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サイコドクター楷恭介①②

2010.08.31
 文庫版「サイコドクター」(前作)を立ち読みして最後の流花の事件(もとい第1部。)があれで終わっておりこの新章の最後の話まで放置されていると知った時には本をそのまま叩きつけてやろうかと思いました。(どんだけ話を引っ張ってるんですか!?事件解決まで遅すぎですよ!)現実では新装版として連載再開するまでタイムラグがあったにも関わらず物語上では全く間の空いていない連続した話として続いているようですが、楷先生もあずさもビジュアル・性格・雰囲気が変わってしまっているのに同一人物として読めってそりゃ無理な話ですよ、亜樹先生。(少なくとも旧作を読んで改めて新章を読んだ私は凄い違和感を感じました。)話としては面白かったですが、続編としては流花のこと放置し過ぎ!とツッコミを入れてしまいました。

 File1「結婚と詐欺と真実と偽り」…旧作のクロダさん事件でもあった2重人格の話です。結婚詐欺を働く恋人が更生して一緒に暮らしている唯さん一人は幸せだろうけど、他の詐欺にあった女性達はどうなるんだろう?と結末に疑問を感じてしまった話です。いつか衛君が大人になって街を歩いたが最後「木之本さん、今まで連絡も入れずにどこ行ってたのよ、金返せ!」と大騒動になるのではないかとその後が心配になった話でした。一緒に暮らしてる唯さんにしたって金は返してもらってないようですし男としてそれでいいのか…と色々ツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 File2「顔が見えない女」…旧作の「顔の無い女」と同じ雰囲気の話だなあ~、と思いながら読んでました。(幼い頃の殺人事件や、顔に対する拒否反応、今になって身近に表れた犯人…と展開まで同じパターンじゃないですか。)幼い頃から他人の顔が見えずに初めて認識できた相手に夢中になるのは分かりますがいきなり「顔が見える…。」と感涙しながら顔を触ったり「名前!あなたの名前を教えてください!」とすごい勢いで尋ねられたら普通は怖いと思うんですが、こういう女性…ゴフッ!それでも相手の男性が恋に落ちている辺り、美人はどんな突飛な行動をしても許されるのかもしれませんね…ガフッ!

 File3「もう1人の自分」…世にも奇妙な物語でやっていたお笑い芸人がドッペルゲンガーと入れ替わるというネタを思い出しました。人間だれしも弱い1面があって些細なことで揺さ振りをかけられる…のは分かりますがバイト料まで払い人を雇ってまで友達を脅すなんてやり過ぎだろ!(貴方達は本当に友達なんですか!?)とツッコミを入れてしまいました。そんな厭味なことをしていたのに恨み言一つ言わずに許せる翔は度量の広い人ですね、本当に。「んだとお!」「ざけるなよ、このアル中!」「あ!?このスケコマシ!」とケンカする前に一言ちゃんと謝りなさいよあんた達!とツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 File4「眠れないアタシ」…自分のことしか考えていない最低の両親だな、と思いながら読んでいました。家庭のある壮年プロデューサーと若い愛人…これって「ノイズ」の十希さんとプロデューサーのパターンと同じじゃないか、ともツッコミを入れてしまいました。「だが私は本気だ。こうして認めたのも遊びではないからだ。」(いつになるか分からないけれどもあいつと一緒になるつもりです。)と口では言っていますがじゃあ一体どういう風に責任を果たしていくつもりなのか具体策が全く出てこないのが気になります。口でな何とでも言えるんですからまず行動で示して下さい、男衆!(でもこの志村さんは少なくともトラウマが沈下するまでは添い寝してくれるそうですし、全く何もしていない十希さんのお相手よりはマシかな…ゴフッ!)

 余談…改めて読み返してみて春日子さんが1コマも出てこない事、演劇関連の友人でもある真名部さんが消えてしまったこと、ダンディな力石ママ→倫子ママに勝手にキャラが変わってしまったことが物凄くショックでした。続編なら雰囲気・キャラクターはそのまま引き継いでほしかったです…ゲッフン!
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サイン

2010.08.30
 かの「シックス・センス」のシャラマン監督の作品だからどんなもんかと期待して見てみたのですが…期待は見事に(悪い意味で)裏切られてしまった映画でした。「サイン」の意味(①前兆、印、兆候、②(神意の)印、おつげ、奇跡)の通りに前半は「宇宙人侵略の前兆」、後半は息子復活による「神の奇跡」を描いている作品(…え?壮大なダジャレ?)ですが舞台は「宇宙からの脅威とそれに対面する人類」でなく「ある一家と宇宙人」という何ともショボイ内容で世界観の狭さと合わせて衝撃の展開(衝撃というか笑撃というか失笑というか。)には苦笑しか出なかった内容でした…。50年前に作られた映画だったら高い評価をあげられたかもしれないですけどね…。(「E.T」の時代ならいざ知らず「インデペンデンスデイ」以下数多の宇宙戦争作品が発表された後の時代でこういう作品を作られても…。)

 ミステリーサークル…メリル「あれは飛行物体を誘導するサインで針路を示し位置を確認させているんだ。」

宇宙の彼方から地球まで来ながら羅針盤や地図の類に相当する技術は持っていないんですか…?(既に地球上でさえ航空機誘導に巨大な矢印を書いたりするようなバカな事はしないのに何だその体たらくは…?)と思わずツッコミを入れてしまったダメ宇宙人の顛末(サイン)でした…ゲフッ!世界各国に続々と描かれた辺りも彼らの方向音痴ぶりが伺え(それでどうやって地球まで辿りつけたんだ!?)地球の将来に、でなく彼らのオツムの中にこそ危機感を感じてしまった不思議現象でした…ゴフッ!易々と一般人のシャラマン監督(が演じる主人公の妻を轢き殺した男)にさえ捕まってしまう辺りからもダメっぷりが分かる、そんな彼らの痕跡です…ガフッ!

 宇宙人…ニュース「奴らの狙いは地球(土地)じゃない。我々を食料にするつもりなんだ。」

この作品上では水に弱い(酸を浴びたように肌がただれてしまう)とされている宇宙人が体の70%以上が水分でできている人間を食べて大丈夫なのか?という当たり前の疑問はサラッとスルーされています。意図が地球侵略であろうと食料調達であろうと何はともあれ未知の土地に全裸(!)で何の武器も持たずにノコノコ地上に降りてくる事は無いだろう(何故わざわざストリーキング(露出狂)を…。)とツッコミを入れざるをえない宇宙人達。原始的な弱点が早々に分かった事もあって地球侵略の危機は主人公達が地下で呑気に居眠りをしている間、わずか一日の間に片がついたらしいです…ゲフッ!水に弱いなら服くらい着ろよという常識的なツッコミと共に、前半は極めて現実的にスリリングに展開していくのに後半の謎解き場面、クライマックスでエイリアンが姿を現した瞬間に全ては崩れ去った、そんな映画でした…ゴフッ!バットで打たれて水をこぼされて見方を変えればいじめの果てに殺されたような弱々しい最後にも何故人類が一日で彼らに勝利したかが納得の結末です…ガフッ!

 グラハム・ヘス(メル・ギブソン)…妻コリーン「(エイリアンを)見て、(その次はバットで)打って。」

妻が遺した意味不明の言葉は実は将来の危機(エイリアン)を見越しての神からのお告げだった…ってさんざん引っ張った挙句そんなオチかい!とツッコミしか出なかった今回のどんでん返し、シックスセンスと比べても内容の薄さにガッカリした観客は数多くいたようです。(当然のことながらこの映画の評価は低い。)これは最愛の妻の死から牧師を辞した主人公が信仰を取り戻すまでの「魂の救済」を描いた話であるのは分かりますが、それ以前に牧師という神職にありながら毎日世界中で起こっている交通事故が自分の妻に起きたというだけで信仰の全てを捨てるなんて何という浅薄な信仰心だ(よくそれで今まで牧師が務まってきたな。)という評価が先立って今一つ同情し辛かった主人公でした。子供達にさえ「メリル叔父さんの方がパパなら良かったのに。」とまで言われているし自棄を起こしたくなる気持ちは分かるけれども周りの人間に対してちゃんと責任は取れ(だから最初のサインが現れた時も「いきなり勝手に牧師を辞めた事に対する恨みによる犯行じゃない?」と言われてしまうんだよ!)と思わず語りかけてしまったそんな人物でした…。

 モーガン・ヘス(ローリー・カルキン)…メリル「気道が閉じていたから毒が入らなかったんだ。」

妻は死に、息子(モーガン)は重い喘息で薬が手放せない、自分ばかり何でこんな酷い不幸を背負うんだ(この世に神はいないのか?)と嘆いていたグラハムでしたが、発作が転じて息子は顔に吹き付けられた毒ガスを吸い込まずに命が助かった展開の前には(喘息発作だけで死にそうになっていた事実などあっさり忘れて)これぞ神の奇跡(サイン)、誰か(神)が自分達を守ってくれていたんだと信仰を取り戻すに到ったようです。口にガムを入れていた為にタイムロスが転じてキスがゲロの味にならずに済んだ弟といい根は単純な性格の男だったのでしょうね。(元々、交通事故一つでいきなり仕事辞めるような男だしな。)魂の救済以前にこんなコロコロと意見を変えるような男が父親で大丈夫か?と別の意味で心配にもなってしまった話でもありました…ゲフッ!

最狂絶叫計画

2010.08.29
 「リング」と「サイン」を見ていると2倍楽しめるパロディ映画です。(後は多少「シックス・センス」の要素も有り。)下品なのは相変わらずなものの露骨なシーンは少なくなって、シリーズ中一番見やすい作品見やすい良作だと感じたのですが(あくまでもこのシリーズの中では…ね。)この手の作品はパロディというだけで物凄く好き嫌いは別れる(原作至上主義の頭が固い人間はそれだけで白い目で見る)のが残念な所です。(まあアメリカでは人気も出たし、絶叫計画シリーズ自体がここまで続いているし、ある程度の人気はあるんだろうけれど。)第一作目の「最終絶叫計画」(スクリームのパロディ映画)がかなり下品だったので「話が洗練されている…!」と個人的には驚かされたものでした。

 トム(チャーリー・シーン)…アニー「最後に伝えたい事があるの。『再婚はしないで。セックスも禁止よ。』」
トム「あ~、ゴメン、聞こえなかった。傷が酷くて話せないんだね。」
アニー「ジョージに伝えて、『フルスイングして』と。」
トム「フルスイングだね。分かった。」
アニー「何なの!?急に聞こえるようになったのね!」

「サイン」の「『見て』。そしてジョージには『打って』と伝えて。」という意味不明な遺言はこうして立派に意味のある内容になった訳ですが自分に都合の悪い内容に聞こえなかったフリをする夫、そんな奴に必死で言う事を聞かせようとする妻(「しないで。」「コマすな!」「聞けよ!」byアニー)の姿に笑ってしまったものでした。結局、夫のトムは再婚はしなかったものの4では一緒にベットに寝ている恋人(ということは「そういう仲」なのだろう。)を3人も作っており、守られる事の無かった遺言で化けて出られたのか怨みがましい女の顔が心霊写真として写る事になるのでした…ゲフッ!

 ジョージ(サイモン・レックス)…モブ「この野郎、叩き出せ!」

1度はKKK団を連想させるフードをかぶったせいで(黒人の皆さんの前でその形の帽子はNGでしょう…。)2度目は死んだブレンダ先生がまだ助かると勘違いして電気ショック→体をバラバラにしたせいで(それで効果があったのか、葬式まで出されていたのに4では何故か生き返っていたブレンダでした。←え!?)窓から(窓ガラスを突き破ってまで)放り出された彼。そりゃアンタに悪気は無くても相手側は怒るでしょう(セクハラといいパワハラといい人間関係というのは「受け手側の主観」が物を言うんですよ…。)と納得のいく暴力を受けている彼に頷いてしまったものでした。シリーズ中ではすぐに手を出さないという点で一番(下半身が)落ち着いており結婚にまで到ったのも納得した相手役です…。

 タビサ(ロリ・スチュアート)…養父「娘は可愛かったが異常だった。馬を凶暴にし、子犬を殺し、リモコンを隠した。クソガキだ。妻が井戸に突き落としたよ。私はオヤツ禁止の罰でいいと思ったのに。死んだタビサは恨みをビデオに念写した。私はそのビデオをレンタルビデオと間違えて返してしまったんだ。」

つまり、あんたら一家のせいかい…(まあ返却されたビデオの中身も確認せず世の中にばら撒いた躾のなっていないレンタルビデオ屋の店員も原因の一端ではあるが。)と思わずツッコミを入れてしまった迷惑一家でした。井戸からヨロヨロと這って出てくる様に走って逃げれば大丈夫そうだとまで感じた貧弱そうな貞子の霊(日本版)でしたが、パロディ版ではその印象そのままに格闘して倒されている弱さに頷いてもしまったものです。(最終的には勝ったけどね。)結局、何を言っても改まること無く包丁を振り上げる彼女。井戸に落として動きを封じた養父母の対応は一応当たってはいたんだなと実感もしてしまった有様でした…ゲフッ!

 コーディ(ドリュー・ミクスカ)…シンディ「あなたが生まれた時の話を?へその緒もママが自分で切ったのよ。2回目で成功。最初は間違えてオチンチンを真っ二つにしちゃったの。お産の時にママはラリってたの。やっぱり薬で決めなきゃねって。」
コーディ「だからオシッコが上向きに?」
シンディ「ええ、治さないとね。お金、用意しとくわ。でも新車を買うのが先。」

聞きながらもあまりの痛い話にだんだん顔が強張ってくるコーディの表情に笑ってしまったものでした。序盤ではバックしたシンディの車に撥ね飛ばされ、ラストでは横合いから来た車に撥ね飛ばされ、劇中ではジョージにファンの中に突っ込まれてふっ飛ばされたり酷い目に遭いながら、それでも何故か傷一つ負わずに(負っても瞬時に治って)元気に過ごしている彼。(何ですと!?)4ではその強靭過ぎる体を自覚したのか士官学校に入って兵士になるべく頑張っている様子です。(それよりも続けて登場して欲しかったですが…。)

ガラスの仮面⑧⑨

2010.08.28
 「演劇は俳優のもので映画は監督のものでテレビドラマは脚本家のもの」という名言が有りますが、その性質の為か手を掴まれて真っ赤になって演技を投げ出してもNGで済むテレビの仕事よりも、全てが俳優に任される舞台の仕事(本番が始まってしまえば鬼の黒沼演出家も出番の間中何も言えない。)の方が作中はるかに多いです。舞台はまさにその一瞬で消えていくものだからこそ観客に強烈な感情と記憶を与える(思えばマヤちゃんが初めて演劇に陶酔したのも椿姫の「舞台」だったしね。)テレビでつかんだファンは短く舞台でつかんだファンは長く強い(浅く広く、と深く狭くの違いですね。)それなのに今の日本ではテレビに出ることが目標で舞台が違う立場に置かれていると嘆かれていた印象的な解説も拝める2冊です。(外国ではつまんないテレビドラマに出るよりもアメリカのブロードウェイやイギリスのウエストエンドの舞台で主役をやる方が何万倍も名誉でやりがいのある仕事だという認識があるのにね。)今回はそんな作中珍しいテレビでの仕事を中心に話が進んでいきます。

 北島マヤ…「恋はご法度。気づかれちゃヤバイ!あたしの片思い!」

顔も性格も良いものの今一つ野暮ったくてマヤには分からない理由で突然機嫌を悪くする「いい奴なんだけどいまいち面倒臭い男」である桜小路くんに比べれば、初対面の女の子相手にも気軽に話しかけて扱いも上手い爽やか系の里美さんには経験値(免疫)の無い内気な女の子(マヤ)がイチコロで参ってしまうのも良く分かりますが、あまりにもお手軽で月並みな恋の顛末には袖にされた2人の男の立場の無さも合いなって彼女の初恋を応援するどころかガッカリしてしまったものです。「この2人、何としても引き裂かねば…!」と画策してくれる水木秘書には悪いけれどもよりにもよって速水さんの目の前で告白した(最も効果的に傷つけた)事実と合わせてこの女にはすっかり幻滅したので、もうどうでもいいよとすら思ってしまったり…ゲフッ!お手軽で陳腐な初恋でもせめて男を見る目があったら、もうちょっと共感できたんですけどね。(変な話ですが速水さんと同じように長い間彼女に片思いをしてきた桜小路くんが相手だったらまだ許せたんです…。)あそこまで桜小路くんに気にかけて貰っていたのに、ここまで速水さん(紫のバラの人)に尽くして貰っているのに、アンタは少しおしゃべりしただけの里美さんを選ぶのか(桜小路くんとの別れにしたって現実の修羅場がこんな爽やかに終わるもんかとツッコミを入れてしまいました。)と初恋のこれからの展開に関わらず(速水さん×マヤの話がメインテーマである以上この2人がいずれ破局を迎える事は予測できていたが)「マヤ本人」が苦手になってしまった我々姉妹でした。でもね、この頃はまだ恋愛面で決定的に幻滅しても「女優として頑張っている」面は認めていたので今ほどの苦手意識は無かったんですよ、一応。

 里見茂…「妹のようにではなく、友達のようにでもなく、僕はマヤちゃんが好きです。」

肉食系を極め過ぎてカニバリズムに走っても不思議は無い位の凶暴さを見せる親衛隊の女の子達(他の女の子と話をしただけで殺気を放出し、相手の顔を剃刀で切り刻もうとする攻撃力の高さを誇る彼女達の中身は、女豹と言うよりハイエナである。)に比べれば内気なマヤ(おとなしい女の子)に惹かれる気持ちは分かりますが、マヤの方も深刻な部分が少しも無い明るい人気者タイプの彼(愛の告白も軽くこなしフォローも上手い。桜小路くんはその点「僕は所詮演劇以下かよ!」とすぐに深刻にウジウジ考えていたからなあ…ゲフッ!)に魅力を感じたのも理解できますが後から出てきたつまらない男が美味しい部分を持っていったなという感じは消せずマヤとセットで一歩引いた目で見てしまったカップルでした。(マヤが好きな読者はマヤ可愛さから何でも許せるのかもしれませんが他の男に浮気して彼氏を振ったその経緯はもはや「可愛い」で済まされる問題では無いだろう…ゴフッ!)マヤの方も真剣に恋した彼でありながら、その後なし崩しに別れ(させられ)た後は1度も思い出す事なく忘れ去っているし(所詮その程度の思いだったのか、マヤ…。)本当に絆も何もない楽しさだけを味わった恋だったんだなあ(色々な相手と燃え上がったり冷めたりを繰り返す年頃の男女の恋と同じ凄く普通のたわいもない恋に過ぎなかったんでしょうが、そんな単純な事情の為に振られた2人が痛すぎて…。)とどうにも共感できなかった初恋のエピソードでした…ゴフッ!

 姫川亜弓…「そうよ!この眼だわ!ひたむきな恋する目…!」

「ほとんどの人間は転んだ人間を見てそこから学び取るだけなんだ。」とかつて若草物語のべスの演じ方に悩むマヤに麗が語っていましたが「自分で転ばない(恋に落ちない)限りは分からない」マヤと違って彼女は↑の恋に転んだ人間から学び取るタイプだったようです。(だからって毎度毎度相手を口説き落とせるその実力の高さも凄いが。)そして相手の立場にためらいながらも子供のように想いを伝えようとする「聖子」(間進)と違って、もっと精神年齢の高い女性の「アーニャ」(田口剣)を演じるに当たって前者はもう用済みだと、しゃぶり終えたチキンを捨てるようにあっさりと見限ったんでしょうね…ゲフッ!男に媚びないその姿勢(演技の糧にする超実用的仕様で心まで売り渡してはいない)が個人的には気に入っていたものの読者の中には男を誘惑する魔女のようなえげつないやり方だと苦手に思う人もいたようです。結果的にはどちらもこれ限りで終わってしまった2人の紅天女候補の恋愛譚。亜弓の沢山の恋もマヤのただ一つの恋もどちらも「経験の1段階」に過ぎずサッサと忘れ去る程度の恋愛経験に変わりは無かったという事ですかね…ゴフッ!

 北島春…看護婦「先生!春さんがいません!」
主治医「なんだと!?治療費を一銭も払わずに踏み倒したっていうのか!?」

空気感染する結核の患者が菌をばら撒きながら出歩いちゃダメだろ(隔離されるのは当然です)とか、施設が嫌になったからってそれまでの治療費を払わずに行方をくらまして良い言い訳にはならないだろとか(生活保護の医療福祉→大都芸能のバックマージンと今回は病院経営的には問題無かったようですが「他人の金で世話になっている人間」がこんな勝手な事をして良いのかという当たり前のツッコミは消せない。)大人として親として脱走してはいけない理由は山と有ったと思うのですが思い立ったが吉とばかりに考え無しに飛び出して挙句に自滅して死んでいる経緯(直接に死因は交通事故(頭部打撲による脳内出血)だったそうですが、それが無くても極度の過労と肺結核の急激な悪化でお亡くなりにはなっていただろうとの事です…ゲフッ!)には悲しさを通り越して腹が立ってしまったものでした。(わざわざ脱走しなくても「今しばらく」で監禁は終わると黒服の人も言っていたじゃないですか!)万一娘と出会えた所でその場で倒れるのは必至(どうやったって娘に動揺を与えて仕事に差し支えさせる。)でしょうし当初の真澄さまの企画通りの出会い方(「ここにお母さんの席を取ったから存分に貴女の演技を見せてあげなさい!」「とっくに見つけ出して隠していたのかよ、アンタらは!」)が1番ベストな再会の仕方だっただろう事を思っても結果として最悪な形で娘の人生を潰した事を考えても(立ち直れたから良かったものの、その後の彼女が2度とテレビでの仕事をこなしている姿が見られない辺りどれだけ多くの犠牲を払う羽目になったかが伺える。)単純に感動はできなかったです…ゴフッ!1巻と同じく娘の事よりも自分の気持ちの方が大事(絶対に娘に動揺を与えるという事実は考えもせず単純に娘に会いたいという自分のエゴだけを優先する。)という姿勢は最後まで変わらなかったんだなあと実感した最後まで同情できなかった母親でした…。(むしろ大都芸能の裏金でタダ治療を受けられていた分この人は恵まれている部類だろう。)このエピソードは「死んだ人間」よりも「残された人間」の方が辛いという現実を描いているのではないかとその後のマヤの転落ぶりと合わせて色々考えてしまったものです…ガフッ!

イシス

2010.08.27
 きっとこの短編集は「不思議な話」という焦点に絞ってに集めたんだろうなあ…と神話「イシス」、幻の子供が登場する「雨の日の訪問者」、血を止める超能力少女が出てくる「ハトシェプスト」という話の舞台の統一感の無さ(日本だったりエジプトだったり神話の世界だったり…。)にそういう解釈を当てはめて強引に納得したものでした。目的の為ならば手段を選ばない男らしいハトシェプスト女王も登場し歴史物好きな私としては感無量でもあった短編集でした。

 イシス…「ツタンカーメン」にも収録されており記事で散々語ったので今回は割愛。

 雨の日の訪問者…久仁子「私ってダメねぇ。こんな小さな子にすぐ本気で怒ってしまうから。寛容さが無いんだわ。やっぱり人間、子供を育てないと本当の忍耐力はつかないのかしらね。」

そういう問題じゃねえよ…!と不法侵入の果てに壁に落書きをしているベルちゃん(確実に躾けられてないだろ)及び、それを許している甘~い久仁子さん(将来の義母)にツッコミを入れてしまったものでした。「考えようによっちゃ面白いじゃない。」と幻の子供を受け入れる気持ちになったらタイトル通り晴れてからは現れなくなり(せっかく壁に紙を貼り遊ぶ用意までしてたのに、この子は…。)拍子抜けしたこの話。後に分かる事ですが久仁子さんの結婚相手の姪っ子が当のベルちゃん(鈴子)でありローマに勉強に行きたいから子供の世話なんかしていられない(就職じゃなくて勉強ね、ふーん…。)と兄夫婦に子供を託す(押し付けている)ベルの母親に母娘揃って何だかな…とげんなりしてしまった話でもありました…ゲフッ!

 ハトシェプストⅠ…メヌウ「私はセシェンがずーっと憎かったのだ。男だけではなく女の心をも持って行ってしまう、そして血を止めることも、私が守ってやらねば何も出来ないと思っていたあの子が実は全てを持っている。」

美麗な外見、血を止める超能力は確かに持っているものの、知恵遅れであるのを良い事に男共に良いように体を開いている発情した動物並のセシェンの生き様が人間として本当に幸せなものなのかと問われると色々考えてしまう所は有るのですが…ともあれそんな妹をなんだかんだと言いながらも結局見捨てることはせず死んだ時も涙したメヌウ(セシェンに愛を語る男共も憎しみを語るメヌウ本人も口先では何とでも言える。大切なのは行動であり「力」を利用しながらも食事その他の「対価」をきちんと与え最後まで面倒を見ていた彼女)は、やっぱり良いお姉さんだったように思える私です。(実際の介護が綺麗事だけで済まないように、こういう家族の世話は大変である。)結果、殺されるイメージだけで死んでしまった妹に、恋しい人(ハトシェプスト)の側にいることすらできなくなった展開に「家族も恋も全ての望みを絶たれた」事から予言の力を開眼させたメヌウ(「ああいう力は何かと引き替えなんだそうな。」byミイラ工房の男)ですが、ギリシャ神話のカサンドラ王女よろしく誰もその的中率100%の予言に耳を傾けてくれていない辺りが痛い結末でした…ゲフッ!

 ハトシェプストⅡ…ハトシェプスト「なぜ泣く?兄上が亡くなられたからだ。間違ってもあの女の為ではない。」

紀元前1521年のエジプトを舞台に紡がれるハトシェプストの少女時代(…少年時代?)の話です。ミケネ(クレタ島)の巫女ロドピスはやはりエジプトに差し向けられた刺客だったのか(結果的に王家に害を成せるのなら跡取り息子の殺害でも良いと側室を後押ししただけなのか?)はたまた何人もの男と春(体)をひさがねばならない境遇(男への憎しみ)から自分に迫る男2人をぶち殺したくなっただけなのか(毒を盛られて死んだアメンモーズ王子同様、国王も危うく玉座の下に巣を作ったコブラに殺される所だった。)謎は残るものの、ともあれ父にも母にもマトモに相手をして貰えていなかったハトシェプストにとっては腹黒い女であろうとも「初めて自分を抱いてくれた恋人」である事実には変わりがなく女性との経験(「男になった」という事なんでしょうね…役割的に。)から「男」としても落ち着いた様子です。そして「ハトシェプストⅠ」に続いて行きます。

殴る白衣の天使

2010.08.26
 白衣の天使といえば言わずと知れた看護婦さん(現在は看護師さん。)の事ですがこの話の主人公は研修医という医者の卵です。(タイトルが不満だったのか「俺は白衣の天使じゃありません!」(医者です!)とドラマCDでは反論している。)天使と呼ばれる看護師たちも白衣を脱げば人間な訳で、中には傍若無人な患者に拳で反撃してしまう女性もいたようです。(その後そんな人間が職場にいられるのかは置いといて。)同じく人をグーで殴ってしまうのは20過ぎた大人としてやり過ぎとの意見もあったそうですが、相手役が身元調査するわストーカーするわ酒盛って襲うわセクハラ発言するわの殴られて当然の男(これで人好きのする軽い男を体現できているのだから凄いもんだ。)でもあったので私はその辺は抵抗なく読めていました。ちなみにこの話、攻めの方が鬼畜なので鬼畜ダメな人と有りな人で意見が大きく分かれてしまう話でもあったようです。

正宗誠一郎…正宗「婚姻なんて紙の上だけの契約だし恋人関係なんてただの口約束だもんね。きちんと体が繋がってないと物足りなくなるんでしょ。」
如月「いえ日本のセックスレス夫婦は40.8%と4割越えてる(2010年調査より)のでそれとこれとは別問題かと…。」
正宗「そう?俺の母親は愛人との間に俺を作った後、夫と2人も子供作って立派に夫婦関係修復してたからそんなもんかと思ってたけど?」
如月「もう、やめましょうよ、こんな話…。」

現実は「出産後なんとなく」「仕事で疲れてるし」「面倒臭い」と夫婦生活の年数と共に上がっていくセックスレス夫婦。(そして「久しぶりにどう?」と修復を図る時には既に「受け入れられないというか、もういいです。お断りします。」と完全に冷めきっている場合も多い。「勇気を振り絞って誘っているのに冷たい対応をされた男の気持ちをまるで分かってくれない。」と被害者顔した意見もあるそうですが「散々放置してきたくせに何を今更良い夫ぶってんのよ。」(今まで冷たい対応をしてきたのはどっちだよ?)と妻の側にも言いたいことはあると思います。触れられるのも耐えられないほど嫌われた要因はセックスレス以外にも存在するのではないでしょうか?)
 と、話題はそれましたが如月の胃に1番の負担をかけている人物・正宗について。今に始まったわけではない女性関係の派手さによもやアブノーマルではあるまいと警戒していなかった如月の油断もあり泥酔させた上で犯していましたが、抵抗がなかったとはいえ法律上は準強姦として立派に罪になります。(最も日本の法律では男はどうやったって強姦の被害者にはなれないという切ない現実はあるのですが…ゲフッ!)夜の営みは合意の上で行いましょうとツッコミを入れてしまいました。家族内で唯一不貞の子として生まれ、腫れ物に触るような扱いを受けてきた(実父である叔父も正宗が優秀な外科医として頭角を現すまで全く放置していた。)せいですっかり性格が歪んでしまった彼(恋人の如月にも「人の良い陽気な外科医の笑顔の裏に残酷な本性を隠し持った二重人格者。興味が沸けば同性の自分にさえ手を伸ばし卑劣な手段で体を繋ぐ傲慢な男。優しい笑みで他人を排斥し誰にも心を許すことのない嘘つき。」と散々な言われようである。全部当たってはいるけど。←オイ!)ですが、それもあってたとえ上司でも誠意のない人間はグーで殴る如月の存在は新鮮だったようです。(怒るという事は自分の感情を相手に全部さらけ出しているという事でもあるからね…単に自分をセーブ出来ていないだけとも言えるけど。)どんな卑劣な手段でもいい、縛りつけて、掻き抱いて、独占したいと(額縁の中に見つけた改竄書類を見つけても放置し、カルテが保管してある資料室まで好きに使わせるという犯罪に走りやすい状況を作るなど)ある意味非常に情熱的な恋情を傾けていますが、如月の方の意見は違いそうです…ゴフッ!

 如月侑那…如月「やめ…っ、正宗先生、一体何を…って三浦先生!?」
三浦「…正宗先生なら、いいのか?」
如月「良くねえよ!」

正宗といい三浦先生といい立て続けに男に襲われている悲しき主人公(男)。奈津美に色恋の相談を持ちかけられた(奈津美の気持ちを十分に知っていた)身で相手の男とデキてしまったり、実の兄貴に犯罪行為の片棒を担ぐよう懇願されたり、心労の絶えない様に最後に盲腸で倒れたシーンでは胃潰瘍じゃなかったの!?と驚いてしまいました…ゲフッ!盲腸の手術だという事で正宗に剃毛されそうになっていましたが(男性患者の剃毛は男性医師が行うのが普通だそうなので展開としては自然ですが。)実はこの剃毛術後の細菌感染のリスクを10倍に跳ね上がらせるという恐るべき特質がある(人間の皮膚にある表皮ブドウ球菌がカミソリによってついた目に見えない小さな傷口に入ってしまう。元々日本には「毛=不潔」の意識があり、出家する時に髪の毛を剃り落とすのと同様剃毛する事で象徴的に身を清めるという「ゲン担ぎ」程度の意味合いしかなかったんだとか。)ので、むしろ剃らない方がいいんだそうです。(最も盲腸は薬で散らして治すことが多くなったので手術に至ること自体が少なくなったそうですが。)医療知識が浸透していないせいでのあの展開なのか、知っていてわざと己の楽しみの為に行っているのか、相手が正宗だと判断に苦しむところだなあと思ってしまったり…ゴフッ!

 今岡奈津美…生まれつき足を支える細い骨に障害が有り入退院を繰り返している少女。正宗に想いを寄せ手紙を渡したことを嬉しそうに如月に話していましたが、彼女にほのかに想いを寄せていた如月(そのほのかな想いは他ならぬ正宗の手によって木っ端微塵に打ち砕かれたわけだが。)にとっては完全に男として認識されていない切ない現実と共に心中複雑だったようです。結局彼女の想いは「医者と患者の1線を越えることはできないが、その気持ちが何より嬉しかった。」とありきたりな文句でお断りされていた…にも関わらず嬉しそうに如月に報告できる様(普通は女友達の胸に縋って泣くシーン。)に正宗の恋愛上級者としてのレベルの高さを感じました。(群がる女性達と片端から関係を持っていただけあり、女性を喜ばせる手練手管は相当なもののようです…ゲフッ!)現実は気持ちを込めた手紙さえ迷惑がられて読まずに焼き捨てられていたというのにね…。聡い娘なのに何故、正宗が女性の扱いに手慣れているのかという原因(女性遍歴の凄さ)に気づけない辺りが純情と言った所でしょうか…ゴフッ!

 五十嵐智紀…婿養子に出た如月の実兄。(26歳の如月より10歳以上年が離れているという事はもう40近いのか…。)兄のような人間に近づきたいという思いから如月もまた医大受験を決めたそうで、元々は畏怖と尊敬に値する立派な人間だったのですが、副院長の娘との結婚より嫁にも義父にも頭の上がらない哀れな男(立場が1番下なだけに最も愚痴を言われて責められている男。言い返して離婚に踏み切れない辺りは足元を見られている。)に成り果ててしまっていました。挙句に自分の立場を守る為カルテ改竄という犯罪行為を如月にそそのかしており(誕生日プレゼントの額縁も改竄資料を如月に渡す為の口実。)自分を陥れようとしている状況を察した正宗に如月は再度酷い目に合わされていました。(迷惑な兄貴だ。)結婚も子供も策略の道具に成り得る駆け引きが巡らされた世界に身を浸して唯々諾々とイエスマンをやっていると人としての誇りはどこかへ行ってしまうようです。これにて彼も含めた副院長派は制裁されることになりましたが弟が次期後継者(正宗)の愛人だった事から取りあえず彼の立場だけは保障されていました。良い弟を持って良かったですね、兄さん。(弟の方はおかげで嫉妬に狂った正宗に職場で犯されたり、ガラス瓶を使った変態プレイをされたりと大迷惑でしたが…ゲフッ!)

 余談…セックスレス夫婦について、夫とはレスだけどセフレはいるという妻(夫とは恋愛結婚で不倫否定派だったにも関わらず)も秘かに多いそうで「セックスが嫌」なのでなく「夫に嫌気がさしている」という問題の核心が見えて、事態の根の深さが分かった気がしました。世の旦那達は「妻が冷たい。」と自分の事(相手を悪者にする事)ばかり考える前に今一度妻への対応を考えてみてはいかがでしょうか?(自分が気持ち良くなるだけじゃなくて相手をもっと満足させてやろうと思ったこと、ありますか?不能だとしても大人のオモチャを使うとか色々やりようはある訳で相手の為に何の努力もしようとしないその傲慢な姿勢が嫌われる要因だったのではないでしょうか?自分の都合のいい時だけ尽くせなんて身勝手もいい所ですよね。)

アンブレイカブル

2010.08.25
 同じシャラマン監督作品でブルース・ウィリス主演であっても中身はこうも違うんだな(宇宙人映画「サイン」も酷かったけれど。)と「シックス・センス」に比べてガクッと完成度が落ちている顛末にガッカリしてしまった映画でした。どんでん返しオチも「実は全部僕が仕組んでいました」というありきたりな結末の果てにサッサと捕まってしまうという地味な展開ですし、正直面白味のない作品だ(こういう系統の映画を見るなら「スーパーマン」を借りた方がずっと良い。)とスケールの小ささと共にげんなりしてしまった作品です…。

 イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)…「世界の国々では今も『絵』で知識を伝達する。コミックもどこかで誰かが経験した『歴史』なのだ。」

骨形成不全症という生まれながらの難病のせいで出生時から四肢の骨折というあんまりなスタートに始まり成人するこれまでにも54回の骨折、映画本編でも階段からすっ転んで足の複雑骨折という人生の3分の1は入院生活という不自由極まりない生活を送ってきた彼。おかげで趣味は読書だったそうですがそれならそれで読む本は選べ!といい大人になっても本気でアクティブ・コミックのヒーローを信じており(そこまでは個人的な趣味の範囲だからまだ良いとしても)現実でのヒーロー探索の為に飛行機事故に火災や脱線事故と大惨事を起こし続けている経緯にはお前が諸悪の根源か!とツッコミを入れてしまったものでした。(こうなると漫画の悪影響で凶悪犯罪が増えるという一説も説得力が生まれそうだな…ゲフッ!)友達がおらず孤独に生きてきた彼の人生は分かりますがアンタの周りに人がいなかったのはあまりにもディープにヒーロー趣味に走っているのを周りにも「俺に合わせろ」と訴え続けているその性格のせいであり骨の病気に関わらず立派にドン引きされる人間になってるからだとも語りかけてしまった悪役(ミスター・ガラス)でした…ゴフッ!

 デヴィット・ダン(ブルース・ウィリス)…「お前の言うとおりだった。」

持ち前のサイコメトリ能力(触れれば相手の情報を読み取れる能力)を発揮して既に起きて終わった犯罪をすべてスルーし(いや、通報しろよ!)現在進行形で助けを求めている人間がいる強盗殺人&少女暴行監禁事件の犯人の首を(160キロのダンベルを持ちあげられる腕力を誇るその腕で)絞め落としてやっつけた主人公。おかげで謎のヒーローは新聞にも取り上げられパパはやっぱり「普通の人間」(息子に誇れる事ゼロの何の取り柄も無い中年男)ではなくて「ヒーロー」だったんだと息子も嬉し泣きしている経緯です。が…正直スーパーマンなどに比べるとどう見ても見劣りする肉体系ヒーローですし壁がへこむほどの勢いで叩きつけられても怪我をしない事も(むしろそんな力で主人公を叩きつけられる犯人の方が凄いのでは…?)描写のチープさに今一つ感動はできなかったり…ゲフッ!アンブレイカブル(破壊不可能)な肉体の割には正直ショボイ英雄だなあとガッカリしてしまう地味な男でした…ゴフッ!

 オードリー・ダン(ロビン・ライト)…オードリー「私、決心したの。あなたの答えがどうでも気持ちは変わらないから正直に答えてほしい。私達が上手くいかなくなってから他に女はいる?」
デヴィット「…いや、いない。(何故ならば手を出す前に逃げられたから)」

「列車事故で夫が奇跡的に無事で戻ってきてくれた時からやり直す事を決心していた」のならわざわざ↑のような事を聞く必要すらなく口では綺麗事を言いながらも他に女がいたらその決心はあっさり逆方向に翻すつもりだった事が伺えます。(それで「え?私、始めからこっち方向で決心してたのよ?」としゃあしゃあとのたまっていた事だろう…ゲフッ!)とはいえ結果的には妻との復縁(離婚棚上げ)も果たし給料の昇給も決定し(引っ越し及び転職は蹴れば済む話だもんな。)列車事故のおかげで何もかもが(何もしていないのに)上手く行った主人公。イライジャがヒーロー(デヴィット)を発見する為に大惨事を起こしてきた経緯は非難すべき事だけれども主人公は個人的にこの友人に感謝すべきかもしれないなとちょっと思ってしまったものでした…ゴフッ!

 余談…主人公に「ドラッグの売人に手を焼いています。ポケットを調べさせて下さい。」(訳:てめえ、麻薬密売人だろ。)とボディチェックされている観客が何気にM・ナイト・シャラマン監督だった(監督になんて疑いをかけてしまっているんですか、ブルース・ウィリス!)のに地味に吹いたけれど…面白い所は本当にそれだけだったなと筆を置く事にします…。

闇のパープル・アイ①~⑥

2010.08.23
 小学生の頃に発達しだしたCG技術も使って実写ドラマ化されたのが記憶に残っている変身サスペンス話です。夜の9時というゴールデンタイムに、いくら変身するからと言ってしょっちゅう素っ裸になるこんなドラマを放映して大丈夫なのか?(最も夜間枠では確実にドラマを見ることも、この話の存在を知ることも無かったでしょうが。)とあらぬ面でも心配してしまった当のドラマ、私の他にも見ていた小学生(クラスメイト)もいて振り返ってみると大人な話を見ていたんだなあ~と実感したものでした。

 尾崎舞子…倫子「だめ…!血のにおいで犬が狂った…犬を止めて!」

いくら人里離れた別荘だからって野外で堂々と犬に食い殺されるのは目立ち過ぎやしないか!?(そもそも飼い犬って血の臭いを嗅いだだけで生きた人間相手にカニバリズムに走るような危険な生き物だったっけ?確実にドッグフードの方が美味なのに。←ポイントはそこかよ。)と死因に対してのツッコミは山とあったせいかドラマ版では「姉の目の前で殺された」事実は変わらないものの鎖で繋がれたまま水槽に入れられて溺死した(父親が喪主となりお葬式もちゃんと出して貰えている。)という風に最後は変えられていました。おかげで「舞子は泳げない訳でもないのに何故溺れ死んだんだ。私にはお前達が分からないよ。」と主人公との溝が深まってしまっている父親の姿も見られ(漫画版ではいつの間にか登場しなくなったけど、何はともあれ麻衣の祖父に当たるこの父親は今どこで何をしているのだろうか…?)よりリアリティを感じたものでした。

 曽根原薫子…「倫子は人間じゃないのよ!豹とも違う!貴重な珍しい生き物なのよ!彼らの存在がどれほどセンセーショナルか分かるでしょう!なのにその研究の意義が何故分からないの!?」

「貴重で珍しい生き物」なら血統の優良具合いはともあれ一匹でも多く殺さずに取っておく方がより多くのデータが取れる(研究に役立つ)のでは…と「一人実験生物がいるんなら他はもういらない。」と小田切も倫子も抹殺しようとする曽根原先生の考え方に疑問を感じてしまったものでした。(倫子が変身できても同じ姉妹の舞子はその血を受け継いでいなかったように体に痣の無いべビィ麻衣が逆隔世遺伝で「普通の人間」だったらどうするんですか…?)この人も元は普通の獣医として平和に暮らしていたのを父親が↑の研究を認められないまま失意のうちに自殺して人生を狂わされたというある意味では被害者な女性ですがやっている事が未成年拉致監禁の果ての殺人未遂と児童虐待である以上全然同情はできないなと感じてしまった人物です…ゲフッ!

 小田切貢…「待ってる時間が俺にはなさそうでね。」

変身しなかった人間(彼らの母親)でさえ遺伝子を受け継いでしまっただけで30半ばまでしか持たない短命種の現実を考えると倫子よりも年上である彼は口にダイナマイトを咥えて爆死しなくても寿命は短かっただろう事は伺えますが知りあって一か月の高校生相手に薬を盛ってレイプしたのは立派な犯罪(少女漫画にあるまじき所業)だろうとツッコミは入れてしまいました。番外編で良い感じになった女性とも死に別れ、ずっと孤独だったのは分かりますが、最期の身の処し方はそれなりに見事だったとも認めますが高校生なのに孕まされ子供を残されたまま父親に死なれる倫子がどんなに苦労するかはちょっと考えれば分かるでしょうし「彼は感情表現は下手だったけど彼なりに倫子の事を愛していたと思う」と慎ちゃんは認めていますが、それは愛とはちょっと違うような気がしてならなかった(相手の意志を無視してレイプして不幸にど突き落として、愛、ねえ…ゲフッ!)もう一人の相手役でした…ゴフッ!

 尾崎倫子…「もう少し…もう少しで確実に私の時間は止まるけれど、幸福な瞬間はこうして残る。」

それが冷凍保存されて「時間が止まった」まま15年後の娘に会える展開の伏線になるとは思いもよらず、母→娘のヒロイン交代した後の展開には色々驚かされたものでした。自分が豹に変身する(当初はリンクスに変身する予定だったので倫子という名にしたのだとか。)事が分かり、妹は殺されるわ、恋人とも危機を迎えるわ、マッドな曽根原先生には実験動物以下の扱いを受け、なんとか幸せに結婚できたと思ったら短命種の寿命が早くも来てしまい…ここ1年程でどんだけ濃い人生を生きてきたのか不幸な展開の連発(注・全部、曽根原先生が原因でした。)には涙を禁じえないヒロインです。そもそも曽根原先生が不良をけしかけて初変身に到らす1巻の展開がなければこの子も短命とはいえ母親のように30半ばまでは生きられたのではないかと色々悲しくなってしまったものでした。

 水島慎也…「この光景が、僕が『倫子』を見た最後だった。」

ドラマ版では15年後に正気に戻った倫子と再会し親子3人でピクニックに行ったり「束の間の幸せ」を味わえるのですが、漫画版では予感があったのに無視した為に2度と彼女に会えなくなってしまったのを一生後悔したまま人生が終わってしまった(次に倫子と会ったのは彼が死体になった後の話だった)彼の生き様が切なくてたまらなかったものでした。高校生活や大学進学にも支障をきたさなくても曽根原先生が余計な手を出さなければ彼らは無難に(倫子が短命でも)あと10年は平穏無事に暮らせただろうにと思うと余計に先生が憎いです。4巻にて「そうやって人を殺してたらあいつと同じことだろう!」とあの女を撃ち殺すのを止めたのは本当に判断ミスだったなあと読み返して改めて思ってしまいました…ゲフッ!

ポゼッション

2010.08.22
 ポゼッションとは「所有」「占有」転じて「悪魔が取りつく事」を表す意味で、タイトルそのまんまに悪魔に憑依された子供を描いた話です。「ギフト」よりは遙かにマシな内容だけれども、「スペル」や「死霊のはらわた」レベルの息もつかせぬホラー映画かというと言葉に詰まってしまうサム・ライミ監督の作品でした…。実話を元に映画化した(「現実」以上に話を盛れない)話であり、ヒロインもまだ小学校に通うお子様という事もあり色々と無茶はできなかったんでしょうね。(低予算だったし色々と無理を効かせられなかったのだろう。←禁句)せめてぶつ切りの暗転が無ければもうちょっと見やすかったのにと、期待していた割には残念感が否めなかった作品でした…。

 エミリー(ナターシャ・カリス)…「この箱、クールね。素敵だわ。」

表面にはいわくありげの文字、中身は歯や蛾の死体などというおよそ「女の子が喜ぶ物」の対極に位置しそうな箱ですが(普通は「この箱、キモいね。不気味だわ。」と陳列棚に戻す場面である。)どうやら次女のエミリーさんは物凄く個性的な趣味嗜好の持ち主だったようで寝る時も同じ部屋、学校にも持参する(持って行ってどうするというのか…。)程のお気に入りぶりを発揮していました…ゲフッ!この手の物は「捨てる」と「自分の所で止まってしまう」という説もあるので思うに前・持ち主が早々にガレージセールで売りに出した(新しい「持ち主」に金を取ってまで押し付けた)のは正しい判断だったと言えるでしょうね。当のセールで手にした時、お金も予算オーバーだったのだし、そもそも始めからこんな箱を買わなければ良かったのに(一つ「諦める」のなら筆頭に挙げるべきがこの箱だろ!?)とツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!

 ステファニー(キーラ・セジウィック)…「2度と子供達に近寄らないで!警察を呼ぶわよ!」

…と元夫に対しても強気に言っていたけれど半同棲状態の恋人・ブレッド(「…あの人、随分と手慣れた感じで台所で調理しているが。」「今まさにデートしてるのよ。あの人はあなたと違っていつもここにいてくれる。」「…で、家事をやらせ、ここでこき使っているという訳か。」)に車で文字通り逃げられてからは「やっぱり都合良いからお前キープ」という感じで家族の絆も再び深まったご様子です…ゲフッ!基本土足のアメリカの家で土足を禁じ何かと神経質な(いかにも付き合うと疲れそうなタイプの)奥様でしたしこのうえ元夫まで逃したら誰も捕まえられないと現実が見えたんでしょうね…ゴフッ!

 クライド(ジェフリー・ディーン・モーガン)…「娘の代わりに、この俺に乗り移れ!」

直で娘→箱に封じれば良いのに父親を経由する意味はあったのだろうか…?(ツァドックさんが気づいて封印してくれなかったら大変な事になってました。)という疑問がどうしても出てしまうお父様です。(悪魔アビズーが人一人の魂を喰らわない限り封じられない・納得しないというのなら父親が博愛精神を発揮して自ら犠牲になる意味は分かるが…正直、乗り移らせる意味が分からん。)結果として仕事(栄転)も蹴ってしまい、車もポンと人にあげてしまい、失ったものは多大に出たものの妻とヨリを戻す事も出来(復縁したいほど良い女かという基本的ツッコミは却下)子供達とも上手くいくようになり一応ハッピーエンドは迎えられたので、まあ、めでたしめでたしとは言えますかね。家族の女性が3人とも口うるさい女なのでこれからも苦労はしそうですが…ゲフッ!

 ツァドック(マティス・ヤフ)…「父に相談して保管場所を決める。」

所有者に災いをもたらす木箱ディビュークに再び悪魔を封じてくれた、皆が素知らぬふりをしたユダヤ教の方々(ディビュークはユダヤ民話に伝わる悪魔的存在)の中で唯一娘さんを助けるのに一役買ってくれた良い人なのにお礼に貰った車であえなく交通事故に遭いお亡くなりになってしまった思えば悲しき神父様です。(運転しながら携帯で通話なんかするから…!)これでおそらく問題の木箱は再び拾われてガレージセール辺りで売られたりするんでしょうし(で、うっかりした子供がまた開けてしまう、と。)根本的な問題が全然改善されなかった事にガッカリしたラストでした…ゲフッ!おそらくこうなるだろうなとは始めから予測していた結末でしたけどね…。

ギフト

2010.08.21
 「シックス・センス」を薄く伸ばしたような話だという印象しか持てなかった映画でした…。(かの「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督の映画だからどんなもんかと思ったけれども…年月が経って日和ってしまったのかな、監督…?)祖母の霊が出てきたり片目が潰れた幽霊に風呂に入られたりと霊現象が起きている割には展開がぬるくてあんまり怖くないし、殺された婚約者の均整のとれたお体を拝むために見るとしたら長~い序盤を耐えるのも苦行だ(女体を見る前にご本人の水死体を見せつけられる羽目にはなるしね…。)と色々微妙にしか思えなかった、そんな映画でした…。いいんですけどね、話のネタにはなったから…。(オイ!)

 アナベル・ウィルソン(ケイト・ブランシェット)…「梢に漂う死体を見るのが楽しいと思う?首を絞められる夢を見るのが面白いと思う?本気でそう思うのなら気が変よ。」

アニーという愛称の割にトゥモロー(明日がある)と明るく歌って生きていく某ミュージカル映画のヒロインとは似ても似つかない暗~い性格の主人公です。夫が死んで1年、そろそろ別の男(ウェイン)に気が行ってしまうのも分かる気はしますが、そのエピソードを入れるのなら子供の存在はむしろ無い方が良かった(一人きりの未亡人なら他人と違う力を抱えて子供も無くこのまま一生一人ぼっちで生きていかなければならないのかと寂しさを感じる気持ちも分かりますが、彼女の場合は3人も子供がいるくせに夫の死後たった1年で他人の婚約者相手に何をポワ~ンとなっているのかとツッコミしか入らない。)などなど特殊なギフト(霊感と未来予知)に苦しむ割にはあんまり共感できなかった主人公でした。見たくない物を見てしまうが故に責められるのが理不尽に感じるのは分かるけれども伝え方を考えればもう少し印象は良かったのではと、どうもツッコミが入ってしまう女性です…ゲフッ!

 バディ・コール(ジョバンニ・リビシ)…「知っていたくせに見て見ぬふりしやがって!」

男なのに父親に性的虐待を受けていた悲しき精神不安定な青年です。(最近では妻や彼女が「相手が男ならセフレ作るのはOK!」と認めるパターンが増えてきたらしいですが、そういう問題じゃないよな…ゲフッ!)おそらく彼は実の母親同様、人の運命を見通す超能力を持ったアニーもまた自分のことを「知って」いながら見て見ぬふりをしたと誤解して(その前に「予感」がありながらジェシカの幸せになれない未来を何も言わずにスルーした事実も誤解に説得力が生まれそうです…ゴフッ!)「誰も助けてくれない…!」(「お前なんかもう友達じゃない!」byバディ。)と自暴自棄になってしまったのではないかと思われます。最後はわだかまりも解けて彼女を助けにきてくれていましたが自分を助けてくれたあの人は実は幽霊でしたというオチもまんまシックス・センスと同じネタで微妙に思えてしまった終わり方でした…ゴフッ!

 ジェシカ・キング(ケイティ・ホームズ)…「本物の男が欲しい。」

アンタが欲しがっているのは男の下半身だけだろ、と婚約者がいながら浮気相手は一人に留まらず「服を脱げ」を言われたら野外でもためらいなくパンツ一丁になる彼女にツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!殺された顛末には本人よりもこんなふしだらで破廉恥なあばずれ女を娘に持った実業家のお父さんこそいい面の皮で可哀想だ(娘が殺された事実よりもそんな娘の性生活が明るみに出されたことの方が父親として辛い気がする。)と思わず同情してしまったものです。愛人の一人が真犯人として誤認逮捕をされてしまった事で「バカヤロー!」と主人公の元に訴えに来ていましたが(だったら何人も愛人(疑わしい人間)を作るなとツッコミ入れたいですが。)罵詈雑言を言う前に真犯人の名前を言ってくれとツッコミも入れざるをえなかったマヌケな幽霊さんでした…ガフッ!

 ウェイン・コリンズ(グレッグ・キニア)…「何故僕を苦しめる。愛しているのに。」

そんな事を言っていた割に君も君で婚約者ジェシカ→未亡人アニーと心変わりは早かったよね…(愛を語っている割に変わり身早いんだよ、この野郎!)と思わずツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!という訳で、ありがちな火曜サスペンス劇場よろしく実は彼がジェシカ殺しの真犯人であり真相を「視て」しまった主人公が襲われる羽目になるのですが…そもそも主人公が自分でツッコミを入れていた通り夜更けに子供達を置いて男と2人で出かける事自体が迂闊であり(いくら淡い恋心を抱いていた相手とはいえ危機意識が低過ぎ!)別の意味で襲われても全く不思議はない状況に自分で自分を追い込んでどうすると同じ女として微妙に思えたものです。身の安全を気にかけるのなら、まず夜中に出歩くのを辞めるべきだとアニーにもジェシカにも語りかけてしまいました…。(そうすれば2人共ウェインに襲われずに済んだではないですか…ゴフッ!)

北回帰線⑤⑥

2010.08.20
 この話のように飛行機には乗りませんでしたが8月の終わりに山形の蔵王に散策に行ってきました。(注・本来樹氷で有名なスキーに行く人々の行く所であり、冬に行くべき所である…ゲフッ!)1日目は盃湖の周りを一周した後(緑に染まった湖、周りの道は藪と化し、桟橋はギシギシと腐りかけているという有様に思わず幻滅してしまいました…ゴフッ!)初心者散策コースで道に迷い(道を間違えたようです…ガフッ!)それでも白洲次郎の別荘「JAREN」(ヤレン。「やっとれんわ!」を短縮した造語だそうです。ここには彼自身による格言「夫婦円満の秘訣は一緒にいないことである。」ということが書かれており…てことは何ですか、奥さんとはやってられないって事ですか!?)は見てきました。昔に作られただけあって別荘という豪華なイメージには似つかわしくないものでしたがそんな感じで説明書きが面白かったです…ゲッフン!

 2日目は有名な蔵王のお釜を見てきました。(もちろん体力が無いんで途中までロープウェイです。それでも足ガクガクでした。)さすがに絶壁で湖自体には近づけませんでしたが盃湖に勝る緑色加減に「アオコじゃなかったらいいねえ…。」と夢の無いことを語り合ってしまいました。まだまだ山には熊が出る(!)らしく山小屋でご一緒したおじいさんはしっかりクマよけの鈴をつけてました。千葉の海の野良猫は逃げませんが熊は厄介事はごめんだと逃げてくれるそうです。帰ったら上山温泉の古窯(良い旅館ベスト3に入る凄い所だとは後で知りました…!)に鞍替えしてぐっすり休みました。

 3日目は翌日仕事ということもありチェックアウトギリギリまでのんびり過ごしてました。(そして予定を切り上げて早めに帰ってきてしまいました。そう、去年と同じパターンです…ゲフッ!)朝、露天風呂を満喫した後は旅行の醍醐味、お土産選びです。樹氷で有名な所だけあって「樹氷ロマン」「樹氷ロマン2」(…2?)が目立ちましたが雪の欠片もみなかったのにそこまで見栄を張ることも無かろうと「さくらんぼきらら」(山形の名産といえばサクランボとササニシキです。)と「ラフランスきらら」(…洋ナシは名産品だっけ?)を買っておきました。職場の皆さんにはこれでバッチリです。牛タンにも心魅かれたのですが(近くには牛で有名な米沢がある。おかげでここの牛肉はうまかったです。)生ものなので無難に笹団子にしておきました。パッケージに我々が足を運んだお釜の絵(本当にあんな感じの毒々しい緑色だった。)が描いてあったのでそれが決定打となり買ってしまいました。

では本題(本の感想)に戻ります。今更ですがこの話には「カモメはカモメ」「時代」など古き良き名曲の歌詞が数多く使われています。(著作権料凄くかかっただろうなあ…ゲフッ!)そんないい曲を使っているのによりにもよって不倫話に仕立てなくても…と私なんかはガックリしてしまいました。(イミテーションゴールドなんかは地元の農園でも聞いた曲なのによりによってベッドに入る直前のシーンで使わなくても…ゴフッ!)ヒロインが自分本位の嫌な女なので話自体に共感できない分(一般的な女性を描いたのかもしれませんが、大富豪の奥様になってる辺り「身近な存在」から程遠い立場にもなったし、親近感が湧かないんですよね。我々貧乏人に言わせてもらえばあんなでかい家に暮らしている時点で文句を言える立場じゃないだろと言いたいし。)せっかくの名曲も嫌な感じだなあと思ってしまいました。個人的にはちょっと残念な作品です。

 竹之内飛鳥…旦那が仕事を辞めることを切望していたというのに「社長として会社を一つ私にくれたらあなたがどんなことをしてようとも許してあげるわ。」と嫌がらせのように(というか嫌がらせだろう、絶対に。)仕事を始めるのは正直どうかと思いました。(それより大富豪の奥様として社交界にキチンと出てあげるのが彼の為ですよ?)経営学もろくに勉強したことも無い人間に社長の座に居座られては周りの人間も迷惑でしょうし「社長である前に女よ。」(訳・「妊娠したらとっとと辞めます。」社長がそれでいいのかい!?)と仕事を自分の都合の二の次にしてる辺りも社員が可哀想だなあと思ってしまいました。かつての愛人・仲緒さんの離婚を知り「この人がもっと早く独身になっていれば今頃は子供にも恵まれ普通の女の幸せを手にできたのに。」というような妄想に浸ってますが彼女は誰と結婚しようとええかっこしさから妊娠発覚まで仕事を辞めず結果として不妊症となっていたことは変わらないだろうと思われるのでクレウスと結婚した為にこの結末に陥ったかのような考え方は間違っていると思えてなりませんでいた。文明の発祥地だからと言って紛争が絶えない地域にまでホテルを建てる(で、客が紛争に巻き込まれて死んだらどう責任を取るつもりなんですか、貴女は?)という計画も夢物語を通り過ぎて無茶としか思えず(重役達もよくホテル設立にOKしてくれたよ…。この上、客の懐具合も考えないとはちょっと横暴すぎです。)やはり彼女は上に立つべき人間ではないと再認識しました。最終話近くでホテル用地を下見に行きその為に空襲を受けクレウスが飛鳥を庇って死んでしまうという展開が見られましたが、そもそも戦争中の国に病人を連れていくこと自体危ないだろ!と(人目に触れさせるさせない以前の問題である。ていうかクレウスが死ぬ原因を作ったのはこの女ではないのか?)ツッコミを入れてしまいました。人としての基本的な常識が欠けすぎていて(ていうか夢見過ぎ。)やっぱり好きになれません、この人。

 仲緒郷…郷「愛してるよ。」
飛鳥「だ…め…よ…。私…だめ…。」
郷「じゃあ始めから部屋にノコノコついてきたり思わせぶりな態度取るの辞めてくれませんか?」

期待してしまった分失望も大きかったでしょうね、とあのシーンを読みながら思ってしまいました。(それでも「諦めきれない…!」としつこく思い続ける姿はいい加減うっとおしい。)とうとう奥様と離婚してしまうに至りましたが、和美さんは中身が子供な分、郷が自分と一緒にいてくれるのは憐れみから来る思いやりで決して愛ではないということを子供特有の純粋さで見抜いていたんでしょうね。だからこそプライドを粉々にしてまでかつての愛人、飛鳥(郷がしつこく愛し続けている真実の相手。相手もそう思っているかは別の話だが。)に頭を下げにいったのでしょう。(その子供なりの必死の覚悟を「仲尾さんが幸せになれば罪悪感から逃れられるというあなたのエゴで私は動かないわ。」と冷たく拒否する飛鳥は正直嫌な感じでした。いくら真実でも言っていいことと悪いことってあると思うの。)離婚にしてもいくら離婚届を渡されたからと言って電話一本かけただけで追いかけて会おうともせずにホイホイ自分の分を書いて提出するのも人として冷たい(そりゃ職場で噂になるわ。)と思いますし彼の孤独は他でもない主体性の無い自分の性格が招いたものではないか(結婚にしたって熱を上げた和美さんに押し切られたようなものだったしね…。)と感じられてなりませんでした。飛鳥といい郷といいこの話って「状況のせい」にする被害者顔したキャラが多いですよね…。

 クレウス・ミロン・ゾルタス…飛鳥の航空会社の飛行機に乗った為に事故に合い(飛鳥さん、領空域の安全くらい確認してから飛行機を飛ばして下さい。)飛鳥に戦争中の地域に連れて行かされた為に命を失うことになった悲しき夫です。(あそこでクレウスがぐずろうが泣こうが仕事と割り切って家で留守番させていればこの悲劇は起きなかったのに…。病人を危険な地域に連れて行かないで下さいよ。)医師からは何か一つでも思い出せればそこから元の主人に戻れるまで回復する可能性があるみたいなことを言われ話の展開もそれに近い奇跡を見せていましたが1度破壊された脳細胞が再生することは不可能です。リハビリで元のように歩けるようになったという話はありますがあれは今まで使われていなかった脳細胞と新しく神経を繋げたために起きた現象(その神経細胞を伸ばすための刺激がリハビリなのです。)であって死んだ脳細胞が蘇ったわけでは決してないのです。(小説・EDGEにも脳細胞を再生した青年が出てきますが、彼はとうとう最後まで「過去」のことは思い出さずじまいでした。記憶の復活は脳自体が蘇っても不可能なのです。)なのでこんな基礎知識も知らないヤブ医者達が主治医とはクレウスも可哀想にと同情しながら読んでいました。最後の体までボロボロになって死んでいった様は本当に哀れで(…こんな危険な所にホテル建ててどうするのさ、飛鳥?)葬式では本当に胸にぐぐっときました。彼は本当に情熱的に飛鳥を愛していたのに、たった4年後、当の飛鳥が仲緒さんと結婚するのかという問いに「さあ?」と思わせぶりにあいまいな答えを返しているのが凄く腹立たしかったです。(そんな思わせぶりな態度ばかり取っているから周りの男(というか仲緒さん)が期待しちゃうんだよ!飛鳥!)…本当に死後までクレウスが哀れでした。

 アレクサンドル・ゾルタス(アレック)…飛鳥を蝶々夫人に例えていましたがあの可憐で無邪気な少女をこんな発情した女と一緒にしないで下さいよ!(クレウスと結婚後も仲緒さんと彼女は何度「一線」を越えかけたことでしょう?一緒の部屋で飲んだことも多々あるし女としては身持ちが軽すぎです、飛鳥は。)と蝶々夫人のストーリーを知る私としてはツッコミを入れずにはいられませんでした。最終話現在で彼は7歳。クレウスが脳損傷(ブレーン・ダメージ)で幼児並の知能になってしまった4年前はわずか3歳。その3歳の子供に「クレウスの刺激になる為に。」と保護者の役割を期待するのはいくらなんでも酷すぎないか(まだまだ自分のことだけで精いっぱいな年頃です。保育園でも諍いが起きる年齢でいきなり障害者を世話しろと言われてもそりゃ無理な話です。)と飛鳥の発想には「…。」と思ってしまいました。挙句にろくに優しくできないまま父親は(ほとんど飛鳥のせいで)死んでしまい、ちょうど1番親が恋しい年頃だけに可哀想でなりませんでした。その後7歳の若さで飛鳥に恋をしてる辺りは女を見る目が無いというか趣味の悪さは父親譲りのようです。仲緒さん登場でライバル意識を持つもわずか1晩で「あの人なら賛成だよ。」(わずか1晩で敗北宣言ですか!)と戦意喪失する諦めの良さは母親似(最もこの時点で既に飛鳥はどう若く見積もっても30過ぎ。アレックが成長する暁には50近いおばあちゃんになっているはずなので正解だとは思いますが。)のようで、うまい具合にいいところだけを受け継いで生まれたんだなあ(飛鳥にハマったらその年齢差だけでも立派に不幸になります。)と感じてしまいました。彼には飛鳥に振り回されず他の彼にふさわしい女性と恋に落ちてほしいです。ところで失恋した今、ギリシアに住むかどうかはどうするんでしょうね?

 ミレーヌ・モンタナ…クレウスの愛人(というより1度きりの行きずりの仲。)ああいう状況だと性的快感が引き金となって排卵が起こり妊娠しやすいそうです。(愛人が妊娠しやすいのはこの為らしい。また安全日が不確実と言われるのもこのせいだとか。)とはいえきちんと責任を取るなんてクレウスはいい男だなあと思ってしまいました。(また本当は知っているくせにクレウスがアレックを思い出すまで知らない振りして無視し続けていた飛鳥の冷酷さにドン引きしたり…ゲフッ!)立場は愛人なのに、一人息子を利用されたり(「飛鳥はどうしてあそこまでクレウスの為だけに生きられるのかしら。」と美しく捕えていましたがいえいえ病人の治療の為にアレックの心を潰す理由にはならないと思いますよ?)いつの間にやら親友のようにハレンチな悩みごとを相談されたり(かつて子供を作るほど愛した人と飛鳥との上手くいかないセックスの話なんて聞きたくないんですけど。友達いないんですか、飛鳥?)一般的な愛人さんより苦労しているというか気苦労の絶えない女性です。(飛鳥なんて不倫してた頃「私、謝りたくありません!」と気配りのきの字も無く開き直っていたというのに。)そんな彼女を選ぶなんて的場さんは見る目があったんでしょうね。(そんな彼が過去、何故飛鳥なんかを選んだのかは謎ですが。)2人目の子供に飛鳥という名前を付けるのはやめた方がいいと思うのですが(あんな自分の夢しか見ていない身勝手な不倫女のどこが理性的で優しい人間なのか私には分かりません。もし自分の娘が彼女のような発情した娘に育ったら泣きますよ、私?)幸せになってくれて良かったです。ご夫婦ともに飛鳥を美しく見過ぎていますが(そこまでいい女にはとても思えない…。他人のイメージを投影されて育つ子供も可哀想だと思うの。)それも2人の趣味が合うということでしょうか?ともあれ飛鳥と自分達を切り離して幸福を満喫してもいいと思いますよ、お二人さん。

愛罪の代償

2010.08.19
 作者が作中で描かれている「やや特殊なプレイ」に関してツイッターで「こういうの超燃えるんだけど」って呟いたらその場にいた全員にドン引きされたそうです。確かに、本編を読んで登場人物達の病むほど追い詰められた心情や女性のクズっぷり(少なくとも立派な人間からは軽蔑されても仕方ない位の人間性の低さではあった。)が細かく分かる読者には萌えというか共感する部分もあるけれども「好きな『男』の恋人を寝取って結婚した」「当の妻には『彼』の恋人だった事実に嫉妬して暴力振るいまくり」「挙句に『彼の子供』を手に入れる為に妻を孵卵機扱いにして3Pに及んだ」という部分的な情報しか得ていない人間からしてみれば最低男以外の何物も見えてこないだろうなあ…と引いてしまう気持ちは理解できてしまったものでした。私もブックカバーに書いてあったあらすじ紹介に「…どういうこと?」と多少混乱して(というか登場人物に好感を持てるのか物凄く不安を感じながら)読み始めた人間なので(結果、内容は面白かったというか色々ツッコミを入れられる位濃い話でしたが)やはりこの本は話をきちんと読んだ人間から感想を聞かないと真の評価は見えてこない話なんだろうなと感じたものです。…それでも設定的に引く人は引いてしまいそうな内容ですけどね…。(特に女性読者は。)

 岡本杏子…杏子「人の旦那を誘惑して男同士で気持ち悪いのよ!淫売のホモ野郎!返してよ!」
佐々谷「ゆ、誘惑なんかしてない!された側だ!」

あの人は多分セックスが好きじゃない(何故ならば自分はB止まりだから)と思いきや佐々谷くん相手にはセックスに溺れまくっており自分は借り腹(それも夫ではなく夫が恋する男の子供を産ませる)という役目の価値しか無かったと2度に渡って見せつけられたら女としてのプライドはボロボロでしょう…ね。ハーレクインロマンスという美しい名を借りた玉の輿願望を持つ依存的な女性にとっては夢が壊れる話だろうとも思ってしまいました。しかし、それでも2人の男を両天秤にかけて条件の良い方にプロポーズされたのをこれ幸いと彼氏を捨てた(2股をかけた挙句に決定的に彼氏を裏切った)彼女もいい性格だったような気はします…ゲフッ!(「嘘はついていない。僕との結婚を希求したのは杏子の方であの女が先に佐々谷くんを裏切ったのだ。それは事実だ。」by豊口。)裸にしながらセックスはしてこない、結婚前から「おかしいサイン」は沢山あったのに会社の大株主というセレブな生活の前に自分にとって都合の悪いこと全てに目を瞑った(彼氏を裏切る罪にも夫には本当は愛されていないかもしれないという不安にも見て見ぬふりをして左うちわの生活ができる道を取った)その天罰が当たったとも思えて今一つ同情はできなかったものでした。(そもそも彼氏の上司に妻でもない彼女がわざわざ会いたがるというのもおかしい。始めから彼女はセレブな上司と知り合いになってあわよくば寄生虫のように食い物(結婚)にしようと考えていたのではないだろうか?)結局、元彼にも現夫にも2人共に本当には愛されていなかった彼女でしたが彼女もまた都合のいい条件に未練があるだけでどちらの男も本当には愛していなかったのだからお互い様ではあるよなとツッコミを入れてしまったものです。夫からDVを受けている被害者ではあるのですが被害を受けながらもこの生活を手離すのは惜しいと考えている計算高さが伺える以上好感は持てなかった女性です…ゴフッ!上記のセリフを言うほど夫を愛しているのかというと金とマンションを与えられたらあっさり離婚に応じた(豊かな生活さえ手にできれば夫の事は簡単に諦められる)辺り…ガフッ!

 佐々谷夏生…佐々谷「すみません、どんな償いでもします。」
豊口「じゃあ、百万払え。」

のぞき犯に対して要求しその後しばらくして新車を買った夫婦の話を思い出しました。(それならばこの話のように「夫婦で共謀する展開」にも納得だったのですが…ゲフッ!)「なんでもする」と言ってしまったが為に金ではなく体を要求された佐々谷くん。肉体関係を結ばれたことでようやく豊口さんを愛している自分の気持ちに気づいた彼でしたが、そんなの面接時の大失敗にも関わらず入社できた不自然な内定を貰った時点で(一目惚れ、だったそうです…ゴフッ!)男同士でデートを重ねている時点で(休日の全てを一緒に過ごして映画とか一流ホテルでディナーとかするのは「上司と部下の付き合い」をこえた立派なデートだから!←そりゃ彼女も「本当に『浮気』じゃなくて『上司との付き合い』なんでしょうね!?」と会いたがりもするか。)他の女と結婚しようとしている時点で気付けよ!(豊口さんさえ前・恋人に「結婚しないでくれ!」と本気で懇願していたのに式に出席しても自分の気持ちに気づけないって…。)とツッコミを入れてしまいました。結果結婚までしたのによりにもよって男に負けて追い出された妻・杏子はいい面の皮です。(「杏子は間違いなく豊口さんの事が本気で好きなのに借り腹みたいに扱うなんてアンタは酷いじゃないか!」「僕は杏子の気持ちを分かっているはずなのに目の前で彼女の夫との情事に溺れられる君の方がよほど酷いと思うけどね。」「…。」)彼がどんどん壊れていったのは豊口さん(男)との恋愛関係の他に善人面をして自己陶酔している(その実恋人の気持ちにも無関心で何も見えていない。)自己欺瞞が暴かれた部分もあったのではないかなと考えてもしまったものです。(佐々谷くんがもっと早くに自分の気持ちに向き合っていれば杏子が不幸な結婚をする事も豊口さんがこんなにも壊れる事も無かったのではないか。)最終的には現・恋人の「昔の男」である繁田涼一を刺して刑事事件にまでしてしまう異常者になってしまった彼でしたが心が病んでいたという事で全ては許されてしまった模様です…ガフッ!

 豊口笙…「もしかしたら佐々谷くんそっくりの子供かもしれない。いや、それほど似てなくても佐々谷くんの遺伝子を持つ男の子ならそれだけで価値がある。」

もしも妻(杏子)によく似た女の子だったら金を与えて追い払おう(佐々谷くんの遺伝子を継いでいようが「女の子」は却下)と考えている辺りこの人の病んだ精神の根の深さが伺えました。(どんだけ「男」が好きなんですか!?)ヤルだけはヤッておきながら何度告白されても佐々谷くんの気持ちを信じられない彼でしたがデートした先で彼女の話をされ(男は気がある相手に対しては他の女の話なんて口に出さずに浮気のチャンスを待つ…らしい。)他の女と結婚しても無反応で(という事は自分は恋愛対象外として全然関心を持たれていないという解釈しかできない。)「好きだ」と言われたのは肉体関係(性的快感)に溺れてから(豊口さんが、でなくて豊口さんの「情事が」好きだと思われても仕方ない。)では「誤解」をされても当然の経緯ではあると納得してしまいました。昔の恋人に未練があると疑っているのはお互い様であり(そこで「相殺する」ということで仲直りする方向には…ならないのね、やっぱり。互いに浮気している現実の夫婦も自分の事は棚に上げて相手の非ばかり責める(むしろ相手の方を悪役にしようと過敏になる)からね…ゲフッ!)それでもヤル事はヤッている2人に取りあえずアンタ達は「体の会話」の前に「言葉のキャッチボール」から始めなさいよとツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!とばっちりで戸籍に離婚歴がついた杏子もいい迷惑です…ガフッ!

 繁田涼一…「豊口さん(の、大きな仕事を回せる立場上の権力)が好きなんです。」

という全裸での告白には時期が時期だけに怪しい物を感じながらも同性とのセックスに手慣れている(一体どんな過去、もといどんな性生活を…?)とは思いながらも「男」に対して免疫が無かった(女性に対してなら通算12人もの人数と付き合ったほど経験豊富だったんですけどね…ゲフッ!)という豊口さんの悲劇から泥沼にはまってしまっていました。最初から本気で愛した相手(妻)にだけ誠実で愛人に過ぎない自分(豊口)に対しては利己的だったとありましたが妻という人がありながら平然と男と浮気をして、結婚をしたのも子供ができたからという「成り行き」に過ぎず、性別の問題さえなかったら条件の良い愛人の方を選んでいたと豪語する(冗談でも妻に対して失礼でしょうが!)この男のどこが「誠実」と言えるのか私には分かりませんでした…ゲフッ!(バイセクシュアル(男であっても女であっても恋できる)と2股がけ(恋人を気にせず他の人間(性別不問)と浮気できる)は別だと思うの…。)結婚したからと一方的に手を切りながらも後々利用できる時には利用しようと情事中の写真をしっかり撮って取っておいた(そんな証拠写真、奥さんに見つかったらどう言い訳するんですか!?)辺りも腹黒さを感じて刺された時も思わず納得してしまったゲス野郎です。(そんな事ばかりしていたら、そりゃ、いつか刺されるだろう。)命の危機にもかつての愛人に微塵も心配されず(心神喪失による執行猶予判決が取れるかどうかだけが心配で余裕で示談に出来る傷の浅さに心から安心したそうです…ゴフッ!)命は無事でも仕事は失っている最後にはざまあ見ろと小気味良く思えてしまいました。そう、この人さえ現れなければ(過去に存在した事はともかく、せめて杏子のように永遠に身を引いていれば)主人公カップルはあそこまで壊れる事も無かったのですから…ね。

 余談…全裸で相手に迫った繁田さんの姿に「妖艶な美女が全裸でゆで卵を手に『さあ、どちらになさいますか?』と聞いてきたら迷わずゆで卵を取る程卵が好きだ」と言っていた作家・浅田次郎先生の言葉を思い出しました。豊口さんもこの位、欲望に流されない性格だったら良かったんですけどね…ゲフッ!

ヴァンパイア・エロティクス

2010.08.18
 今回は裏技(行数増加)こそ使われてはいないもののページ数を見るとやっぱり300ページ近くの多い枚数で真冬が飼っていたオッドアイの銀狼は何者だったのか、ケイの言う500年前に本当は何があったのか、などなど数々の疑問が残りつつも物語をこれ以上進めるのは色々限界だったのでしょうね。(後は震災前から書いていた話だけに早く出さないと忘れられてしまうとか色々諸事情があったに違いありません…ゲフッ!)水戸先生曰く「あと2つプロットが残っている」そうなので今度はどんなタイトルになるのか「ヴァンパイア・メモリアス」(もはや過去という名の「思い出」が残っているのはケイ位ですが…。)「ヴァンパイア・パラダイス」(楽園かい!)などの安易なネタしか浮かばない私にとってはそれも少し楽しみだったりします。

 内藤真冬…ファス「よく見て。私のアルノートが轢き殺したんじゃない。その人は道路に突き飛ばされた時にはもう死んでいたの。」
真冬「どの道死体を轢きながら走った事に変わりは無いじゃない!このDQN女!」

轢いた時にその人体が生きていようが死んでいようが(それ以前にも他の車に轢かれていようが)「轢き逃げ」には変わりないので念の為。(警察に通報されたら立派に捕まります。)何故こんな所でただ通りかかっただけの鳴瀬が殺されなければならなかったのか、犯人がおそらくケイである(以外に考えられない)事からリリス(ファス)を追っている最中に500年前に想っていたお姫様を強姦殺人した繍宇司家の子孫を見つけて思わず殺ってしまった(20年前に起こした大火でも街の3分の2が焼き尽くされ鳴瀬の親族はその火事のせいで多数亡くなっている。)のだろうと推測するに結局死んだ要因はファスがそこにいたせいじゃないかとツッコミを入れてしまったものでした。(逃げの1手を打つ事に飽きたから、わざわざ因縁の地に姿を見せるという事をしなければ…。)「少しは私の責任みたいね。」とファスの方は殊勝(そうな)態度を取っていますが彼女の行動のおかげで大火事は起こるわ(その大火で真冬の父親も亡くなっている。)とばっちりで付近にいただけの恋人(鳴瀬)は殺されるわ「(アンタが要因で起こされた迷惑は)少しじゃないわ!」(もうお前、この地に来るな!)と半狂乱になる真冬の気持ち(というよりほとんど私の感想ですが。)には物凄く共感してしまったものです。そんな訳で改めてファスに苦手意識を持ってしまった私でした…ゲフッ!(結局「自分の屍鬼を解放する」事ばかり考えて周りの人間の事を考えていないんですよね、ファスって…。)

 繍宇司鳴瀬…真冬「そんなに飲んだら体に障ります。」
鳴瀬「屍鬼はアルコールにも毒物にも耐性があるから障りはないし酔えもしない。」
真冬「じゃあお酒の無駄だから無料の水道水でも飲んでて下さい。」

鳴瀬さんは病弱だった本命の女性(真冬)に手を出すことはできなくてもその他のどうでもいい女性(達?)と「経験」(練習?)をする機会はあったのか物凄いテクニシャンぶり(主に痛みしか感じない処女の初体験相手に「満足」させることができた時点で経験値の凄さが伺える。元々エリート・美形・土地持ちという女性の理想が詰まった彼は大いにモテていたそうなので「本気」にするかどうかはともかく袖引く女性は後を絶たなかったでしょうしね…ゲフッ!)には脱帽したものでした。ファスを慕うのはあくまで生存本能の指示に過ぎず心はかつての恋人を変わらずに想っている「屍鬼の悲劇」を地で行く彼(心変わりした訳ではなく生存本能の為に本心を押し殺してリリスを崇めざるをえない体質になってしまった。)に、ようやっとファスの苦悩も少しは理解できたものですが、それを踏まえると「屍鬼になった男がかつての恋人を殺す悲劇もあった」という彼女のかつての不手際には却って嫌悪感が募ってしまい苦手意識は増すばかりでした…ゴフッ!鳴瀬さんの苦悩にしても同じだけファスがセックスさせてあげていたら相殺されてここまで体調が悪化する事も無かったのでは?(そこで「本当はあの女性の元に帰りたいのではない?」と「答え」によってはさらに悪化させる質問をするファスって…。)ともツッコミを入れてしまったものです…ガフッ!

 ケイ…「そう『他人の空似』だったんだよ。繍宇司の男と自分の顔が似ていたのは。」

どうやら500年前のリリス騒ぎの時に内藤のお姫様は彼と繍宇司の男を「間違えて」その結果合意の上で相手をしてしまい子供を産んだ後用済みとばかりに繍宇司家に殺された(そして真冬達へと子孫が続いて行く)らしいです。そんな前奇譚が(勝手な推測の元に)伺える辺り、この男のリリス・ケイは当時の内藤のお姫様の「恋人」ではあったのでしょうね。(リリスは「人間」相手では子供は作れない辺り子孫の父親は間違いなく繍宇司の男だったのでしょうが…好きでもないファス(リリス)相手に「子供を作ること」にこだわっているのはそういう理由もあるのかもしれません。)とはいえ当のお姫様は500年前にとっくに殺されているし、顔が瓜二つの子孫の真冬は実の父親を脅迫し殺人実験を繰り返させた(挙句にファスとの対決(大火)で父は巻き添えをくって死んでいる)自分の人生をめちゃくちゃにしたこの男を愛するはずが無いし彼が報われる日は来るのか色々考えてしまいました。彼の幸せに関してはこれ以上真冬に迷惑をかけなければどうでも良かったりもするのですが…ゲフッ!(女性としては外人のファスより顔がそっくりの真冬の方が理想に近いと思われるので今後彼女がつけ狙われないか、そこだけが心配です…ゴフッ!)

 ファウスリーゼ・フォン・ザワークシュタイン…真冬「真木名さんは人間なのにファウスリーゼさんが好きなの?」
ファス「あなた、それは失礼じゃない?」
真冬「何気に自信はバリバリなのかよ、このビッチ。」

本作ではセックス以外ほとんど何もしていないこのシリーズの主人公です。が、千年も生きている割には屍鬼の事も含めて自分の事ばかり考えている幼稚な性格はやっぱり苦手で恋人である身勝手男の真木名と同様好感度は上がらなかったものでした…ゲフッ!(スピンオフ形式で主人公が真冬に入れ替わってくれたこの話はおかげで読みやすかったです…ゴフッ!)千年も生きてきてリリスとしては「先輩」でも物語の舞台が日本である以上、関連の無い外人の彼女が今回目立たないのは当然の展開とはいっても一応シリーズ本来の主人公としてそれで良いのか、というより根幹の話(繍宇司家と内藤家、そしてリリスとの500年に渡る因縁話)から考えるとむしろファスはいらないキャラだったのではないか(おかげで鳴瀬も真冬も大迷惑です。)などなど色々考えてしまいました。味方の「戦力」としては心強い(主に銃の扱いに長けている真木名とか、彼の弟子として特訓を受けた波留とかの彼女の屍鬼が、ですが…。)ので続編の活躍によっては評価も変わる、でしょうか…?

ヴァンパイア・プリンセス

2010.08.17
 結局リリスはどうすれば元の人間に戻れるのか(そもそも戻った所でその場で寿命が尽きるほど長い間生き過ぎてはいないか?千年も不老不死を堪能して戻ったらそのまんま止まった後の寿命の続きを生きれたとしたら狡くないか?)主人公をリリスに変貌させた銀狼は何者だったのか(あっさり物語開始前に退治されてくれちゃってこの野郎。)等々数々の謎が残されたまま話が終わっていますが担当さんに「この話…200ページで収まりますか?」「そんなの余裕ですよ!」と確認し合っていたにも関わらず300ページ越えをして、それでも作者の主義から「Hシーンは絶対削らない!」とゴネた経緯があった(結局1ページあたりの行数を16行→17行に増やすという裏技を使ってもこれ以上話を進められなかった。)そうなのでこれは色々ギリギリの結果だったのでしょうね。そんな訳で話は続編に続くそうです。

 ファウスリーゼ・フォン・ザワークシュタイン(ファス)…「いっそ他のリリスを見つけて、その家の庭に屍鬼候補の死体を捨ててきてくれたら良かったのに。」

とどのつまりこの人は「屍鬼を解放したい。たとえそれで屍鬼が死ぬことになっても最後は自分の心を取り戻させたい。」(死んでも良いのかよ!結局アンタは自分の好みでもないのに自分に焦がれている屍鬼達と体良く無関係になりたいだけではないの?)と人聞きの良さそうな事を言いながら自分が責任逃れをすることしか考えていないのではないかと思えて今一つ共感できなかった(どころか受け入れられなくて苦痛を感じてしまった)主人公です。屍鬼達が自分に恋着するのは「呪い」のせいだ(だから自分のせいではなく自分は悪くない。)と彼女は言っていますがだったら惚れた弱みを逆手にとって「元彼女にも優しく接してあげて。」と事細かに命令すれば良かった話ですし、ケイの「(ライオンを素手で倒せるほどの身体的能力と不老不死という『特典』をゲットした)屍鬼達は誰一人としてそんな事を望んでいないのにそれはファスの独り善がりだよ。」というセリフは正鵠を得ていたような気がします。屍鬼達を生かす為に望まないセックスを不特定多数と行わなければいけないのならまだ「誤解される」事への納得も同情もできたのですが別にそんな事も無く今までの屍鬼達の元彼女絡みの泥沼展開も含めて全てはこの人の手際の悪さに原因があったのではないのかと思えて苦手なヒロインでした…。千年生きても世間知らずで無神経な性格は治らないのか「年齢」の割には(中身が)幼稚な女だなあ~と感じてしまったものです…ゲフッ!

 真木名逸輝(ナイトウケイ)…ファス「真木名は今まで飼ってきた屍鬼の中でもかなり異質ね。」
波留「うわ飼ってきたとか言っちゃったよ。住居を提供して貰い食事を用意して貰って『飼われて頂いてきた』のは明らかにこの人の方だろうに。」

元傭兵で歩く武器庫と評された通り戦闘能力は高いですが屍鬼に発現する膂力を全く使わずもっぱら銃や刃物で戦っている(「あの程度なら素手でいける。(特殊能力を使うまでもない)」と言い訳してますが、それなら文字通り素手で格闘すれば良い話で銃弾を消費するのも刃こぼれを起こすナイフを使うのも正直物の無駄です。)辺りや傷の治りが遅い(「女にやられた傷は見せびらかすもんだろ。」と言い訳していますが「精気を交換」した直後にも関わらず傷が治らないのは明らかに不自然。)事など深く考えなくてもこの男は屍鬼でも何でもないただの人間だと分かるのですがファスも含めて周りにいるキャラクター達はみんな頭が弱かったのかラストで自白するまで誰にもバレずに話は進んでいました。(何故だ!)突き抜けた俺様系キャラクターといえば人聞きはいいですが目的の為なら人殺し(被害者・波留)も半殺し(被害者・鳴瀬)も平気でするしファスへの恋情も恋愛というより行為優先で相手の気持ち(拒絶)は基本的に無視しているし好き嫌いはハッキリ別れるというか個人的には苦手意識を抱いてしまった相手役でした…。

 繍宇司鳴瀬…ファス「誰も愛しません。リリスと屍鬼以上の感情は誰にも抱いていない。私の言う事が信じられないの?」
鳴瀬「昨夜真木名とその気バリバリでセックスしていたくせに信じられるかよ、このビッチ!」

若くして理事長の地位にまで上り詰めた超エリート(しかも彼に憧れる女性数は逆ハーレムを維持しているファスを上回る程のイケメン)なのに呼び捨てで呼ばれ食事を作らされロールスロイスでお抱え運転手をさせられるという酷い下僕扱い…もとい尽くしているのに「新入り」の波留にすら劣る扱いを受けている可哀想過ぎる屍鬼です。(ファスなんて千年生きてきただけで資格も技能も家事すらも何も身につけてこなかったただのニートなのに。)真木名にファスとの仲を見せつけられ続けた(ドアの外から声を掛けられ、そこにいるのが分かっていたにも関わらず最後までセックスを続行された)挙句にラストではリリスを欺く為だけに四肢に銀の杭を打ち込まれ(死ぬ寸前まで真木名の『演技』の為だけに痛めつけられた)、トドメに「波留(ガキ)にすらできている理性の保持がアンタには本当にできないのか?」と馬鹿にされ(『新種』と一緒にしないで下さい。)…その不遇過ぎる扱いには思わず涙が出てしまったものです。性格の悪いファスとくっつくのは嫌ですが次作では少しは報われてると…いいなあ…。

 内藤波留…ファス(波留は誰にも言えなかった自分の我が儘を許してくれるから。)
波留(いやー、でも目の前でラブシーン繰り広げるのは辞めて欲しいもんなんだけどね…。)

他の濃過ぎるキャラクター達と違って今時で純真な彼との恋物語が王道展開として繰り広げられるのかと思いきや期待を裏切ってファスの心を癒す愛玩動物扱いで終わっているのには読み終わった後、思わず本を投げつけたくなる程改めてヒロインに嫌悪感を抱いてしまったものです。他の屍鬼(真木名)と目の前でイチャついても誰にも殺意を抱かずに自分を慕ってくれる(間違っても殺し合いに発展しない)彼は一緒にいて楽かもしれないけれど好意を知りながらそれに甘えて遠慮も忘れて目の前でラブラブするのは、いくらなんでも無神経過ぎやしないかとヒロインへの苦手意識は募ってしまいました。(千年も年上のくせにたった15歳の子供の好意に甘えるなよ。)真木名が言うには波留の父親の圭は殺し合いを生業とした施設内で唯一他人を憎んだり傷付けたりしなかった「例外」で波留が屍鬼になっても理性を保っていられるのは(極限状態でも利己的に振舞う事を拒絶し他人を助けた)父親からの遺伝ではないかとの事でしたが確証もないのに屍鬼にする為に(ファスの孤独感をいやす為だけに)殺されたのだからいい迷惑であることに変わりは無いでしょうね。ある意味、主人公カップルのせいで1番の被害に遭ったのはこの子だったのかもしれません…ゲフッ!

 余談…屍鬼は母胎であるリリスが死ぬとその瞬間に全員が灰になる(だったら止血処置をしながら腕一本切り落とすとかすれば誰も死なずに不老不死を止める鍵である「リリスの骨」が手に入るのではないだろうか?)事やリリスにとっては真昼の光は毒で浴び続ければ少しずつ体が弱っていく(食事は血液でなく普通に人間と同じものを食べるくせに、そんな所だけ吸血鬼らしいです。)事など設定が細かくて色々頷いてしまったものでした。吸血鬼絡みの事例に関して色々調べることは調べたんですね。

空に太陽がある限りっ。

2010.08.16
 江戸っ子の学園ラブコメです。登場人物にはすべてモデルがいるそうで、それもあって相原先生お気に入りの作品になっているそうですがしっかり完結してしまっている以上、続編や番外編は難しいだろうなあ~と思ってしまっている作品です。1巻から3巻に至るまで登場人物のビジュアルも性格もいろいろ変わってしまって(せめて髪形くらいは統一してほしかったです…。)その辺がちょっと苦手でした。(不定期連載だったから仕方ないことなのかもしれませんが。)色々連載抱えて大変だったんでしょうね、きっと。

 江戸川りえこ…鉄平に惚れていた時分は最初の1話目で振られたり(早!)腹痛と嘘つかれてまで弁当を拒否されたりと酷い扱いを受けながらも泣きながら彼の長所を挙げていた所がいじらしかったのですが、ベクトルが直人に移った時には建前を利用して本音を隠す図々しい女に変わってしまい(言葉遣いが乱暴なのも逆に働いてしまって)ガラの悪いコギャルのようになってしまったのが残念でした。下町のいかにも貧乏そうな家庭に育っているのに鉄平といいどうして私立高校に通っているんだろう?とちょっと疑問に思ってしまった彼女です。(いや成績がいいから特待生なのかもしれませんが、ビリに近い鉄平の方は学費とか大変なのでは…ゲフッ!)ともあれ最後は金持ちの直人とくっついたので金関連の心配はなくなるでしょうね。彼氏がこれから留学と付き合って早々遠距離恋愛に突入していますが(どうやら恋愛方面では苦労しっぱなしという運命らしい。)めげずに頑張って下さい、りえこさん。

 坂宮鉄平…りえこさんモデルの方がこういうタイプが大好きだそうで、こんな性格になったそうです。(なのに結局違う方とくっついてしまい、モデルの方はどう思っているんでしょう…ゲフッ!)りえこに対して2度も振っておきながら直人が彼女に近づくと全校放送で告白(としか取れない内容を)したり、直人の所に行こうとするのを止めたり…正直2人の邪魔をする権利はお前にはないだろ!とツッコミを入れてしまいました。彼がりえこに告白したのは自分に本気だった女が他の男の元に行くのが気にくわないだけでいわゆる惚れてるのとは違う(他の男が現れなければ何の行動もしなかったというのは偽物だと思うので。)と感じたので直人を選んだりえこは正しい判断をしたと言えるでしょうね。この人はまだ恋をするまでには精神的に成長してないと思います…ゴフッ!

 阿久津直人…体育祭のリレーにて全力疾走しながらもボソボソ鉄平に話しかけられる彼の体力が凄いと思いました。(私は全力で走りながらしゃべるなんて芸当不可能です。)最終話での鉄平との殴り合いでも口の端を切っただけで場数を踏んでケンカ慣れしてる鉄平をボコボコにしていますし文化系の外見と反して意外に体育会系のようです。(きっと馬がいると評判の、りえこに「絶対日本じゃないよ、ここ。」と言われたあの広大過ぎる屋敷で走り回って鍛えたのでしょう。)自分のことしか考えられない鉄平(その裏でりえこさんがどんなに身を削ってフォローしているかはもちろん気づいていません。)と違い相手をさりげなく支えてあげられる彼なりの気配りが大人だなあ(年下なのにね。)と感じてそこが好きでした。彼が幸せならりえこさんがどんなにコギャルになり果てても許すとか思ってしまったり…ガフッ!ともあれ両想いになれて良かったね、直人君。(肉体関係結んでおきながら付き合っていない状態というのもどうかと思いますが。ゲッフン!)

先生のお気に入り!

2010.08.15
 続・先生のお気に入り!の方の内容も含んでいます。相原先生の作品というだけで何も考えずに買ってしまったのですが、表紙・裏表紙の絵は少し怪しげだったのですが、少女コミックだし最後の一線は越えていないだろうと安心しきっていたことから…読んでみてビックリでした。(フラワーコミックスじゃなくてレディースコミックスの間違いじゃないか!?ともツッコミを入れてしまったり…ゲフッ!)相原先生は元々女教師×生徒はやってみたかったネタ(で、ダメ出しをくらって男教師×生徒の「青天大晴」を描くに至ったんだとか。)だそうでついに念願叶ったと言えるのでしょうが、そこまでしてこんなエロい話描きたかったの!?と逆にツッコミを入れてしまいました…ゴフッ!

 日名木みすず…教え子との関係をどうしても振り切れないダメな女だと自分でも言ってましたが全くその通りだとツッコミを入れてしまいました。(そんなの教師失格じゃないの!)和希さんには「仕事とプライベートは別だから辞めなくていい。」と言って貰っていましたがいくら個人的恋愛感情でも学校で教え子とヤルことヤってる女教師はマズイだろ!とあまりの寛容ぶりに度肝を抜かれてしまいました。(むしろクビにすべき先生です。)先生と生徒でなくなるまではけじめをつけて好きだという気持ちも伝えないと決意していましたが(まあ、結局続巻で言ってしまっているのですが…ガフッ!)だったら流されるままヤルな!(その行為が1番問題なんです!)とツッコミを入れてしまいました。1巻の最後に「皆さんはお兄さんと弟とどっちがいいですか?」とありましたが私はどっちも凄く嫌です。ゲッフン!

 西堂真宏…弟の方です。第1話で強姦されたのにも関わらず2話ではすっかり合意の上でヤッている辺りはみすず先生流されるな!とツッコミを入れてしまいました。(しかもそこは学校なんですけど…ゲフッ!)「俺も初めては強姦だったよ。」というセリフにはまさか兄貴と!?とあらぬ誤解をしてしまいましたが、人前だったとはいえ女相手だと知って同情する気もうせてしまいました。(痛くもなんともないじゃないですか、女相手なら。)1巻の終わりにはすっかりみすず先生の本命はこっちの方に移っていますが、エロい発言ばかりが多くて正直苦手な男です。(私がみすずならこの男は選びません。)いつもポケットにゴムを装備してる辺りも普段どんな私生活送ってるんだ!?(そんな物がいつ何時必要になるか分からないほど乱れた毎日って…ゴフッ!)とドン引きでした。将来性にも今一つみたいですし別れて正解だと思いますよ、みすず先生?(大体相手は生徒なんですし。)

 西堂和希…兄貴の方です。27歳の若さで校長を務めるエリートに好感を持っていたのに「約束を破った罰だから。」とあんなものが着いた下着(まさか自分で買ったんですか?そんな物が着いた女物の下着を?)を着せて、あまつさえそれで授業させるあたり(音でバレバレだと思うのですが、皆何故気付かない…というかそこからPTAにばれたら大変なことになるのではないでしょうか?)この男、絶対サドだと引いてしまいました。人に対しては結構寛容なのですがそのせいで生徒と学校でヤっている女教師(みすず)や40にもなって「マイスイート」等々危ない発言をするセクハラ教師(尾形先生)など問題のある先生が彼の学校には数多く集まってしまっています…ガフッ!でも彼女が浮気してるのにも関わらず仕事を続けさせてくれたり(普通こういうプライドの高いタイプは意地でも嫌がらせしそうなものだが。)銀行の融資を実家に約束してまで婚約する辺り(どんだけみすずに金かけてるんですか…。)みすずに対する気持ちだけは本物なんだとそこだけは認めている男です。(性格は歪んでいますが。)個人的には真宏母子が入り込んだことで彼の実母はどうなったのかとか、彼が弟を憎むに至るまでのプロセスがちょっと気になったりします…。

唇が嘘をつく

2010.08.14
 水戸先生の実家で飼われているシーズーには祖先が中国の宮中で飼われていたせいか完全に力関係で負けておりインコに到っては驚かさないように気を使って籠掃除していたのが祟ったのか完全に格下と見切られて皮どころか肉まで噛み切られるという切ないコメントが載っていました。動物の種類に限らずペットという物は家族の中に自分より格下の人間を決めるそうなので最初からしっかり躾ないと後が辛くなるというのはどうやら本当のようでなんだか読んでて切なくなってしまったコメントでした…。

 「唇が嘘をつく」…杉崎「櫻庭晶の男子の魂のサイズは平常時で半径11cm。」

それは「半径」でなく「全長」の間違いでは…?(記述通りに櫻庭元頭取の竿が直系22cmの球状になってしまっているのなら男との情事に溺れている場合ではなく一刻も早く病院に行った方が良い。)と読みながら大焦りしてしまいました。すっかり傾城(城を傾ける程の妖婦。男を惑わせて身代を傾かせる遊女。)となった櫻庭さんに以前から懸想していた阿刀田さんは面白くなかったようで情事の写真をネタにしてまで杉崎社長殺害計画を立てていますが…ヒットマンを雇ったのでなければ返り討ちになって死んでおり交渉人として使った部下の松本さんは「お前が討った。そうだな。」と脅されるままに殺人犯にされているし周りの人々に深刻な迷惑を掛けまくっている嫌なカップルだなあ~と思ってしまったものです。結局の所「傾城」相手に男は関わり合いにならない方が良いようです。

 「焦れる恋心」…微妙にアラブ物なハーレクイーン話(金持ちのイケメンが何故か取り柄も何もないありふれた一般人の主人公に恋をして入れあげる話。)です。個人的に表題作よりこっちの話の方がコミカルで読んでて面白かったのでむしろこっちの話を中心にじっくり語っていこうと思います。

 菅原一樹…(こういう事が嫌で日本から逃げ出したのに旅先でまた同じ目に遭うなんて…。)

夕暮れ過ぎに街並みから外れたスラム街(売春宿)を歩いていたら、そりゃ襲われるだろとツッコミを入れてしまったものでした。(日本人はナンパ男を過剰に拒絶して逆上させたり、危険な所を無防備に歩いたりと危機意識が低い(自ら危険を招く行動をしている)というのは本当だなと納得もしてしまいました…ゲフッ!)話では襲われる寸前で富豪に助けられその愛人になるという出来過ぎた展開が繰り広げられてましたが一樹自らツッコミを入れている通り社会的地位の高い人物(金持ち)が治安の悪い所をガードもつけずにうろつく事自体が不自然なので現実ではまずあり得ません。危機管理はしっかりしておきましょうという教訓話でした。(違うだろ!)

 唐島弘幸…常陸「焼いて捨てるか刻んで捨てるか、はたまた埋めるか。車も待たせてある。」
一樹「焼いたって刻んだって埋めたって死にますよ!」

一樹に声をかけたのは友達になりたかったからではなく最初からセックスの相手(男)を探していただけだったらしいですが、それにしたって男同士が全裸で絡み合っているゲイのポルノビデオを見せたり(注・アダルトビデオを見せられる=相手は自分に対して同じことをしようとしている(だから雰囲気を盛り上げようとしている)というサインだそうなので見せられたら見入らずにその場で逃げるのが正解のようです。)顔を挿げ替えたポルノ写真を送りつけたりアダルトサイトに画像をアップしたりしたら「その気になる」どころか一気に嫌われるだろうとツッコミを入れてしまったものです。最早焼かれても刻まれても埋められても同情はできない男だな(常陸さんの言うとおり指だけでも貰っておけば?)としみじみ思ってしまったものでした。(オイ!)

 常陸俊弥…一樹「資本家は働かないって本当だな。」

不労所得のみで暮らせる真の資本家である常陸さんは働かなくて良い分それだけ暇でもあったようで「最高の娼婦」であった一樹を追ってわざわざ外国(日本)まで探しに来たようでした…ゲフッ!(「そこまでするか!」というツッコミと同時に「物凄いヒマ人なんだね…。」と呆れた声が出てしまいました…ゴフッ!)電話での様子がおかしかったからと愛人を脅迫した人間(その日に愛人・一樹が会った人間。間違っていたらどうするつもりだったのだろう?)を突き止めて暴行を加えた様には一樹にまで「何故彼はそこまでするのか?」と呆然とされており改めて世界(考え方)の違う人間だなあ~と感じ入ったものでした…ガフッ!

ファイナルファンタジー

2010.08.13
 いっそ、それまでのゲームシリーズ作品のどれかのシナリオをそのまんま流用して映画作った方が良かったんじゃないか…?(FF通して根本のテーマは同じというのならもうちょっとマシな「お話」は作れなかったのか…?)と期待に反してガッカリさせられた映画でした。(同じ近未来っぽい世界観でもⅥやⅦはあんなに面白い内容だったのに…。)2001年のCGが普及し始めたばかりのあの時代にこの画質のフルCG映画を作った事は(絵が綺麗な事だけは)驚嘆に値するけれども、時代の流れと共に周りの技術向上で価値が薄れていくその美点以外は本当に何にも見るべき点は無かったな、と最後は「花咲かじいさん」よろしくお花が咲いて終わったショボイ内容に「…。」と思ってしまった映画でした…。

 アキ・ロス…舞台がアメリカなら主演女優は金髪碧眼だろ…?(容姿はいくらでも好きなように作れるCGの利点を捨てて日本人風にしてどうするよ。)と名前からして日本よりの黒髪ヒロインに一目でガッカリしてしまったものでした…ゲフッ!パンフレットによると彼女はクオーターで日本の血が4分の1ほど入っている(だからこんな容姿なんだ)そうですが、そんなの単純に制作者のオッサン達の好みの外見にしただけである事も伺い知れ(巷の情報によるとゲームの方もⅦ、Ⅷ、Ⅸと名前だけはヨーロッパ風なのに「黒髪のヒロイン」が連続してるらしい。それってやっぱり…。)設定からして引いてしまいました。ちなみに話のつまらなさゆえか(禁句)この映画は大コケしたらしく続編を作られる事も無かったようです…ゴフッ!

 シド博士…FFのゲームシリーズの方で「シド博士」という人物は形を変えて顔を替えて性格を替えて歴代登場を果たしているそうなので出てくるだろうなとは思ってました。そんな関連を見せる位なら、いっそのこと相手役をこの人にしてしまえば良かったのに…(いや、いくら美麗なCGでも70歳の爺さんと若い助手博士との禁断の関係なんぞ誰も見たくないか。←それはそれで「記念すべき初CG映画がそれかよ!」と、ある意味で映画史には残りそうなんだが…ゲフッ!)とも思ってしまったものです。歴代で出演を果たしているのに未だ「主演」は果たせない彼。映画版でもサブキャラ止まりの運命は変えられなかった様子です…。

 グレイ・エドワーズ…「死は終わりじゃないと君は言ったろ。今はそれを信じてる。」

この映画ではアクションをやりたいのか、メロドラマをやりたいのか、どっちなんだよ!?と別れた後にも関わらず昔の恋愛をいつまでも引きずって復活愛が燃えている様にツッコミを入れてしまったものでした。(一応、別れの理由は「ファントム成分に犯されたから」で彼女の本意ではなかったみたいに描かれているけれど突然音信不通にしたのは他の誰でもない彼女が自分でした事だし勝手な女だと思った。)未練があるのは分かるけれど男31歳にもなれば普通は愛する女性を失った悲しみも苦痛も忘れて他の女と結婚して子供を作っていてもおかしくない年齢でしょうし、軍人という体育会系の仕事についている割にはウジウジした男だなあ~とあんまり夢は持てなかった男でした…ゲフッ!

駄目な男

2010.08.12
 タイトル通り駄目な男(主人公)の話でした。ただ駄目なのは精神面(性格面)だけで科学者と警察官僚というスペックは素晴らしい(受けならばたとえ酔っ払って路上で寝ていても許せる。)と作者の後書きには書かれてはいましたが、物語の中でポイントを占めるのは主人公達の性格であって社会成功の度合いではない(「現実」ではポイントを占めるのが社会成功の度合い(金の持ち具合)だから性格がダメでも妥協するだろうけど。←オイ!)以上なんだかあんまり好きにはなれなかった話でした。まあ一度流し読みしてネタにする分には最適ですが…。(2度は読まないな。)

 櫻川康平…康平「直射日光は蔵書にもパソコンにも俺の暗い性格にも良ろしくない。」
真澄「駄目な人だなあ。」
康平「俺は駄目な男かもしれないが、お前は嫌な男だ。」

純然たる被害者ではなかった母親(「私は弱いから息子が殴られても夫に養われている方がいいの。」と弱い事を言い訳に息子が一生ものの傷を負ってもスルーし続けたダメ母親。結局それは彼女が父親に捨てられるまで変わらなかった。)を彼は軽蔑していたけれど「真澄は俺に惚れているんだから俺はあいつに何をしてもいいんだ。」(代償(セックス)を払っている以上、大喜びで情事に溺れようが自分は被害者だ。)と考えてワガママばかり通そうとしている彼もまた大概性格が悪いぞ(アンタが憎んでいる言い訳がましい母親と何が違うんだ?)とツッコミを入れてしまったものです。過去の女遍歴を暴露して真澄を傷つけその顔が面白かったから「もののついで」に真澄の「彼女」を寝取った(当の彼女がゲイのカモフラージュでしかなく2人の男に取り合われるのを楽しむ性格の悪い女に過ぎなかった(女としては微妙)とか、そういう問題ではない気がする…。)辺りも人間として共感できずツンデレ(可愛い範疇)を通り越した性格の悪いダメな男にしか見えませんでした。(まあ、タイトル通りではあるのでしょうが、悪いけど当の真澄に犯されても「恨まれて復讐されるだけの事はしただろ。」と全然同情できない。)真澄も何故こんな男に惚れたのか(他にも男にモテるのに何故敢えてこんな男を選ぶのか)全く分からず、お話以前にちょっと共感できなかった主人公…でした…ゲフッ!

 緋崎真澄…「母さんは貴方に差し上げます。その代わり貴方には俺のものになってもらいます。」

父親から虐待も受けず(それは父親がいないからだよ。)母親に愛されて育ったお前に歪む理由がどこにある、と康平は彼を詰っていますが、同じ系統の顔なのに「女だから」という理由だけで母親に2度も惚れた「男」を奪われたら、そりゃ歪みたくもなるだろう(そして表面つらは何事もない風を装っても惚れた男が義父になって親戚付き合いしなければならない現実も普通に辛いと思う。)と主人公の配慮の無さ(過ぎ)に「…。」と微妙に引いた覚えがあります。(高校入学と同時にワンルームマンションに独居していたのは絶対「これ以上母親と一緒に暮らすのが耐えられないから」だったと思う…。)康平は「仲が良い母子」だと評していたけどその内容である「母さん、ウェデイングドレスまだ取ってあるでしょう。でももう太ってサイズが変わって着られないか。」「虫に食われたって雑だなあ。そもそも離婚したのにドレス取ってあるってのも変だけど。」「この人の部屋結構な汚部屋ですよ。」という真澄の弁はイヤミ(憎しみ)以外の何者にも聞こえず、主人公は状況を全然分かっていなかったんだろうなあ(言われなければ分からない、考えようともしない男なら、その男には相手の事など何一つ絶対に分かりっこないだろう。)と1人で納得もした顛末でした…。最後は戸籍上は家族である事もあって13年越しに恋が実ってはいますが相手の事をちっとも考えないダメな男とくっついて幸せになるのは難しいだろうなあとハッピーエンドに反して、知らず溜め息が出てしまったものです。(辞めとけや、こんな男…ゲフッ!)本人がそれで良いというなら止め立てはできないんですけどね…ゴフッ!

 千歳脩二…千歳「先輩が、好きなんです。」
真澄「ごめんね。俺、好きな人、いるんだ。」
康平(…だったらキスするなよ。)

心は好きな人のものだからと体だけの付き合いをOKされた(「お義父さんさえ俺のものになってくれたら生涯『浮気』はしませんよ。」by真澄←という事は康平が彼のものになった今、必然的に振られたのだろう)千歳さんがひたすら哀れでした…ゲフッ!高校時代から足掛け15年、何度振られても諦めずに追いかけてきて、長い間彼の「恋人」だった(「いつから付き合ってんだ?」「警視庁に入った翌年。千歳も同じく警視庁に入ったその時からずっとです。」「俺と二股かけてたのかよ!」「お義父さんは恋人じゃないし他の女と結婚してるし何を指図されるいわれもありません。」)のに所詮セカンド扱いで自分より明らかに性格と態度の悪い本命(康平)に奪われた経緯には…その後のフォローが何もナシという痛い後日談と合わせて同情した登場人物でした。破廉恥なプレイも一緒にあちこち出歩くのもこの人ならば喜んで叶えてくれるだろうに「恋は理屈じゃない」という屁理屈の前には全てを凌駕されてしまうのか、自分で康平に彼の入院先を知らせたり完全に敗北している事を認めている(そしてお膳立てしてあげている)行動にも涙したものです…ゲフッ!

 緋崎暢子…「2人とも大好きです。どんな形でも幸せになって下さい。」

中学の頃にも「息子が好きな男」を奪ってしまい、高校卒業時またも「息子の惚れた男」にプロポーズされてしまった彼女は今度こそ「この男」を息子に譲ろうと決意したんでしょうね。(じゃあプロポーズをOKするなよと言いたいが…ゲフッ!)息子の方は単純に彼女の事を恋仇として憎んでいたけれども、実際それは男の方が勝手に惚れて彼女にアプローチ(ストーカー行為)してきただけで母親のせいでも何でもなかった(そんな現実に単純に納得・祝福できたら苦労はいらない、それが恋というものである…ゴフッ!)事も理解はしており母親が末期癌で倒れた時初めて「入籍だけで一切の肉体関係を拒んだ関係」(挙句に厄介払いのように夫をアメリカに送り出し一切の連絡(ラブラブ行為)を断った関係)が誰の為だったのか息子は理解したのでしょう。…が、それが数年後ならともかく20歳の男と結婚してから時は流れ現在夫と息子は33才。13年も経ってからのこの結末(後釜譲り)はいくらなんでも長過ぎるだろ!(確かに20歳以上年上=現在54、5才という女性の平均寿命を20年近く下回る彼女の人生は短かったとは言えるけれども。)とツッコミを入れてしまったものでした。「どんな形でも(ホモップルでも)幸せになって下さい」と遺した辺り2人の仲は始めから知っていたのでしょうが(「俺の母親を見くびらないで下さい。彼女に最も向いている職業はスパイ、もしくはテロリストです。」by真澄。)入籍が息子と「彼」を家族にする為だけの意図しかなかったのなら真実彼女自身を愛していた夫はいい面の皮であり、男として愛されてもいなかったのに人生を縛りつけられた様に同情もしてしまったものでした。息子にとっては良い母親だったのかもしれないけれど夫にとっては酷い女だなと主人公のモノローグ通りに実感した女性です…ガフッ!

エクソシスト

2010.08.11
 エクソシストとはキリスト教、とくにカトリック教会の用語で「悪魔払い祈祷師」という意味です。ファンタジーでは悪魔と戦う勇敢な「戦士」のように描かれていますが、実際には立てこもり事件を起こした犯人を説得する交渉人のように悪魔・悪霊に対してただ昏々と「そこの君!憑りついた人間から出て行きなさい!」と諭し続ける非常に地味で根気のいる説教を主体とした作業を行う人物であり、もちろんこの映画もアクション映画ではありません。金字塔とも言えるオカルト映画なのですが、パロディ映画「最新絶叫計画」を見た後の今となっては思い出し笑いが出てしまう映画でもあります…。

 悪魔パズズ…パズズ「お前の母親がここに来てるぞ。」
カラス神父「母さん!今、仕事中なんだから、あっち行っててよ!」

それでスゴスゴと少女のベッドから出てきて退場したのはパロディ映画だけの話で、実際には母親が死んだこと、それに対する罪悪感を抉られる言葉の暴力を浴びせられて散々な目に遭うカラス神父。「目的は(相手を殺す事ではなく)絶望させることだ」とパズズが自分で言っている通りこの悪魔は知的で狡猾で悪意に満ちた存在です。(タチが悪い悪魔だな、オイ!)どうやら既に死んだ人間なら同じ声で喋らせることが可能(実際に死んだ人達が本当にそう思っていたのか、悪魔が声だけ借りていたのかは不明。)のようですが、それなら母親も母親で人様の家で恨み事など言わずに「あなたも大変ねぇ。お仕事頑張ってね。」位、言ってくれれば良いのにと大人の視点からツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 少女リーガン・マクニール(リンダ・ブレア)…
リーガン「嫌よ!やめて!」
パズズ「ダメだ!やれ!イエス・キリストにファックさせろ!」

娘が突然アバズレ女になり、自傷行為(自慰?)に走り、親を罵り、医者でも手に負えない有り様には原因が悪魔憑きで良かった。単純に娘が不良化しただけ(それが娘の地であり、素の姿)なら親としてはたまらないだろう、と変な所で安堵したものでした。客の前でオシッコを漏らしたり、マーライオンのような勢いで吐く他にも、本当は蜘蛛女のようにブリッジのままで階段を下りて徘徊するシーンもあったそうですが友人が死んでショックを受けたシリアスな場面に詰め込み過ぎだろう、という事で泣く泣くカットされたそうです。それにしてもブリッジ歩きが出来るなんて凄いなあ、と別の所で驚かされた特典映像でした…。

 母親クリス・マクニール(エレン・バースティン)…
パズズ「このバークに、この少女が何をしたと思う?」(首180度回り)

明らかに人間として異常な角度に首を回して、声優顔負けの声帯変化で死人の声色で話す娘(高い女の声と低い男の声は大きく違う。どういう原理かはともかく、それが異常な現象だという事だけは分かる。)に母親もようやくただの精神病ではないと悟り、神父様に勧められた事もあり悪魔払い実行という流れとなります。惜しむらくはそれが母親の前でだけ行った行為であり、万人の前でしなかったことから単純に母子がウソをついているのか、本当に悪魔の仕業なのかを証言してくれる人間が他にいない事でしょうか。親身になって頼れる人間がいない(友人のバーク監督すら殺されてしまった)母子家庭のこの母子に心底同情してしまったものでした…。

 デミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)…「この少女ではなく、俺に憑りつけ!」

少女と会ったその時から顔にゲロをかけられ(本当は服にかかる予定が角度が少し間違ってああなってしまい、リテイクの結果「顔にかかったこのNG版が一番インパクトあるじゃん!これ採用!」「僕は何度も服を汚し損ですか!」ということで顔汚しバージョンがアップされる事となったそうです。)その前には母親を亡くし、何もできない無力な自分に苦悩している、思えば踏んだり蹴ったりの主人公です。最後には他人の娘一人の為に↑のようにし悪魔共々飛び降り自殺をして追い払った彼。結果として悪魔は去った(=悪魔払い自体は成功した)のですが、その為に神父2人の命を犠牲にした(ベテランのメリン神父は老齢に祟って心臓発作を起こしてしまった。)様にはとてもじゃないがハッピーエンドとは思えず、これぞまさしく「手術は成功したが患者は死んだ」という事態なのでは…と、後味の悪さを感じた映画でした…ゲフッ!

最新絶叫計画

2010.08.10
 ストーリーの主な流れは「へルハウス」(公開当時は「エクソシスト」と並んでオカルト映画の双壁と呼ばれたそうだが、現在ではすっかり影に隠れてしまい某TUTAYAのレンタルコーナーでも取り扱ってない有り様です。「エクソシスト」のDVDはあるのにね…。)だそうですが、へルハウス本編を見た事が無くても相変わらずな下品なノリに、尻の軽いエロい人達に、1作目と同じ感じで楽しめるかと思います。(あくまでも1作目と同じ感じでね…。)主人公以外の生き残った人達もバッチリ登場するので(多分、下品になってしまっているのはその辺も要因。)パロディの元ネタが分からなくても単純な続編として楽しめるか、と思った2作目でした。(今回も露骨なセックスシーンはやっぱりあるので全年齢対象として楽しめるのは3作目からの話です…。)

 マクフィーリー神父(ジェームズ・ウッズ)…少女(首180度回り)
マクフィーリー神父「ハイ、さいなら。」
ハリス神父「真面目にやって下さい!」

悪魔の憑りついた少女を黙らせるのに最初は飴玉を使ったものの一個しか持ち合わせが無いせいで、すぐに効果は切れてしまい、舌をベロベロ出し合ったり、ゲロを吐きあったりして散々遊んだ後最終的には拳銃を使って黙らせた(「これでも喰らえ!」←死ぬから!)オープニング。こうして「死者」も出た為に「いわくつきの館」となって本作品の舞台になるのでした…。ちなみに襲いかかってくるのはもちろん少女に憑りついていたオッサン幽霊の方で、可愛い少女の幽霊は出てこないので悪しからず…という所です。

 バス…「安全運転…なんかしねーよ。」

ファイナルデスティネーションと同じネタです。人を轢いてもまるでスピードを落とすことなく走り去るその姿は全く同じ(轢き逃げじゃないか!)で1カットだけとはいえ一番怖いシーンだな(そして確かに安全運転とは程遠い…!)と改めて納得してしまったものでした。(ファイナルデスティネーション1でもあの死に方が地味に一番怖かった。)本作品では人間2人をミンチにした上に開き直って窓に↑な事まで書いてあるバス。運転手が捕まるのも、そう遠い日じゃないなと頷いてしまったパロディネタでした…ゲフッ!

 レイ・ウィルキンズ(ショーン・ウェイアンズ)…クラウン人形「一緒に遊ぼうぜ…って、オイ、何してる!?お前、辞めろ!」
レイ「俺と『遊び』たいんだろ?楽しもうぜ。ごちそうさま~。」

1で真犯人に刺されて死んだんじゃなかったのか…(さすがにボビーの方は一か所だけじゃなくて滅多刺しにされたせいで助からなかったらしいが、刺した本人であるレイは捕まらずに済んでいいのか?)と驚くと同時に相も変わらず性別不問で来るもの拒まず(注・来ていない相手まで毒牙にかけています。)な彼の性格に、逃げようとしたクラウン人形に伸ばしたナニかを巻きつけて自由を奪った様に(どんどん人間離れしているな…。)笑ってしまったものでした。パロディの元ネタである「ポルターガイスト」でも、人形は襲いかかった少年にあっさり負けて中の綿をほじくり返されていましたしこの人形はケンカする相手をまた間違えたな(弱いのに襲いかかったりするから…。)と元ネタ共々ツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!

 バディ(クリス・マスターソン)…バディ「君は最高の友達さ。レイも友達だけど変な友情だし、俺に花をくれたり、風呂にお湯はってくれたり、怖い夢を見て夜中ベッドの中で目を覚ますと必ず横にいて抱きしめてくれるし…」
シンディ「……。」

友情と称してパンツを引き上げたり、全く手加減せずにボールをぶつけたり、男同士と同じうように猥談をしようとする彼に「ずっと友達のまま~♪」(彼氏に昇格…なんかしねーよ。)と歌っていたシンディでしたが、死にそうな体験を通してやっぱり守ってくれる男(彼氏)はいた方が良いわ(そして死ぬ前にせめて一回楽しんでおこう。←オイ!)と考えを改めたのか終盤では出来上がってしっかり1線を超えていた彼ら。しかし霊に追われると愛の抱擁にかこつけて背中に「彼女の方を殺せ!」と張り紙をつけたり、ヤルことしか考えていない彼の姿に愛想が尽きたのか、3ではとっくに別れていて別の男と結婚するシンディでした…ゲフッ!

あんじゅう~三島屋変調百物語事続~

2010.08.09
 ドラマ化もされた江戸時代百物語「おそろし」の続編です。「まだ続けるに決まってるじゃないか。お前が聞いた話はたったの5つだよ。百まで、あといくつ足りないとお思いだね?」と、続編が出るのはまあいい。けれど前回はその5つの話がどれも連綿として繋がっており、最後はどの話の人間も何がしかの救いを得られた風だったのに、この「事続き」からは話も聞いたら右から左に流すだけ、ヒロインの事情も絡んでくる風ではなく、話した所で事態が進展する訳でも解決する訳でもない…という前巻とは違った「冷めた様」がちょっと微妙に思えてしまったものでした。ぶっちゃけて言ってしまえば1冊目の「おそろし」の方が面白かったなとも思ってしまったり…。

 第一話・逃げ水…伊兵衛「平太とお旱さんはいつかは別れることになるんだろう。あの子が育ち上がって、近くにいる生身の女の赤い蹴出しに目を惹かれるような年頃になったらさ。だからと言ってやたらと悲しむのもまた筋が違うだろう。人と人同士だって出会えばいつかは別れるものだ。」
お旱さん「もう、お前はオラがいなくっても平気だな。サヨナラだよ。」

まるで、お旱さんが今まで平太を世話してきたかのような物言いですが、当のお旱さんがした事と言えば平太を利用して社の封印を解き、山滑りをした事で平太を寝込ませ、水を飲む事で彼を故郷から追わせ、奉公先でも同じ「水飲み」で難儀な目に遭わせた…だけで、平太の方は「友達」として彼女の存在を喜んでいるけれど実際は迷惑極まりない存在だよな(あまつさえ彼の主人を呑みこんで、消化しきる前に吐き出したとはいえちょん髷(この時代の男のトレードマーク)も含めてツルツルに毛を溶かしているし、それが平太に憑りついたものの仕業と分かった日には確かに普通にクビになるだろう…。)と親切にしてしまったが為に大変な厄介事を背負いこんでしまった平太にこそ同情してしまったものでした。今でこそ子供だから平太も何も気にしていませんが、大人になって冷静に物事を見れる年齢になったら、「神様は人間の生臭い部分を嫌う」事情以前に平太の方から彼女を嫌がるのではないかな、とも思えてしまった話でした…。

 第二話・藪から千本…お路「私どもがお花とお梅に与える物が同じにならないとお花の人形の身体に針が立つんです。『嘘ついたら針千本、呑~ます』という唄の通りに針千本が藪から棒に飛び出してくるんです。」
おちか「それで、その時はお宅で扱っている商い物の針が必ず荒らされて使われていた、と…。」

深く考えなくても確実に内部犯の仕業じゃないか…とお花の人形然とした生霊は超常現象としても(それは確かに誰にでも簡単に作れるものではない。)物理的に「人形に針が刺さっている」のを死んだ姑の呪いだと主張し(人形に針が刺さっているのも、娘のお梅がそれを見て「ショックの余り寝込む」のも、郵便ポストが赤いのも、全部が全部姑のせい…か。)針の管理を厳重にする事も無く、何度人形に針が立っても現状維持のまま放置していた(「お梅の嫁入り(幸せ)の為ならば、お店が絶えることなど、かまうもんですか!」とまで腹を括れるのなら、人形の見張り番を雇ってでも、まず、そこ(犯人追及)を気にしませんか?)お路さんに、私もおちか同様、疑問符が出てしまったものでした。(確かにこの話は特に後半部分、本当に「怪異譚」なのか疑わしい所だ。)縁談が出るたび人形に針が立っていたのも、「娘」をまだ手放したくないお路さんの親心ゆえだったとしたら、いいように信じ上げてそのたびに寝込んでいたお梅も哀れだ(最後の「おっ母さん、これが最後の見合いです。」と娘が宣言したその時に限って針が立たなかったというのも思えばタイミングが良過ぎる話である。)とも感じて、泥仕合なりに色々考えてしまった話でした…。

 第三話・暗獣…師匠「なあ、くろすけよ。お前はまた独りになってしまう。だが同じ孤独でも私がお前と出会う前とは違う。私はお前を忘れない。遠く離れ別々に暮らそうと、いつもお前の事を思っている。お前は再び孤独になる。だが、もう独りぼっちではない。私はお前がここにいることを知っているのだから。」

紫陽花屋敷の「誰もいなくなって寂しい」…そんな気持ちから生まれたのが暗獣(あんじゅう)のくろすけであり、よって人間に触れられれば露骨にダメージを受けるし、触らなくてもそこに人が住んで「寂しく」なくなってしまえば次第に弱って消えていく仕組みをしている…とは何とも皮肉な運命の元に生まれた妖怪です。(本当は人間が大好きなのにね…。)だから師匠は寂しくても引っ越して、くろすけから離れていたのに、よりにもよって当の屋敷を「人の近づかないお化け屋敷」であるのを良い事に逢い引きの場として使ったバカップル、そしてその女の方に懸想していたセクハラ主人のおかげで、3人の痴話喧嘩を止める為に登場→慌てた人が灯りを倒して失火→全焼(オマケに当事者達も焼死)…という屋敷の本来の寿命を待たないマヌケ過ぎる結末「斬って捨てられる事も無く、付け火の罪で磔や獄門にされる事も無く、当事者達にとっては苦しまずに死ねた良い結末だった」って言われても…。)には無駄に寿命を早めてしまったくろすけのお人良しぶりに思わず涙を誘われたものでした。屋敷と共に果てるのがくろすけの「正しい有り様」とはいえ人の身勝手で無駄に運命を左右されている様には悲しみを感じた、そんな妖怪譚でした…。

 第四話・吼える仏…行然坊「これまでわしが、富一が、館形の衆が会えなかっただけで、やっぱり御仏はどこかにおわすのではなかろうか。そうだ、わしは御仏をお探ししよう。そしていつか御仏のお声を聞けたなら、館形を訪ねよう。そして富一に教えてやろう。御仏はおわすぞ、諦めるな、と。」

でも、御仏を探して見つけて(見つかるかどうかすら微妙な問題だが)見せに行った所で富七の女房も子供も返っては来ないし、火事もあって館形はもう人の住めない土地になっているし、御仏がおわした所で「奇跡を起こせる」訳では無く、もしも万が一、天地がひっくり返って「御仏を見つけた」としても何も変わらないんじゃないのかな?と知らずツッコミを入れてしまった話でした。1冊目ではこの「最終話」が問題解決(または進展させる)の要にもなったのに、この2冊目では相も変わらず聞き捨てるだけで富一が登場する訳でもなく、最後には泥棒の背中の彫り物を見て、どうせ「怖いもの」を彫るならおしまさん(鬼女)が良いだろうというギャグで終わっている様には「…。」と思ってしまったものです。外では満月が出ており、話の締めくくりにも良い夜だ…とは語られていましたが話自体は終わったものの誰も救われていない「話の内容」に溜息ばかりが出てしまった終わり方でした…。

王子様の彼女

2010.08.08
 アラブでセレブなハーレクイーンロマンスです。(なんだそりゃ。)妹がこういう褐色の肌で黒髪の男性が無条件に大好きなので彼女の好みに合わせて買い与えた記憶があります。(しかしふたを開けてみたらその褐色の王子様は出番こそ多くあるものの脇役で、主役級の王子様は金髪碧眼のいかにも昔ながらの王子様タイプでした。すまん、妹よ…ゲフッ!)ハーレクイーンもの好きな方は無条件に楽しめるでしょうね。

 江田島みちる…髪形のせいで想い人に真っ先に覚えてもらったもののイチマツ(市松人形)呼ばわりされて本人は複雑のようです。純和風の髪形が気に入っている割にツリ目が和風っぽくなくて市松人形よりきつく見えるのは禁句です…ゴフッ!(顔的にはあの髪形より今風の髪形の方が似合いそう…。)幼い頃にテレビで見たあの王子様は多分アシュラフ本人なんでしょうが何分画面の上での話なので彼にとっては今まで数多く現れた追っかけの一人と同じにしか見えなかったのでしょうね。(惹かれた1番の理由はおそらくビジュアルでしょうし。)最後にはめでたく両想いの運びとなっていましたが、国籍は違うし彼の留学期間だってもうすぐ終わってしまうし(むしろ兄貴の説得の為に今日まで無理言って期間を伸ばしたのです。)相手には婚約者だっているし(それが1番問題なんだよね…。)これからが大変なんでしょうね。まあ、頑張って下さい、イチマツ。

 アシュラフ王子…金髪碧眼のダラーム国王子。かのクレオパトラも黒人ではなかったそうですから、アラブ方面の王族がこういうビジュアルというのもありなんでしょうね。出会って速攻で恋の炎を燃え上がらせているみちるに対してどうしていきなり…とドン引きするのは当然の反応としても、色黒金髪の婚約者ラティーファよりは(市松人形に似ていて)好みのタイプだったようです。日本人女性が好みな辺りは17年間も別れた日本人妻子を想い続けた父親似(そんなに好きならもっと早くに連絡をよこせと言いたいが。)なんでしょうね。最後はみちるに告白し両想いの運びとなっていましたがそれは日本人のように一夫一婦制の上での告白なのか、ラティーファを形式上正妻にすえた上でハーレムの1員(第2夫人)になってくれという意味なのか、深く考えると怖い所です…ガフッ!

 谷口佑一…年功序列制で行けば本来王様の跡を継ぐべき第1皇子はこの人だったんだよな~と考えると悲しい運命の私生児です。いじめの上に掃除当番その他は押し付けられてるし、電話料金が払えないほど生活には困っているし、好きな人は後からポッと出てきた弟に取られるし不運なのは決してその出自だけではなくて現在の生活にも当てはまるよね…と深く考えると哀れに思えてきます。(ようやく父親が出て来てくれたのに、おそらくは1番彼に会いたがっていたと思われる母親がニアミスで去年亡くなっているというのも悲しい。)最後は17年間も放置していたにも関わらず父親と和解していますが、さてこれから彼は日本で生活していくのか、父の元に将来戻る計画なのかちょっと気になる所です。

人間失格

2010.08.07
 「生まれてすみません。」という迷文句で有名な太宰治の自伝的小説です。(この話を書きあげた一ヶ月後に太宰治は山崎富江と入水自殺をしました。)主人公がひたすら女にモテテいる話ですが、なるほど著者近撮を見るとなかなかダンディな中年でモテテいたのも納得してしまいました。(チビ・デブ・ハゲのオヤジではこうはいかないでしょうね。)本人も左翼運動に関わっていたり薬物中毒になったりしただけあって凄くリアルな物語です。映画化もされたりして結構有名な話らしいです。

 大庭葉蔵…「女達者の匂い」や「孤独の匂い」に惹かれて自分の周りに女が集まってくる、というような訳の分からないことが書いてある辺りなぜ自分がモテルのか本人自身全然分かっていないことが分かります。(多分そのハンサムな顔と女が強く言えば押しに負けてズルズル言うこと聞いてくれそうな優柔不断な性格のせいだよ。堀木のような自分勝手な男が多い時代「優しくて面白い」男というのは女に重宝がられたのでしょう。)とはいえ女達を惹き付けたその面白い性格は葉蔵が世渡りの為に「作った」性格でしかなく本当の自分のことは誰も見てくれていないという虚しさに苛まされていたんでしょうね。内縁の妻ヨシ子の登場で自分がどんな人間でも無条件に受け入れてくれる人間がいるという救いが見えた矢先、彼女の浮気発覚でもう何も信じられなくなったのでしょう。薬物にハマったこともあり(アレは元気を無理に体から引き出すものなので切れた後が辛いそうです。)最後は老成した廃人として過ごしていますが40過ぎどころか80過ぎ位に見えるのは描いている人のやり過ぎに思えてなりません…ゲフッ!

 ツネ子…葉蔵と心中未遂をして死んでしまった女性。たった一回ヤッただけなのに、刑務所にいるとはいえ夫がいるのに(カフェの代金を立て替えてまで)自分にのめり込んで来るのが葉蔵には理解できなかったんでしょうね。(店に入ったとたんいきなり「金は無いよ。」と言うのも男としてどうかと思うが。)とはいえ一緒に死んでくれようとする(というかそれで本当に死んでしまったのですが…ゴフッ!)まで葉蔵に惚れていたのだからヨシ子じゃなくて彼女となら葉蔵は上手く人生を生きていけたのではないかな、と思ったりしてしまいました。

 シヅ子…子連れの女編集者。バリバリのキャリアウーマンで葉蔵も一緒に養って職まで世話してくれました。(同じ編集者の元で働いていた堀木にはその辺も嫉妬の対象になったでしょうね。)が、自分を慕ってくれていた無邪気な子供の中でも本当のお父さんには勝てない存在だった事、自分が厄介者でしかないということ(自分さえいなければこの親子は自分に足を引っ張られずに世間並の幸せな生活を送っていけるだろう、ということ。)が重荷になって結局家を出ることになってしまいました。居場所は分かり切っていたのに(原稿貰っている編集者ですから。)決して連れ戻そうとはしなかった辺りもう二人の仲は終わっていたんでしょうね。大人だけあって引き際も心得ていた女性でした。

 ヨシ子…今更ですがなんで女性の名前は皆カタカナで最後に子が付くんでしょうね?葉蔵にとって最後の女性で子供みたいに気持ちを寄せてくれる所が魅力だったのでしょうが相手に言われるままに寝室に入ってしまったり子供過ぎて一般常識に欠けているのが致命的な欠点でした。(普通、怪しむよ、その状況は。)それ以来オロオロと腫物に触るようにしか接して来なくなって、今まで偽りの自分しか見てもらえなかった葉蔵は本当の自分をそう扱われて辛くて仕方なかったんでしょうね。薬物中毒や酒びたりになるきっかけを作ってしまった女性でもあり、もしかしたら葉蔵にとっては最悪のパートナーだったのかもしれません…ゲッフン!

 堀木正雄…葉蔵の悪友。チクチク悪口を言うくせにたかるところだけはたかるという生根の卑屈さが嫌いでした。彼はおそらく女にモテテ、自分と同じ仕事を後から始めたのに自分より売れっ子になっている葉蔵(堀木正雄は「流行漫画家」にさえなっていない。)にたまらなく嫉妬していたんでしょうね。だからせめて彼に勝っている点(自分に関わって死んだ女はいないし、女から金は巻き上げていない。葉蔵という男からは金を巻き上げてはいるのだが…。)だけで「俺はお前に勝っている。」と言いたいのでしょうね。(卑屈な男だ。)また元々友達がいない(絶対性格のせいだよ、それ。)のでそんな愚痴を聞いてくれる相手も葉蔵しかいないのでしょう。だから葉蔵が破滅する手には喜んで協力するし葉蔵の不幸は望むところ、という所なのでしょうね。(嫌な男だな~。)一緒にはいるけれどもこの二人は絶対友達ではないなあ、と思いながら読んでました。友達にしては付き合いの中身が黒過ぎますよね、この二人。

時をかけた少女たち平安~鎌倉編

2010.08.06
 源義経に関わる話(「歴史を動かした女帝達」)を貸した後だったので、遅くはなりましたが参考文献として貸すことにした本です。個人的には同じ時代関連の話として北条政子×源頼朝(ええ。政子が攻めです。)の、他の男との祝言の夜に抜け出して雨の中を走って頼朝の元へ行ったという政子の話が描かれてなかったのが残念でした。(第1話で大姫が言っている「両親のカケオチ」とはこのこと。カケオチというより押しかけに思えるのですが…。)第2話では第1話に登場した義高が息子としてちゃんと登場したり、静御前の話では政子さまが出てきてくれたり同じ時代に生きた人々の話だったんだなあ~と感慨深くなりました。(死人ばかりの話なのでそれが個人的に嬉しかったり…。)歴史物って色々なつながりも見えて楽しいですよね。

 1183年のお婿様…史実では鎌倉脱出を計画したのはむしろ大姫の方で、義高に女装させた後(…アレ?女装シーンは?)大姫の侍女達と共に館を抜け出させ彼女が手配した馬で鎌倉を脱出した…までは良かったのですが所詮子供の浅知恵、夜には頼朝にバレテしまい義高斬首の運びとなってしまったそうです。なお、このことがきっかけで大姫は病に伏してしまい「こうなったのは勢いに任せて義高を殺してしまったせいだ!」と政子さまのお怒りに触れたせいで、討ち取った藤内光澄はさらし首になってしまったそうです。(討ち取り損じゃないですか。)そんなエピソードをみると大姫もそこまで幼い姫ではなかったようですが(むしろ女の手を借りて生きている義高の方が情けな系に思える…ゲフッ!)それも災いして精神的ショックも大きかったようです。ともあれ生きる希望を失ってしまった姫は病気味な本性も手伝って若くして亡くなってしまった…そうです。

 1184年の女武者…巴御前は平家物語にも源平盛衰記にも出てくる女武者として有名ですが史実として疑わしく文学的脚色(架空の人物)ではないかとも言われています。(一応当時の甲信越地方では女も第一線として通用する戦闘訓練を受けている例はあったそうですが…。)ましてや嫡男の義高が実は彼女が産んだ子だなんて完全な創作です。騙されないで下さい、皆さん!(話としては面白いとは思うけれど。)太平記ではこの話と同じく最後までついて行こうとした巴を「最後に女を連れていたと言われたくない!」という義仲の説得(…ワガママでは?)に応じ兜を脱ぎ行方知れずになったそうです。今更女に戻っても惚れた相手はもういないし子供もいないし、生きる目標を新しく見つけるのは辛いでしょうね、と義仲の理不尽な命令に納得できませんでした。創作とはいえ男って勝手という世の中のシステムが見て取れる話です…ゴフッ!

 1186年の舞姫…歌の「しづやしづ しづのおだまき繰り返し 昔を今になすよしもがな」(しず布を織る為の糸が糸巻きから繰り出されるように静よ静よとあの方が何度も名を呼んだ昔に戻れる方法はないものでしょうか?)は単純な恋情の歌でなく頼朝の世である「今」を義経が栄えていた「昔」に変えることができればという反逆の意味も含まれており、それで頼朝は激怒したそうです。(うん、そりゃ怒るだろうね。)最も一夫一婦を真髄とした政子さま(頼朝が義経を憎んだ理由の一つに妻の目が厳しくて浮気もできない自分に比べ弟はモテモテだったという理由も有りと見た。)はこの一途な恋心に大層感心され彼女がとりなしてくれたおかげで静は斬られずに済んだ…そうです。ともあれ義経との子供を埋め殺されてしまい失意のうちに20歳でこの世を去ってしまった静の恋はまさしく悲恋と言えるでしょうね。読んでて物悲しくなってきた話でした。

 1204年のプラトニック・ラブ…「あなたがはっきり嫌だと言ってくれればあたしは帰れるのに!」と膝立て移動に関わらずダダッと駆けていった姫様が凄いと思いました。ともあれ病で倒れただけで大騒ぎした大姫の場合と比べて息子の扱いに冷たさを感じるのは私だけでしょうか、政子さま?(男の子は可愛くなかったのでしょうか?政治的な駒として使い捨てに使われています…ゴフッ!)さて、話では姫としか呼ばれていませんが奥様の名前は坊門信子といい、公家の娘でした。話のように仲が悪いのを装っていただけなのか、真実仲が悪かったのかは不明ですが、源実朝が1級の歌人であったことは間違いのない事実(小倉百人一首にも彼の歌が入っています。)であり、自分では何一つ自由にできなかった彼に歌集作りは唯一オリジナルで残せた自己表現だったようです。(それが金塊和歌集というわけね。)ともあれ大姫の自滅、兄の謀殺、実朝の暗殺、公暁の手打ち(仇討ちとはいえ将軍様を殺してしまっては…それも北条の計画のうちではあったのですが許されませんよ。)と頼朝の子孫はこうして絶えてしまいました。どうやら実の子でも男の子に対する愛情は政子さまの中には無いようです…ガフッ!

 1336年のセカンド・ウェディング…それまでの話より100年程後の話だけあってこの話だけ関連人物は一人も出てきません。(寂しいなあ。)匂当内侍は太平記にこそ新田義貞の妻として登場しますが年代などの点から実在が疑わしい創作上の人物ではないかと言われています。(巴御前といいそういう人物が多いなあ、この文庫。)しかも新田義貞は京で彼女との別れを惜しみ過ぎ出兵の時期を逃したために滅亡してしまったんだとか(つまり滅亡の遠因は彼女だった。)とんでもないエピソードでした。内侍のその後は琵琶湖に身を投げたとも獄門の義貞の首級を見て比丘尼になったとも言われています。実在の真偽はともあれ彼女が義貞の最後に立ち会えなかったというのは確実なようです…ゲフッ!

溺れる夜、秘する恋

2010.08.05
 幽霊や妖魔は出てくるものの、告白する為に化けて出てきたのに、好きな男から「ゴメン、莢が好きなんだ。」と他の男の名前を呼ばれながらのプレイでも最終的には「身代り」扱いでも彼とHできた事に心から満足して成仏していった女の幽霊(それ、満足できる内容なの…?)や、主要登場人物同士の「夫婦生活」に協力する妖魔など、どいつもこいつもロクでもない奴ばかりで、いわゆる「怖い話」とは全然違うので、知らず半笑いをしながら読み進めた話でした。骨董屋、式神、妖魔、と舞台が揃っていてもホラーにならない時はならないんだなと妙な納得をしてしまったものでした。

 葛城莢…莢「俺の、父親。征さんじゃないんですか?」
征「つまり莢は、その、僕が姉さんとデキていたと思ってたって事か?…さすがにそれは、引く。」
莢(騙されてた、のかよ…!)

だから言っただろう、妖魔は嘘つきだって…で、済ませるにはあまりにも重過ぎる問題だし、そう信じてしまってもなお「父親」(ではなかったけれど)と関係を持ってしまった莢と、姉×自分との関係には引いたのに自分×甥っ子との肉体関係には一歩も引かずに踏み出している征(そこも引いて下さい!)の両方にツッコミを入れてしまったものでした。(結局騙されていても騙されていなくても、この2人の関係に変わりは無かったような…。)前世で恋人同士だった2人は後世で兄妹に生まれ変わりやすい(何故なら元々「縁」がある人間同士だから。)という俗説はあるけれど、それに近い形で親族として転生した2人でしたが、「新しい人間」(本来なら前世なんて「過去」は忘れて新しい人と新しい人生を歩むべき人間)になっても、なお男同士だとか血の繋がった近親という「障害」が更に増えても全く動じずに昔の恋人(莢)だけを想い続けている征の執念には脱帽したものでした。一応、手を出されたのは征に恋する女の霊に憑かれた17歳になるまで待って貰えて(でも、18禁(倫理機構により18歳未満はお断り)は守れなかったのか、征さん。)20歳の現在になって子供の頃の約束通りに「嫁」になることを強要された(子供の頃の他愛も無い口約束を盾にするなんて「大人」になったら絶対に出来ない。…どうやら「子供」だったのは莢だけではなさそうです。)様には大人になるまで待って貰えたことを感謝するべきか、いっそ諦めてくれとツッコミを入れるべきか迷ってしまったものでした。そんな訳で後日談でもなお、征の元で鬼畜なプレイをされている本作品のヒロインです…。

 葛城征…征「渋谷にパートナーシップ制度がある。引っ越そう。通学にも便利だろ。」
莢「嫌です!俺は皆にホモだと後ろ指差される事なく静かに暮らしたい!」

渋谷区で同性間のパートナーシップ条例(「結婚に相当する関係」を同性カップルに対して証明する証明書を発行してくれる。おかげで「法律上は他人」であることからアパートの入居(同棲)が認められなかったり、病院の面会を断られたり、「配偶者」に死なれたとたん親族に全財産を持って行かれて「他人」の自分は叩き出されたという状況が改善された…はず。)が通ったことから↑のオチが決まったそうですが(つまり、これってプロポーズじゃないですか。)そもそもが伯父と甥っ子(家族)なのでパートナーシップが必要とされるカップルの大抵の弊害は元々クリアできているのでは?(「親族」なので、同棲も病院の面会も不自然ではないし、死んだ時は財産だってある程度残してやれるだろう。)とも感じてしまった終わり方でした。(むしろ、子供ができる心配は無いとはいえ叔父×甥っ子という近親相姦関係でパートナーシップ申請の許可は下りるのだろうか?)最後は「父親」じゃないのなら何の問題もないや(それでもアンタ達は叔父と甥という姉の立場にして見れば自分の息子と弟がまさかそんな関係になっているとはつゆ知らず、確実にギョッとするであろう立派な近親相姦関係なんですけど…。)とばかりに衆人環視プレイの元で愛し合っていましたが(「いちいち気にしていたら生きられないだろう。」「嫌ぁぁ!調伏出来る力は充分に持っているくせに手を抜かないで!」by莢)正直、それで良いのか…とも感じてしまったオチでもありました…。どんな秘密もいつかはバレる時が来る訳で…バレた時どうするんだろうね、この2人?

 葛城朱鷺夜…征「こういう時、先に手を話した方が本物のお母さんだろ。僕は莢の本物のお父さんでもお母さんでもないから離さないけど。」
朱鷺夜「俺もだよ。ていうか、わざと見せつけるってどうなんだよ。プロの霊能者ならこんな化物養殖場みたいな蔵に住むなよ。」
莢「何でもいい、離せ!」

霊力の強い巫女である莢(前世)がドラゴンボールのピッコロ大魔王のように吐きだした情念の塊が朱鷺夜だったそうで、とっとと回収しておけば良かったものを300年も放置されてしまったおかげで、すっかり独立した妖魔になってしまった(莢の中に戻りはしたものの、それは「自由に出入りできるだけ」に過ぎなくなってしまい、しかも「朱鷺夜の意志で動く」おかげで莢の一部でありながら全く制御できない。一生一緒にベッドシーンまで参加してくるのだから今となっては尚更、迷惑な話だろう。)おかげで莢からも征からもぞんざいな扱いを受けている姿(「お前、妖魔だろ。何で登山装備してるんだ?裸で登れよ。」by莢)には、まあ、今までの所業(5歳の莢に「実はお前は征×実姉の間に生まれた実子なんだ。」と大ウソをついて長年本来いらない悩みで悩ませ続けたのもコイツなら、莢を人質に征を攻撃して呪いを彼1人に背負わせたのもコイツ。「元々は莢が作り出したもの」である以前に、300年という普通の人間なら「成人」をすっ飛ばして成仏しているだけの長い期間を生きてきた経緯を考えれば、既に製造者責任を外れて成人していると考えていいだろうし、全部朱鷺夜が悪かっただろう。)と合わせて充分に2人に嫌われるだけの「理由」はあるなと分かる気はしました。(彼の呪いのおかげで事故や病気で早世する羽目になった葛城一族の皆さんはいい迷惑だっただろうし。)前世に関してもアンタが話すのはOKなら、それこそ莢が5歳の初めて会った時に話してやれよ(近親関係の果ての不実の子なんて大嘘どうでもいいだろう!)とツッコミを入れてしまった妖魔くんです…。

学園人体錬金術

2010.08.04
 篠崎先生には珍しくどこまでもダークな物語です。元々は雑誌に掲載された話なのですが新書版にされた際、内容が随分と変わってしまったそうで、カットを改めて全部書き下ろした香坂先生同様、編集さん達も何日も徹夜して苦労なさったそうです。(元はどんな話だったのだろう…?)ちなみに物語の舞台である真柳は現実の日本の地名にはなく話自体が完全なるフィクションなので血まみれの展開は気にせずサラッと読んでいけた、そんな本でした。(オイ!)

 月依泉未…瓜生「大丈夫か、泉未?なんかいつもより食欲無いみたいだし。」
月依「うん、昨日織部の肉を食わせてもらったからな…。」

そんなカリバニズム満載のダークなお話でした。それでもしっかり朝食を食べた上で登校途中に菓子パンを5つも食べれるグレートな胃袋を持つ現荒神様(アララギ)。そんな食事量であのスタイルを保てるのは凄いと違う所で感心してしまいました…ゲフッ!(「荒ぶる神」でなく食欲魔神の間違いではなかろうか…ゴフッ!)アララギというのは村を守り繁栄を約束する守り神(霊獣。人と交わり現在の月依家に続く。)である反面力を制御してくれる主がいないと暴れまわる傍迷惑な神様らしく泉未本人も「呪われた人間」として怪事が起きるたびに疑われ、挙句の果てには魔除けの粗塩を撒かれていました。現実に怪事を引き起こしていたのは本当に泉未の仕業(正確には彼の木偶である瓜生の仕業。)だったのですが、月依に手を出したら呪われると分かっているのなら物語開始1ページ目から襲わなきゃいいのに(最初からそんなボーイズラブな展開ですか…いや、そういうジャンルの小説なんだけど。)とも織部さんにツッコミを入れてしまいました。手を出したら呪われる…なら手を出さなきゃ無事という訳で周りの人達の対応の悪さも惨劇の原因だったように思えてなりません…ガフッ!

 上総誓至(せいちゃん)…東京から戻ってきた月依泉未(アララギ)の主。実は主となる為の儀式は一緒の布団で眠ればいいだけでわざわざ肉体関係を結ぶ必要はなかったそうなのですが、その辺は泉未も織部もちゃんと分かってはいなかったようです。(そして寝る=ヤルと2人共拡大解釈していたらしい。芙由子おばあちゃんもその辺をちゃんと説明していればホモ関係を恐れた泉未が逃げることも、後の惨劇に繋がることも無かったのに、ね…。)外部地域で勉強した人間の方が主として選ばれる価値が上がること、候補者としての資格を返上すれば嫌いな土地に縛られることなく好きな所で暮らすことができるなど主になるか平和な凡人になるか選べる選択肢があった分だけまだ幸せ、と本人は言っていましたが…それで主の道を選んだせいで木偶に肩を斬られたり、4階から飛び降りる人間(月依。羊羹を棒1本丸ごとオヤツとして食べる食欲旺盛な男→重いに違いない男)を受け止める羽目になったり、数々の災難を乗り越えている様にはいくら男役として美味しい思いをしているとはいえ、確実に元は取れていない(赤字万歳。)ように見えてなりません…。苦労していますね、せいちゃん。

 瓜生青司…瓜生「泉未、何だお前その格好!?まさか服が無かったから帰れなかったのか?」
月依「そこで何であろうことか下から服を脱ぐんだよ、お前は!?」

と、いきなりベルトに手をかけた彼にビックリしました。(自分はトランクス一丁で帰るつもりですか?)月依泉未の乳兄弟にして究極の理解者(というより唯一の友達。)…という事になっていましたたが本当は乳飲み子を失くしてキ印になった瓜生絹恵が泉未の乳母になっただけで存在自体が月依の妄想から生み出された化け物に過ぎなかった(幼馴染でも何でもなかった。)という悲しき木偶人形です。死亡した生徒達の名前の中についに連ならなかった事から死亡と同時に戸籍関連に至るまで存在が自動末梢されてしまった事が分かり月依と上総の記憶の中にしか残っていない現実が痛かったです…。後書きでは元気に登場していた彼でしたが死んだ事実には変わりないんですよね…ゲフッ!という訳で「学園人体錬金術」とはアララギ(月依)の錬金術(魔力?)によって作られた人体(瓜生)が学園で動く話という設定から来ているタイトルだと解釈していいでしょうか、篠崎先生?

光射す海

2010.08.03
 精神病を軸に危うい人間関係を描いた話…なのですが腐女子な私はそんなことよりも主人公とともに海に乗り込んだ同僚がズボンのチャックを半開にした先輩足腰立たなくなる程のどんな暴行を受けてしまったのかということの方が気になってしまいました。(もはやメインストーリーなどどうでも良かったり…ゲフッ!)蟹工船よろしく閉鎖された男社会ではそういうことはよくあるそうなので、やっぱりそんななことが行われたんじゃないかと一人妄想してしまった話です。まあ、それは置いといてもストーリー的にもツッコミ所は多くていろいろ楽しめた話です。

 望月医師…一応患者でもある砂子健や愛人の明子への対応が身勝手で、精神科医という人の心をケアする職業に就いている割に優しい男じゃないなあと幻滅してしまった男性です。(最も医者とはそういう自分本意な人間が多いらしいですが…。)特に砂子さんへの対応について、心魅かれている女性が妊娠していることを告げるのは残酷ですし(そもそも何の資格も持っていない一般人にそういうことを告げるのは患者のプライバシーに関する守秘義務違反にはならないのだろうか?)まして「君がさゆりさんを引き取ろうとするのはヒューマニズムから来る自己欺瞞であって愛じゃない。」と説教するのもどうかと思いました。(その通りだとは思うが、自分の都合で女を振り回すことに関しては愛人を持っているこの男に言う資格はない。)また、あれだけさゆりに関して調べてもらっておきながら最後まで礼の一言も無い事にも(砂子さんの調査結果が無ければ真木洋一は永遠に海に逃げ続け、さゆりは幸せを掴むことなく精神病院で一生を終えてしまうことになってしまったでしょう。少なくとも望月先生一人では絶対に物語は進まなかったと断言できます。)何様のつもりなんだろうと共感できませんでした。取り合えず一言でいいから調べてもらった礼を言ってはいかかでしょう、先生?

 野々山明子…望月先生の愛人。子供を身ごもることを目的に先生と付き合ってますが、仮に彼女が一生子供の認知を申し出なかったとしても(最も妊娠をわざわざ告げようとしている辺り、このまま収まるような女とはとても思えませんが…。)生まれた子供自身が父親に認知を求めないかどうかは未知数です。また夫には子供の本当の父親を絶対に言わなくても、「立派な先生」に幻惑されている彼女は子供本人にはいつか必ず真実を告げることでしょう。今だけしか見ていない望月先生はそんな将来の不安を漠然としたものとしてしか捕えておらず自覚がありませんが(もっと危機感を持って下さい、先生!)近い未来に家族共々泥沼にはまることは必定であり(もしかして冒頭の底なし沼の描写はこの伏線だったのだろうか?)正直これから先が凄く心配になった関係です。ちなみにこうして妻に騙されて血のつながらない子供を育てている例はよくある話(特に末っ子に多い。)らしく、親子の血液型が合わない例だけでも出産例の1割を超えるそうです。(しかも日本人はA型とO型が多いのでDNA鑑定をすれば合わない例はもっと多いだろうと言われている…ゴフッ!)それにしたって最初からそれを狙うなんて旦那の立場って何なんでしょう(むしろそこまで嫌い抜いているのに何故結婚したのか謎。)と夫の方に同情してしまいました。本当にこの先どうするんでしょうね?

 浅川さゆり…舞台照明の仕事をしていた父親と女優の卵の母親との間に生まれたこともあって芸能界に多少のなじみはあったんでしょうね。(多少は…ね。それもあって歌手や舞台女優など芸能関係の道を選んだのでしょう。)初めて会った男にお昼ご飯をおごってと言える図々しさや(しかも男はメカ好きが多いので自分の愛車を勝手に触られていたら8話以上の確率で怒られることでしょう。よく怒られなかったな。)「わ、やだー。」「邪魔しないでよおー。」と独り言を言う不気味さ(女友達との語らいだったら微笑ましいセリフだが、独り言の世界でこんなことを言っている女は正直怖い。)映画の内容も見ずに大声で独り言を言う異様さ(入場料丸損じゃないですか。)は全てハンティントン舞踏病のせい(正確には発病への恐怖から来るノイローゼですが、それにしたってこんな症状は出るものだろうか?)ということになっていましたが因子を持つ父親が実は義父だった事の発覚により発病の心配は0と確定できました。が、それならあの破天荒な言動はすべて彼女の自前の性格だったのかい!とこれから生活を共にすることの苦痛が垣間見えてげんなりしてしまいました。(たとえ遺伝的な病気の発病確率が0でも「ハイ、そうですか。」と人の性格がそうそう変わるものでもあるまい…。)いくら生命保険付き(父親の遺産。「馬鹿にならない額」にも関わらず自殺が認められたことからして加入から相当の年月が経っていたと推測できる。)都心のマンション付き(親の遺産その2。舞台照明の仕事はそんなに儲かるものなのだろうか?)とはいえこの人と暮らすのは大変なことだと思うのですが…ガフッ!

 真木洋一…さゆりに殺されかけた後、マグロ船に乗っている現在30歳になっています。2度に渡って俳優の道を棒に振ってしまった彼(演出家との喧嘩で劇団の公演を台無しにした上で看板女優を辞めさせるという大迷惑を引き起こした。財閥企業の重役の娘、恵子が授けてくれた舞台出場の機会さえ無断欠席の連続の果てに勝手に辞めている。私がスポンサーならこんなトラブルばかり引き起こす男はたとえ演技力があっても採らないだろう。)がもう2度と俳優の道を歩めないのは当然の結末として、何の資格も無いというのにどんな職に就いて(無職の)妻と子を養っていくつもりなのか将来に不安を覚えてしまったものでした。(マグロ船で稼いだ金があると言っても貯金なんてあっという間に無くなるものですよ?)海で死にそうになった経験(死にそうになるのはさゆりに殺されかけた後これで2回目。)をさゆりの状況とオーバーラップさせ可哀想に思うことで愛情が再燃し彼女の元に戻ってきましたが、同情で相手に惹かれているなら砂子健と同じパターンじゃないか!と私などはツッコミを入れてしまいました。1度は純粋に彼女の性格の重苦しさから逃げだした彼(病気の事を知っていたらもっと早くに逃げていただろう…と確信を持っている辺りも微妙。)がさらに子供と言う重荷を抱えてやっていけるのか(赤ちゃんを育てるのはとても大変なこと。結婚生活のストレスは増えこそすれ減りはしません。それが現場の現実です。)とどうにもハッピーエンドには思えないカップルでした。(さゆりが肝っ玉母さんタイプのしっかりした女性なら幾分安心できるんだが、子供を道連れに自殺しようとしたり、出産までボーっと精神病院で過ごしている辺りまるで頼りにならない。真木洋一が戻ってこなかったら子供は確実に乳児院行きだっただろう。)この先本当に大丈夫なんでしょうかね、この2人?

 高木重吉…過去、宮崎の父親を死なせてしまった責任を取りその息子がどんな悪業をしようと父親の二の舞のように殺し合いを経験しないようにする…そう決めて息子が同じ船乗りになって以来フォローに走り回って来たのでしょうね。(その息子から感謝の念どころか殺意を抱かれているとも知らずに…ゲフッ!)嫌な奴を徹底的に排除するということは(たとえその人間が職場中の仲間全てから嫌われている人であっても)一人の人間を殺すことと同じだったという重さに彼は今でも苦しんでいるのでしょうね。(挙句にその宮崎父が妻から愛されてもおらず息子も顔を知らないという事実、死んでもだれも悼んでくれないという現実が切なすぎたのだろう。)その上息子も同じ海の上で死んでしまったという事実は(もちろん宮崎の自業自得だが。)重吉には痛いだろうなあ…と物語の中のことながら心配してしまいました。(これでまた10年ほど老けてしまうのでしょうか?)死んだ人間に対してどう責任を取るべきなのか、また責任は死ぬまで取り続けなければいけないものなのか、色々考えてしまったものです。全てが無くなってしまったことだしこれにて一件落着!とは考えそうにない性格なので(真木洋一は同じく目の前で死んだのを見たにも関わらずすっかり「済んだこと」として忘れ去っているが…ゴフッ!)これからの彼もまた心配な人物の一人です。…ていうか物語は完結してるのに将来が心配な人間が多すぎです、この話!ゲッフン!

長屋王残照記

2010.08.02
 ちょうど「天上の虹」の孫世代の話です。こんなの描いてる間にとっとと天上の虹本編の方を進めて下さいよ!と私なんかはツッコミを入れてしまいました。ビジュアル(髪形)にしたって天上の虹と変わってしまって誰だか分からなかったり、髪の色を白くしただけで見た目が被っているキャラがいたりで正直紛らわしかった(禁句)のでやっぱり本編を終わらせてから描くべき物語だったのではと思ってしまいました…ゲフッ!

 長屋王…公式記録上では縊死(首つり自殺)として片づけられていますが、仏に仕える僧の頭でも「順番守れよ!」と殴ったり、妻子のほとんど(というか長娥子以外。)と同じ敷地内で暮らしていたことから、家族意識の強く情に厚いホットな人だったのだろうと解釈をされたことで何度も体を刺して血みどろのなりながら割腹自殺をするというメチャクチャ派手な死に様に変更されていました。(印象はバッチリでしたが…いいんですか?公式記録変えて描いちゃって?)その後彼を自殺に追いやった藤原4兄弟は次々に天然痘で亡くなっており長屋王の祟りだと他の本にも当時そういう噂が流れたことが描いてあったことからして無実なのに罪を着せられて殺されたいかにも成仏しそうにないお人だというのは確かなようです。首皇子も頼りないしこの話の展開にあったように本当にこの人が帝位を継いでくれてればよかったのに、と私も思ってしまいました…ゴフッ!

 吉備皇女…「私は…あの人がいつも望んでいた冷静な美しさを取り戻させたい。」(訳・言い訳をせずに潔く自殺して下さい。)と先に自殺してしまったことで余計に長屋王を死に追い込む原因となってしまっている女性です。(愛している相手はどんなことになっても生きていてほしいと思うのが普通ではないですか?)その他にも側室達を自分の館の中に建物を建てて暮らさせ挙句に生まれた子供は自分が引き取って育てたり…女としての自由さえ奪われた側室達はどんな気持ちだったんでしょう?(これに比べれば嫉妬深いと言われた持統天皇なんて可愛いものである。)等々の嫉妬深さ、身勝手さが鼻について今一つ好きになれなかった人でした。長娥子に対して唯一目を光らせることができない妻として非常なライバル心を燃やしていますが、あそこまで好き勝手出来て今更何が不満なのかと(持統天皇の苦しみを見てきた私にとっては)疑問を持ってしまいました。独りよがりであんまりいい人じゃありませんよね、この人…ガフッ!

 藤原長娥子…「あなたの為に何かできる女になります。」と言っていたもののいざ非常時(長屋王の変)になってみると何の役にも立たなかった妻でした…ゴフッ!いつの間に4人も子供を産んだのか展開の速さ(というより省略のし過ぎ)にビックリしてしまいました。長屋王にとっては唯一吉備の目の届かない所で暮らしている妻であり吉備と正反対のおっとりした性格からも安らぎを感じることは多かったのではないでしょうか?ともあれ吉備があそこまで自己本位の嫉妬深い女だとは思わなかったので先に彼女用に館を建てた不比等父ちゃんの配慮は正解だったんでしょうね。彼女まで召使のように扱われるのはあまりに哀れなのでナイス配慮!と拍手を送ってしまいました。本当に吉備って微妙なキャラですよね…ゲフッ!

 元明天皇…珂瑠皇子(息子)も氷高皇女(長女)も天皇の位についたが為に重荷を背負ったまま寂しい一生を送る運命を生きることになってしまったのでせめて次女の吉備皇女だけは人並に女として幸福になれて良かった…と言っていますが「天上の虹」本編にて吉備は側室が産んだ娘で実の娘ではないという解釈をされていたことを考えると正直…痛い現実だったりします。(親子愛は血の繋がりだけで語れるものではないというのは分かっていますが…。)ともあれ天皇として頑張ってきた彼女にとってはそのことだけが救いだったようなのでせめて長屋王の変が彼女が死んだ後に起こった事件で良かったなぁと悲しみながらも安心してしまいました。お疲れ様です、お母様。

 元正天皇(氷高皇女)…「天上の虹」本編で「誰とも結婚せず政治の為に生きていくのが私の運命なのです。」とカッコイイ事を言っていたくせにちょっと政策(3世1身の法)がうまくいかないだけで「こんなの虚しい。もう天皇辞める。」とさっさと首皇子に帝位を譲ってしまうのにはもっと根性見せろよ!(持統天皇が乗り越えてきた苦労はこんなもんじゃないぞ!孫にしちゃ情けないぞ!)と叱咤激励してしまいました。彼女が天皇の位から降りてしまったことで親族である長屋王にとっては後ろ盾の力が弱まり、藤原氏の策謀に巻き込まれることになってしまっています。(彼女が最高権力者でさえいれば長屋王は「天皇の息子」を呪い殺した人物にはなり得なかった…のに。)「私利私欲に走る者は世の仕組みがどう変わろうと悪知恵の限りを尽くすのですね。」というセリフには死亡届を出さずに親の年金を不当に貰い続けている今の世の中(また、子供手当等を当てにした偽装離婚も増えているらしい。)ともマッチしていて感慨深かったですがいつだってそういう輩はいるんですからそんなありがちなことで挫折しないでもっと頑張ってほしかったです。(首皇子が帝位を譲るに値しない無気力な男だと評価してるんなら余計に。)…ゲフッ!

恋愛中毒~ラブホリック~

2010.08.01
 山本文緒先生の傑作長編(でも読後感は微妙な)「恋愛中毒」と全く同じ読み方(英語読みまで同じ。)の作品だということで思わず手にとってしまったのがこの作品と知ったきっかけでした。読み始めたが最後、抱腹絶倒の展開の連続(私はボーイズラブに抵抗ない人間なので…。そういうシーンはじっくり読んでも特に気にしないのです。)に「これは話題作りの為にも買うしかないよな!」(ちょっと待て!)と購入を決意してしまったのでした。という訳で私がはじめてこの作家に興味を持ったきっかけとなった記念すべき一冊目でした。

 松田秀志…他の登場人物全員からセクハラ責めに合っている悲しき主人公。(ここまでその手の趣味の人間が身近に集うのも凄いが。)悪魔達に魅入られた天使と例えられていましたが(なんて酷い例えだ…。)実際あんな扱いを受け続けてそれでも相手を愛することができるのは普通の人間には不可能だと思いました。(せめて家族の誰かの方がまだマシな気がするのですが…。あくまでもまだマシのレベルですが。)この人にとって1番幸せだったのはきっと今は亡き妻と過ごしたわずかなノーマル期間でしょうね。(息子達の男の好みは遺伝らしいが、好色な女の子孫に受け継がれてしまったことが主人公の不幸の始まりであった。全員が共にプラトニックに見守ることは微塵も考えつかないらしい。)恋人(変人)だった由哉も外国留学で頭を冷やしており女性と幸せに過ごす秀志を見て落ち着いていた…のに、息子達にいいように犯られた(と、本人は認めていないが)ことで暴走され、哀れにも逃げ場の無い会社内でセクハラを受け続けています。最後には(何故か)由哉への愛に気づき両想いとの運びになりましたがそれと幸せとは違う気がする…ので彼の真実の幸せはまだまだ遠いのでしょうね。ともあれ、こんな家庭環境でも「幸せ」を信じられる彼が凄すぎて色々尊敬してしまいました。何があっても相手を好意的に捕えるという長所も彼の不幸の最大の要因と言えるでしょうね。

 松田蛍一(長男)…男同士の行為の「練習」は女相手で果たせるものなのだろうか?と読みながらふと疑問に思ってしまいました。医学部の大学生ということで、まさか肛門科が第1志望じゃないだろうなと疑ってしまいましたがどの科を志望していても医師免許を取るまでの道程(人体解剖、臨床、学術etc.)は変わらないそうなので医者になろうというのは不純な動機ではないのでしょうね。(配属する科を決めるのは医師免許を取って卒業した後の話ですし。)医者という完璧主義ですが変わり者(子供に早いうちから高等数学を教えようとしたり、今の自分を基準に考えてしまうせいで相手のペースが見えない。また仕事能力がそのまま自分への賞賛に繋がるはずものと考えており、自分を「正当に」評価してくれない人間は露骨に軽蔑する。本来人が人に集まるのは仕事能力でなく話し方や気配りなどその人の人徳によるものなのに、自分の中だけの努力で完結してしまっている。)という人種が多い中では珍しく物腰の柔らかい優しげな人(しかし月世いわく「嫌いな人間には愛想は振りまかない。」らしい。)なので男としては理想的な部類(下半身まで理想的かは置いといて。)に入るのでしょうね。(医者がモテテいるのも彼らの給料に惹かれている面が大きく、決してその性格に惹かれているわけじゃないパターンが多いしね~。)月世が言うには「女たらし」だそうですが異性を引き付ける男というのはやっぱりそれなりの魅力があるからだと思いますよ?(逆に月世は自分中心で独りよがりだから蛍一のレベルまで行けないんですよね…。)ともかく「医者の卵」であの若さであそこまで周りが見える性格にビックリしました。そんな周りが見える故の狡猾さも秀志の不幸の一因になっていることは言うまでもありません…ゲフッ!

 松田月世(次男)…「バカッ!びっくりしただろ!」で済まされるような軽~い状況とはどう考えても違うと思うのですが…ゴフッ!(そして理由が性衝動に流されただけとするなら人としてその方がよっぽど傷つくと思うのですが…親父さんはどれだけお人好しなんでしょうか?)「どーせあんたは雪矢が1番可愛いんだろ!」と1人で拗ねて物に当たったり(その前にしっかり謝れ。)ライバル(由哉)に秀志が呼び出されたとたん不機嫌になってさっさと帰ったり(帰っちゃ来た意味ないでしょうに。)こういう自分の体面以上の事が出来ない男(そして決して相手を守ることができない男。)というのは現実的によくいます。恋人と接する時のあの扱い方からしても私だったら真っ先に三行半を渡しそうなタイプだなあ、と思ってしまいました。(ある意味同じ歪んだ性格でも最後には追ってきてくれる由哉の方がまだ恋人としては誠実かもしれない…ガフッ!取りあえず相手を殴ったりはできないですしね。)1番に思って貰いたいのならまず相手にしてもらうことばかり期待するのを辞めて、自分が相手に尽くすことを考えなければ気持ちは帰ってこないということに物語終了後もまだ彼は気づいてもいません。そのくせ未練たらしい目で眺め続けている辺り、秀志の不幸はまだまだ続きそうです…ゲフッ!

 松田雪矢(末っ子)…どうやらホストでもあった実の父親は女好きというタイプではなく、女(周囲の人間)をいいように扱うというクールネスタイプだったようです。(でもまともに人を好きのなることもあった辺り、夜神月よりはましな人間だったのでしょう。)物心ついた時からここまで冷めている子供も嫌だなあ(小学1年生で担任教師を破滅させた手管は怖すぎ。)とは思いますが、秀志の為ならネットの匿名掲示板に殺害予告を出したり(犯罪だってば!)水風呂に浸かってわざわざ病気になったり常識を超えてまで相手を守ろうとする辺り(超え過ぎるのもどうかとは思うが。)彼の気持ちは(下半身の節操の無さは置いといて)幼くとも本物なんだと感じました。自分の天職はホストだと変な確信を持ってますが(それだけ人の心を掴む魅力はホスト以外でも生かす道はあると思うのですが…。)その時が来たら秀志はまた泣くのでしょうね。秀志の父親としての苦労もまだまだこれからのようです。そして兄弟3人共第6感は(異常に)優れているのに決して秀志の危機に間に合っていない所も秀志の不幸の立派な要因の1つであることは言うまでもありません…ゲフッ!

 緋佐木由哉…性格は破滅していますが校史始まって以来の天才と謳われた頭脳の持ち主で(それと肩を並べる成績をキープし続けていた秀志って…。本人は断わっていましたが秀志は実は本当に会社の役員にふさわしい有能な社員かもしれない…ガフッ!)学園を陰に日向に取り仕切っていた「政治家の息子」です。(なるほど社長は性に合ってるかもしれない。)高校時代初めて自分に逆らった秀志に興味を持ってしまい(おそらく秀志が人生で初めて自分を拒絶した…というより初めて自分を真っ当に人間扱いしてくれた特別な人間になってしまったのでしょう。)その為に彼の人生を狂わせ、結果として銀行頭取の令嬢との結婚を蹴ったりと自分の人生まで狂わせています性的暴行は出来ても決して殴ることはできない辺りは本人自身も気づかない秀志への愛だったのでしょうが(普通はその時点で自分の気持ちに気付きそうなものなのですが…。)高校時代から足掛け11年(現在2人は27歳、出会ったその時は16歳。)いくらなんでも気づくの遅すぎだろ!と思わずツッコミを入れてしまいました。最後の結末には雪矢同様「何これ、そんなのってありなの!?」と爆笑してしまいました。(そもそもずっと由哉を思い続けていたのなら秀志にとって奥さんの存在は何だったのだろう?)まあ、いいんですけどね、秀志本人が幸せと言っているなら…いいんでしょうかね?本当にあんな終わり方で…ゲフッ!
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