検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まんが残酷グリム童話③

2010.12.30
 やっと見つけた第3集です。5巻以降が見当たらない辺り、やっぱり全4巻で終わってしまっているのでしょうか?(グリム童話も話はかなり多いのでむしろ全話アレンジしてほしい位なんですが…ダメなんでしょうか?)ともあれクオリティの高い話(大人向けな内容ではありますが…ゲフッ!)ばかりで個人的には気に入っている本です。(というより「日本昔話」の一寸法師のような話が無くてホッとしたのです…ゴフッ!)冬の寒い時期に貸すのは正直どうかとも思ってしまったのですが、思いきって無理やり貸してしまいました…ゲッフン!

 「眠り姫」…最後にあの絵を持ってくるとは…とドン引きしてしまったのは私だけではないでしょうね。(せっかくいい感じに話が終わっていたのに…ゲッフン!)性欲に溺れても拒んでも女としては幸せにはなれない、というのはある意味真理な気がしました。(最も私には興味の無い幸せの形ではありますが。女として恋人と寄り添うより人として自分なりの生き方をする方が私は好きなので。)話の途中に王妃様が城の中の従者たちのみだらな姿を見て「皆同じように夜を営んでる。」と自分を嘲笑するシーンがありましたがいやいやあれはどう見ても真昼間の最中の姿だろ(仕事さぼって何やってるのさ、皆!)とさりげにツッコミを入れてしまいました。13番目のあの妖精が棲んでいるせいかこの城には乱れた人間が多いみたいです…ゲフッ!

 「青ひげ」…リングのヒロイン、貞子(…ヒロインか、彼女は?)でも有名な睾丸性女性化症候群の男(外見的には女ですが染色体ではXXの男型、そして外陰部、膣は持っていて女として男とヤルことはできますが子宮は持っていないので子供は産めません。DNA的に言うと立派な男なのです。おまけですがこの体を持つ人間は何故か美人揃いという不思議な現象もあります。)が主人公の話です。(女装しているのは個人の趣味ということで…女として育てられたせいで立派なオカマになってしまったのでしょう…ゲフッ!)最後には原作通り兄貴に蒼髭をぶち殺してもらって(ではなく自分でノコギリで真っ二つにしていましたが…兄貴の活躍シーンを全部奪ってしまいました、この弟ちゃんは。)財産を自分の物にしていましたが、どっから見ても他殺なのに、仮にも一応貴族なのに、まともな検死もされないまま埋葬されてしまった(…そもそも葬式は出してあげたのだろうか?領主交代するなら前領主の死は公にしないといけないから隠されてはいないと思いますが。)のには当時でいう警察の怠慢を感じてしまいました。結果として皆が幸せになれて良かったのですが最後のシーンについていろいろ疑問も残ってしまった話です。(兄貴と弟はゴージャスな衣装に身を包み幸せそうに微笑んでいますが貧しい暮らしをしていた母親は呼んでやっていないんですか?とかね…ゴフッ!)

 「恋人ローラント」…原作では邪魔な義理の家族を全部ぶち殺した後「じゃあ村に戻って婚礼の支度をしてくるよ。」と村に戻ったとたん、他の女とイイ仲になってしまったローラントでした。(オイ!)そしてその女との結婚式で悲しみをこらえて歌うアンジェラの声を聞いたとたん「あの声は僕の愛する本当の花嫁の声だ!」とアンジェラを抱きしめ、改めて彼女と結婚した(と、隣にいる婚約者の立場って…!)というどこまでも男の身勝手に合わせたストーリー展開を見せていました。が、この話ではローラントが逃げ出す理由も納得いってしまいそうなアンジェラが真性サドだったという新解釈が加わっています。義理の家族やローラントを酷い目にばかり合わせていた彼女ですが彼女にとってはそれが愛情表現なのです。(ただし愛情表現=SMプレイなんです、彼女の場合。だから自分は「愛情」を持って接しているのに、周りの人間に疎ましがられる理由が分からないんです…よね。)まっとうな心の無い酷い人間と思われてしまいそうな彼女ですが、夫に対して「ローラントに比べて今一つ…とは口が裂けても言えない。」と気を使っていたり、「ローラントの顔を見られればもう何もいらない。」と死刑の危険を冒してまで故郷(犯行現場)にローラントに会いに来たりと(行動だけをみると凄くロマンチックな人間だということが分かる。)ちゃんと人間らしい心も持ち合わせています。ホモやレズと同じで趣味が特殊なだけで決して変態ではない(現にアンジェラの夫はむしろ彼女のそんな所が気に入ってプロポーズしたのである。あくまでも少数派の考え方ではありますが彼らにとってはそれが「普通」なのでしょう。)のですが一般的大多数のノーマルな人間には付き合っていくのは難しいんでしょうね。
スポンサーサイト

マレフィセント

2010.12.29
 かの「眠れる森の美女」のリメイク作品…ではなく魔女・マレフィセントを主人公に据えた解釈の違う「全く新しい物語」を紡いでくれる新生作品です。旧作大好き!という人は「妖精の性格が違う」(各々の魔法の力を使って主人公を助けるはずが無能で愚鈍な3人組になり果てた)等々「イメージが崩れた!」と叫んでいるようですが「同じ内容」ならわざわざ新しく作る必要なんて無い(色んな解釈があっていい。「同じ話」ならテクニック(表現技術)の競争をしているだけで見てて面白くない。)し「登場人物の名前が同じだけの別の話」として見ていた私には大満足の話でした。ツンデレのマレフィセント、子供っぽいオーロラ姫、役立たずの王子様という新しいキャラクターの性格設定と共に大満喫したものです。

 マレフィセント…「極悪非道のステファン…!この恨み、はらさでおくべきか…!」

…と言ったのはマレフィセントではなく「四谷怪談」のお岩様ですが復讐の動機はほぼ同じ「痴話喧嘩のもつれ」です。16歳で捨てられたことを苦に彼の娘に呪いをかけてしまうマレフィセント…やっている事は原作と同じくまさしく「悪役」そのものですが、女性を(恋という名のハ二ートラップで)騙して眠らせて体の一部(翼)をもぎ取る「主人公」ことステファン王の姿にこれ、明らかに「悪役」よりも「主人公」の方が性格悪いだろ!?と彼女を非難する気持ちは全然起きませんでした。むしろ復讐を行いながらも、呪いをかけた張本人なのに結局いたいけな幼子(オーロラ姫)を見殺しにできずに所々で助けている、悪ぶってはいるけれど根は愛情深い女性という本性が非常に可愛い(姫16歳=現在32歳以上のオバハンだという事実を差し引いても可愛い←黙れ自分。)と感じてしまったものです。映画を見た人の中には「彼女のせいで王妃は子育てができなかったんだから母親の役割を奪い取った責任も取って自殺しろ!」(どうしてもマレフィセントをただ「悪い所だけしかないキャラクター」にしたいんですね…。)という人もいるようですが、それにしたって結婚して国王になろうというのに「身辺整理」をちゃんとしておかなかったステファン王が1番悪かっただろう(諸悪の根源は全部この男じゃないか。)とツッコミを入れざるを得ずステファン王への嫌悪を募らせこそすれマレフィセントを嫌いにはなれませんでした…。細かい事を言ってしまうと1国の王女の子育てをするのは中世の昔から乳母の役目で王妃様の役目じゃありませんしね…ゲフッ!(マレフィセントの存在如何に関わらず王妃様が下々の人間のように自分で子育てをする展開は13世紀という時代背景(旧作版参照)を考えてもありえないだろう、と一応ツッコミを入れておきます。)

 ステファン王…モブA「ステファン王ってマレフィセントを色仕掛けでたぶらかして騙した末に捨てたんですってね。」
モブB「お気の毒に…。」
モブC「酷い男ねぇ…。」
モブD「まさに邪淫ですなあ。」
ステファン王「そのまま大人しく泣き寝入りしてくれれば良かったものを…マレフィセントめ!」

以上、小説「椿山課長の7日間」風にアレンジしてみました…が、これは立派にこの小説で言う所の「邪淫の罪」に値する(「邪淫とは別段不倫とか異常な性行為とか売春・買春とかそういうものではないのです。結果、相手をどれだけ傷つけたか、己の欲望を満たす目的で相手の真心を利用した罪これが邪淫の定義なのです。」by審査員)と過去編を見て力強く頷いてしまったものでした。マレフィセントが彼の「昔の女」だったという新解釈(そりゃ、他の女との間に作った娘の生誕祭に招待状なんて出せないわな…ゲフッ!)をもって紡がれるこの話、憎しみ(逆恨み)を募らせている所悪いけれど全部自業自得じゃないのか?(復讐をされるだけの事は立派にしただろ、お前。)とツッコミを入れてしまった王様でした。とはいえ妻子と民衆を前にして昔の女相手に全てを詳らかにできないとか王様になってしまった以上もう後には引けないとかこの人もこの人で色々と事情はあったんでしょうね。(最もどんな言い訳を連ねた所でマレフィセントを裏切った事実の前には女性ファンはあきらめろという評価しか下せない訳ですが。)王妃様もマレフィセントも彼の事を本当に愛していたのに彼が愛していたのは自分の保身だけだった(だから相手の体を切り落としてでも出世しようとするし、奥さんが瀕死になっても自分の妄想に夢中。いつも「自分のこと」で頭がいっぱい、そういう奴なのだ。)という内訳に同じ女としては嫌悪感しか感じず、おかげでラストで自滅した様には爽快感しか感じなかった登場人物でした。ちゃんと天罰を下してくれたディズニーに思わず快哉を叫んでしまったものです…ゴフッ!

 オーロラ姫…マレフィセント「可哀想なくらい醜いわね。」

それは映画「もののけ姫」で言う所の「哀れで醜い可愛い我が娘だ。」(by犬神モロ)と同じ意味であったのか口先では何だかんだ言いながらも飢え死にから救ったり転落死を防いだりしているマレフィセントに愛を感じました…。(マレフィセントが真実彼女を憎んでいたら養育能力ゼロの妖精達(乳母)のおかげでオーロラは既に死んでいる)この映画では妖精達と戯れたり良くも悪くも何もしていないお姫様(まあ何もしていないのに親のせいでいらない呪いをかけられたのは2度と目覚めない(かもしれない)危険性と合わせて確かに不幸だったのかもしれないが。)なのでラストで「あなた達の女王です!」と精霊達をも束ねる強大な立場にまで上り詰めたのにはそこまでするほどの何かしたっけ!?と逆に焦らされもしたものです。(帝王学も学んでいない様子の彼女にそもそも国を治める力があるのかと。←禁句。)ですが、これはディズニー映画、テーマは全然そこには無いのでサラッと気にせずファンタジーワールドを楽しむ方向で見ていく事に致しましょう。

 フィリップ王子…フィリップ「彼女とは出会ったばかりでよく知らないんだ。寝てるのを良い事に唇を奪うなんて良くない。」
妖精「一目惚れなら良いわよ。」
フィリップ「そうだよね!王子、いきます!」

そんないい加減な勢い任せの思いが「真実の愛」たり得るわけもなくキスしても姫は起きませんでした…ゲフッ!ですが原典の解釈の一つに王子様は美しい姫の寝姿にいきなり我を忘れて素っ裸になって襲いかかった(そして嫁に行けない体にされた姫は泣く泣く彼の妻になった)という説もあるので、それに比べれば同じ女性の寝込みを襲う犯罪者の中でもキス止まりで済んでいる分、彼はまだ「可愛い」部類には入るのではないか(それ以前に意識の無い女に手を出す性犯罪者というカテゴリ自体に問題があると言われてしまうとお終いだが。)とは一応フォローを入れておきます。この映画ではドラゴンと戦う訳でもなく、姫を起こす事も出来ず「役立たず」を通り越して「要らないキャラクター」状態にはなっていますが意識が無いままお姫さまのように空中に浮かんで運ばれたり(アンタが眠ってどうするんだ!?)話をコミカルにする失笑担当の役所として良い味を出している登場人物ではあるのでその辺はお目こぼししてあげましょう…ゴフッ!

眠れる森の美女

2010.12.28
 「マレフィセント」を見た後の今ならば出来過ぎた展開のぬるい子供向けおとぎ話でも楽しめるかもしれない…と思って見てみた旧作版です。この頃はまだディズニーも恋愛至上主義で色々とついて行き辛い部分も有った(「好きな人と2度と会えないなんてあんまりだわ!嫌よ、嫌!」と嘆く割に当の愛する人は親の決めた婚約者だと知っている視聴者(私)には物凄く馬鹿馬鹿しい悩みだなとしか思えなかったり…ね。)もののツッコミ所は満載でマレフィセントがあったからこそ色々ダブらせて楽しめた物語でした。…うん、個人的な趣味では見ないですね、こういうご都合の良い話は…。

 ステファン王…「王女の誕生を祝おう!」

長く待ち望んだ姫の誕生を国中が祝いました」ということはこの時点でお后様は既に結構なお年でありこれ以降のお子様(後継ぎの王子)は望み薄だという事が序盤から伺えます。時代は14世紀になったばかり(と成人した後のフィリップが言っている)女でも女王(世継ぎ)になれるとはいえ単独で実権を持った女王が出てくるのもイングランドのエリザベス1世など16世紀以降の時代になるまで類を見ない事例(仲継ぎの「形だけの君主」ならまだしもこの時代よりも前に自分で実権を握って国を動かした女王は紀元前のハトシェプスト女王やクレオパトラ位である。)なので魚とお盆を使ってまで喧嘩している隣国の王に滅ぼされない為にもオーロラ姫とフィリップ王子、2人の婚約は絶対に必要な措置だったのでしょうね。無理くりにロマンスを入れている本編に反して政略婚なんて所詮こんなもんだよなと冷めた目で見てしまったものでした…ゲフッ!(我ながら、夢の無い女だ…ゴフッ!)

 マレフィセント…「16年もの間ずっと『赤ん坊』を探していたのだ!バカ者!愚か者!」

「悪の軍団」であっても「頭の悪い集団」であっては役には立ちませんでした…ゲフッ!(愚か者だらけの部下を抱えて結局自分で動いてばかりいるマレフィセントも大変です…ゴフッ!)彼女が頼りにできるのは部下のカラスだけ(「もうお前だけが頼りだよ。」byマレフィセント)カラスの方もマレフィセントを恐れて側にも寄れない他の部下達に比べると彼女の手に頬ずりしたり明らかに特別に親密そうな様子には「マレフィセント」本編での2人の仲に通じるものがあり(という解釈が出来て)1人で勝手にニヤけていたものでした…。(おかげでカラスが魔法で石像に変えられてしまった時には凄く悲しかったです…ガフッ!)

 フローラ&フォーナ&メリーウェザー…「料理も裁縫もできないくせに。」

そんな体たらくでどうやって16年間も子供を育てられたんだ!?乳母としての能力に著しく欠けている点では「マレフィセント」と全然変わらないのでは!?)と思わず度肝を抜かれたものでした。彼女らの善意は分かりますが作るドレスは滅茶苦茶(今現在オーロラ姫が着ている粗末な服は誰が縫ったのだろう…?←多分、姫本人のハンドメイド。)卵を割ることすら知らない(で、殻ごと丸々入れて何の疑問も抱いていない。普段の食事は大きくなったオーロラ姫に作らせれば問題無いにしても彼女が赤ん坊だった頃は誰がどんなふうに食事を作っていたのか想像すると怖い。)そんな3人の妖精の姿には苦笑しか出なかったものです…ゲフッ!オーロラ姫の居場所がバレたのもケンカで魔法合戦をして派手に光を上げたことが原因ですし無能ではないけれど(魔法さえあれば、の話ですが。)愚鈍な妖精達という内容には大差なく戦いでは色々助けてくれたけれども日常では全くの足手纏いではないかとツッコミを入れてしまいました…ゴフッ!(いや、良い人達なんですけどね…バカな事をのぞけば…ガフッ!)

 オーロラ姫(ブライア・ローズ)…「あなたをいつも夢に見て、その瞳さえもとても懐かしい。でも分かる。あなたこそ愛してくれる。あの夢と同じに。」

別れ際に抱きしめて貰ってそこで目が覚めた(別れの夢じゃないか!)そんな夢の中の王子様に本気で思いを募らせ、たまたま通りかかったハンサムな青年(実は王子)にあっさりと恋をする辺り物凄く痛い娘だな(本当に16歳?)と始めから一歩引いて見てしまった覚えがあります…ゲフッ!「知らない人」相手に戸惑う割には男に言い寄られるのはまんざらでもないと言わんばかりに出会った初日に微笑んでダンスして頭をもたれかける彼女、「明日会える?」という問いに「いいえ今夜よ。森の奥の小屋で。」(夜中、男と小屋で過ごして何する気!?)と答える彼女がアバズレ娘にしか見えず正直ドン引きしてしまった女性でした…ゴフッ!「王族の証であるこの冠をつけるのが貴女の権利であり務めです。」と2代目君主を襲名する前に色々学ぶべきことが(主に常識や貞操観念を中心に)山ほどありはしないかとツッコミを入れてしまった王女様でした…ガフッ!

 フィリップ王子…「前に会ったじゃないか、夢の中で。」

実際には彼女が生まれたそのお祝いの場で本当に「会った」事はあるのですが(その時は赤ん坊相手に顔をしかめていた彼も「類まれな美しさ」と「綺麗な歌声」を与えられ魔法効果で美しく成長した彼女に見る目を改めたらしい。)夢見た事もない女相手に状況を利用した口説き文句がスラスラと出てきて不自然さをすっ飛ばしてスムーズにダンスできる辺りこいつ、王子とは言っても相当遊んでいたのでは…?(相手がすぐに燃え上がる痛い娘だという内容を差し引いても女性を口説くのに手慣れていやしないか…?)という疑念が湧いて出て今一つ素敵には思えなかった男性でした…ゲフッ!(おかげで彼が小屋で襲われて縛りあげられた時には美人局かと思いました…ゴフッ!)彼がスピーディーにマレフィセントを倒してオーロラ姫にキスしたおかげで眠れる森の美女とは銘打っているものの実際には一日しか寝ていない美女の話はこうして幕を閉じるのですが、どちらもサッサと燃え上がりやすい性格のこのお二人、結婚はしても夫婦共に後々浮気に走りそうだなと嫌な予感が消えなかったものでした…ゲッフン!

 余談…PHP研究所の本にてオーロラ姫の恋の始まりを「まず理想の相手を思い描いてみること、絶対に譲れない部分、こうだったらいいなと思う点…ハッキリすればその人に出会う事も恋をする事もずっと簡単になるはず」と書かれていましたが、そんな理想だけは高くて夢見がちの頑固な娘なんて普通に婚期が遅れるだろとツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

眠れる森の美女

2010.12.27
 ディズニーで映画化された話が2つも入っているなんて…と大喜びで手に取ったまつざきあけみ先生の本です。(おかげで映画、原作小説と一粒で3回位美味しい思いが出来ました。)ちなみに当の「眠れる森の美女」はペローの、「ノートルダム・ド・パリ」はヴィクトル・ユゴー(名作「レ・ミゼラブル」でも有名)の作で、どっちもグリム童話ではない(ノートルダムに到っては差別や迫害を描いた大人向け小説。)のですが、これは原典の新しい解釈を楽しむシリーズとして読んでいく事に致しましょう。

 眠れる森の美女…「100年ほど前、あの城で伝染病が発生したんだそうだ。皮膚の疲労が激しく活動中は子供も若者も100歳の老人のような姿になり、その奇病は城中に広まっていった。他の国にまで広がるのを防ぐ為に領主は国の周りを迷路のような深いいばらで蔽い外の者が決して近づかぬようにしたのだそうな。」

「理想を諦めてしまうなんて。」(注・こういう幻想ロマンスを追いかける人間が結果的に現実の結婚に遅れる。)と「より美しい花嫁」を求めてオーロラ姫の所まで辿りついたのに(そういえば行き道は何故、迷わなかったのだろう?)症状発症後の醜い姿にあっさりと村娘のエレナと元サヤに戻ったユーリさん。だったら始めからエレナで妥協しておけば良かったものを幻の姫を追いかけて結婚式(自体がサプライズだったとはいえ)まですっぽかすから、しっぺ返しを食らう事になるんだ(そもそもアンタの理想ってオーロラといいエレナといい「美人で都合のいい女」ってだけじゃないか)とエレナの美しさまで失くしてしまった展開(そして病気のキャリアになってしまった以上「美しい花嫁」は2度と望めない。)に溜飲が下がったものでした。病気になろうが、もう同情はできません。アンタのそれは自業自得です。(まあ、病気といっても皮膚がたるむだけで中身の方は問題なく動けるみたいだしB型肝炎や性病の類じゃなくて良かったねと一応慰めは入れておきますが。)

 雪むすめ…マリー「もうすぐ冬も終わるわ。そうしたら私は空へ帰らなければいけないの。だからイワン、今宵あなたのお嫁さんに…。」
イワン(春。…春が来たから君は、行ってしまったのか。)

ロシア名のイワンから真っ先に思い浮かぶのは「イワンのばか」という話なのですが(イワンという名前の皆さん、ごめんなさい。)その話とは違うものの、雪の像が人間になったのを本気で信じたり心の優しい娘だから金貨や金目の物を貧しい人達に分け与えてしまうんだ(だから僕の元から黙って盗んでいくんだ。←窃盗ですから!)と援助交際状態なのにも気づかずに満足していたりこのイワンさんは間違いなくバカである事が伺える話です…ゲフッ!ちなみに原典のロシア民話は子供のいない夫婦(イワンとマリー)が雪で女の子の絵を描いたらそれが本物の女の子に変わったものの、祭りで火を跳び超えたとたん、その子は溶けて消えてしまったという救いようのない話で、アンハッピーな終わり方は始めから決まっていたんだろうなあ、とも納得したものでした。(でもこれ以上、美人局状態が続かずに済んで良かったね、イワンさん…ゴフッ!)

 花いちもんめ…千夜「買って嬉しい花一匁、まけて(値切られて)悔しい花一匁。『花』とは『女子』、貧しさ故におらは一匁で売られた。」

「青い目の人形」といい「かごめかごめ」といい童謡一つでよく話を作れるもんだ…と別の意味で感心させられた話でした。歌の中の「鬼が怖くて行かれない」というのはいったん女郎屋に売られたら監視役(鬼)が怖くて絶対に逃げだす事が出来ないという意味だそうで、解説にも色々納得した話です。ちなみに女郎屋に売られたら年季が明けても衣装代やら何やらを借金として生涯縛り付けることが多く、千夜のように純粋に女中(奉公)として働ける部類は珍しい事例だったようです。(その中でも女中に手をつけて子供まで産ませても後は知らんぷりする事が日常茶飯事だったそうでセクハラはよくあったらしいですが…ゲフッ!大人の玩具は入れられても妊娠の心配だけはなかった千夜は一応恵まれていたのかもしれない…ゴフッ!)最後は生き霊が唾をつけてくれていた(最愛の彼と結婚していたのは自分の生き霊だった)として恋人も失わずにいた彼女。いくらなんでもご都合良過ぎだろというツッコミは童謡という子供向けのカテゴリに免じてスルーする事に致しましょう…ガフッ!

 すずの兵隊…家政婦「坊ちゃまがなくされた1本足の錫の兵隊、こんな所から出て参りましたよ。」
坊や「でも、すごく汚れてるや。色も所々はげてるし。こんなの…いらないや。」

という訳でアンデルセン童話の「しっかりした錫の兵隊さん」は芋から出てきた指輪(1年前に芋掘りをして失くした指輪が持ち主の給食の芋の中から出てきた事例。同じように兵隊さんは魚の中から出てきた。)よろしく物凄い偶然の確率を超えて持ち主の元に帰ってきたのに物を大切にしないお子様の前ではそんな奇跡も暖炉(ゴミ捨て)に直行されてしまう程度の出来事でしかなかったのでした…ゲフッ!想いを寄せていた踊り子人形が心中するように一緒に燃えてくれたのが救い(風が吹いたらすぐに物が落ちるほど子供達がきちんと片づけをしていなかったとも言える。)ですが悲しい結末には幼稚園児ながらやるせない思いになった(「今までの主人公(兵隊さん)の冒険譚は何だったんだい…?」と子供ながら悲しくなった)のを今でも覚えています。何故、子供は兵隊さんを捨てるのか、事情が分かって余計に悲しくなった話でした…ゴフッ!

 きき耳ずきん…国王「国の者皆でアンジェラを捜せ。無事見つけた者は身分を問わず褒美として娘の婿に迎えてやるぞ。」
アンジェラ姫「嫌よ、嫌!私は王女なのよ。結婚するのは身分が高くて凛々しい王子様じゃなきゃ嫌よ!」

せめて金貨100枚程度にしておけば良かったのに褒美に娘の貞操なんてかけるから、ややこしい事になるんだよ…と知恵試しに至る経緯にツッコミを入れてしまったものでした。ちなみに「きき耳ずきん」は日本民話のタイトルであり(ある日突然ドリトル先生のように動物の言葉が分かるようになり、それによって謎解きをクリアして逆玉に乗る内容は同じ。「手なし娘」と同じく外国から伝わった話が背景だけ日本に変わってそのまま残ったのだろう。)グリム童話のタイトルは「白ヘビ」。国王の食べ残した白ヘビを食べたとたんに動物の言葉が分かるようになったという動物愛護団体が聞いたら怒りだしそうな顛末に始まりそんな人間に動物が力を貸すか!という解釈か、話はこのように東洋西洋をミックスしたようにアレンジされた様子です…。

 森の秘めごと…夫「お坊様であっても男は男。うかつに心を許してはならぬ。」
あまね「はい、おまえさま。(テヘペロ)」
夫「最もあまねのそんな純情で無垢な所に惚れたのだがな。」(オイ!)

元の話は今昔物語の「愛欲の心を起こした修行僧の話」であり、原典では人気の無い山奥に連れ込んだのは修行僧の方で、刀で脅された妻はされるがままになるのも仕方なかった(こういう危険があるから女性は身分の上下に関わらず見ず知らずの男を迂闊に家に招き入れたり、言いなりにホイホイついて行ってはいけないという説話。)…なのですがそんなこと説話として残さなくても普通に考えれば予測できる事態だろ!(この奥さんは底抜けのバカなのか、3日は帰らない夫のスケジュールを知った上でお坊さんの誘いに乗った計算高い女なのか、どっちなんだ!?)と「隙あらばお坊様相手でも触手を伸ばす罰当たりな女」として解釈され、そして天罰が下ったラストにはちょっと胸のすく思いがしたものでした。夫もいたわるばかりでなく貞操観念の低過ぎる妻をもっと叱ってやってはどうかとツッコミを入れてしまった話です…ゲフッ!

 ノートルダム・ド・パリ…マリー「マトモでないのはどっち?本当の愛を知らないのはあなたの方だわ!」
フロロー「マリー、戻ってこい!お前のお腹には私の子が宿っているのに!」

…と、この創作版ではエスメラルダ=フロローの娘という新解釈(彼女が気にかかったのは下劣な欲情のせいでなく無意識下の親としての情念のせいだった。)を持ってひたすら善玉として描かれているフロロー判事です。(フィーバスを刺したのも彼でなくエスメラルダになっており本当に何の罪も犯していない。原作小説では16歳のエスメラルダ(未成年)相手に誘拐未遂を働き、彼女の恋人・フィーバスを刺した挙句にその罪をなすりつけて処刑した完全なる悪人なのですが。)しかし↑の過去回想から察するにエスメラルダを作った経緯はレイプだったのか(「アンタの行動は愛ではなく、マトモでもない」って…一体何をされたの、マリーさん?)女性に捨てられて絶望する内容自体は変わっておらず多少、同情してしまったものでした。しかしカジモドに大聖堂の上から突き落とされる事も無く、うつろな様子であっても彼は今日も生きていますし、娘のエスメラルダも実は無事に生き延びていますしフィーバス以外の全員が死んでしまう原作小説に比べればまだ幸せな終わり方かな(川に捨てられた死体の一つとなってしまったカジモドにもピッコロという道行きがいてくれているし。…人でなくて鳥という所が残念だけど。)と多少は救われた感が持てた話でした。原作ももうちょっと救いようがあれば良かったんですけどね。

ノートルダムの鐘

2010.12.26
 アメリカ版のタイトルは「The Hunchback of Notre Dame」(ノートルダムのせむし男)なのですが日本だと「せむし」は差別用語に入るとして「ノートルダムの鐘」(ご丁寧に英語ロゴまでBellsに変更)と鐘が動く訳でも喋る訳でもないのに「こち亀」よろしく改変されています。話はディズニー映画お決まりパターンのプリンセスと王子様のラブラブハッピーエヴァーアフター話どころでなく、差別や迫害、蔑みなど夢の国でなく人間社会の醜さをよく描いた作品であり、明るく子供が楽しめるアニメが信条のディズニーにしては異質なほどシリアスで完成度の高い出来栄えとはなっているのですが…おかげで途中で見るのを辞めた子供が出るほどウケは悪く(興行的には前作「ポカホンタス」未満。)次作「ヘラクレス」以降、デイズニーミュージカルアニメは次第に華々しさを失い人気は下降していったそうです…。

 カジモド…「皆は僕を知らない。これからもずっとこのまま。もしこの願い叶うなら、行きたいな、皆の元。もし出会いがあって誰かが僕を愛してくれるなら。」

ちなみに出会えた女性・エスメラルダはフィーバスと愛し合ってしまい、皆の中に受け入れて貰ったものの歌っていた「僕の願い」は半分だけしか叶わなかった(続編ではめでたく彼にも恋人が出来たらしいですが。)訳ですが原作小説では皆の中に受け入れて貰えたことも無く、処刑されたエスメラルダの死体の横で後追い自殺をして終わった登場人物であるので、そこを考えると(失恋するのは原作の都合上、仕方ないとしても)まだ幸せな人生を歩めたとは言えるでしょうね。ちなみに彼が祭りで優勝したものの映画キャリー(心惹かれる異性を見つけ、コンテストで優勝したその瞬間に頭から豚の血を浴びせかけられた不幸な少女。)よろしくいじめられていたのがトラウマになった子供も多いそうで「ディズニー映画のイメージとは真逆の残酷な描写を逃げずによく描いた」と評価は高いものの子供ウケからは遠くなり「隠れた名作」になってしまったようです…。

 クロード・フロロー…「私だけがお前を食べさせ、着せて、守ってやるのだよ。その代わりにお前はここから出てはならない。」

障害のある血の繋がりの無い子供を一人前になるまで育て、悪者と言われても律儀にパリの平和を守り、誰よりも「生きたい」と思っている、そんな人が1度も幸せを与えられないままジプシーに恋をした為に将来を断ち切られ、自由気ままに生きてきた人は当たり前のように幸せな将来を夢見られるのか、彼には幸せになる権利はないのか、みたいな意見をネットで見かけました。が、主人公のオムツを替えたり「育てた」のは寺の僧正でありカジモド(出来損い)という名前からもフロローが主人公を子供として愛していなかったことは明白ですし、エスメラルダへの思いも36歳のいい年をしたオッサンが20も年下の16歳の小娘に熱を上げている事自体が気持ち悪く、共感は…できないですね。(プロポーズ(結婚)するのではなく「愛人になれ」と言っている辺り、その思いも恋ではなく性欲だったのだろうし。)自分が正義だと思っており判事(原作では司祭)という立場からも、それはその通りなのでしょうが、主人公達サイドに焦点が当てられているから「悪役」になってしまっている事実はともあれ、立場を利用して肉体関係を強要しようとするのは立派に極悪人で正義を冠する立場にいても、こいつは卑劣な男だよなと総合評価は悪いまま変わらなかった人物でした…ゲフッ!

 エスメラルダ…カジモド「僕の幸せ、どこに行ったの?」

本作のヒロインではあるものの、立派にテーマソングも歌っているものの、可哀想な主人公に期待させるだけさせて振り捨て(本人とも仲良くなり、3人の石像からもさんざん気持ちを盛り上げられてすっかりその気になっていた所からどん底に落とされたカジモドが哀れでした。予測していたとはいえ。)あまつさえ目の前でラブシーンを繰り広げる配慮の無い彼女の姿に人気は出なかったそうです…ゲフッ!(別に嫌いではないけれど、主人公の事を考えると好きにもなれないかな…。)しかし、助けて貰うだけ助けて貰いながら、それでもカジモドの顔のあまりの醜さにマトモに顔を見ることさえできなかった原作小説版エスメラルダよりはまだ性格良く仕上がってはいる(一応、顔を気にせず「友達」にはなってくれた事だし…。)と見直しはしたものです。原作と違い処刑されて死ぬことも無く立派に生き延びた、つまりカジモドを後追い自殺にも走らせなかった(間接的にカジモドの命をも救った。)として、ちょっと評価を上げておく事にしましょうか…ね。(無神経で無配慮なのは性格の問題だから、どうしようもないだろうし…ゴフッ!)

 フィーバス(フェビュス・ド・シャトーペール)…エスメラルダ「良かった、心臓を外れて…。」
フィーバス「…恋の矢は(バッチリ心臓を射抜いてますぜ。)」

…と、すっかりエスメラルダと良い感じになっている(恋に落ちている)フィーバスですが、原作小説では立派に婚約者がおり、しかも当の婚約者と別れる気はさらさら無く、エスメラルダには触手を伸ばしただけ貴族の男が身分も何も無いジプシーの女なんかに本気になる訳がなく、ただ遊んでいただけという非情なオチ。)という不実な男だったのでそれは子供達だけでなく女性ファンまでドン引きだろうという配慮か婚約者フルール・ド・リは存在自体を抹消されエスメラルダ一筋にされた様子です。(可哀想なフルール…。)颯爽とした美男子という本作では唯一デイズニーらしい登場人物ですが裏事情(原作小説)を知っている私としてはちょっと引いた目で見てしまったものでした…ゲフッ!

可憐に乱れ舞うシンデレラ

2010.12.25
 Cinder(灰かぶりの)Ella(エラ)というシンデレラの名前の由来もこの本で初めて知ったものでした。(それまでは普通に「シンデレラ」が本名だと思っていた。他の作者の本でも本名はジェーンになっていたり、シンデレラが本名扱いで使われていたり、実際に「エラ」と呼ばれている作品は混乱を避ける為か由来の割に少ない。)という訳で「ヘンゼルとグレーテル」の作品と同じ作者の深井結己先生の作品で、原典を元にぶっ飛んだ解釈をして描かれた話の数々には逆に面白味を感じたものでした。

 シンデレラ…エラ「私、ガラスの靴なんて落として来てませんわ。」
ステンセン伯爵「もちろんそうですとも。靴など口実に過ぎません。靴のフィッティングと称して国中の娘達の…あそこを、あー、片っ端から『確かめて』回っておられるとか。」
テオ「なんつーバカ王子。顔くらい覚えろよ!」

どこのサイズを確かめてるんですか、王子様!とツッコミを入れると同時に「王子様どうして私ではダメなのです!?」とサイズを「確かめる」だけ確かめられて落第点を食らった義姉達が物凄く哀れに見えました…ゲフッ!シンデレラはどうやら名器の持ち主(…尻が?)だったらしく、他の女が誰一人として代わりにならなかった辺り(普通は「顔が違う事には気がつきましたが、王子様的にはこれでOKでした。」と適当な所で妥協しそうな所ですが。)王子様もそれなりに彼女に入れ上げてはいた様子です。が、問題はそんな王子様に恋できるか、という基本的な所…ですよね、女として。(最も恋は出来なくても「妥協は出来る」娘は沢山いそうな気がしますが。)グリム童話のお約束(金や身分で相手を見ないヒロイン)としてあくまでも恋愛基準で相手を選んだ結果、王子様は本来の地位から蹴り落とされて投獄される羽目になったとは何とも情けない終わり方です。最も↑の行動を取る辺り始めからロクな王様にはならなそうですが…ゴフッ!

 みにくいアヒルの子…オスカー「10年前、俺を連れて盗賊たちから逃げ出そうとして捕まった母親は酷い拷問を受けて…最後は俺のこの手で…。」

盗賊に刀を握らされるままに押されたら母親に刺さってしまった…けれどこういう時の処置として抜いてはいけない(抜けば出血が始まって即死…なのは分かりきっていますから。)事を考えると思わず反射的に引き抜いてしまった「死因」のオスカーがその後も長い間、親殺しとして自分を責め続けた(自分にはもう真っ当な人間として国へ帰る資格など無い。)気持ちは分かる気がしました。(母親の方は拷問の内容の酷さに「いっそ一思いに殺して!」と切望していたので、変な話、恨んではいないと思いますが。)結局タイトルにもなっている「みにくいアヒルの子」(白鳥)は醜い時代をすっ飛ばしてラストシーンで1Pだけの登場になっており、「白い翼を広げて帰るべき場所に帰っていく…」という美しい終わり方にはなっているものの本来(原典)の主人公がそれで良いのか…ともツッコミを入れてしまった話でした。

 骨をくわえた犬…ソフィー女王「馬鹿な犬…後悔したって遅いのよ。欲が深くて満足を知らず、いもしない敵と戦って、一番大切なものまで失くしてしまうなんて…私と同じね。」

まさか池に肉を落としたマヌケな犬の話がここまで広がるなんて…と2人の王女の愛憎劇に舌を巻いたものでした。冷静に事実だけを追えばソフィー女王がヘンリーに振られたのも、マルガレーテを殺すほど憎んだのも全部逆恨みで(むしろ忘れ形見のハーベイ王子にしてみれば本来無くても済んだ展開で両親を殺されたいい迷惑な女王だったろう。)反乱を理由に民の処刑を繰り返し自分は安全な城の中で情事にふけっていた(それも夫だけに溺れているならまだ良いものの数多の男を連れ込んでは不倫している。リア充だね。)というのは…見ていて感情移入してしまうのは確かに姉姫の方なのだけど当事者(被害者)である国民の方からは立派に恨まれただろうなと最後には愛人達にまで裏切られて殺された理由には納得がいってしまったものでした。誰が悪かったかと言うと2人の娘を平等に育てずにえこひいきをした親が悪かったな(多分、そもそもの原因はそこだ。)とツッコミも入れてしまった姉妹愛(?)物語でした…。

 苦楽をともに…惣七「妻の傷ついた顔を見ると、すまないと思う気持ちと同時にホッと安堵する気持ちになった。俺が辛いのだから、妻のお前も辛い思いをして当然じゃないか。夫婦なのだから、苦も楽も同じように分け合って、同じように傷ついて…。」

いや、アンタは自分がやっているように奥さんに殴り返されてはいないし、これのどこが「同じように」傷ついていると言うんだ!?(アンタは不自由になった体をDVの言い訳に使って1人で自己憐憫に浸っているだけでしょう。それなら、いっそ「殴る事も出来ない」位、動けない体になっていてくれたら良かったのに…。)と思わずツッコミを入れてしまった彼の持論でした。原典の、結局懲りる事の無かったダメ夫と比べたら、最後には妻への愛に目覚めて清廉に生きた惣七が理想的に見えたものでしたが、現実論として「人間は一生変わらない」(とくに一度そういう性癖がついた人間は、よほどの事があっても治らない。)と現実の人間を見聞きして知っている私としては、この「夫の変化」は漫画でしかあり得ない展開だとしか思えなかったものでした。漫画と言う「作り話」だからこそ美しい話にはなっているんですけどね。

 わがままな子供…お常「ガキは本当に嫌いだよ。わがままで人の都合なんてお構いなしで、人の気も知らないで、お前らにはどうして人の気持ちが分からないんだ!」

原典は散々好き放題やって死んだ子供が死後も墓から腕を出すので生前叱ることもせず放置した親も、とうとうきちんとしつけようと鞭を持って引っぱたいた(そして怒られて初めて子供は縮み上がったのか、その後は腕が出てくる事は無かった。)…という話なのですが、この話では単純に児童虐待の果てに子供を殺してしまった母親の話になっています。旅先で自分を見染めてくれた大店の妻にはおさまったけれど、夫は次の女(芸者)を見つけてまた浮気に走っているし(元々がそんな男)どんなに贅沢ができても満足する心を知らない彼女は結局幸せになれる事は無かった「どれだけ愛されていたか」という点では節操の無い現・旦那より、子供のお鈴の気持ちの方が結局は上だった。)のですが、「あの時」お鈴との貧乏生活を選んでいても「もしもあの時、男の方を選んでいたら少なくとも今よりはマシな生活ができたろうに。」とこの母親は多分一生文句を言ってるでしょうし、結局の所お鈴が八つ当たりを食らう展開には変わりは無かっただろうなとも思えてしまった話でした。どんな選択をしたかでなく、どう生きているかで幸せって決まる…ような気がします。

 泥棒のお婿さん…万葉集「磯城(しき)島の 日本(やまと)の国に人ふたり ありとし思はば 何か嘆かむ」
(広いこの国に愛しいあなたがもう一人いると思えたら、どうしてこんなに苦しむことなどあるものか。)

元々は粉屋の娘が立派な紳士に求婚され、招かれるままに家を訪ねると「ここは泥棒の家だよ!」と言われ、家の中に隠れて様子を見ていると、心配して自分を追ってきた祖母を彼らはバラバラにして殺してしまい豪華な指輪がついた指がはじけ飛んで自分の前に落ちた→その指(指輪)を証拠品として訴え出たおかげで泥棒の皆さんは正体がバレて全員捕まりました…という話なのですが、この話では婚約者に最後まで疑いを挟んだ娘(原典)とは正反対に恋に溺れて婚約者を真っ当な人間だと疑いもしなかったおめでたい娘でも彼女が提出した指輪という証拠品のおかげで婚約者の正体(盗人)は暴かれる事になった。)という内容になっています。警察の篠原さんも愛人の仇を討つ為に重い腰を上げた様子ですし(それにしても犯罪者を捕まえる警察官自らが不倫しているとは世も末な設定だ。)男衆が女を「利用して使い捨てる為の道具」でなく気持ちに応えていたという点にも感動した話でした。

かぐや姫

2010.12.25
 「かぐや姫」の話は「漫画日本残酷昔話」の上巻にも収録されているのですが、その上巻はどうしても見つからないし、読んでみると他の話も面白いし、ということでついつい買ってしまった、まつざきあけみ先生の本です。和物3つ洋物3つでバランスのいい収録ぶりだなあと思いながら読んでいました。ディズニーが映画化した作品(美女と野獣。妹が一時期ハマっていたので私も見たことがある。)も含まれてたのでその映画に関しても色々こきおろして語ってしまいましたよ…ゲフッ!(ディズニーのヒロインって皆どこか歪んでいる気がするのは私だけ…?)

 かぐや姫…まさかかぐや姫が竹藪ですっ転んで記憶を失っただけの女盗賊だったとは…意外性があって面白かった話です。(扉絵も半裸で殺人を犯した直後という物凄い絵だしね…ゲフッ!)里中先生版の「真説かぐや姫」ではツバメの子安貝を取ろうとして落っこちて死んだ公達が本命ということになっていましたがこの話は王道(?)の帝×かぐや姫(カップリングにするなっての。)の話です。帝は月に帰ろうとする姫を軍隊出してまで止めようとしたお方ですし(結局全員金縛りにあって止められはしないんですが。)やはり本命はこの方が来るのが常道というものでしょうね。月に帰った=天に召されたという解釈もすんなりうなづけましたし、象徴的に登場した月が印象深くて夢中で読み進んでいました。

 鉢かつぎ…「漫画日本残酷昔話」下巻と違い今度は一般的な中身が美人バージョンの鉢かつぎの話です。(あの「顔」にはビックリしました。)それでもセリフ通り「守ってくれるどころか鉢のせいで私はこんなに酷い目にあっております。」(どの道見世物のように馬鹿にされながら過ごす宿命からは逃れられない。)という部分は決して変わらないのでやっぱり鉢はかぶせない方が良かったんじゃないかなあと思えてなりませんでした。また真正面からかまどに突き落とされた千寿姫が髪がアフロになっただけで無事だったというのも不思議でウケてしまったり(あのアフロは治らないんですか?)男などの危害から身を守ってくれる鉢の超能力といい不思議要素が盛りだくさんでファンタジーな話だなあと感じてしまった話です。

 ねずみの嫁入り…原典は太陽、雲、風、壁と次々に嫁入りを断られる嫁の立場台無しの話でしたがこの話では次々に婿候補に三行半を突き付ける立場逆転の話として描かれています。婿候補の中では相撲取りの化身のような権八の「おらは体だけでなく心も広いから不義の子も大切にすっと。」と上から目線で「善人」の自分に酔っている(その実、これでりんさんに一生恩を売った上で結婚できると合理的に計算している。)様がいやらしくて断っていた時にはホッとしました。(身近に同じように上から目線で他人の幸せの形を決めつけようと計算する男がいるので、ダブってやな感じだったので。)また母親の体を超能力で浮かせたり(大人の、それも身重の女性を、しかも崖から落ちて重力の作用も働いていた時に止めれる辺り凄すぎます。)ハッキリと未来予知ができた上で映像をテレパシーで送れたりできる胎児は一体どんな子に成長するのか(あまりにも強力な神秘の力に貞子の再来かと思ってしまいました。)その後も気になってしまった話でした。

 かしこい田舎娘…本当のタイトルは「賢い百姓娘」といいます。(「田舎娘」じゃまるでイモ姉ちゃんを差しているみたいで微妙なんですが…。)城の地下の宝石室はこの話のオリジナル設定です。どうやら前のお后様もダイヤ(悪魔の星)を取ろうとして罠を稼働させてしまい水死してしまったようですが他の彫像の罠は一体どういうものなのかちょっと気になってしまいました。話の展開はほぼ原典通りでなぞなぞの答え方(裸の上に網を巻きつけ、馬に引きずって行かせ、人差し指だけを道につけて来た。)が分からなかった私には、なるほど頭いいなあ、と思ってしまいました。この時代百姓が学校に通えたはずもないのによくこれだけの頭の回転の良さを身につけることができたなあとビックリしてしまった話です。(オイ!)

 手なし娘…原典は「本当は怖いグリム童話」の話と同じ話です。父親が悪魔と契約して金銀財宝を手に入れたという部分は嫉妬に狂った幼馴染の契約に変えられていました。個人的には愛していると言っていたのにあっさりエルザがハンスの妻になることを認めているさわやか王子様(男としてそれでいいんですか?)や「もう一度手を返して!ハンスを助けて!」と願ったのに手が生えてこなかった(考えてみれば当たり前なんだけどね。)のが意外性があって好きでした。ハンスはいい奴なんですが甘えは許さない人なので(そして褒め言葉をめったに言わない男なので)言動の裏側にある「好意」に気づけない人間にはただの「やな奴」に見えてしまうでしょうね。前の女房に逃げられてしまうわけだと私も納得してしまいました…ゲフッ!

 六羽の白鳥…ミシェル兄さん(黒髪)とエミール兄さん(金髪)以外の兄さん達の見分けがつかないことは禁句です…ゲフッ!白鳥に変えられた兄達は本当はこんな簡単に戻れたわけではなく、6年間口を利かずイラクサ(刺草。いたいたぐさともいい葉と茎に細かい刺がありさらに蟻酸(ぎさん)を含んでいるので触れただけで痛みを感じる。茎の繊維は本当に糸や織物の材料として使われている。)で6枚のシャツを縫うというのがエリーザに課せられた試練でした。エリーザ自身はそれまで修道院で過ごしていた為(王女ですから。)城に戻るタイミングがずれて白鳥にはされなかったものの魔女の策略で油まみれの醜い姿にされ「こんな醜くて臭い女はわしの娘ではない!」と父王に追い出されたというのが真相です。(父ちゃんはどこまでもダメ男だったらしい。)元の姿に戻ってもエリーザと兄達が決して自国には帰ろうとしなかった理由が透けて見えます。こうしてあの兄弟はエリーザがお后になったのをいいことにあの国の居候として居座ることとなったのでした…ゴフッ!

 夏の庭冬の庭…モナ「私のウエディングドレスはこの野良着よ。指輪もシロツメクサの指輪で充分。だって私達には愛があるもの。」

「美女と野獣」のタイトルで有名な話ですが本当のタイトルは城の庭の半分は夏(で、バラが咲いている。)半分は冬という不思議な(というより呪われている?)この城の庭から取ったものでした。ディズニー映画ではその庭の設定自体が消滅しておりヒロインがやたら電波な女性だったり(10代後半にもなりながら町中を歩きながら歌い、お城での生活など空想の世界に浸かって生きている。おかげで美人なのに町じゅうの人々から引かれている。)そんな彼女に町一番のいい男が求婚していたり(おそらく見た目の美しさに心を奪われて中身の電波具合が見えていないのでしょう…ゲフッ!)嘘八百の世界が繰り広げられていました。同じアレンジバージョンでもまだこっちの方がヒロインの人格が地に足が着いている感じがして(禁句)好ましく思いました。
 話について最初は↑のセリフを言っていた善良な人達が金が絡むとああも変わってしまうのかと人間の本性に基づいたストーリー展開にやたらリアリティを感じてしまいました。鏡に映った野獣の姿も「野獣」の割には背も小さくて顔もちょっとコミカルで迫力ないなあ(うん、気にせず愛せるかもしれない。)と思ってしまい、楽しく読んでました。(楽しむな。)最後は村でアルマン王子と暮らすことに満足しているリザですがそれはそれとしてず~っと帰ってこないモナ姉さん夫妻の事は気にならないのかなあとツッコミも入れてしまったり…ゲフッ!人間の醜い本性に基づいた話だなあ、とつくづく感じてしまいました。

美女と野獣

2010.12.24
 ディズニー映画で「皆(登場人物達)から後ろ指さされているヒロイン」といえば…と考えて真っ先に思いついてしまうのがこの作品です。とはいえアカデミー賞の作品賞にまで(アニメ映画なのに!)ノミネートされ受賞こそ逃したもののアニメでは史上初の快挙を成した(普通は選ばれる事すら無い)だけあり、原典を元にした新解釈ストーリーといい、ぶっちゃけ新しく作られた実写映画よりは断然面白いじゃないか(小学生の頃初めて見た時には「またご都合の良い恋愛ストーリーか。」と冷めた目でしか見れなかったけれども←オイ!)と実写映画版の酷さに却って評価は改まったものでした。うん、ご都合の良い恋愛譚でもこの頃は頑張ってたよ、ディズニーさん…。

 ベル…町人「本当に彼女は美人、他の誰よりも。だけどあの子はミステリアスで謎めいた所がある。」

いくら「美人」でも「変人」と関わり合いになるのは御免こうむりたい…そんな町の人達の本音が垣間見えるテーマソングです。彼女に想いを寄せるガストンも本相手にトリップする彼女の性癖への理解はまるで無く(つまり美人という外見だけに惹かれており内面・性格はどうでもいい。そりゃ振られてしまっても当然だが、ベルもベルでもう少し普通の人に近づく努力はすべきだと思うの…ゲフッ!)町中の人間から浮いた存在として見られていますが、これはもう彼女が辛い立場にいる以前の自業自得だな(これで自称・天才の父の名に恥じぬ才女で文学書や研究書を読んでいるのならまだ様になるのだがいい年をしてまだファンタジーな絵本を好み「もっと夢が欲しいの。」と人前でも構わずにドリーミングしている辺りはもう手に負えない。)としか思えず共感はできませんでした。「判断基準はいつだって自分」だからアンタは嫌われるんだよとPHP研究所の本の解説にもツッコミを入れてしまったものです…ゴフッ!

 モーリス…ベル「父の事を悪く言わないで。そうよ、私の父は、天才なの。」

いくら天才でも世間に認められなければクズ同然の評価しか貰えないのですが(そこが映画などの娯楽発明品を多く世に生み出しメンロパークの魔術師とも讃えられた天才エジソンと、現代のネットワークシステムの図式が頭にありながら世間が彼の発想を理解できなかった為にマッドサイエンティストで終わってしまった天才テスラとの人生の違いでもある。)周りを気にせず我が道を行く生き様は父子揃って同じだったようです…ゲフッ!作った槇割り機が最後には正常に作動した事から彼に発明家としての才能がある事は認めます。けれど「成功するかどうか」は他人が決める事であり、そこは「才能」よりも「世渡りの上手さ」の方が物を言う(発明が素晴らしい物であっても「売れるかどうか」を決めるのは消費者であり買い手側の方に見る目が無い場合はどうしようもない。それがテスラの悲劇でした。)事も頭に入れておいた方が良いぞとツッコミを入れてしまった天才発明家でした…ゴフッ!

 ガストン…「そうさ、俺はイカした奴。凄いぞ、ガストン!」

自分で言ってるよ、この人…というレベルの自惚れぶり、筋肉モリモリぶり(そこまで体を鍛えたのは素晴らしいがやせ型体型が基盤となっている日本では「嫌!何このマッチョ!キモい!」で終わってしまう可能性もある。)顎の割れ具合(欧米では割れた顎はハンサムの証とも言われているのだが日本でその基準は通らない。)そして胸毛のセクシーさ(「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラは夫レットの胸毛に顔をうずめるのが好きだったそうだが少なくとも自分の周りに夫や彼氏の胸毛を賛美する日本人女性はいない。)など日本人として評価するなら色々痛い所は有り、本人は決して魅力の無い男ではないものの(「この時代の夫」としては間違いなく及第点をあげられるだろうが…。)夢を追うベルにはあっさり振られてしまっていました…ゲフッ!「体育会系の頼もしい夫」としては何の欠点も無く、喜んで嫁になってくれる女も沢山いただろうに「自分に相応しい女性を見る目が無かった」というのが彼の決定的な短所だったのでしょうね…ゴフッ!

 野獣…ベル「優しく親切。だけど見かけは意地悪よ。それでも不思議ね。何故か憎めない気がする。」

それが普通の人間以下のレベルでも彼には確かに思いやりがある(…褒め言葉になってないや。)と野獣の内面を見て認めてくれているベルの姿に、空想好きでも町の人達をつまらないと思っていても人(ガストン)の悪口を言っていても、貴女にもそれなりに良い所があるじゃないか、と野獣の事さえ見かけを基盤に悪口を言いまくっていた実写版ベルとの違いを見出して癒されたものでした。(実写版ベルはあの性格でよく「私のおかげで癒されているくせに」と自惚れられるもんだと呆れるくらい酷い言動をしてたので…。)「(愛される事を)期待はしない。」とは言いながらも恋心から日々の生活費だけでなく部屋いっぱいの本やドレス、ムーディな夜など様々な贈り物を捧げていた健気な野獣さん。貢ぐ君で終わらずにちゃんと恋人になれて呪いも解けて本当に良かったねと彼の涙ぐましい努力に思わず拍手してしまった、そんな素敵な映画でした…ゲフッ!

 余談…「素敵な彼氏」を揶揄した言葉である「ダーリン」が元々は人の名前(「奥様は魔女」の旦那の名前)であったように向こうでは「素敵な王子様」の事を「プリンス・チャーミング」と呼ぶんだ…(「シンデレラ」の王子様の名前。凄い名前だな。)と英語版を聞きながら思わず吹いてしまったものでした。

美女と野獣(実写版)

2010.12.23
 「マレフィセント」は面白かったのに…これなら昔のアニメ映画版の方がまだ見ごたえがあるよと設定は原典のまま何一つひねり無し(アニメ映画では省略されているが本当はベルの家は6人兄姉。他の兄姉は頬紅や香水などマトモな土産をねだったのに対し末っ子のベルが雪が吹雪く季節に初夏に花を咲かせるバラという無茶な要求をしたおかげで悲劇は始まった。)美麗な画面に反して分かり辛い過去編(人外存在との痴話喧嘩ネタはもういい。)というハッキリ言ってつまらない内容にガッカリしてしまった実写映画版でした。おかげでアニメ映画版を見直している次第です…。

 ベル(レア・セドゥ)…「王子の格好なんかして人間のつもり!?本当は残酷で孤独な野獣のくせに!ゾッとするわ!人の服を着た獣よ!」

家族と暮らしていたらいたで文句を言い(「もうちょっと田舎に居たかったのに!私が悲しいのは不満で嬉しいのは変人扱いだわ!」)父の代わりに城に軟禁されてからは野獣に罵声を浴びせてばかりの彼女の性格に「…。」と思ってしまったものでした。(貴様それでも虜囚のつもりか?)ここは広大でも牢獄だという彼女の不満は鉄格子もはまっておらず見渡す限りの広さを誇る城(独房どころか並の一軒家よりも広い)に全く理解できず、着ている服も白黒格子模様の囚人服でなく白→緑→青→赤の色とりどりのドレスという様(贅沢してるんじゃないか…。)にこれのどこが可哀想な女だ!?と全然同情できなかったヒロインです。狭い一室に閉じ込められて夜ごと性奴隷にされているのならともかく(城の主人である野獣はそうする権利さえあるというのに)良い服着てご馳走食べて庭付きの広い家(城)で暮らして一体何が不満なのか可哀想なのはむしろ文句ばかり言う食いぶちを抱え込む羽目になった野獣の方だろうとツッコミを入れてしまった娘でした…ゲフッ!

 野獣(ヴァンサン・カッセル)…森の神「娘を殺した報いだ。野獣にしてやる。呪いを解けるのは人間の女だけ。だが誰がお前なんか愛するものか!」

↑の条件を考えると顔だけが取り柄のツンツンした性格の悪い娘(実写版ベル)でもワガママ言っている場合じゃないのは分かりますが…それでも、もうちょっと相手を選びようが無かったものか、ダンス一つで実家に帰る権利を得て(普通は熱い一夜か悪くてもキス一つくらい欲しい所ですが…。)告白したら突き飛ばされ(こんな(金回りの)いい男をはねつけて恥をかかせるなんて酷いよ、ベル!)日々罵詈雑言を浴びせかけられている野獣(「お願いだから愛して欲しい」という彼の言葉は別の意味で納得できたりして…ゲフッ!)の姿にはその醜い外見とは裏腹に心から同情してしまったものでした…。最後は呪いも解けてベルとの間には2人の子供にも恵まれ、嫁の親族は印刷所を経営し物語は本として語られている(で話している母はご本人というオチも予測がつきすぎてつまらなかったです。)というのも陳腐な結末で微妙さばかりを感じてしまった映画でした…ゴフッ!

 プリンセス(イボンヌ・カッターフェルト)…「私は森の妖精。人に変身する許可を貰ったの。愛が知りたくて。…父上、この上ない愛で何度も満たしてくれたのだから彼を許してあげて。」

過去にも女がいたリア充にも程がある王子様だったのはともかくだったら始めから正体を言ってくれていれば良かったのに…でなければ「これ以上黄金の鹿を追うのなら別れます。」と約束を破った代償を忠告しておくとか(同じように「今年私と同じ大学に受からなかったら、もう別れるから。」と宣告された浪人生の彼氏が必死の思いで受験勉強をして本当に志望校に受かったという実例有り。最もその後2人は別の要因が重なって別れてはいたが…ゲフッ!)もうちょっと頭の良いやり方があったろう、と素っ裸で死んだ死に様にツッコミを入れてしまったものでした。(あの…ティンカーベルのように服の着ようはなかったんですか?)娘の気持ちはどうあれ妊娠するまで体を弄ばれて挙句に殺された事実に父ちゃん(森の神)が怒るのは納得ですが、もしも万が一呪いが解かれてしまった(条件が満たされてしまった)その時は彼は森の精だった娘を忘れて他の女とラブラブになっている訳で父も父でもうちょっと相手を不幸にする呪いをかけられなかったものか色々考えてしまった過去譚でした…ゴフッ!

 余談…ベルが対価として踊った「ダンス」がオペラの「サロメ」のような官能的な踊り(薄布7枚だけを身にまとい一枚一枚ベールを脱ぎながら踊り、最後には素っ裸になるというとんでもない踊り。サロメ王女はこれで王を虜にし予言師ヨカナーンの首を刎ねる事に成功した。)だったらまだ納得できたのに、と一瞬あられもない事を考えてしまった私でした…ゲフッ!

本当は淫らなヘンゼルとグレーテル

2010.12.22
 どうにもこうにもこういうおとぎ話系(にしてはおどろおどろしい話ばかりなのですが…ゲフッ!)が大好きで思わず買ってしまった深井結己先生の本です。とはいえどの話もあまりに大人な内容で話的に色々感じるところはあったものの違う意味で度肝を抜かれっぱなしになってしまっものでした。(タイトルからして察して下さい。)今更ですがこんな大人色強い話貸してしまい後悔してしまっても後の祭りです…ゲフッ!

 ヘンゼルとグレーテル…父「くっ…毒を盛られた…。継母もグレーテルが…!」
グレーテル「そうよ…。だってあの女、ヘンゼルに色目を使うんだもの。」

逃げようと思えばいつでも逃げだせたくせに娼館の主のイェフさえ利用(ヘンゼルと3人で…の時も結果として檻の鍵の場所を把握する役に立っている。火事で逃げる時持ち逃げした財宝ももちろんイェフの財産であることは言うまでも無い。)してヘンゼルと関係を持てるように仕組むグレーテルが正直怖いです。個人的にはグレーテルの子供の頃のクルクルした髪形が成長してただのロングヘアになってしまったのが残念でした。(カーラーさえ与えてくれないのか、イェフは。)グレーテルとしては長年そこまで苦労した計画の元にヘンゼルと手に入れたのに実家に帰ったとたん「ハイ、それまでよ。」と何もかも無かったことにされるのは納得いかなかったんでしょうね。(ヘンゼルの立場も分かるが、かなりご都合主義な男に思える。)実の父親さえ排除して手に入れるのはやり過ぎだとも思いますが流されているヘンゼルもヘンゼルだと主体性の無い男ぶりにツッコミを入れてしまいました。性格は真っ黒でも行動派なグレーテルがいなかったらそもそもこの話は1歩も前に進まなかったでしょうね。

 プリンセス・オブ・ドラキュラ…ヴラッド「私がこの地に来たのは、そなたに会う運命に導かれたからだ。」

恐怖話が一転、セーラーム○ンのような輪廻転生恋話にすり替わっているお話。個人的には近代的な今の2人よりも昔の二人の服装の方が好きだったりします。(服かい!)最後、滅びたかに見えたヴラッド・ドラーゴ伯爵(この名前も凄い…。)が妻の献身によって復活し悪を倒す様は(逆です!)気に入ってるのですが、輪廻転生恋話の常として周りで振り回される人々が哀れでした。(セ○ラームーンの時も思ったのですが、今、当人に思いを寄せてる人の立場って…悲し過ぎませんか?)結局こういう結末になるのならヘルシング教授が余計な手を出さなければ死人が増えることも無かったのに(血を吸われてもいない辺り食事にさえなってない幼馴染達が…哀れ。)とツッコミを入れたりもしました。ところで船や城など奥様転生前から400年たったにも関わらずあれだけの財産をどうやって調達したんでしょうね?(やはり強奪系だろうか…ゲフッ!)

 夢魔…インキュバス「今日はより多くの女を落とした方が上級悪魔として昇級できる日!」

あまりにも馬鹿すぎてかえって好きです、こういう話。(女の方が勝利したのには秘かに「勝った!」と喜んでしまったり。)確かに時間の輪を細工して時を止めれば永遠に明日にはならず、娘との約束通りに「公爵と結婚せずに済む。」のですが正直それでいいのか…とツッコミを入れてしまいました。「夢魔」と名がつくからには全ては夢に過ぎず(それにしてもなんて夢なんだ…ゲッフン!)目が覚めたら現実が待っているに過ぎないのでしょうが、永遠にあんな夢の中にいるくらいなら大嫌いな公爵と一緒でも現実を生きていく方が幸せなんじゃないかな~とも思ったりします。夜の営みに飽きた後、どうなるのか心配な所です。

 白雪姫…小人「気がついたか。皆で交替で暖めたかいがあった。…今度は、内側から暖めてやるよ。」

どんな小人だよ!と思わずツッコミを入れてしまった、まさかの展開です。父親×白雪姫、義母の愛人×白雪姫等々男をめぐって母親と対立関係になっているパターンは何度か目にしました(殺意を抱くのはもちろん鏡の発言がきっかけですが直接の動機は痴話ゲンカでした。)が、まさか7人×白雪姫だなんて展開は思ってもみませんでした…ゲフッ!安らぎがあってもハレンチ極まりない7人との生活と何でもかんでも他人のせいにする神経質な完璧主義者の王様との生活と…私ならどちらもかなり嫌なのですが(王様とも夜の生活は自然にこなしてそうだしね、白雪姫さんは…ゴフッ!)白雪姫は下半身の節操の無さについてはまるで問題にしない性格のようです。(あまりに問題にし無さ過ぎるのもどうかと思いますが…。素直で善意を信じすぎる性格にも程があるだろ!)個人的には焼けた靴を履かされて処刑されるはずのお后様が助けられ帝位に返り咲いた終わり方が意外性があって気に入った話です。

 北風と太陽…旅人からマントを奪うだけの話をよくここまで発展させたな(もう「北風」も「太陽」もただのたとえと化しキャラとしても消滅してしまっている。)と複雑な話ぶりに仕上がっているのに思わず感嘆してしまいました。話としてはというよりキャラとしてあんな大きな娘(オリアナ)がいるにも関わらず下手したらイモ娘のオリアナ以上に若々しく見えるフェネラが凄いと思いました…ゲフッ!かつて国王に愛する人を奪われた彼女はその代償に自分は王の血を引く息子に誰よりも愛される権利があると変に思い込んでしまっているのでしょうね。あそこまで刺激的な生活を送ってしまったステファン王子が鈍臭いオリアナで満足できないのは仕方ない結末として、結局こうなるのならフェネラを王妃に迎えてオリアナを義理の娘にした方が良かったんじゃないか、と虚しい思いに捕らわれてしまいました。(王子の本当の心を手に入れられないオリアナも、おそらくこの先も牢から出されることの無いフェネラもどっちも不幸じゃないですか!)地下牢なのにあんなゴージャスな椅子があるのにもビックリしましたが、人として色々間違えてしまってますよね、この王子様…ゴフッ!

スノーホワイト(実写版)

2010.12.21
 アカデミー賞でもなく、ゴールデングローブ賞でもなくゴールデンラズベリー賞(「その年の最低の映画」に贈られる大変不名誉な賞)に輝いただけあって期待はしていなかったけれど…予算も気合の入れようも段違いだったのにその全てが空回りしてしまった残念な映画だったな(背景や衣装など作りだけは美しいのだが妖精一つ取っても子供が喜びそうな「可愛らしさ」からは乖離してしまっているし、正直、子供も大人も喜ばない映画だろう。)と口コミ評価の確かさを再認識するに到った映画でした。100円レンタルで見て正解だったと多少ホッとした作品です…。

 ラヴェンナ女王(シャーリーズ・セロン)…女王「鏡よ鏡、魔法の鏡よ、この世で一番美しいのは誰?」
鏡「女王様です。ただし今日限り。スノーホワイトが成長して女王様より美しくなりました。」

鏡の精よ、あなたは間違っている。女王の方が美しいと成長した後の姿を見比べてもツッコミを入れざるを得ない美し過ぎる女王の姿(さすが元モデルのシャーリーズ・セロンである。)に軍配を上げてしまったものでした。過去アカデミー賞もゴールデングローブ賞も受賞した事のある超実力派女優だけあって(本当に彼女は何でこんなショボイ映画に出ているんでしょう…?)圧倒的な存在感と演技力でもってこの映画の(唯一の)面白さを引き立たせてくれている名優ですが、惜しむらくは面白い所はそれ以外に何も無いというこの映画自体の出来の悪さにあったでしょうね…。本当は映画も3部作の予定だったそうですが(いいよ、これ以上引き延ばさなくて…。)女王も死んで登場しそうにない今、続編が出た所で確実に見ないぞと実感している所です…ゲフッ!

 弟フィン(サム・スプルエル)…白雪姫「あの女の望みは何?」
フィン「お前の高なる心臓さ。」

問答無用で「今日で幽閉生活は終わりだと女王がおおせだ。」とそれ以上の事は何も言わずに連れ出せば良かったものを、わざわざ死刑になる事を伝えてしまって(そんな事をバカ正直に速攻でバラしたら逃げようとするに決まってるだろ!)どうせ死ぬのなら良いではないかと横たわっている白雪姫の胸元に手を伸ばして反撃を喰らい(若い娘の当たり前の反応です。)雇った猟師にまで「生き返らせると約束した俺の女房と引き換えだろ!?」「いくら姉君でも死んだ者を生き返らせることは無理だ。馬鹿め!」と姫を渡して貰う前に言ってしまってそのまんま逃げられ女王が「なんてバカな弟なの!」と嘆いている通り本当にバカな男だったんだなあ~と役立たずぶりに失笑してしまった弟君でした。それでも弟は弟(掛け値無しにバカな奴でも可愛い弟)である事実には変わりなかったという事なのか、彼が死んだ時には救えずに涙している女王陛下に大いに人間味を感じたものです。そんな訳で主人公サイドには全然感情移入できなかった物語でした、この話…。

 猟師エリック(クリス・ヘムズワース)…「妻を失った悲しみでヤケクソになった。君に会うまでは。君はサラに似ている。2人とも守れず俺は悔しいよ。」

最初は妻復活と引き換えに差し出そうとしたし、村に辿り着けたのを良い事にサッサと1人だけ立ち去ってるしお前は本当に守ってなかったよなと心から頷いてしまった相手役の一人です。散々姫とのフラグが立っていたウィリアム公子(「2回もスノーを見捨てたりしない!」と敵と行動を共にして混乱の最中に姫をかっさらおうと打算的な行動を取った結果、聖域にいたスノーを集団で襲わせちゃったというダメ男。むしろ見捨ててくれていた方が平和でした。)がキスしてもダメだったのに彼のキスで目覚めた辺りこの映画での真の相手役は猟師(子供の頃から何年も無駄に想っていたウィリアム公子哀れ。)という事になりそうですが↑のセリフからも分かるとおり「妻に似てたから惹かれました」(悪い言い方をすれば面影を追っているだけで妻の身代りに過ぎない)みたいな気持ちでWヒーロー(相手役)のうちの一人ってどうよ?という印象は拭えず意外性以前の問題としてあんまり好感が持てなかった恋愛譚でした。姫とのカップリング以前に男2人もいらなかったような…ゲフッ!

 スノーホワイト(クリステン・ステュワート)…「私は見た、女王の若さの秘密を!この手で葬るわ!私はもう女王の支配は許さない!」

7年もの長きにわたって幽閉生活(インドア生活)を送っていた割には下水道に滑らかにスライディングしたり、鞍も鐙もついていない白馬(すると太ももで馬の腹を締め付けながら乗るという暴挙を取らなければならず、そんな危ない乗り方をしていたのは古代ローマ人くらいである。)を乗りこなしたり結構体育会系な行動が出来ている姫様ですが、それでも実戦経験の乏しさは隠しようが無く敵が後ろを向いたままでも余裕で彼女の剣はよける事が出来る(さすが女王様です)というヘタレぶりには溜め息しか出ませんでした…。↑のように正義感ぶったセリフを言ってもこの人の特技が他者を見捨てて逃げることである事実の前には説得力が出ませんし(囚人仲間のグレタといい、乗り回した挙句に泥の中に突っ込んだ馬といい、匿ってくれたせいで焼き打ちの目に会った村人達といい、どれだけの人間を放置してきたんですか…?)血統正しい後継者(↑のセリフは一応、正当な主張)である事に間違いはないのだろうけれど正直応援する気は失せるヒロインだなあと感じてなりませんでした…ゲフッ!むしろラヴェンナが女王で良いです…ゴフッ!

白雪姫

2010.12.20
 ディズニー史上初の(そして世界初の)長編アニメーションがこの作品だったそうで、既に人気キャラクターだったミッキーマウスを使うでもなく、明らかに「女の子」向けのお姫さま映画を「アニメを長編で誰が見てくれるんだよ!」(大人はまず見ないし、子供は集中力が持たないだろ!誰も見てくれねえよ!)という批判をぶっ飛ばして戦前のこの時代(1937年)に作るってウォルト・ディズニーはチャレンジャーだったんだなあ…という事も伺わせてくれる初代プリンセス映画です。…が、最初の一作目だけあり恋愛面はベタ甘で、そういうのが苦手な人は結構苦痛だろうなあ…とも思ってしまった映画でもありました。

 お妃さま…「鏡に閉じ込められた男よ、暗黒の中から出ておいで。この世で一番美しい女は誰?」

どういう経緯か知らないけれど閉じ込められている男は哀れだな(実写版だとニュルニュルと取りあえず鏡の外には出てこれていたのにね。)と同情してしまった鏡の精でした。白雪姫には負けているとはいえ彼女も彼女で世界第2位の美貌の持ち主(きっとこの世界には彼女と白雪姫以外、女性がいないのだろう…ゲフッ!)なのだから森の中で表舞台に出て来る気の無い(王子様の事しか考えていない)小娘の事など気にせず放っておけば良かったのにと、どこまでも抹殺を企んだが為に小人に追い立てられて崖の上から落ちて死んだ最後に「…。」と思ってしまったものでした。こうして美しく死んでいる白雪姫とは正反対に醜い老婆の姿でおそらくは岩に体を押しつぶされて非常に美しくない死体となり果てた彼女。(今頃は禿鷹に食われているのでしょう。)生前、美貌を追い求めていただけに本来の姿よりはるかに醜い姿で死んだ点だけは哀れだと思えた女性です…ゴフッ!

 王子様…白雪姫「誰か、愛してよ。来てよ、今。」
王子「今。今ついに君に会えた。変わらぬ愛を貴女に誓おう。愛する人はただ1人だけ。この恋に胸が震える。僕の愛はあなただけの物。」

いや、出会ったその場で何なの、この男!?初対面にしていきなり愛を歌い上げる王子様の姿に(普通は白雪姫のようにときめくどころかドン引きする所です。)度肝を抜かれたものでした。(白雪姫は「あんな素晴らしい人は他にいないわ。」と言っているけれど、それは素晴らしく電波な男の間違いと違うのだろうか?)ラストでは7人も小人がいるにも関わらず公衆の面前でためらいも無く姫にキスできる厚顔無恥ぶりを披露し(その点は同じ「イタリア人並に女性に愛の言葉をかける男」でも眠り姫に出てくるフィリップ王子(キス時のギャラリーは0人。)よりも上だな。)長いこと世話をしてきたのは小人達なのに「姫を救う」最後の美味しい所だけ持っていったこの人。服装その他から古来より理想とされてきた「白馬の王子様」とは彼が原型だったということを理解はしたけれど、この男はそこまで理想に謳われるほどの男なの!?(確かに土地持ち・家(城)持ちの優良債権である事は認めるけれど。←オイ!)と昔の価値観とのジェネレーションギャップに苦しんだものでした…ゲフッ!

 7人の小人…「ハイホー、ハイホー、仕事が好き~♪」

と、歌いながら歌詞とは真逆に仕事を辞めて家に帰っていく姿にツッコミを入れてしまったものでした…ゲフッ!(英語版歌詞は「おうちに帰ろう、もう帰る時間」という意味なので正しい行動なのですが…。)どうやら仕事にかまけて家の事がなおざりになってしまう典型的なダメ男7人だった様子で家の中は非常に汚く「掃除をすれば(貴重な家政婦として)家に置いて貰えるかも!」とルンルン気分でお掃除を始めた白雪姫でしたが、それが「家が汚い事を指摘された」として却って小人達の逆鱗に触れたらどうするんだ(「だってとても汚かったわ。台所の水の中にはボウフラが湧いていたわ。」「飼ってたんだ!」「飼っていたんですか…。」と常識を外れたクレーマーに限って何をしても有難迷惑に文句をつけてくる事は多い)と他人の家に勝手に上がり込んで行動する姫の姿に焦らせて貰ったものでした。結果、どの人もお人好しのお爺ちゃんで、居候のくせに「手を洗わないとダメじゃない。」と説教万歳で指図を始めた姫に感謝こそすれ誰もツッコミを入れませんでしたが…家事手伝いという名のニート(本来、家の中で最も低い身分の人間)に対してそれでいいんですか、男として…とツッコミも忘れない私でした…。

 白雪姫…「いつか必ず王子様が私を見つけ出しお城へ連れて行く。いつか必ず幸せになる。とこしえの愛の鐘が響き渡るでしょう。」

フン、くだらん!と夢の無い私はおこりんぼ同様一蹴してしまった白雪姫の恋愛譚です。(オイ!)「いつか必ず幸せになる」のなら小人達と暮らしている今は幸せではないのか(「(私が)ご挨拶したのにあなた達ダメねぇ。→良かった、口が利けたのね。」と小人達をマトモに話もできない白痴のように扱っているような発言といい、白雪姫も大概失礼だよな…。)慎ましく家事を行う古典的おとなしめヒロインの割には、微妙な性格の悪さ(というより常識の無さ?普通は留守の家に図々しく上がり込んだりしないぞ。)が鼻についてあんまり共感できなかったお姫様でした…ゲフッ!襤褸を身に纏って贅沢だけはしていなかったけれど、やっぱりどこか下々の人達とは違う「世間知らずの小娘」にはそんなに親近感も感じなかった、ですかね…。願いが叶う泉やリンゴを本気で信じてあっさり騙される辺りも、騙される貴女も(頭が)悪過ぎでしょう!と思えてツッコミを入れてしまったり…身近にいたら取りあえず友達にすると疲れるタイプだろうなあと引いてしまった初代プリンセスでした…ゴフッ!

白雪姫

2010.12.19
 イケスミチエコ先生の本です。なんというか場面場面ごとの描写は美しい(「天の川を1人見上げて大人になった」などの物凄く詩的に頑張ってる感を受けた)のに詰め込み過ぎ&ご都合主義描写(登場人物は必ず「元は高貴な生まれのお姫様」で今は「不遇の待遇を受けている」だけで「王子様のお妃になるのに身分の釣り合いは取れている」…などなど)が目立って今一つリアリティを感じられなかった話の数々でした。それが童話というファンタジーであり現実とは違う所だよと言ってしまえばそれまででもあるので気楽な気持ちで読み進めていくのが吉な短編集です。

 白雪姫…クリスト王子「私は真実の心を持った妃を見つけた。」

「雪のように真っ白で血の通う温かい思いやりの心を持つ姫」にしては合わせ鏡の魔力で自分の世界に捕らわれて抜け出せなくなった義母をそのまま見捨てているし「義母様は私が何でもできるように教えてて下さっているのよ。」と綺麗事を言って感謝していたはずの姫にしては冷たいなあ~(そこまでおめでたく思えないのが普通ではあるけれど「理想の姫」にしては今一つ特別な魅力や長所を感じないというか…ゲフッ!)と一歩引いた目で見てしまった白雪姫でした。ともあれ「白雪姫」(雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪を持つ少女)ならなるべく原典に沿った容姿にしてほしかったなあ(モデルとも言われているマルガレータ・フォン・ヴァルデック(厳格な継母カタリーナ・フォン・ハッツフェルトを持つ佳人)の髪はブロンドでグリム初期の版の一つには白雪姫の髪は「黄色」ともあるそうですが)と個人的イメージから外れたせいもあってちょっとガッカリもしてしまった話でした。某大学教授の「コナン・ドイルを見ろ。たとえ事実に反してようとジャンヌ・ダルクが金髪の美少女で白馬に跨っていたと読者が信じているのなら、そう描いてやるのが作者というものだ。」という迷言を思い出してしまったものです…。(コナン・ドイルはシャーロック・ホームズシリーズで有名だが時代劇も書いていた。)

 楊貴妃…楊玉環「私が望む物はたった一つです。皆が平和で幸せにいられる事。金品ではございません。」
安禄山「宝石を敷き詰めた浴室に浸かり、700人がかりで衣服を作らせ、全国から採りたて新鮮なライチを届けさせて食っている奴がどの口で言ってるんだよ!」

国が衰退したのは名君であった(過去形)玄宗皇帝が政務をほっぽらかして愛欲に溺れた結果だったとはいえ元を正せば楊貴妃が彼をちゃんと諫めていれば(そして自分の楊一族を重用させずに後足で砂をかけて絶縁していたら)こんな事にはならなかった訳でしっかり贅沢三昧をしながら「そんな自覚は無かったの。」と言っても安禄山以下国民の皆さんは納得しませんよね…ゲフッ!夫(第18皇子・寿王)と引き裂かれて61歳のジジイ(玄宗皇帝)に差し出されたのは悲劇だったかもしれませんが、その後の愛し愛され贅沢をほしいままにした生活を思うと貴女は立派なシンデレラだったでしょうとツッコミを入れてしまったものです…ゴフッ!

 白鳥の湖…エミー「オデット様は隣国の姫君です。ロットバルトに王様と王妃様を殺されて影で売春を行っている劇場に連れてこられました。」
ジークフリート王子「そうだったのか。ベールで顔が隠れていたのを良い事に騙されて声が違うのにオディールを彼女と思い込んで結婚の誓いをしてしまった愚かな私を許してくれ…!」→投身自殺

2人とも世をはかなんで(というより自分のダメっぷりに自滅する形で)崖から投身自殺を図るも下が湖だったおかげで無事だった(下が地面だったら死んでいる。)というお約束のオチが待っていました。それにしても王子様もオデットも他人に助けて貰うばかりで何もしてないじゃないか!(2人を助けてくれたのはベノン、偽妃オディールを始末してくれたのはグレン伯、と全部他の人間が尻拭いしてくれたおかげで話は成り立ってます…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまった話でもありました。流されるばかりで最後は周り頼みなのは育ちの良さ故なのか、ともあれ有能な腹心がいっぱいいて良かったねとしみじみ思った都合のいい話でした…。

 エリザベート・バートリー…神父「それにしても多すぎる墓だ…。」

死人が出るたび城に呼ばれていた神父(どうやら供養はしてあげていたらしい)が不信を抱いたおかげで事件発覚とはなったものの「いや、名門バートリー家に踏み込むってどうよ?」と正式な捜査は長い事先送りにされ(オイ!)鉄の処女を使ったことでも有名なエリザベート(ドイツ語読み。日本と同じく苗字が先に来るハンガリー人なのでエルジェーベト・バートリが正式名称らしいがドイツ名の方が有名。)は、その後監禁されていた貴族の子女の脱走・告白によってようやく詳らかにされてお縄となったのでした。(近隣の農民を攫うだけでなく行儀見習いの名目で貴族の子女まで館に招き手にかけていた。できる事なら600人も死人が出る前に逮捕して欲しかったです…ゲフッ!)元々彼女は留守がちな夫と口うるさい姑にストレスを感じていて彼ら2人が亡くなったとたんタガが外れたらしいですが、だったらストレスを感じながらも彼ら2人に監視されていた方がまだ領民は平和だったのでは等々色々考えてしまいました。ナルシストが昂じて美容法に走ってしまう気持ちは分かりますが(史実によると美容法の為でなく性器を切り取ったり、拷問で苦しむ顔を見る為という純粋なサド精神の成せる業だったそうですが。)なんにせよ貴女の為に傷つけられて殺される娘達はいい迷惑でしたよとツッコミを入れてしまったものです…ゴフッ!(取りあえず同情は出来ない女性ですね…ガフッ!)

 お気に召すまま…ロザリンド「私の方が一目で恋をした方。やはり、あの方だ!」

一目で恋をした割には「どこかで会ったような…?」と再会した時完全に相手の顔を忘れているロザリンド、口もきいたことがないのに1人で熱を上げて森中の木に彼女の名前を彫っているオーランド(そして再会した時男装していたとはいえ同じ顔のご本人を目の前にして全く気づいていない)の電波な恋愛ぶりには思わずドン引きしてしまった愛の形でした。(アンタらは相手のイメージだけ祭り上げて現実を全然見ていないんじゃないのか…?)「時にはまた恋の駆け引きをするかい?」「あなたのお気に召すまま」以前に駆け引きも何も無かったでしょうとツッコミも入れてしまったものです。叔父から強姦されたり男装して男として生きたり従姉妹の姫と一緒に二組のカップルになったりドラマチックな素材は沢山あったのにそれを生かしきれなかった残念な話だとも感じたものでした…。

 アル・カポネの女…アル・カポネ「お前と息子は俺の命だ。」

1920年の禁酒法時代に密造酒の製造・売買で巨額の収益を得た事、手下4人が警官になりすまして敵対するモーラン一味7人を銃殺した(聖バレンタインデーの虐殺)で有名な「暗黒街の帝王」アル・カポネですが残忍さの反面、貧者に対しては食糧を無料配給するなど庶民の人気は高かったそうです。(最後に勝つのは正義ではなく人望のある方だと分かっていたんでしょうね。その人望をゲットする為にシカゴ市長を始め官憲を次々に買収し、たてつくものは機関銃で殺害していた辺りはやっぱりギャングでしたが…ゲフッ!)FBI捜査官のエリオット・ネスによって脱税容疑で逮捕されるも11年の懲役刑が8年後には模範囚として釈放され…そこまでは良かったのですが娑婆に戻ってきた時にはすでに病気(梅毒という名の性病)で脳まで冒されており昔の面影は無かったそうです。彼と性生活を共にしていた奥さんは大丈夫だったのか、やっぱり病気って怖いよね等々色々考えてもしまった儚い最期でした…ゴフッ!(「暗黒街の帝王」がこんな死に方って…。)

まんが残酷グリム童話①②

2010.12.18
 小学生の頃テレビでやってた「グリム名作劇場」が大好きでした。幼稚園の頃、名作アニメ絵本シリーズも好きでよく立ち読みもしていました。(店に座り込んで熱中して読んでいたらしい。親が見かねて買ってあげようとすると「もう読んだからいい。」と断り、おそらくは店員のヒンシュクを買っていたと思われる。)大人になってからも小説「本当は怖いグリム童話」を妹から借りて(何でそんなハレンチな本読んでるんだ、妹よ!)読んでしまいました。今でも昔話が大好きです。(それはそれとして何でこんな方向に走っちゃったんでしょうね、私。)

 「シンデレラ」…義姉「さあ、どうぞ。形見の首飾りは馬番の棒にかけてあるでしょ。取りなさいよ。手を使わずにね。」
シンデレラ「そ、そんなこと、できません!」

えげつないイジメ受けていたんだなあ、シンデレラ…ガラスの靴を落としたのは、やはり計算だったのね)とのっけからの酷い話に夢中で読んでしまいました。ハシバミの木を植えたばかりの頃は「MAMA no HAKA」(ママの墓)だったのに舞踏会に行く頃には「OKKA no HAKA」(おっ母の墓)に格下げになってたのも継母達のイジメの一つなんでしょうか?シンデレラがアレで実は操を守っていたのにも(既に馬番さんとデキてると思ってました。)王子様が毎晩シンデレラとしていながら処女と寝る趣味を続けているのにも(どんだけ絶倫なんだよ、王子様!)色々びっくりさせられました。本当に慎ましいんでしょうかね、この二人…ゴフッ!

 「赤ずきん」…マーゴット「だって早くアレで遊びたいんだもん。」
狼「全く(元)処女はしつこくて困るよ。」

何故あのおばあちゃんからあんなエロ親子が…?(あの母にしてあの子あり、というのは大いに納得だが。)狼イコール邪教徒という定説が多いので(なのでごくつぶしの小さな子をさりげなく処分してもらおうと目立つ赤ずきんをかぶせてあるという説が有力。…まさかとは思うけど狙ってないよね、おばあちゃん!?)男の役どころは予想できた範囲だし話の展開も自然(自然…?)でしたが個人的には話の後がとっても心配です。この後どんなことになっちゃうんでしょう?

 「千匹皮」…父「楽しみは明日の婚礼まで取っておくのも良いやもしれぬ。」
娘「お父様は本気なんだ。本気で娘であるこの私を妻に…手を出されなかったのを良い事にサッサと逃げよう!」

歯じゃなくて舌で指輪をはめてる辺り器用だなあ父ちゃん…と変な所で感心してしまいました。(どうやらとんでもない舌技の持ち主らしい。私には無理です。)現在の子供向け話では千匹皮はあのまま隣国に逃げて城の下働きになりそこの王子様と結婚することになってましたが、考えてみれば女の足で一日で国境を超えることは物理的に不可能(しかも千匹の動物の皮で作ったマントと豪華なドレス×2という無駄な荷物付き)だと気がついてしまいました。(それにしてもあの特注の毛皮で正体がばれなかったのが不思議)部下の言うとおり王様の罪からは何もいいことは生まれませんでした。(むしろとんでもないことが生まれてしまってます…ガフッ!)最後には何も解決しないまま弔いの鐘が鳴ってます。

 「白雪姫」…猟師「お后様にあなたの心臓を取れと命令されました。」
白雪姫「(やだ、お母様の愛人にまで手を出したのがバレたのね。)分かりました。愛するあなたの手にかかるのなら本望です。でも、そのかわり、私の事を忘れないでね、ムゼーウス。(涙)」
猟師「…お、お許しください。私は何という事をしようと…!」
白雪姫(…本っ当に単純な男で良かった。)

その後7人の小人(炭鉱夫)の家で「余所者は出て行け!ここには何もかも揃ってるんだ!」と追い出されそうになった時も「待って!あたしはここに無い物を持っているわ。…どう?これ(女体)が欲しくない?」と自ら脱いで居候(…売春婦?)の地位をゲットした男好きの逞しい白雪姫に思わず拍手してしまったものでした。(するな。)ラスト、原典通りにお后様を殺した以上、王子にとって白雪姫は用無しの気がするんですが何故殺されずに済んだんでしょう?7人の小人との暮らしで世界の拷問テクニックを学んだ姫を殺すのは惜しかったんでしょうか?(あの薬はその為にあるとしか思えない。)お后様の魂は浮かばれずに鏡の中にいるようなので(鏡と霊は相性がいいらしい)これから呪われそうですが、全ては自業自得なので存分に祟られて下さいね。

 「カエルの王様」…魔女「あなた様が最初に拾ったこの毬はまさしく王子の玉を象徴しております。傷つければ王子の一物も同じようになるでしょう。」

この鍵穴、鍵としての役割を果たしてないよ(のぞき穴の間違いだろ。ていうかこんなにクリアに見える鍵穴、現実に無いよ…ゲフッ!)とツッコミを入れてしまいました。王子を助けに来たハインリヒも何故あんな超都合のいいタイミングで入ってきたのか謎です。そして最後何度も毬に剣を突き刺して終いには握りつぶす辺りに王女の憎しみを感じました。(サスキア王子の「息子さん」もそんなことに…死因は絶対ショック死だな。)ナイス復讐です、ルシェンヌ姫!

 「手なし娘」…王子「私は手か足の無い者しか愛せないんだ。お前はどうせ後で生えてくるのだから良いだろう。」

父ちゃんは蛇から出た後、国王の元へ行ってしまった…んでしょうね。(しかし、2度の憑依で意識は薄れ、あんななことの時にシンクロして出てくるだけになったんでしょう。…それでも十分に嫌だが。)ルルは結局何者だったのか不明なまま(森で拾われた子供って…本当の両親は?有名人になってしかも国王と結婚したとなると「実は私は森にわが子を捨てたことが…。」とある人無い人名乗り出てくるものだが。)終わってしまったんですが、あんなのでいいんでしょうか?あの力はヒーリング能力であり霊能力の一種(だから、父ちゃんが見えたのか…ゴフッ!)で守護霊(おそらくはあの天使。)が交代した際、帯電体質と同じように消えてしまったんでしょうね。報われない終わり方で暗澹たる気分になってしまった話でした。遊ぶ前に修行して、除霊能力を習得しておくべきでしたね、ルル。

シンデレラ(実写版)

2010.12.17
 とうとう、ひねりも、無しですか…と思わず(残念な方向で)溜め息は出てしまったものの原作に忠実と言えば聞こえは良いものの豪華絢爛な衣装以外は何の見所も無かった「美女と野獣」に比べたら、かなりマシな性格のヒロイン、悪役でもそれなりに共感できる継母の姿に、文字通りのシンデレラストーリーに過ぎない話であっても面白く見れたものです。(視聴者が共感できるほどキャラクターを掘り下げるって本当に大切な事なんだなあと実感しました。)「本当は怖いグリム童話」で色々な新解釈シンデレラを読んできただけあって、個人的には物足りない感はあったものの、「アナと雪の女王」の続編も拝めるしお得感は充分に味わえる映画だろうなあと頷いた一作でした。

 エルサのサプライズ…エルサ「今日を特別な日に。何があろうと最高の一日に。大切な妹に喜んでほしい。特別な日にするわ、アナの為に。」

エルサのあの服は雪の結晶を身にまとっている訳ではなくて魔法少女みたいに変身してたのか(まあ可憐な衣装に衣装替えするのは「魔法少女のお約束」だし、氷と全く関係ない力であっても出来て不思議は無い…か?)と別の所で納得してしまった私でした。本編で一番吹雪の中で過ごしていたくせに(だから?)「少しも寒くなく」ても風邪はひいてしまったエルサ。くしゃみするたびに雪ダルマが出現するわ、ホーンを吹いたら大砲状になった雪玉が海を渡ってハンス王子を直撃するわ自覚の無いまま持ち前の能力で周りを大変な目に遭わせてしまっている結果は本編とあまり変わりが無い様子です。(そんな所が好きなんですが。)相も変わらずな皆の姿に思わず笑みがこぼれてしまったものでした。

 シンデレラ(リリー・ジェームズ)…父「お前は土産は何が良い?」
エラ「出発する時、お父様の肩が最初に触れた木の枝を。持ち歩く間ずっと私を思ってくれるから。」

当の父親はそんな娘の言葉を忠実に守って今わの際までその枝を持ち続けた…反面、血の繋がらない継子2人へのお土産はきれいさっぱり忘れていた辺り、最初の妻と子は真実愛していたけれど、新しい妻子に対しては最初の妻を亡くした寂しさから同じようにパートナーを亡くした女性を勝手に理想化して見ていただけで本当の愛情は無かった事が伺い知れます。(パラソルとレースは「お金が無いから買えなかった」としても、義理の娘2人は血が繋がっていないから「本当の娘に負けるのも仕方ない」にしても現役の妻である自分の事を最後まで思い出しもしなかったのは、さすがの継母も傷ついただろう…ゲフッ!)注意する人間(夫)がいなくなったことで家政婦扱いでいじめられる羽目になったシンデレラは良い迷惑だったでしょうが自分の夫と前妻との「愛の結晶」(しかも母親似)が前妻のドレスを着て誇らしげに登場してきたら、そりゃ神経も逆撫でされるだろうと気持ちは何となく理解できたものです。いじめられたシンデレラは可哀想だったけれど(チクチクと罵詈雑言を言われるのを笑って許せとは言わないけれど)虐待の歴史を見れば悪口と召使い扱いだけで済んだのは時代背景的にかなり恵まれた部類であり、父親に愛され、王子様にも愛され普通は愛された所で愛人止まりで終わってしまうのに結婚までした辺り破格に運が良い幸せな女性だな、と実感を新たにしてしまったヒロインでした…。

 王子(リチャード・マッデン)…「僕の名を知らない?僕は…キットだ。父は機嫌が良いとそう呼ぶ。」

知らないなら知らないでチャーミング王子なんて本名を名乗りたくはないよな(ネズミのガスや猫のルシファーなど脇役に至るまで忠実に同じ名前で再現されているこの映画で彼1人だけが別の名前に改名されたとも考え辛いし。)と部下に見つかった時も慌ててあだ名で通させた様(「ここにいらっしゃいましたか、殿…」「殿下?それってあの恥ずかしい名前の王子…」「キット!僕はキットだ!」「…ええ、キット殿。」)に納得したものでした。どうやら彼の王国はかのモナコ公国のように小さいながらも列強に侵略される事なく続いてきた国のようで、実際のモナコでも国王・レーニエ大公が嫁に迎えたのが王族でも貴族でもないアメリカの町娘グレース・ケリーだった事から多少納得しかけたのですが、それはグレース自身がオスカー賞を獲るほどの超有名な実力派女優であり「彼女が皇后になれば観光で持っているこの国の話題の一つになるだろう。」「自分達の家から欧州の王妃が誕生する事はケリー家の成功の一つになるだろう。」と双方のお家の打算から見合いに近い形で進んだからであって、愛情(一目惚れ)一つだけで突き進んだ結婚ではない事から…やっぱり一国の王子が身分もキャリアも無い村娘・シンデレラと結婚するのはどうなのか(父親が遺した家と土地は借金も同時に抱えている。こうなると血も繋がっていないのに負の遺産を背負い込まされた義母も哀れ。)色々考えてしまいました。一応、シンデレラは数カ国語は話せて教養もある娘のようですが、その程度では「その辺の貴族の娘」と大して変わらないじゃないかとツッコミも入れてしまったものです…ゲフッ!(で、実際にはその辺の貴族さえ持っている後ろ盾も領地も持参金すら無いと…ゴフッ!)

 継母トレメイン夫人(ケイト・ブランシェット)…「よくお聞き!舞踏会に行くのは許さないわ!」

「その為にドレスを破る程度で済ませるなんて、あなたは優しい人よ。私なら確実に舞踏会に行かせない為に相手の足を切るわ!」と放言した、たくまし系のシンデレラの話を思い出しました。(オイ!)ラストでシンデレラを屋根裏に隠していた時も猿轡もかまさず、手足を縛ってクローゼットに放り込む事もせず、窓のカギも簡単に開けられる仕組みだった(そしてネズミ達の力であっさりと窓を開けられ、存在がバレた)辺り、この継母は悪役になりきるには詰めの甘い人だったと言えるでしょうね。(最も、まさか王子様が御自らわざわざ村娘一人探す出す為だけに宮殿を空にしてまで駆けつけているとは常識的に予想のできない展開ではあったでしょうが…ゲフッ!)シンデレラに許されても世間には白い目で見られた様子で、国外まで逃亡した彼女達。(まあ借金もかさんでいたようですし、この一件が無くとも夜逃げするのは時間の問題ではあったでしょうが…ゴフッ!)きっと本人が予言した通りに「そして私はずっと不幸な一生を送りました」という事になったのだと思われます。御大(王子様)登場だけでズルズルと床に崩れ落ちるほど腰の抜けた人間のくせに分不相応な望みなんて持つから…(シンデレラの心をしっかりと掴んでおけば路頭に迷う事も無かっただろう。逆にシンデレラの存在を隠蔽し切れていればいじめ続けた自分の悪事がバレる事も無かっただろう。母親としても悪役としても中途半端。自分に従わせようと居丈高な態度に出ても、もはや全てが遅いのだ。)と思わずツッコミを入れてしまったものでした…ゴフッ!

 余談…ディズニーのお約束一目惚れ結婚を見るたびに「こうして2人はいつまでも幸せに暮らしました。めでたしめでたし。」「それで?子供だましだな。」「こんな若い2人がずっと幸せにやっていけるなんて信じられません。」「これでいいんじゃないのかな?おとぎ話なんだし。」「お前ウブ。」「愛だけじゃ生きていけないのよ。」と冷静に語っていたクレヨンしんちゃんの子供達の言葉が蘇る(そして妙に納得できる)のって…私だけでしょうか?

シンデレラ

2010.12.16
 おお、登場人物がマトモだ…(白雪姫やオーロラ姫のような恋愛脳をして…は、いるものの一時の夢として一応現実も見ているという面で。)と王子、姫共々、昔のディズニープリンセス映画にしては見やすかった映画でした。(あくまでも昔の砂を吐きそうな位ベタ甘ラブストーリー映画だと覚悟した上で見れば、の話ですが…。男兄弟にお勧めするような映画でない事は否めない。)という訳で元祖サクセスストーリーとも謳われるシンデレラの話です。

 シンデレラ…「祈り続ければ、いつかは必ず虹がほほ笑むわ。たとえ辛い時でも信じていれば夢は叶うもの。」

起きたその時から歌を歌い始める痛い娘(これはもう義姉達よりも歌が上手いとかそういう問題ではない)ではあるものの頭にもお盆を乗せて(!)食事や洗濯物を運ぶ熟練された家政婦ぶりは普通に凄いと感心したものでした。(普通はレストランのウェイトレスのように腕にお盆を二つ乗せる方向に出るはずなんですけどね。←禁句。)シンデレラ(灰かぶりのエラ)なのにちゃんとベッドで寝ている辺りは大切に扱われているなあ~と実感もしたものです。後は「着替え?そうね、こんな恰好じゃ大公様に失礼だわ。」と王子様(憧れの彼)との結婚に浮かれて邪魔を仕掛けてくる家族の汚い本性をすっかり忘れている迂闊さ(当の家族に出会い(舞踏会)からして邪魔されたのをもうお忘れですか?)が無ければ話はもっと上手く進んだと思うのですが…ゲフッ!

 国王陛下…「生きているうちに孫の顔を見たい。もう一度パタパタと走り回る小さな足音を聞きたいのだ。」

なのにネット情報によるとⅢまで作られておきながら未だにご懐妊の知らせは無いそうです…ゲフッ!(挙句に実写版では孫の顔どころか王子が結婚する前にお亡くなりになっていました…ゴフッ!)相手は誰でも良いから孫の顔が見たい(「一人位おらんのか、母親になりそうな女は!」by国王)のなら王子の意志など無視して政略結婚をさせるなり、妾や愛人を持たせるなり、色々とやりようはあったように思えるのですが、あくまでもロマンス(恋愛)にこだわるロマンティックな王様のおかげもあって身分も財産も無いシンデレラに道が開ける事となったのでした。(普通は「王子が恋した女」であっても持参金すら持っていない貧乏貴族の娘など結婚を反対されるだろう。)何も持っていなくても話が都合良く進むのがディズニーおとぎ話の特性です…ゴフッ!

 フェアリーゴッドマザー…「不思議な言葉、ビビディ・バビディ・ブー。唱えるとホラ魔法が起きる。」

それはそれとしていきなり現れて都合良く魔法を使ってくれるあなたは何者なんですか?(「ヒロインを助ける」のなら今まで散々家政婦扱いされて、いじめられてきた時に何で助けずに放置していたんだ!?)と不自然に魔法使いが現れた展開にツッコミを入れてしまったものでした。(解釈としては家に残っていた他の召使い達の協力でシンデレラも舞踏会に行ったものの顔を見れば継母には正体がバレバレで「どうやってドレスを仕立ててここまで来たというの!?」「あ~、魔法ですよ、魔法。」「はあ!?」と内通者を密告しない為に誤魔化したという説が有力。)ともあれ、登場が決まったおかげでこのテーマソングは「やめて、よして、触らないで、カビが生えるわ~。アンタなんか嫌いよ。顔も見たくない♪」と替え歌を通して映画を一度も見たことの無い私でもメロディーラインだけは聞いたことがあるほどに有名に広まっています。映画を見てこの歌が原型だったのかと吹いたものでした…ゲフッ!

 チャーミング王子…「ずっと夢見てた奇跡が今ここにある。そう、これこそが恋。」

どこの誰かは分からないが、そんな事は構わない。王子の心が知っていた。「この乙女こそ花嫁になる人だ」と「現実にはあり得ない」都合の良さで進んだ恋(と作中でツッコミを入れてしまいますか、大公閣下…ゲフッ!)ではあるものの、歌っている痛い女性のシーン(オーロラ姫も白雪姫も、もうこれだけで痛い。)に不自然に入り込むのではなく相手の手を取って恭しく扱う紳士的な姿に、キスをかわされて当の女性にはあっさり逃げられている朴訥ぶりに真面目でマトモな男だなあ(名前は物凄いし、ヒロインに一目惚れして速やかに燃え上がるディズニー王子様の特性もそのままだが、この男は少なくとも好みの女性と見れば白昼堂々と愛を歌いあげて口説き落とす厚顔無恥なスケコマシではない。)と好感が持てた王子様でした。昔のディズニー映画の中では今の所、唯一ドン引きせずに見れた「恋する男」です…ゴフッ!

青髭を愛した女

2010.12.15
 文庫が刊行されたのは2013年の1月ですが話が雑誌に掲載されたのはかな~り前の事(ギリギリだが1990年代に発表された話もある。)で物凄い「待望の文庫化」だったんだなあ(全部見逃していた私としては嬉しい文庫化ではあったのですが←オイ!)としみじみ感じた1冊でした。現在連載中の「金瓶梅」の番外編書き下ろしも合わせて楽しめたものです。

 青髭を愛した女…アルマ「ここに嫁ぐ女は皆旦那様の財産目当て。ちっとも旦那様の事を愛してなんかいない。だけど一度でも旦那様に抱かれた女を私は許す事は出来ないわ。」

という訳で「青髭を愛した女」は召使いのアルマだけだったというオチが待っていました。(正妻の皆さんは全員彼の財産しか眼中になかったという体たらくでした…ゲフッ!)彼女がいるおかげで青髭は今日も妻に逃げられ、いつまで経っても跡取りに恵まれない反面アルマのおかげで妻とその愛人に遺産目当てで殺される事も無く命が助かっている事も確かで良いんだか悪いんだか微妙に思えてしまった真相でした。次々と妻達をぶち殺して床下に死体を隠しているアルマにどう見ても冷凍庫に見えない場所に生で死体を放置して夏場はその部屋は臭わないのか今までよくバレずに済んでいたな等々色々ツッコミを入れてしまった話でもありました…ゴフッ!

 眠り姫…かつて「漫画残酷グリム童話③」(不特定多数カテゴリ)にて語ったので今回は割愛。相変わらず乱れた城だ(修道院育ちのお妃さまにはキツかっただろうなあ…ゲフッ!)とツッコミを入れたものでした。

 シンデレラ~勝者の階段~…シンデレラ「豆をより分ける作業という嫌がらせ程度で済ませるあなたは優しい人よ。私があなただったら舞踏会に行かせないよう相手の足を切るわ。」

積極的にシンデレラをいじめてなかったヘケイト義姉さんは本当の善人かというとそうではなく腹の中ではいじめっ子達同様彼女を憎んでいた(優しさは保身の裏返し。いじめっ子という悪人の立場になるだけの意気地が無かったからいじめなかっただけで心の中では母・姉と同じことを考えていた。)それが分かっていたからこそ彼女の醜い本音を引きずり出してやろうとシンデレラはあんなにも義姉を追い詰めていったんでしょうね。(だからと言って恋人を寝取ったり自ら足を切り落とさせたりさせるのはやり過ぎだが。)それだけに最後にそのヘケイト義姉さんが立場を捨ててプライドを選んだ様(城(シンデレラ)の召使いになれば目を潰されて国外追放になる事も無かったのに「恩を受けるなんて真っ平よ!」と自分で突っぱねた。)には「見直した」と評価を下したのだろうと感じました。ヘケイト義姉さんがシンデレラのように華やかに生きる事が合わないのと同様にシンデレラもまたヘケイトのように子供達に慕われ慎ましく暮らすような生き方は決して出来ないむしろ真っ先に女子供に嫌われるタイプ)訳で、お互いに疎ましく思っていた相手だったけれども無関心ではいられないだけの存在感もまた感じていた(「嫌いな相手」ではあったけれども他の「どうでもいい人間」達とは違ってムカつくだけ心動かされる相手ではあった。)特別な間柄ではあったのでしょうね。互いに自分に合った生き方を納得して貫いていく2人に成長を感じたものでした。

 金の斧銀の斧…拷問係「ララ、お前は本当に運の良い娘だ。王子様がご結婚なされたお祝いに特別に恩赦が出された。出て行け!」
ララ「無実の罪で片腕も片足も片目も失った私は…本当に運が良かったのだろうか?」

自分はただ幸せになりたくて目の前にあった好機を掴んだだけだと彼女は言いますが問題はそのチャンスを掴むために好きでもない男相手でも色仕掛けという肉体を使っての手段を講じている様だったと思います…ゲフッ!魔女の疑いで拷問に処されたララではありましたが(魔女と疑われても仕方無い位貞操観念ゼロの行動を取ってきたララではありましたが…ゴフッ!)問答無用で火あぶりにされた母親に比べれば命があるだけマシ(火あぶりにも死んだ後に死体を焼かれるのと生きたまま焼き殺されるのとやり方があり、母親が受けたのは火傷・呼吸困難を伴う断然辛い処刑法である後者だった。)ですし、王子様を奪われたとはいえ、その王子様の愛(恩赦。少なくとも他の女と結婚することになっても忘れずに彼女の為に取り計らってくれる程には愛してくれていたのだろう。)のおかげで死ぬまで拷問される事も無く助かった訳ですし自分は2回も他の男と結婚したのに誰も娶らずに待ち続けてくれた超都合の良い男(オスカー)はいるし何をどう考えても「運が良い」方だろうとしみじみ思ってしまいました。「幸せになりたい」思考以前に玉の輿目当てですぐに貞操を捨てるその行動が間違っているだろうとツッコミを入れてしまったものです…ガフッ!

 通り雨…西門「この雨音で妻達の事は忘れました。」
雪獅子「この浮気者!許せない!」

どうやら雪獅子は長く生き過ぎて化け猫化しているのか変化や幻視の術が使えるご様子です…ゲフッ!自分の仇である瓶子を褒めるわ、主人の金蓮を差し置いて他の女(自分)に手を出そうとするわの旦那様の相変わらずなダメ男ぶりに同じ女としてキレている様には思わず含み笑いが出てしまったものでした。旦那様もこれで少しは懲りれば良いんですけどね…。(でもきっとまた同じことを繰り返すんでしょうね、この男は。女好きって良いとか悪いとかの問題ではなくて、もう「病気」だから…ゲフッ!)

姫君達の残酷愛憎史

2010.12.14
 まつざきあけみ先生の本です。奇しくもまた歴史物、しかも映画化もされたエリザベス女王の母親の話が載っている事もあり個人的には狂喜してしまった文庫本でした。(かの池田理代子先生も漫画化した事もあり比較も楽しかったものでした。)グロリアナとも呼ばれた偉大なエリザベス女王の為、一生懸命母親のアン・ブーリンを「良い人」にしようという苦心惨憺の様子が伺え史実との違いはともかく好感が持てたので特別にキャラごとにじっくりと語って行こうと思います。

 白雪姫…白雪姫「王子様にはいつも沢山の取り巻きのお姫様がいるじゃないですか。ご不自由は無いはずです。」
アンティンボルト王子「今はお前が欲しいんだ!」
白雪姫「本当に取り巻きの姫君達と関係を持ちまくっていた事を否定もしないんですか、貴方は!」

こういう人間に限って「俺は自分に正直なんだ。」と開き直る人が多いですがそんな無神経な正直さには何の価値も無い(行動自体が褒められたものでなく「ウソをついたり隠し事を(するのが面倒だから)していない」という人として当たり前の点をさして自分が立派な人間だと勘違いしているだけである。むしろこの場合ウソをついてでも隠し立てする方がまだ相手を思いやっていると言える。)と改めて思ってしまいました。元々許婚者である白雪姫の母親にまでホイホイと手を出してしまう程の節操のない男(エルテ王妃のプライドが高く、弄ばれて傷ついた事実を泣き寝入りしてくれる女性だったから良かったものの普通だったらこんな男と分かった時点で彼×白雪姫の縁談は破談となる。)だという事実を誰よりも早く嗅ぎつけたのか自分1人だけが本命になるまで安売りせずに焦らしプレイを続けたのは見事な策略だったと言えるでしょうね。醜い小人達に対しての対応もそうですが「言わぬが花」という言葉の意味を真実理解していたお姫様だと感じました…ゲフッ!

 シンデレラ…メリアン「王子様に恋した私にその結婚相手である貴女のウエディングドレスを作らせるなんて!」

それはさすがにイヤミだろう…と思わず私もツッコミを入れてしまったものです。(「(メリアンを差し置いて)私が選ばれていいの?」と尋ねる=メリアンの気持ち(失恋)を知っている…なら、それ以上触れないようにしてあげるのが思いやりで勝手に自分の都合で終わった事にするのは無神経である。)自分と同じく王子様に選ばれなかった姉達からのいじめは同病相哀れむ心理でまだ許せるけれども幸せを横取りした(王子様の勘違いとはいえ結果的に幸福の絶頂から突き落とした)自覚を忘れて裁縫仕事(姉達が自分に押し付けてきたのと同じく下女の仕事)を押し付けたシンデレラのいじめはタチが悪過ぎるとメリアンが憤る理由は分かる気がします。こうしてメリアンの物語は終わってしまったのですが後ろにはまだサンドラお姉様が控えている訳で彼女ならきっと見事に仇を撃ってくれたろうな、とその後に期待が持てた(持つな!)話でした…ゲフッ!

 闇と光の果てに…レナード「アンジェラだから川に飛び込んだのかアンジェラを装う為に飛び込んだのか、意識が戻った妻が正気を失った今となっては確かめる術はありません。」
アンジェラ「それよりも貴方を含めてレイチェル以外誰も溺れた子供を助けようとしなかった事実が気になるんですが…。」

「いいよ、こんな男は熨斗(のし)つけてあなたにくれてやるわよ…。」(熨斗鮑(のしあわび)の略。アワビの肉を薄くむき伸ばして干したもの。儀式用の魚で後に祝いの気持ちを込めて進物(しんもつ。贈り物)に添えるようになった。「熨斗をつけてくれてやる」とはつまり正式作法に則って「喜んで進呈する」という意味である。)よく考えれば最愛の妻が双子のどちらかさえ判別できない挙句に、当人が入れ替わった挙句に牢屋に入れられた疑いを知りながら助けに行こうともしなかった口先だけの男じゃないかと復讐…もとい自分の立場を奪い返すことを諦めた彼女の気持ちが良く分かったものでした。(こうして巌窟王物語は始まらずに幕を閉じたのでした…ゲフッ!)彼の妻となったせいで陰謀に巻き込まれたアンジェラも彼の理想の女となる為に文字通り自分を失ってしまったレイチェルも思えば哀れな女性です。善人顔をしながらその実真心が無い(誰も救おうとはしていない)レナードが微妙に思えてしまったものでした…ゴフッ!

 <アン・ブーリン~千日の王妃~>
 アン・ブーリン…侍女「因果は巡ると言いますもの。良い気味、毎日泣き暮らすといい。」

愛人で思うように会えないからこそ想いは燃え上がる、逆に(妊娠したなどの事情で)本妻と離婚してまで一緒に暮らすと相手の欠点が目について一気に熱が冷めてしまうという側面は現代の略奪婚にもあるそうです。話では遠慮深く控え目な女性のように描かれている彼女ですが(それでもキャサリン王妃から地位が剥奪されるのを止めもせず体良く王妃の立場を手に入れた辺りは性格が悪いと思いますが)メアリ王女をいじめ抜いた史実(自分の娘・エリザベスの侍女に貶め父親への面会も手紙も禁じた。)を考えてもこんなに性格の良い女性な訳ないだろ!と思わずツッコミを入れてしまったものです。自分がキャサリン王妃から地位も愛情も全てを奪ったのと同じように侍女のジェーン・シーモアに寵愛を奪われ王妃の立場を追われたのはまさしく因果と言えるでしょうか?素晴らしい後継者(エリザベス女王)を産んだ以外何の功績も残していない(王妃にいたのが千日未満=3年足らずで処刑されたせいで彼女を育てた訳でもない。)辺りも評価に値せず(結局この人が成した事はセックスして子供を産んだという動物並の行動だけではないだろうか?)非業の最期(無実の罪をでっち上げられ殺された)を遂げた割には全く同情できなかった女性でした…ゲフッ!

 ジェーン・シーモア…「ご期待に添えると存じます。私の家系は多産ゆえ。」

アンの次に妃の位に上った3番目の王妃ですが多産系・安産系の家系の女性のはずなのに最初の子供・エドワード王子を産んだと同時に産褥熱でお亡くなりになってしまったのだから人生は分からないものです。(まあ生まれた子供が男の子であった辺り「ご期待」には添えたと言えるでしょうが…。)そして生まれたエドワード王子もわずか16歳で後継ぎも残さず早死にしてしまった為にイングランドはその後キャサリン王妃の娘・メアリ王女→アンの娘・エリザベス王女とヘンリー8世が何の期待もしていなかった女の子2人が順に受け継ぐ事になるのでした。世の中、どう転ぶか分からないものです…。

 ロバート…「私はあなたより遙かに身分の低い貧乏貴族。だから想いを打ち明ける事は無かったが子供の頃からずっとあなたを思っていた。」

幼馴染みから恋人(愛人)に昇格したロバート…それはアンではなく娘・エリザベス女王の愛人であるロバート・ダドリー(レスター伯)のエピソードであり全くのでたらめだという事が分かりますが史実通り兄・ジョージ・ブーリンとの近親相姦の疑いではマトモなドラマになりゃしない(「実はずっと前からお前の事が好きだったんだ…!」「取りあえず頭冷やして下さい、兄様。」)と敢えて変更した様子です。とはいえ肝心のヘンリー8世の愛が冷めてしまった(だけならまだしも彼女のワガママな性格に嫌気がさして憎しみ(殺意)にまで形を変えてしまった。)以上アンの命運は尽きており話にあるとおりロンドン塔で処刑されたのでした。合掌。

 卑弥呼…卑弥呼(マオ)「私も齢60を迎えた。早く新しい後継ぎを見つけなくては。」

人間(の平均寿命は)50年~♪とその後千年以上後の時代の織田信長が踊っているようにこの時代で60年以上生きたというのは快挙(というか暴挙)であり話のように2代目を迎えていた展開もあっておかしくは無い(かもしれない)と少し説得力を感じたものでした。(弥生時代の人の生没年なんて詳しい事は分からないしね。)しかし100年以上生きたとなるとさすがに人間の域を超えており3代目就任は無かったようです…ゲフッ!そして動乱の末「やっぱりあの新興宗教状態だった頃が1番迷いなく人々がまとまっていた。」と新女王・イヨに続いて行きます。呪術というあやふやな物を基盤にした国家とははいえ統制された人々のあり方(団結力)は魅力だったようです…ゴフッ!

女王エリザベス

2010.12.13
 映画にもなった処女王エリザベスの話です。16世紀のイングランドの陰謀と流血の時代に若き才媛はいかにして女王へと登り詰めたのか…話の中でヒロインの容貌がオールバックロン毛→即位後くるくるパーマ→最後2ページ肖像画に忠実なまつ毛省略→最終ページヘアカラー付き、とコロコロ変わり過ぎるのでセリフを中心に読みながら頑張って解釈していくことも求められる追いかけるのが大変な漫画でもあります…。史実をある程度歪曲されているのはもう池田先生漫画のいつもの事なので気にせず読み進めて行きましょう。

 アン・ブーリン…「たとえジェーン・シーモアなどが妊娠した所で、王妃である私も離婚を未だ認められていないキャサリン王妃もいる以上は私生児にしかならないし…手も足も出るものですか。」

全ては因果応報なのか…かつて侍女の分際でキャサリン王妃から寵愛を奪って妃の立場を手に入れた(そして彼女の娘のメアリも私生児に貶めて王位継承権を奪った。)自分が、自分の侍女(ジェーン・シーモア)に寵愛を奪われて同じようにエリザベスを私生児にされようとは王妃になった当初は考えもしなかったでしょうね。国王のヘンリー8世がローマ法王に破門されてまで(反対したトーマス・モアを断頭台に送ってまで)結婚した辺り相当入れあげていたのが分かりますが…恋情というのはいつか冷めてしまうものです。王妃になってからも宮殿の改装、家具、衣装、宝石の購買等、浪費癖を発揮しただけで国王が贔屓にしている以外これといって見るべき所が無い女性だったのでイングランドの為にも王妃の座から引きずり下ろした(結婚して2年後にでっちあげの暗殺容疑、不義密通容疑のWパンチで死刑にした。)のは国王として正しい判断だったと言えるでしょうね…ゲフッ!(ハッキリ言って性格の悪い女ですしね…。)

 メアリ…「妹としては認めても王女としては認めない。」

国内中のプロテスタント信者を虐殺し「血まみれメアリ」(ブラッディメアリ)の2つ名でも有名なカトリック信仰の(度が過ぎて)厚い女王。漫画上では私生児とされた後は田舎に追放されたとなっていますが実際はアン・ブーリンの強要によりエリザベスの侍女にされるというエグイ扱いを受けていました。母親のキャサリン王妃(スペイン王フェルデイナンド2世の王女にしてイングランド王妃。元はヘンリー8世の兄アーサー・テューダー王太子の婚約者だったが彼が急逝してしまい持参金を返すのが惜しくなったイングランド王はそのまま弟の婚約者と据え置いたのでした。←オイ!)とはもちろん文通も面会も許されず父親ヘンリー8世との再会が叶ったのも3番目の王妃ジェーン・シーモアの時代になってからという不遇の扱いを受け(それだけを見てもアン・ブーリンがどんだけ性格が悪い女か手に取るように分かります…ゲフッ!)そんな母親の娘であるエリザベスにはもちろん良い印象など無かったのですが重臣たちの説得もあり死亡する前日にしぶしぶ後継者に指名していました。(漫画のようにうっかり寝言でつぶやいたのを誤解されたのではありません。念の為。)良い後継ぎを選んでくれたという点で評価すべきではある女性…ですかね?

 ロバート・ダドリー(レスター伯)…「廷臣の身で女王に愛されるという事がどれほど辛いか、誰にも分かるはずなどないんだ…。」

以下漫画版限定という事で語っていきます。上記のような贅沢な恵まれた悩みに誰が共感してくれるというのでしょうか…?女王陛下からの愛情の重さと周りの人間からのやっかみに潰されそうになっている被害者の顔をしていますがこの人が本当に誠実な男なら結婚した時点で相手に正直にそれを伝えているはずで、肉体関係まで持って当人の縁談に差し支えるレベルにまでなってしまってから実は結婚していたことがバレたというのはもう被害者どころか結婚詐欺師という立派な加害者と言えると思います。(伯爵は公爵、侯爵に次ぐ凄く立派な称号でそれを貰って「辛い立場だ。」と文句を言っているこの人って…。)エリザベスにしたってこんなどうにもならない状況になってから不倫していた事が分かっても何もかも後の祭りでしょうし、夫に目されたアンジュー公の乱れぶりも合わせて男に対して絶望してしまった理由がとてもよく分かる気がしました。(ここまで嫌なもの見ちゃったらトラウマにもなるでしょう。)「女王に愛されることは男の魂を腐らせることなんだ!」と彼は言っていますがそれ以前に君の魂は腐っていたんだよ(腐った要因は女王からの寵愛でなくその立場に甘んじて何の志も持とうとしなかった本人の性格の方が大きいでしょう。)と思わずツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 エリザベス…「今日から私は処女になるのです。」

16世紀のイングランドを長く治めた初の独身女王(ヴァージン・クイーン)。漫画ではヴァージン→処女→無垢でなかった時代=ロバートとの恋愛は無かった事として人生において完全否定することを決意したセリフとしても解釈されていますが、実はヴァージンというのは未婚の女性を訳す言葉が無かった為に当てはめられた言葉で別に処女という意味合いを指していたわけではないそうです…。(かの聖母マリアも別に処女懐妊した訳でなくヨセフ以外の男と結婚前に関係して妊娠してしまったのがヴァージンという言葉で曲解されただけだそうな…ゲフッ!)ロバートことレスター伯とは「陛下、えこひいきもいい加減にして下さい!」と結婚はできなかったものの(彼の1番目の妻が事故で死んだ時とうとう結婚かと噂されたが重臣たちの強硬な反対により諦めざるをえなかった。)ロバートが他の女性と再婚してからも関係は末永く続いており漫画版のようにお別れしたわけではありませんでした。…が不倫でも愛と金に余裕があれば長続きしてしまうという事例を漫画という公のメディアで大々的に発表してしまう訳にもいかず結末はこのように捏造された模様です。政治さえちゃんと行ってくれればプライベートのスキャンダルは「だから何?」と開き直って良い訳で(良くはないような…ゲフッ!)政治的手腕に関しては本物なので評価に値する女王ではあります…ゴフッ!

 メアリ・スチュアート女王(スコットランド女王)…曾祖父ヘンリー7世を同じくするエリザベス女王のはとこ。漫画には一コマしか出てこないですが(禁句)フランス王太子と結婚したことでフランスと結託しイングランドを侵攻した野心旺盛な女性です。(血縁という事で彼女にも一応王位継承権はあったがフランスやスコットランドの属国になってどうするというツッコミと私生児に落とされたとはいえエリザベスの方が直系であるということから選ばれなかった。)戦争に勝利したものの、やっぱりイングランド女王とは認められずに国は手に入りませんでしたがエリザベス女王死後跡継ぎのいないイングランドは結局メアリ女王の息子が王様を兼任する形で引き継ぐことになり結局最終的には手中にすることができていました…ゲフッ!経済・文化・軍事力共に世界最強の国家になった後の国を手に入れられるなんて息子は運が良かったなあ~と感心したものでした…ゴフッ!

へラクレス

2010.12.11
 「テセウス、オデュッセウス、ペルセウス…皆ウスっぺらい英雄ばかりだ!」(byフィル)…って、オイオイ!そんな問題発言を言っちゃったらギリシャ神話ファンから大バッシングを食らうぞ!と子供心ながらに危惧したとおり賛否両論はきっぱり別れた(つまり嫌う人は物凄く嫌っている。たとえ映画を見ていなくても。←え?)という本作。とはいえ90年代ディズニーアニメ黄金期→マンネリ化が始まった当時としては「最後の佳作」(それなりに見れる内容で、それなりの評価も貰った作品)とは言えるかな(その後の作品は噂すら聞こえてこなくなるほど低迷しアニメ部門閉鎖の話が出たほどだからね…。)と一応、自分の中で評価は改めている一作です。ええ、面白かったですよ、あくまでもそれなりに。

 ヘラクレス…「くじけずに強くなれば、行けるだろう、いつの日にか。たとえどんなに遠くても見つけて見せるさ、僕の場所。」

「勇者」「最強戦士」「筋肉マン」の代名詞にもなっているギリシャ神話屈指の英雄です。↑のテーマソングから分かる通り「居場所を見つける」事が彼の夢で、それは天に戻って神々の一員になる事だと彼自身も思っていたけれど、最終的にはメグ(恋人)の元に居場所を見つけたというハッピーエンドで話は終わっています。が「ギリシャ神話」としては最初から最後まで間違っていると驚愕もさせて貰った内容でした。(ここまで間違った方向に突っ走っていると、いっそ小気味良いです。)そう、へラクレス(ヘラの栄光)という名前だけ聞くと大神ゼウス×女神ヘラの息子でもおかしくないようにも感じますが、これはデルポイ神殿の巫女が彼をそう呼び始めた事からくるあだ名で本名はアルケイデス、母親もアルクメネという人間の女でした。義理の両親に育てられ神託を受けて旅に出る(そして、そうとは知らず都合良く実の親と再会)のは、なぞなぞに答えてスフィンクスを追い払ったオイディプスのエピソードですし、ペガサスに乗って戦うのはペルセウス(顔を見た人間を石に変えるメドゥーサを倒した英雄)ののはずですし、ギリシャ神話を読み漁って話に盛り込んだのは分かりますがちょっとオマージュ(改変)が過ぎやしませんか(そもそもヘラクレスが人間じゃなくて始めから神様だったという設定からして、もう…。)と最初からツッコミ所が満載だった本作品。ゼウスが不倫してできた子供がヘラクレスで、正妻のヘラが嫉妬して虐待の限りをつくした(「12の試練」という名の無茶ぶりといい、全てクリアしたとはいえゼウス×人間女の子供の中では多分ヘラクレスが一番酷い目に遭っている。)なんて昼メロ真っ只中の話を「子供向け映画」で展開する訳にはいかない(こんな話を聞いたら確実に子供は泣くだろう。)という事情は分かりますが、そんな訳ですのでこの映画だけを鵜呑みにしてギリシャ神話を語るとえらい恥をかきます。という訳で「名前だけ同じ登場人物が出てくるオリジナル作品」(別物)として同人誌を読むような気持ちで楽しむ分には良いですが、信じてはいけない映画です。

 メガラ(メグ)…「信じて騙された悲しみは目に余った。男なんてこりごり。あんな思い、もう嫌。」

ギリシャ神話上へラクレスの最初の妻であり、女神ヘラの力で狂わされたヘラクレスに子供達を殺された悲しみから自殺した女性です。そしてその後ヘラクレスは有名な「12の試練」を乗り越える前に50人(!)の女との間に子を設け(「ゼウス様の孫を得るチャンスだぞ、娘達!試練で死んでしまったらもうチャンスは無いからな!」「ハイ!お父様!」←昔の感覚って…。)新しい妻ディアネイラをめとり、更には絶世の美女イオレまで手に入れた(で、嫉妬した本妻に毒を盛られて殺されました。)経緯を考えると「男の為に死んだのに、当の男はアッサリと他の女に走った」という経歴は、まあ当たってはいると納得してしまったものでした…ゲフッ!(死んで神格化した後も同じく死者である彼女を改めて迎える事などせず青春の女神へーベーを妻にしているしね…。)ケンタウロスのネッソスに攫われたり(実際に攫われたのは2番目の妻のディアネイラの方である。)魂が冥界を彷徨った所を連れ戻して貰ったり(本当はぺライ王の妻アルケースティスが夫の身代りに冥界に行った所を正義感から通りがかりのヘラクレスが助けてくれたという話。)色々とオマージュは見られるものの神話通りの報われない死に様(子供を殺された上の無駄死に。)にならずに幸せになれたのは良かったかな、とヘラクレスの妻の中では一番地味な女性がヒロインとして選ばれた事に頷いた次第でした。(それにしても映画版メグを捨てた昔の男は今どこで何しているのやら…ゴフッ!)

 大神ゼウス…ミューズ「ゼウスとヘラは、ただ見守るばかり。還らぬ愛しい子を遠くから…。」

映画上ではすっかり息子思いの良いお父さん&ラブラブ夫婦という感じですが、ギリシャ神話のゼウスといえば数多の女性達と浮気をする相当好色かつ絶倫の神であり、実の姉に当たるヘラを正妻に据えた後も(その前だってメティスとの間に知恵の女神アテナを作ったり色々と手を出している。)へラの妹・農耕の女神デメテル、アポロンとアルテミスを産ませたレト、ヘルメスの母に当たるマイア(どんだけ手当たり次第に…!)と神々だけでも相当数の女性と浮名を流しています。この映画ではどうしてこうなったのだろうか、と逆に驚かされるほどの好き者ぶりでした…ゲフッ!しかし、雷槌を操る神として神々のトップにふさわしい破壊力は持っており(うっかり「本物のゼウス様なら、その証を見せて下さい。」と言ってしまった人間の愛人セメレは雷と化したゼウスの本性を目の当たりにした(距離にいた)為に感電死する羽目になった。)映画のラストでタイタン族に攻められた際にはゼウスを筆頭に悉くやられる神々の姿(弱い。弱過ぎる。あの中には戦神アレスも知恵と戦いの女神アテナも弓の名手のアポロン・アルテミス兄妹もいるはずなのに、何故皆へラクレス以下なんだ!?←禁句。)に平和ボケで腕が鈍ったのか!?とツッコミを入れてしまうほどでした。そもそも大事な一人息子を乳母の一人もつけずに離れた場所に寝かせていたせいで盗まれた経緯からして相当に間が抜けていたお父様でしたけどね…。(神話上のゼウス×ヘラの息子である鍛冶の神へパイストスは、その醜さのせいで生まれてすぐにオリュンポス山から突き落とされたので「息子が生後間もなく地上に落とされた」経緯はある意味で正しいのかもしれないですが…。)

 冥界の王ハデス…「今、不動産関係のデカイ仕事(世界征服)抱えてるんだよ。」

「8月は予定ぎっしりなんだ。(お盆だから。)」などなど日本(の風習)ならではのセンスが光る吹き替え版に拍手してしまったものでした。映画上では「死人達を冷たく扱う氷のような心の男」(byミューズ)と歌われてしまっていますがそれはハデスでなく魔王サタンの間違いです。むしろハデスは竪琴の名人オルフェウスの妻の魂を返してあげたり(オルフェウスが死者の国を出るまであと一歩という所で振り返ってしまった為に返しそびれましたが…。)正妻ぺルセポネを毎年里帰りさせてあげたり(略奪した経緯はともあれ、石榴を食わせて彼女を死者の国の住人に変えた策略はともかく、1年の4分の3もたった1人で浮気もせずに奥さん一筋でいる辺り、その愛の大きさだけは本物だったのだろう。)冷酷どころか物凄い人情家であり、赤ん坊のヘラクレスに部下のヘビをけしかけた有名なエピソード以下数多の怪物と戦うへラクレスの「試練」の本当の黒幕は女神ヘラ様の方でした。へラが善玉に改変された為に、いわば濡れ衣を着せられる形で悪役にされてしまった彼。クロノス3兄弟(ゼウス、ハデス、ポセイドン)中、最も身持ちが良くて気性の穏やかな神を主人公をカッコ良く見せて正当化する為だけに好色で横暴かつコミカルな「悪役」に貶めた(しかも内容は全部濡れ衣。)というのはハデスファンも怒り心頭だったらしく、頭が炎のあの妙なデザインからして受け付けない人も多かった…らしいです。

英雄ヘラクレス~マンガギリシア神話⑤~

2010.12.10
 両親が見守る中で生贄となる運命から助け出されたアンドロメダ王女(同じ様にヤマタノオロチから救い出されたクシナダ姫)兄の存在故に恵まれない立場に追いやられ戦いに出されて国中を冒険し悲惨な死に方をするヘラクレス(必死に働き続けたのにボロボロになって死に白い鳥となって天に昇ったヤマトタケル)など英雄の話は世界中どこでも似たようなものといえばそれまでですが相変わらず古事記と共通項の多い神話のエピソードだなあ(「昔話」は皆そんな感じなのかもしれないが)と実感した5巻目でした。という訳でギリシャ神話の代表的な英雄譚のお話です。

 英雄ペルセウス…セリポス王ポリュデクテス「宴に招待されたら断ってはいけないのが世の常識、しかも招待されたら必ず手土産を持っていくのも常識、何も持ってこれないペルセウスは美人の母親を差し出すしかない…と。」
ペルセウス「すみません、王様。家には何もないので僕は自分自身しか差し上げられるものがありません。」
セリポス王「アホかああぁぁ!!」

 その顔を見た者を石に変えてしまう恐怖の魔女メドゥーサ(「メドゥーサに罪は無いと思っていたけれど存在そのものが罪だと分かった!」byペルセウス)を退治した事で有名な英雄ですが元々は愛らしい少女だった彼女をそんな風にしたのは他ならぬアテナであり彼女の助力(出来レース)で首を手に入れたぺルセウスは別に大したことを成した訳でもないのではないかとツッコミも入れたものでした。メドゥーサ本人が嫌がっていた醜い顔をそのまま楯に埋め込んで(晒し物にしながら)使ったりひたすらアテナ様の性格の悪さが伺えるエピソードだとも言えるでしょうね…ゲフッ!(そんなに貴女の神殿でいけない事をしたのが気に食わなかったんですか、アテナ様…?)

 メレアグロス…侍従「王妃様がアレス様とセックスを…。」
オイネウス王「神への信心が大切だ。」
侍従「今度はディオニュソス様とセックスを…。」
オイネウス王「神のなさる事はありがたい。」

それでいいのか男として…!と思わずツッコミを入れてしまうほど信心深い王様のおかげでこの世に生を受けたアレスの息子メレアグロスですが生命の糸を切るアトロポスからのプレゼント「そこの炉の薪が燃え尽きるまでの人生」のおかげで巨大イノシシ退治の折りに女に目がくらんで親戚を殺すという狼藉を働いた時には薪の力で急死させられてしまっていました。愚かしい息子をそのまま放置するのではなく母親としての責任を感じてきちんと決着をつけさせた(母としての情よりも迷惑をかけた分のケジメをつけることをすることを優先させた)様が立派だったなと感じたエピソードでした。

 女狩人アタランテ…アタランテ「私より早く走ったら結婚してあげるけど私に追い抜かれたら命を貰うわ。」
男「それはそれとして裸で走るなよ!」
アタランテ「男と同じ格好で走って何が悪いのよ!」

現代日本で同じ事をしたら公然猥褻(痴女発見で現行犯逮捕)で捕まりますので念の為。産まれた時に女の子だった為「俺は男の子が欲しかったのに!」と父親に捨てられジャングル・ブックの主人公のように動物(熊)に育てられたアタランテ。おかげで強さと美しさを備えた名だたる狩人となりました。(そんなバカな!)育ての親は熊なのにどうやって人語を学んだのか、熊がどうやって弓矢を教えたのか(ヘラクレス同様に素手で戦っているのなら「クマ流」なんだなと納得できますが。)等々細かい部分のツッコミは是非無しの方向で読み進めていきましょう…ゲフッ!

 アルクルメ…「この人は父を死なせたのですからせめて父の思いを継いで私の兄上達の仇タポスを打ち負かさないと夫として受け入れる訳には参りません。」

そんな屁理屈をこねないでサッサと結婚するか、「どんな条件を満たしても父親の仇とは結婚できないわ!」とつっぱねるかしていればヘラクレス誕生におけるゼウスとの「事故」は起きなかったんですけどね…ゲフッ!(「自分の為に条件をクリアすれば結婚してあげる」という考え方も何だか打算的で命を危険を冒してまで戦地へ赴く羽目になった夫の苦労を考えても共感は出来なかったものでした…ゴフッ!)見た目が夫と全く同じだったとはいえ中身は違う人間(ゼウス)なのに全く気づかずベッドにもつれ込む辺りも軽率(というか尻が軽いというか股が緩いというか…ガフッ!)で郭公の托卵のように他の男(ゼウス)の子供を育てる夫の面目丸潰れの有り様と合わせてあまり共感できなかった女性でした…ゲッフン!

 英雄ヘラクレス…テスピオス王「まだお若いのに末頼もしい怪力で有名なアルケイデスどの。ライオン退治の勝利を祝って私の娘を接待役(セックス係)に提供する。もしライオンに食われたら『ゼウス様の孫』はもう得られないからな。」
アルケイデス「戦いの門出に縁起の悪い事を考えないで下さいよ…。」

赤ん坊の頃、他ならぬヘラの乳を吸って不死になった(ヘラ様、憎い浮気相手の息子の顔位ちゃんとチェックしておいて下さい。)事に由来してか本名アルケイデス(「アルカイオスの子孫」の意。実際はアルカイオスを父に持つアンピトリュオンでなくてゼウスの息子なのですが…ゲフッ!)という名の彼は12の試練の旅に出かけるに当たって有名なヘラクレス(ヘラの栄光)という名前に改名していました。矢も刀も効かないネメアのライオンに「素手で戦うしかない!」(いや、ちょっと待て!)と戦って勝ったり(以後、当のライオンの青銅のように硬い皮の鎧と兜が彼のスタイルとなりました。)数々の武勇伝で有名な彼ですが名前に反して1番ヘラに嫌がらせを受けたのもまた彼で(あんまり酷いのでヘラはゼウスからの罰で鎖につながれる羽目にもなった)他の誰よりも苦労した挙句に妻の裏切りで死んでしまった悲劇的な生き様には冒険活劇とは別に同情もしてしまったものでした…。

 医学の祖ケイロン…ヘラクレス「許して下さい!元はといえば私がワインを飲んで酒盛りしたせいで乱闘沙汰になって毒矢まで射かけての大騒ぎでうっかり貴方にも矢が当たってしまって!」
ケイロン「だから『飲み過ぎると我を忘れるから気をつけなさい』って言ったでしょうが!」

いつものように素手だけで戦っていたらこんな事にはならなかったんですけどね…ゲフッ!最もおかげで3万年もの間(長いな!)「人間に火を与えた計画的犯罪」のせいで大鷲に肝臓を食べられる罰を与えられていたプロメテウスは(ケイロンが罰の代わりに「冥界に行く事」で)ようやく解き放たれ、ケイロンもヒュドラの毒の苦しみが死ぬ事でようやく楽になって一石二鳥で救われたのはお得だったと言えるでしょうか?(最もヘラクレスのうっかりな行動が無ければケイロンは今も元気に過ごしていたのですが…ゴフッ!)結果として毒矢に苦しんで死ぬ羽目になったのに「わざとじゃなかったんだからいいんだよ。」で全てを許しているケイロンのお人好しぶりに思わず涙もした最期でした…ガフッ!さすが粗暴で知られるケンタウロスの中で唯一知的で穏やか、博学で知られるケイロン(「医学の父」アスクレピオスの育ての親)です…。

 ヘラクレスの妻デイアネイラ…ネッソス「この世の思い出にあなたに幸福をプレゼントさせて下さい。私の血を夫の下着に塗っておけば決して浮気はしないでしょう。」

冷静に考えれば相手の気持ちも考えずに女性(デイアネイラ)を誘拐しようとした男がそこまで良い奴のはずも無いでしょうに最初の妻メガラとの間に次々と子供を作り、ライオン退治の前に49人もの女性を妊娠させ、アマゾンの女王ヒッポリュテの誘惑に一も二も無く乗ってしまう(未遂ではありましたが)女好き極まりないヘラクレスの性格の前には「かつて彼が目を付けた女性が捕虜(愛人候補?)として家にやってくる」事に不安は尽きなかったようです。こうして12もの試練を乗り越えた英雄ヘラクレスは最後はたかが女の嫉妬が原因で亡くなってしまったのでした。死後ヘラクレスだけがオリュンポスに迎えられて他の女(ヘラの娘・青春の女神へべ)の夫になってしまった(自殺したデイアネイラはそのまま冥界に連れて行かれた。)のもあるいは神が彼女に与えた罰だったのかもしれません…ゲフッ!

ポカホンタス

2010.12.08
 ディズニー映画史上初の実在人物を扱った「歴史的逸話」であり関係者の多くはこの作品が看板作品になることを今でも望んでいるほどテーマの深い作品…なのですが「本当に良い作品」と「売れる作品」は別だという現実の前に売行きはそこそこで終わってしまい(結局「ライオンキング」や「美女と野獣」の方が興行成績は良い。ちょっと見た目が可愛くてワンシーズン流行したら飽きられる程度の物の方が現実的には売れる(だってお客の方に見る目が無いんだもん。)というのはジブリ作品においても世界進出を狙って大敗退した「もののけ姫」より「崖の上のポニョ」の方が売れたという現実例において顕著に表れている。)人権団体から非難はくらうわ散々な結果に終わってしまったそうです。(PHP研究所編集の文庫でも「その他」扱いで2ページで紹介が終わっている辺りが…悲しい。)恋愛至上主義(王子様とのご都合主義的ハッピーエンド)ではなくてきちんと「人間」を描いている点(性格の是非はともあれ、現実にもいそうな一貫した人間の姿を描いている)が好感を持てて私は好きなんですけどね…。

 ポカホンタス…「決まった道を歩いてても私、心ときめかないわ。」

どうせ歌うのなら竹内まりやの「ケンカを辞めて」(「ケンカを辞めて~二人を止めて~私~の為に~争わないで~もうこれ以上~♪」と良い女ぶりながら、その実2人の男の気持ちを知っていて自覚がある上で弄んでいたという嫌な女の歌。)の方が似合いそうだなと思えてしまう本作品の女主人公です。インディアンの女性という珍しいヒロイン(白人女性でも王女でもない)ですが「あの顔はインディアンじゃなくて黒人モデルのナオミ・キャンベルだろ!」(確かに…似てる!)「あの変な肩紐ドレスはそもそもインディアンの民族衣装じゃない!」「この時のポカホンタスはまだ11歳だっての!」等々史実を知る人達からは猛抗議を食らい、インディアン=善玉に描かれながらも(インディージョーンズに代表される通り、それまでのインディアンといえば白人達をローカルな罠で追い詰めてブチ殺す「悪役」として描かれている事が多い。)当のインディアンの方々からは、このきわどい衣装の艶めかしいポカホンタスの姿に嫌悪感ばかり持たれてしまった様子です。ちなみに史実上のポカホンタス(じつはこれは「おてんば」「イタズラっ子」「甘えんぼ」という意味のあだ名であり本名はマトアカ。イギリス人と結婚してからはレベッカと改名した。)は確かに処刑寸前のジョン・スミスを身を呈してかばったものの、それは屠殺する牛や馬を哀れに思って庇うのと同じ気持ちでほとんど彼との交流は無く、後にロンドン社会で再会した時には「何が私達の為により良い社会にするよ!この嘘吐き野郎!」と人前にも関わらず激怒した(彼との間に愛なんざ微塵も無かった。)そうなのでこの話は全くのフィクションです。という訳で信じてはなりません。

 ココアム…首長「彼は正直で強い男だ。堅実でいい夫になるだろう。これが一番正しい道なんだ。」

ポカホンタスからは真面目過ぎて無愛想だと言い捨てられ柳の精からもつまらない男だと散々な評価を喰らっていますが村の為に自分が表立って戦おうとしたり、銃弾の嵐が止まない中で撃たれた仲間を助けに行ったりこいつ滅茶苦茶いい奴じゃん!こんな実直な男の一体どこが不満なんだ!?)と、逆にポカホンタスの方に身勝手さを感じてしまったものでした。キスシーンを見ちゃった事で嫉妬で逆上し、相手の男に襲いかかったのは確かに「醜い姿」かもしれませんが、それもこれも縁談にきちんと断りの返事をせずに放置したり(それって「つまらない男だとは思うけれど一応キープはしておく」ってこと?)夫顔して肩に手を置かれても振り払わずに受け入れていたポカホンタスの期待を持たせた態度にそもそもの原因があったのではないかと思えて、余計にポカホンタスを苦手に思えてしまったり…ゲフッ!ラストにおいて、どっちみち「故郷に留まる」道を選ぶのなら、この人の良い(おめでたい)男と結婚して家庭を構えるのが一番正しい道だったんじゃないか?と思えて殺されて終わった最後には悲しさばかり感じてしまった、そんな婚約者でした。最も史実上のポカホンタスはこの後イギリスの捕虜扱いから解放されるのと引き換えに男やもめのジョン・ロルフと結婚する条件を呑む事になるので今ここで原住民の男とくっつけるわけにはいかなかったのでしょうが…。(だったら無駄な縁談を捏造しない方がこの人は生き延びられたのでは…?)

 ジョン・スミス…ポカホンタス「あなたが知らない世界、知ろうとしてないだけ。月と喋る狼の声、あなたには聞こえない。」

ポカホンタスとジョン・スミス、初対面から2人が強烈に惹かれあって恋している気持ちは本物ですが、それはそれとして自分とこの人は文化が違う、考え方も違う、いつか恋が冷めた時に自分達は同じ世界で生きていく事が出来ない(ジョン・スミスが雄大な自然を見て家を建てることしか考えられないのと同様に自然を愛しているポカホンタスは都会のイギリスではやっていけない。)という現実は見えていたんでしょうね。ちなみに、この時のジョン・スミスは42歳のオッサンであり、11歳の幼女であったポカホンタスを抱きしめてキスしているというのはそこに愛があっても性犯罪にしかならないだろう(確かに、この時のポカホンタスがジョンスミスと恋に落ちることなど「ありえない」わな。)とも納得したものでした。実際はトウモロコシでなく煙草を商業化することで莫大な利益を得た(結局こいつら白人達は友好の意を見せたインデイアンの人々を食い物にしただけだった)スミス達であり、ポカホンタスが死んだ後は「そういえば、あの時、俺を助けてくれたのは彼女だったじゃん!これは『美談』として使えるぞ!」とロンドン社会で名声を得るために役立たせたそうでそこに有ったのは打算だけで映画で描かれているような愛など微塵も無かった様子です…。「現実」の大人って汚いんだなと改めて感じた逸話でした。(まあ、この映画は「異文化の人達に敬意を払う」のがテーマであって「史実を語る」事ではないから、という事で…。)

 トーマス…「ついでに口もふさいでおけ。」

序盤(航海中)から海に落ちて死にかけ、総督からは「青二才の腰抜け兵」とバカにされるほど頼りがいの無い男ですが母性本能をそそるという特性に置いて効果を発揮しているのかオープニングを見れば分かるとおり既に1児のパパです。「プライベート・ライアン」のアパムと同じく最後では↑のようなカッコイイ姿(は、良いけれど縛りあげて口を塞いだ恨みの気持ちバリバリの総督(上司)と一緒に国へ帰る以上、後が怖いよ?)を見せてくれましたが映画中ではほとんど役に立っていません。そんな「目立たない男」だからこそ戦闘になっても生き延びることができたんでしょうけどね…。「理不尽な上司に立ち向かう」のならもっと早くにやってくれとツッコミも入れてしまった、そんな人間味溢れた脇役でした…。

バグズライフ

2010.12.07
 トイ・ストーリーの制作が大詰めを迎えたある日の昼食中のスタッフの会話からこの作品のアイデアが生まれ、以来、虫の生態リサーチングをし、その99%を忘れ(確かにアリはアイランドなんて作らないし、バッタはアリから食料を搾取したりしないし、虫の町だって無いもんね…。)キャラクターの性格を掘り下げることに力を注いだ結果、完成したのがこの作品だそうです。人間が一人も出てこない作品ではあるものの、美麗なCGに、話の面白さに、父が借りてきてくれたのを夢中になってみた覚えがあります。良作なのですが、それでもやっぱり虫がダメな子は苦手な作品になってしまっているようです…。

 フリック…「役に立ちたかった。それだけです。」

悪気は全く無い(それだけにタチが悪い)ものの、数々の発明品を作ったアイデアマンではある(その割に周りが見えておらず、持ち前のドジと当の発明品の効果から迷惑ばかりかけている)ものの、これと思ったら信念は強く行動力がある通称「歩く災難」くんである本作品の主人公。(発明品の効果は一応本物なのだし、これで周りへの配慮に欠ける鈍い所が無ければ、もうちょっと上手く立ち回れたでしょうに…。)アッタ様に好意を抱いているもののオープニングから2度に渡って草の茎をぶつけ、バッタへの貢物をフイにして最大の危機を招いた(こんな事態になったのは、そもそもフリックのせい)おかげで本人からは完全に嫌われており(そりゃ「部下の失態は上司の恥」として尻拭いして庇ってあげても実情と心情は別だろう。)ラストでほっぺにキスして貰えるほど親しみを持たれた様にはこんな立場からよく信頼関係を取り戻せたなと逆に感心したものでした。ドジでも鈍くても一生懸命なら、その心意気は伝わるという所でしょうね。

 アッタ様…アッタ「鳥をチェックしてくるわね。…鳥、こっちだった。」
フリック「ドジなんだから…。」

己のドジで貴重な食料(貢物)を文字通りに「水泡に帰した」フリックにだけは言われたくないだろうと思わずツッコミを入れてしまったシーンでした。(「姫様に恥をかかせるつもりは…!」「大恥よ!」byアッタ様)彼女も彼女で次期女王として失敗して皆に非難されるのを恐れている面はあるのですがフリックと違う大きな点はフリックには失敗しても失うものなど何もないという強みがある(玉砕上等というか玉砕当然というか、責任が低い立場の人間特有のある意味で羨ましい強さである。)という所でしょうね。最も「一部下」に過ぎないフリックでさえ散々殴られながらも自分の信念を貫いているのだから、次期指導者である自分も頑張らなければと彼女の心の琴線に触れる事には成功した様子です。ただ彼女が女王に格上げされた以上、ハードルはさらに厳しくなった片想いだなあと実感もしたものでした…ゲフッ!

 フランシス…フランシス「レディ・バグ(てんとう虫)だからって女だとは限らない!臭い息で話しかけやがって!」
ナナフシ「辞めろフランシス。子供達が泣いてる。」

まあ、男でもまつ毛が長くて顔立ちが整っていて声を発するその時まで女と見まごう麗人ってごくたまにいるから…(「可愛い猫ね、男の子?」「いえ、女の子ですよ。」「えっ!?(あなたは)男の子なの!?」「いや、だから(この猫は)女の子だと…。」)と現実例もかねて納得してしまいました。人間なら角刈りにするなりマッチョに肉体改造するなりセックスアピールを向上させれば改善できる問題ではあるのですがてんとう虫はどうしようもないよな…と、おそらくこれからもずっと「女」扱いされるであろう彼に同情してしまったものでした。映画中は早々に骨折した為に出番もあまり多くなかった彼。どこまでも報われない扱いには別の意味で哀れにも感じてしまった、そんなキャラクターです…。

 ホッパー…「一匹の反乱を許せば全員の反乱に繋がる。ちっぽけな蟻でも数はこっちの100倍。連中がそこに気づけば俺達は終わりだ。」

それが分かっているのならさらに追い詰めて余計に牙を向かせるような原因を作らなきゃいいのに…(追い詰められれば、られるほどネズミは猫に噛みつくものです。従わせたいのなら鞭だけでなく飴も必要なんですよ。)と必要も無いのに無茶な欲求を通そうとして結果として↑の自分で予言したとおりの事態を招いた顛末には乾いた笑いしか出ませんでした。(そう理解できる頭が有りながらトップに座る人間として一番重要な「現場の声」は聞こえていなかったのね…。)搾取する者は力と恐怖で弱者を支配しなければならない、それが非生産者である彼ら(というよりトップの座に居座っているだけの仕事のできない社畜)の生きる術なのでしょうが、問題はそんな奴にどこまでもイエスマンをやって、ついていけるか(そこまでプライドを捨てられる人間も別の意味で凄いが、決して尊敬は出来ない。)という事でしょうね。映画の展開でもあったように一般的大多数の人間(アリ)が反発昂じて辞表を叩きつけた…もとい革命に走った訳で、ここにバッタの支配社会は崩壊を遂げたのでした…。

ジャパン

2010.12.06
 武論尊先生原作によるタイムスリップ話パート2です。王狼伝とは反対に今度は未来に行っています。裏側の作品紹介によると老婆の逆鱗に触れた為に未来に送り込まれてしまった…とあったのですが、じゃあ怒らせなければそのまま現代の戻れたのでしょうか?「ババア!」と怒鳴りつけたのがまずかったのでしょうか?(ババアも女性なので傷ついたのでしょう。)ともあれ一人も現代に戻れないまま終わってしまったら現代への「警告」にならないじゃないですか!と話が終わった後一人でツッコミを入れてしまいました。話の尻切れトンボぶりな終わり方に今でも納得できない私です。ベルセルクも停滞気味なことですしこっちの続編を描いては頂けないでしょうか、三浦先生?(でもご病気もあるそうですし無理なんだろうなあ…ゲフッ!)

 屋島克二…頭も教養もない極道だから気の利いた言葉は喋れない…と言っている割に「恐怖による統制は独裁っていうんだよ!」「生き抜かずに死んだら立派な意見でも誰にも伝わらないぜ。」等々…気の利いた言葉しゃべってるじゃないですか。舎弟のアキラの話によると組長の目もあったらしく鍛え上げた体はもちろんカリスマ性や行動力もあるおかげでわずかな間に下僕がどんどん増えています。新国家ジャパンの第1代目大統領(首相?)はやっぱり彼になるんでしょうね。

 桂木由香…男が一生懸けても悔いのない女…とそこまで言うほどいい女には思えないのですが…ゲフッ!(むしろただ守られているだけの女では?このギリギリの状況下、足手まといとも言…ゲフゲフ。)屋島さんに裸で迫ったのは汚れても生きることになるのなら、せめて初めては自分に好意を持ったマトモな男に捧げた方がいいと混乱していただけで、決して体をタテに屋島さんを思うまま自分の下僕にしようとかそういう意図ではなかったと信じています。(しかしマントの下は素っ裸って一昔前の変態ですか、由香さん?)最後は「ただ惰性で生きていくより戦って死んだ方がマシ。」と女だてらに死刑囚救出に向かうほど成長はしていましたが、ならもうちょっと鍛えなさいというか、屋島さんに頼ってばかりいないで筋トレから始めるべきではないか等々色々思ってしまいました。彼女のおかげで屋島さんはあんなに苦労しているのに最後まで意思表示がハッキリしない所(「失いたくないの」であって「愛してるの」じゃないのね、という所が…屋島さん哀れ。)も微妙だったり…ゲフッ!

 井口満男、池澤博、丸山直人、高峰葉子…バルセロナを旅行中の高校生(!)4人組。世界を飛び回るレポーター(由香さん)や、外国旅行までする勉強盛りの学生がスペイン語を話せる(現代で撮影していたバルセロナのシンボル聖家族教会が未来で「ああ!」と発見した時には砂に埋もれて朽ちかけていることからここはスペインだということが分かります。)のは、まああり得ない話ではないとして、教養の無いはずの極道の屋島さんや舎弟のアキラがペラペラ言葉が通じているのは何故なのかちょっと気になってしまいました。(弟曰く彼らは拳で語っているんだそうです。)彼らも彼らで成長しましたが、まだまだ発展途上なのでこれからの成長過程も見てみたかったです。

 アキラ…屋島さんの舎弟。リーゼントが落ちた後だと誰だか分かりませんでした。(屋島さんもオールバック→ごついガッツのような髪型になって雰囲気変わったよね…。)屋島さんの恋がうまく進んでおらず死ぬほどの我慢をしているのに対して(由香さんの素っ裸は生殺し以外の何物でもなかったと思う。)1日で葉子さんとイイ仲になっていた(1日でベッドの上でキスまでしている。キス止まりで終わったのかも疑問なシーンである。)のはいくらなんでも早過ぎるだろお前!とツッコミを入れてしまいました。(しかも相手は高校生なんですが…ゴフッ!)屋島さん達救出後、暴走族上がりの彼がバイクに乗っているのに対して屋島さんが何故か馬に乗っているのには(乗れるのも凄い。乗馬経験者?)舎弟として乗る物が逆じゃないか!?とそこでも再度ツッコミを入れてしまいました…ガフッ!

 ゴトウ…砂の野賊イエローの元首領。(現在の首領は屋島さん。)屋島さんに男として負けた(注・殴り合いの話です。)ことで彼の下僕になることを(勝手に)決めた押しかけ舎弟です。馴染みのボス、ファンコの村に屋島さん達を連れていくも国家反逆者のアズマを連れていたことで全員逮捕される羽目を作ってしまいました。(敵に仲間を差し出すのに皆が反発すると思われるので薬を盛るのは全員じゃないといけないとしても差し出すのはアズマ1人だけでいいような気がするんですが…。裏切ったな、ファンコ。)とはいえ状況を説明してくれたりする他、顔も広いみたいですしいて損はない子分にはなるでしょうね。サッカーファンじゃあるまいし顔のペインティングは辞めてほしいと思ってしまいましたが。ゲッフン!

とりかえ・ばや②

2010.12.05
 「小心者の自分がオリジナルでこれをやってしまったら自分で矛盾点を突っ込みまくって自滅必定」(うん、普通に速攻で2人の性別はバレると思います。)と作者コメントにありましたが「少女革命ウテナ」といい「花冠のマドンナ」といい今まで散々オリジナルで男装少女を書いてきた貴女がそれを言いますか!ともツッコミを入れてしまった2巻目でした。「子爵ヴァルモン」と違って2巻完結ではなく連載はまだまだ続いて行く模様で嬉しくも感じたものですが(「子爵~」は主人公達がエゴイスト過ぎて好き嫌いハッキリ別れそうな話でしたからね…。)今後の展開に不穏な物も感じて大焦りもしてしまいました…。

 沙羅双樹の君…石蕗「自分と四の姫との縁談を進めるとは裏切り者!私が四の姫を想っていたことは知っていただろ!?」
沙羅双樹「…いや、話を真面目に聞いてなくて、どの姫だったか?」
石蕗「ふざけるな!それでも親友か!」

縁談を断る事も出来たのにそれもせずに本命の女性を横から奪い取って「親が決めた事だから仕方ないだろ、HAHAHA!」という応対をしては親友から格下げされるのも仕方ないよ(当然です!)と納得してしまったものでした。(そもそも親友の話を真面目に聞いていなくて覚えていないほど関心が薄いって…。それを直に相手に言ってしまうのもどうなのか…ゲフッ!)約束していた睡蓮との縁談もなし崩しに自然消滅させて忘れている(何の罪滅ぼしもせずに放置している)し男として生きている割には友情に薄情な人間だなと今回多少幻滅もしてしまいました。沙羅双樹の「妹」の睡蓮に襲いかかったり「妻」の四の姫に手を出そうとしたりするのは確かに石蕗の中将のやり過ぎですが恨まれるだけの事はしてしまったよねとないがしろに扱われ続けた石蕗の気持ちは多少理解できてしまったものです…ゴフッ!

 睡蓮の尚侍…「男!私に下心を持つ天敵…!」

女装をしていても心はその辺の女より女らしい性根の持ち主でも恋愛の対象は男になりえない理由がここで分かった気がしました。(石蕗の中将は「男」なら襲われる心配がないから友達で済むけど確かに女の敵ではあるからね…ゲフッ!現実のオカマや女装子もセックスの対象は女性だったり恋愛の志向が男だとは限らないのでこの辺はリアルでした。「好きな相手が女性」だという事と「女として生きたい」というのはまた別なのでしょう。)意地でも襲われるものかと几帳の押し合いで押し勝ち硯を投げつけての男らしい応対には(女性らしく裳抜けの空になって逃げたりはしないのね…。)東宮様を軽々と持ち上げられる強力ぶりと合わせてよく男だとバレないものだと改めて皆のおめでたぶりに「…。」と思ってしまったものでした。石蕗との果てしない問答(「そんな初歩的な事から?」)のせいで自分の恋心も自覚してしまった彼。脱・二ートを果たした所で精神的苦痛(初恋の痛み)に耐えかねて再度家に逃げ戻ってしまわないかこれから心配な所です…ゴフッ!

 女一の宮(南天の東宮)…「わしがでしゃばらぬ事でこの国と都が穏やかであるなら、わしは満足じゃ。」

小柄・丸顔ですぐに真っ赤になる(おかげで南天のあだ名がついた)ほど内気で恥ずかしがりのお姫様…だったらしい(過去形)ですが睡蓮の側では物語を読み漁ったり自分のあり方(女東宮という立場を考えて出しゃばらない論)についてペラペラ会話したりすっかりマイペースを保っていました。(むしろウジウジ悩みがちな睡蓮より前向きでコミニケーション能力は高そうです…ゲフッ!)とはいえそれも気心を許せる睡蓮が側にいてくれるから(友達や味方が側にいるのはピンチの時にそいつがまるで役に立たない奴でも普段は気楽に過ごせる)という部分も大きいのかもしれません。(お付きの女官曰く恥ずかしがりの東宮様は自分から他人(睡蓮)に話しかけるのも珍しい事だったらしい。)彼女への恋心を自覚してしまった睡蓮が態度を変えたり、それを東宮様が咎めて却って追い詰めてしまったり今後関係がギクシャクしていかないと良いのですが…ゴフッ!

 四の姫…梅壺「久方ぶりに我が家に帰ってくつろいだらこんなに食べてしまいました。太って帰った私を見て帝がなんとおっしゃいます事か…。」
四の姫「『ずっと里にいるが良い』?(訳・もうお前、宮中に来るな)」

実の妹の四の姫にまで嫌味を言われている辺りどうやら梅壺の女御様は父親に扱いを困らせているだけでなく姉妹間の仲もお悪いご様子です…ゲフッ!(好意的に解釈してくれているのは麗恵殿の女御様だけか。あの性格では無理も無い話ですが…ゴフッ!)ともあれいくら世間の事に疎いお嬢様でも既婚者を姉に持つだけに夫婦であれば夜に何をするのかはしっかりご存じの様子でいくら沙羅双樹に表面つらだけ仲良くされても不安は尽きなかったようでした。「妻の立場にいるから」それが四の姫以外のどんな女でも変わらない「無難な対応」をされているだけで彼女が特別でも何でもない(しょせん愛玩動物や肉親に向けるような「可愛い」止まりで異性として愛されている訳ではない)事はいくら男性経験の無い鈍いお姫様でも察せられたのでしょう。その寂しさにつけこまれて(本命は沙羅双樹としか思えない)石蕗の中将の性欲の処理に使われなければ良いのですが…ガフッ!次巻予告も含めて不安が尽きないままここで物語は続いてしまいます…ゲッフン!

とりかえ・ばや①

2010.12.04
 正しくは「とりかへばや物語」というタイトルで平安中期の作者不明の作品です。家庭の事情(父親の身勝手)で女の子が男装して男社会の中で生活する羽目になったり(「ベルサイユのばら」の主人公・オスカル様を思い出しました。)女の子よりも女らしい男の子がいたり(里中先生の「ミスターレディ」に同じ設定がありましたね…。)ボーイズラブ風味な展開があったり…古今東西、人間の萌えの方向って変わらないようです。「少女革命ウテナ」(男装ボクッ娘物語)を描いていたさいとう先生が気に入るのも思えば納得の内容で漫画化の運びにも頷いてしまった作品でした。

 藤原涼子(沙羅双樹の姫君→君)…帝「お釈迦様が亡くなった時、季節外れに一斉に白い花を開きすぐに散ったという夏椿の名、若く元気なそなたには不似合いだと思わぬか?」
沙羅双樹「お釈迦様の死を悼んで花を咲かせお日様と共に美しい姿のまま沈んでいった、一日の命を精一杯生きる潔さ。美しい生き方と存じます。そう呼ばれるのは誇りです。」

楽器も武術も得意、幼い頃から和歌も漢詩もできた賢く愛らしい若君…父親が「性別をとりかえたや(取り換えたい)のう…。」と嘆くのは当時の女性が賢いのはよくない事とされた時代背景も合わせて納得できますが平安時代の女性の中にも清少納言のように頭が良く、且つ周りと上手くやっていける女性は存在しましたし紫式部のように性格の悪い女でなければ(紫式部は親しい女房相手さえ悪し様に言う、必ず人の欠点を見つける女でした。彼女が気にしているのは周りから見た「自分の」評判だけであり他者への気配りや配慮には決定的に欠けていた。そりゃ嫌われるだろう。)夫婦仲は上手く行かなくても(男からの評価は芳しくなくても)「女」として生きていく事は十二分に可能だと思うのですが…。(清少納言も紫式部もその教養の高さを買われて皇后・定子、中宮・彰子のお気に入りにそれぞれ出世したんですし女であっても賢さは重宝しますよ?)父親がその場限りの誤魔化しに走ってしまった為に人生のスタート地点(成人の儀式)から間違ってしまった2人の姉弟に同情してしまったものでした…。男としての特性が高くても女性として生きていけない事は無いと思うのですが…ね。

 藤原月光(睡蓮の君→姫君)…沙羅双樹「そんなに昼間寝るの?睡蓮が『昼下がりには眠ってしまう花』だから?」
睡蓮「まさか。考え事する時は横になるのが癖だから、つい眠ってしまうだけ。」
沙羅双樹「結局昼寝してんじゃん!」

男と女どちらの成人の儀式を選ぶかと言われればこの子は「女」として成人させるしかないと両親は結論付けていますが「栄誉は思うままの家に生まれた」のならば彼が思うように出世できなくても何も問題は無い父親のメンツは潰れても男のニートの一人位充分に養える)でしょうし、その判断は早計過ぎるとツッコミを入れてしまったものでした。将来は尼にする予定であり「今」はまだかぐや姫もかくあらんというほどの美しい「姫君」で通れていますが(一見何も問題は無いかのように見えますが)14歳だからまだそれで済むもののこの子も第2次性徴期を終えれば声変わりもしてヒゲも生えるし体もごつくなる訳でそれで尼(女の世界)に入れるのもどうなのか(多分一瞬でバレると思うよ。)全然未来を見据えていない両親のその場しのぎの判断に「…。」と言葉を失ってしまいました。沙羅双樹の君のように上手く周りとやっていく事は出来なくても根暗な「男」として生きていく事は可能だったと思うのですが…ね。

 左近衛府中将(石蕗の中将)…石蕗「せっかく生まれてきたのだ。苦労して選んだ1番素晴らしい異性と関係を持ちたい。それのどこが悪い?」
沙羅双樹「で、選びよりすぐる為に何人もの異性にお誘いをかけると、それが男の理屈か。」

いつも冠に石蕗をつけているので「石蕗の中将」という通り名が定着してしまった彼。色好み(惚れっぽい)の割には美女の噂を聞くと文を送りまくるせいで信用のならない浮気男として結局本意を達する事は少ない(酷い時には「こんな男に大事な娘を任せられるか!」と本人に文が届く前に父親に握り潰されて嫌味まで言われてしまう。)損な性分の男です。とはいえ初対面で御簾を突破するのはいくらなんでも無粋過ぎで(これもまた裳抜けの空(源氏物語にも出てくる「空蝉の術」)となって逃げられていました。)しめやかに密やかに恋の出来ない男として女房方にはモテても「高貴な姫君」には敬遠されてしまいがちでしょうね。(元が目立ちたがり屋だからなあ…。)もし本当に沙羅双樹が男で睡蓮が女であっても「やっぱりお前みたいなお調子者には大切な妹は任せられないよ。」(「『美人の噂』以外は何も知らないのによくもそこまで思い込めるな。その気持ちが信用できぬ!」)とお断りされていただろうなと帝の従兄弟という高貴な立場の割に報われてはいない彼に含み笑いが漏れてしまったものでした…ゲフッ!

 右大臣二の姫(梅壺の女御)…梅壺「従姉妹の睡蓮の美貌を褒めそやして私の夫である東宮(皇太子)の新しい妻に、と娘(私)を窮地に追いやることをおっしゃったとか。」
右大臣・角光「そなたは東宮が元服した時にいち早く入内して10年以上経つのにまだ子も無い!そんな性格だから東宮も足が遠のいたのだろう!」
一 の姫「父上、それは…言い過ぎ、でも、ない、かも…。」

「いつも手厳しい面白い子」と麗景殿の女御(一の姫)は短所と長所は紙一重(物は言いよう)と彼女の性格を褒める方向に持って行っていますが、いつもいつも人を悪いようにしか解釈せず気に食わないだけで相手を責めて追い詰めるこんな性格ではそのうち夫だけでなく友達まで無くすよ?と思わずツッコミを入れてしまったものです。夫の寵愛を巡ってのライバルになりそうな睡蓮が気に入らないのはともかく一緒くたに邪魔者扱いされて謀りごとに巻き込まれる沙羅双樹の君はいい迷惑で、入内が嫌なら父親に「どうかそれだけは辞めて下さい」と泣いて頼めば良い物をイヤミばかり言って却って疎ましがられている様には素直で愛敬のある親族の子供の方がまだ可愛げがあると思ってしまうのも仕方ないだろうと実感してしまったものです。結果として自分が大事に扱われないのが「気に食わぬ」ようですが同じ子宝に恵まれなかった娘でも「一の姫は病弱な上にお年で枯れ果てた帝に入内したのだから仕方ない」と言い訳を用意してくれたりこのお父さんも「優しい娘」にはちゃんと気配りを見せています。(「そなたは優しいのに梅壺ときたら…。」by父)愛情って相手への思いやりが無ければ帰って来ないんだから大事に扱われたかったらまず自分が周りに気配りを見せなければ状況は改善されないよとツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

ほのかにパープル

2010.12.03
 「万葉図書館で出会った2人は恋に落ちる。でも不幸になる。」…なんて「オルフェウスの窓」(池田理代子先生によるフィクション物語。その窓から見た女性と宿命的な恋に落ちるが最後は必ず2人共死んでしまうという呪われているとしか思えない伝説の窓)みたいな話だなあ(それでもって義理の兄妹という近親相姦風味はやっぱりさいとう先生らしいです。この頃は血筋的には問題の無い近親相姦関係だったのにね…。)というのが第一印象でした。歴史好きな私としては本編より番外編の天智天皇、大友皇子(手塚治虫の「火の鳥」を読んで以来、妻に裏切られ叔父に滅ぼされた哀れな生き様にすっかり同情し大友皇子派になった。)の短編の方が楽しめてしまった話でもあります。元々さいとう先生が宝塚の「あかねさす紫の花」を見てインスパイアして描かれた話なんだそうで熱のこもりぶり(天智天皇血統のカッコ良さぶり)にも納得できたものでした。

 松尾紫野…お父ちゃま「紫野はまだ19だぞ!親としてまだ学生の無収入の男とセックスしながらただれた同棲生活を送ろうとしているのを見過ごしていられるか!」

以上「娘が不幸になる道」の内訳でした。大学友人達のヒソヒソ話といいご近所中の噂の種になっている様には本人達が開き直って「蛙の顔に水」状態でも家族は辛いだろうな(「お父ちゃまの心配はせえへんの?」by聡)と父親と弟さんに思わず同情もしてしまったものでした。それまで熱を上げていた先輩や、いきなりキスしてきたり家まで後をつけてくる香川君(ストーカーだろ、これ。)に心惹かれずひたすら義兄の晃生さんばかり追ってしまう理由は分かるものの面倒で厄介な恋に足を突っ込んでしまったものだなあと思わず一歩引いた目で見てしまった(「いちゃつくの家の中だけにしてくれる?」by大学友人。←だから周り中の噂になってるんだよ!)恋愛模様でした。バレると指を刺される危険な恋だと分かっているんなら少しは隠せ!(もはやアンタらの仲は脇役にまで知れ渡ってるぞ!)とも紫野に対してツッコミを入れてしまったものです…ゲフッ!

 山科晃生…明子「あたしは18で晃生を産みました。入籍する前に彼が死んで、夢だった体育教師になったとたん子供がいる事で騒がれて教師を辞めた。」

どうりで息子の年齢の割に若いお母さんだと納得しました。ともあれ好きな人に死なれ、子供を抱えながら苦労してきた(のは考え無しに避妊もせずにセックスした自業自得の結果でもありますが…ゲフッ!晃生と紫野が恋愛関係になったのを知ってて再度妊娠(セックス。するなとは言わないがせめて避妊を…。)したり、この女性は「時期を待つ」という事が出来ないようです…ゴフッ!年齢が年齢だけにさっさと産みたい気持ちは分からんでもないですが。)母親の姿を長年見てきただけにお父ちゃまの一言でビックリしてバランス崩して川に落ちて溺れ死んだマヌケな死に様(だから「足元危ないよ」って言ったのに!)には涙も出ない程くやしかったようです。本当の死因は走ったせいじゃなくて今までの心労のせいだ!と晃生さんは言いますが心労が原因なら義理の妹に手を出して心配をかけた君自身が原因なのではともツッコミを入れてしまったり…ガフッ!

 松尾聡…「どうなってんのや、僕ん家は!皆から桃色家族て言われてるんやで!僕が非行に走る条件はもうバッチリや!」

姉と義兄の恋の為に全く関係の無い(唯一家族間で恋愛をせず真面目に生きている)自分まで後ろ指を指され、父親は娘を奪われた悲しみに男泣きに泣いている中で当の紫野(姉)は(弟の自分を使って荷物を運ばせながら)幸せいっぱいに同棲をしており義母に到っては「幸、不幸なんて誰が決めるんです?」と噂などどこ吹く風のしたたかぶり(そりゃいざとなれば家に閉じこもっていられる専業主婦は強いよなあ…ゲフッ!)に「女は嫌いや!」とすっかり女性(恋愛)不信に陥ってしまったらしい弟君でした。最後のシーンでも「こんな図書館の伝説より兄ちゃんの勤めているコンピュータ結婚の方が当てになるぞ」と言っている辺り彼の恋愛不信は未だに続いており、にも関わらず妹の明日香までその不幸な伝説の恋に足を踏み入れている(彼の苦労はまだまだ続く)様には同情もしてしまったものです。せめてこれからの彼の苦労を見る事を無くここで連載が終わったのが唯一の救い…ですかね…ゴフッ!

 額田女王…「あかねさす 紫野ゆき しめのゆき 野守りは見ずや 君が袖ふる」
(現代語訳・そんな風に親しげに袖を振られると周りにいる野守り(目撃者)からあらぬ噂を立てられるので辞めて頂けませんか、君?

と天武天皇を完全否定した歌といい(違うから)天智天皇を想って詠まれた数々の歌といい彼女の本命は兄の天智天皇の方だったと思われます。天智天皇の方も額田女王を自分一人の所有物にし続ける程には愛していた(2人の間に子供こそ成せなかったけれど天武天皇のパターンと違って体に飽きても他の男に差し出したりはしなかった。重臣・中臣鎌足の元に捨てられ…もとい譲られた妻(額田王の姉の)鏡女王よりは愛されていたのだろう…ゲフッ!)事が伺え天智天皇が他の女達に手を出しながら、子供を作りまくりながらも(オイ!)2人はやっぱり「夫婦」ではあった(それでもお別れに到らない程度の絆はあったという事で…ゴフッ!)事を実感した話でした。それもまた一つの愛の形という事で…ガフッ!

 大友皇子…「父上・天智天皇は私に王位にあるものは人に執着し過ぎるなと繰り返し教えられたが、ご自分でもそれを全うしきれなかったのが間違いの元だったな。」

壬申の乱に敗れて死んだ儚い最期(しかも皇子でありながら首チョンパとなって死んでいる無残な最期)からどちらかというと線の細い文化系お坊ちゃん王子様をイメージしていたのですが…なんだかえらい男らしいたくましい皇子様だなあ(初対面で鹿を射抜いてるしな。)と改めて彼に惚れ直してしまったものでした。実力も何もなくただ長男というだけで母親の身分から行けば不相応なのに後継ぎに選ばれた(単なる天智天皇のえこひいき)ではなく血筋的には純潔種ではないけれど見所のある息子だったからこそ慣例を無視しても後継ぎにつけたくなってしまったという解釈がなお嬉しかったです。十市皇女を愛するも彼女には愛されなかった点は同じものの彼女に一生操立てさせるほどの影響力を及ぼした(少なくとも死後も高市皇子に奪われなかった程度には報われた)辺り作者からの愛も感じ救われた感を持てた話でした。

 十市皇女…額田王「このように良い縁談はまたと無いのですよ!」

あるいは大友皇子×十市皇女の縁談には天智天皇の寵愛が離れかけた額田女王が娘婿(第一皇子である大友皇子)の義母となる事で何とか自分の元へ天智天皇を繋ぎ止めたいという思惑もあったのかもしれない(もちろん実の父親である天武天皇が大友皇子側を油断させる為の人質妻としてもはや離婚して一番どうでも良くなった娘を差し出したという経緯もあるのでしょうが…ゲフッ!)等々色々考えてしまいました。とはいえ両親が共に(切実に邪な理由で)GOサインを出している以上、十市皇女本人には断りようがない縁談ではあっただろうなあ(少なくとも本人の意向が無視された事は間違いないだろう…ゴフッ!)と結婚後も未練たらしく高市皇子に想いをかけている様には少し納得がいったものでした。(だけどそれは不倫だからね、十市さん。)それでも大友皇子が死んだ後も最後まで彼の未亡人として生き、死ぬまで彼を裏切らなかったという義理を全うした生き様に共感が持て彼女が描かれた数多の作品の中で唯一嫌悪感を持たずに済んだ「十市皇女」でした。(余談ですが未亡人の本来の意味は「未だ死なない人(本当は夫の後を追って殉死すべき人)」だそうでそれを全うした生き様でしたね。)「ほのかにパープル」本編の話もそうですが恋という自分一人の勝手ばかりに突っ走るのが正しい訳ではないんですよね。

 高市皇子…「幼い頃からずっとあなたを愛していた。だからこれ以上あなたと大友皇子を一緒に見ていたくない。死ぬ方が僕には楽だ。」

十市皇女の死後彼女を悼んで歌まで詠んでいた辺りはよっぽど彼女を愛していたのでしょうが…それはそれとしてアンタ達は異母姉弟なんですけど(天武天皇(叔父)×持統天皇(姪)など血族結婚が盛んで父親が同じでも母親が違えば結婚OKなただれた時代ではありましたが…ゲフッ!)というツッコミからどうも今一つ萌えは感じない2人(勝手に燃え上がるのもほどほどにお願いします。)という私的な感想はこの話においても変わりませんでした。(「火の鳥」作者手塚治虫もこれではあまりに大友皇子が哀れと感じたのか作品では兄妹以外の何物でもない2人の姿が描かれている。)本人も自分で言っている通りこの時代、政略で結婚させられるのは仕方ない時代ですしこの人だってこの後政略結婚をして子供を2人も作っている(彼の息子は聖武天皇時代、かの「長屋王の変」でも有名な長屋王。)訳ですし…まあ諦めたら?と生温かい目で見守ってしまいました…ゴフッ!

4階のミズ桜子

2010.12.02
 「けなげな女は可愛い。でもそのけなげさを表面に出す女はいやらしい。」という後書きになるほどと思ってしまいました。「天上の虹」のワンシーンも出てきたりして同じ人が描いたんだなあ~とちょっと嬉しくなったコミカルワーキングストーリーです。1話ごとに歴史的事項から来るたとえが入っているのにはよくここまで関連づけて描けたなあ、と歴史に詳しいことも含めて感心してしまいました。何故かこの話に出てくる男の人はホモだのゲイだのアブノーマルな人が多くて女性達は苦労していますがその部分も含めて意外性があって楽しかった話でした。ホモが男として男が好きな人(だからオカマの男好きはホモではない。)でゲイが女として男が好きな人(「私、心は女よ!」というタイプがゲイ。)という違いも初めて知ってなかなか興味深かったのも記憶に新しいです。(それでどこからそんな情報を仕入れたんでしょうね、里中先生は…ゲフッ!)

 品川桜子…梅田女史「私…女の子が生まれたら桜子ってつけるの。」
桜子「梅田さん…あ、でも男運の悪い名前かもよ。」
梅田女史「そうね~、ちょっと考え直すわ。」

という会話からも分かる通り、初めての男は二股かけた上にそのどちらも選ばずにいい所のお嬢さんと結婚した最低野郎、次の男はホモで家庭を作る為に女を利用したいと考えているずるい男(愛情よりも世間体の方が大事というわけですか。)と確かに男運はなさそうです。(そんな男に恋している辺り、男を見る目もなさそうだが。)部下の六本木さん、麻布くん、恵比寿くん…などなど彼女の名字もまた地名から取ったのが分かりますが、それにしたって長くて呼び辛い名前だなあ(結婚後はぜひ芝くんの姓に改めて下さい。)と思ってしまいました。「ねえタカちゃん。」と貴乃花のぬいぐるみに語りかけている所が可愛くてぬいぐるみに癒しを求める人の心が分かる気がしました…が、それはそれとしても結婚相手はもっと選んでほしかったです。最終的に芝くんがいい思いしただけのような気がするのは私だけでしょうか?

 芝龍一郎…芝くん「ハネムーンは西海岸?エーゲ海?」
桜子「どっちもホモのメッカね。」

実際、西海岸にはホモップル(レズ)の為にNPO(非営利団体)が作った精子バンクまであるそうです。(本当。)そうやって世間体より一番好きな相手を選んでいる人達を見ると子供が欲しいから女と恋愛するという彼の打算的な考え方には「…。」とちょっと納得できない部分もあったり…します。(女性は子供を作る為の孵卵機じゃありませんし、なによりそんな理由で振られたアニキが哀れです…ゲフッ!)カップル的に作ることができないなら養子をとってもいいし(あくまでも自分の遺伝子にこだわっているのなら)代理母出産という手もあるし色々やりようはあるのに体裁の為に女を選ぶのはどうかと思うのですが…ゴフッ!花園あゆみ(アニキ)といい、天王寺くんといい、そっち系の人々にはモテまくりで本人もホモなのに逆にもったいないなあとも思ってしまいました…ガフッ!

 梅田不二子…梅田女史「私のルビコン河はピンク色の靄がかかっていたというわけね。」
桜子「どうせならバラ色に輝く流れに身を浸してとか言ってよ。」

どっちの表現もどうかと思って笑ってしまいました。下手したら主人公よりも男らしいライバル女性です。すっかり男の理論に目覚めて妻(ヒモ同然の夫)を何の不満もなくむしろ喜んで養っている辺り(普通の女ならあんな甲斐性の無い男とは上手くいかないでしょうな。)こんな女性ならヒモも悪くないかも(オイ!)と頼もしく思ってしまいました。(顔以外何の取り柄もない男を不満ゼロで愛し、心から喜んで養えるのが凄い。)大黒柱として働きながら妊娠期間、出産と女の大変な時期もしっかり経験していて正直その辺の働く女性よりもずっと重いものを背負っていて(男として女として大変な部分をすべて背負い切っている。)その物凄い奉仕精神に主人公よりも好感を持ってしまった女性です。(この人に比べると桜子さんは自分の為のへ理屈が多い。)これからも漢として頑張って下さい、パパ!

 麻呂…天王寺くん「バラ族とバラを無理やり結びつけてバラ特集とはね。」
梅田女史「うらやま…いいえ、許せないわ、桜子め!」
天王寺くん「そうですよね。こんなやり方邪道ですよね。」
梅田女史「よくも私の麻呂のヌードを!」
天王寺くん「…え?」

セリフは多少変えてみました。(変えるな。)梅田さんとの結婚式(お色直しでのウェデイングドレス姿)で初めてご両親に「うちの息子はまさかゲイ!?」と疑われていますがリズという全国で売られている雑誌でオールヌードをさらしていた(そしてその前はホモバーで働いていた。)のに今更そんな程度の事心配をしても遅いだろ!と色々ツッコミを入れてしまいました。モデル時代はオールヌード(帽子に素っ裸はどうかと思いました…ゲフッ!)結婚してからは裸エプロン、となんだか脱いでばっかりの男ですが、梅田女史との既成事実をきっかけに一気に結婚まで持っていく辺りは(当の梅田女史は自分が言ったことさえ何も覚えていなかったのだから「じゃ、そういうことで。」と逃げれば2人はこれで終わっていた。)むしろ騙したのは麻呂の方なのではないかと感じてしまいました。で、でも騙してまで手に入れようとした辺り梅田女史に対して多少の色気はあったというか価値ある女性には映ったんでしょうね。渋谷編集長に「本当にいいのか?」と言われて「何があ?」と微塵も不満に思っていない態度がツボでした…ゴフッ!

 渋谷編集長…渋谷「2人きりの時はもっと自分に正直になっていいんじゃないか?」
桜子(正直に…だったら殴って引っかいて酒かけて火付けてやる。)

上巻の頃の「編集長は俺なのに誰も相談してくれない…。」といじけたり、ビクビクしながら「あの、お茶でも入れようか…?」などなどのいかにも気弱なダメ人間ぽかった頃はまだマシだった(それでも嫌な奴でしたが。)のに出世してから昔の女達を上層部まで巻き込んだ策略でいびり抜いてクビにした様がどうしても許せませんでした。(私が最初に勤めた所でも同じように実権を奪われて自主退社に追い詰められた薹のたった愛人さんがいたので現実にはよくある話なのかもしれませんが。)自分(グレース)が出した企画の揚げ足を取った記事でリズの売り上げを伸ばすやり方が許せない…と言っていましたが結果として同じ会社から出している雑誌が2冊とも売り上げが伸びているんだからいいじゃないですか(しかもリズは安い予算内で売り上げを伸ばしている。)と怒りの理由が分かりませんでした。それなりの立場にいるのに誰もあなたの事を慕わないのは全部自分のせいですよ、と性格の悪さを指摘してあげたくなった最後まで好きになれなかった男でした…ゲフッ!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。