃の一本攻めを繰り返すだけでなく、部下エルヴィンの意見(長距離索敵陣形)を取り入れて「部下の手柄を自分のものにする」形で評価を得ることができたと思うが、変なプライドだけは有ったのかそれもできなかったらしい。)そして一番認めてほしかった女性(カルラ)も自分が縁を結ぶような形で他の男(グリシャ)に取られてしまった。それはグリシャのせいではない。誰が悪い訳でもなく、自分の勘違いと間違った行動に原因があったのだと分かっているだけに余計に切なく感じた男の物語でした。挙句に当の想い人(カルラ)は「特別な人間」だからと選良意識で人を判断するような女性ではなかっただけに、彼女に認められたいが為に頑張ってきたのに思えば虚しい男だったなと感じてしまった登場人物です…。

 ライナー・ブラウン…リヴァイ「クソッ!これも巨人の力か!?あと一歩…命を絶てなかった!」

壁の中にいたのを気づかれたとたんに出てきて何の罪も無い兵士一人を斬り殺した(こいつら、ユミルに助けて貰っておきながら、自分の都合の為に他人を犠牲にするスタンスはちっとも変わっていやしねえ!)様と合わせて、改めてライナー&ベルトルト2人組への嫌悪感が増したものでした。あと一歩、本当に達していれば良かったのに…と殺しそこなった様には本当に残念に感じたものです。(多分、これだけの悪事を働いておきながら、アニも含めたこの3人組がなかなか死なないほど嫌われていないのはパロディ漫画「進撃!巨人中学校」(出番の多さによる慣れ)の影響が多分にあるんだと思う。)彼らが責められるのも、とても納得がいく暴力を振るわれるのも全部、自業自得が招いた結果匿名と▲▲さんもそうだが、こいつらに被害者面をする権利はもう無い。)なのでやってきた事にふさわしい報いを受けることを期待して終わる事にします…。

鬼切丸①~⑥

2010.06.20
 千葉西高校に通っていた頃、「匿名の友達」だった事(だけ)を見越して私に近付いてきた3年生の時のクラスメイトの▲▲さんが貸してくれた本です。奇しくもその当時、同じクラス内に初めてのボーイフレンドができた(文字通りの「男友達」で終わってしまったけれど。今考えると▲▲さんの立場に遠慮しないで彼の方を選んでおけば良かったと後悔。)頃でもあり、決して口には出さなかったけれど彼女を理由に捨てた事でもあり、彼と一切口をきかなくなった後に▲▲さんに「A君に『最近、謎の日本人さんがよそよそしくなったけど何か聞いてない?』って聞かれたんだけど何かあったの?前、仲良さそうだったし、何を話してるのかな~って気にはなっていたんだ。」と聞かれたこともあるので、あの時は友達として黙っていた(そして友達としてそのまま墓まで持って行くつもりだった。)けれど、「頭がおかしい」だの「精神病院行け」だのの匿名の誹謗中傷に等しいコメントを全面肯定して(こんなの匿名と一緒になって私の悪口を言っているのと同じじゃない!知っていて一緒になって協力しているのなら、お前だって同じ穴のムジナだ!)さらに匿名とつるんでいるのを知られていない(と思いこんでいる。)のをアドバンテージに「知らないフリ」をしてブログを消すように正義感面して騙そうとした(1人、美しぶって語っている所悪いけれど、人を騙すつもりなら「図星を刺されて言葉に詰まる」なんて無様な失態を犯さずに、もっと演技力を磨くのね。そんな大根役者じゃ誰も誤魔化せないわよ。)私の方は友達だと思っていた(過去形)けれどこんな真似をする「友達」なんか、いない方がはるかにマシだ(むしろこんな心根の腐った女と「友達」ではいたくない。そしてこんな人間の為に義理立てする必要も無い。)と思えたので、本人も知りたがっていたことですし「彼と何を話していたのか」をここに記しておこうと思います。

私「屋上に呼び出してわざわざ話しなくてもクラスで話せば良いのに、何の話?」
A君「いや、クラスだと必然的に君の友達の▲▲さんとも一緒になるじゃん。俺、下級生の子とも『噂』を立てられてるし…その噂はウソなんだけど、やっぱり『これ以上の話』は厄介だしさ。あ、謎の日本人さんの方は彼氏とか居るよね?」
私「いや、私も彼氏はいないんだけど…その下級生が彼女じゃないなら気にする事は無いんじゃない?どんな噂を立てられても所詮は噂でデタラメなんだから。」
A君「いや、一緒くたにされるの自体、俺は嫌だし、話は同じ委員の謎の日本人さんにしかないし、その…。」
私「(なるほど、後輩とは噂程度なら有りだけど、▲▲さんとは噂すら嫌…ってか。)
A君も▲▲さんと話してみれば良いのに。(言動だけは)可愛い子だと思うけど?」
A君「(言動だけは)可愛いかもしれないけどさ…あの人、30になっても40になっても『エへへ』とか『ふええ~』とか言ってると思う?
私「……。」

カッコ内の言葉を省略されていても彼が何が言いたいかが分かったものでした…。(しかし、まさか本当に32歳を過ぎて「エへへ」とか「ふええ~」とかマジで言っているとは思わなかったが。▲▲さん、どういう方向を目指すのも本人の自由ではあるけれど、そろそろ「年齢」という物を考えた方が良いと思うよ。)そして「2人きりで屋上で会っていた」事で私もヒソヒソ噂を立てられたし(屋上には誰もいなかったものの、下からは覗けたらしい。これで初めてA君の「仮に何とも思っていない(別に憎しみや殺意を抱いている訳ではない)相手だとしても噂を立てられるのは厄介だ」という言葉の意味が分かった。)「友達」としては▲▲さんの悪口を影で言い合うように彼と仲良くやっていくのは嫌だったし、A君とは距離を置いて行ったのですが言っている事を否定は出来なかったと今でも思える話の内容でした。思い起こせばゲームネタで『パーミテーション城ってどんな意味があるのかな?』って順列だよ!と、いつも笑っちゃうの」と自分でつけた城の名前に一人ツッコミを入れながらキンキン声で「可愛い子供」の真似をしていた(当時は彼女も高校生として年だけは「可愛い小娘」に入れる年齢だったし、私も高校生として「場を合わせる」処世術位は身に着けていたので笑っておいたが全然可愛くなかった。)事といい、▲▲さん本人は一生懸命、可愛い子ぶっていたものの(その割に化粧に凝ることもダイエットする事もしなかったが。)その可愛さの内容って「地獄先生ぬ○べ~」で言う所の

美樹「やだー、牧井さんの髪形ってハエのたかったウンコみたーい。」
郷子「ちょっと、美樹!(皆、空気読んで『本当のこと』を黙っていたのに)何てこと言うのよ!」
静「本人(だけ)は真剣に自分が可愛いと思ってるのよ!」


という内容の「可愛さ」であり、自分を「可愛い存在」として扱って貰いたいのは分かるけれど容姿が追いついていない(のを、気を使って合わせて貰っている。大体、真実「可愛い女の子」だったら男が放っておくはずがない。)という現実が見えていなかったんだろうなあと納得してしまったものでした。(分かる?A君は「私の友達」である貴女に「話を聞きたかった」のではなく「私からどこまで聞いていたのか」を気にしていたんですよ。)後に匿名の事で電話を交わした時に「私は匿名さんと全く関わりの無い人間だけど、あのコメントは匿名さんじゃないかもよ?ちゃんと考えてる?」と(全てがバレてる事も分かっておらずに)語っていた彼女でしたが普段あまり付き合いの無い人間が何故「○○の付属物」である自分に話しかけてきたのか、貴女こそ「ちゃんと考えて」行動したら?と思わず語りかけたくなった、そんな過去話でした。良識派ぶって正論振りかざそうとしているけれど貴女は「いい人ぶっている」だけで本性はストーカー女の匿名と同じだって、もうバレてますよ、▲▲さん。

ついでに追記という事で、うちの叔母が黄疸で倒れた時の話。(あのね、▲▲さん、父親が脳梗塞で倒れた10年以上昔の記憶をよすがに、したり顔で「上手いウソをついている自分」に酔っていた所悪いけれども、今の病院は普通にこういう風に対応してるんですよ。)

私「叔母さん…確か黄疸(胆嚢の異常)で病院に運ばれたんだよね?なのに何でバリウム(大腸検査に使う物)飲んでるの?」
叔母「それがね~『今まで大腸検査をやった事が無いのなら、ついでに3割負担の格安料金で検査していかないか?』ってお医者様に勧められたのよ。どうせ手術で2泊3日も病院から出られないし、今調べておいて異常が無ければ、あと3年は大丈夫だって言われたし。」
私「今まで大腸の異常どころか便秘一つした事の無い健康体だよね、叔母さぁぁん!?」
叔母「それから明日はMRIからCTまで取って脳腫瘍も調べる予定なのよ。大腸だけじゃなく、これで全身安心ね。」
私「今も昔も頭痛一つした事の無い、何の兆候すら感じていない健康体だよね、叔母さぁぁぁん!?」

もはや人間ドッグ状態…そこまで検査する意味あるのか?(いや、無い。検査の結果も、もちろん何の異常も無かった。)という有り様でしたが、聞く所によると医療関係の法律がどんどん厳しくなってきた昨今、意味の無い入院で稼ぐことができなくなってきた事情から公立病院はどんどん補助金を減らされており検査で稼ぐしかない(癌検診しかり、いまや「検査」は収入源の3本柱となっている。)そうで、既に「どこが異常か診断がついている患者」さえ検査漬けにする事が多いんだそうです。そして、患者の方も「どうせ病院に来たついでだから」と有料でもちょっと奮発して調べちゃう事が多い(「車のメンテナンスついでに洗車(有料)もどうですか?」で断る人間が少数派のように、観光地に行ったら法律で義務付けられている訳でもないのに、つい友達にお土産を買ってしまったり、「わざわざ来たついで」というのは実はものすごく効力を発揮する。)そうで↑の叔母さんの例に到るとの事でした…。

▲▲さん、10年以上も前のカビの生えた聞きかじりの医療知識を元に大嘘ついていた所、悪いんですけどね、10年前と違って、足腰の立たない患者をMRIだけして、どこに異常があるかも分からないまま放置しているなんて、ありえないんですよ?(脳梗塞で倒れた貴女のお父さんはそんな扱いを受けたんですか…以前の問題としてそんな扱いを許した家族の方にも異常を感じますけど?)「診断のついた患者」でさえ他の所を調べるのに、どこが悪いか診断もつけていない患者を「脳梗塞の可能性」があるという話だけでそのまま放置していたら、間違いなく訴訟沙汰になります。嘘をつくのなら最低限の知識位ググって調べてから言ったら?(今回は時間の都合で省略したけど「手足が動いて意識のある脳梗塞」なら「放置する」事は更に別の問題を産むんだけど。)と意味も無いのに家族をネタにして、更に言っている内容がバカ過ぎて嘘だとバレている(誰だって気づくわ、こんな異常な話!)様に振り返って改めて呆れたものでした。匿名さん(無言電話、不正IPアドレス使用、中傷コメントと犯罪のオンパレードを行っているストーカー女)ほどではないにしても、▲▲さんも「常識」位、ちゃんと考えてから物を言ったら?と思わず実感してしまった過去話です…。



 「渡る世間は鬼ばかり…だけど鬼だけでもないことを信じて頑張ろう!」という作者のコメントと共に、それまでのラブコメ路線とは一線を画したシリアスな本なのですが、このシリーズを貸してくれた千葉西高校時代の友人である当の▲▲さん自身が、ブログのトップに書いてある無言電話女の匿名と一緒になって結託し、私が頭がおかしいだの精神病院行けだの言われるのも「全部本当の事で当然だよ。」と笑って人を騙そうとする、まさしく「鬼のような女」だったというのは皮肉な結果だなあ…と今となっては溜め息が出てしまう話でもあります。内容としては深くてとても面白いんですけどね。(ここまで濃い話をよく週刊というペースで描けたなと驚愕するほどに。)

 鬼の血族の章…美代子「彼は知っているのだろうか?子供を殺された女が鬼に変わりやすいという事を…。いいえ、彼も知らない。誰も知らない。それは女だけが知っている…。」

次の鬼はどこに隠れている?と探しに行った所で実はすぐ横にいましたというオチには惹きこまれると同時に溜め息が出てしまった第1話でした。(せっかく未熟児状態なのを押して息子の方の鬼まで退治できて、手間が一度で済んだと思ったら、また新手が…。ある意味で父親であるあの鬼は女を見る目が無駄に有ったという事なのだろうけれど。)「妊娠」しても生理はきちんと来るし、事後1年以上が過ぎても子供が生まれない様(「鬼は普通3年間女の胎内に宿るもんだ。」by鬼切丸)には子供を宿しても本人が全く気づかないのには納得しましたが、たった13ヶ月で生まれた未熟児故に、夕方から夜中まで戦い続けられた親父と違って、あっという間に殺されてしまった貧弱ぶりには「…。」と思ってしまった親子の様でした。その後の鬼との戦いでも「何時間もかけて戦った」事例は数えるほどしかないことを考えると、あの親父さんは鬼としては結構強い部類には入ったのだろうなと変な所に注目してしまった次第です…。

 半獣鬼の章…母「誰かこの子を助けて!この子はまだ7つなのよ!私の肉体をあげるから、この子に私の命を与えて、せめてあと10年…!」
馬頭鬼&牛頭鬼「数えて今宵が10年目なり…。母親の与えた命、ありがたく思いながら喰われるがいい!」

誰が10年後に喰って良いと言った…母親の拳が(文字通りに)飛んできた訳です。(そのまま目玉を抉り出すなんてよっぽど怒ったんだろうな。でもって色々な意味で馬頭鬼がビックリして、うっかり獲物(みどり)を手離してしまう訳だと納得してしまいました。)おかげでトラックに鬼達を誘いこんでダメージを与える程たくまし系に成長したみどりは服をボロボロにされただけで肉体は無事で済んだ訳ですが、それでも17歳で鬼に襲われて死にかけるのは早過ぎる、お母さんもお母さんで「せめて、あと100年!」ともうちょっと欲張って願うべきだったな、とツッコミを入れてしまった話でした。(いや、老婆VS鬼人衆との戦いなんて誰も読んでくれないか…ゲフッ!)

 鬼遊戯の章…ぼうや「おれ絶対に死なないよ。八ケ瀬一族の誰よりも長く生きるよ。『皆の分』までずっとずっと…それが俺の生まれた意味なんだろう?」
母「この子は私と実の兄さまとのややでございます…。この子を宿した時から70年、この子の死を願っておりました。こんな鬼のような女からは鬼が生まれて当然でございましょう…。」

探して見つけて追いかけて、食ってもいいかい、もういいかい…(良くねえよ!)という鬼ごっこの様でしたが、鬼って鬼切丸でなくとも(母親が振りおろした斧であっても)殺す事が出来るんだ…と変な所で感心したと同時に、その気になればいつでも死なせることができたのに、その子が生まれてから70年間放置して八ケ瀬家の皆が殺されるのを黙認しただけでなく(「皆の血肉は無駄にはしなかったから…。」byぼうや。)林に迷い込んだ全く関係の無い子供達まで好き放題に食わせ続けていた母親の放任ぶりに、確かに鬼婆のような女だと頷けてしまったものでした。(そんなもん、鬼切丸なんて「夢物語」に頼らずに自分で何とかしろや!)子供の方も無差別に食っていた訳ではなく母親だけは尊重していた(彼女だけは食わずにいた。)訳ですし、子育てをきちんと行っていれば犠牲者ももしかしたら出なかったのではないの?とツッコミばかりが出てしまった話です…。

 一眼鬼の章…西尾先生「悔しい…あたしが女じゃなければ、男でもっともっと強ければあんな奴ら…もっと強かったら…。」
鬼切丸「泣くと鬼が寄ってくるぜ。泣いたり怒ったり憎んだり、良からぬことを考えた人間は鬼を育てた挙句、喰われちまうんだよ。そんな人間はアンタを襲った奴らで充分じゃないか?だから…泣くな。」

「慰めてくれてありがとう。」(あなたっていい人ね。)と善人ぶっていたけれど、鬼がらみの事件に妹共々巻き込まれて「酷い目に遭った」のも分かるけれど、結局この女教師がした事は鬼の一撃から自分を守ってくれた彼に対して「よくも妹を斬ったわね!鬼!悪魔!」と罵声を浴びせて泣くほど傷つけた事であって、説教節を聞かせながら「道理の分かったいい女」ぶっているけれど、面倒臭くてうっとうしい女だな~と、あんまり好感は持てなかった女教師でした。最初に暴漢から助けて貰った時も「助けてくれた子もいるのよ。…送ってもくれなかったけど。あ、だんだん(その子が私を大切に扱ってくれなかった事に)腹が立ってきた。」と文句タラタラでしたし(普通はね、トイレに連れ込まれて女同士でいじめられている場面でも目撃(現場に偶然遭遇)した人はドアを閉めて見て見ぬふりをするのが大多数で、明らかにそれよりも重い状況で「ドアを開けて入ってきてくれた」って、貴女は物凄く恵まれているのよ?)性格の重たい恩着せがましい女だな~としか思えなかったり…ゲフッ!

 憑鬼の章…夕夜「あなた、普通の人間じゃないんでしょう?奇跡を起こして千晴を助けてよ!」
鬼切丸「この世に奇跡なんてありはしないよ。ただ一つ、憑かれた千晴がアンタを救った事を除いて…。」

何を言っても怒らない、微笑んで話を聞いてくれる(普通は「鬼が見える」とか「鬼を握りつぶした子が出た」なんて自分にも見えないオカルトな話をしたら、大概の人間は引く。)それが成績悪くてもドン臭くても千晴のいい所だったのでしょうが、そんな千晴にもやっぱり限度というものはあった様子で必要以上にバカにされた事でとうとうキレた…のを上手い具合に鬼に魅入られてしまった様子です。とはいえ夕夜だけは自分をバカにしなかった、自分を助ける為に鬼を受け入れるほど大切に思ってくれていた(彼女だけは確かに友達だった。)ことで、腕や腹を切られて後はトドメを待つばかりの身の上で(「俺は優しいからトドメを刺してやるぜ!」という鬼切丸の言葉から分かるとおり「放っといても死ぬほどの致命傷」は既に負っていた。)駆け寄って正気に戻したのはまさしく奇跡(というか執念)だったのでしょうね。結果として何もしていないのに友達全員を失った夕夜にちょっと同情もしてしまった話でした…。

 般若の章…鬼「わしは子が喰いたい。お前は子が産みたい。お前の願いをわしが叶えたのだから、今度はお前がわしの望みを叶えるのだ!お前はわしに喰わせる為に子を孕む事を願ったのだ!」
母「違う!こんな形で死なせる為に産んだんじゃなかった!生きてほしかったのよ!」

ちなみにその鬼曰く朱根ちゃんは「300年ぶりの餌」だったそうで、一体この曰くつきの神社は何百年前から続いているのか、疑問が出てしまった話でもありました。鬼を根絶やしにしたら人間になれる、仲間(同族)を皆殺しにしてまで人間になりたいという妖怪人間ベムのような願い(「早く人間になりたい!」byベム、ベラ、ベロ)を持つのなら、まず鬼を生み出す人間を殺す方が早い(確かに餌となる人間がいなくなれば自動的に鬼も滅びるでしょうね…。)と仲間に言われてキレてもいる鬼切丸ですが、目の前で鬼に変わり、娘を救う為にはどの道自分が死ぬしかなかった母親の姿に色々思う所もあった様子で泣きたい気持ちにもなったようでした。速攻で滅ぼしたとはいえ目の前で新規で鬼に変わった人間(朱根の母)が現れた辺り、彼が「いつか人間になれる日」は本当に遠い日なんだろうな、と色々な意味で涙してしまった話でした…。

 鬼生誕の章…祖母「些細な殺意からでも鬼は生まれるんだよ、どんなものでも媒体にして…そう、例えば私が土に埋めて隠した養父母の持ち物にでもとり憑いて…鬼は生まれてしまうんだよ。」
志穂「違う…本当の望みはこんなんじゃない…。死んじゃ嫌だ!おばあちゃん!」

本当に悪いのは暴言を吐いて怒られたのを逆ギレして櫛を埋めて隠した(嫌がらせに走った)自分の方なのに、後ろめたい気持ちを正当化する為に高飛車な態度で相手の方が悪いと非難に走る孫娘に「…。」と思うと同時に、何度、事実を書かれても図星を指された事に逆ギレするだけで無言電話(嫌がらせ)を続ける匿名と、匿名と結託して誹謗中傷コメントを全面肯定し知らないフリをしながら化けの皮が剥がれても「被害者面」を続けようとした▲▲さんの姿がフラッシュバックしてリアリティを感じてしまいました。(「もう家の中は滅茶苦茶。私はどこに行っても針のむしろ。それもこれも全部おばあちゃんが来たからよ!」by志穂。実際は母親が倒れたのは祖母に暴言を吐く娘による「心労」のせいだし、全部自分のせいなのだが。)最後は相手を思いやる気持ちを持っただけ、まだこの孫娘は救いようがあるけれど現実の人間はそこまで美しくないよな未だに嫌がらせに走り続ける匿名と、それを黙認している▲▲さんの現実に溜め息も出てしまったものでした…。

 大獄丸の章…後藤「あたしは何て見出しで記事を書けばいいのかしら…?こんな事、警察にだってどう言えば良い?それに…そうよ、君は何者なのよ!」
鬼切丸「寝ぼけてたんだろ?お姉さん。」

大獄丸とは「御伽草子」の中の「田村の草子」の中に書かれている酒呑童子、玉藻前と並ぶ日本中世3大妖怪(遺骸やその一部が支配者の権力を象徴する宝物倉に納められている妖怪。)の一人です。また、後にこのシリーズのメインヒロイン(相手役)を張ることになる後藤紗英さん初登場の話であり、本能的に危険を察知したのに記憶喪失になった友人(治美)の為にそこに留まったり、結界に邪魔されて入れない彼をスライディングで仏像をずらして入れてあげたり、写真を取るのも「いや、不粋だろう。」とカメラを落っことして辞めたり、「戦闘能力が無い女性」という同じ条件なのにキャンキャンうるさいだけで役立たずのどっかの某女教師と違って好感の持てるいい人だな~と改めて感心したものでした。(それでも正式にカップルになった時にはビックリしたけど。)鬼がらみの事件の連発でその後やつれたのか、この頃は顔が丸かったね(禁句)とも語りかけてしまったものです…ゲフッ!

 夜叉の章…田村先輩「もう勘弁してくれよ!一度死んで別人にでもならない限り顔も見たくない!消えてくれ!頼むから!」
吉田りえ「ねえ、私、何に生まれ変わったら、田村先輩、会ってくれるかなあ…?」

先輩への好意は分かる。けれど恋愛には「溜め」が必要というか、あんまり好き好き言って迫ると却って男は引くというか、「押しつけがましい自己犠牲」は嬉しい気持ちをすっ飛ばして重たく感じるというか、第一印象は決して悪くなかった(「いたんだな…今時こういう子も…。」by先輩)のに2手目からのやり方を完全に間違ってしまったなと「初対面」から毎日押し掛けてしまった為に2週間足らずで嫌われてしまった吉田さんに涙と溜め息が出てしまいました…。部屋に上がらせて貰えたのなら(連日部屋に参上出来る恋人(セフレ)の立場だけでも速攻でゲットしたいのなら「既成事実」を作るべきだし)それを良いことに何か「忘れ物」をして、先輩の方から連絡してくるか翌週の日曜日にでも自分が尋ねる正当な口実にするか、いくらでも「さりげない演出」が可能だったでしょうに(恋愛が育つには時間が必要なんだよ…。)やり過ぎてしまった彼女にツッコミを入れてしまった話でした…。

 小角の章…鬼切丸「まるで前鬼・後鬼を操る役小角気取りだな。けどよ、役小角は修業を積んで鬼使いになったんだぜ。」
萌子「違うんだ…。殺してもいい人間を区別している訳じゃない。こいつら何も考えていない。あたしの体を根城にしているだけで、無差別なんだ…!」

知名度から行けば「一番有名なお坊さん」は空海(弘法大師)ですが、「一番の霊能力者」は鬼すら従えた役小角(この者、生まれつきの博学なり。40余才にになりて葛木山に籠り、修行の果てに「孔雀王の咒法」を習得し鬼神を自在に操る仙人となる。)だと言われています。だから役小角が従えた前鬼・後鬼のように鬼は「2体」で(「あのコたち?2体もいやがるのか…。」by鬼切丸)彼らの心臓を胎内に宿している術者(萌子)が死ぬまで無敵だし、今回鬼切丸は余計に苦労する羽目になったのか…と納得が行った話でした。(というか週刊連載を抱えながら、ネットもまだ普及していない時代によくここまで調べたなと感心した。)鬼の力のおかげで何が落っこちて来ても無事で済む彼女でしたが別にその力を自在に操れる訳でもない(おかげで隣にいる友達がいつも身代りに大怪我を負っている。)という事にも早めに気づいておくべきでしたね。勘違いを最後近くまで気づけなかったのが思えば萌子の失敗だったんだろうなと頷いてしまった話でした…。

 子喰み鬼の章…鬼切丸「奴は子喰み鬼。子供の血、肉、感情が奴の生気、命の源なんだ。お前の『鬼が生きている』という、くだらん妄想がこいつの蘇生のきっかけなんだ!」

目の前で友達を食い殺されては、オマケに「ピンチの時は助ける。」と互いに約束し合っていながら、助けるどころか怖くて動く事もできなかったという罪悪感と共に忘れようとしても忘れ難い経験だった鬼切丸さんも何であと5分早く駆けつけてくれなかったかな…?)でしょうが、おかげでいつまでも蘇生できるほどエネルギー供給(明の感情)がなされた鬼の元で縛りつけられたしんちゃんの魂は余計に辛かっただろうなと同情してしまったものでした。妄想の方向を180度方向転換した(「お前なんか死んじゃえ!」by明)とたんに鬼が消え去ったのには、やっぱり明の妄想だけが需要源だったんだな(しんちゃんは既に食い切られ終わっており、その後は明の妄想以外は「飲まず食わず」の状況で生きてきた鬼だからな…。)と納得もした話です。

 人鬼甦の章…高弘「俺を呼んでよ…。頼むから最後に呼んでくれよ…人間だった頃の名で!」
香「高弘…しっかりするのよ!アンタはあたしの弟でしょ!?鬼なんかじゃないわ…!」

名前を呼んでくれたは良かったもののその内容は弟宣言で恋愛対象外という至極最もな内容(「そばについている」からしっかりして!であって「男として愛している」からしっかりしてほしい訳ではない。)であったという展開には「香…!」と鬼に変わったその後にも少し納得がいってしまったものでした。(香の姉として弟を大切に思う気持ちに嘘は無かったが要するに「お断りの返事」であり、人間である以上は永遠に「弟」以上の存在にはなれない。かといって鬼になって姉を「食おう」とする(鬼のやり方で「愛そう」とした)のも間違っているとは思うが…。)鬼って胎児に寄生すれば「子供の姿」から普通の人間のように生まれ育つ事が出来るんだ(ていうか、その人間の胎児本人が早々に食われてすり替わってるよね…。)と鬼の生態(新設定)に改めて凄さを感じた話でもありました…。(ていうか子供が中学生にまで育つ=13年以上も経つ前に見つけ出せなかったのか、鬼切丸さん…。)

 妖鬼妃の章…鬼切丸「あんたなんか知らねえ。」
西尾先生「そう…そうやって知らないフリをするのね。謝る事もできないし、許しても貰えないのね…。」

なんかなあ…初登場した時も思ったけどこのお姉ちゃん、うっとうしいよねと綺麗事を言いながらの説教節に再度げんなりしてしまった女性でした。大体アンタが「彼に会いたいから」なんてメロドラマ的理由(だけ)で真夜中にフラフラと学校にまで出歩かなければ女喰らいの鬼に目をつけられる事も、彼の足を(また)引っ張る事も、妹を(無駄に)苦しめる事も無かったんですけど…と今回も役立たず(むしろいない方が事態はマシだった。)以外の何物にもなれていない様に「…。」と思えてしまったものです。(活躍したのも鬼の眼を持つ妹の方で、姉は何もしていないしな。)おかげで人気も振るわなかったのか出場回数はここまでで、後は最終話でチラッと描かれる以外2度と登場しなかった(メインヒロインもルポライターの後藤さんに代替わりした。)様には同じ読者の一員として心から納得できた展開でした。うん、このお姉さんがヒロインとしてずっと出張っていたら何か嫌だなとしか思えなかったかも…ゲフッ!

 屍鬼の章…大竹くん「『妖怪』は俺達が殴りながら追い回したせいで8年前のあの時に川に落ちた?ど、どうして忘れていたんだろう。どうして何も覚えていなかったんだ?」
古田洋湖「痛くなかったからだよ。怖くなかったからだよ。悲しくなかったからだよ。…楽しんでいたからだよ!」

足を踏んだ側はその場で忘れ去るけれど、踏まれた側は一生忘れない…いじめの永遠の真理です。いじめっ子本人達は「みんな昔の事じゃない!」「くだらねえガキの頃の事をいつまでも根に持ちやがって!」と「時効」を盾に逆ギレするだけで、実際に自分が泣く羽目になるまで謝ることすらしない(唯一命が助かったのは最後の最後で「謝った」大竹君だけ。他の2人も理由が「自分の命惜しさ」であって「反省」とは微妙に別物であってもサッサと心から謝っていれば殺される事はなかったかもしれないのにね。)事を考えても、こういう人間達って客観的に事実を見ればどう考えても自分達が悪いと分かっていながら、何年経っても、まず考える事は「脅しつけ」なんだ(謝罪だって自分が助かる為の必死の「誤魔化し」(反省じゃなくて命乞い)だったしな。)という事例に、このブログにも書いた匿名のコメント「怖いのはこれからです。プライバシーの侵害、名誉棄損、恐喝も入るかな?」(実際はどれもこれも当てはまらなくて警察に言っても怒られたのは無言電話を続けた自分だけだった。)も思い出して納得がいったものでした。最も人が1人死んでいる以上「謝って済む問題」ではとうになくなっているとは思うのですが…。

 海鬼神の章…きよみ「鬼与子(きよみ)なんて名前、欲しくなかった。」
鬼切丸「誰だって皆、人間として生きる為の名が欲しいはずだ…。」

生贄として育てられた反面、当の海鬼神はとっくの昔に滅ぼされておりどこにもいなかった(「年を取って物忘れが酷くなったようだな。」by鬼切丸)それなのに無駄な祭りを繰り返し行っていたおばあ様(いっそ物忘れ昂じて認知症にでもなってくれてれば良かったのに…。)にツッコミを入れてしまったものでした。きよみが鬼になったのは海鬼神の祟りでも何でもなく自滅だった事を考えても、無意味な風習の元に犠牲者を出した村の人達(無駄な儀式のおかげで結局きよみ「1人だけの命」で済むどころか死人は10人近くに膨れ上がった。)には呆れながら微妙に思ってしまった話です。せっかく生き証人がいるのに、頭もハッキリしているのに、過去に捕われてばかりで80年間前進していなかった村の様に一番問題があったなと溜め息をつきながら納得してしまったエピソードでした…。

 紅葉の章…荒倉山の鬼女伝説「平安時代、鬼女・紅葉様がこの谷を京と定めて内裏屋敷を構えられた。その方、鬼でありながら民衆に仁恵を施す恩人『貴女』として讃えられたが鬼であるがゆえ、哀れ平維茂(これもち)に滅ぼされてしまった…。」
後藤「聞いていた話と違うわ。源経基公の寵愛を受けた紅葉は正室を取り殺そうとした為に戸隠の里へ追放され、盗賊の鬼武、熊武、鷲王、伊賀瀬の四天王を従えて人々を苦しめた為に平維茂の征討軍に退治されたって…。」

解釈次第で善玉にも悪玉にも評価が別れている「鬼女・紅葉」でしたが、おそらく彼女も四天王も人間で、盗賊と一緒になって近隣の村を襲っていたものの地元民衆に分け与えていた義賊だった(地元民衆以外は大迷惑だった)為に征討軍に打ち滅ぼされたのだろうと思われました…。他、同じく鬼無里の「一夜山の鬼」伝説(飛鳥時代に天武天皇が遷都しようとしたら、この谷を都としないよう鬼達が一夜のうちに山を運んで平地を塞いでしまった。で、天皇は将軍・阿倍比羅夫を遣わして鬼を征伐した為に「鬼無里」と呼ばれるようになった。)といい「虫倉山の鬼神」伝説(虫倉山から鬼神が姿を消して行方が分からなくなった為に「鬼無里」と呼ばれるようになった。)といい、ネットの無かったこの時代によくここまで調べられたな(中でも紅葉伝説は謡曲でも有名で、彼女のお墓の松厳寺といい関連する史所が多い事から3つの中では一番「本当」っぽいと言われている。)と別の所でも感心させられた話でした。また、何だかんだと言いながらもてっきり学校の先生のお姉ちゃんが結局メインヒロインとなっていくかと思っていたので、ルポライターの後藤さんがいきなりヒロインに格上げされた(2度に渡ってキスシーンをぶちかました)のには良い意味で予想を裏切られて好感が持てた話でした。

 鬼髪の章…環「大好きよ、翔ちゃん。殺すだけじゃダメ。一緒に死んでもダメ。いつまでも一緒にいるには、あたしが一度死んで鬼になって、食ってあたしの血にして肉ごと一緒になるしかなかったの…。」
翔平「環は愛し方を間違えたんだ…!」

それでも高校に入るまで15年間も騙され続けて彼女の本性に気付きもしなかった男ってバカだよなあ…(普通は葬式の前に疑問を持たないか?「俺の彼女って『いいコ』のはずなのに何で友達が一人もいないんだろう?」って…。)と本性を目の当たりにするまで「現実の彼女」の姿を認識も出来ていなかった彼氏にツッコミを入れてしまったものでした。結局彼女を一番客観的に見れていたのは女子達で、「証拠が無い」のを良いことに警察に起訴はできなくても状況証拠満載で犯人(=彼女)はバレバレという現実(「暗かったけれど、私に何針も縫うほどの傷を付けた『ハサミを持った女の顔』こそ見えなかったけど…あんな長い髪、他に誰がいるっていうのよ!?」by中山さん。)の前には誰も彼女に近寄らなくなった様子です。それまでは仲良くやっていたけれど本人が続けている嫌がらせ行為の前には彼氏(最も親しい人間)ですら「知らない人」のフリをし始めた(「違う…!俺の環はもういない!お前は誰だああ!」by翔ちゃん。アンタ仮にも一応、長年付き合ってきた「彼女」に向かって…。)様はまるで匿名と▲▲さんの関係のようでリアリズムを感じた話でした…。

 鬼骨の章…純香「動けないでしょう。逃げられないでしょう。泣くしかないでしょう。そんな妹の文香をアンタは殺したのよ!」

殴られまくった(ようやく痛い目を見た)事で「許して下さい…!」と泣きながら訴えてきた犯人でしたが、そんな男が次にした事は割れたビール瓶を手にしての殺人未遂で(「ごめんなさい」という言葉の舌の根も乾かぬうちに、もう同じ事をしようとしている。)犯罪行為を繰り返す人間(現実例・匿名)にとって犯罪とはもう中毒症状と同じ「病気」(いけない事とは分かっていながら辞められない。)で治しいようがないんだなあ…と親に何度尻拭いをさせても、友達にどんなに迷惑をかけても、決して無言電話(ストーカー行為という犯罪)だけは辞めようとはしない匿名の実例と合わせてリアリティを感じた話でした。一番の被害者(5歳の文香)が幼な過ぎて恨むことすらできない子供だったから発見されるまでは鬼にならずに済んだけれど、物の分かる遺族(大人)からすればいい迷惑(恨まれて当然)な話で、最後には被害者張本人に殺された結末に心から拍手してしまったものでした。血まみれになるまで痛い目を見ようが、こういう人間って文字通り死んでも改まらないんですね…。

鬼切丸⑦~⑫

2010.06.20
 千葉西高校に通っていた頃、クラスメートでもあった▲▲さん(匿名の友人)が貸してくれた本です。折しも話の中に確実に妊娠を否定できるのに、倒れた事を理由にそこまで調べられた話(収容して貰ったが最後、本来不必要な検査までしてくれるのが病院である。私の叔母も黄疸(胆嚢の異常)で倒れた事があるが医者に勧められるままに大腸検査やMRI(脳腫瘍検査)まで受けていた。)が載っていて脳梗塞で母親が倒れて救急車で運ばれたなんて大嘘をついている所、悪いけれど、「熱が無いのに足腰が立たない=脳梗塞」「脳梗塞の検査=CT」という親父が脳梗塞で倒れた時に仕入れた部分的な知識だけを盾にリアリティ溢れる状況を語っているつもりな所、悪いけれど、話をまとめると「CTの結果、異常が無かったのを良い事に『足腰が立たない状態』でありながら何の検査もされないまま放置されている」という異様な状況になっている(「取りあえず入院」ではなく「色々な検査の出来る大病院に転院」させる状況だよ、それ!)事に気づかず「頭の良い嘘をついている」つもりになっている▲▲さんに自分で貸した本の内容位、きちんと理解しておけば良いのに…と、呆れた話でもありました。(そんないい加減な病院、どこにも無いよ。)という訳で「▲▲さん・匿名さんがどんだけ説得力の無い事を言っているのか改めて検証してみよう」パート2として、今回は1月2日にかけた電話の内容から語ることにします。

2015年1月2日(金)夕方16時過ぎ
前日の2連続での誹謗中傷コメント(そしてどう見ても「知り合いの誰にも見られる事は無い」という根拠の無い自信から増長している。)にさすがに私も頭にきて、それでもいきなり友達全員にこの女の本性をバラして彼女が皆から責められるのも元友人として哀れに思えたので、ここは正義感の強いしっかり者(だと思っていた)共通の友人である▲▲さんだけに言って、それとなくいさめて貰うか(そうすれば、さすがに反省してもう誹謗中傷コメントが届く事は無いだろう。)とコメント返しをした後、久しぶりに彼女に電話をすることにしました。

私「▲▲さん、久しぶり。今ちょっと良いかな。」
▲▲「えっ?謎の日本人さん!?久しぶりだね、一体どうしたの?」
私「いや実は正月早々から中学時代の友達だった匿名さんから『被害妄想激しいオバタリアン』だの『真面目に病院行け!』だの誹謗中傷コメントが送りつけられて来てね。ちょっと参って相談しようかと電話したんだわ。突然ごめんね。」
▲▲「ふ~ん、そうなんだ~。私は謎の日本人さんの『高校時代からの知り合い』だから中学の同級生だったその人については全然知らないし無関係なんだけど、何てブログなの?見てみるよ。」
私「(いや、何いきなりウソついてるの、この人?聞いてもいないのに高校時代からの関わりを強調して他人のフリをし始めている所、悪いけれど、貴女と知り合いになったの自体が高校入学後、匿名に「謎の日本人さんって本当にいい笑顔しますよね。」と携帯で写真を撮られた(ご丁寧にも写メールにして送りつけられた)後の運動会だったし(つまり写真で顔を確認してあらかじめ知ってた上で、その時はクラスも違っていたにも関わらず「匿名の友人」である私に近づいてきたんでしょ?)、▲▲さんと正式に知り合いになった直後に「ボクの友達の▲▲ちゃんと友達になったって聞いたよ~。」と実名出しで匿名の口から貴女の名前を聞いたし、アンタが匿名と繋がっている事はとうの昔から知ってるよ。何故、自分の所に電話がかかってきたのか、もう少し良く考えてみれば良いのに。)
ああ、『謎の日本人の部屋』ってタイトルのブログで、その名前で検索すれば、すぐに出ると思うよ。」
▲▲「謎の日本人の部屋ね。でもネットに出すなんて謎の日本人さんの方がやり過ぎなんじゃない?」
私「(アンタ、私への中傷コメントの言葉を聞いて「暴言を吐く匿名の立場」だけを心配するの?中立の「第3者の立場」から正義感面を気取って意見しているつもりな所、悪いけれど庇う側が明らかにおかしいから!)
うん、ちょっと考えてみるわ。」
▲▲「じゃあ、ゴメンね。今ちょっと立て込んでるから…。」
私「あ、ううん。いきなり連絡しちゃったの、こっちだったし、じゃあね。」

何と言うか、何もバレていないつもりで「無関係な第3者」のフリをして平然と友達を騙そうとする▲▲さんの神経に唖然としたものでした。(▲▲さんが匿名に頼まれた訳でもないのに自発的に偽証し始めたのは分かっている。やっている行動の腹黒さはとにかく、そんな「いい友達」を無言電話の為だけに売り続ける匿名にも度肝を抜かれたけれど。)まあ、いいか。▲▲さんが真っ当な良心を持ち合わせた人間なら、私の方だけを(不自然に)牽制するのではなく、匿名の方にも一言言って水面下で納めるようにするだろう…と▲▲さんの人間性に淡い期待を抱いた反面、彼女がした事は匿名に連絡するも「匿名とアドレスの不正操作で誰だか分からないようにして、あそこまでの暴言を書くなんてやるじゃない!幸い私が匿名の友達だって事はバレてないみたいだし、今度もし電話がかかって来ても知らないフリして上手くやりこめておくから!」「さすが▲▲さん、そう言ってくれると思っていたよ。謎の日本人の奴、電話なんかしても皆ボクの方の味方してくれるってのに調子に乗るなっつの!」と結託して盛り上げた事だけだったらしく、誹謗中傷コメントが止むどころか翌日3日の11時には「忙しい夕飯時にご丁寧に返信ありがとうございます。(ボクなんて夕飯時を避けたこんな不自然な時間にコメントしているのに。)」という、より長文になった粘着質な中傷コメントが送りつけられ、さらに3分後は拍手コメントにまで更なる他人のフリをした(つもり)の「精神科のカウンセリング行きましょ、可哀想な人。」という暴言が送りつけられた(明らかに「味方」を得たことで無駄に調子づいている。)辺り、2人が阿吽の呼吸で結託したのはバレバレで▲▲さんって、こんな中傷コメントをよこす匿名と同程度の女だったんだ…と彼女の人間性にかなり幻滅したものでした。お返しに「他の皆にも電話したから。」と書いた所、届けられたのが実名=プライバシー保護違反を盾にしたプロバイダーからの警告メールで、一体今度はどう友達面して言い訳をするつもりなのかな?とメールをかけてみた結果が↓です。

2015年1月6日(日)5:52
私メール「この間は(久しぶりに電話して匿名の中傷メールの相談なんてして)ごめんね。
あの日、1月3日に他の知り合い(0人)にも電話したら全員から『自分は匿名じゃない』と聞いたのでコメントの返信に『匿名さん、後は連絡をしていないのは貴女だけなんですけど、私の知り合いの誰のつもりでいるの?』って書いたんです。
そしたら(今まで1日と間を空けずにコメントをよこしていた)匿名から何の返事も来なくなったまま、ブログ管理事務所から『プライバシーの侵害、名誉棄損、誹謗中傷に当たるので記事、コメントを削除して下さい』とメールが届きました。
取りあえず中傷コメントを送り続けていたのは間違いなく『彼女』で言い訳の仕様が無くなったから上の権力を利用したという事だけは分かりました。
ついでに言えば自分の名前や、全性生活を言いふらした理髪師さん、同窓会にかこつけて合コンを行おうとした男子(の計画を聞き出したのを良い事にクラス中に電話して笑い物にした。)の名前は削除対象にあげても、セクハラを受けたうちの妹のことは気にもかけずに放置されたのが物凄く悲しかったです…。」

1月6日6:00 ▲▲さんから着信
▲▲「謎の日本人さん、おはよう。今、メールに気づいてさ、ビックリして電話しちゃった。本当に他の人に電話したの?」
私「(へ~、朝の6時に電話かけてきてまで確認する事がお友達である匿名の悪事が周りにバレたかどうかなんだ。)
あー、本当に酷いよね、匿名さん。そういえばブログって見れた?」
▲▲「見たけど謎の日本人さんの毒舌、酷いね!匿名さんが言っている事は全部当たってるよ。それにあのコメントだって匿名さん本人が書いたものじゃないかもよ。匿名さんを装った全然、別人の可能性もあるんだよ。ちゃんと考えて物書いてる?」
私「(「全部匿名の言う通り」って事は、私が馬鹿だとか精神病院行けとかの誹謗中傷まで全部肯定してるんだ、この人…。今まで知らなかっただけで、こんな考え方する女だったんだ。)
…うん、そうだね。実名を出したのは、さすがにやり過ぎたかなって私も反省したわ。」
▲▲「匿名(本名)でネット検索すれば記事は出てくるし、内容だって2ちゃんランクの内容だし、年齢で知り合いには分かるよ?それに匿名さんは多分謝る気なんて無いと思うよ。いつまでもしつこくこだわってないで、(何言われるのも)もう諦めた方が良いんじゃない?」
私「(どこまでも「知り合いにバレること」だけの心配ね。しかも謝る気が無いのを逆手に取って「謝らないで全部チャラにする」ことしか考えないんだ、この人達。)
…うーん、そういう問題かなあ?」
▲▲「ブログだって『別人』相手に謎の日本人さんさえ反応しなければ、ここまで炎上する事も無かったんじゃない?あんな記事と返信を書いた謎の日本人さんの方が全部悪かったんだしさ、もう記事を消すだけじゃなくてブログを閉鎖する事も考えてみたら?全然、別の人の仕業なんだし。」
「『別人』の割には、奴に年賀状が届いたその時から中傷が始まった、あのタイミングは…」
▲▲「…!と、とにかくネット検索して見てみなよ!『2ちゃん、炎上』で検索してみれば『同じような文』がいっぱいあるからさ!」
私「(説明できない矛盾に関して言葉に詰まったな、今。図星を刺されて言葉に詰まるその態度だけで充分だよ!
そうだね。2ちゃんのことは見てないし、一応調べてみるよ。」
▲▲「●っちゃん、●っちゃん…妹ちゃん!妹ちゃんのセクハラの事だって私がその人の立場でもお母さんに言っちゃうよ。家族なんだしさ、話しちゃう事ってあるじゃない!」
私「(…は?「●っちゃん」って本名からくるあだ名を2度に渡って連呼したよね、今。しかも人の妹がセクハラ受けた話は家族と笑い物にしてしかるべきって、どういう考え方してるの、この人?
……。(絶句)」
▲▲「そうだ、謎の日本人さん!久しぶりだしさ、今度一緒に遊びに行かない?千葉でショッピングして回ってカフェでお茶したりなんてしてさ。借りてた本も返したかったし。」
私「(以前、私から誘った時には「ゴメンね~。私『忙しい』から遊ぶ時は最低2週間以上前から連絡をくれないと困るんだ。」と借りた本もそのままに自分で断ったくせに、今度の休日いきなり空いてますって何?言ってることが矛盾してるんですけど。)
え~っと、(ブログの話から何でいきなりそこまで「話を変える」のか分からないけれど)私、平日って土曜も含めて仕事があるから日曜の午後とかなら時間作れるけど。」
▲▲「分かった、日曜の午後ね。」
私「(へ~、「忙しい」人間が即OKできるんだ。)じゃあ、ちょっと間が開いちゃうけど、1月25日の日曜日って開いてる?」
▲▲「うん、いいよ、25日ね。」
私「それじゃあ、そろそろ切るね。長々とごめんね。」
▲▲「あ、うん。謎の日本人さん、本当にブログ閉鎖すること考えてね。」
私「(最後に言う事(=目的)はそれかい!
うん、取りあえず、問題個所を消して、それから考えるわ。」

正直▲▲さんという人間が分からなくなった瞬間でした。もっと誠実な人間だと思っていたのに、同じ「ブログの閉鎖」を求めるにしても「匿名さんがした事は彼女の友人である私に免じて許してほしい。」(代わりに私の事を責めて良いから、彼女の汚点を消して欲しい。)という意見だったら私も友達として真面目にブログの閉鎖を考えたのにこれだけの墓穴を自分で掘っておきながらシラを切り通そうとするなんて(謝るどころか人を騙す事しか考えないなんて)無神経にも程があるだろう、とブログの閉鎖は頭の中で「考える」だけに留めて、取りあえずプロバイダーからの指示通りに匿名についてのコメント返信、及び記事の内容を(もちろん写メという証拠をきちんと取っておいた上で)消しておきました。そして約束を取り付けた前日夕方になってかかってきた電話がこれです。

1月24日(土)17:29
▲▲「もしもし、謎の日本人さん?明日なんだけどさ…」
私「今、思いきり仕事中なので後にして下さい!」

マトモに話す事は出来ませんでしたが、おそらく夕方5時過ぎなら大抵の仕事は終わっているだろうと姑息な計算をして(その前に普通の保育園は何時まで子供を預かっているのかという常識を調べたら?)前日になって「突然のハプニングが起こって」私と出掛けるなんて「面倒臭い事」はできなくなったと断ろうとしているんだな(折しもブログのトップ記事「私達は幽霊を見た!」からは匿名に関連する事の全てが消えてなくなってくれていたからブログの記事の消去をそそのかす為に「会って説得する」必要も無くなったしね。)と何となく彼女の薄汚い考えが透けて見えたものでした。その後、私からの折り返しを待たずに夜の7:30にはまた掛けてきた(おかげで帰宅途中の運転中に車を停める羽目になった)辺り、よっぽど面倒臭い事が嫌なんだなとは感じたものの取りあえず(どんな大嘘つくつもりなのか)言い分だけでも聞いてやろうとかけ直して言われたのがこれでした。

1月24日(土)19:34
▲▲「実は今日、うちの母親が倒れて足腰が立たなくなっちゃったの。熱は無いけど、だからこそ脳梗塞の疑いがあるんだよね。『今』、救急車で運ばれた所なの。」
私「(へ~、母親が倒れて足腰が立たない状態なのに17:29→19:34まで2時間以上も救急車を呼ばずに、ず~っと放置してたんだ、この人。)
大変だね。大丈夫なの?」
▲▲「CTの結果は何ともなかったんだけど、これから病院行くのに荷造りしなきゃいけないから、ちょっと明日は会えないんだよね。なので明日、謎の日本人さんの家に借りた漫画だけ返しに行くって事でいい?」
私「(は!?母親が倒れたその時に漫画の為だけに出かけたいって何?)
……。(絶句)」
▲▲「それで今まで借りた漫画本を整理してた所だから、何を借りてたか確認して良い?ナルトが4冊とテニプリと…。」
私「(ちょっと待て、倒れて足腰が立たない母親を尻目に今まで漫画整理してたの!?←その前に救急車呼べよ!
……。(再度絶句)ゴメン、実はうち、明日予定が開いたら家族で出かけようって話が出てるんだ。(嘘。)だから、会えないならそっちについて行きたいし、またの機会でいい?」
▲▲「あ、そうなんだ。じゃあまた今度だね。借りてる本、日影に置いといて大事に扱っているからあんまり日焼けもしてないよ。借りた本だから大切にしてあげてるし。」
私「(何を恩着せがましく語っているの、この人?母親が倒れたその時に、そんなのどうでも良い事でしょうに。)
……ああ、そう。それはありがとう。それじゃ、また今度、連絡するから。お大事にね。」

この女、人間として言っている事がおかしい(明らかに親が倒れたその時にする行動じゃないし、本気でそんな行動を取っていたのなら親不孝にも程がある。)と、私に借りた本だけ返して「ショッピングやランチなんて面倒臭い時間」を減らす為だけに(自分が風呂場で転んで骨を折ったとでも言えば良い物をわざわざ家族をネタにして)脳梗塞で倒れた「父親の病気」と「母親の存在」を利用して嘘をついている▲▲さんに軽蔑の念を抱いたものでした。(大体、足腰が立たない患者の「頭」に異常が無かったら、普通に下半身を調べるだろ。)ちなみに母親が倒れた理由に関しても「隣家に住む姉の子供が風呂で思い切り立ち上がった時に頭が顎にぶつかっただけで大したこと無かったみたい。」(へ~、大した事の無い理由で救急車呼んで病院に搬送したんだ。そもそも脳梗塞ってぶつかってなる病気じゃない(それは硬膜下血腫である。)のに、誰が「脳梗塞の疑い有り」なんてデタラメな診断を下したんだろうね?)と隣家に住む姪っ子まで利用して人を騙そうとする様には見損なったものです。次いで、その後会った時に▲▲さんが何と言って誤魔化しに走った(けれど、こんな頭の悪い嘘のつき方では誰も騙せない)のかは2010年6月19日の記事参照という事で次に続きます…。



 「報いも裁きも、きっといつか行われる。渡る世間に鬼はいるけど、近くに鬼のような人がいても負けないでね!」と作者コメントに書かれていた通り、私もストーカー(匿名)とその子分(▲▲さん)やその下僕(パシリ親父とダメ母親)に負けずにブログを続けていこうと改めて心を決めた巻でもありました。応仁の乱や明治維新後の廃仏毀釈など歴史事項も何気に調べてあって(そもそも大獄丸や鬼女・紅葉など、教科書にはまず登場しないマイナーな歴史事項を調べ上げているだけでも凄いけど。)よく関連させたものだと感服もした、一粒で2度美味しい感も味わえた物語でした。

 邪願鬼の章…林田今日子「松本君が私の事を一生忘れませんように…。それが私の願いだったの。」

確かに、付き合い始めた「彼女」が突然目の前ではじけて死んだら、全身に恋人の返り血を浴びた事と合わせて一生忘れられない女の子にはなっただろう(嫌な意味で。こんな経験をしたら事態の大きさに錯乱してしまい、最後には幼稚園生に戻ってしまったような反応しか出来なくなってもおかしくはないだろうに、よく精神を病まずに済んだな、と松本君の精神面の強さにも感服した。)と納得すると同時に、そもそも彼女と松本君がイイ感じになったのは鬼の力だったのか、それとも彼女自身の実力(可愛さ)だったのか微妙な所だな(最も、その性格がブリッ子(欠点)としか捉えられずに嫌われても人が一人、目の前ではじけ飛んだら、それはそれで忘れ難い出来事にはなっただろうが。)とも感じてしまった話でした。「1人こっくりさん」なんて不気味なおまじないを試す前にまずは普通に告白すべきだったのでは、とも思ってしまった女の子でした…。

 鬼おとしの章…夕香緒姉さん「あの子は鬼ではないのだから、鬼切丸でなくとも殺せるのに…。私がせめて、優しく殺してあげれば良かったのよ…。」

「700年」の歴史を持つ結城家だから7男でもないのに名前は「七郎」なのね…(普通は長男として「一郎」と名付けられそうなものだが。)と安直なネーミングに納得すると同時に吹いてしまったものでした。鬼切丸曰く「せめて能力を授かる16才になる間際まで生かしておいたが仏心」だったそうですが、それならそれで真夜中の12時になるまで待った挙句にギリギリアウトで能力を目覚めさせちゃって、終いには逃げられてしまってはダメだろう(むしろ何故、昼間見かけた「普通の人間」だった時に殺っておかなかったんだ?)と結果として本来彼1人の犠牲で済むはずが、お手伝いさん、大叔母様、夕香緒姉さん、と犠牲者が無駄に増えた様と合わせてツッコミを入れてしまったものでした。後手に回ると大抵失敗するという良い事例です…ゲフッ!

 道きりの章…夏目「死んだってダメだ。こいつらは変わらない。こいつらは痛くもかゆくもないんだ。ただ死ぬだけじゃダメだ。」

死ねばもう、いじめられなくて済む…かもしれないけれど、いじめっ子連中はそれならそれで新しい「獲物」を見つけるだけだし、親も教師も見て見ぬフリだし(酷い時にはこのブログのトップに書いた匿名一家のように、親までがグルになって犯罪行為に加担する場合さえある。そもそも「マトモな親」に育てられた子供なら、イジメ(暴行傷害)や無言電話(ストーカー行為)など始めから行わないだろうし、親だって「知った」時点で止めるだろう。「私は家長ですから、家族(の犯罪行為)を守る義務があるんです!」なんて増長させる「匿名」のパシリ親父と違ってね。)死んだ所で根本的な問題は何も解決しない(むしろ自分が死んだ分だけ死に損。)のだから、死ぬ気で生き抜いて幸せになった者勝ちだと自分で強くなった元いじめられっ子のひなさんに拍手した話でした。いじめっ子達も自分達が痛い目に遭って初めて怯えているし(強く出るのは「自分より弱い相手」の前だけで実際はこんなしょうもない人間。)こんな人間の為に命懸けて自殺する価値なんて確かに無い、と実感もしたものでした…。

 醜鬼の章…梓「誰だって皆可愛い子が好き…自分でも分かってる。地味な顔。ボサボサの髪。こんなんじゃあの人に会えない!綺麗になりたい!なりたい!なりたい!」
みさき「分かってるんなら、なおさら少しは努力しなさいよ!」

確かに思いっきり地味系である梓の友人のみさきちゃん達は「綺麗」だけれど、おそらくその「見た目の華やかさ」を高める為に、ダイエットして、ヘアパックして、脱毛して、マスカラつけて、アイシャドーして、磨いた爪にマニキュアつけて、並々ならぬ努力をしているだろう事を考えると生まれ持った素材(顔)が並レベルだからという理由を逆に言い訳に利用して何の努力もしようとしない梓にイライラするのはちょっと分かる気がしました。(そもそも、あの顔の梓を「元は悪くない」と言い切っているのだから、それだけでも彼女達が素顔からどんだけ「変身」してきたのか推して知るべき、という所だ。)梓にもしゃれ込む事を覚えてほしいという強引なおせっかいは、おそらく「自分がしてきた『苦労』をコイツだけがしないで済むのは許せない!」(以上、無痛分娩に反対する姑の本音より。)という思いが根底にあったと思われますが、本気で綺麗になりたいと願うのなら鬼の力を借りずにマトモに化粧をする方向に走るべき話で、いじけて自分の殻に閉じこもる前に色々な努力が出来たろう、と私もツッコミを入れてしまったものです。結局彼女が想いを寄せる「彼」は盲人で、見た目が不細工だろうと全く関係無い人間でしたし、完全に空回りしてしまったな、と思えた話でした…。

 鬼結城の章<序章>~鬼狂い終宴の章…七郎「圭子は僕の事を…恨んでいたの?責めてたの?憎んでいたの?…そうか…哀れんでいたんだね。」

最期こそ「独りきりで死なずに済んだ」ものの、お互い寄りそってはいたものの、七郎の方は彼女に姉の面影を追っていただけ(圭子さんを慕ったのも彼女が「生きろ」と言ってくれたこと以上に、その「顔」が姉と見まがうほど似た顔だったからという理由がある。)で、圭子の方は鬼に変えられて下僕扱いという酷い目に遭わされながらも、そんな七郎に同情して憐れんでいただけでお互い「愛」でも何でもなかったというのが微妙に思えた結末でした。望んだ訳でもないのに呪われた能力を継承してしまった七郎は確かに哀れでしたが関わり合いになったおかげで強姦未遂を受けた後藤さんも思えばいい迷惑だったろうし(鬼に堕ちる女だろうが、堕ちない女だろうが、どっちにしろ女にとっての大迷惑野郎だという事実に変わりはなさそうです…ゲフッ!)そりゃ「彼氏」の鬼切丸も怒るだろう(「言ったろう。お前は必ず殺してやると。」by鬼切丸。)と日本刀で刺された最後に頷けてしまいました。ちなみに、ここまでしても七郎は無事だったそうで、後にまた登場する結果には詰めが甘かったな、2人共(トドメはきちんと刺しておきましょう。)とツッコミも入れてしまったものでした…。

 鬼結城誕生史の章…父「そなたの母は鬼であった。八重は結城を守る為、自らを鬼と化しお前を産んだのだ。そなたこそ鬼の申し子。そなたに流れる鬼神の血が我が結城を支えてくれると信じておるぞ。」

だから結城家は鬼が祖(鬼から生まれた)とも、祖が鬼(先祖本人=母親が鬼だった)とも言われていた訳ね、と誕生秘話に納得すると同時に何故、鬼と化す前に「普通の人間と」して産んでおいてくれなかったんだ、母ちゃん(おかげで戦場は地獄絵図です。)と皮肉にも一番大切な女(婚約者のお駒)を鬼に堕としてしまいながらの戦模様(勝ってはいるけれど、本人達は幸せではなさそうなんですが…。)に「…。」と思ってしまったものでした。鬼切丸によってこの戦国時代の当主・影続も滅ぼされてはいるのですが(やっぱり、呪われた能力を失くす為には「本人を殺す」しかないのか…。)既に時遅く、身重の妻・露葉によって脈々と血は受け継がれており、現当主・七郎の世代まで続いて行く(1467年応仁の乱→21世紀の現代まで、血を絶やすまでゆうに7世紀もかかったのか…ゲフッ!)と考えるとクラクラしてくる展開です。そんな七郎も、実は前話で死なずに生き延びていたそうで、完全に滅ぼすまでの鬼切丸の苦労が垣間見えたものでした…。

 鬼胎の章…幻雄「大人しくしてろ。お前もう臨月に入ってるんだぞ。」
さやか「何を言っているの?私、今日、倒れて病院に行ってきたのよ。そんなこと言われてないわ。『覚え』だって無いわよ!どういう事なの!?」

1年以上間違いなくセックスをしておらず、200%確実に妊娠でないと本人が断言できる状況でも病院はそこまで調べるんだな(性病だと何年も前から罹患していたのに自覚症状が出ていないせいで気づいていなかった→半信半疑で勧められるままに調べた結果、初めて不妊の原因が性病だったと分かった場合もあるし「一応、念の為」にとことんまで調べるのが病院という物らしい。)と感心すると同時に「一種類だけの検査をしただけで放置している病院」がいかにあり得ないか(もしも万が一あり得た所で、そんな対応の悪い病院は医療訴訟を起こされて既に潰れているだろう。)という、一般常識を弁えていない自分の穴にも気づかず「脳梗塞(父親)の事例なんて知っている自分」に酔ってリアリティ溢れる会話(嘘)をしているつもりの▲▲さんの浅はかさに、知らず溜め息が出たものでした…。(脳梗塞について語っている所、悪いけれど、そもそも脳梗塞は父親→母親と血の繋がり(遺伝関係)も無いのに発症したり、風邪のように空気感染してうつる病気ではないよ。)自分で読んで、そして貸している本の内容位ちゃんと頭に入れておけば良いのにねとストーリーと別の所でツッコミを入れてしまった話でした…。

 疫鬼の章…熊谷「どうやら運が向いてきたぜ。俺を『幽霊が見えると言って人を騙す嘘つき』だってバカにした奴ら、全員『鬼に目をつけられる』っていう俺の『嘘』に怯えるがいいさ。鬼なんているもんか。振り回される奴らが弱いんだよ!」

嘘で相手を騙していられる間も↑のようにほくそ笑むだけで欠片も罪悪感を感じていない、騙したおかげで怯えている人達を見ては悦に入っている(「嘘ついてごめんなさいって気持ちはねーのか!」by三原)人を騙す人間ってこういう思考回路で動いているんだなと何度も懲りずに「同じネタ」で騙そうとする匿名、そして化けの皮が剥がれた後も(もう誰も信用しちゃいないのに)今もなお「私、知りません!」と嘘をつき続ける▲▲さんの姿がダブりながら読んでしまった話でした。真実を打ち明ける機会はいくらでもあったはずなのに、今だってまだ間に合うのに、今さら全てを打ち明ける位なら(ただの嘘吐き野郎で皆を騙してきたという自分の「本性」を公に認める位なら)いっそ相手が「死ぬまで」嫌がらせして隠蔽しよう(そして疫鬼を送りつけられた三原も藤田も殺された。)ってつくづく見下げ果てた根性だな、と呆れると同時にブログのトップに書いた匿名&▲▲さんの2人はこういう性格な訳かと納得ができたものでした。でもね、漫画と違って私はちっともアンタ達に怯えちゃいないしそれで隠蔽できるどころか嫌がらせ(無言電話)を続けるだけ事態が悪化してるって事にも、そろそろ気づいた方が良いと思いますよ、匿名さん、▲▲さん。

 窮鬼の章…耕平「誘拐して悪かったよ。謝って済む問題じゃない事も分かってる。逃がした所で罪滅ぼしになるとも思ってないさ。ずっと憎んでくれてかまわないから…。」
梢「本当に憎まれ続ける度胸があるなら名前を教えて…!」

娘の梢を誘拐して父親から金を強請り(「うちは去年、母を亡くしたばかりなのよ。うちの会社だって危ないの。決して裕福じゃないのに…!」by梢)焦った父親は車の運転を誤って事故死してしまった、という状況で、同じ取り返しのつかない事をしてしまった人間(もはや謝って済む問題でもない)でも、このブログのトップに書いてある匿名や▲▲さんのようにまだ懲りずに同じ事を続けるのではなく最期はきちんと「本名」で相手に向き合って、自分で尻拭いをする覚悟を持った分だけ好感が持てた男でした。(むしろ影でコソコソ「偽名」を使いながら、犯罪行為にまで化した嫌がらせを続けて、そのくせ真っ向から憎まれる度胸も無くて、親や友達に尻拭いして貰わないと何もできない気の弱い変態である匿名とはえらい違いだ。)父親を死に追いやって恨まれるのも当然の展開なら、助けて優しくした事で見直されて命が助かったのも因果応報で、全ては自分がした事の「報い」だったな、と感じた話でした。

(10巻が見つからなかったので今回は割愛。また入手した時に追記します。)

 泣き鬼の章…妙子&あおい「栞、アンタの母親のしたこと、あたし達、許せない。許してほしいなら夜中に家を抜け出して10万円持っておいで。」
母親「連れてくる友達はロクな物じゃないし、テストは0点取るし、恥さらしな真似はもう辞めて!あたしは母親なんだから、アンタの為にも『酷いこと』を言い続ける義務があるのよ!これからもいつまでも言ってやるわ!」

「酷い言い方」ではあるけれど、言っている事は理に叶っていないだろうか(侮辱されたのを良い事に金を強請るなんて確かに「ロクな友達」ではないし、テストで0点を取る子供に何も言わずに放任している親だったら、そっちの方が問題あるだろう。)むしろ、ブログのトップに書いた匿名一家のように、娘が無言電話なんて「恥さらしな真似」(犯罪行為)をいまだに続けているのに何も言わない母親に比べたら、この母親は怒鳴りながらでも娘に理想の道を歩ませようとしている辺り娘がストーカーと化しているのに黙認している母親より、まだ救いようがあるだろうとさえ思えてしまったものでした。(「娘が言う事を聞かないからもう諦めます。どんなに周りに迷惑をかけていても私はもう知りません。」じゃなくて「これからもいつまでも言ってやる!」なんて偉いじゃないですか。)匿名の母親も、この位、子供に向き合う根性を持っていれば、息子は暴力男、娘はストーカー女なんて、産んだ子供全員が迷惑野郎に育ち上がる事もなかったろうにね(あの母親のおかげで娘の栞は親に怯えて自分の意見もロクに言えない内気な子に育ってしまったが、そのまま大人になった場合、少なくともニートやストーカーにまでは堕ちないだろう。)としみじみ思ってしまった、そんな話でもありました…。

 鬼喰いの章~鬼心中の章…智江「お願いよ、お願いだから…ドアを開けてちょうだい!」
椋子「帰れ、あばずれ!パパと結婚なんか絶対許さないから!どうせママを殺したのもアンタのくせに!」

もちろん家庭崩壊した「きっかけ」を作ったのは愛人の智江だったが家庭がありながら愛人を作ったパパだって言うなれば父親失格で、娘を置き去りに1人で自殺したママだって母親失格ではあった(「誰のせい」とかではなく皆それぞれに問題があり、仕方の無い展開だった。)…なんて軽い展開で済まされず、実は椋子が言っていた通りに全部、智江の仕業だった(「へえ、やっぱり親子だな。同じ所にホクロがあるぜ。」「ま、さか、ママを男達に強姦させて…だからママは自殺を…!」by後日談)とは酷い話です。(ていうか何でこんな性格の悪い女に引っかかってるんだ、パパは…。←思うにワンちゃんをやる男は肉体重視だから、性格や内面など、どうでも良いのだろう。)七郎の能力で鬼と化せられてとっとと寂影に食われた展開が救いと言えば救いでしたが、おかげで七郎は鬼喰い・寂影に見つかる羽目にはなったし最後まで傍迷惑な愛人だったな、と実感してしまったストーリーでした…。

 鬼かくしの章~凶鬼の章…幻雄「寂影は哀れな女、泣けない女、感情を捨てた女…悲しい女。同じ裏僧者として俺が何とか救ってやりてえよな。」

女(主婦)としても、人間(オールドミス)としても、霊能者(タレント)としても生きられず…弟(聖行)は殺されるわ、鬼以外食べられない体になるわ、かといって飢え死にもできないわ、彼女も彼女なりに酷い目に遭ってきたのは分かります。だけどそんなの彼女の勝手であって、そんな目に合わせたのは僧上様であって、全く関係が無いのに鬼おとしの能力を利用されている七郎や、何も悪い事をしていないのに鬼に変えられて食われている普通の女達はいい迷惑で、これはさすがに同情できないと感じてしまった女でした。(「女」として生きている人間を鬼に変えている辺りは、自分が女として生きられなかっただけに、いい八つ当たりになっていたのかもしれないけれど。)最後に椋子のおかげで(寂影のおかげではない)七郎がわずかばかりでも幸せに死ぬことができたのが救いでしたが、やっぱり最後まで好きにはなれなかった女でした…。

 怨鬼哀歌の章…良子「もう一度、せめて一目、あなたにお会いしたかった…。愛しているわ、あなたを…人間よりも何よりも純血の鬼のあなたを愛しているわ。」

誰の事も恨んでいなかったけれど彼への恋心だけで鬼と一体化した(「死ぬ前にもう一度彼に会いたい。」という気持ちで鬼と化した。)…とは、自分が原因であるだけに、彼もまた同じように淡い思いを抱いていただけに(それこそ、後に登場する鬼女・鬼魅香が「同じセリフ」を口にしただけで易々と唇を奪われてしまうほどに。)いつものように退治はしたものの、複雑な思いが残った様子です。「るろうに剣心」でも明治初年の神仏分離令(廃仏毀釈)による悲劇が描かれていたけれどここでもしわ寄せがあったのか(「やめろ!その仏像には長きに渡り封印されていた鬼どもが…!」by鬼切丸)と歴史事項を元に、彼が各地で苦労した(各地で仏像、寺院、仏堂、仏具などがことごとく破壊・焼却された=今回の良子の一件だけでなく、各地(全国)で封印が解けた鬼達を退治して回る羽目になった。)事も偲ばれた話でした…。

鬼切丸⑬~⑳

2010.06.19
 千葉西高校に通っていた頃、匿名の友人の▲▲さんが貸してくれた本です。折しも話の中にアドレスの表示はちょっとネットを齧っただけの女子高生レベルの腕で楽々と誤魔化せる話が載っていて、匿名みたいな「一般人」にはそうそうアドレス表示の誤魔化しなんてできるものじゃないと主張していた所を悪いけれど自分が貸した本の内容を自分で忘れてちゃ世話ないよな…と呆れた話でもありました。という訳で、今回は▲▲さんがあの日どんだけ説得力の無いことを言っていたのか改めて検証してみよう、と見直してみる事にしました。改めて録音を聞き直してみるとトップ記事に書いたものと話の順番が前後していました(話をした直後、速やかに更新する為に勢いのままに記憶力を頼りに書いたものなので。でも要点は抑えていたと思う。)が、より正確なのはこちらということで、じっくり書いて行くことにします。

<前日のメールより>
▲▲「明日なのだけれど、もし謎の日本人さんさえ良ければ待ち合わせの時間を14時→13時位に早めて、むしろちょいと遅めのランチはいかがですか?」
私「午前中、出掛けるので1:30に都賀で良いかな?」
▲▲「午前に用事がある日だったのね。うちは大丈夫だけど、謎の日本人さんは帰ってすぐ出発などになって、慌ただしくないかな?(アンタと会うのなんて)単なる思いつきだったので、無理させちゃうようなら会うの止めといた方が良いかなっ(汗)。」
私「別に大丈夫だよ。じゃあとりあえず1:30に都賀でいいかな?」
▲▲「謎の日本人さんは車?都賀駅付近だと最近コインパーキング減っちゃったから駐車するの大変かもしれないよ~?(困り顔)私がそっち行ってあげようか?もしくは現地集合とか、例えば千城台のココスとか?」
私「駅でいいよ。遠出させるのも申し訳ないし駅前のマックとかミスドでいいと思うけど。」
▲▲「や、明日雨らしいし、本も持って行くから車がおける駐車場ある所の方が私も楽だなあと…。」
私「ミスドの真向かいにパーキングあるから大丈夫だと思うけど。私の本なら別に濡れても気にしないし。」
▲▲「了解、じゃあ都賀駅で。」

再三、駅で良いと言っているにも関わらず、パーキングが乱立している駅付近を勝手に「駐車場の無い場所」と思いこませようとしてまで(脳梗塞で半身麻痺の父親を抱えているにも関わらず)何故この女はそんなにも「自宅付近」を嫌がっているのだろう…(挙句の果てには「謎の日本人さんの為に」という言い訳を利用して会う事自体を無かった事にしようとしている。奇しくも「時間に余裕がないから謎の日本人さんに無理させちゃうかも。2時間遅れになっちゃうの。」と「じゃあ今回はスルーしようか。」という言葉を期待してグズグズ言い始めた匿名と全く同じパターン)で、この2人はどんだけ同じ穴のムジナなのかと呆れ果てた。)という素朴な疑問から、うっかり匿名の話になって自分も一緒くたにあんな誹謗中傷コメントをよこした人間とほくそ笑みながら人を騙そうとした一味だと「周りの人間」にバレるのはマズイから人を騙す事自体には何の罪悪感も感じていないけれど。)という本心が垣間見えたものでした。で、当日、自分で時間を早めたくせに彼女が来たのは1:39。(じゃあ何か?提案通りに1時に待ち合わせていたら30分以上待たされる羽目になったって事か?)呆れた私が口を開く前に彼女が言った言葉がこれでした。

▲▲「ごめんごめん、雨だから遅刻しちゃった。エへへ❤。じゃあ私もドーナツ食べよーっと。」

32歳のいい年したオバタリアンが…エへへ?
(可愛い子ブリッコしている所悪いが、若さ溢れる高校の頃でさえ、どう贔屓目に見ても「可愛い顔」ではなかった貴女が顔からしてあの頃より太った現在、アンタが似合うのは「肝っ玉母ちゃん」タイプだけだよ…。)と初っ端からして言葉を失った上に、遅刻の理由が雨という事で頭の中ではずっと「風が吹いたら親倒れ~、雨が降ったら遅刻する~♪」という替え歌がハメハメハ大王のメロディーを伴って頭の中でリフレインしたものでしたが、気を取り直して少々雑談をした後、おもむろに鞄に手を入れて(レコーダーのスイッチを入れて)手帳を取り出して話を始めたものでした。

私「これを見て貰ってもいい?1月2日まで『私の返信』に対して誹謗中傷で応酬する形なのに、ちょうど▲▲さんに電話をした後から、私の返信も無いのに『IPアドレスが別人でしょ』って調子に乗って2連続でコメントを書いてきてるよね、匿名さん。アドレスの話ってまさに▲▲さんと電話でした会話だし、●っちゃんって名前は口にするし、どういう事なの?」
▲▲「書いてる、書いてないじゃなくて…私はただパソコンにアクセス解析みたいなのもついてて、ネットに繋いで気になるようだったらIP確認位してるって言っただけで、気にするのが嫌だから私は外した、それ位?IPアドレスなんてごまかしようが無いんだし、あのコメントは、その匿名さんとやらじゃないかもよって…」
私「去年、なりすまし犯罪とパソコン遠隔操作で片山祐輔容疑者が捕まったよね。どこのパソコンが使われていたかなんて、いくらでも誤魔化しが利くし、どれだけ当てにならない証明理由かって、日本全国に常識として広まってるよ。ついでに、ここに匿名さんからのメールがあるけど共通の知人である▲▲ちゃんからもアドレスとパスワードを貰っている(だからネット上で知り合った人もIPアドレスとパスワードをセットで教えて貰った以上は無断で住所を検索しても問題ナシ!)とハッキリ書いてあるんだけど?」
▲▲「酷いよ。ひょっとして私が(共犯者として)疑われてるの?全然関係無いのに。」
私「うん。だって無駄に態度変わってない?真実関係無いのなら涙目になったりしないと思うけど?」
▲▲「だって知らないもん、その人。何にもしてないのに、何でそんなことしたんだって言われたら、ふえええ~ってなっちゃうよ。」
私「(32歳のトカゲのような顔をしたオバタリアンが…ふええ?
「可愛いさ」で何でも許される女の子を演出したいんなら化粧位しようよ…。高校の頃からも思ってたけど少女趣味が文字通り「少女にしか似合わない趣味」であるように「本人が目指している方向」と「周りから見た本人のイメージ」がずれている人って見てて痛いよな…。)
その割にはタイミングと内容が合い過ぎているんだけど…。」
▲▲「こんな沢山の人に聞こえる所で…初めて聞いたし、その人の事も。」
私「(人に聞かれるって…この人、周りにバレること以外は何も気にしていないの!?
じゃあ、●っちゃんが、●っちゃんがって電話で言ってたのは?」
▲▲「あの~、携帯の登録って普通フルネームで入るじゃない。それが何かフルネームじゃなくてあだ名で入った人がいるけど、それ、●っちゃんだったっけ?●っちゃんって知らないんだけど…あ~、何かもう全然分かんない。」(携帯いじり)
私「(いや、聞いてるのはこっちだし!訳分からないのはアンタだし!)
電話の時も何でブログの話でいきなりその名が出るのか分からなかったんだけど?」
▲▲「あ!これ!大学の友達の●っちゃんの事だと思う!ほら、携帯にもこの通り別の苗字で登録されてるでしょ。バイト先の友達で、もう2年間も連絡取って無いんだけどね…。」
私「いや、だから何でブログの話をしている時に2年間も連絡取って無い全く関係無い他人の名前が出てくるのよ!普通におかしいから!大体あの時、途中から(大学の友人じゃなくて)妹ちゃんって言い直してたけど!」
▲▲「妹ちゃん!謎の日本人さんの妹って●ーちゃんじゃなかった?それで妹ちゃん、妹ちゃんって!」
私「(ついさっきまでの大学友人説と話が変わっているんですけど?ていうか今の今まで、うちの妹の存在なんて忘れ切っていただろ、お前!)
あのね、高校入ってからできた友達の『▲▲ちゃん』はあなただけ、アクセス解析したらって言ったのもあなただけで…」
▲▲「ふ~ん、そういう疑い方されてたのね。でもね、知らないし。」
私「●っちゃんがって名前といい…」
▲▲「ブログやるんならアクセス解析つけたらって私は謎の日本人さんの為に言っただけ。で、●っちゃん自体『知らない』し、誤魔化しやってるつもりも全然無いし。ふ~ん、それで疑う訳だ~。」
私「(自分がした事も棚に上げて、何、居丈高な態度に出てるんだ、この女…?)
だってあの日電話したのは、あなた1人だけなんですけど?
▲▲「…!し、知らない!私、知らないし!」
私「(図星を指されて言葉に詰まるその態度だけで充分だよ!)
知らないとか本人じゃないとかじゃないんじゃない?」
▲▲「知りません。知りません。私は謎の日本人さんの小学校も中学校も知りません。なのに、なのにウソついて酷いって言われているんだよ!?」
私「(化けの皮が剥がれた後でよく「被害者面」ができるな…。)
あのさ~、別に怒ってないからさ…」
▲▲「怒ってなくても疑ってるでしょ。『あなたでしょ』って言ってるでしょ。でも私、その人全然『知らない』もん。知らない人だよ、本当に。」
私「もし知り合いなら、今までの事といい、騙すのは辞めてほしいなって…」
▲▲「だけど『知らない』もん!仲良くしてない人とそんな事しないし何度もブログ見たけど、ああ、記事消したんだなって思っただけでそんな風に見られる事も無いし…そんな風に言われても何なんだって…。」
私「(ハァ!?この人、『知らない』人の汚点がブログから消えているかどうか何度も何度もチェックしてた訳!?
言ってる事もタイミングも、全部おかしいよ?」
▲▲「……。(黙々と帰り仕度始め)
知らない人は知らないとしか言いようが無いと思うけどね。」
私「……。」(彼女が店を出て姿を消した所で録音止め)

その2日後にされたのが匿名から私の携帯への非通知無言電話でした
(そのタイミングを考えても、ツーカーで結託していたご友人同士に間違いは無さそうです。)泣き落としの被害者面から、居丈高な態度へと一気に180度態度を変えられるこの人って凄いな、と(別の意味で)感心すると同時に、つまり涙目で切々と「疑いをかけられている冤罪少女」(という年齢でもないが)の顔をしていたのは全部「演技」で泣き落としで罪悪感を刺激して(または居丈高な態度で押さえつけて)良いように人を騙そうとしていただけだったのか、と納得もしたものでした。その後1年以上の長きに渡って人の実家にまで無言電話をかけてくる匿名も匿名なら、知っていて止めない(それどころか仲良く「協力」して増長させている)▲▲さんも▲▲さんで結構なクズだな(第三者のフリをした悪質な嫌がらせじゃないか、こんなもん。)としみじみ思ってしまった、そんな元友人達でした…。



 この巻から作者は双子の姉の指導の元にカラー原稿にCGを使い始めたそうで時代の流れを感じた(ちょうどコンピューターが普及し始めた時期で他の作家の作品でも背景にCGが使われたりすることがみられるようになってきた。今ではコンピューターの精度も上がって背景や効果の全てを処理している作家もいるんだとか。)ものでした。相変わらずテーマが深くて面白い話ばかりだけど、このクオリティを維持するのは大変だったろうな、と連載が完結したのには納得が行ってしまった、そんな最終章でした…。

 無邪鬼の章…子供A「先生が生きてる…鬼はいなかったの?」
子供B「そんなはずは…鬼は、いるのに!」
若槻先生「何よ…あたしが無事だとつまらないの?くやしいの?『あたしを殺したい』のは鬼じゃなくて、あんた達の方じゃない!」

怖い気持ちは分かるけれど頭ごなしに怒鳴りつけて、気に食わない事を言ったからって平手打ちをして、挙句に子供達の前でパニックを起こしてしまっては教育委員会で問題にされるな(大人でも怖いものは怖いという気持ちは分かるけれども本来守るべき子供に対して「何で私の事を分かってくれないの!?」と喚き散らすのは違う気がする。それを言いたいのは往々にして子供の方でしょうし、優しく接する余裕が無いからと開き直って相手に甘ったれようとするのには微妙に感じた結末でした。子供に気遣われてどうするんだ、先生。)と現代の風潮の元にツッコミを入れてしまった話でした。確かにこの先生は担任を降りて少し休んだ方がいいな(隣から「何事ですか、騒がしい!」とすぐ駆けつけてくる女教師の方だったら頭ごなしに叱りつける形を取っても最後までそれを貫いてくれることだろう…。)と思ってしまったものです…。

 鬼患いの章…拓巳「見てくれよ、これが僕の体だよ。何故この体を嫌ったんだろう?どんなにか細くとも病と闘っていて、こんなにも猛々しいのに!」
鬼切丸「ああ…うらやましいよ。」

病気にも打ち勝てる怪力を誇る体でも鬼の体では意味が無い(拓巳くんが鬼にならなければ病気で死んでしまっても、幼馴染の健康体の李枝が死ぬことは無かっただろう。死因は車をよける為に突き飛ばされた事が原因だったが、彼が鬼である以上、愛した人間として遠からず食われていたと思われる。)鬼の力なんて物でドーピングなんてしないで今の自分のままで生きていくのが(それが他人と比べると、どんなに理不尽な条件の元の人生でも)人間というものなんだろうなと思った話でした。同じように鬼として生きていて人間として生きられないまま長い時を過ごしていた鬼切丸にとっては(日本刀を振り回すほど体育会系な健康体でも)鬼から人間になれたのを目の当たりにした羨ましい姿でもあったのでしょうね。しかし「事故」から一ヶ月も経つのに未だに彼女の死体が発見されていないのには車も巻き込んでの交通事故だったのに日本の警察は何をやっているんだとツッコミも入れてしまったものでした…ゲフッ!

 鬼性の章…朱実「昨夜の小学生惨殺事件は死んだ秋穂ちゃんがやったのよ。あれからもう5年もたつ事に気づかずに『当時の姿の朱実』を捜してるんだわ。」
友人「いいかげんにしなよ、朱実。何をいつまでも被害者ぶってるの?あたしは死んでしまった子に妙な疑いをかけて悪く言う方の人間性を疑うわ。」
朱実「あたしの味方じゃなかったの…!?」
友人「味方かどうかって言葉を出すのがおかしいって言ってるのよ!あんた、何かやましいことでもしたの!?あんたの言う味方って共犯者になってくれるかどうかって意味じゃないの!?」

匿名もこんな感じで事実を歪曲しながらインパクトのある部分だけを抜粋して話を作って(「謎の日本人さんに匿名扱いを良いことに人(ボク)のプライベートをネットでボクの許可も無く公開するなんて酷いことをされてる。今もそうやってずっといじめられているボクは誰にも言えなくて…。」「そりゃそのプライベートで『頭がおかしい』とか『精神病院行け』とかの誹謗中傷コメントを送りつけまくって、挙句に1年以上も無言電話を続けていることなんて『誰にも言えない』でしょうねぇ。」)友情を盾に周りの人間を利用してきたんだろうな(阿吽の呼吸で結託して人を騙そうとした▲▲さんのように匿名にとっての「友達」とは自分が影で何をしても共犯者として一緒くたに事実隠蔽に加担してくれる人間のことを差すのだろう。あまりに頭の悪過ぎる嘘の様・事実を指摘されるとすぐに言葉に詰まるバレバレの態度に騙されようも無かったけれど。)と自分でついてきた嘘を突き崩されて自滅した最期によりリアリティを感じた話でした。どんなに白々しい嘘で周りを誤魔化そうとしても騙されてくれるのは「友達」だけ(「ここで味方しないと匿名という癒し系の友人を失ってしまう。」と強迫観念に駆られる人間だけ。影でこんな事をする人間なんてむしろ友達として関わり合いになりたくないと思うけれど。)ですし本当の事の前には誰もがアンタに呆れているよと改めて実感するきっかけになった話です…。

 花鬼の章…伊織くん「彼女は鬼になるのに二百年かかったんだ!鬼にならずにいた二百年を切り捨てないでやってくれ!葛葉をこれ以上、傷つけないでくれ!」

「廓源氏」(by本当は怖いグリム童話)を読めば分かりますが、花魁とはいえ足抜け(逃避行)しようとすれば男女共々酷い拷問が待っており、橋で落ち合う以前にあんなに大勢の人間にバレながらよく抜け出す事が出来たな(よほど鬼のような勢いで殺しまくりながら爆進したんだろうな…。)と待ち合わせの場所に行く事には成功した経緯に驚かされたものでした。そして彼女の姿が見えないと分かると自分1人でサッサと逃げ出した男(伊織くん)の甲斐性の無さ(そりゃ、これだけの連続殺人の片棒を担いだような形になってしまえば廓の人間が皆殺しになっても警察に追われるだろう。)にも納得がいってしまったものです…ゲフッ!思えば今世で伊織くんが乃梨子に惹かれたのも200年も「待つ女」だった葛葉の面影を追っていた部分があったのでしょうね。鬼として消滅する前に人間として成仏出来た経緯に素直に感動できた話でした。

 悪路王の章…鈴鹿御前「私も名を持たぬ鬼であったなら、悪路王の呪詛にとらわれることも、今の家族を失う事も無かったろうに…。」

だから鬼切丸は戦国時代から活躍しているにも関わらず(一体何百歳なのやら…。)未だに名無しで通っているのか、と彼に名前が無い理由が今更ながらに理解できたものでした。どうやら鈴鹿御前は3巻で「死にたくない!」と妊婦(胎児)に寄生して人間として生まれ育った男の子のように「人間に宿って暮らしてきた」(生まれ変わりではなく「本人」だと鬼切丸も言っているしね。)様子で名前が偶然にも全く同じだった為に呪いにとらわれて惨劇が起こった様子です。(雑鬼達の加護があるのは「鈴鹿本人だけ」で家族である人間の方は命令しない限り守ってくれたりしないというのが悲劇の始まりでした…ゲフッ!)最も夫(悪路王)がいながら人間の男(坂上田村麻呂)と重婚して元夫の方を滅ぼしたら恨まれるのは当然(不倫の果ての殺人事件か…。)で呪われる理由に関してだけは頷けてしまいましたが…ゴフッ!

 鬼戒めの章…母「何もかも分かっているんだ。謝られても悟はかえってこない。この子を許さなくても悟はかえってこない。あたしが鬼になっても悟はかえってこない。」

母親を泣かせた事で死体から鬼になったけれど鬼切丸に早々に斬られて死体ごと消滅してしまった悟。悟に襲われた事でうなされて寝言でベラベラと本当の事(実は自分は骨折とリハビリに苦しむ被害者ではなく、無免許で運転して後ろに乗っていた悟を死に追いやった加害者。だけど死人に口なしとばかりに都合の悪いことを黙っている。)をしゃべってしまった為に母親に呪われてどんどん鬼の体にされていった耕治。けれどこの話で一番可哀想なのは↑のセリフからも分かるとおり冤罪を着せられて「加害者の遺族」扱いされて責められ(耕治も「言ったら俺が人殺しになっちまう!」とビビって黙るのではなく、この時に真実を言ってればな…。)息子の遺体も失くし(鬼切丸で塵にされちゃったもんだから…。)真犯人を呪いつつも決して救われていないこのお母さんだろうな、と実感したものでした。最後は耕治も警察に全てを話す決意をしていましたがそんなもん、母子共に死んでしまった今となっては全てが遅いだろ(むしろ事故の直後に話すべきだったろ。)ともツッコミを入れてしまった話でした…。

 鬼見の章…鬼切丸「何を泣く?少なくともアンタの先見は破れて彼女はあんたを守り、あんたは彼女をこの俺から守りきったんだろ。」

確かに予知(死に方)は変わったけれど…友達も彼氏も失ってしまった結果が同じなら本末転倒と言うのではないか?とツッコミを入れた所で他にもう一つ自分が死なずに済んだという大きな改変が有ったことに気がつきました。(結果として一つだけは「死ぬはずの命が助かった」という点で未来は変わった。)元々柚子は友也の恋の橋渡しの為(だけ)に、いい人を演じて、ひかるに声をかけたに過ぎなかったけれど、もしかしたら2人はずっと友達止まりで終わって、ある日ずっと側にいた自分を振り返ってくれるかもしれない(けれど今の「惚れた女の話までベラベラ話す状態」ではそもそも恋愛対象からも外されていて絶望的だ。)とずっと我慢していたのに、ひかるが気持ちに応え始めた事でとうとう我慢の限界が切れてしまったんでしょうね。ただ一つの誤算は一緒に付き合っているうちにひかるの事も本当に友達として好意を持ってしまったという点でしょうか?ひかる自身が友也よりも柚子の方が好きなのだから「橋渡しをしてはいるけれど実は自分は友也が好きだからくっついたりしないで。」と友也に内緒で釘を刺しておけば、それで進展は防げたんですけどね…。

 鬼弔いの章…守り鬼「20年に一人、若い嫁をくれたならば一族に富と運をさずけようぞ!守り鬼になってくれようぞ!」

それって富も運も無い所から始めなければいけない一般的大多数の人達に言わせれば同じ土俵の上に立つのに鬼の力で下駄をはかせて貰っている狡い取り引きだよな(生贄を捧げなければいけないとはいえ強運ゆえに何をやっても「成功する」事が始めから約束されているって…恵まれてるよね。)と支配されながらも甘い汁を吸っていた香寿一族の意地汚さに「…。」と思ってしまったものでした。挙句に守り鬼様が怒って一族郎党を再度皆殺しの目に遭わされても、そんなのどこ吹く風で守り鬼が家から逃げてしまう事の方を心配している(明らかに気にかけるべき点はそこではない。)おばさまの姿に「…。」と思えたご一家です。守り鬼が斬られた事でこれにて「鬼の加護」(その代わりの生贄の風習)はお終いとなった訳ですが、冷静に見ればこれで皆と同じ実力主義の立ち位置に立っただけで鬼の力でえこひいきされてきた今までの方が異常だったろうとツッコミしか入らなかったものでした…。

 讐鬼の章…小沢ひろみ「お姉ちゃんをあんなに苦しめて、死んでから悔い改めて無かった事にしようなんて認めない!」

実際のいじめでは死んだ後でも「悔い改める」ことすらせず、無かった事にしようとする例が大半(被害者は元々泣き寝入りしそうな人間を選んで行っているのだし、後は周りにバレないようにさえすれば自分が責められる事は無い。「ただの悪ふざけのつもりで、まさか死ぬなんて思わなかった」のではなくいかに皆に知られないように嫌がらせができるかを入念に考えていた。)であり、原因の全てが自分の行動に有ったと明らかになっても「悪気は無かったんです!これからはしませんから!(だから「今まで」の事は全部チャラで!)」とマトモに謝ることすらせずスルーしようとする例が大多数であることは、このブログのトップにも書いた散々嫌がらせを続けながら友達皆にバレたとたんに一時的になりを潜める(要するに悔い改めた訳ではなく周りから責められる事だけを気にしている)匿名の行動からも分かるので、一応罪悪感に苛まされている分だけこの子達はまだ救いようがあるかな(分かっていながら同じ事を繰り返している辺りはダメダメだけど。)と思ってしまった話でした。復讐の念も浄化されたし、これからは真実マトモなクラスとして機能していく事でしょうね。

 付喪鬼の章…仁科葵「鬼になってまで傍にいようとした妻、鬼でも良いと受け入れた夫。割って入れる訳がない。嫉妬に狂い、きっと私も鬼になる。」

鬼まで受け入れる男なのに、自分にはプロポーズ一つしやしない(夫という「彼女に愛されている男」として妻が完全に鬼になったら真っ先に食われるであろう人間なのに受け入れた。その勇気に比べれば、生きた女に再婚相手としてプロポーズする勇気など何という事は無いだろう。なのに「聡の母親代わり」という「乳母」の役目以上の物を彼女に求めようともしていない。)その時点でたとえ妻本人がそこにいなかろうとも勝負は既に見えていたという事でしょうね。(聡が自分に懐いてくれている、その点も利用して押し切れば、あるいは「妻の座」すらゲット出来るかもしれない。けれどそれは「夫のこの人」が自分を必要としてくれている訳ではなく前妻と同じように「夫婦なのにこの人に愛されているのかどうか分からない!」と悩むことにしかならないだろう。)体裁を整えるだけではたとえ結婚しても幸せにはなれないという話で、奥様も自殺する前にまずは夫とじっくり話し合うべきだったな(自殺までしなくても「実家に帰る」だけで充分にありがたみが分かると思うよ…。)と語りかけてしまったものでした…。

 鬼呪いの章…佐和子「あたしのおまじないは絶対なのよ。大吾に殺されたあの日から!」

それよりも何よりもアンタは「大吾という名の男」なら何だって良かったのか?と自分の恋人の方の大吾(死体)はしっかりキープしながらも(「壁に彼の血で彼の名を100回書くの。これでもう彼はどこへも行かないわ。」「そりゃ、そこまで血を流されたら普通に死ぬでしょうねぇ…。」)隣に引っ越してきた「新しい大吾」(全くの別人)に手を伸ばしている佐和子にツッコミを入れてしまったものでした。最後はおまじないに現・恋人の椿までハマってしまいましたが、そもそも恋人がいるのに隣の部屋の女に浮気した大吾が全部悪かったんですし、所詮おまじないの効果は呪いの「一歩手前」でしかなく本当の意味で人の心を自由には出来ない(その証拠に、あの佐和子さえ「生きた大吾」の心を手に入れる事はできずに、2度も男に逃げられている。)のだから、そう気に病む問題でもないだろう(大吾に突き放され、佐和子に殺されかけ、死体まで見たら普通に精神的に参るって…。)とリ・スタートを切ったおまじない女の話に反して男の側に心配も同情もしなかった私でした…。

 狂鬼の章…先生「どうして君が怖いんだ?むしろ怖かったのは殺された聖くんの方だろう?お前はあの子の痛みも苦しみも悲しみも死すらも忘れてのうのうと暮らしていたんだ!」

「あの子は何も悪くないのに、お前が待ち合わせ場所で隠れていたおかげで殺人鬼の犠牲になったんだ!」と父親は言いますが、待ち合わせにきちんといた所で本当に聖くんが無事で済んだかは殺人鬼にしか分からない話で、下手したら蛍も一緒になって殺されていた可能性だってある(蛍がその場にいた所で、周りに殺人鬼を止められる大人が一人もいなかった事実に変わりは無い。その通り魔が「子供が2人いる」事で諦めてその場を去るか「獲物が2人もいる」と喜んで惨殺に走るかは神のみぞ知る。)ことを考えると「お前は何も悪くは無いよ。」(もちろん一番悪いのは通りすがりの殺人鬼であり、未だに犯人を捕まえられない無能な警察である。)と語る鬼切丸の言葉には深く頷けたものでした。先生も鬼になったのなら、犯人を捜し出して殺すことは出来なかったものかと(鬼って探査能力は無いのね…。)ちょっと考えてしまったものです…。

 双鬼の章…桜子「ずっと一緒に育ってきたのよ!今さら…!」
緑子「そうよ桜子!あたしたち十年も一緒だったじゃない!」
桜子「十年?じゃあ生まれた時から一緒だった、あの緑子はどこ?」

A、腹の中です。という訳であの時も今も条件は全く同じ「緑子の姿をした鬼を庇って鬼切丸を止めていた」のに、大きくなって状況を理解できる頭を持つまでに桜子が成長したこと(子供の頃は鬼切丸が何度「お前の片割れはこいつに食われたんだぞ!ていうか、たった今お前自身が噛まれたばっかりだろ!」とツッコミを入れても、それが緑子の姿であるというだけで聞く耳を持たなかった。)愚かにも緑子(鬼)が双子の片割れではないと自分で開き直ってカミングアウトしてしまったこと(一緒にいたのは緑子を食い殺してからの10年であって、こいつが本物の緑子を食い殺した事実に変わりは無い。)から庇うのを辞めた(うん、普通にこんな奴は庇いきれないだろう。)ことで今度こそ鬼切丸に斬られてしまった緑子。最後の最後で桜子の事を「大切な獲物」ではなく「もう一人の自分」として認識していましたが、別に鬼の本性を押さえ切れた訳でもなかったですし全ては遅過ぎたんでしょうね。結果として他のクラスの女子生徒という犠牲者も出ていますし、切ない反面やりきれない話でした…。

 鬼狩りの章…歩くん「こいつだ!見つけたぞ、鬼め!よくも智香お姉ちゃんを~っ!」
後藤紗英「彼は果たして全てを理解して自滅したのかしら。それとも、ただ鬼狩りをしていただけだったのかしら。」

鏡に映った姿ではなく自分に対して攻撃を行った(自分の首を掴んで引きちぎった)辺りそれが「自分」だという事は分かっていた(元々、変貌していく腕から、周り中の人間が鬼に見える妄想とは別に「自分が鬼になりつつある事」は理解していた。)のだろうと思われます。最初は純粋な復讐劇だったのが自分で殺人を行った後ろめたさ(相手は何人もの女性を滅多刺しにしてきた連続殺人犯なんだから!と自分を正当化しているが、それはそれとして一人の人間を惨殺して良い言い訳にはならない。仇討ち自体も明治5年から法律によって禁じられている。)から、どんどん暴走していった彼。殺人犯が言うように「目当ての相手を自分の好きなように殺した」時点でやっている事は犯人と一緒であり公の場に出れば誰も自分を許さない(これから一生ビクビクしながら生きていかなければならない。)事は頭のどこかで分かっていたのでしょうね。智香お姉ちゃんも他人(歩くん)に頼らず自力で復讐を果たせば良かったのに(おかげで次々と2次災害が…。)と思ってしまった話でした。

 鬼恋慕の章…岡田先生「ほら、予鈴なったぞ、席につかんか。」
ちひろ(ひょっとしたら…先生に想いが通じた?)

出席簿で軽く頭をポンと小突かれただけで、想像妊娠(!)をするほど思いを募らせるちひろの姿(「ここにね、赤ちゃんがいるの。」「いや、一週間でどうしてこんなお腹に…。」「だから先生とあたしの子よ。」「ちひろ、アンタ保健体育の授業マトモに受けてこなかったでしょう!?」)に空寒い物を感じてしまったと同時に全く相手にされていないのに「こんなに好きならば、先生もその想いに応えてくれているのなら(応えてません。)食ってしまえば良いんだ。」と勘違い思考を炸裂させている彼女の姿にこういう女をザウルスって言うんだろうな(思い人が違えば立派に次の連載作に登場しそうだな…。)と少し引きながら読んでしまった話でした。結局、現実(先生は大の男が思わず涙して無事を喜ぶほど現・婚約者の事を愛していて、自分なんて目の前にいてもまるで視界に入らないほど全く相手にされていない。)を理解して自力で立ち直っていましたが3ヶ月後には式を挙げるというこの時に深い傷を負わされた婚約者は本当にいい迷惑だったろうなと真の被害者カップルの方に同情してしまったものでした…。

 起屍鬼の章…覚丹「来たか、英生…。」
鬼切丸「俺に名など無いよ。お前の死でその名だって意味を失くす。」
覚丹「いいや、意味が残るのだ。若かった私とお前が出会った意味が…。」

いや、法力「僧」なのに何で若かりし日のこの人はハゲてないの!?(いくら西洋化が進んでチョンマゲが無くなった時代とはいえ、お坊さんは平成のこの時代にもまだ頭を剃ってるよ!だっていくら髪の有無と法力は関係ないと言ってもお葬式で読経あげてくれるお坊さんが髪の毛フサフサだったら、やっぱり有り難みが出ないじゃないですか。)と話とは関係ない所が大いに気になってしまった私でした。という訳でこの話の時代は明治、そして今は大正→昭和→平成となっている現在の時代設定(次の話なんてインターネットが登場してしまっている。)にこの覚丹大僧正は一体何歳なんだ…!?(明治の若かりし頃だって、どう少なく見積もっても十代中頃は過ぎていたでしょうに。)と改めて変な所が気になったものでした。そりゃルポライターの後藤さんも「彼が存命だったとは盲点だったわ。」(というか普通は誰もそんな年齢の人間が存命だとは思うまい。)と話を聞くまでに17巻もかかった理由に納得できた話です…。

 電脳鬼啖の章…俊美「名前とアドレスはでたらめに表示して…と。」

ふ~ん、そういう事って専門学校にも行っていないパソコンを齧っただけのその辺の女子高生レベルでできる誤魔化しなんだ…(何が「片山被告みたいな『技術者レベル』じゃないと出来ない技」だって、▲▲さん?)と中傷メールを送りつける主人公の姿から改めてこのブログに誹謗中傷を書き込んだ犯人が誰だか確信が持てたものでした。挙句に自分で文章を打ち込んでおきながら「よくもボクの悪意を公開しやがって!」と逆ギレしている様には、きっと匿名もこんな感じで逆恨みに走っていたんだろうな(何でこんな嫌がらせメールを送りつけてくる奴を慮って泣き寝入りしなきゃいけないんだろう?問題はネット上に晒されていることじゃなくて「誰が見てもドン引きされる嫌がらせを続けるアンタ自身」にあるでしょうに。)とバレる事だけを心配している主人公(だったら始めからそんな事しなきゃいいだろ。)の姿にリアリティを感じたものです。自分のした嫌がらせの全てが全部自分に帰ってきている様(知り合いの皆にも自分がやってきた事はバレているし、自分が書いた内容もそのまま返ってきた。)様にはこれぞまさしく因果応報だな、と全く同情できなかった女でした。要するに始めから間違えてたんだよ、アンタは(漫画だったら「やり直し」がきくけど現実はそう都合良く進まないよ。)と思わず語りかけてしまったものです…。

 鬼願の章…みなみ「祈願地蔵って知ってる?そこに葉月君が転校しちゃいませんようにってお参りに行ったのよ。千恵利ちゃんはね、葉月君のこと好きだったの…。」
葉月君「みなみちゃんは?言ったろ、会えて良かったって。俺はみなみちゃんに会いに来たんだよ。」
みなみ「いや、8年間何の音沙汰も無かったのに、いきなりそんなこと言われても!」

誰にも言わないという約束を破った(それもよりにもよった人物(好きな人)に喋った。)だけでは飽き足らず目の前でキスシーンまでぶちかましてしまっては、そりゃ、恨まれるだろう…と恋話の普通ならあり得ないスピーディーさに驚かされると同時に、その後の「そうか、あたし、葉月君に送って貰ってそれから寝ちゃったんだ…。」というベットの上でのモノローグに大誤解してしまい(「寝ちゃった」って…。でも再会したその日に場所も構わずキスしている速やかなお二人なら何の不思議も無さそう…ゲフッ!)さらに焦らされたものでした。千恵利ちゃんが鬼切丸で斬られても人間に戻っただけで塵に還らずに済んだ辺り葉月君は無事だった(人間を一人も殺していなければ、まだ完全な鬼ではなく体に刀傷が残るだけで済む。)のでしょうが、おかげでそれが祈願地蔵のおかげなのか、単なる偶然に過ぎないかは微妙な所だな(多分、祈ったおかげじゃなくて確実に後者だな。)とも思えた話でした…。

 宿り鬼の章…山岸「鬼でも、それでも僕に笑いかけてくれるなら、僕に触れてくれるなら…。」

食べられちゃってもかまわないですか…(「それがお前の望んだ結末なら、好きにするがいい。」by鬼切丸)と鬼切丸を持った彼共々呆れながら終わったお話です。結局、天志くんは帆波の外見だけに恋していた訳でオタクな自分を嫌っている彼女の中身(彼女自身)なんてどうでも良かった(「触らないで!」なんて言う帆波は酷く嫌だったけど、中身が鬼でも「自分だけを慕ってくれる帆波」ならたとえ自分を食べちゃう事を目的にしていても有りだった、と…。)事が分かります。彼女が瀕死の重傷を負ってもそんなことは瑣末な問題(「自分を求める帆波」かどうか以外はもう本当にどうでもいい。)という彼の様には申し訳ないけれど振られるのも納得してしまったものです。最後は死ぬ寸前の帆波に左胸(よりによって一番心臓に近い場所)を食われた為にお亡くなりになった彼。歪んだ愛し方とはいえ最上級の愛し方で触れて貰えた事で、死んだとはいえ満足だったのでしょうね…。

 虚鬼の章…さくら「幽霊に捕まるのはアンタだけのはずだったのに、どうして交換日記なんかやったのよ!」
由比子「さくらちゃんがあの部屋の子と仲良くしろって言ったから、そしたらもう殴ったりしないって言うから…!」

親子3人仲良さそうで、仕事にかまけて自分の側にいてくれない両親を持つ自分としてはうらやましくて、ついいじめてしまった(そんなの自分の両親に直談判すべき問題で何も知らない転校生をいじめても何も解決しない。)と彼女は言いますが、それにしては服に隠れている所を狙って殴ったり(周りの大人にバレないように悪知恵を働かせている。)幽霊がいると評判の、既に「被害者」が出た場所に向かわせたりやり方がどこまでも悪質で、仲直りする以前の問題としてこんな友達はいらない(むしろこんな人間と仲良くなんてやってられない。人に知られずに嫌がらせをすることしか考えておらず、まずい事態になると(そもそもの原因を作ったのは自分なのに)逆ギレするってブログのトップに書いた匿名さんのようだな。)と個人的に思ってしまったものでした。最後は友達として助けを呼ぶまでになったけれど、それだって他に庇ってくれる仲間もいなくなったから「手の平を返した」だけでしょうし微妙に思えた友情の様でした…。

 鬼子母神の章…姑「待ち望んだ孫の顔すら満足に見られないなんて孫がいないのと同じではないかえ。これでは前と何も変わりはしない…!」
お葉「どこか痛い訳でもない。食べていけない訳でもない。けれど、ただ、ただ地獄だった。」

今までの例だと鬼の子を産んでも女達はそのまま産み捨てるだけ(下手したら産んだことすら忘れている。)一緒に暮らしても鬼の破壊力(という名の無差別攻撃)を自分の身を守る為に「利用する」だけなのに、彼女の場合は本当に珍しい鬼でも立派に自分の子供として愛している事例です。そしてまた鬼(千代の介)の方もその気持ちが恋でない為か「愛している母親」の事だけは食い殺そうとしていない(ちゃんと言う事を聞いて食料として襲おうとした人間の事さえ放している。言葉を話して理解力もある辺り鬼の中では実は頭が良い方なのかもしれない。)という普通ならあり得ない関係には鬼切丸を持つ彼でさえ驚愕しているほどでした。最後は人里離れた山で人間として暮らす(人がいない所なら襲いようもないからね…。)事に決めた母子でしたが、鬼の体を持つ息子の方が人間の母親よりも確実に長生きする訳で(鬼が人間に変わった例も未だかつて無いし)母親の寿命が来たその時、一体どうなるのかちょっと不安にも思えた話でした…。

 鬼麗の章…女生徒A「本当、杏奈って華やかで目立つよね。」
女生徒B「でもさ、あたし山本さんの方が可愛かったと思う。何か誰かに酷い嫌がらせ受けてたらしくてノイローゼになって転校しちゃったけどね。」
杏奈「あたしより綺麗な子は許さない…!」

要するに杏奈は鬼魅香が登場する前から「自分より綺麗だと評価された女」に嫌がらせをしては消していく鬼のような性格の女で、鬼魅香はただ彼女の本性をエスカレートさせたに過ぎない様子です。(とはいえ意図的に暴走させなければ彼女はまだ「ただのいじめっ子」止まりで少なくとも人間として生きていけただろうことを考えると鬼切丸が言うように「ふざけるな!この鬼が!」(無駄に鬼を増やして俺の仕事を増やしやがって!←そこ?)と怒るのには頷けたものでした。結果としては「一人も殺さずに済んだ」おかげで鬼切丸で斬られても消滅すること無く人間に戻れた彼女でしたが、服を脱いでみれば後藤さんと同じく大きな刀傷が残っている(もう綺麗とは言えない体になった)はずですし失ったものは大きいだろうな(少なくとも「綺麗な女」を一番評価する男達からはドン引きされる体になっているだろうな。)と痛い目には一応合っている終わり方に納得した展開でした。

 鬼女の章…優羽「誰かあいつらを殺して!あたしを死ぬまで追いつめたあいつらを…!」
鬼魅香「いいわ。」

仕返しにしてはやり過ぎ(男達は力づくで輪姦をしただけで復讐(同じだけの辛い思いをさせる)なら彼らのバックバージンを輪姦させるべき話。ましてやこんな男達の為に死んでやる(命をかける)価値などどこにも無い。)の気があるとはいえ、鬼魅香が彼らを自滅させていかなければ彼は女を怒らせたら怖いという当たり前の事も未だに学習しないまま、後悔すらしなかっただろう展開を思うと鬼魅香さん、グッジョブ!とどうしても拍手が湧いてしまう私です。殺そうとしたのも女(優羽)なら、怖がっている彼を救おうとしたのも女(優羽)だった訳ですが彼がどこまで優羽と鬼魅香の件を結び付けているかは疑問ですし女は怖いだけでもない事実も分かっているかどうかは微妙だな(最もこんな男は一生縮こまって生きて行った方が全世界の女の為のような気もするが。)とも思ってしまった話でした…。

 鬼細工の章…後藤紗英「最期に彼の名を呼ぶことすら叶わないの…?」

いいじゃんか、「あなた」と「お前」(または「ダーリン」と「マイハ二ー」)で済ませれば…(最期にその恋人同士だけの甘い呼び名を絶叫するのもどうかとは思うけれど。←オイ!)とツッコミを入れつつも、現・恋人と生き別れの形となって終わってしまったこの物語。1巻で登場した鬼ごっこの老婆(「夢であなた様の復活を知りまして…。」)が言っていた通り「彼」が復活することは可能なのでしょうが、鬼魅香(誰かが名前を口にするだけで即復活。)達のように名前を持たない鬼である以上、次に再生されるまでは相当の時間を要するでしょうし、後藤さんが生きている間に再会できるかどうかがかなり怪しい展開から切なく感じてしまった終わり方でした。最後に登場した鬼魅香がまだ調伏されていない(鬼はこの世にまだ残っている。)から「彼」とはいずれまた会える(鬼を全滅させるという彼の使命はまだ終わってはいない。)のでしょうが妖怪人間ベムのように「人間になりたい」という望みが叶うのは相変わらず遠い道のりでしょうし、復活したその時、彼の苦労はまだまだ続いていることだろうなと溜め息も出てしまったものでした…。

電影少女⑭⑮

2010.06.18
 「続編を描くなら一作目より面白い作品でないと。」と本編主人公が担当に注意されていたのと同様の過ちを、まさしく作品中で行ってしまったな、と続編(実際に有りそうな話だけど地味。)と本編(派手で荒唐無稽な話。面白いけれど現実にはまず間違いなく起こらないだろう。)との違いを実感しながらサッサと連載打ち切りになってしまった経緯に納得してしまった作品でした。(「主人公のトラウマ」といい、この話の流れがリボーンされたのが「I”s」なんだろうな。)現実にもいかにもいそうな登場人物の面々にリアリティは凄く感じたんですけどね…。

 田口広夢…恋「やっぱり君は女の子を人間として見てないよ!人の良さそうな事を言ってたけど『体験した女は俺と付き合う資格ねぇ!』って聞こえたわ!」

本編主人公の洋太が「俺が1人で玉砕していれば良かったのに、うっかり彼女が傷つくような展開にしちゃうなんて、もえみちゃんが可哀想だ!」と、失恋した自分の方が傷が深いにも関わらず純粋に「相手が傷ついている」ことに同情して涙していたのに比べ、「相手(白川さん)が傷ついている」事になんて気づきもせず「現実の女の子は自分の理想通りじゃなかった」(当たり前やん…。)事に傷ついて涙しているだけのこの男のどこがピュアなんだ…と考えた所で、昔決定的に「現実の女の子」に傷つけられたにも関わらず今もまだ「純粋」に女の子を理想化し過ぎている所は確かだし(おかげでめでたく付き合ってからも「現実の彼女」が見えていない事が多々あるのだが…。)少なくとも松井君のように「可愛くて言う事を聞いてくれる女の子」なら誰でも良いとすぐにセックスに走る男よりは遙かにマシだろう(恋に失敗しても「自分に問題がある」と思い「恋なんて女なんてくだらない存在だ」とは思っていないという点でGOKURAKUを利用するに値する条件がクリアされたのだろう。)と認識を改めた主人公でした。とはいえ↑の考え方はさすがにアウトというか共感できなかった女性読者は私も含めて多くいたようで(女の子だってクソもするしゲロもするし、人間なんだよ…。)その後成長はしたけれど、成長に追いついて人気が出る事は無かった様子でトシキ等主要登場人物を深く掘り下げる間もなく連載は早々に終わってしまったのでした…ゲフッ!そもそも「昔好きだった女の子に似てたから惚れた」という動機自体が(単純にそういう顔が「好みのタイプ」というだけで、彼女に中身が伴っていなければ昔失恋したのと同様、上手くはいかないのは分かるかれども)「結局、外見重視なのかよ!」と誤解されそうな理由ですし、女性読者としてはついて行き辛かったのでしょうね…ゴフッ!

 桃乃恋…「ボク…広夢くんに対して『うわべ』とか『ごまかし』とか、したくないの。『いい加減』じゃ気持ち伝わらないと思うし、そんなんじゃ彼の傷、治らないもの…。」

現実にもよくいます。友達面しながら実は「全く関係ない他人の立場」を利用して高い所から見物しているだけで尤もらしい中身の無い綺麗事(誤魔化し)を説きながら自分の思い通りに相手を「操縦」しようとしてるだけの人間って…。(ねえ、ブログのトップに書いた「私は謎の日本人さんの高校からの友達だから匿名さんの事は真実『知らない人』だけど、その人は謝る気なんて無いから諦めてブログを閉鎖した方が良いと思うよ。本当に閉鎖することを考えてね。」とのたまった▲▲さん。「知らない人」という割には匿名の人格をとてもよく分かってらっしゃる様子でしたし2度に渡ってブログの閉鎖を迫った辺り「それしか考えてないんだな」ってバレバレでしたよ。)いくら「演技」をしても「相手の立場に立って」考えていない人間の言葉なんて心に響く訳が無いし、そんな人間の為に理解を示して動いてあげる気にはなれないよな(恋ちゃんも恋ちゃんで「初体験を済ませた事なんて大した問題じゃない。」と口先では言いながら、自分は一人お綺麗な体でのうのうと過ごしているって言ってることが矛盾しているだろうと「思う部分」はあったんでしょうね。)だからって「リアリズム」の為だけに、好きでもない男と初体験をしようとするなんて、なかなかできる事じゃない、「誠意」の為だけに文字通り「体を張った」その姿勢にトシキも考えさせられる部分はあった様子です。(「その気持ちで充分じゃないかな。ヒロムに伝わるよ。」byトシキ)結局最後に人を動かすのは誤魔化しではなくてハート(気持ち)なんだよなと当たり前の事を改めて感じた件でした。

 白川あゆみ…「今まで『元彼の事がまだ好きで、それで噂の事が苦しいんだ』って思ってた…けど違ったわ。ただの臆病者だったのよ。ただ『噂を流されるのが嫌なだけ』なのに、それを美化していただけだったの。」

「神瀬高の白川ってヤリマン」「体で男を弄んでいる」という評判に傷ついていた(「そんな噂持ちの女」である以上に既に元彼と一線を超えている「経験者」である過去から「私…もう、彼(田口さん)にとって、ふさわしくない女かも。」と新しい恋に対しても諦めの気持ちがあった。)そして戦うのにも疲れたから、なし崩し的に流れのままに元彼と仲直りしてしまったと(「こんなんでいいのかな…。」と疑問を感じながらも戦わずに済むのなら泣き寝入りするのも仕方ないと受け入れてしまった。)そういうことだったのでしょうね。けれど「到底かないそうにない相手」にボロボロになりながらもぶつかって戦っていった田口さんの勇気(実際、婦女暴行事件でこういうシチュエーションはよくあるが大抵、彼氏はサッサと逃げ出して2度と戻ってこないそうなので、1度はビビっても戻ってきて庇った分、ヒロム君は頑張ったと思う。)を見て自分も戦おうと気持ちを改めた様子です。顔はカッコイイけれど中身は日向に置いた魚のように腐りきっている元彼より、外見はパッとしなくても不器用ながらも相手の事を考えようとしているヒロム君を選んだ(彼女を集団で他の男達にレイプさせようとした元彼と、意気地無しでケンカも弱くても彼女の為に変わろうとするヒロム君と、どっちの中身がマシかって、そりゃ後者だよな…。)辺り本当の意味で男は中身だって理解もできた様子です。

 克也…克也「俺は別れた一年前に一回だけしかデタラメ言ってないし、その後の数々の噂は田口が広めたんじゃないかな。俺から聞いたって言って…。」
白川「彼と初めて出会ったのは、別れてから大分経った最近だけど?」
克也「そ…そんな事、俺が知る訳…。」

「気晴らし」の為だけに1年近くに渡って誹謗中傷を続け(写真付きで元カノを「男の前でホイホイとパンツを脱ぐ誰とでも寝る女」という噂を流した。)その非を認めるどころか「お前が悪いんだ!浮気しただろ!浮気をしてなかったにしても俺はショックだったんだ!」と被害者顔をしてお茶を濁し(お前は1年近く嫌がらせを続けた加害者だろ。)、挙句の果てには他人(田口くん)に罪をなすりつけようと出来の悪いウソを重ねている(そして誰が考えても分かる矛盾からすぐにボロが出ている。)様にブログのトップに書いた匿名さん・▲▲さんの事がフラッシュバックしたものでした。(ふ~ん、こういう人達にとって嫌がらせって「気晴らし」でやるものなのね。)奇しくも「し…知らない!私、知らないし!」(by▲▲さん。「何も知らない」事にすれば「何の責任も取らなくて済む」もんな。)というシラを切っているパフォーマンスまで同じでリアリズムを感じてしまった最低彼氏です。仲直りした所でこういう人間は感謝して改めたりしないし(「あー、別に、付き合うフリするだけだよ。嫌がらせ続けて俺の気も晴れたしよ。あいつの事なんて、もうどうでもいいんだ。まあ、あいつはまだ俺に未練があるみたいだから利用できるだけ利用してあげて、『次』ができたらポイだな。」by克也)許した所で食い物にされるだけなんだ(むしろ決して許す必要など無い。)と改めて実感できたものです。白川さんも目を覚まして逆に彼を捨てていた様には恋ちゃん同様「グッド!」と拳を握り締めたエピソードでした。

 刈川俊騎…「今まで女の子の事を『女』としてしか見てなかったんだ。俺は誰一人『一人の個性のある人間』として考えたことが無かったんだ…。」

よく考えてみたら性欲処理(だけ)の対象ではなく、大切な人間(仲間)として考えられる「女」はヒロムと同じく幼馴染仲間の梢子だけだった…ということなのでしょうね。女たらしの典型として描かれている彼ですが真の女たらしとは親友の恋を応援するどころか親友の彼女まで寝取るのが常なので、彼の場合は女性関係はどこまでも不純だが友達を思いやるその気持ちだけはピュアだったという稀有な例に見えました。(そもそも女をとっかえひっかえできる=同じ人間をそんな扱いで済ますことができる男は男相手にだって誠実に対応したりはしない。)初体験を迎える女の子の為に電気を消してあげたり(「これもテクの一つだけどね。雰囲気作りは大切だぜ。土壇場で気が変わる奴は多いからな。」byトシキ←女としては見られるのが恥ずかしいので「暗い方」が良いのだが、男は全裸がよく見える「明るい方」が良いらしい。それこそこれから寝るというのに、いちいち覗きに行く程に。)恋愛(というより女のあしらい方)の技術ばかりは達者だけど、肝心のハートはいつも無かったと、恋の為に一生懸命な恋ちゃんとの生活も通して気がついた様子です。自分も友達のヒロムの為なら一生懸命のつもりではあったけれど、自分では女の気持ちも分からないし肝心な時に助けになれていない事も痛感して成長した彼に拍手を送ったものでした。

 小沢梢子…「ちょっと待ってろ。トイレでパンツ直してくる。そしたら、じっくり聞いてやるからよ。」

そうしてトイレに立った女性が2度と戻って来なかったというのはよく聞く話なので(トイレに行くなんて「席を立つ」為の口実に過ぎない。その場さえ逃げ出してしまえば何も進展しないで済むのだから、「付き合う」つもりが無いのなら早々にその場から退散する方がラブホテル前で口論するよりも見苦しくは無いだろう。)立ち去る前に告白したトシキの行動は正解だったなと頷いたものでした。主人公本人は全く気づいていないどころか女としてすら認識されていない彼女(「僕は一度としてこいつを女と思った事は無い。」byヒロム)ですが、よく読めばこの子はずっと主人公の事を好きだったことは丸分かり(「そいつと一回位デートみたいなことして諦めようと思ったんだ。」「デートって喫茶店で話している今この時の事じゃん。」)で恋人になれる可能性がゼロ(新しい彼女ができたばっかり)な事を考えると今回ばかりは主人公の鈍さにホッとしたものでした。彼氏(トシキ)という新しい男もできた事だし昔の男(ヒロム)の事はサッパリと忘れてほしいと思ってしまった子です。

 読み切り版ビデオガール…はるの「今日は感心したよ。オレに柔らかい椅子の方を座らせたろ。気が利いてるよ。」
宗洋「だろ?映画館で通路側とか女性の隣にしてやるのの応用だね。」

食事にミートソースとか色や匂いがつく物は厳禁等々「女の側」が気を使ってしないようにする事はよく聞くけれど、さりげなく手を取って歩いたり(人ごみにまぎれそうな所を支えるという優しさがたとえ「演出」であっても、お触りをする為だけに手を出すのと違って良いなと思えた。)映画の後に時間を過ごす為の喫茶店も探して(当日いきなりの行き当たりばったりじゃないんだ…。)デートって男もこんなに気を使ってくれる物なんだとシュミレーションをする2人に感心した反面「現実」にそこまで気を使ってくれる出来た男は絶対少数派だろうな…と、自分では何一つ言わずに相手の側から好意を言いだすのをひたすら待っている、さりげない(つもりの)ギンギラギン男ばかりの現実(上手く行かなくても失敗しても何もかも女側の責任…ね。アプローチをひたすら待っている所、悪いけれど好意なんて始めから無いんですけど…。)を思うと好感が持てた主人公でした。ビデオガール(本来しとやかな女性のはずが活発系になった→あい)と人間の女の子(元々の想われ人。大人しい系の諦めやすい女の子→もえみ)との三角関係の構図といい、本編の基本設定はここから取られたんでしょうね。

電影少女⑦~⑬

2010.06.17
 作品の人気が出る前、かなり序盤の頃に某映画監督からも評価されて映画化が決まった(普通は人気作品の尻馬に乗る形でメディアミックス化が決まるのに、これはとても稀有な例。)台本もほとんど全直しに近い形で桂先生が手直しを入れ(週刊連載を抱えたその身でそんな!)当の映画も立ち見(満席)が相次ぐほどの人気を博した(で、作中ふんだんに盛り込まれているHなシーンはどうなったのだろう…?)という様からも作者及び関係者の方々の思い入れが分かる深い作品です。結末は読者の意見もあってハッピーエンドに変えられたおかげもあって読後感も気持ち良く感動できる名作でした。

 新米貴志…洋太「もえみちゃんを襲いかけた男達はお前とグルだって言ってたよ。これはどういう事なんだよ、貴志!」
貴志「そいつら、俺の名前言ったのか…そうか…犯人が分かったぞ!

…という最後の言葉を口に出さなかったが為に「『そうか、バレちまったけど、ま、いっか』って、それだけなのか?」と最悪な誤解をされてしまった彼。せめてその場で慌てて全ての真実を語っていれば、ここまでこじれる事も無かった(「お前はもえみちゃんを大切にしなかった。親友の俺が好きだった女と平然と付き合いだして俺を裏切った。でも、今回のレイプ未遂に関係が無ければもえみちゃんはそれで救われる。もえみちゃんは裏切ってないってハッキリ言ってくれ!貴志!」by洋太)のに、口下手が災いして上手く言えず、そしてこういう場合の無回答(ハッキリしない態度)は回答(肯定)とみなされるという定説から友人関係は見事に破綻してしまったのでした。貴志くんとしては女衒のように彼女を他の男達に渡そうとする最低野郎だと「誤解」させておいた方が、洋太が今までのように貴志ともえみちゃんの仲を取り持とうとする事も無く、本気で彼女と付き合おうとするだろうという読みがあったのでしょうが、確かにその通りに洋太はもえみちゃんを「守ろう」と付き合いだしたのですが、いざ付き合ってみると守るべき脅威なんてどこにも無くなっており(何故ならば彼女を襲いかけた男は貴志が既にぶん殴っており、既に平和が戻っていたから。)同情だけで付き合いだしたおかげで結局2人は上手くいかなかった展開(告白したその日から既に「俺は本当にもえみちゃんが好きなんだろうか?」と疑問符が出ている。早過ぎるだろ。)を考えると切ないです。(彼は何の為に犠牲になったのやら…。)親友も彼女もオマケにバンド仲間も全てを失ったけれどけじめだけはついているから晴れた気持ちではある(自分で選んだ結末だから納得はしている。)って、本当に不器用で良い人だったんですけどね、彼は…。

 仁崎伸子…「あたしの事はもう気にしなくていいからね。今のキスで気持ちの仇は取ったから。ねっセンパイ!」

「俺さぁ、実は今、君とけじめがつかないまま、もえみちゃんと付き合ってるんだ。」「よく顔が出せたわね!他の女の2の次扱いの連発であんなに傷つけておいて、その上新しい女と付き合いだしたって、信じらんない!」という状況で「話?今さら先輩に話なんてありません。ていうか口をききたくありません。」と冷たくあしらわれもせず、何もかも許してくれた笑顔で↑のように爽やかに別れてくれたってどんだけ綺麗に身を引いてくれているんだ、この子は…と感動を通り越して度肝を抜かれた元カノでした。(中途半端に別れた彼氏との「話」なんて普通に気まずいだけでしょうに、わずかの間にどれだけスッキリ割り切れているんでしょうか?)挙句の果てには、もえみちゃんと付き合いながらも、あいちゃん相手に絵本作りを通して絆を深めている様に「恨まれるのは先輩じゃなくて天野さんになるんだから辞めときなさいよ。」(「分かってないなあ、センパイ。女は矛先を『好きな人』に向けたりしないもの…。」「本当に悪いのは『浮気した男』なのに、そいつの身代わりに振り上げた拳を下ろされる『恋敵の女』としては迷惑な話だろうな。ていうか、普通オレを恨まないか?」)とお節介を焼いてくれたり、どこまでもお人好しの良い女友達の姿(何で彼女が元彼の上手くいかない恋の心配なんてしなきゃいけないんだろう…?)には「振られた気持ちの仇を取った」とはいえ唖然とさせられたものです。(別れに納得したのと、その後も仲良くお友達できるかとは全然別の問題だと思う。16歳でこれは人間出来過ぎだろう。)最終巻で彼女が自分で言っている通り「本当にいい女」だな(むしろ良い人過ぎるだろう。)と思ってしまった女の子でした…。

 夏美ちゃん…あい「オレ…そう遠くないうちに消えちゃうから。」
夏美「あんたは、まだちゃんとここに居るじゃないか!生きてるじゃないか!あんたも遠慮すること無いよ!嫌だな、そーいう打算的な考え!なおさら納得いかねーや!」

読者全員の心の叫びだな…と納得すると同時に、心臓病でケンカは強くても余命いくばくも無い彼女(悪いのはあくまでも心臓だけであって運動神経が悪い訳ではない。長時間の激しい動きになると心臓(ポンプ)がついて行かないだけで体は動かせるのだ。)としては同病相憐れむ納得できない思いもあった様子です。というわけで恋愛話にはよく出てくる「幼馴染の少女」なのに、巷では幼馴染ラブが王道(何故ならばそんな「素敵な幼馴染」など現実にはいないから。)なのに珍しく洋太になびいていない女として活躍してくれる体育会系な彼女。ビデオガールのあいちゃんよりも先に人間のなつみちゃんの方が早く寿命が来て死んでしまった(ビデオガールでも人間でも死は平等に訪れる。若い身空で消えてしまうのは何もビデオガールに限った話ではない。)というのは皮肉な結末だとも感じたものでした。夢の為に人を犠牲にしても後悔しか残らない(打算で行動しても、気持ちが無いから結局は満たされない。)という教訓を残してくれたと同時に最期は好きな人に看取って貰えて幸せに死ねたのは救いだったな(どうせ死んでしまう命でも好きな人に側にいて貰えればそれだけで意味が残る。)と感じた終わり方には、逃げてばかりいた洋太もあいちゃんも心を動かされた様子です。彼氏の清水さんを冷静(打算的)に見れば「他の女に走った」ことでパトロンを失って夢も実現するのには相当苦労する羽目になった(最も皆そこから始めていて、女のヒモをやることで下駄を履かせて貰っていた今までにこそ問題があったとは言えるけれど。)そこまでして駆けつけたのに彼女は死んでしまい物的には何も残らなかった…のですが、それでも意味(気持ち)は残ったのでしょうね。吹っ切れた顔をして一から始めている姿には爽やかさすら感じた終わり方でした…。

 早川もえみ…洋太「俺達…もう別れた方がいいよ。」
もえみ「最初に付き合ってって言ったの弄内くんじゃない!どうして、こうなるのよぉ!酷いじゃない!ねえ!ねえ!」

言うと思った…と、ほぼ予想通りの「泥沼展開でのお別れ」に頷くと同時に(それでもあのシチュエーションで手を出さずに「キレイに別れた」のは偉いと思った。おそらく、ほとんどの男はあの状況下で確実に手を出してサッパリした後で「やっぱり俺達、別れた方が良いと思うんだよね~。」「ひ、酷い!あたしは弄内くんになら良いと思って肉体まで許したのに、今さら…!」と、より酷い別れ方になること確実だろう…ゲフッ!)夢の中の草原の女の子があんな形で現れる(正体は実はもえみちゃん)なんて予想外の展開には驚かされたものでした。結局、相手に好意を持ちつつも「あいちゃんの影」に引きずられて2の次扱い→挙句の果てには別れ話という伸子ちゃんのパターンと全く同じ繰り返しを経てダメになってしまった2人の恋。そんななのに元カノからも今カノからも最終的には「付き合ってくれてありがとう。」と言われるほどの満足感を相手に与えられた(そして別れた後も彼と他の女との恋の応援ができるほど良好な関係を保っている。)なんて凄いなと感心すると同時にこんなリア充極まりない学生生活を送りながら童貞を貫いたってなかなか出来る事じゃないと別の視点からも洋太を見直してしまいました。気持ちはフラフラしまくっていたけれど、肉体(下半身)だけは確かに「誠実」だった(口先の言葉は結果として不誠実な優しさに満ちていたけれど、少なくとも肉体的に裏切ってはいなかった。)と大人になってから読んだ今としてはポイントを上げた恋愛譚でした…。

 ローレック…「愛という幻想から目覚めさせてやろう。『純粋』ゆえ、それができるはずだ。よりピュアとなり愛がウソだと知れば悲しんだり胸を痛める『ムダな時間』が無くなるのだ。それが我々の本来の目的。」

そんな事の為にここまで遠大なことをしなくても、その人は大人になるにつれ、いつか純粋さを失くしていき、主人公の洋太でさえ続編時には(まだ25歳という若さで)既にGOKURAKUが見えない体になっていた。「純粋さ」なんて放っておいても消えてなくなってしまうものなのに、ビデオガールなんて大層な物をわざわざ作ってまで、入会費もレンタル料もタダのGOKURAKUという店を開いてまで(深く考えなくても、この店の収入は赤字以外ありえない。)、店員(おじいさん)に給料を払ってまで、愛が幻想だと伝えようとするって、ある意味で物凄い執念だなと感心すると同時にNPO活動(非営利団体活動)をすっ飛ばしたボランティア(完全無給)でそこまでやるか?と至極真っ当なツッコミを入れてしまったものです。おそらくこの人も本心では愛に憧れているけれど、周りにはその憧れを共有するに足る人間なんていないから全否定に走っている(本当は洋太達のように愛し愛されてみたい。けれど現実には松井くんのように相手を利用して美味しい思いをする事しか考えていない人間ばっかりで、憧れて踏み出してみた所で、絞り取られるだけなのは目に見えている。)そんな気がしました。ビデオガールをあれだけ造れるのなら自分専用のハーレム(これぞまさしく愛の生活、ていうか男のロマン。)だって出来ちゃうでしょうに、「作りもの」が嫌ならおじいさんの手を借りてビデオガールを人間にしてしまえば良かったでしょうに、思うに生きた人間相手に愛される自信が無いから何もできなかったのだろうな(そこが失恋ばかりしてても「行動」することは辞めない洋太との違いなのだろうな。こういう人は「できない」んじゃなくて、可能性があるのに失敗が怖くて「やらない」だけなんです。)と納得もしてしまいました。この人もこの人で愛を知るチャンスがあっても良かったと思うのですが…ね。(でも「相手役」を出しても、この人じゃ動いてくれないか…。)

 弄内洋太…「俺は色んな人を傷つけてきた。一途になりきれずに伸子ちゃんを傷つけ、不誠実な優しさでもえみちゃんを惑わし、信じることを忘れて貴志を見限った…あいに対しても守らなきゃいけない人に頼ってたんだ。」

そして誰もいなくなった…のは、ある意味では当然の結末だったのだろうな(読者からの相談コーナーで「1年の間に続けて3人の女性と付き合った結果、「浮気」をした訳でもないのに通りすがりの人からも「女たらし!」と睨まれるほど周り中から嫌われ、恋愛の難しさと辛さを痛感した」という内容が有ったけれど、きっとこういう感じだったのだろうな。)と、誰に対しても一生懸命な反面気が多すぎる様に納得してしまったものでした。初めて読んだのが8巻(よりにもよって彼女(伸子ちゃん)と正式に別れてもいないままに他の女の子(もえみちゃん)と付き合いだした巻。)だった事もあり、「純粋」だった子供の私は「ハァ!?この子とも付き合っていたって何!?しかも『気持ちが戻って付き合い直しちゃうかもしれないから安心できない』って自分で言うか!?そこはウソをついてでも君一筋だと言うのが思いやりだろ!?」と一気にドン引きした覚えのある主人公です。…が、大人になって相手を守る事も優しくする事もせず頼って利用する事ばかり考えている現実の男達(「気がある」彼女が悩んでいても、それは自分に気を使って貰えない「重荷」としか考えておらず、助けようともしないどころか露骨にウザがる。付き合う前からこれではダメだと思った。)を見てみれば、この人は結果としては間違えてしまっていても「相手に対して一生懸命考えて行動している」分だけ、かなりマシな男だと見直したものでした。問題はその「一生懸命な相手」が複数に渡ったことですけどね…ゲフッ!

電影少女①~⑥

2010.06.16
 この話の読み切りから「ウイングマン」の頃までの桂正和先生の絵のスタイルを壊して出来るだけ人間の顔に近づけたリアリティ溢れる今の画風に変えていったとコメントに描いてありました。恋愛ものでは登場人物の気持ちを表情と間だけで読み取らせる作品が多いので、逆にこの作品ではかなり細かい心理描写を書いていこう(それでモノローグが多いのね、この話。)キスより先の事を考えないウソ臭い高校生の姿も現実味が無い(それで第一話目から好きな子を素っ裸にする夢ですか…。)ときわどい部分まで描かれているこの話、Hな事が主体となっているのではなくて、それを逆に隠れ蓑にしながらテーマを描いているような深い内容に桂先生作品の中では一番感動できる話です。

 弄内洋太…「確かに傷だらけだな。痛くてたまんねえよ。けど、ここまで来れたんだぜ。人を好きになるとエネルギーが湧いてくるんだ。恋愛は無駄なんかじゃないよ。」

それにしたって人(女)を好きになり過ぎだろ!と、幼い頃から3度に渡って失恋しながら懲りない経緯(小→中→高校と恋をする事が悪いとは言わないが、どんだけコロコロ「別の女」を好きになっているんだ?)に子供の頃はツッコミを入れてしまったものでしたが、よく読んでみればどれもこれも公衆(クラスメートや女子)の面前で笑い物にされたり侮蔑の視線を向けられたりしている辛い経験で、そんなトラウマを乗り越えてまた新しく女の子を好きになれるってある意味では凄いな(続編の主人公なんて、それで8年も自分の殻に閉じこもっていたのに。)と別の視点から多少見直した主人公でした。(その性格が祟ってもえみちゃん→伸子ちゃん→あいちゃんと真剣な気持ちでフラフラしまくっている辺りはやはり微妙に感じるけれど。)最初の彼女である伸子ちゃんが言っている通り「どの人にも一生懸命」(「いい加減な気持ち」で恋人でもない相手(あいちゃん)を庇って死にかけるほどの怪我は出来ない。)なのでしょうが現・彼女なのに「他の女」の二の次扱いされる恋人はそれではたまらないでしょうね。(「誰かを愛する」って事は「他の誰かを愛さない」って事なんだよ…。byバトル・ロワイヤル)最期まで読んだ後、だから始めからアンタがあいちゃん一筋に生きていれば伸子ちゃんも、もえみちゃんも「彼女」になってまで別れるという辛い思いをせずに済んだんだよと改めてツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 早川もえみ…もえみ「新舞くん、『私が弄内くんの事を好きなんだろ』って。でも最後の優しさで突き放されて、その時一番知りたくないこと分かっちゃったんだ。私に気が無い新舞くんを…やっぱり大好きなんだって。」
洋太(もえみちゃんは俺の気持ち何も知らない訳だし、罪は無い…けど面と向かって他の男が好きって、さすがに厳しいよな…。)

話しかけるのにも死ぬ思いで初デート(貴志も含めた団体行動)にこぎつけたら、その場で他の男が好きだと言われ(天国から地獄に…。)「弄内くんのことを好きになっていれば良かったのに。」「もしかしたら私…(本気なのかも。)」とさんざん思わせぶりな態度(あまつさえ「今、ヒマなの?」と一緒に映画(デート)までしている)を取った後で↑のセリフって無神経だよな(普通は告白した時の「洋太に変なこと相談してないだろうな!」という彼の一言で全てに気づきそうなものだが。)と私もちょっと思ってしまったものでした。(基本的に男と女は同性同士のノリにはついて行けない。側にいるのは確実に自分に気があるからで男女の友情はプライバシーでもちょくちょく会うほどには成立し辛い(ていうか同性の友達といる方が楽しい)というのが一般的である。)彼氏と上手くいかない分「いつも優しくしてくれる人間」である洋太に甘えているのは分かるけれども、ただ甘えられるだけ(そばにいられるだけでドキドキするし「嬉しい」けれど、ぶっちゃけて言ってしまえば優しいのを良いことに体よく利用されてるだけで何が進展する訳でもない)って相手の人間にとっては辛いだろうなと洋太が早々に他の女になびいた理由は分かったものでした。伸子ちゃんが彼に近づいた時も「気にはしていた」けれど…それは恋というよりキープ君願望に近いのではと思ってしまったり…ゲフッ!

 新舞貴志…「くやしかったら俺から、もえみを取ってみろ。」

貴志くんにすれば、そうなったら洋太が自分に対して感じている妙なコンプレックスも(自分に「勝つ」訳だから)解消できるし、親友の恋だって実っちゃう願ったり叶ったりの展開になるという意図があったのでしょうが、問題は(貴志が本気であろうとなかろうと「親友の彼女」を奪うなんて展開に本気になれるほど洋太は人でなしではなかった(もえみちゃんに惹かれる気持ちはあるけれどそれが真実の愛であっても不倫に走れるかどうかは人格の問題であるように人間にはできる事とできない事がある。そもそも自分の「思い通り」に動いてくれる人間なんて、そうそういるもんじゃない。)せっかく「彼女」にしたのに、当の洋太は早々に他の女(あいちゃん→伸子ちゃん)と付き合ってしまい当初の意図の意味自体が無くなってしまったというのが思えば微妙な展開だったのでしょうね。(そして、もえみとも「もう、だめ。」とせっかく破局を迎えたのに「お前、付き合うならちゃんと付き合えよ。ていうか俺の気持ちをしっかり『成仏』させてくれ。」と当の洋太に説得される形でヨリを戻す羽目になった。)そんな程度の「彼女」だったのに気がついたら失うのが惜しくなっていた、自分の心に住み着いてしまっていたというのは本当に人生何がどうなるか分からないものです。最も本気になれただけで上手く行くほど恋愛は甘いものでも無かったのですが…ゲフッ!

 天野あい…ローレック「お前は『なぐさめる』事だけ考えればいい。しかし今のお前はどうだ。『嫉妬』したり『寂し』がったり『甘えた』り色んな感情を持ってしまっている。それでは普通の人間の女の子と同じではないか。ビデオガールは男達にとって『天使』でなければならんのだ。『普通の女の子』では存在の意味は無い。」

男が他の女を思っていても嫉妬もせずに優しくしてくれ、セックスはし放題、期間限定とはいえ何でも言う事を聞いてくれるどこまでも都合のいい女、それがビデオガールなんでしょうね。(そしてレンタル期間が終わったその時、男は「愛」なんか無くてもセックスは出来るし、自分が本当にしたかったのはまさにそれであって他の女(ビデオガール)でも代わりはきく。恋なんて女なんて肉欲を満たす為に欲しているだけで「愛」なんて物は自分の中にさえ、どこにも存在しなかったんだと実感する事だろう。)しかし当のビデオガール(あいちゃん)がデッキの故障で予定外の感情(中身)を持ってしまった為に話は大きくずれて行ってしまう事になったのでした。(現実問題そんな都合の良い女はこの世のどこにもいないので「女には中身もある」ことを知る羽目になったのは洋太の為には良かった事だとは思うが。)今まではモテナイ君だったけれど生身の女と一緒に暮らせば嫌でも女のあしらい方が上手くなるし、男っぷりも上がるし、耐える能力も上がるし(元来、女とはワガママな生き物である。)という事でこの後は空前のモテ期を迎える事になる洋太(あい、伸子、もえみと3回も「彼女」を作れるなんて…何が「モテないようだ」って?)あいちゃん本人にとっては辛い展開だろうけれど確かに役には立っているんだろうなと実感もした同棲相手でした…。

 仁崎伸子…「『やり直せ』たとしてもまた同じ事の繰り返しだと思います。だからもう頑張って『終わり』にしようよ。このまま付き合い続けたら、あたし、先輩も天野さんも憎んじゃうもの。そんなの嫌だから…。好きだから…別れよ。」

5時間も待って公園で再会もできたけれど、もう以前のようにそばにいられるだけで嬉しい恋人同士でなくお互いの存在がお互いを辛くするだけの相手になり果てたことを実感しただけで終わってしまったという非常に後味の悪い結末を迎えてしまった2人。(2人とも相手に未練はあるけれど、もうそれだけではどうにもならない事も分かってしまった。)2人共泣いてはいるけれど、それは相手に誠実に向き合えなかった罪悪感から泣いているだけ(洋太→あいちゃん、伸子ちゃん→松井くんと「間違い」こそ犯してはいないものの「恋人」に一途になりきれていなかった事は確か。)で、恋情昂じての嬉し涙ではなくなってしまっている事からも終わりは見えていたんでしょうね。付き合うってタイミングの問題だけれど、恋愛はそれだけで何もかも上手く行くとは限らない、「好き同士でも別れてしまう事がある」という教訓を身を持って学ぶことになったというのは思えば痛い展開でした。伸子ちゃんは「別れ」を先回りをして言っただけで終わりは始めから見えていた恋だったと言えましょう…。(元々あい⇔洋太→もえみ→貴志が基盤の話だしね…。←禁句)

 松井直人…「こんなに可愛い女の子が俺の言いなりになってる。こいつは…こいつはまさに天国!」

元々GOKURAKUを利用できるようなピュアな人間ではない(恋はしているけれど、その実自分の事しか考えてはいない)けれど例外には例外だと特例としてビデオガール(まい)を呼び出す権利を与えられた彼ですが、実の所「可愛くて言う事を聞いてくれる女」なら誰でも良かった(そういえば伸子ちゃんもおきゃんな面はあるものの、どちらかと言えば大人しい系のいかにも男が好みそうな性格だもんな…。)様子で出会った初日に(いくら好きな女にふられたからって)肉欲を満たす為だけに女(ビデオガール)を利用したのには読者の嫌悪感を誘うだけで伸子ちゃんとのフラグが立ち始めても(本来だったら他の女(あいちゃん)にフラフラせずに自分一筋に思ってくれる理想的な恋人として人気が出るはずなのに)その人間性が信用できないと誰も応援しなかった様子です。その髪型がキモいのよ!という声が殺到したのか入院後は伸子ちゃんの手でトラ刈りにビジュアルを変更されていましたが本当に気持ち悪いのは髪形でなく彼の内面なので、そんな事をしても無駄なんですよね…。結局、伸子ちゃんとは上手くいかなかった(その後2人が一緒にいたり付き合っている姿はついぞ見られる事が無かった。)様子には彼には申し訳ないけれど心からホッとしてしまったものでした…ゲフッ!

 神尾まい…まい「人は愛を絶対的な物のように言うけど、愛ほど曖昧で消えやすくて壊れやすい感情はないと思わない?あの人の側にいたいとか、結ばれたいとか、結局は自分の為じゃない。愛とはエゴの事なのよ!」
洋太「君は…憧れてるんだ。愛を知りたいんだ。『俺達のように』人を愛してみたいんだ。それで、俺達が羨ましいんだ。ムキになってるのはそのせいだろ?」

松井くんに軟禁生活と放尿プレイの元での肉体関係を続けさせられながら一週間も飲まず食わずの生活を強いられ、それが「愛」(君(の素晴らしい体だけ)を「愛している」からこんな事をする訳で、だから自分の行動は正当。)だと言われたら、彼女でなくても愛とはエゴを正当化する為の方便に過ぎないんだ(その証拠に伸子ちゃんを愛していたはずの松井くんはセックスができると分かると記憶を消す薬を使ってもいないのにアッサリと彼女の事を忘れている。)と愛を全否定したくなる気持ちはちょっと分かる気がしました。男でも女でもビデオガールの為に一生懸命になってくる人間なんているはずがない(少なくとも自分にはビデオガールである自分を「利用」しようとする男はいても一個人として大切に扱ってくれる人間なんていなかった。)だから本人も自覚していないけれど男(洋太)にも女(ナツミ)にも愛されて庇われているあいちゃんを憎んで、あそこまで冷酷に存在を消そうとした…そんな気がします。最後は当の「愛」の元に破れて存在すらも無くなってしまった彼女。ここでも「死を恐れない」という自前の言葉に反して「消えたくない…!」と人知れずたった一人で消えていく寂しさを感じている辺り、実はビデオガール達にも本人はそうと気づいていないだけで「感情」の欠片はあるのではないか(あいちゃんのようにそれが爆発的に出ているのは稀有な例として。)とすら思えてしまった終わり方でした…。

ダイ・ハード

2010.06.15
 ダイ・ハードとは「頑固者」「保守主義者」「最後まで抵抗する者」「不死身の人間」等々の意味があるそうで、不運にもトラブルに巻き込まれながらも「簡単には死なない男」である主人公を形容するのにピッタリの言葉だな、と改めて納得してしまったタイトルでした。それまではアーノルド・シュワルツネッガーやシルベスター・スタローンなどの「肉体派」が正面から巨大な悪と戦う大味なイメージがあったアクション映画が、この「普通の主人公」が頭脳で挑んでいく新タイプの展開に大ヒットを呼び、以来「隔絶された空間で1人で大勢と戦う主人公の物語」が定番となり「スピード」(別名・バスでのダイ・ハード)や「ザ・ロック」(別名・島でのダイ・ハード)にも通じていったという歴史ある映画です。

 ジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)…①通話中に電話線切られ→運転手「番号は知ってんだ。かけ直してくるだろ。」
②ジョン「銃声が聞こえただろ!?警察に電話してくれよ!」→運転手・カーステレオ大音量で聞いておらず。
③部下「火災報知機が鳴ってる。」→ボス「すぐに911に電話して誤報だと言え。そして警報装置を切れ。」
④無線「こちらは緊急事態専用です。イタズラは困ります。」「緊急じゃなかったら連絡するか!」→銃撃戦
⑤パウエル巡査部長「バカらしい。異常なしじゃないか。」→スルー

…という長~い経緯を経て(パトカーにテロリストの死体を落っことして、機関銃を乱射した事で)ようやっと「異常事態」だと認識して貰えた(そして警官隊(SWAT)が駆けつけるも全く役に立たず、結局ジョン1人で何とかする羽目になった。←ダメじゃん!)、そんな展開からも分かる通り最も不運なタイミングで、最も不運な場所に居合わせる、最も不運な男である主人公です。よりにもよってクリスマスに、勤めてもいない会社でテロリストが騒動を起こした時と場所に居合わせた挙句に、運悪く裸足だった(しかも退治したテロリスト達はどいつもこいつも「妹より足の小さい奴」ばかりで靴の補充が出来なかった。)為に無駄に怪我を負った経緯からも、彼の不運ぶりが推し量れるかと思います。最後はその孤軍奮闘ぶりが認められて奥様とも仲直りしていましたが、本来なら仲直りの為にテロ騒動を鎮圧する必要など無い(仕事と家庭は別であり、妻は「仕事をこなす彼の姿」を見直した訳ではなく、「自分の為に奔走してくれた夫」を評価して仲直りしたのである。そこを勘違いしたのが後の離婚に繋がってしまったのかもしれない。)事を思うと、無駄に騒動に巻き込まれた彼の不運には涙ばかりが流れました…。で、彼の不運はこれに留まらずに2に続いて行きます…。

 ホリー・ジェネロ(ボニー・ベデリア)…ジョン「俺は悪い亭主だったと、やっと分かった。だから俺は彼女に仕事のチャンスが来た時に応援してやらなかった。俺は彼女にアイラブユーは何千回も言ったが、ただの一度も謝った事が無い。だから、アル、君から彼女に伝えてくれ、『すまなかった』と。」
アル「分かったよ、ジョン。だが、そういう事は自分で言え。君なら無事に出てこれるさ。」

実際、たかが一刑事(巡査部長止まりで、奥様と違って出世の見込みがない人。)に過ぎない夫・ジョンが転職(異動)する事くらい訳の無い話だったでしょうに「どうせ、すぐに仕事でコケてニューヨーク(自分が住む貧乏アパート)に逃げ帰って来るさ。」と、たかを括っていたら、奥様はそのまんまロサンゼルス(西海岸。エーゲ海や新宿歌舞伎町同様のホモのメッカでもあり、パーティー会場で男にキスされたジョンが「さすが本場だ。」と引きながらも納得しているのは、そういう訳。)に一軒家を建てるほどの業績(給料)を上げてしまい(「うちに泊まっていったら?『部屋なら余ってる』のよ。」「どーせ、俺の家はお前と違ってワンルームマンションだよ!」byジョン)さらに、そんな自分のいじけた気持ちは見透かされていて「彼の妻の立場」ではなく「旧姓」を名乗りながら仕事されていた(気持ちはもう独身。おかげで当初、テロリストどもにも正体がバレずに済んだのだが…。)という夫の立場台無しの様にクリスマスでの再会を果たしながらも、しょっぱなから痴話喧嘩に突入してしまった2人でした。最も痴話喧嘩をしなくてもテロ騒動は起きていた「現場」の事を考えると、夫・ジョンの不運(何故よりにもよって、こんなタイミングでロクでもない騒動に巻き込まれるんだ?)には余計に同情してしまいたくなる顛末です…。

 ハリー・エリス(ハート・ボックナー)…エリス「忘れたのか?僕は朝飯前に大取り引きをする男だ。あんなクズ(テロリスト)なら手玉に取れる。『友達』のジョンを引き渡してみせるさ。」
ジョン「俺は、そのバカとは友達でも何でもない!今夜、会ったばっかりだ!エリス、お前も俺と友達だなんて言ってると殺されるぞ!」

理解の無い警察上層部(「奴のせいで『人質』が1人殺されたぞ!」「って、ジョンが出て行っていたら人質と合わせて人2人が死んだだけですよ、絶対!」byアル巡査部長)といい、そうやってちょいちょい「味方」にまで後ろから刺される羽目になるからジョンも大変です。おかげでジョンは「パーティ会場の誰かのお友達」ではあっても、その相手は絶対にエリスではない(そしてジョンは、そんな品性下劣な他人(エリス)の為に無駄に命を捨てて投降してくれるほど、天使でも聖者でもバカでもない。)事も知れて、テロリストにもジョンにも見限られる形で射殺されてしまった彼。(「役に立たない男は3秒ルールで殺される」ことを序盤の高木社長の死亡シーンで学んでおけば良かったのに…。)ラストシーンでは彼がホリーに送ったロレックスの時計(おかげで序盤、「他の男からのプレゼント」の事も一因となりマクレーン夫婦の痴話喧嘩は激化。)を掴んだテロのボスのおかげでホリーまで転落しそうになるし、どこまでも傍迷惑な男でした…。

 ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)…ハンス「警察のヘリが屋上に着くと同時に、吹っ飛ばせ。奴らが1ヶ月もかけて事故の原因を究明している頃には、我々はリゾート地で豪遊さ。」
ホリー「偉そうに気取って、演説までしてみせたけれど、貴方はただの泥棒じゃない!」

トラの子の装甲車が「走る棺桶」にされた後も、「護送用ヘリじゃなくて武装ヘリを送ったから、次に会う時は死体袋の中さ!」と手玉に取られている事も知らずに、ほくそ笑んでいる警察の皆さんが物凄くマヌケに思えた顛末でした。(結局「現実」を分かっているのは歴戦の下士官であるマクレーン刑事とアル・パウエル巡査部長だけか…。)ちなみにボスだけあって頭は良いのか、ジョンと初のご対面をした時は、仲間内では癖のあるイギリス英語で喋っていたのに突然、流暢なアメリカ英語で話し始めた様に主人公も一瞬騙された(それでも念の為にピストルの弾を抜いて渡す事は忘れなかったけれど。)そうで、相手が裸足なのを見て取って「銃弾を当てる」のではなく「ガラスを撒いて逃走ルート上で怪我をさせる」手を取ったり、臨機応変な対応が効く厄介な相手だったらしいです。最も最後は騙し合いにも負けて(マクレーンが背中にガムテープで銃を貼り付けているとは予想せず)乱闘→ビルから落とされる形で終わった(「人質でなけりゃいいがな。」by呑気な警察上層部)訳ですが…。

トータルリコール

2010.06.15
 旧作版です。リメイク版があまりにも酷かったので、思わず見返してしまいました。(リメイク版公開を記念してか、ちょっと前に金曜ロードショーで放映されていた…のを父さんがしっかりビデオに撮っておいてくれたのが2度目視聴のきっかけ。旧作の方は本当に面白かったのに…。)「未来」の割にブラウン管テレビだったり、電話ボックスから電話をかけていたり(携帯が普及した現在、電話ボックスの姿はほとんど見なくなった。)何気に90年代特有の匂いも感じる、そんなSF作品です。

 ハウザー/ダグラス・クエイド(アーノルド・シュワルツネッガー)…ハウザー「やあ、クエイド。この映像を見てるって事はクアトーは死んだんだな。君のおかげだ。色々と酷い目に合わせて済まないが、俺達の仲だ、大目に見てくれ。君に幸せと長寿を祈りたいが…残念ながら、そうもいかない。お前の体は最初から俺のものなんだ。悪いと思うが返して貰う。じゃあな、クエイド。またいつか夢で会えるかもな。」
ダグ「畜生!この野郎!」

実は「自分」にも裏切られていたという驚きのオチには公開当時も驚かされたものでした。序盤の悪夢から目覚めた後、寝乱れた姿で半裸で身を起こすというサービスシーン(しょっぱなから上半身裸ですか!)から始まるこの映画、職場は建築現場ですし(あのたくましい体では似合い過ぎ。)シュワちゃんといえば筋肉だよね!という彼の特性をこの映画でもちゃんと分かっていた事が伺える物語です。最後は元人格(「今までの記憶」であるハウザー)を無視する形でダグとして生きていくことを選んだ主人公ですが、確かに↑のような性格の悪い男ではファンはついてこないでしょうし、今までダグ目線で話を見てきたのに、ここに置いて↑のような奴に「主人公」が殺されるのも納得がいかないですし、クアトーの言うとおり(「人を定義するのは行動だ。記憶ではない。」byクアトー)元人格には悪いですが、これで良かったんでしょうね。

 ローリー(シャロン・ストーン)…ローリー「私は『妻』だけど本当はあなたの監視役なの。6週間前までは会った事も無かった、ただの他人。気の毒だけど今までの生活は全て幻よ。…でも、これだけは分かって。今までの男であなたは最高だったわ。」
ダグ「光栄だね。」
ローリー「お別れね。最後の思い出に…どう?もし私を信じられないのだったら縛っても良いわ。」

「夫」が記憶を取り戻し始めた後、銃口を向けるも全弾外している辺り、射撃の腕は今一つである様子です。(ここで見事に命中させていたら、物語は舞台を火星に移してまで長丁場になる事も無く、話はここで終わっていたのだが…。)ダグとは任務で「妻役」を行っていただけで、本命は上司のリクターだった(ぶっちゃけ、頭髪も後退し始めたオヤジ(リクター)なんかより、若くてピチピチ筋肉質のダグの方がどう見てもいい男なんだが、人の趣味は分からん。)様子ですが「そんな程度の男」相手でも↑のように股を広げることができるなんて、「演技」であっても、それはそれで凄いなと別の意味で感心してしまったビッチでした。「結婚して8年が経っている設定」なのに今でも恋人感覚でラブラブな奥様がいて、家は巨大テレビとホログラフがついたアパート(土木作業員という仕事は、内容がきつくても給料は良いんだよな…。)という理想的な様に、これで「生きている実感が欲しかった」なんて贅沢過ぎる悩みを持ったな、と「今までの生活」が幻と消えた様には思わず涙もした、そんな物語の始まりでした…。

 メリーナ(レイチェル・ティコティン)…メリーナ「酷い男!殺されたと思ってたわ!連絡ぐらいくれたって良いでしょ!私の事は心配じゃなかったの!?…ハウザー、無事で良かった。」(キスの嵐)
ダグ「メリーナ、聞いてくれ。君を覚えていない。コーヘイゲンを裏切ったので『別人』にされたんだ。地球に送られ妻や仕事を…」
メリーナ「ちょっと今、『妻』って言ったわね!ハウザーには奥さんがいるって訳!?バカにしないで!」

平手打ちを喰らわせて責め立てた後に態度を一変させて、甘えた仕草で抱きついてきた辺りどうやら典型的なツンデレ性格奔放(淫ら)で従順(控え目)という条件をかけ合わせるとツンデレになるらしい。)の様子です。↑のようにケンカ別れしておきながら、それでも諦めきれずに機関銃を手に追いかけて(…え?彼を殺す気?)、再会しながら(ヨリを戻しながら)もまだ「コーヘイゲンの敵は私達(レジスタンス)の仲間だから!」と素直になれない辺りは「可愛い」と取るか「いちいち面倒臭い女」と取るか意見が別れそうな所だとも思ってしまいました。ちなみに、記録ビデオによるとハウザー(コーヘイゲンの手先)には奥さんこそいなかったものの、メリーナに近づいたのはダグ(何も知らない一般人)になった時に「恋人同士の感動の再会」を通して自分が内部に潜り込みやすくする為で、メリーナは「利用する為にハウザーには騙されていた」事に違いは無かったらしいです…。

 コーヘイゲン(ロ二ー・コックス)…コーヘイゲン「もし火星の反乱分子が勝てば私はお終いだ。お前はそれを望んでいるのか!?」
リクター「奴には協力者がいます。考えてみるに…」
コーヘイゲン「考えなくていい!私はお前に判断する事など望んでいない!お前は言われた事だけ、やってりゃいいんだ!」

部下の恋人(ローリー)を他の男にあてがい、事情も説明せずに、ロボットのように動けというセクハラ&パワハラの連発をする上司に「学習」して、どこまでもイエスマンになる事で生き残っていった旧作版リクターでしたが、リメイク版ではそんな上司について行けなかったのか(はたまた今度こそ「大目に見られず」に消されてしまったのか?)部下の姿が見られない辺りに納得がいったものでした。非情なくせに友達を失うのは惜しかったのか、ハウザーを復活させようとしてダグを生かしておいた為に、それが仇になって火星の解放を招いてしまったのはいかにも友達がいなそうな彼の落ち度(中途半端な情)です。親友を最初から見捨てるほど非常になりきれば、最後に火星の大気の中に放り出されて死ぬ事も無かったんですけどね…。(というか、「偉大な指導者」クアトーをぶち殺す任務を終えた時点で、ダグはもう用済みなのだから、その時にサッサと殺しておくべきだったな。親友を失いたくなかったのなら、映画序盤のように何十回でも鎮静剤を打ってから(むしろアレは打ち過ぎ。)リコールにかけるべきだったし、上手く行っておきながら詰めが甘かった男です。)

ゴーストハント

2010.06.15
 よしみつさんが読んでいた同じ原作者・小野不由美先生の「12国記」シリーズは山田章広先生の絵(人にそれとなく画集を買わせようとするほど嫌な形でのファンだった。)に惹かれて買っていたくせに、恋愛物だからという事もあって、彼女が自分では決して買わなかったシリーズなのですが(でも、彼女の友人の▲▲さんが「小説版のぼーさんは挿絵では本当にハゲてるよ。」と笑いながら、ショックを受けている人の顔を見て楽しんでいた辺り、2人の間で連携して詳しく知っているだろうとは思われる。)心霊物の話は好きなので取りあえず読んでみた話です。内容を見て、「生きていてもどうしようもなかった人間が死んでからも相変わらず迷惑をかけている様」にこそ恐怖を感じた私としては、本当に怖いのは生死に関わらず「気違いな人間の思考回路だな」と改めて感じた顛末でもありました…。

 悪霊がいっぱい!?…ナル「助手のリンは君がカメラに勝手に触っているのを止めようとして声をかけて、驚いた君が倒した下駄箱で額を切って足を捻挫した。君に責任があると思うが、谷山さん?」
麻衣「ちょっと待ってよ、あたしだって被害者なのよ!死ぬほど驚いて、オマケに遅刻したんだから!」
ナル「彼は怪我をした。ドイツ製の特注品である何千万もするカメラも壊れた。弁償して貰っても良いんだが?」

自分の所有地でも何でもない、通っているだけの高校で、立ち入りを禁止された旧校舎に勝手に入って、物珍しいからという理由一つで無断でカメラに触って、結果、相手に流血沙汰の怪我をさせておきながら逆ギレの被害者面って、逆ギレ無言電話女のよしみつさんみたいなヒロインだな(松葉杖をついて歩く怪我人を出しておきながら謝りもせずにエヘラエヘラとその場を誤魔化そうとして、「自分」が気まずい思いをする事に「何で、こんな目に遭わなきゃなんない訳?あたし、一体どうなっちゃうの!?」と原因を作った己の立場は棚に上げて、自分の事しか考えないこの女って、正直かなり性格が悪いと思う。)と、主人公という立場に反して嫌悪感ばかり持ってしまった少女でした。「ナルの事を夢にまで見ちゃうなんて、それってもしや恋!?」とラブコメ要素を取り入れた所で、別に彼女への好感度が上がる訳でもないし、微妙にしか思えない第一話目(というかヒロインの姿。自分だったら、嘘つき自己顕示欲女の霊感少女・黒田さんの方がまだ「素直に謝る」分だけ可愛げがあるし、むしろバイトにはこっちの子の方を雇うと妹共々語り合ってしまったり…。)でした。

 人形の家…悪霊「わるい子には罰をあたえる」
ぼーさん「オイオイ、嘘だろ?何でだよ、箱はきれいに燃えたっていうのに。何でお前さん(人形)は無事なんだ、ミニー?」

「礼美ちゃんは人気がありました。…麻衣よりも。」と作者(いなだ詩穂先生)のコメントにも書いてありましたが、それは「可愛い女の子の礼美ちゃん」(必ず一定層の人気を獲得する「子供」キャラクター)に人気が集中したのではなく、「その事件限りの脇役」にも劣るほど顰蹙ものの性格をしたヒロインが読者の皆さんからも嫌われていただけ(無言電話女・よしみつもそうだけれど、これだけの事をして「自分は全く悪くない!むしろ相手にどんな迷惑をかけても「辛い思い」をしてる自分こそが被害者!」と1人で思いこんで、現在にいたっては謝るどころか自分がしでかした事態すら忘れている様子では…ねえ。最も麻衣の場合は一度きりの「偶然の事故」であり、よしみつのように「故意バリバリの犯罪レベルに達した嫌がらせ」を繰り返している訳ではない辺り、まだマシな部類ではあるけれど。)ではないかと思えて妙に納得した有り様でした。やっぱり、嫌われますよね、こういう性格の人間は。

 放課後の呪者…よしみつ「ええ、相手の家や職場にまで無言電話をしたのも、人のIPアドレスを無断で使ったのも、ラインで他人を騙って妙なサイトに誘いこもうとしたのも、ほんのイタズラだったんです。ボク、くやしくて…。」
ナル「イタズラで済むのですか?親に証拠偽造して貰ってまで警察の手を免れても、ストーカー規制法と不正IPアドレス使用禁止法と、刑法に違反する犯罪です。」
麻衣「どうして、こんな場面で、こんな真似をして、イタズラ気分で笑ってられるの、この人…?人として守らなければならない場所を完全に見失ってしまっている…。」

能力が不安定な超能力者を認めてくれない日本の世間にも確かに問題は有っただろう。けれど、この人がされた事は公の場(雑誌の上)とはいえ「たかが悪口を言われた」だけ、それも自分が影で使っていた手をバラされたという至極当然な内容(かつてスプーン曲げができた事が本当でも、「その時にインチキ行為を使って人を騙そうとした事」も証拠写真の元にまた本当の事ではある。)であり、それで相手に病院送り沙汰の大怪我をさせるって確かにナルの言う通りに(精神科の)病院に行った方が良いよとツッコミを入れてしまいました。というか、軽々しい挑発に乗って自滅して、それに逆ギレして陰湿な嫌がらせに走るって、無言電話女よしみつそのものじゃないか!と思わず得心してしまったものです。思えば産砂先生が地元を避けて湯浅高校に来て、スプーン曲げ少女・傘井さんの味方面していたのも、彼女(よしみつの場合は▲▲さん)を矢面に立たせる形で繰り返し嫌がらせが出来るから(地元じゃ正体がバレているせいで、誰も自分のスケープ・ゴートなんかしてくれないから。)でしょうし、これはもはや超能力の有無の問題ではなく、性格(精神)の問題だな、と深く納得してしまった事例でした…。

 禁じられた遊び…よしみつ「この時代、ストーカー法、ありませんでしたよ?」
麻衣「バッカじゃないの、この女!他人の前に自分のストーカー行為、管理しろっての!」
安岡「何故、自分が悪く言われるのか本当に分からないんですか?何年にも渡る無言電話を続けたストーカー一家の『代表』が誰かと聞かれたら、僕でもよしみつを挙げます。」
ナル「そもそもの原因はよしみつです。法で罰せられなくても、これは犯罪に他ならない。」

確かに人を頭からバカにした嫌なオッサンだったけれど、それでも松山先生の場合は中年のオバサン(34歳)という年齢で未だにニート生活を続け、親に寄生しながら食い物にしている(挙句に無言電話を続け、親の評判まで下げている。)事無く、立派に就職して逆に家族を養う立場で働いており、生徒が自殺しようが意に介さずに同じ事を続ける(まるで親や友達が、そうすれば自分と一緒くたに晒し者にされると分かっていて全然気にせずに無言電話を続けるよしみつのようだ。)点は一緒でも「そもそもの原因が自分である」事は自覚して、後悔した後は自粛したよしみつのように逆ギレして「さらに悪化する」事は無かった。)点は立派だったな(大体、このオッサンは学校できつく嫌味を言う事は有っても、生徒の家にまでネチネチと無言電話をかけたりという陰湿な犯罪行為は一度も働いていない。)と先生の真人間ぶりを見直した話でした。坂内君に関しては自分でかけた呪いで自分も消滅しては世話ないよな(呪いなんて陰険な真似をするから…。)と思わずツッコミも入れてしまった、そんな話でした…。

 血ぬられた迷宮…ぼーさん「なあ、もしかして父親は知ってたんじゃないのか?自分の娘(よしみつ)が自分の家で無言電話をしていた事をさ。」
ナル「ありうるな。それで警察にも何故か本人でなく父親の彼が行き、自分の携帯を身代りに提出し、娘(よしみつ)の通話記録を隠した…。」
麻衣「信じられない…!家族の犯罪行為を守る為に、他人(被害者)を犠牲にするなんて…!」

まあ、同じ家で暮らす家族が気づいていないはずが無いわな(見て見ぬ振りはいくらでもしようが。)と、話で家の増築を繰り返しながら犠牲者の骨ごと父親の犯罪を隠蔽し(そんな金があるのなら、そこまで隠したいのなら、いっそ地下に座敷牢でも作って当人を監禁する方が犠牲者も出ないし話も早いと思うのだが。)父親の方もそんな息子の献身に胡坐をかいて犯罪行為を繰り返している(いつ犯罪がバレるかビクビクしている身内の気持ちはまるで慮っていない。)様は、警察に説教を食らっても懲りずに娘を野放しにしている父親(「私は、この家の家長ですから!家族の犯罪行為を守る義務があるんです!」byよしみつ父。)と、「何をやっても矢面に立ってくれるのは父親で、自分は痛い目を見ない」事に図に乗って無言電話を繰り返している娘の構図を持つよしみつ一家と全く同じで、犯罪者を抱えた家って、どこもこんななんだな(ていうか家族に「増長させる人間」がいるから当人も好き放題してるんだな。「普通の家」だったら、そんな性格に問題のある人間は家から勘当されるから、問題行為を起こす前に自立だけはさせているのだが。)と呆れた目で見てしまった話です。気にする位なら、そんな家族の下僕になり果てる前に、今からでも出来る事が有ると思うんですけどね…。

 呪いの家…謎の日本人「私が『これ以上嫌がらせを続けるなら黙っていない!』と、ブログにやらかされた犯罪行為の全てを書いたり、親に電話したり、挑発するような事をしたから、よしみつは逆ギレして無言電話を…。」
リン「挑発に乗る方が悪いんです。よしみつにだって、そうすれば何が起こるか分かっていてやった事なんですから。冷静な『普通の人間』だったらそんな挑発に乗るような事はしないし、そもそも度を失う事でもありません。自分の失態に逆上して、抜いてはいけない剣を抜いた…いわば二重の失態ですからね。自業自得ですよ。」

これはもう「どうしてこんな事になっちゃったの!?」という問題では無く「どうして分かっていて、こんな事をするの?」という常識的な問題だな(一緒くたに全てをバラされている共犯者の▲▲さんや両親は、逆ギレの元に事態を悪化させ続ける娘に良い迷惑な事だろう。)と、改めて実感した性格の病み具合でした。それでもナルの場合は機嫌が最悪(自滅が原因でそんな事になった事実は棚に上げてイラついている。)なのは相変わらずでも、迷惑をかけた相手にはちゃんと謝った辺り、よしみつよりは大人だし、事態の収拾はちゃんと自分で行った(よしみつのように、▲▲さんに人(私)を言いくるめる「嫌な役目」を押し付けたり、警察に通話記録を提出するのに父親を「パシリに使う」ような真似はしなかった。)辺りは偉いな、と原作者・小野不由美先生自らが認める性格の悪さ(「相も変わらず「ナル様!」と憧れてる女性読者は多数いますが…皆本当に「あんなの」がいいの!?あんな男が彼氏になったら苦労するよ!?」by小説版後書き)とは裏腹に彼を見直した話でした…。

 忘れられた子どもたち…麻衣「あのね、好きだった。…本当に鈍いなあ。すごーく特別な意味で好きだったの。」
ナル「…僕が?それとも夢の中に出てくるジーンが?」
麻衣「だって、知らなかったんだもん!そうとは知らずに『ナル』のする事に一喜一憂しちゃってバカみたい。今2人きりでいる事だって、ちょっと前なら絶対ワクワクした状況だったのに、全く『別人』だと思うと、ありがたみも何にも…。」
ナル「勘違いする方がどうかしてる。僕があんな、おせっかいな性格か?」

最終巻にまで渡って、「ふしぎ遊戯」に代表される当時の恋愛物ブームに(一応)乗って、描いてきたヒロイン×男役の「お約束恋愛」が、ただの「勘違い恋愛」に過ぎなかったとは…。(まあ、元々「ベタ甘な恋愛物は苦手で「心霊がらみの話」を絡める事で何とか書いてこれた。」と小野先生も小説版後書きで書いていたし、本当に書きたかった事は違うテーマではあったんでしょうね。)と、今まで「顔」だけで相手を判断して燃え上がっていた麻衣(中身はどうでも良かったんですか?)を改めて微妙に思うと共に、一応「中身」を見て、既に死んだ人間(見返りは期待できない人間)と承知の上で「ジーン」の方を選んだ様に多少、見直した終わり方でした。そして、あたかも全てが終わったかのような結末に反して、実はジーンさんはこの時、成仏し損なっていた(「何をやってるんだ、あのバカは。仮にも霊媒が道に迷うなんて。」byナル。)そうで、小説版の続編の方に立派に登場する事となるのでした…。(オイ!)

ALWAYS 3丁目の夕日 64

2010.06.15
 映画「3丁目の夕日」シリーズ最終作にして、2作目から6年後、子供達も高校生になっている3作目です。時代を感じる「TOHOSCOPE」のロゴに始まり、ラジオ放送を聞いた後、序番の紙飛行機の移動に合わせて背景を店→空→道路(本当は映画のようにつながった場所には無く、野外のロケ地。一度「家々を画面から外す」(青空で誤魔化す)事で、「昭和の町並みの全景」を自然に演出して見せた。)という1作目同様のCG合成の手法がここでも使われており、オープニングからシリーズ物ならではの醍醐味を感じたものでした。

 父・茶川林太郎(米倉斉加年)…林太郎「誰だ、お前は!?わしに息子はおらん!ここは儂の家だ!失せろ!」
茶川「…一言だけ言っておきます。僕は小説家になりましたよ。アンタが絶対に無理だって保証してくれた小説家にね。」
林太郎「くだらん!子供を騙しよる雑文だ!あんなもん、小説とは呼ばん!」

毎月欠かさず読み込んで、雑誌まで大切に保管している人間の言うセリフではないのですが、どうやら素直に愛情表現が出来ないツンデレ的性格は茶川家の家風の様子です。(↑の場面でも「えっ?何で僕の小説の内容を知ってるって言うか、読んでるんですか?」と気づけない辺りが茶川さん(息子)らしいというか、すれ違いの悲しさです。)終盤では「失速気味。がんばれ」「読者が離れてしまうのでは。心配。」と辛口になりながらも毎回欠かさずファンレターを書き続けていた(出してないけど。)このお父さんは、言ってみれば長期連載にありがちなグダグダ展開になってからも「ファンレターを書きながら応援してくれた読者」(出してないけど。)であり、確かに一番の大ファンだったんだろうなあ、と頷けてしまったものでした。惜しむらくは、叔母さん(林太郎の姉。妻はとうに死去している。)のおかげで全ての真相は知れたものの、その前に最後くらい素直になっておけば良かったのに(相手が淳之介のように気持ちの裏まで読める人間でないのなら特に。)という点ですかね…。

 茶川竜之介(吉岡秀隆)…茶川「もし、一平が物凄く出来が良くて、東大でもどこへでも行ける頭を持っていて、なのにわざわざ苦労する仕事…たとえば鈴木オートを継ぎたいとか言ったらどうする?」
鈴木「大歓迎じゃねえか!子供なんてのは何だかんだ言って、親の背中を見て育つもんだ。それが親の跡を継ぎたいって言ってくれてるんだろ?嬉しい事じゃねえか!」
茶川「あ~、これだから嫌なんだよ、庶民は!志が低くて!」

「可愛い子には楽をさせよ」(正しくは「旅(苦労)をさせよ」。)という諺があるけれど、でも「我が子に自分と同じような苦しい思いをさせたくはない」というのが率直な親の本音であり、「苦労は買ってでもしろ」と言うけれど、余計な苦労など無いに越した事は無い(「俺を見てみろ。どこに載せて貰えるかも分からない物を書き続けて、嫁さんに食わせて貰って、ヒモがどんなに情けない事かお前に分かるか?東大に行ける頭が有るのにそれを捨てて、俺はお前に俺のような『苦労』をしてほしくないんだよ!」by茶川)それが今まで曲りなりとも一家を守ってきた「父親」の願いだったのでしょうね。「好きな事を続けてる」から充実しているのと、「それで生活していけるのか」は別の問題であることを身にしみて感じてきた(淳之介を引き取ってから、実父との騒動を通して特に。)からこその言葉でもあったのですが、「好きだからこそ条件が恵まれていなくても幸せ」(だからアンタと結婚したんだ。)と嫁さんにまで言われては、立つ瀬も無くなってしまった様子です…。

 医師・菊池孝太郎(森山未夾)…宅間先生「孝太郎くんは無料診療の活動を行っているんです。多くの病院ではこれを禁じていて有志の医師のみで秘かに活動しています。孤児や浮浪者、時には娼婦のような人まで診ており、この活動が知られた為に前の病院をクビになったんです。」
孝太郎「悪い噂を広められているみたいで、何とか距離を縮めようと女性(看護婦達)に声をかけてはいるんですが…。」

話を聞いてみたら、真面目に働いているのは大嘘で詐欺の片棒を担いで身近な友人まで手にかけた武雄(「悪い噂」通りの男だった。)と、噂は全て誤解で聖人君子のような出来過ぎた人間だった菊池先生と、ここで差が出てしまったのか、話は一気に結婚まで進んでしまっていました。(「オイオイ待て待て、何でそういう流れになるんだ!」by鈴木オート)しかし、個人的に言わせて貰うと、武雄に比べると良い人過ぎて物足りないというか、私はこういう慈善を売り物にしている人間が苦手です。(こういう人がレベルアップするとランボー最終作に登場するような傍迷惑ボランティア御一行様になる。)そんなにも正規の治療が受けられない人を助けたいと言うのなら、コソコソ美味しい所取りをする形ではなく、きちんとNPO法人を作ればいい話であり、もし病院が彼を認めてしまったら普通に働いている他の医者は「きちんと仕事をこなしている」にも関わらず「何でアンタは菊池先生みたいに無料奉仕で過剰なサービスをしてくれないんですか!?」と責められる立場にもなりかねませんし、クビにされるのは理不尽どころか当然の流れの気がしてしまった私でした。「立派な若者」ではあるんでしょうが、それはもう「独善」の域に入っていやしないか(よくは知らない「その場限りの恵まれない人達」からこれ以上なく感謝される事に溺れて、何気に身近な人達のことを考えていないでしょ?)と思えて「いい人」な反面、多少、引いてしまった新キャラでした…。

 古行淳之介(須賀健太)…茶川「勘違いすんなよ。俺は全力でお前を叩きのめす。俺の言う事を聞かなかった事を心の底から後悔させてやるからな。」
淳之介「僕、おじちゃんの気持ち、全部、分かってますから!僕はどこに行っても茶川竜之介の一番弟子です!おじちゃんとお姉ちゃんの家族です!今日まで本当にありがとうございました!」
茶川「…こっちこそ、ありがとうだよ。お前が俺を、どん底から引き上げてくれたんだ。」(小声)

確かに淳之介がいなかったら、茶川さんはヒロミとのフラグが立つ事も無く、一生、独り寂しく「駄菓子屋のケチオヤジ」で終わっていた(もちろん芥川賞最終選考にまで残る傑作を書く事も、それが元で甲斐性MAXの出来た嫁が来る事も、父に孫を作ってやれる事も無かった。)事を考えると、まさか当の淳之介が「ヴィールス」の作者であり、よりにもよって茶川さんを雑誌連載から追い出す張本人になってしまう事と合わせて本当に人の縁とは分からない(ていうか、世間って意外と狭いんだなあ…。)と感じてしまった展開でした。結局、茶川家から「2代続けて家から追い出される形」で小説家になった淳之介ですが、茶川さんのように本心からの憎み合いにならなかったのは、その出来た性格ゆえでしょうね。結果として「東大に行く道を諦めて小説家になる」事態が作られた事をちゃんと分かっている様子です…。

 余談…それまでは(そういう「演出」を頼まれたとはいえ)「いや、茶川先生は酷い人ですな。あんな所は出て正解ですよ。」と無神経に罵倒していたのに、万年筆での別れを終えた後になると「茶川先生は来ますよ。必ず追い上げてくる。作家があの目をした時は怖い。」と急にしたり顔で理解者ぶる編集者の富岡さん(そのくせ読み切りを乗せる機会を授けたり、チャンスを与えるような事はしない。)に、少年Aの原稿を下請け会社の一つに(キックバックと引き換えに)丸投げした幻冬舎の社長といい、るろ剣の担当編集者(「人気の連載を辞めるって言うんなら、2度と剣心は描くなよ!」→「映画化もしたし、こりゃワッキーも誌上で剣心を描かなきゃな!」「何、そのカオスな発言!?」by和月先生)といい、雑誌の編集者ってリアルでもフィクションでもこういう人間なんだな(そりゃ茶川先生も「息子」が同じ道に進むのを嫌がる訳だ。書く事が好きだとか以前の問題で、こんな人と一緒に仕事したくないわ。)と妙な納得がいったものでした…。

エンバーミング⑥~⑩

2010.06.15
 何故、俺はこんな事をしてしまうのだろう、どうして俺は「普通」に出来ないのだろうと思いながら奴らはそれをする。奴らは動きを止めると溺死する鮫と同じだ。奴らは自分がしている事を分かっている。その結果どうなるのかも含めてな。だが辞められないのだ。何故なら奴らは自分の預かり知らぬ手の届かない所でそうするように仕組まれてしまっているからだ。理由を知っているのは奴らを作り上げた者達だけだろう。「フランケンシュタイン」は架空の話ではない。あれは現実を単に書いただけなのだ…という風に頭のおかしい殺人者を語っている小説「ダイナー」(著・平山夢明)の一説に、同じようにやたらめったら人を殺すイカレた人造人間(元人間)が多く出てくるこの話とシンパシーを感じて色々考えてしまったものでした。(話のヤバさ、救いようの無さは「ダイナー」の方が断然上ですが。)という訳でこっちの話は「死んだ人間にやり直しはきかない」事は同じでも、ある種の救いを持った終わり方で終了です。

 ジョン・ドゥ(正体不明の死体)…アシュヒト「お前達、結婚するんだって?こいつはプータローだぞ!なのに奥さんの方まで仕事辞めちゃうって、アンタら、これからどうやって生活していく気なんだよ!?」

仕事を辞めるのは個人の自由だが、それは新しい就職先が決まってからの話にした方が良いぞ(特に草刈りや土木作業などの汚れ仕事を全部、人造人間に押し付けて、人間の手間が無くなっているこの町では肉体しか取り柄の無い夫・ジョンは半永久的に無職(プータロー)から脱出できないだろう…適した仕事が無くて。)と思わず奥さん(ヒルダ)にもツッコミも入れてしまった2人のロマンスでした。グロイ描写にも暗い展開にも「るろうに剣心」で耐性はついていたけれども、まさか「事後」とはいえ思いっきり「思わせぶりな描写」(素っ裸での起床。ジョンの方も真っ裸で風呂から出てきたし、もはや「誤解」のしようは無い。)を、あの和月先生が描かれたのに驚きながらも、この「人好きのするお兄ちゃん」の幸せに素直に拍手したものでした。おかげでエルムちゃんをぶち殺して蘇った非情な殺人鬼と化した「現在のジョン」は対比と合わせて、あんまり好きになれなかったりしています…。(それにしても、ジョンが法廷に立っている時といい、ヒルダが印つきとして牢獄に入れられている時といい、パンツくらい与えてやれよ、ポーラールート!と別の所でツッコミも入ってしまった過去編でした…。)

 トロイマン・ワーグナー…ワーグナー「ポーラールート崩壊、その原因は色々あろう。だが、その一つが職務を全うできなかった私の非力。もはや誇りなど欠片も無い。だが親の代から受け継いだ理想郷を次の代に引き継げなかった身として、せめて生き残った市民だけは無事、外の世界に…。」
ジョン「アンタ、真面目だねぇ。そんなんで人生楽しいか?」
ワーグナー「…そうだな。楽しくはない。だが、充実している。」

10年前のその時は、日本の警察と同じく自分の立場を守る(職場の椅子を温める)事を優先して、本来の使命である弱者(女子供)を守る事さえ仕事を言い訳にしてなおざりにしてきたけれど、バカ男時代のジョンの単純明快な行動(自分はバカですら行う「男として当たり前の行動」すらやっていないという現実。)、そして保身大事に行動した結果、結局、理想郷崩壊時に何もできなかった責任を感じた事も有り、彼も変わった様子です。(犯人探しは興信所、罰をあたえるならヤクザという定説まであるように、最早、民間企業にすら劣っている「日本警察の皆さん=正義の立場にいながらデスクワークを言い訳にして交通違反のノルマ以外は何もしない寄生虫」にも見習ってほしい位だ。)もう故郷も職場も立場も無くなっているのに、使命(弱者を守る)の為に命をかけて散った最後には、知らず、感動してしまったものでした。おかげで「かつてのジョン」も一瞬だけ目を覚ました様子(そのまま一瞬で消えなきゃ良かったのに。)ですし、変わり果てた「現在のジョン」にも感じる物が有ったのでしょうね。

 タイガーリリイ・コフィン…ヒルダ「どうせ最期だ。自分の記憶も自身の存在も自分自身で選べばいい。」
タイガーリリィ「そうだな。私は人造人間タイガーリリィ・コフィン。統率のナンバー2だ。…さあ、約束を果たせ、先生。」

起動した後の思い出は全部、嘘偽りで、あれほど慕っていた死体卿からも「便利な手駒」として扱う為に騙されていただけだった…それでも騙されていても楽しかったというか「統率のナンバー2」として頑張ってきた自分の気持ちには嘘偽りはなかった(「嘘がどうした!偽りが何だ!幻だってかまわない!それでもあの時感じた夢のような心地こそが私が始めて感じた幸せだったんだ!」byリリィ)それが胸を張って言える彼女だけの真実だったのでしょうね。そして戦った結果、ジョンに半殺しにされ、アバーラインにも情けをかけられた(プライドが高いだけに「自分はもう、こんなコミカル系の雑魚にまで同情されるレベルに成り下がってしまったのか。」という状況は辛いだろうな。)という展開に、何だか可哀想になってしまった女戦士でした。最後は信頼していた先生に看取って貰えたのが救いでしたが、生前の彼女が言っていた通りに「たとえ下等でも人間として生きた方がマシ」だったと思うと切ないです…。

 ヒューリー・フラットライナー…「どうやら終わりが来たようだ。もう思い残すことは無い。もう安らかに死なせてくれ…。」

御大登場…とはいえそもそもポーラールートとは全く関わりの無い人間で、本人の話(レイスとの愛憎劇)も既に終わっているし、後半に置いてあんまり重要性を感じられなかった3主役のうちの1人でした。(それでも「全く関係の無い他人の事情」の為に魂を使い果たしてまで戦ってくれる辺り、この人はやっぱりいい人なんだろうな。)仇を撃つ事も出来ず、友人(レイス)も救えずに殺されて驚愕と絶望の表情で死んでいた生首ヒューリーが、やれる事は全部やれたと心から満足して笑って死ねた(奇しくもエーデルを殺した人造人間に復讐を果たす事もできたし、ヴァイオレット(本物エーデル)の命も救う事が出来た。)様には、同じ生首の姿とはいえ拍手した終わり方でした。最終ページではエーデル、レイスの墓と3基微妙に離れた距離(何故あんな斜めの向きに…。)で同じ土地に眠っている様子ですし、彼の人生が幕を閉じた後ジョンが残り僅かな人造人間を倒して世界は元通りになった…という事なのでしょうね。

 エルム・L・レネゲイド…アシュヒト「エルム…このまま本当に君を黄泉返らせる事が出来ても、ボク(12歳の私)がもう此処にいない。あの日からの続きは、同じ歳月を歩む事はもう出来ない。過ちはそのままに…僕達はもう2度と、会うことはできない。」

共に歩む歳月が記憶と人格を作り、魂や心を育むのならば、あの日、喪ったエルムとは共に歩めなくなった時点でとっくに終わっていたんだ…というどうしようもない真理に10年も経った今更になって悟ったというのは思えば痛い展開です。(いっそ本物エルムの方も人造人間化して両手に花の展開にしてしまう、というのはやっぱり無しなのか。)とはいえ、それまでずっと人造人間エルム=人間エルムのなれの果て(肉体は同一)と思っていただけに、まさか死体卿の言う通りに本当に「2人いた」とは思わず、アホの子の方が選ばれた展開(まあ、あれだけアシュヒトの事を想ってきた子が利用価値が無くなったからという理由だけで捨てられるのは読者も許さないだろうが。)と合わせて驚かされたものでした。惜しむらくは人造人間の方が選ばれたにも関わらず彼女の方も余命いくばくも無いという点でしょうか?眠るように苦しまずに死ねるし、死後も友達(人間エルム)が待っていてくれているのが救いですが、色々切なく感じてしまった終わり方でした…。(それにしても、まさかの「女の友情エンド」とはね…。)

 大創造主ゲバルト・リヒター…「家族が欠けた…もう2度と元には戻らない。私の楽園が失われてしまった…。今度こそ私は揺らいでしまうのか…?否!しからば心機一転!新たな家族を作って、新たなる私の楽園を目指せば良いのだ!」

うわ、立ち直り、早っ!と、その百面相と合わせて思わず吹いてしまったアシュヒトのお父さんでした。病気(寿命)で亡くなった妻を10年も忘れずに想い続けた(普通だったら死後1年位で周りの友人も「そろそろ次の人の手を取ってもいいんじゃない?」と勧め出し、とっくの昔に再婚している。)辺りの一途さは息子に通じる所があるのでしょうが、本当に相手の事を思うのなら生前の彼女(母)の遺志通りに「年月を重ねる事も、成長する事も出来ない死体」として生きるのは「幸せ」ではないだろう(だからって亡骸を傷つけるのはやり過ぎだと思うが。)と意見が別れた父子の相違です。才能がありながらも好きにはなれなかった創造の仕事(「お前、つまらなさそうだな。」「つまらんよ。こんなの粗大ゴミを組み立てているようなものだ。」とトートと会話している通りのただの器用貧乏。)から察しても彼にとって妻のダリアが全てだった(妻と一緒に過ごした日々が「楽園」(エデン)だったって…。)が伺え、10年以上追い求めた夢が息子同様に叶えられずに終わった様には、思えば悲しい人でもあったなと同情もした大創造主でした…。

 死体卿トート・シャッテン…トート「人間に興味は無いんだ。僕と仲良くしたいのなら、一緒に暮らしたいなら、死体にならなきゃ。…分かっている。僕は死体に生まれたかった。」
ジョン「じゃあ死ねよ。死ねば、てめえの周りに生きてる奴は一人もいねえ。死んだ奴しかいない、お望み通りの死体の楽園だ。」

ジョンの言うとおり「死体になりたい」のなら今すぐにでも首を括れば願いは叶うでしょうに、周り中の人間を巻きこんで、その為に大量の死者も出した様(死ぬなら1人で死ね!)には、結局こいつが願っていた事は「自分を王様とした、何の文句も言わない人達(死体)にかしずかれる国」を作る事だけ(それは妄想だけで済ませて下さい。)で、本気で死にたいとも、自分の異常性を改善しようとも考えていなかったんだ、というゲスな本音が垣間見えたものでした。大創造主ももっと助手にする人間は選んでほしかったというか、律儀に彼との約束なんか守らずに死なせてやればその後の犠牲者は出なかったでしょうに(そして素体の誤魔化しも「死人に口無し」でバレる心配は無くなったでしょうに。)気違いが2人して選択を誤りまくったせいで起きた悲劇には、もう涙するしかありませんでした。おかげで駆け足で死んでくれた最後がとても小気味良かったです。

エンバーミング①~⑤

2010.06.15
 世界3大モンスターであるドラキュラ、狼男、フランケンシュタイン(怪物くんの登場人物としても有名。)のうち「地獄先生ぬ~べ~」でも取り上げて貰えなかったフランケンシュタイン(ドラキュラ→女の精気を吸う元気功師、狼男→狼に育てられたとされた少年、とアレンジを加えられながらも2つは取り上げて貰えたんですけどね…。似た系統でゴーレム(ベースは土と水)は取り上げて貰えたんですけどね…。)の話です。妖怪としては最も神秘性から遠く人間性に近い存在である事から話を作ることが難しいと思われるだけに新境地を感じたものでした。

 ヒューリー・フラットライナー…「この復讐は俺のモノだ。それで親父やお袋、ここで殺された人達が生き返る訳じゃないけど、それでもやらなきゃ俺はこの先一歩も進めやしない。人造人間(フランケンシュタイン)は殺す!全て殺す!」

言う事が怖いレイス曰く、ヒューリーの怖い部分は「顔だけ」で性格の方はエーデルやシェイド以下屋敷の皆とも仲良しの「人好きのするお兄ちゃん」だったらしいですが復讐街道一辺倒の話の展開に「この主人公、怖いですよ…。」と引いてしまったファンもいたらしく(特にライトポップな「武装錬金」(明るく前向きな主人公)以降からのファンはギャップに苦しんだらしい。「るろうに剣心」から読んでいる私は多少グロイ・怖い・暗い展開もこの作者は描くことを知っているから許容範囲というか心の準備は出来ていましたが…。)彼の人間味(優しさも思いやりも人一倍あるいい奴)を描ききれなかったのが反省点だと作者もキャラクターファイルに書いていました。その後もエルムちゃん(赤の他人)の面倒を見たり、根が良い奴(でなければ既に死んで何も言えない人間の為に、何の得にもならない復讐なんてしないだろう。)であることは確からしいですが、だとしたらビジュアル(見た目)でかなり損をしているよな、この人…と変な所で同情もしてしまったメインキャラクターでした。

 シェイド・ジェイソン…ワイス卿「一文無しだったお前の子供が流行り病で苦しんでいるのを看たのは誰だ?私だ!高値な薬を使って痛みを和らげてやったのは誰だ?もちろん私だ!キチンと埋葬して墓を立てて弔ってやったのは誰だ?やっぱり私だ!一身一生を捧げてでもこの恩に報いると誓ったのは誰だ?お前だ!!」

彼がワイス卿に傾倒して「育ての子」であるヒューリー達を殺そうとしてまで「エーデルを取り戻すこと」に協力したのは同じ「本当の我が子を失った痛み」を知っているから(そして悲しい話だが所詮「偽物」は本物の代わりにはなれなかった。誰だって誰の代わりにはなれないというのは真理だが、その「本物1人」の為に他の人間を犠牲にするのはもっと間違っていると思うぞ。)という理由があっての行動だったそうです。が、その為に邪魔者として殺されかける羽目になった育ての子にしてみれば、いい迷惑な話(そもそもヒューリー達が孤児になったのも「実験素材の調達」の為に彼らに親を殺されたせいで、運命を狂わせたのは全部こいつら。)で、ちょっと共感はしきれなかった今までの経緯でした。挙句に、その育ての子らの扱いに関しても差があった(ヒューリーに対しては期待をかけて強い男に育て上げたが、レイスに関しては最初から見込み無しとして期待(試すこと)すらしなかった。)様を考えるとやはり「親」としては間違っていたな(そもそも育てた子(血の繋がりの無くとも我が子)でも邪魔するなら殺すってどうなんだ?)と思えて、改めてヒューリーとレイスの2人に同情してしまったものでした…。

 エーデル・ワイス…「どうしたの、ヒューリー?何で泣いてるの?ひょっとして初めての都会がちょっと怖い?…どう?こうやってギュッとすると少しだけ怖い気持ち、和らがない?」

本来、顎で使う(つまり口は使わない)はずの使用人と平気で口をきくわ、深夜の回廊を1人でふらつくわ(そんなはしたない真似、淑女はしない。)レディ(誉れ高き子爵令嬢)というよりは、おきゃんな町娘と言った方がピンとくる女性になり果てている様に(そりゃ社交界デビュー前から深刻に嫁き遅れの心配もするだろう。こんなお子ちゃまを「妻」にしたら上流階級で恥をかく事は必至です。)それを放置して好き放題させている父親(普通は鞭で打ってでも礼儀を叩き込もうとする所。娘は必ず泣く羽目になるが、礼儀作法を知らない事で嫁いだ先で血の涙を流すのも、また娘自身なのだ。)に疑問を持っていたのですが、それは人造人間(フランケンシュタイン)化した時に記憶も人格もどうせ飛ぶから、本格的な教育は「理想の姿」(黒い瞳のエーデル)になった時からで構わないとわざと放任されていたという恐るべきオチに思わず背筋が寒くなったものでした。1人「お嬢様」として恵まれていたけれど、それは代償を期待しての意図だっただったと分かり、ちょっと同情もした女の子でした…。

 アザレア・ミレー…「そうよ。資産階級(ブルジョワ)の御曹司も、訳有りの金持ちそうなお嬢ちゃんも、一回10ペンス(千円)で尻を触ってくる酒場のオッサン達も、小金持ちはみーんな私のカモ。アザレア・ミレーはセコイ人よ。」

まあ、確かに聖女とは言い難い女性だけれども、悪ぶっているのは「自分を下げて相手に嫌われる」為(それで「自分が手に入れられるもの」はせいぜい小金くらいで、彼の幸せの為に愛も住む場所も全てを失いながら身を引いている。)という物腰とは正反対の隠れた優しさに、だから成金息子のフィリップも惚れたのだろうと納得がいった女性でした。元々、婚約者のフィリップの家も「衣食足りて家名を欲す」というくだらない理由で、貧乏でも「貴族」の娘を彼に娶らせようとしていただけ(正しくは「衣食足りて礼節を知る」。人間は物質的に満たされて初めて相手への思いやりが持てる余裕が出るという意味だが、彼の父親はそれで満足せずに息子の人生を利用してまで地位を得ようとした。)ですし「人情的に」考えれば間違っていると同時に馬鹿げている話に長男フィリップは辟易していた事から今回の駆け落ち騒動に到ったそうです。が、逃げてばかりでは根本的な問題は解決しない。2人できちんと立ち向かった展開に好感を持った話でした。(ていうか次男もいるんだしイギリス元皇太子のエドワードとウォリス夫人のように廃嫡して弟に任せる選択肢もあると思うのですが…。)

 メアリ・ジェーン・ケリー…ヴァイオレット「私、知っているのよ!離婚された腹いせに父さんから攫うように屋敷から私を連れ出した事も!そのくせロンドンでは育児を面倒臭がってゴミと埃だらけの部屋に私を置き去りにしてロクに帰ってこなかった事も!娼館の女主人に私を担保にして借金をした事も!自分がどんな母親だったか忘れたの?今さら何しに出てきたの!?」
ヒューリー「そうだ。確かに生前のメアリはエーデルの言う通りの悪女で、だからこの人造人間メアリは…狂っているんだ。」

確かに恥があったら今さら娘の前に顔など見せられないはずですが、気が狂ってその辺の「常識」を忘れた今の母親(その死に様が室内で2時間かけてのバラバラ殺人だったという内容を考えれば、気が狂うのも無理はない痛い結末だったでしょうね。←他の犠牲者は野外での短時間犯行という事もあり切り裂かれたのは喉だけでミンチにはされなかった。700年も続く伝統行事・シティ市長の就任パレードの時期に合わせて「目立った事件を起こす」為だけにこんな目に遭わされたのだから思えばメアリも浮かばれない女性である。)には「最後に娘に会いたかった」(最後に娘に何かしてやれば良かった。)という思いしか残らなかった様子でした。(生きている頃は見舞い一つ来なかったくせに「死んだ」とたんに喚き出す↑のような人間は本当によくいる。「じゃあ普段からもっと大切にしてれば良かっただろう。」という常識的ツッコミはそこには届かないらしい。)「検死審問」によると生前は「自称25歳で炭鉱夫の夫はガス爆発でなくなり、父親は鉄工場の職工長、兄は近衛歩兵連隊所属」という経歴を吹聴していたそうですが、どれ一つ裏付けが取れず(最も真実であっても「売春婦なんて恥ずかしい娘は家族にいません!苗字がたまたま同じだけの他人です!」と家族は否定するだろうが。)メアリの経歴は「全部デタラメかもしれない」という解釈からこのようなドラマを成り立たせた展開には思わず舌を巻いたものでした…。

 切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)…ピーベリー「こいつは下水道を住み家にしていて逃げ道に精通していた。その上。元々の身体能力も高く警察に一度も捕まる事は無かった。結局の所こいつの最後は周辺住民の手による私刑(リンチ)…」
リッパー・ホッパー「何だ?俺は生き返ったのか?頭がボーッとして良く分からねえ。けど、ただ一つハッキリ分かる。名も無く誰にも知られること無く惨めに死ぬのはゴメンだ。あんな『終わり』は2度とゴメンだ!」

自分の娘(売春婦)を生きたまま解体された人間は職業貴賤を問わず犯人を許さない。下水道どころか地獄の果てまで追いかけて復讐を果たすだろうし、ましてやイーストエンドという英国一安全と程遠い地域では長生き出来るはずも無いだろう(そして、この手の犯人は捕まるか殺されるかして物理的に犯行が不可能な状況に陥らない限り辞めはしない。羊達の沈黙風に言えば「犯罪を犯す事が犯人にとって既に『趣味』になってしまっている」からである。)と犯人が実は人造人間だったというフィクションが加えられたとはいえ、結末にはかなりのリアリズムを感じたものでした。切り裂きジャックが英国中に知れ渡った後に突然「消えた」のは、有名になり過ぎて自粛したというより、事件を知った皆が「証拠は無い」けれど物理的に「奴」以外には犯行が不可能だとしか思えない人間に秘かに私刑を下したから(で、人造人間になるなんて現実には無理だから漫画のように蘇りはしなかった。)と考えると全てに納得がいって、史実とちゃんと辻褄を合せた事と合わせて唸らせて貰った展開でした…。

 レイス・アレン…死体卿「聞けば寒冷地で死んですぐ人造人間になり、調べれば余計余分な機能は一切備わっていない。これまで数多の人造人間を観て来たが、これほど新鮮(フレッシュ)で単純(プレーン)な死体は初めて。失われたエグゾスケルトンの精神を再構築する、その寄り代(生贄)として最高最適故に、彼は特別なのだよ。」

まさか「何の取り柄も無い」という特徴がそんな風に活用できるなんて…と思わぬパワーアップ(と、その代償として死体同然に動けなくなってしまった結末。)に驚かされた展開でした。実の親には虐待されて育った為に復讐に生きるヒューリーみたいに家族を殺されても何の感慨も湧かず(育ての親であるシェイドには育てては貰ったものの「こいつ、ヒューリーに比べらたら出来の悪い男だなあ。」と幻滅されていたので信頼関係は芽生えなかった。子供は虐待されなくても差別されると分かるものなのだ。)「ヒューリーに期待していいのは僕ただ一人!僕の期待に応えてくれるのもヒューリーただ一人!」(なんか、すっごく寂しい人間だな…。)と自分を助けてくれたヒューリーに余計に執着するようになった様子です。が…親に虐待(ネグレクト)されて育って、人造人間に殺されかけて、ヒューリーが一生懸命助けようとしているって、正に今のヴァイオレット(エーデル)の事じゃないか(「エーデル」を殺す事は自分自身を殺すも同然だった。)と自分の「間違い」にここに置いてようやく気付いた模様でした。その結果が自分が殺される事を受け入れる事だとは悲しい話でしたが…。

 余談…「ノック2回はトイレ、3回は知人・友人・恋人など親愛なる間柄、4回が仕事先など礼儀を必要とする場所」でありそれ以上は絶対の殺意だと書いてありましたが、トイレでも「ちょっと!早く出てよ!ドンドコドンドンドン!」と5回以上叩く事はあるし(この場合、微妙に殺意もこもっていますが。)「これはあくまでも一説に過ぎない」という但し書きに納得したものでした。

 追記…ヒューリー(怒り)、レイス(死霊)、アシュヒト(アッシュ(灰)になった人)、エルム(楡の木。花言葉は信頼。)、エーデルワイス(大切な思い出)、アザレア(あなたに愛される喜び)、ヴァイオレット(小さな幸せ)、タイガーリリイ・コフィン(賢者)という花言葉を中心とした名前に、コフィンは「棺」という意味、エルム(楡の木)が棺桶にするのに最も高級な木である事実と合わせて(どうやらポーラールートでは不吉極まりない名前ばかりが流行していた事が分かる。)意味を持たせてある様になるほど!と思えたネーミングの由来でした。

ALWAYS 続・3丁目の夕日

2010.06.15
 「大きな過去は歴史として尊重されるが、祖父母や父母が生きてきた近過去は否定される。おかしな話である。近過去を大事に思い出す、それは自分の足元をしっかりと固める事であり、亡き人々を追悼する事でもある。」と評論家の川本三郎氏に「単なるノスタルジー映画ではない」と論されていた反面、同じ評論家の石岡良治氏には「当時の日本に有ったはずの不衛生な臭いが表現されておらず、無菌化されている。」(昭和34年。キャッチコピーにもある通りに「日本の空は広かった」が、四日市ぜんそくにイタイイタイ病にと公害真っ盛りの時期でもあり、水路は絵の具を流したかのような有り様、工場の煙は真っ黒で、空は広くても空気と水はかなり汚なかった。)と評されており、取りあえず色々な評価を下される程に注目を浴びたシリーズ映画(アンチがいるのは人気の証拠さ!)となった様子です。そんな訳で前作から4ヶ月後の物語です。

 鈴木美香(彩夢)…美香「こんなの、すき焼きじゃない!牛肉じゃないじゃないですか!大体、何で女中と一緒なんですか?部屋は狭いし、ピアノも無いし、油みたいな臭いはするし、もう嫌!成城の家に帰りたい!」
一平「人の家の世話になってて何だよ!お前の父ちゃんが授業(事業)に失敗したのが悪いんだろ!」

ハッキリ言って性格の悪いクソガキの持論(大人だったら1作目の六ちゃんのように「文句が有るなら出て行け!」と髪を逆立たせて怒られている。)なのですが蝶よ花よと育てられたせいで一般家庭とのギャップについて行けないというか、最初に与えられ過ぎていると失った直後はきついというか、「こんなの人間の食事じゃない!その辺を歩いていた犬の肉じゃないですか!部屋ではゴキブリの大群が蠢いているし、南京虫に刺されて体中がかゆいし、もう嫌!日本に帰りたい!」という気持ちは分からんでもない(戦争が終わった昭和の日本はここまで酷くは無かったが、映画のように無菌化されてもいなかった事も確か。1作目で食中毒患者が出たように、ぎょう虫検査陽性で虫下しを飲む事はしょっちゅうだったそうだし、衛生状態は非常に悪かった。)と多少は共感が出来た時代背景でした。最も皆そんな中で文句も言わずに家の手伝いをしており、ワガママを言っているのは自分だけだと自覚もして彼女も変わった様子ですが…。

 古行淳之介(須賀健太)…父・川渕康成「私も鬼じゃない。泣きながら車から飛び出して行った淳之介を見て、その時はこの子の意志を尊重しようと思ったんです。しかし、聞けば学校の成績は一番だそうじゃないですか。作文も何度も表彰されてる。優秀な子には、それにふさわしい教育を受けさせなければならない。それは大人の義務です。茶川さん、貴方にそれができますか?」

「何も出来ないみそっかす」だったら、別に正妻の息子でもないし失っても惜しくは無い。けれど将来有望な優秀株となれば妾の子であっても「自分の息子」として手元に置いた方が「さすが『あの方の息子さん』はレベルが違う。」と自分の株も上がる(そして子供1人養う位のはした金など自分は充分に持ち合わせている。)と「手離すには惜しい逸材」だから再度、親の権利を振りかざして引き取りに来た父親でしたが、それよりも「(養)父や友達と一緒にいたい」からその場に留まりたい淳之介は頑として首を縦に振らないので、養父の方から責めることにした様子です。(置いて貰って養って貰っている分、実父として生活費と学費だけは送るとか、妾にホイホイとそうしたようにいっそ家一軒建ててあげるとか、彼が「自分の息子」にならない以上は、親としての義務を果たすつもりは無かったらしい。)最も、賭けには勝ったのに「引き裂かれた家族が集うという感動的なラストシーン」の前に引き下がった辺り、この人も鬼ではなかったのでしょうが…。(残念ながらもはや理屈の問題ではない。子育ては「手離しちゃった方」が負けなのである。)

 中山武雄(浅利陽介)…武雄「立派な小説家の先生だったら、少し位ふんだくったって罰は当たらないと思って…。」
六子「アンタがコック辞めて、見つけた仕事って詐欺の事か!こったら事して手に入れたプレゼントでオラが喜ぶと思うか!武雄が新しい仕事見つけて、オラがどんなに嬉しかったか分かるか?そいが何だべ、これ!何して、そったら酷い事が出来るんだ!?」

という訳で、惚れた相手を含めた周り中の皆に詐欺行為がバレて軽蔑された事から金回りは良くても、真っ当な友達は失う仕事だと彼もようやく自覚した様子で、兄貴との付き合いも絶ち、再度コック見習いとして堅気の仕事に戻った様子です。が、それでも一度やらかしてしまったのと、一度もそんな犯罪は犯していないのとは雲泥の差が有るというのか、六ちゃんとはその後も上手くいく訳でもなく3作目でも「武雄は弟みてーなもんです。」(どうしようもない男だから「面倒を見る」感覚で友達として付き合ってはいるが、「彼氏」の対象からは外れる。)と公言された上で他の男とデートされていたのが…自業自得とはいえ痛い展開でした。思うに六ちゃんが彼に抱いていたほのかな想い(「野球部のキャプテンで、カッコ良がったんですよ~。」by六子)は彼が↑の犯罪をしでかしてしまった時に「終わった」のでしょうね。(「男からの評価は加点方式だけど、女からの評価は減点方式」とはよく言うように、女心は理屈ではない。一度ダメだと思ったら、その後何が起ころうと、もう絶対にダメだったりするのだ。)

 茶川竜之介(吉岡秀隆)…小説「周りがたとえどんな目で見ようが僕は知っている。蓮っ葉な物言いばかりするくせに他人の子の為に作ったライスカレー。ありもしない指輪を見つめて綺麗と囁いた君の涙。日を追うごと、時を追うごと、あの時の涙が僕の胸を締めつける。ただ不器用な者同士、肩を寄せ合って生きて行けたなら…それが僕の心からの願いなんだ。」
川渕康成「願望だな。ハッキリ言って甘い。実に君らしい作品だが現実はこうはいかんよ。」

この作品は僕が君に捧げる為に書いたんだ…という茶川さんの熱い想いは残念ながら芥川賞選考委員の方々、並びに淳之介の父親には今一つ伝わりきらなかった様子で、落選ついでに選考委員を名乗る詐欺師に金を巻き上げられた事もバレて(「滑稽だな。君の人生は実に喜劇だ。人間が低級だから、そんな低級な詐欺にも引っ掛かるんだ。」by川渕さん)どん底の状態にはなったものの、彼の「心からの願い」はご近所の方々、実家の父親、そして御本人にと、他の色々な人には伝わっていた様子で、賞こそ取れなかったものの、愛しの彼女は彼の元に帰ってくるという救いのある終わり方を迎えていました。だってフィクションですから。(そこは裏切ってはいけない所です。)川渕さんとの約束は果たせなかったものの「淳之介との約束」は守った(「約束したじゃないですか!おじちゃんと、お姉ちゃんと3人で暮らすって!僕は絶対にこんな終わり方は嫌です!」by淳之介)事で実父の方も認めるに到った、そういう事なのでしょうね。(稼ぎ手が「2人」に増えれば給食費位は払えるようになるだろうしね…。)

 余談…慇懃無礼な実父・川渕康成役が、実はドラマ「ラストコップ」の署長役(いつも絵を描いている、どこか読めないトップの男。)小日向文世である事に気づいて「そういえば、この味のあるしゃべり方は同じだ!」と父共々大騒ぎしたものでした。

ALWAYS 3丁目の夕日

2010.06.15
 これまた「ドラえもん」や「暗殺教室」、「デスノート」、「寄生獣」同様に漫画の実写映画化作品(原作つき映画。その時点で原作ファンが見に来ることが約束された「ある程度の興行成績」が保証されている映画。)であり、それまでオリジナルSF作品でパッとしなかった山崎貴監督はこの映画の大ヒット(上映期間は延長され、年越しロングラン映画となった。)を通して脚光を浴びたそうです。そして同じく昭和を舞台に生き抜いた男の生涯を描いた名作映画「海賊と呼ばれた男」に続いて行きます…。

 星野六子(堀北真希)…六子「私が家出る時、お母ちゃん達、喜んでたです。『ああ、これで口減らしが出来る』って。手紙、書いても返事も来ねーし、私、捨てられたんです。実家に帰っても誰も喜ばねえ。迷惑がられるだけです。」
鈴木母「この手紙の束、何だか分かる?全部、あなたのお母さんからよ。送り出した時も優しくすると辛いから厳しく突き放してしまったって書いてあるわ。里心がつくから、この手紙は見せないで下さいって。子供の顔を見たくない親なんているはずないでしょ。あなたが里帰りするのを楽しみに待っているわよ。」

ちなみに原作の方では「六ちゃん」は男性キャラクター(そもそも女で車の修理工って男女雇用機会均等法が普及した現代ですら数が少なく、板前や美容師に到るまで「女のなる職業じゃない!」という偏見がバリバリに残っていたこの昭和時代、余計に有り得ない。)なのですが、堀北真紀を「主演女優」にする為(だけ)に映画「リング」の主人公のように女性に変更したそうです。特技・自転車修理→自動車修理という、まさかの一字違い勘違いで鈴木オートに採用されてしまった(そりゃ、「車」の事は何も知らないだろうねえ…。)という数奇な縁で就職するも、黒塗りのベンツとお抱え運転手に期待を持ったら、社長さんの車はその後ろにある三輪車で(当時の車は自転車のように前輪は一つ。)、会社はビルディングの一室どころか一軒家と兼用の町工場で、色々な物に夢を見たい乙女としては結構ガッカリする事が多かった様子です。でも↑のような事もあるし、現実もそれなりに捨てたもんじゃないよ、と思わず慰めを入れてしまったヒロインでした…。

 茶川竜之介(吉岡秀隆)…淳之介の手紙「おじちゃん、万年筆をありがとう。ご飯を食べさせてくれて、学校に行かせてくれてありがとう。僕はおじちゃんと暮らした時が一番楽しかったです。」
茶川「何やってんだよ!何、戻って来てんだよ、バカ!行かなきゃダメだろ!行けよ!お前がいたら迷惑なんだよ!養うの、大変なんだよ!…向こうは、お金持ちの家なんだぞ。何でも買って貰えるんだぞ。常識で考えろよ、お前とは縁もゆかりも無い、赤の他人なんだぞ。」(抱)

東大を出ておきながら、永久就職世代の、しかも「東大神話」が残っていたこのご時世に、就職もせずに売れもしない小説を書き続け、親からは勘当され、遠縁の叔母の家(駄菓子屋)に転がり込む形で何とか生活している典型的なロクデナシ男ですが、原作によると「主人公」は彼だそうです。ラストシーンでは↑のセリフを言いながらも下駄であんなにも早く走り(実際、下駄で歩く事だって足の指の間は痛くなるし、足を上げるごとに踵部分が落ちるし、技術が要る。そりゃ、走ったら転ぶだろう。)一度は家に帰っておきながら、走って「別れた現場」まで戻ってきた行動に全てが出ている彼(本気で子供を鬱陶しく思っているのなら、家に籠って2度と子供を家に入れようとはしなかっただろう。それこそ淳之介の母親のように。)のツンデレ的愛情表現にツッコミを入れながらも思わず涙してしまったものでした。そしてそれは、頭の良い淳之介にもしっかり伝わっていたらしく、最後は抱き合っていた2人。淳之介にしてみれば「出来た人間」ではなくても、傍にいて気持ちをぶつけてくれる彼の方が、今までずっと自分を厄介払いしてきた実の親よりもハートのある人間だったのでしょうね。(「無視される」よりは「怒られる」方がずっとマシ。その点で茶川さんは損得計算でしか子供を判断しない実の両親に勝ったのだろう。)

 古行淳之介(須賀健太)…父・川渕康成「この子の母親の和子にはもう未練はありません。ただ子供は別です。仮にも私の血を引いた子供をこんな暮らし…いや失敬。きちんとした暮らしをさせなければ私が世間様に笑われます。何、ちゃんと認知もし、正妻の子達と同じように育てます。預かっていた貴方にも相応のお礼はさせて貰いますよ。心配なさらないで下さい。」

えっ、そうなんだ。政治家や実業家クラスの「大物」になると愛人の子供は「養いきれない厄介者」ではなくて男の甲斐性が作った「一族の人間」の一人になるんだ。(本当に「名も無き毒」の世界ですな。妾の娘だった本来「日影者」であるはずの主人公の奥さんも、父親に庇護はされており、一般の人間に比べるとやっぱり感覚の違う「お嬢様」だったように、母子家庭に甘んじても生活のレベルや考え方自体が違う様子です。)と妾を囲った(他に女を作った)事を恥じるどころか堂々とカミングアウトしている父親(そういえば政治家で昔「アンタ影で妾を4人も囲っているそうじゃないですか!」「失敬な事を言うな!6人だ!」と堂々と放言した人がいましたっけ。←なお悪いわ!)に逆に潔さすら感じてしまった展開でした。でも上から目線で慇懃無礼な態度に、所詮「優秀な自分の成績」(将来性)を評価して引き取りに来たに過ぎない父親の姿に(同じ目線で怒って、成績なんか気にもしていなかった茶川さんとはそこが違う。)息子が選んだのは「育ての親」の方だった、という結果でしたが…。

 石崎ヒロミ(小雪)…茶川「アンタ、前に俺と一緒になっても良いようなこと言ってたよな。その、俺もアンタに家に来て貰いたいんだ!…すまん。この通りだ。金が無くて箱しか買えなかった。」
ヒロミ「つけて。その、いつか買ってくれる指輪、つけてよ。」

淳之介を茶川さんに押し付けたこの女も良い性格はしていますが、多分、淳之介に言わせれば一時的にでも置いてくれて、口先だけでなく本当にご飯を作ってくれた分だけ家にも上げずに門前払いを喰らわせた実の母親よりは、暖かい人間だった(蓮っ葉な物言いはしているけれど、本当に金が全てだと思っている女性なら、指輪をくすねる事も出来ないのに↑のプロポーズを受けたりはしないだろう。)という事なのでしょうね。残念なのは「まだ人としての情が残っている女性」だからこそ、借金を抱えて病気で倒れた父親を見殺しにする事ができずにストリップバーに身を落とした(当然、堅気の茶川さんの前からは何も言わずに姿を消した。)事ですかね。「私はもう彼にふさわしくない」と思ったからこその別れでしたが、それは貴女が1人で勝手に出した結論であって、相手は納得できていないよ(どうせ別れるのなら「自然消滅」より「キッパリ振られる」方が、むしろ諦めがつくのだが。)、というツッコミは傷つきやすい女心には厳しかった様子です…。

ゴッドファーザー

2010.06.15
 「ゴッドファーザー」とはマフィアのボス、またはファミリーのトップへの敬称なのですが、本来はカトリックの洗礼時の代父(名付け親)という意味です。(相手がカトリックでない場合には「後見人」の事を指しているんだとか。)この映画では有名なマフィア・コルレオーネ家(本当は9歳で両親と兄を殺され、アメリカに亡命したドン・ヴィドーが入国審査官のミスで出身村の名前を苗字として書かれてしまった(戸籍上そう登録されてしまった)為に名乗り始めた苗字で本名ではない。三男マイケルが殺人後に身を寄せて結婚までしたイタリアの「コルレオーネ村」は他ならぬ親父さんの生まれ故郷である。)の隆盛の様、家族の悲劇を描いた名作です。イタリア系マフィア映画として有名で一応パート2も3も出ているらしいですが、マーロン・ブランド(猫を膝に乗せての貫録あるボスの姿は必見。)も出演しないし、父さんが言うにも「たいして面白くない映画」になってしまったそうですし、私のゴッドファーザー記はここまでにしておく事にします。

 ドン・ヴィドー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)…ボナセーラ「彼氏の誘いに乗ってドライブに出かけた娘はそこで集団で襲われました。操を守ろうと抵抗した娘の鼻と顎は砕かれ、2目と見られぬ顔に。裁判で出された判決は執行猶予付きで懲役3年。執行猶予!放免ですよ!お願いです、ドン。奴らを殺して下さい。」
ゴッドファーザー「君の娘はまだ生きてる。だが、儂はそれほど情けない男か?友人として頼まれれば、そんなクズなど今日にも処分してくれる。善良な君を苦しめる者は儂が許さん。…君が『友人』ならな。」

本来だったら映画「フライ・ダディ・フライ」のように夏休み中の猛特訓を経て自分の体を鍛え、己の拳で娘を襲った暴漢に復讐を果たすべき所であるのにそういう「面倒臭い事」は一切やらずに、嫌な事を押し付ける為に急に友達面し始めたのだから、そりゃ、ゴッドファーザーも怒るだろう(「君は何故、一番に儂の所に来なかった?儂の家内は君の娘の名付け親なのに、君の家に招かれてコーヒーを飲んだのは何年前の話かな?ハッキリ言って、君は私を敬遠してたろう。」byドン・コルレオーネ)と私も納得してしまった持論でした。(ぶっちゃけ、詐欺話を持ちかけてくるパターンで一番多いのが、こういう「かつての知り合い」の突然の友達面だそうです。)とはいえ相手は裕福な葬儀屋。恩を売っておいて損は無い相手(金か、内密の葬儀か、何にせよ、いつか役立つ時も来るだろう。)だからと↑の希望も受け入れている辺りは本当にできた人間です。洋の東西を問わず、ヤクザは義理固い様子です。(だからこそ、義理をかけると後が面倒臭い相手でもあるらしいですが…。)

 末娘コンスタンチャ・コルレオーネ・リッツィ(タリア・シャイア)…夫カルロ「俺はもっとファミリーの仕事がしたい!」
長男ソニー「お前は妹にそんな口のきき方をするな。今度、妹を殴ったら、そんなもんじゃ済まさないからな!」
ゴッドファーザー「生活は見てやるが、ファミリービジネスには入れん。」

結婚は認める。生活の面倒も見てやる。でも彼は「家族」ではない。「娘婿」であることは認められても逆立ちしたって後継者候補にはなれない人物(要するに「縁者」として仲良くやってはあげるけれど、自分の本当の息子達と決して「同等」ではない。かの「名も無き毒」の主人公みたいに、お情けの仕事を与えられて生活の保障はされていても出世街道からは外れている、そういう立ち位置なのだろう。)それが不満でもあったのか、結婚した後は浮気にDVにと夫婦仲は極めて悪く、果ては長男ソニーをバルジーニ一家に売った(「妹とワザと喧嘩して『彼らのシマ』でソニーともめ事を起こすように仕向けた。騙し通せると思ったか?」byマイケル)事で、ついには兄マイケルに始末されてしまう彼女の夫でした。(「それで、素知らぬ顔して息子の名付け親に!?人間じゃないわ!」by妹コ二ー)元々「たかがチンピラ」に過ぎない男との結婚であり、娘可愛さに渋々許しただけのゴッドファーザーもそれには理解を示していたそうです…。(要するに、婿養子に入ろうが「その程度の立場」である事を忘れちゃダメって事ですね…。)

 三男マイケル・フランシス・コルレオーネ(アル・パチーノ)…ゴッドファーザー「今まで気を抜く事もできずにファミリーの面倒を見てきた。その代わり、どんな大物にも騙されたり、バカにされたり、操られたりする事は無かった。それが儂の人生だ。何ら恥じる事は無い。だが、お前は裏稼業を継ぐのではなく、表舞台で人を操る側に立つと思っていた。コルレオーネ上院議員とか、州知事とか…。」
マイケル「上に立つ方の側に?僕はなるよ。見ててくれ。」

長男ソニーは殺されてしまい、残った次男フレドはボンクラ、じゃあ自分が跡を継ぐしかないじゃないかと父親の仇討ち(注・お父さんはまだ生きてます。)で人を2人も殺した事をきっかけに真面目街道一直線に誠実に生きてきた彼はインテリヤクザとして変貌を遂げて行ったのでした。(「あなた、変わったわ。家族がヤクザでも自分は違う、そう言っていたじゃない!」「大統領と同じで僕はファミリーへの責任が有るんだ。」「言ってる事がおかしいから!大統領は人殺しをしたりしないわよ!」byケイ)父親の死と同時に他の5大ファミリーのボスを殺した事で完全に地位を確立した新生・ゴッドファーザーですが、権力闘争というのはオセロであり「いつかひっくり返されてしまう」のは歴史の常で、パート3では家族共々撃たれて権力の座から転げ落ちてしまったそうです。幸いなのは、それが父親の死後に起きた話であり、父親がそんなマイケルの姿を見なくて済んだ点ですが…。

 嫁ケイ・アダムス・コルレオーネ(ダイアン・キートン)…ケイ「何故、今頃会いに来たの?手紙も電話も散々したわ。何年も音沙汰無しだったくせに、今さら私にどうしろっていうの?…もうダメよ。手遅れよ!」
マイケル「君が必要だから来たんだ。愛し合い、共に生き、子供を持つ…ケイ、君無しではダメだ。愛してるんだ。」

「結婚してから、きちんと言った事なかったけれど…貴方って最高だわ。」「今まできちんと言った事なかったけれど…俺って再婚だよ。」「…え?」という笑えないギャグをそのまんま体現したかのような元サヤカップル結婚の裏事情でした。諸事情で引き裂かれていた間も君の事を忘れた事は無かった…だったら美談だったのですがマイケルの方はアッサリ忘れて他の女(アポロニア)とよろしくやっていたそれも浮気程度で済まずに結婚までしている。)のだから、ケイも報われない女性です。(「だって奥さん、爆殺されちゃったし~。」byマイケル←奥さんは死んじゃったから、もういいの!ってアポロニアに対しても失礼なのでは…?)忘れ去られて放置されても彼にプロポーズされれば結局は受け入れるし、義妹の婿その他数多の殺人疑惑も「ウソだ。」の一言で彼を信じる、何度でも騙される性格(疑惑を感じてはいても結局は見て見ぬ振りをする女性。)に、だから貴女は「都合の良い女」扱いされるんだよ、とツッコミも入れてしまったものでした。

グーニーズ

2010.06.15
 子供の頃に金曜ロードショーでピアノ(と銘打った死体)を弾くシーン辺りから見た覚えが有る、王道・少年冒険活劇映画です。ツタヤのお勧め作品の中にランクインしており、タイトルも忘れていたものの「このあらすじは、もしかしてあの映画か!?」とその場のノリ(と、スピルバーグ監督作品だという安心感)から思わず借りて見てみた所、ビンゴ(当たり)だった、という経緯から久しぶりに見直す事が出来た作品でした。(思えば私は「ダークマン」を見つけた時も全く同じパターンだったな。)ツタヤ、いい仕事してるじゃないか(全く面白くも無い「フューリー」もランクインしていたり、時々、分からない時もあるけれど。)と見直しもした、そんな経緯もある映画です。

 マイキー(ショーン・アスティン)…マイキー「イギリス海軍の攻撃を受けて洞窟の中に閉じ込められた海賊達はそのまま5、6年も生きていた。そして片目のウィリーは宝物を盗まれないように仕掛けを作った後、子分達を皆殺しにしたんだ。」
チャンク「ちょっと待ってよ。じゃあ誰が宝の地図を持ちだしたんだ?」
マイキー「きっと誰かが逃げたんだよ。」

グーニーズとは「マヌケな連中」という意味であり、自分達が住んでいる退屈な町・グーンドック(いも波止場)とかけたダジャレ的なチーム名だったのですが、そんな子供から「アンタこそグーニーズ(おめでたい連中)の一員だ。」と言われてしまっている通り、脱出の為の抜け穴も掘らずに宝を奪われない為の仕掛けを作り、口封じをしたら既に子分の一人には逃げられていて宝の地図は流出しているし思うに、片目のウィリーはかなりのアホだったんだなあ…財宝に囲まれながら飢えて死んだであろうマヌケな死に様(金はあるのに食糧を買う事が出来なかったのね…。)にマイキー共々、深く頷いてしまったものでした。おかげさまで(使い道が無かったせいで)そのまんま残っていた財宝により、チームの皆さんは大金(宝石)を得て借金帳消し→立ち退き中止となりました。それって盗んだものじゃないのか!?(埋蔵金の類って、見つけた人が隠した人の子孫だったらそのまんま貰えるけれど、赤の他人だと遺失物扱いで土地の持ち主に持って行かれたり、かなりの税金が引かれるので見つけても黙ってる人が多いんだとか。←数多の埋蔵金伝説が有りながら、「埋蔵金を見つけた人の話」はあまり聞かないのは、そのせいもあるらしい。)というツッコミは感動のラストシーンに入れてはいけない様子です。

 マウス(コリー・フェルドマン)…マイキー母「パンツとシャツは段ボール箱へ、トランクへ入れないでね。それから、ここは屋根裏部屋よ、主人の命令で立ち入り禁止なの。それで、箒やチリトリはこの物入れの中よ。家を綺麗にして立ち退かなきゃね。…通訳してちょうだい。」(英語)
マウス「1番上はマリファナ、2段目はコカイン、1番下はヘロイン。ドラッグの整理をしろ。屋根裏部屋は立ち入り禁止、旦那のSM道具が入ってる。怠けたらゴキブリと一緒に物置の中に閉じ込めるからな。2週間、飲まず食わずだ。」(スペイン語)
ロザリータ「…この家、イカレてるわ。」(スペイン語)

本名・クラークという名前ではあるものの、いつも「口が災いのもと」になっている事から口(マウス。ネズミの方ではない。)というあだ名が付けられてしまった口が達者な少年です。終盤では当の口を使って宝を隠していたのですがモゴモゴした態度に却って怪しさは爆発で犯罪者一家にはアッサリとバレてしまっていました。(「口(マウス)の癖に静かじゃないか!いつもおしゃべりなんだろ?」byフラテリ・ママ)そのまま、弾みがついたのか口の中に入れていた宝石類を思わず全部吐き出してしまっていた彼。上の口だけじゃなくて下の口(肛門)の方にも隠しておけば良かったのに(「風と共に去りぬ」では赤ん坊のオムツに貴金属を突っ込む形で全ては奪われずに済んだのにね。)という下世話なツッコミは…まだ小学生である彼には早過ぎるよな、と思わず1人で得心もしてしまったものでした。

 チャンク(ジェフ・コーエン)…フラテリ・ママ「いいか、何もかも吐くんだ!その太った指からジュースにされたくなきゃね!」
チャンク「3年生の時に歴史のテストをカンニングした。4年生の時は叔父さんのカツラを盗んで学芸会のつけヒゲにした。5年生の時は妹を階段から突き落として犬のせいにした。それから映画館に行った時、二階席から吐く真似をしながら偽物のゲロを撒き散らしたら皆気分が悪くなってゲーゲー吐き始めた。アレが今までで最大のイタズラだった。」
長男ジェイク「…こいつ、見所あるな。」

本名・ローレンスという優雅な名前を持ちながら、腹踊りをさせられるほどの体型のせいでチャンク(肉の塊)というロクでもないあだ名をつけられてしまっている気弱系少年です。その割に↑の告白に代表される悪事といい、日常的な虚言癖(「マイケル・ジャクソンがトイレを借りに来た時もシビれたんだろ?」byブラント、「フラテリ一家のアジトを見つけた?この間も君の家にギャングが来ていたって言ってたよね?」by警官)といいやっている悪事は結構な物で「人は見かけによらない」という悪い実例だな(どっちかと言うといじめられっ子タイプに見えるのにね…。)と実感もしてしまった少年でした。終盤では、きびだんご1つで犬・猿・雉を召使いにした桃太郎のように、チョコバー1本で仲間にした怪力弟・スロースの活躍のおかげで仲間のピンチを救っていましたが、命の恩人とはいえ、一緒に暮らす事(それってプロポーズ?)を子供の彼の一存で決められるのか、明らかに女の子がビビるであろう怪力男を家族(特に妹)は受け入れられるのか、盛り上がっている所に思わずツッコミも入れてしまったものでした…。

 アンディ(ケリー・グリーン)…「トロイの奴って最低なの。車のミラーで私の胸を嫌らしく覗くのよ。」
→「こんなの無いわ!これならトロイにオッパイを覗かせてれば良かった。命の危険、無いもの!私、胸くらい、いつでも見せてあげる!私、ボインなのよ!知ってる!?脱ぐとカッコイイんだから!」

本名・アンドレア(アンディは愛称)というチアリーダーで、グーニーズの一員ではないのに、主人公の兄貴の彼女であったが為に、マイキーに上手い事、言いくるめられる形で義侠心から冒険に参加する羽目になった、思えば損な女性です。(おかげで人骨のオルガンを弾くというオカルトな経験をする羽目になりました。)一応、本命はブラントらしいですが、彼氏がいながら他の男(トロイ)の車でドライブを楽しみ(そのままトランクに放り込まれていたらどうするんですか?トロイ曰く「Cまでは時間の問題だった。」そうですし、女性として「男の車に乗り込む事」にもっと危機感を持った方が良いですよ。)相手もよく確認せずに弟のマイキーにキスしてしまったり(「…アレ?歯の矯正はどうしたの?」「それはマイキーの野郎だ!あいつ、よくも人の彼女に!…じゃなくて、あんな時にあんな所で何してんだよ、お前!」と、ならなくて良かったね。)恋しているというより、発情しているだけのようにも感じてしまった女の子でした。現実の女子は↑のように変わり身が早い生き物だという事は承知しているのですが…。

 余談…物語の序盤でマイキーの兄・ブラントが自転車(幼児用)に乗っている所を、車に乗ったトロイに腕を掴まれて引き摺られ、スピードが出た所で放り出されたシーンについて、「東京伝説」シリーズで全く同じ話が有ったなあ(「コンクリートで固められたゴミ捨て場に向けて放り出されたんですが、たまたまその日は粗大ゴミの日で、大きい絨毯が捨てられていたので助かりました。よく見るとそのゴミ捨て場には何か所も『何かがぶつかった跡』があって…本当にゾッとしました。」by被害者)と全く笑えない展開に思わず合掌してしまったものでした。(下手したらブラント兄ちゃんはここで既に死んでいる。1985年の映画だから「ギャグ」にされているが、現在だったら危なすぎて規制がかかっていたシーンだったろう。)

サイコメトラーEIJI21~25

2010.06.15
 「最近、原稿を上げるのに7日じゃ間に合わずに8日かかる」とコメントに書いてあったように、話自体は充分に面白いのに反して作者の方は色々と限界だったらしく、これにて第一部終了という形で連載は一度終わる形になりました。相変わらず事件の犯人の他、服装倒錯者(トランスぺクタイト)のみっちゃんなど、変態が多数出てくる物語ではあるのですが、読んでみると最初の方から登場していた、よしみつ一家を連想させる恵美ちゃんのストーカーがめっきり出てこなくなった(そりゃね、みっちゃんの方は面白いし役にも立っているけれど、ストーカーはキモいだけだもん。被害者にしてみたら良い迷惑だし人気も出ないわよ。)のにも気づいて、考えてみれば当たり前の展開にちょっと笑みがこぼれた私でした…。

 サイレント・ボマー…志摩「あなたに尊敬するお爺さんがいたように、あなたが殺した人達にも家族がいるわ。たとえ、どんな理由があろうと刑事である私は、犯人のあなたに同情する事は出来ない。」
蓮治「でもね、刑事さん。あの連中が強引に進めた開発で俺が知っているだけでも3人の人間が自殺してる。俺は自分を正義なんて思っちゃいませんよ。色んな人から恨まれて死ぬまで許されなくても良い。それでもいいから裁いてやりたかった。あいつらのせいで苦しみ抜いて死んでいった、自分では何もできない弱い人達の為に…。」

逃げ回っていたのは犯人達を「裁く」為(ついでにトップの政治家達を爆破してこの国を変える為という彼なりの革命の為。希望を託している所、悪いが人が変わっても「長年そうやって成り立ってしまったシステム」は一日両日中には変わらないだろうし、「2度と理不尽に苦しめられて死んでいった人達を作らない為」に頑張っていた所、悪いが復讐を果たす事は出来ても国を変える事は出来なかっただろう。)であって、自分は始めから必要最低限の人間に鉄槌を下した後、散るつもりだった(警察に出頭して刑罰を受ける為、変わっていく国を見届ける為に「生きる」事にはしたけれど、恨まれるのにも責められるのにも弁解はしない。)という彼なりの信念には、潔過ぎて、悪人でもここまで筋の通った人間だったら逆に好感が持てると感心すらしてしまった少年でした。そして、たった17歳の少年1人を相手に、厳戒態勢を敷いておきながら、結局、地上げ屋達全員を血祭りにあげられてしまった警察の無能さに改めて溜め息が出てしまったものです…。(国会議事堂爆破を防いだのも国光達、故郷の皆で警察じゃないしな…。)

 デスメタルは復讐の調べ…章吉「友達ってのは、一緒にナンパしたり、飲んだりしたり、そういう楽しい事を一緒にだな…。」
よしみつ「ボクは無言電話してて楽しいよ?前の友達も親もボクを側に置く為に必死に尽くしてくれたよ。最初はボクが性生活を言いふらしたり、警察沙汰にして失敗した事で、小言ばっかり言ってたけど、そのうち、ちゃんとボクの言う事を聞くようになったよ。」
トオル「分かってるよ、お前みたいな奴はよ。いくら痛めつけても、それで懲りて2度と来ねえ、なんてことは無いんだ。頭の中がぶっ壊れちまってるからな。でもよ、両足を両腕をへし折られたら、少なくとも骨がくっつくまでは大人しくしてるだろ。」

ああ、そうか、よしみつさん以下こういう人達が言う「友達」っていうのは「対等な人間」じゃなくて、「従順な召使い」になってくれる人間の事なんだ(だから一緒にディズニーランドに行こうと誘ってくれた大学時代の友人達の事は「ボクがいないと話が続かないと嘆くくせに、そんな金も時間もかかる場所に誘って。」と付き合ってあげながらもウザく感じているし、「対等」どころか恋人の一人も作れた例が無いから中学友人の結婚式一つ出れないんだ。)と妙に納得した持論でした。でもって、いくらネット上に広めても、このブログの訪問者リストの人数がどんなに増えても全く懲りずに一ヶ月と経たずに無言電話を繰り返す、よしみつさんの頭の中の壊れぶりにも得心がいったものです。(その逆ギレが全国ネットに広まるのと引き換えに、どこまで続くのか試してあげるよ、いつまででも。)痛い目を見ても懲りないなら、その都度キッチリ「報復」していくしかないな、とトオルの言葉に頷きながら読み終えた話でした…。

 サバイバル・ゲーム…MELA「殺人?何をおっしゃいます。あなたは電話(電磁波)をかけただけです。そうしたらレーヨンと金糸のセーターに火花が散って、酸素濃度が高まっていた部屋で火事が起こり、『たまたま』人が死んだ。それだけの事です。」
沢木「犯罪者を犯罪者たらしめる最大の要素、それは『罪の意識』だ。実行する人間を『分散』させ、責任を他の人間に『転嫁』する事で、平凡な人間でも、些細な憎しみを犯罪行為に昇華できるのだよ。」

なるほど、だから、「平凡」な(この場合「何の取り柄も無い」人間という意味であって、「一般」の人間を指している訳ではない。ていうか一般的大多数の人間は無言電話なんか普通にかけない。)よしみつさんは「匿名」名義で中傷コメントをかけ、「非通知」設定で無言電話をかける事で、責任を「ネット上の誰か他の人間」に転嫁できているつもりになって思い込んだ勘違い思考の元で今も犯罪行為を繰り返している訳か…(実際はそんな「責任をなすりつけている人間」なんて、どこにもいないのにね。)と犯罪者心理に納得がいったと同時に、友達が「分散」して実行してくれている訳でもない(当たり前だ。親の目を気にしてコソコソと真夜中か木曜日の日中以外の時間に無言電話できない=親の目の前ではかけられない自分の姿から見ても、アンタ以外の誰もそんな事はしないって常識で分かるでしょうが、よしみつ!)のに、そこまで勘違い思考を膨らませて、些細な憎しみ(逆ギレ)で簡単に犯罪行為に走れる、よしみつさんって凄いな、と改めて呆れた様でした。話でさえ事前工作犯と実行犯、計画犯の3人グループで「分散」した事で初めて一線を越えられたのに、よしみつさんはどこまで罪悪感が無いんでしょうね…?(1人でそこまで逆走できるって逆に凄いわ、この女…。)

 ケンカの神様…エイジ「ケンカの必勝法は先制攻撃だ。ニコニコしながら近づいて行き、いきなり鼻を殴れ。ぶっ倒れた所で、すかさず馬乗りになり、鼻を押さえている手の上から構わず鼻を殴り続けろ。そうすりゃ終いに泣き出す。」
子供「で、でも、相手は何もしてないのに、そんな事…。」
エイジ「お前が何もしなくても、そいつはお前に無言電話してきたんだろ?」

それに、よしみつの仲間だって奴が好きで付き合ってるんじゃない。ただ「癒し系の雰囲気」を味わいたいだけで、影で犯罪行為を繰り返すような卑怯者に、いざと言う時に「表立って庇ってくれる親友」はいやしない(影でつるんでいる人間はそれなりにいる様子だが、彼女達は私の事を友達面して「それとなく」騙そうとはしても、たとえば裁判の証言台に立ってまでよしみつを最後まで守ろうとは決してしない。所詮「自分の立場」の2の次で、そんな人間と友人として付き合っている事すら表向きは隠している。)という現実に、改めて彼女に全く恐怖感を感じない私です。(感じているのは憐れみと蔑みと呆れた気持ちだけ…。)コメントで散々偉そうな(気違いめいた)事を書いてきたけれど、2度も警察沙汰にして失敗しているダメっぷりには「何だ、こんな程度の人間かよ。」(尻拭いや、私と話する事すら怖くて「自分」では出来ないのか。)としか思えなかったし、無言電話が続く限りはこのブログ(よしみつの本性)を広めてやろうと決意している今日この頃です。

 罪と罰…志摩「サイレント・ボマーは幼稚ではあったけれど、自分がやっている事の罪深さを充分に承知していた。孫を自殺に追い込んだ少年達を殺した私の上司は、一言の言い訳もせず、一テロリストとして死んでいったわ。あなたのように言い訳をして自分を正当化しようとは決してしなかった。」
よしみつ「ボクはニートだから、こんな修羅場には慣れてないんだ。」
志摩「君は卑怯よ。自分の思い通りにする為に人を傷つけながら、自分だけは傷つかないように親や友達を盾にする、許し難く卑怯な犯罪者よ!」

犯罪行為を行いながらも「自分は信念を持ってやっていたんだから、それでバレた時には堂々と胸を張って刑務所に入る」ような人間だったら、悪人ながらも、まだ骨のある奴だと別の意味での尊敬はできる。(それが白い目になってしまうのは避けられないにしても。)けれど、よしみつさんがした事と言えば、中傷コメントと無言電話の連発を繰り返し、「友達面して誤魔化し工作に走る」のも▲▲さん任せ(挙句に失敗して記事の復活を招いている。)警察沙汰にしてみれば犯人バレバレの有り様に逆に自分が通話記録の提出を求められる始末で、「警察に出頭して隠蔽工作をする」のも父親(パシリ)の役目(挙句に警察からの信用も失い、親が説教を食らう羽目になっている。)で犯罪行為の尻拭いを全部、他の人間に押し付けて舌を出している様に改めて幻滅したものでした。だからアンタは庇って貰いながらも仲間内からも嫌われるんだよ(守ってくれた親や友達に後足で砂をかける形で無言電話(犯罪行為)を繰り返しては…ねえ。)と逆ギレの反面、原因については微塵も考えようとしない本人の病み具合にツッコミを入れてしまったものです…。

 志摩亮子…エイジ「俺、今日はサプリでいいや。志摩さん、ビールだろ?」(in他人家)
志摩「考えてみれば響介にはこんなグチャグチャの自室、死んでも見せられなかったわね。そういう意味じゃ居心地の良い相手なんだよな…。」

相手の為に気負ったり、カッコつけたり、変に緊張する事の無い気楽な人だから付き合いやすい。けれど逆に「ウマが合い過ぎて異性としての意識に欠けてしまう」残念な相手(おかげで仲は良いながらも、なかなか「恋人」には昇格しない。)っているよね…と25巻の長きに渡っても未だ遅々として進まない2人の仲(そして最終巻でもほっぺチュー止まり。普通は唇へのキスと共に正式に恋人認定される所なんですが…。)に溜め息と共に納得がいったものでした。とはいえ、エイジの方はエイジの方で彼女の1人も作らずに志摩さんに尽くしているし(「確かに年は離れてるけど、そういう気でも無きゃ、あの短気でダルがりで適当なエイジが、ここまで志摩さんの捜査に(無給で)協力するはずが…。」byトオル)志摩さんも志摩さんで見合い話も身近な男も全部蹴って「売れ残りと囁かれる年齢」(26歳)で他の男との色恋沙汰から遠ざかっているし、お互いに意識してはいないものの本命扱いはしている様子ではあるんですけどね…。(付き合いが長過ぎて恋人としてのトキメキを深く感じる前に、空気みたいな存在になっちゃったんでしょうな、きっと…。まあ、空気が無いと人間は生きていけないんですけど。)

 立花響介…響介「お前の事を忘れた事は一日だって無かった。何度も電話をかけようと思った。訪ねて行こうとも思った。だが、そうすれば、お前もまた逃亡者になる。」
志摩「だから何よ。あなたは私を置いていなくなってしまった、その事には何の変わりも無いわ。あたしを巻きこみたくなかったなんて、そんな事は理由にならない。今さら…。」
響介「…今さら?そうなのか?お前にとっては。俺は違う。お前の前から消えた、あの時から俺の時間は止まったままだ。」

忘れてはいなかった、浮気をした訳でもない、電話をかけたり会いに行きたいとも思ったけれど結局、何もしなかった。…それは「頭の中だけで妄想を膨らませていた」としか言わないし、1年もの長きに渡って恋人らしい事を彼女にしてこなかったら普通に終わるだろう(同じマガジン連載の金田一少年なんて、殺人容疑で指名手配された逃亡生活の真っ最中に、恋人(美雪)にバースデー・ケーキとポケベルのラブ・メッセージを送るほど愛情を示す事を忘れていなかったというのに、1年間音信不通=誕生日もクリスマスも素通りしましたじゃ…ねえ。)と、赤城さんの予言通りに「思いを募らせての再会」を果たしながらも2人の仲はダメになった当然の結果に涙ながらに頷けたものでした。人間関係にはメンテナンスが必要。手紙の一枚も出せないほど隙の無い生活なんて現実にはあり得ないし、自分の都合を理由に彼女を二の次扱いにし続けてきた事実は残念ながら消せないよ、とツッコミを入れてしまったものです…。

僕らの王国

2010.06.15
 今まで散々黒幕に回って悪さを仕掛けてきた御大も登場して、新キャラも出てきて、物語はこれからか!?と思うような展開ですが、後書きでも「まだまだ、この話を描いていきたいと思っている」と書かれていたけれど、内容そのまんまで新装版が出たり、作者は他の話を描いていたり、取りあえず、この話はここで一旦お終いという事になった様子です。(まあサブキャラに到るまで全員がくっついたし、運動会も無事(?)終わったし、区切りは良い所だけどさ…。)他にも番外編であぶれたキャラが新しい相手とデキあがっていたし、登場人物全員を幸せにする気はあった(そしてそこは完遂させた。)んだろうなと納得はした話でした。

 野中暁…祖母「長女の妃菜は嫁いで行ったきりだし、長男の上総は5年前に亡くなったし、もう孫のあなた達しかこの家を継げる人間がいないので、急遽、呼び出したのです。」
暁「じゃあ、そんなに跡継ぎが欲しけりゃ今から自分で産めばいいじゃん。鷹統なんて名前、興味無いよ。俺にはちゃんと野中って苗字がついてるんだから、帰らせて貰うよ。」
怜「どこに帰るの?誰もいないのに、待っててくれる人もいないのに、一人で帰るの?」

何故、こんなどこにでもいる「普通の男の子」(ハッキリ言って、何でもできちゃう天才美形少年の怜や、彼と双肩を並べている秀才貴族のラウルに比べれば「地味な存在」である。)に、祐治叔父さんにラウルにしょっちゅう攫われている「お姫様」状態の彼(仮にも一応いい所の家のお坊ちゃん(大富豪の孫息子の一人)なのに、もはやマリオのピーチ姫並に誘拐されまくっている。それで良いのか、男として。)に、怜といい、ラウルといいそんなにも入れ上げるほどの人間か?という疑問はあるのですが、思えば天才・秀才の彼らに対して劣等感もやっかみも無く「同じ人間」として接したのは暁くらいのものだったのだろうな(怜にしても、ラウルにしても「一般人」にキャーキャー言われて持て囃される事は有っても、嫌がられて殴られたのは初めての事だったのだろう。)と彼らにモテモテ…もとい「新鮮な存在」になった様に一応納得がいったものでした。恋人になった怜は男同士である以上に異常なヤキモチ焼きですし、両想いであっても苦労はしてるんだろうな(それで幸せであっても人と付き合うって大変なんだよね…。)と頷けはした主人公です。

 カイル・怜・べーシル…「昔バイオリンを習わされた時に周りから上手い、天才って褒めちぎられたんだよな。でもある時、正直な先生に『つまらない』って言われたんだ。『正確で綺麗な音色だけど感情がこもってないから、聴いてても楽しくない』って。当たり前だよな。楽しいと思うより、全てに良い結果を出す事が義務だとしか考えてなかったんだから。」

後妻として嫁いだ肩身の狭い母親の為にも、前妻が産んだ娘達のやっかみに対抗する為にも、「優秀な息子」として結果を出すことが全てだったのでしょうが、優秀さが過ぎて12歳で既にSAT(アメリカの大学進学適性試験)でどこの名門大学にも入学できる高得点を取得し、帝王学を学び株の投資家としても利益を上げて、父親のべーシル氏から一銭も受け取ってないレベルに達してしまった今逆にべーシル家を継ぐことに興味が無くなってしまった(もはやべーシル家に関係なく自立して稼いでいる。)んでしょうね。(そんな事しなくても充分に自活できるし、母親の為に頑張ってきたのだろうけれど15歳にもなったらそろそろ母親ではなく恋人を選びたくなるお年頃だし、マザコンでない限りはあの閉鎖的な家から離れる事を考えるだろう。)母方の親戚である鷹統家の跡取り問題は思えば渡りに舟の話だったと思われます。気になっていた従兄弟の暁は父親(上総)にこそ似ていなかったものの恋人としては理想的なタイプだったし、きっと今は人生バラ色なんだろうな、とラブラブにも程が有るリア充な様に頷けたものでした…。

 ラウル・ド・パヴィエール・べーシル…怜「会うたびに突っかかってくる鬱陶しい奴だとは思っていたから今まではずっと無視していた。暁の事が無ければ、あんな奴どうでもいい存在だ。」
暁「どうでもいい存在って…それって『嫌い』だと思われる以前の、存在すら認めて貰えてないって事で…。」

「好き」の反対は「無関心」か…(思えば、その内容が「怒り」であっても、やっとライバル(怜)が自分に対して反応するようになった事が嬉しかったんだろうな、ラウルは。今まで怜がやっている事は何でも真似していたストーカー状態だったからこそ尚更に。)と関わりが増えた反面、全然仲良くなってはいない義理叔父と義理甥の関係に溜め息が出ながらも得心がいったものでした。そして、ようやく怜以外の人間にも関心を持った(というより暁に恋してしまった)今、また相手には「どうでもいい存在」扱いされた(「最初の頃より優しくなった。」と暁は評価しているけれど「お前、やっぱり『いい奴』だよな。」って体の良い断りの文句だよね…昔から。)事で傷はさらに深く抉れた事だろうなとスペックは高いのに、努力家でもあるのに、当て馬役扱いで終わった最後には涙したものでした。番外編で新しい恋人と幸せになった事だけが救いですけどね…。

 リュセル・シグレ・黒崎…奥宮「君のそんな焦れったい所が、つい、いじめて泣かせてしまいたくなるんだよ。まるで好きな子をいじめる子供みたいにね。」

だからっていじめているだけでは関係は一歩も前には進まない。そもそも女の子(じゃなくて男性だけど)はいじめるのではなく愛するものだし、相手が男の気持ちに全く気づけない鈍~い人間なら尚更、進展しないだろう、と5巻もの長きに渡って進展しなかった2人の仲に納得してしまったものでした。(そもそもシグレくん自体が任務第一に考える仕事人間で、元々「恋にうつつを抜かすタイプ」ではなかったしな…。)挙句に思い通りに行動してくれなかった事で「君には失望したよ。」なんて拗ねて悪口を言う方向に走っては「顔面通りに受け止めてしまう真面目人間」であるシグレくんは余計に引くばかりだろう(それを「おやおや、今の態度はヤキモチなのかな~?ん?ん?どうなのかな~?」と喜んで受け止めることができるのは、自分が可愛いと自惚れている、男を手玉に取ることが趣味のビッチだけだ。)とギリギリまで迷走していた2人の関係に頷けたものです。最後は結ばれていましたがラウル様が真っ最中に帰ってこなくて本当に良かったな(買い物に時間がかかっていなかったら自室で何を見る羽目になっていた事やら。)と実感もしてしまった結ばれ方でした…。

 ヴィルヘルム・サギリ・黒崎…サギリ「何故、私なんです?」
祐治「私も君と同じように孤独だからかな。ただ違うのは、私はとても寂しがりやなんだ…。」
シグレ「…兄さんが?以前モロ好みの甥っ子(暁)をうっかり攫って、学生時代にはリネン室で数多の男を毒牙にかけ、あまつさえ俺にまで手を出そうとした、あの祐治様の所に…!?」

思えば祐治様は好みのタイプのシグレの兄貴で美人と評判のサギリ君には始めから興味が有った(そして実際に会ってみてモロ好みだと目をつけた。)のでしょうが、それとは別にこの男は「ウサギ男」の典型ではないのか?(ウサギは人に構って貰わないと寂しくて死んでしまう、か弱い生き物だが、それとは別に年中発情期で誰彼構わずのケダモノの本性丸出しの生き物であり、既にウサギのマークはプレイボーイの代名詞としても捉えられてしまっている。)と一日で相手に手を出している節操の無さにツッコミを入れてしまったものでした。(そういう事は、もっとお互いをよく知ってからでも遅くないのでは…?)サギリ君も恋を知って「感情の無い人形のような人間」からは成長できたのでしょうが、その恋の相手があのプレイボーイの祐治様ではこれからが大変だろうなあ(元秘書の椎名さんの旦那の事まで狙っていた、相手が結婚してようが子供がいようが関係無しの最低男らしいしな。)と彼の今後と弟の心配に心から頷けてしまった恋の顛末でした…。

 穂積日和…珠貴「お前の純粋な恋心を踏みにじっている気は無いし、応える気は満々だったんだけどな~。」
日和「そう…9年間も愛し続けた『タマキちゃん』は魔女だった。いや、悪魔(男)だった…!」

初対面の時から女装をしており(「本当は花嫁のベールを持つ役は碧子姉さんがやる予定だったんだけど、前日に熱を出しちゃって急遽、俺がやることになったんだよな。」「だからって何で男の子に女装を!?」by日和)送られてきた入学式の写真でも女子の制服を着ていた(姉がいたからこそ制服のお下がり位あったのだろうが…記念写真まで偽装して家族ぐるみで騙すか?)のなら、「誤解」しても仕方ないよな、とドイツで青春を満喫する事もできずに「初恋のタマキちゃん」に恋し続けていた日和に同情してしまったものでした。また姉という「同じ系統の顔の女」が3人もいながら性格の方は弟以上に死亡しており、新しく恋をする事もできなかった(「この中にいると珠貴が一番マトモに見えてくる…。」by日和)というのは、まさしく悲劇でしょうね。気がついたらお互いこそが理想の相手だった…というよりお互い以上にマシな相手がこの世にはいなかった、それが2人の結論だったような気がします…。(まあ、お互いが幸せならそれでいいんですけどね…。)
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