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エイリアン3

2011.11.30
 「観客を驚かせるアイデアが何も浮かばなかった。」「続編を作るのは乗り気でなかった。」とメイキングからネガティブなコメントが止まらない、1より13年を経ての「待望の新作」の割には出来は非常に微妙だった3作目です。(「ヒット作の続編」は前作を見た人の約半数がリピーターとして見に来てくれるそうだから、一定の収益が最初から約束されていた辺り「新作でコケる」よりはダメージが少なかったのでしょうが…。)エイリアン1体との対決という「原点回帰」と言えば聞こえは良いですが、2の完成度と娯楽性に追いつけない故の言い訳でしかない事も私には見て取れ、あんまり面白くなかった最終作でした。「ビショップ達を主人公に4人全員が生還する話は?」「少女ニュート役は大人になっちゃってるし、それって2の焼き直しじゃないか!」「じゃあ、新しい農夫の男を主人公にリプリー達の宇宙船から出てきたエイリアンと戦う話で…」「リプリーの出てこない話なんて『エイリアン』じゃない!」とシナリオからして迷走していたそうなので分からないでもないですけどね…。

 エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)…「ねえ、私と寝てみたい?」

シリーズ1、2とあのエイリアンズと戦って唯一見事に生き残った「戦う女傑」だったのに3で何で急にそんな淫乱な女になってしまったのか(あるいは「プロメテウス」同様、無自覚に性行為を通じて他の相手にもエイリアンを寄生させていたのか?←だったら作中の強姦未遂も完遂させてあげれば良さそうなものだが…ゲフッ!)ともあれクルーの誰かの体にエイリアンが寄生している疑いを映画冒頭から持っているのなら他ならぬ自分に寄生している事にもっと早く気づけよ!(視聴者の我々は序盤から分かっていたよ、そんなこと!)とツッコミを入れてしまったものでした。こうして、リプリー本体は腹にエイリアンを抱えたまま溶鉱炉の露と消えたのですが彼女のクローン生成を通して強引にシリーズは続いて行く事となります…。

 クレメンス医師(チャールズ・ダンス)…「久しぶりにイイ思いをさせて貰ったよ。」

囚人の印である頭のバーコード(ジスマークやエコマークでなくて良かったです。)を印象付ける為にどうしても「濡れ場」が必要だったのか(しかし頭なんだから、わざわざ服を脱がなくてもクローズアップすれば分かりそうなものだが。腕とか胸とか背中とか「服に隠れる部分」なら話は分かるが。)いきなりのピロートーク展開には「…。」としか思えませんでした。(「ストレートだなあ~。」と「お誘い」を苦笑して受け流す紳士に見せかけて「それはこっちにとっても願ったりの展開だし、遠慮無くいただきます!」と結局事を成し遂げている男の性も凄く嫌。)まあ最後を考えれば死ぬ前に良い思いが出来て良かったねという白い目で見ながらの感想は入るのですが…ゲフッ!

 ディロン(チャールズ・S・ダットン)…「どうして、ただ走って逃げるだけの事が出来ないんだ!?」

こっちは2本足、対して今回のエイリアンは宿主(犬)の特性を受け継ぐ性質から4本足の非常に素早い走りを見せてくれる逸品に仕上がっており、強靭な脚力昂じて天井を逆さまに走ったり壁にへばりついたり物凄い一面を見せてくれる(それは犬じゃなくて蜘蛛の特性です!)程なので「追いつかれずに走れ」と言われても無茶があるだろ(「犬と短距離走をして勝て!」って言われても…。)と思わずツッコミを入れてしまいました。強姦されそうだったリプリーを助けてくれたり(しかしアレはアンドリュースの言葉を無視して勝手に刑務所内を動き回り、わざわざ男達を「挑発」するような行動を取ったリプリーの方に非があると思う。)いい奴だったのですが結局「現場」を分かりきってはいなかったのだろうな、と実感せざるをえなかった囚人達のリーダー格でした…。

 マイケル・ビショップ(ランス・ヘンリクセン)…アンドロイド・ビショップの開発者(自分をモデルにロボを作るなんて、どんだけナルシストだったのだろう…?最も誰からも肖像権の侵害で訴えられなくて済むという経済的な事情はあったのかもしれないが。)でありウェイランド社の社員ですが、ヒューマノイド(いい奴)の方と違って腹の中ではやっぱりエイリアンを持ち帰る(そして軍事利用する)ことしか考えていない嫌な奴でした。目的は分かりますが、だったら2で散々持ち帰りに反対していたリプリー(「テイクアウトの為じゃなくて『絶滅させる』のよね。それなら行くわ。」byエイリアン2)にベラベラ喋ってしまうのではなくて最後まで秘密にしておくべきだったろと反対意見昂じてエイリアン・クイーンごとリプリーに自殺されてしまった最後には呆れて物も言えませんでした。途中までは上手く行っていたのに詰めを誤ってしまったな(そういう腹の内は最後まで偽るべきというか覆い隠して下さい。)とツッコミしか入らなかった、そんな開発者でした…。
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エイリアン4

2011.11.29
 原題は「エイリアン・リザレクション」、その名の通り3で死んだはずのリプリー、そしてエイリアンシリーズが「復活」した話です。時代は3の更に200年後という設定なのですがどんなにテクノロジーが発達しても扱うのがいい加減な人間では滅茶苦茶になってしまうという東日本大震災→原発事故のような「笑えないコメディ」の様相を呈している様には却って面白味すら感じてしまった新作でした。作られたのが現代(エイリアン1公開当時のブラウン管テレビ時代とは違う。)という事もありエイリアンによる人体破壊や臓物露出(CG)など画面はシリーズ中最もグロテスクに仕上がっており、「今度のエイリアンは泳ぐ」という宣伝の元にヒットした秀作です。

 リプリー8号(シガニー・ウィーバー)…「生き残る為には誰とファック(フォーク)すればいいのかしら?」

言わずと知れたシリーズを通しての主人公…ですが本体は200年前に死んでおり(エイリアンに腹をブチ破られた挙句に溶鉱炉にダイブすれば、そりゃ助からないだろう。)今作では手に刺さったナイフを溶かす程の強酸性の血液を持ち、手錠を引き千切る怪力を持ち、背後へのロングシュートを決める(NG無しの1テイクで決めた本物のシュートであり、入った時には現場スタッフが思わず拍手喝采、編集ではヒートアップした現場の空気を隠すのに大変だったそうです。)という全くの「別人」の姿を見せてくれます。ラストではオリジナルでさえ果たせなかった「地球への帰還」まで果たしている彼女でしたが、ジョナー曰く「地球は掃き溜め。あんな所に行く位ならオーリガ(宇宙船)の方がマシ。」(この時代の地球は既に荒廃し人類の多くはこの地を去っている。)だそうで、せっかく帰ってきた所がそんな場所ですか…と思わず悲しくなってしまった時代設定でもありました…。

 アナリー・コール(ウィノナ・ライダー)…リプリー「最新型ヒューマノイドがアホ型?」

本作品のもう一人のヒロインであり、リプリー達を安全地帯に連れて行ってくれるなかなかいい人です。が、その正体は実は人間ではなく銃で撃たれても大丈夫なアンドロイドでした。しかも今までのアンドロイド(船の仲間達を犠牲にしてでもエイリアンを連れ帰る事を考える人類の敵)とは真逆に、人類を守る為にエイリアンを地球に乗りこませないようにしようとして船に乗り込んだという素晴らしい人格にはもう拍手するしかありませんでした。(どうしちゃったんだ、今回のヒューマノイドは!?)船のファザーコンピューターをハッキングして敵方の進行を止めたり使えるキャラクターぶりには頭が下がったものです…。

 リプリー7号(シガニー・ウィーバー)…「お願い…殺して。」

エイリアンと人間の遺伝子が(何故か)融合してしまったせいで、8回目で上手い事エイリアン・クイーンと人間リプリーが「別個体」として再生できた「奇跡に近い偶然」が起きるまで、できたのは体の半分がエイリアン化した7号達のような奇形体ばかり、「でもまあ、出来ちゃった以上はもったいないから取っておくか。」という研究者達のアバウトな姿勢(「クイーンが摘出できましたが、リプリーの方はどうします?」「…縫合するか。」byオープニング)から、臓器を抜き取られた挙句に生命維持装置にくくりつけられて苦しみ続けていた(生かしておかれたとはいえ、人としては扱われていない)哀れな1~7号です。フランケンシュタインのように科学者のエゴで生み出された「化け物」を同じクローンであるリプリーが焼き殺すとは切ない場面だと悲しみを感じてしまったシーンでもありました…。

 ニューボーン・エイリアン…ジョナサン「見ろ、君を『母親』だと思っている。」

ただしリプリー以外の他の人間は全員敵だと思っており、「産みの親」であるエイリアン・クイーンですらブチ殺しているその「息子」の内容には母親と慕われても気持ちは複雑だろうと思ってしまいました。3の冒頭でニュートがあっけなく死んだ事でリプリーはこれで2度も「子供」を失っており、そこに自分を母親と慕う「3人目の子供」が現れた事に心は揺れた(そしてあの7体のクローン(自分)の姿を見れば自分達にこんな扱いをする人類を見限ってこの新しい「子供」と共に生きる選択も考えられた)でしょうがこの「子供」がこれから到着する地球(人間の世界)でマトモに生きていけるはずもないですし、今この場で苦しみも何も知ることの無いまま死んだ方が幸せだろう(それならばせめて自分の手で…!)と涙ながらに殺したリプリー、悲しみと疑問を目にたたえたエイリアンの最期(どうして!?何故、ボクを殺すの!?お母さん!)には思わず涙したものでした。手なづければ本当に有能な「兵器」にはなったでしょうが「道具」として使われるに過ぎない事もリプリーには見えていたのでしょうね…。

絶対可憐チルドレン①②

2011.11.20
 「婚約指輪が相手のお母さんの中古品だったことにショックを受けた。」事に関する賛否両論が今朝の新聞に載っていました。賛成派曰く「この『母の形見なんです。』風習はヨーロッパでは息子の嫁に対しての最高級の歓迎を意味している。」「かのダイアナ妃もチャールズ王子にこの手法でプロポーズされている。(そしてダイアナ妃は受け取っている。)」とあり、ありがたく受け取るべきだと言っているのですがそのダイアナ妃が貰った指輪が億の単位の価値があるものだと本当に分かって言っていますか?(あまりに価値が高すぎて値がつかないほどの逸品なのである。その辺の0、5カラットの指輪レベルの話とはそもそも次元が違う。)他のヨーロッパ人にしたって先祖がダイヤモンドの値が低い時代に一財産出して買った指輪なのですからそれなりに価値のある逸品であることには違いなく「歓迎しているからこそ、これだけの財産を貴女に贈りますよ。」という意味合いがこめられているのであって問題点が違うような気がしてならないのは私だけでしょうか?(そもそも日本にはこの風習が伝わったこと自体が遅く歴史が浅い=母の形見の指輪も大して値段的価値の無いものばかりなのだから軽く見られてしまっても致仕方ないような気が…。思い出が詰まっていると言っても1代や2代程度の100年未満の歴史をありがたがれと言うのは結構無茶。)

 現在婚約指輪の平均値段は給料3カ月分(はるか昔にやってたCMで「給料の3カ月分です。」と指輪を贈ることでプロポーズの意志を示した男の姿を描いたことで婚約指輪=給料3か月分の値段という図式が定着した。今は見るも無残に崩れたが。)を大きく下回る約36万円だそうです。一生に1度の買い物さえもお母さんのお下がりをあてがわれてケチられたら…そりゃ女として怒るのは当然じゃないでしょうか?(そしてわざわざお母さんにおねだりして指輪を譲ってもらう男というのもマザコン臭くて微妙に思える。)それがダイアナ妃のように数億の価値があるものだったらお下がりだろうが中古品だろうがありがたく受け取るでしょうが、それは0、5カラットの安物の指輪なのです。昨今の不景気事情は分かりますが、せめて結婚の証の指輪位自分の為に高い買い物をしてくれる(新品を買ってくれる。)という心意気が欲しいじゃないですか。それが無理なら同じお母さんにおねだりする方向でもお母さんからお金を借りて「彼が自分で選んでくれた指輪」を贈られた方が…たとえ安物でも真心を感じて嬉しいものですけれども…。(「母のお下がり」というより「そこにあるもので済ませてしまおう」みたいな面倒臭がった男の気持ちにむしろショックを受けたのでは…?)問題は風習じゃなくて愛情と心意気の問題だよねとひしひしと思ってしまいました…ゲフッ!



 椎名先生の3年ぶりの連載作品です。「才能豊かで魅力的だがワガママな女とそれに振り回されるお人好しの男」というGS美神にも通じる椎名漫画の特色を色濃く出しており、久しぶりにヒットした作品(禁句)でもあります。解説に才能や個性という「型にはまらない何か」は大人になって初めて欠点から長所に変わる(それまでの子供時代は難儀さに苦しむ。)とありましたがその才能や個性が評価されるのは金を稼げる仕事に昇華できる場合だけだという水戸先生(BL作家)の言葉も思い出して複雑な気持ちにもなりました。所詮人間って現金なんですよね…ゲフッ!

 「あたし達は天使じゃない」…桐壺帝三(桐壺の更衣。光源氏の生母。病弱が災いして源氏が幼い頃に亡くなってしまう。しかし「チルドレン」の桐壺さんは病弱どころかかなり健康な肉体派である。)
 柏木朧(柏木→源氏の正妻その3・三の宮を寝取った男。そのことがバレてストレスで衰弱死することになった。朧→源氏の愛人・朧月夜の君。帝の寵愛深い尚侍(側室)である彼女との不倫が発覚した為に源氏は都を追われ須磨に流される羽目になった。ある意味主人公の運命を狂わせた人。)
 明石薫(明石→須磨で作った愛人・明石の君。公式に源氏の子供を産んで生き残ったただ一人の女性でもある。薫→柏木×三の宮の間に生まれた不義の子・薫の君。何故か彼からはいい薫りがするという生まれながらの不思議な魅力(能力?)がある。)
 野上葵(源氏の正妻その1・葵の上。源氏の嫡男・夕霧を産むも愛人の生き霊に取り殺されてしまう。)
 三宮紫穂(紫穂→葵の上が死んだことで正妻の座を手にした源氏の生涯の寵姫・紫の上。三宮→皇女の身分から紫の上を押しのけて正妻となった女三の宮。)
…等々キャラクターの名前は絶対に源氏物語から取ってるでしょう!?と思わずネーミングにツッコミを入れてしまったのは私だけではないでしょうね。(ここまで符合するのは偶然とは思えない。)その後はどんなネーミングが出てくるのか別の意味での楽しみも見つけてしまいました…ゲフッ!

 「明日のチルドレン」…超能力など普通の生活の中では迷惑な脅威でしかないとチルドレンを溺愛している局長がそう言ったことに驚いた話です。「才能」と引き換えに義務教育も受けられないなど彼らが背負った重さも見えて複雑に感じたものでした。(コメディなのにテーマが深い…。)「率直な感想を言え!」については子供だからギャグで済んでいるけど大人になってからそれをやってしまったら逆セクハラでしょうともツッコミを入れてしまったり…ゲフッ!

 「未来は踊る」…伊仇号中尉の伊はイルカの伊かと思いきやイルカの漢字は海豚なので騙されてはいけない呼び名です。(いや皆それ位知ってるよ。トリックにハマりそうになって慌てて辞書引いたのは私だけさ!)今回の「普通の人々」の格好は「渡る世間は鬼ばかり」のパロディらしいです。(読んだことありませんが。)防弾チョッキは弾丸ははじいてもナイフは貫通するとかぐるぐる回ってバターになるちびくろサンボ(今では差別用語に入るとしてこのタイトルではなくなったらしい。)の話など何気にトリビアが満載で先生、物知りだなあ~と感服した話です。短期集中連載はこれにて終了2巻以降は1年を経てから連載開始になったそうで薫は本当に破壊の女王になるのかそこを書くまで連載は打ち切られずに続くのか、などなど読んでいても危機感を感じる先生のコメントが載っていました。最も実際は大好評を博した上アニメ化もされ全然心配いらなかったですが…。

 「読切版・絶対可憐チルドレン」…テロリスト「普通の人々」の格好にサザエさんじゃないか!(ちゃんとカツオと波平もいる。マスオさんやワカメちゃんはどうした?)とツッコミを入れてしまったのは私だけではないでしょうね。ここに至り皆本の名前も源氏物語から取った(水元光→光源氏。女にモテモテの作品の主人公。源の訓読みは「みなもと」。)事にもようやく気づいた私でした。(遅いから。)アンチアンチエスパーという設定については普段あんまりな扱いを受けているだけに特別な事項が付いているということがかなり嬉しかったのですが…削除されてしまったんですね。普通人としてこれからも彼が受けるであろう受難(女難?)にこれからも同情していきたいと思います…ゲフッ!

 「天使で悪魔」…繰り返された「第1話」。とはいえ前と同じものにするわけにもいかず54ページという大枚を描くも皆本に焦点を当てたり心停止というディープな内容を入れてしまったせいもあり詰め込み過ぎとの批評も受けたそうです。(短期連載から1年も経った後でキャラクターを知らない人は特に。)プレコグの機械については映画マイノりティリポート(殺人をするという予知を受けた主人公が今までに予知が外れた数少ない事例(マイノりティリポート)を探し未来は予定通りには進まないことを証明しようとする話。)と似てるなあと思いつつも人数の多さにビックリしたシステムでした。自分の力で心臓を停止させる展開といい内容が濃いなあと感心した話です。

 「姿なき保護者」…保護者というより監視者では?と思ったら俄然本気の親馬鹿保護者がしっかり存在していてタイトルに納得してしまいました。(局長、あんたって人は最高だよ…。)
 花井ちさと→花散里(容姿は中の下レベルだがどんなに主人公の立場が悪くなっても変わらず慕い続けてくれているという男にとって非情に都合のいい光源氏の恋人。ちさとさんの方もブス呼ばわりされて冷たくされていながらも将を庇っている辺り気持ちは変わっていないご様子。)
 東野将→頭の中将(光源氏との権力争いに負けて第一線からは外れてしまったライバル。娘の縁談など自分の思う通りに行かないことでイライラすることが多い。)というネーミングにやっぱりキャラの名前は源氏物語から取っているんだと改めて実感した話です。

 「触る大捜査線」…タイトル「踊る大捜査線」のパロディじゃないですか!この世のどこにも存在しない警察の想像図(by薫)と共に笑ってしまいました。サイコメトリーで有名な漫画「サイコメトラーEiji」では直接触らなければ読むことができないという主人公の能力設定よりビニールごしでも必要な情報がハッキリ引き出せる紫穂の能力にはさすがLv7だと脱帽してしまいました。(しかもEijiでは読める内容が被害者の恐怖心が大半で事件の犯人など核心に近づくのには苦労していたので。)ところで、そんな紫穂の髪形がキラキラサラサラ→モコモコに変わってしまったことにショックを覚えたのは私だけじゃないですよね…?(前の方が良かったなあ…。)

 「長距離瞬間移動能力者の孤独」…てっきり「成績優秀な参謀役」は紫穂の立ち位置かと思いきや実は葵が一番真面目だというのに驚いた(と同時にちょっと嬉しかった。)話です。いきなりお茶の間で超能力戦が勃発する皆本家。相も変わらずご愁傷様です。(オイ!)普段は他の二人のキャラの濃さに後ろに引き気味ですが(禁句)今回は能力面で恐ろしいほどの存在感を出してくれました。(マッハ5って!)3人の中では1番普通の感覚を持っていて(そして1番の常識人であるが故にあの2人と一緒にいるといつも貧乏くじを引く羽目になっているように見える…ゲフッ!)私はこの子が一番好きです。

 「あたしンち」…同じタイトルの漫画がこの世にありますよね。(読んだことないですが。)あの積極性と好奇心の強さから薫は絶対一人っ子じゃないと睨んでいましたが(大抵の兄弟って静と動に別れて1番目は大人しめに育つものなので。)やはり姉がいたんですね。成熟した女性の美しさを持つ母とグラビアイドルの姉(金払わなきゃ!)より薫のオヤジ臭さのルーツが分かりましたが、いつもあんな騒ぎを起こされて住居も転々としなきゃならないなんて(いくら金の入る仕事についているとはいえ)家族は大変だろうなと同情してしまいました。仕事を離れる時もどんな口実を使っているのだろうとちょっと気になってしまった回です。
 ところで母・江、姉・美という名前はもしかして秋好中宮(愛人・六条の御息所から託された源氏の養女。母・六条さんの「あの子にだけは手を出さないで…!」という遺言もあり光源氏はちょっといいなあと思いつつ最後まで手を出すことはなかった。)から取ったのでしょうか?

 「普通の敵」…チッ!今回からパロディネタは封印されたのか…と「普通の人々」の普通の格好に舌打ちしたのは私だけではないでしょうね。3巻オマケ漫画によるとこの時皆本が受けた拷問はおばはんとの世間話のみだったそうで特に怪我はしてなかったようです。(だから1週間で治ったのね。)「普通の人々」は元々負け犬で価値の無い人間(私にも痛いセリフですよ、皆本さん…。)だと皆本さんも言っていますがその負け犬根性から来る妬みが世の中では1番怖い物なんですよね。テロ行為を行っている辺り既に「普通」の領域から思いっきりはみ出してますよというツッコミと共に「普通の人々」に対して色々考えてしまいました。

 余談…オマケ漫画の速攻で王子様を殺害した人魚姫やデビルマンのパロディ(「鬼(悪魔)はお前らだーっ!」)が秀逸で大いに笑ったと同時にこの童話ネタシリーズがいつまで続けられるかちょっと心配になってしまいました…ゲフッ!

ベルセルク④

2011.11.17
 おどろおどろしい主人公の少年時代も終了し、以後は物語の要ともなる青年時代編に突入する事になります。(に、したってまさか「過去編」で10冊以上かかるとは…現在に比べると段違いに内容が濃くて面白かったとはいえ、じっくりと描かれたな。)こうして見ると随分と絵柄が変わったな…と実感すると共に、親が死んでいきなり4年後、鷹の団に入って3年後(という事は現在の彼は15→18才か。)と恐るべきスピードで年月が経って行く様に度肝を抜かれたものでした。(船旅だけで何冊もかかる「今」とは比べ物にならんな…。)

 ガッツ…ガンビーノ「一つ、いいこと教えてやるぜ。お前が初斬した夜の事…ドノバンはお前を買ったのさ、銀貨3枚で。この俺からな!」
ガッツ「嘘だ…どうして?」
ガンビーノ「どうして?鬱陶しかったからだよ、てめえが!シスを殺したてめえが、俺に犬っころみてえに懐いてくるのがな!」

ガッツにとっては自分を拾い育ててくれたガンビーノは、どんなに酷薄であっても唯一、愛情の対象(親)となる人間だったのですが、ガンビーノにとっては妻・シスが死産した自分の子の身代り(彼女のおもり代わり。)で、鼻の傷への傷薬も子供相手につい本気で剣を振るって怪我をさせた罪悪感を誤魔化す為(「ちょっと大人気ねーんじゃねえの、ガンビーノさんよ。」by仲間達)、ガッツが持ってくる金を受け取りながらも本心では年端の行かない幼子を変態男に売り渡すほど嫌っていた(ドノバンが「嘘をついて自分を騙した」だけで、「何も知らないガンビーノ」は自分を裏切っていない、だったらまだ救いは持てたのだが、現実は何処までも残酷だった。)というのは…悲しい結末です。しかし養父を殺してしまっても「同胞殺しは縛り首」という掟の中で傭兵団から(無事ではないが)逃げ出し、狼達に食われる事もなく、行き倒れた先でも超都合良く別の傭兵団に拾われる、どこまでも悪運の強い彼の物語は、まだまだ続いて行きます…。

 キャスカ…コルカス「一体どういうつもりなんだグリフィス?あんな野郎助けちまってよ。」
グリフィス「それよりも、問題点は誰がマッチョな男と素っ裸同士で添い寝するという寒さ爆発の役目を担うのかという事だ…。」
一同「…ウゲエェ!」
グリフィス「…じゃあ1番絵になることだし、キャスカ、お前やれ!」
キャスカ「イヤアァァ!」

というやりとりが絶対にあったに違いないと思われる(そりゃ原因人物を殴りたくもなるでしょうね。)本作品のヒロインです。登場早々ロクでもない上司(グリフィス)の命令でセクハラ&パワハラを強要され、しかし恋する女心として「愛する彼」を恨む事が出来ない彼女は振り上げた拳をそのまま「彼に特別扱いされているガッツ」に振り下ろし、結果として2人は入団時から犬猿の仲になり果てた様子です。(この2人が「本当に仲悪い」のは、色々な意味で「グリフィスが原因」だと思うぞ。)オマケにガッツの入団でそれまで鷹の団実力ナンバーワン(たとえ「恋人」にはなれなくても、「剣」という道具ではあっても、それでも「あの人の一番の立場」は自分の物だった。)まで横から奪われ、心中複雑な物はあり余った事でしょうね。という訳で、彼女が偏見を無くしてガッツをちゃんとした「一人の男」として見るのは、まだまだ先の話になるのでした…。

 ジュドー…「殴られるのも無理もないさ。キャスカの奴は女を捨ててずっと1傭兵としてやってきたのに『男を温めるのは女の役目だ』ってあんたと添い寝させられたんだぜ。」
   シュッ(ナイフ投げ)
コルカス「なんてことしやがるジュドォ!やつ当たりすんじゃねえ!」

この頃からキャスカに惚れていたジュドーとしては彼女が他の男と2晩も裸で過ごされたことが面白くなかった(それなら代わってあげて下さい。)ようですが、やつ当たりで風呂桶壊されたコルカスにしては迷惑な話だったでしょうね。それでも、それを根に持つ事もなく、むしろガッツが鷹の団に馴染めるように積極的に話しかけ、果ては彼とキャスカとの恋のキューピッドの役割まで果たす(君が自分で口説いちまえよ…!)なんてどんだけ、いい奴なんだ、君は…!と読み返して改めて実感してしまった登場人物です。ガッツが入団する前、そして彼がいなくなって1年の間と、いくらでもチャンスはあったでしょうに、思えば性格が「いい奴」過ぎるのが敗因だったのでしょうね…。

 グリフィス…「お前が欲しいんだ、ガッツ。」

爽やかな顔でなんてこと言うかコイツ!と思わず度肝を抜かれた「スカウト」の様であり、ドノバン、フレディ・マーキュリー似の城主(「どうだ?お前、正式に儂に仕えてみんか?給料も今までの3倍、何なら士分(騎士見習い)に取り立ててやっても良いぞ。」「俺に触るんじゃねえ!」←「考えてみれば当たり前さ。貧乏な平民を救ってやろうなんて酔狂な貴族がいる訳ない。そいつは始めから『それ』が目的だったんだ!」byキャスカ)と数多の男達に肉体を狙われてきたガッツ(そして当時の時代背景)としてもドン引きしていた入団のお誘いでした。とはいえキャスカもコルカスもジュドーもピピンも皆「私も一緒に連れて行って!」と、お願いして鷹の団に入ったのに、何であいつだけグリフィスの方が頭下げてまでの特別扱いなんだ(頭、下げてないけど。ケンカの挙句に肩の関節を外しての力づくでの強制入団だったけれど。)とキャスカとしては、またわだかまりが残った様子です…。

もっと知りたい!お江と戦国の女達

2011.11.16
 今朝の新聞の1面にイレッサ副作用死で死んだ患者の遺族が国と製薬会社に損害賠償7700万円を求めた請求が棄却されるという逆転敗訴の記事が載っていました。イレッサというのはがんの治療薬として世界に先駆けて輸入を承認した(というと聞こえはいいが実際は「新薬を早く使えるようにしろ!承認しろ!」という人権団体にいい所を見せようとろくに薬を調べないまま承認してしまったというのが真相のような気がする。普通は承認要請から数年かかって輸入にこぎつける所をわずか5カ月余りで輸入承認されたのは異例。)薬なのですが他のがん治療薬と同じく髪が抜ける、強烈な吐き気、手足症候群などの「副作用」はやっぱり健在で恒例の副作用死の一つ、間質性肺炎→肺線維症が原因で患者さんがお亡くなりになってしまったことに遺族が納得できずに裁判沙汰になってしまったという事件です。

 怪我をしてそれが治る時皮膚がケロイド状になるというか固くなりますよね。これが肺で起こるのが間質性肺炎です。それが肺全域にまで広がってしまったのが肺線維症といいます。肺のほとんどが固くなってしまったら空気を吸い込む為に「動く」臓器である肺は上手く動きません。当然呼吸困難で死んでしまいます…と、これが副作用死・肺線維症の経緯です。イレッサを使うと(というか他のがん治療薬でも同じことが言えるのですが)これが起きやすくなります。なのでアメリカでは毎週肺の写真を撮り、少しでも異常があったら直ちに薬を使うのを辞めているそうです。(初期の間質性肺炎だったら充分助かるので。効果が無い薬ではないので現在でも世界各国で使われている。問題は使い方なのだ。)しかし日本では写真など取らずに文字通り死ぬまで投薬しているのですから異常に副作用死の死亡率が高いという現象が起きてしまっています。

 それというのもイレッサは1mg6万4千円。(1回分2mgで12万8千円。)1周目、2週目打って3週目お休みというクールで繰り返すのですが、それでも1か月38万4千円という病院側にとっては非常に美味しい収入源となっているからです。(患者さんにしたって3割負担とはいえ毎11万5千2百円という出費が出る。)患者さんが何も知らないのをいいことに死ぬまで搾り取る体制を作っている病院がほとんどで、これは薬の問題(国と製薬会社の問題)というより投薬方式を何も考えずに与えている医者に問題があると思うのですが…。

 とはいえネットも普及したこの情報社会で、近藤勇先生が(自身の医者としての出世を棒に振ってまで)書いた「患者よ、がんと闘うな」シリーズまで出版されたこの日本で調べようと思えばいくらでも調べられるこの現代新薬という美味しい話に飛び付いて何も調べようとしなかった遺族にも問題はあったとは思うのですが…。(個人的にはね文字通り命がかかった問題なのに何故他力本願にできるのかなという積極性の無さが引っかかるんです。大切な人が病気で救いたいと願うなら医者や薬任せにするだけじゃなく自分でも病気や薬に関して可能な限り調べるものではないんですか?)

 2面に「『添付文書に基づいて投与を決定するのはがんの専門医だ。』と医師の責任の重さを強調した。」と問題は医者にあったという真理が書かれていましたが(それ、1面で書いて下さい。)そもそも日本にはがんの専門医がいない(手術をした外科医や、外来をやっている内科医が診ている。彼らは「専門医」ではないのです。)ので、それではどこにも責任の持っていきようが無いじゃないか、とげんなりしてしまいました…ゲフッ!(製薬会社の皆さんも説明文に一言「副作用によって死亡する危険性がある」とさえ書いていれば「予め了承していたはずだ。」と訴えられることは無かったと思われるので。1番の問題は医者の投与の仕方だったんだし。)

 がん治療薬の副作用その他については15日の記事にて、という事で今から書いてきます。(今からかい!)



 大河ドラマ「江」の関連本です。以前にもまとめたのですがまとめきれなかったので今回は江と同世代の方々を中心にまとめてみました。そんな訳で娘世代編です。(正確には娘達の結婚とその相手編です。1部同世代どころか親子並に年の離れたカップルもいますが、関連人物ということで…。)

 江…17歳・初婚の秀忠に嫁ぐ時、彼女は23歳となっており上手くいけば姉さん女房として秀忠を御すること、ゆくゆくは徳川家を上手く支配することも可能なのではないかという秀吉の計算はともかく、彼女は流されるままに受け身に生きる女性なので(同じく真面目君の秀忠とはウマが合ったらしく、将軍職という最高位の地位にありながら側室は2人しか入らなかった。家康の妻の数、後の大奥に連なる将軍達の妻の数を思うと驚嘆すべき数字である。)そうそう上手くは進みませんでした。(これが気の強い茶々だったら話は違ったかもしれないけどね…。)関ヶ原の戦いでも彼女は何もしてません。(夫の秀忠は上田城を陥落せんと真田昌幸と対決し大変な目にあっていたのだが、それと彼女とは無関係。)秀忠との夫婦関係は良好で子宝(2男5女)にも恵まれ、徳川の天下になったことで国のトップレディーにもなり…子供に恵まれなかった初やトップの座から転げ落ちた茶々を見ると3姉妹中1番苦労知らずに幸せに生きた女性のような気がしてなりません。ドラマ要素は確かに少ないけれどそんなもの無い方が幸せな人生ではあるのかもね…ゲフッ!

 徳川秀忠…家康の長男・松平信康が信長の命で母共々切腹させられ、次男・秀康が秀吉の養子に出された(そして後に結城家の養子に出される。)為に3男にも関わらず「嫡男」となった数奇な運命を持った人。関ヶ原の戦いでは真田昌幸に翻弄され上田城を陥落できないまま放置して家康の元に駆けつけた(しかも戦が始まった後になってからの遅参。)という大失態を犯し将軍就任後も実権は父・家康が握ったままという何とも情けない有様でしたが、そんな地味系・文化系のおとなしい人柄だったからこそ家康とは上手くいったとも言えるでしょうか?(これが松平信康とかのアクティブ系だったら家康と衝突しそうな気がする。)また一生何もしなかったわけでもなく3人の弟達を尾張、紀州、水戸に配置して徳川御三家を作ったり娘の和子(まさこ)を天皇に嫁がせて朝廷と縁を結んだり大名統制を強化して福島正則、本多正純といった有力者を改易させたり(反乱の芽を摘んだ。)真面目ならではの着実な政策で徳川の権力基盤を築いた人ではあります。父の家康と比べるとどうしても地味というか見劣リしてしまう人物ではありますが…ゲフッ!

 初…姉は秀吉の側室、妹は家康の嫡男の正室という絶大な権力者を身内に持った女性。京極高次の急速な出世の裏には秀吉の寵愛を独占していた姉・茶々への彼女の働きかけがあったおかげと言われています。高次との間には子供は生まれず側室の子・忠高と、養女に貰いうけた江の娘・初姫を結婚させて繁栄を狙いましたが、時代が徳川の世に変わったおかげでこの作戦が大ヒット。徳川家の姻戚となった京極家はさらなる信頼を受けて大阪冬の陣では講和仲介や工事奉行など重要な役割を任されたのでした。それもこれも初が血縁関係を利用して夫の出世を盛り立ててくれたおかげ…考えてみると高次はいい奥さんを貰ったなあと実感してしまいました。

 京極高次…母親が浅井久政の娘(長政の姉か妹)で初の父方の従姉弟に当たる人です。京極家は宇多天皇の子孫・宇多源氏の一派、佐々木氏の末裔という名門なのですが、高次誕生当時は浅井氏の下克上によって領地・近江の支配権を奪われており没落状態という有様でした。少年時代は織田家への人質として送られ信長に仕えていましたが(信長に従ったことで京極家は何とか滅亡だけは免れた。)本能寺の変で謀反の首謀者・明智光秀についてしまった為に追われる身に。(名門再興の志はあったものの時勢を読む能力には欠けていた人らしい。)柴田勝家に匿われるもその勝家も秀吉に敗北しこれで人生終わりかと思いきや妹・竜子(秀吉が遠征時に必ず連れ歩いた程のお気に入りの側室。)の助命嘆願により許されてしまいました。妻にした初も秀吉の寵愛を欲しいままにした茶々の妹だった為に出世に出世を重ねて6万石の大名に。(九州攻め、小田原攻めなどで活躍はしたがこの出世ぶりは明らかに軍功を超えている。)厳しい戦国を生き抜いた苦労人であることは間違いないのですが女運だけは物凄く良かった人のようです。(おかげで影では蛍大名と呼ばれバカにされている。)こうして没落した京極家は彼のおかげで華麗な復活を果たしたのでした…ゲフッ!

 茶々(淀殿)…戦国一と言われたお市の美貌を受け継いでおり、秀吉の彼女への寵愛ぶりは正室のおねすらも凌ぐほどだったと言われています。そんな相手に子供が生まれたらもうメロメロ…となるのは分かるのですが実は秀吉は子供の頃にかかった熱病のせいで子種が無かったという説があり(考えてみれば何人も側室がいるのに、他の妻達が誰一人として子供ができなかったのはおかしい話である。)鶴松も秀頼も他の男と密通して作った子供らしいとか…ゲフッ!(大野治長との密通説が当時から流れている。)真相は藪の中ですが父母と兄を殺した年増の不細工男に対して真実愛情が芽生えるかはかなり微妙な話であり、権力志向の強い彼女の体を張った復讐だったとしても納得はいってしまうような…ゴフッ!ともあれ秀吉は最後まで「疑い」を持つことはなく、鶴松を懐妊した時には城(淀城)を一つ贈る程の浮かれぶりを発揮していました。それでいいんでしょうか、男として…ガフッ!

 豊臣秀吉…人たらしとして有名な戦国武将。豊臣性になる前の苗字「羽柴」というのは織田家家中の丹羽長秀と柴田勝家の活躍にあやかろうとしてつけた苗字(つまり2人は自分の憧れの人だとヨイショしている。)だそうで宿老達に対しても気配りを忘れない彼なりの処世術が伺えます。うっかり空気を読まずに信長に意見して殴られて泣き寝入りしていた他の部下達(典型例・明智光秀。)と違い、彼は空気を読むことに長けており(そして何度殴られても気にしない図太さも兼ね備えていた。)参内する自分に上から立ち小便を掛けた信長に対してツカツカと歩み寄り「これは酷いと思います、殿。」と時にはしっかり自分の意見を言ったという逸話(注・信長の虫の居所が悪ければその場で斬り捨てられているシーンでありその辺の絶妙な機微を見極められる辺りが秀吉の凄い所である。)もある程でした。他の自分にひれ伏すだけの部下(恐怖だけで相手に従っているロボット。)と違い見所があると信長にも目を掛けられたそうです。そんな状況を読むことに非常に長けている彼なので仇打ちを果たした後は信長の遺児をないがしろにして盗むように見事に天下統一を果たしていました。晩年に実子・秀頼が誕生した後は邪魔者となった養子・秀次を妻子共々処刑するなど我が子可愛さに暴走し、朝鮮出兵の不満(外国相手の戦いなので恩賞としての領地が与えられなかった。)も蓄積したせいで彼の死後(後継者・秀頼がたった6歳だということもあり)天下は再び乱れることになったのでした…。

 おね(北政所)…まだ秀吉が苗字を持っていなかった頃、おねの方が身分が上だったという障害もなんのそのと恋愛結婚で結ばれ、ずっと彼を支えてきてくれた妻です。秀吉もしっかり者の彼女を信頼していたのですが、いかんせん彼はとんでもなく好色でありおねがたまりかねて信長にまで愚痴の手紙を書き送ったこともあったんだとか…若い頃から苦労していたんですね、おねさん。(ちなみにこの返事として信長は「あなたはあのハゲネズミ(秀吉)にもったいないくらい素晴らしい女性なのだから他のつまらない女のことで目くじらを立てずに正妻らしく堂々としていればいい。」と書き、プライドが満たされたのか以後おねは浮気に寛容になったんだとか。)豊臣家を天下として息子の地位に固執した茶々と違い、家康の臣下になってでも1大名として豊臣家が残ればいいと考えていた彼女は茶々とは確執があったようですが秀頼の後見では協力し合っており、決して豊臣家を見捨てたわけではなかったらしいです。

サイレントリー

2011.11.15
 イレッサ騒動に伴いがん治療薬について補足というか説明を。(遺族の逆転敗訴に関しては16日に。)まずは1番問題になっている副作用について頭髪が抜け落ち、強烈な吐き気が起こり、手足症候群、肺線維症(日本では医者が何も考えずに薬を与え続けるので肺線維までいっちゃいます。)が起こります。これはどのがん治療薬を使ってもほぼ必発の症状であり、がん治療患者はマトモに物を食べることもできなくなるのでガリガリ痩せこけて死んでいくそうです。

 具体的に言うと口の中の粘膜が剥がれ落ち風邪で喉を痛めた際に物を飲み込む時の数段上の痛みが発生します。患者さん曰く「ご飯に一つかみ砂を入れて混ぜた後のような触感。」(当然味覚もやられ、味も感じない。)だそうで痛めた喉では到底食べられず、お味噌汁に入れて猫まんまにしてなんとか食べるしかないそうです。何故食べるのかというとそうでもして食べなければ死んでしまうからです。

 この「皮膚が剥がれ落ちる」症状は手足にも現れます。血が出るほど皮がボロボロはがれるので癌の患者さんはバンドエイド代わりに白い手袋をしていることが多いそうです。これが手足症候群です。(頭髪抜け落ちもそうだが基本的に皮膚が弱くなるらしい。これが肺に現れると間質性肺炎→肺線維症になる。)

 そこまでの副作用に耐えながら治療薬を飲み続けて一体どのくらい延命が可能なのか、というと長く生きた場合でも2カ月に過ぎず、まさに癌で死ぬか副作用で死ぬかのイタチごっこ状態なんだそうです。(そして日本の場合、副作用死の肺線維症でむしろ寿命より早く死んでしまう事が多い。)今回問題になったイレッサにしても投薬1年後の生存率が他の薬と比べて10%高いだけ(10人に1人だけかい!)でその2ヶ月後には生存者が60%→50%に落ち込み(他の薬投薬1年後と並んじゃったじゃないですか…。)30ヶ月後には全員死亡している(とうとう副作用に耐えられなくなったらしい。)というデータが出ているので効果に関しても「…?」という所です。結論として癌の特効薬というのは未だ地球上に存在しないというのが現実のようです。

 個人的には同じ長さなら苦しみながら寿命を終えるよりも最後まで美味しいもの食べて、病院に閉じ込められてるんじゃなくて色んな所に出かけて、短くても楽しい思い出作れた方が幸せだなあと思ってしまう私です。(しかも肺線維症(呼吸障害死)って1番苦しい死に方じゃないですか…。)どんなことになっても延命に縋る方を選ぶか、天命と思って充実した思い出を作る方を選ぶか、ここはもう個人の考え方ですよね。



 本について、登場する女性に対してツッコミどころ満載(読んでて面白い位男の願望が具現化しているというか同じ女として「この人ちょっとズレてるなあ~。」と感じる女性ばかりなのです。現実にはこんな人達はあまりいないというか少数派に入るでしょうね。)な短編集です。解説を書いている田口ランディ先生のお言葉にいちいち最もだとうなずいてしまいました。(さすが女性。女の性をよく分かった上での的確なツッコミをしてくれています。)テーマは家族小説であり「別れが辛いからと言って人を愛する行為を放棄するつもりはない。執着が強いほど悲しみは増すが、その分生の喜びや手ごたえは大きくなるはずだ。」という「再生」を描いているのは分かるのですが、キャラ的に個性的な考えの人が多くてどうにもツッコミが絶えなかった本です。

 目覚めれば目の前は海…転げ落ちて歯を折って口から血を流している女(物凄く怖いんですけど。)に対して果たして恋が出来るものなのでしょうか?ワインを拾っただけで天啓を感じたことといいこの主人公は物凄くドリーミンな性格なんでしょうね。そして転び方についても「1段目から踏み外し前転の要領で転がるいかにも怪我をしそうにない安心感ある転び方」とありましたが横転ならまだしも前転は危ないだろ!(初登場時に歯を折ったのを忘れたんですか!?)と主人公の特殊な感じ方についてもツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!(弟曰く「ちゃんと前回り受け身を取っているんだよ。」との事ですがそれでもワンフロア分転げ落ちるのは危ないと思う…。)この話に限って言えば女じゃなくて男の感覚が一般人とは物凄~くズレてるなあと思えてなりません。「分かるだろ?」と語りかけられても…分かんないですよ、そんな感覚は…ゴフッ!

 大山…全国に教え子がいるので日本中を旅しているという嘘つき老女は一体何者だったのでしょうか?(借金取りにでも追われて全国を逃げ回っているとしたらまさしく主人公のその後を暗示しています…ゴフッ!)ともあれその後に出会った妻・真奈美が夫の浪費癖にも浮気にも何も言わないできた女房で(夫の失敗で)離婚させられる羽目になっても一途に主人公を慕い続けるというまさしく男の願望そのままの都合の良すぎる女ぶりにちょっとは怒れよ!とツッコミを入れてしまいました。(自分の都合で離婚しておきながら、というより奥さんの忠告を完全に無視した結果の自滅なのに生活が立て直るまで待っていてくれなんて勝手すぎませんか?待つにしても4年は長すぎです。)今時の女だったら復縁はあり得ないな、と冷静に読んでいた記憶があります…ガフッ!

 結婚指輪…「経済力の有無が幸福の度合いを決める決定打にはならない。」私の友人に大手企業のエリートと結婚したものの、性格が合わずに離婚した女性がいますし、私の親も裕福な暮らしをしながらもケンカが絶えず最後には離婚に至りましたし(裁判沙汰になり、おかげで今は極貧です。)中々的をを得ている言葉だと思ってしまいました。結婚って相手の給料などの「条件」でするものではなく、本当は性格で決めるものですよね。
 話について、仕事に出ようとするのを邪魔されたから離婚を仄めかされているのではなく自身の性格がうとまれていることにこの夫は最後まで気づいていません。(そもそも仕事するかしないかなんて話し合いで解決できる問題で離婚の原因になり得ないしね。)そうじゃなくて細かいことまでグチグチこだわる几帳面すぎる性格や、好きでもない仕事を金の為だけで続けている(生活の為には仕方ないんですが、本当は仕事というのは金じゃなくて自身の情熱の為にするものなんです…よね。)俗物的思考が嫌がられているんですよと教えてあげたくなりました。子供に関してもぐずっている時「自分の思い通りにならなくて母親がいないのを呪いたくなる。」とありましたがそんなの母親だって同じです(母親相手でもぐずる時はぐずるし、母だってそんな状況に理不尽を感じるんです。)と、この人、人の気持ちが分からないんだ(もっともこういう男はよくいるが。)と2人が上手くいかない理由は分かる気がしました。もっと自分を分かってくれれば妻に対して歩み寄れそうだと夫は期待を持っていますが、奥様の方は多分彼の性格をすごくよく分かった上で嫌っているので修復はそんな簡単に行かないだろうなあ、と話の後が心配になってしまいました…ゲフッ!

 枝の折れた小さな樹…死者が何故死んだのかを問い続ける限り、残された物は今を生きれない。死者がどう生きたのかを思い出すことが鎮魂であり家族の再生に繋がる…と解説にありましたがそれを考えるとCGを使って亡き妹の人生を再生させた兄の手法は的を得ていたと言えるでしょうね。(精神崩壊のラインを越えてしまった母親や、そんな妻に対して何もできないまま悲しみに沈んでいた父親よりもこの長男の方がたくましく現実を受け入れて悲しみを乗り越えている。本来慰めるのは親の役目なのに立場が逆転しているとも言いますが…ゴフッ!)「サイコドクター」よりトラウマを克服するためには追体験が必要とあったのでその意味でもいい手段だと思います。「短かったけど生まれてきて良かった。」という言葉はそのまま妹の声なのではないでしょうか?お兄ちゃんの情愛がよく見えてこの本の中では1番好きな話です。

 人生相談…「息子は兄弟を欲しがっている。」とありましたがそれと同時にスキャンダルまで受け入れる覚悟があるのかはまた別の話だろ!と序盤からツッコミを入れてしまいました。ヒロインの恵子は社会的・金銭的にも自立しているようですが解説にもあった通りおそらくロクな母親にならないでしょうね。(現時点でさえ子供を他人に預けて妻子持ちの男と不倫している辺り母親失格な気がする。)むしろヒロインより妊娠中のデカ腹でそれとなく脅しをかける妻・理絵子の方によっぽどシンパシーを感じました。同じ状況に陥った場合10人の妻が10人共同じことをするでしょうね。
 さて、この話に出てくるヒロインの不倫相手・深沢英二ですが「ソフトでナイーブなオーラで相手を和ませ、自分が尽くす気はないがおいしいところだけは持って行こうという根性だけは1人前。」というような描写にこれこそまさしく癒し系の人間だとヒロインが中々手を切れない理由は分かる気がしました。(優柔不断と言えば聞こえはいいですが要するに潔さが無いせいでズルズル引きずってしまうはめになってしまうのです。)負担が大きいのは自分の方で傍から見ても自分でもしょうもない人間だということは分かっているのにそれでも顔を合わせると憎めないそこが癒し系の恐ろしい所です。でもね、この人達悪気(だけ)はないんです。ちゃっかり人からして貰う程度の感覚でいるだけで本当に人の気持ちに気づけない人達なのでそれで相手に負担をかけているという自覚が無いんですよね。最もこの話にもある通り深沢の場合は愛人・恵子には振られ妻の理絵子にしたってこのまま何もわだかまりなく生活することは不可能でしょうし世の中癒し系だからと言って何もかも許されるほど甘くはありません。人の真心に気持ちを返せない人間は最後には誰も手を差し伸べてくれなくなるという現実が待っているという話です。

 一輪車…学校まで送ってくれた父親に対して「上履き忘れたから。」と欲しいCDだけ手に入れて舌を出している娘の小狡さが嫌いでした。そもそも小中学生というものはその手の話が大好きで(「ちびまるこちゃん」の話の中でもうっかり男子(はまじ)に旅行のお土産を渡してしまったが最後、翌日にはまるこ×はまじの噂で教室が持ち切りになってしまったというリアルな話があります。)ちょっとしたことだけでも関連づけて大騒ぎするものなのですから「経験者」の噂に関してはそもそも公園という公衆の面前で男と抱き合う形をとってしまっていた事自体がうかつだとしか言いようがない…ある意味娘の自業自得だと思えてしまうのは私だけでしょうか?父親の事を「わざと努力した痕跡を見せて、君の為にこんなに一生懸命なんだと恩着せがましくアピールするタイプ」で片づけていますが現実から逃げて登校拒否をしているお前だけには言う資格ないだろうよ、とツッコミを入れてしまいました…ガフッ!

 サイレントリー…医療ミスで子供を残して妻を亡くした塾講師、作文をきっかけに自分の誕生を祝った写真を手に取りその風景を見に行った生徒…作文を書いているため互いに交わしている言葉は少ないのに2人の回想シーンが鮮やかに胸に迫って来て読後にさわやかな余韻が残る話です。たとえ無言のままでも笑顔を向ければ思いは伝わる(タイトルの由来はこの辺から来ているのでしょう。)という最後の文章になるほどとうなずいてしまいました。この短編集の中でも家族の情愛が色濃く描かれていて身近な人の死を経験した人達ばかりなのに何故か心があったかくなる思いがしました。サラッと書かれている話ですが私はこの話が結構好きです。

ベルセルク⑤

2011.11.14
 映画「ベルセルク黄金時代編Ⅲ・降臨」も、とうとう公開されましたが、ネットによるとあんまり評判は良くないそうで、濡れ場がある割には出産シーンは無い(それが為の濡れ場ではなかったの!?)そうですし、大剣ドラゴンころしとの出会いも、復讐の旅立ちも全てカットされている(その割に新しいエンデイングテーマが無駄に追加されている。)そうで、映画製作の方向を完全に間違えてしまっているなぁ(三作目の「締め」でまで尻切れトンボで終わっちゃダメでしょ。もしかしたら「黒い剣士編」を狙ってのあざとい手法だったのかもしれないけれど。)とも感じた評価でした。という訳でレンタルして見るかどうかは、ちょっと悩んでいます…。

 ガッツ…「…くそっ。何だってんだ、あの女…。」

と剣を振りながらも頭から離れないキャスカのイメージにイライラしているガッツさん。そうやって用も無いのに相手の顔が浮かぶその現象こそ、恋愛の初期症状と呼ばれる物だったりするのですが、女っ気のない生活を過ごしてきた上、性愛に対して癒しがたいトラウマを持っている彼(良くも悪くも印象に残る「初体験」の相手が、あんな変態男のドノバンで、オマケに「売った」のが養父のガンビーノでした…ではな。)は全くの無自覚でした。よりにもよって1番嫌われている相手に惚れてしまうとは何とも因果な主人公ですが、人間関係に絶対なんてあり得ない(最も既に「ウザいを通り越してキモい」レベルにまでなり果てていれば全く可能性は無いが、それが罵詈雑言であっても話をしてくれて、顔を見て接してくれるのなら、まだ「無関心」(関わり合いにもなりたくない)の段階にまでは進んでいない。)という定言通り、その後二人は「最初はいがみ合っていた男女が次第にラブに…」という少女漫画王道の展開を見せていくのだから、分からないものです…。

 グリフィス…「俺は俺の国を手に入れる。」
→「実は俺、裸族だったんだ…。」(あまりのカミングアウトにガッツも絶句。)
→「追い剝ぎが出た。(涙)」(何故、そんなに堂々と…。)
→「俺は俺の服を手に入れる。」(それはもう早めにお願いします。)

というセリフ入れ替えネタに思わず吹いてしまった鷹の団の総大将です。一説にはこの時の「水のかけ合い」には(半強制的な形を取って)入団しながらも未だに頑なな態度のガッツの心を開かせる為にワザと取った「おふざけ」(演技)であり、水かけが終わった後のガッツは目論見通り、ベヘリットを話題に世間話に講じたり(輪に入れと言われても「俺はいい…。」と遠慮してた彼が、多少なりともコミニケーションを取るまでになった。)その後も「グリフィスのお気に入り」だと鷹の団内で公然と認められるまでになった(「あいつとマトモに口論した所で悪者にされちまうだけだぜ。」byコルカス。つまりキャスカ以下、勝手な行動が目立つガッツに反感を持つ人間は三年が経った今でも未だに団内にいるが、いつもグリフィスと仲の良い彼に誰も表立っては何も言えない。)様に頷けたものでした。問題はそんな「おためごかし」が永遠に通用するほど現実の人間関係は甘くないっていう、その後の展開でしたけどね…。

 不死者ゾッド…ガッツ「バカヤロオォ!もう一時も経つんだぞ!たった一人の敵に鷹の団・切り込み隊五百人が釘付けにされて一歩も動けねえ!こんなみっともねえ話があるか!」
ガストン「だからって隊長自ら乗り込むのはもっとダメです!その前にグリフィスの大将に増援を…」
ジュドー「ガッツ…そういうの見ると、やたら突っかかっていく所、あるからなあ…。」

「いやいや、総大将自ら出陣とか、あり得ないでしょう、殺られたらどうするんですか?」「総大将っていうのは『一番偉い人』の事なんだからグリフィスの奴に決まってるだろ!俺は隊を預かっている『一兵士』に過ぎないんだから先陣でもOK!」「こいつ、器が小せえなあ…。」「そんな事も分からねえなんて、お前、バカか!?」「バカにバカ呼ばわりされたくねえよ!」…という源義経と梶原景時との会話(by平家物語)がフ…と蘇ってしまったものでした。ともあれ「同じレベルのバカ」(ガッツ)をトップに持ってしまった小隊は大変です。副長が止めるのも聞かずに突っ込んでいってしまったせいで、予想通りにボコボコにされたガッツ。(だから行くなって言ったのに!)それを助けに行ったグリフィスまで大怪我した(ゾッドが「将来ゴッドハンドになる人間」だと見越して、見逃していなかったら確実に殺されていた。)という顛末に、キャスカの姉さんも「グリフィスがこんな目にあったのは、貴様のバカさ加減のせいだ!」とさすがにキレた模様です…。

 キャスカ…ジュドー「捨てる神ありゃ拾う神ありってね。グリフィスを、ただ平民出の成り上がりと煙たがる連中もいれば、ああやって今の内に唾つけときゃ、後々美味しいと考える大臣やら司教やらもいるって訳さ。」
ガッツ「だから?ケガ人の見舞いに身分もクソもあるかよ。」
キャスカ「…何故だ?何故、お前という奴は、いつもそうグリフィスの立場を台無しにするんだ?何故グリフィスは、お前みたいな奴を…あんなに特別扱いするんだ?」

言ってみれば彼らはゾッドとの対決で初の負け戦を飾った(城壁を落とす事には何とか成功はしたものの、「伝説上の存在」(子供だましの虚言にしか聞こえない言い訳)相手に手傷を負い、倒れた。)にも関わらず、騎士叙勲を受けても貴族に認めて貰えなかったグリフィス(「全く前代未聞ですぞ、平民出に騎士の称号などと。しかも爵位まで…。」「あのような下賤の輩…傭兵など、戦が無ければ野盗と何ら変わりはせんというのに、一体、王は何をお考えか…。」by叙勲式)を見捨てずに駆けつけてくれた貴重なファン(パトロン?)であるのに、そんな貴族達の前で身分を忘れた部下(平民ガッツ)が幅を利かせてしまったら、数少ないファンがまた減ると思わずキャスカも殴って止めた模様です。「お見舞いに身分も何も無い」、それは確かに正論ですが現実はそう簡単に偏見が無くなる訳ではない(それが証拠にガッツ以外の全員が空気を読んで外で待っている。分かってないのはガッツだけ。)という常識も彼は学んでおくべきでしたね…。(本当に、よりにもよった男を恋敵に持ってしまったな、キャスカの姉さんも…。)

ベルセルク⑥

2011.11.13
 コンビニ版のセリフ入れ替えネタ「やい、いい加減にしやがれ!この、ヒス女!」→「やっぱり辞めよう!ナイフ漫才は危険だ!」(実際シリアスな話である原作映画でも、このシーンは爆笑に包まれたそうです。)「俺がお前らの体育を担当するガッツ先生だ!」(嫌だな、こんな先生…。)「僕、ガッツ!イチゴの妖精だよ!」(ウソつけ。)に相変わらず笑わせて貰ったと共に、映画化を記念しての新装版からはそういうお遊び要素が無くなった事に少し寂しさも感じたものでした。という訳で過去編も3巻目です。

 グリフィス…グリフィス「俺がお前の為に体を張ることに、いちいち理由が必要なのか…?」
ガッツ(俺の為に…か。)

養父ガンビーノからはついに貰えなかった無条件の信頼と優しさに「今はあいつの為に剣を振るう。」と目標の定まらなかったガッツもようやく腰を据える決心をし、「この時点」ではグリフィスはがっちりガッツの心を掴んでいたのに、「後の心無い一言」からそんな彼の気持ちを自分で手離す原因を作ってしまっていたとは皮肉な展開です。後に再会しても彼の「第一の立場」は既に自分には無く、別の人生を歩んでいる様を思い知らされるだけ(大切な人の「友達」にも「恋人」にもなれない。しかも今の彼の横には本命である恋人(他の女)がいるのを見せつけられる…って、それこそ今まで彼がキャスカにやってきた事なんだけどね。)という様にはこれぞまさしく因果応報だな(何の事は無い。今まで自分がガッツやキャスカに味あわせてきた思いが、巡り巡って自分に降りかかってきたというだけの話だ。)と実感もしてしまった逆転劇の始まりでした…。

 ユリウス伯…フォス大臣「下手をすればグリフィスが将軍という目も…。」
ユリウス「バカな…認めんぞ!」
→フォス「ユリウス…。いつものが…来ないの。」
ユリウス「え…それ、俺の子ぉ!?」(往生際悪いぞユリウス。ちゃんと認知しなさい。←後に発覚する王妃様との不倫関係と合わせて笑ってしまったものでした。)
→フォス「毛髪の活性化を促す秘訣を教えていただきたいのですが…。」
ユリウス「伸ばすっていうか、まず生やすだろ!」
→フォス「7×8=56で、7が8個ある計算になりますが…。」
ユリウス「7が8個…!?7が…8個!?」(ユリウス、まさか掛け算が…。)

というセリフ入れ替えネタに2人が深刻な表情をしているだけに笑わせて貰ったものでした。グリフィス暗殺失敗時に憎しみのこもった眼で睨まれた事で「まさか自分が犯人だってバレた!?いや、ありえん。第一、何の『証拠』も無いんだ!」と焦りながらも自分を納得させているユリウス伯(無言電話犯のよしみつ一家か、お前は!)ですが、毒矢に塗られた高価な猛毒(「この矢に塗られていたのはカラバル豆と言って『一般人』が手にする事はまず無い、町中の医者をしらみつぶしに当たっても扱っているのはただ一軒という、かなり致死量の高い猛毒だ。」byグリフィス)そんな物を最近購入したのが白龍騎士団随一の弓の使い手(ユリウスの手下)一人だけだった事、「グリフィスが無傷で済んだ」と分かった日の夕方、その人が何かこっぴどく絞られてユリウス伯の執務室から出てきた事(「会話の内容までは詳しく聞き取れなかったが『今回の暗殺騒ぎの事で怒られていた』という話だ。」byグリフィス)から犯人は丸分かりで、そっちがそういう気ならこっちも同じ扱いで返すと、暗殺され返されてしまった男です。「証拠」が何も無くても状況証拠から犯人がバレバレという実情(むしろアンタ以外の誰に、こんな真似ができるというんだ?)を彼はもう少し考えてみるべきでしたね…。

 シャルロット姫…グリフィス「私にとって友とは、そんな対等の者だと思っています。」
シャルロット「『思ってます』と言う事は今のあなたには、そんな友達が一人もいないんですのね…。」

その直後にユリウス伯親子暗殺の知らせが届いたので、ここでずぶ濡れで矢傷付きのいかにも怪しい恰好のガッツ(どう見ても逃亡してきた下手人)がフラフラ出てきたら、いくら鈍いお姫様でも「アンタ部下に何をやらせてきやがったんですの!?」とピンと来たでしょうに…!(そして膨らみかけた恋心にも、血を分けた伯父と従兄弟を殺された事で終止符が打たれただろう。)とニアミスで事なきを得た彼の運の良さに感心すると同時に、その場でグリフィスに「そんな格好のアンタの部下」が帰ってきた事を叫べば恋敵を1人潰せたのに、何も言わずに黙っているキャスカの性格の良さ(もちろんグリフィスの関心が「国王の娘」であるシャルロットのバックボーンにしか無い(本命でも何でもない。)のは分かっている。だが恋する女性としては彼にあからさまに好意を示す女が傍に寄ってくるだけで面白くないだろうし、いずれ彼女が「正妻」になるという確信があれば、なおさらの事だろうに…。)にも感心したものでした。こうして一見、完璧に終えたかに見えた夜会の様ですが、ここでガッツ達仲間が友達ではなく「部下」に過ぎない存在だと明言してしまったせいでグリフィスの歯車は少しずつ狂っていくことになります…。

 キャスカ…「私だって…好きで女に生まれたわけじゃない…。」

実力で千人長の地位を勝ち取ったのに女だからという理由で「どうせ枕営業を使ったんだろ。」(BYアドン。何も知らない処女に対して物凄く失礼。)と揶揄され、その女の体(生理)のせいで実力も充分に発揮できず、よりにもよって大嫌いな目の敵(ガッツ)に助けられてしまった(神様の意地悪…!)というのは、彼女のプライドからしても傷ついたでしょうね。「ガキや女連れで戦が出来っかよ!」と鷹の団入団時から「女」だから対等に扱って貰えなかった彼女。グリフィスへの恋心から何を命じられても(男との裸同士の添い寝さえ)従ってきたけれど、彼女が入団するきっかけになった当の強姦(未遂)事件(グリフィス一団旗揚げの為の強盗事件。その時に馬車に乗り合わせていた彼女は不運としか言いようが無い。)にしたって目撃者のキャスカをとっさに殺人共犯者に仕立て上げただけ(これで彼女は間違っても警察に駆け込む事は出来ない。)ですし、相手が美形だからそれでも恋をして「あの人の剣になりたい。」=愛情が得られないとしても、せめて近くにいたいと健気な想いを募らせている反面「いい加減に目を覚ませよ、キャスカ!お前グリフィスに使われてるだけだ!利用されてるだけなんだよ!」とツッコミばかりが入ってしまった女性でした…。

 ガッツ…ガッツ「…何だ?まだ泣いてんのか?」
キャスカ「うるさい!さりげなさを装って着替え中にこっちを振り向くな!」

むこう向いてろよ!と怒鳴られる訳です。「こっちは死ぬ思いをしててめえを川から引き上げたんだ!」と苦労して助けたことを理由に怒られる筋合いは無いと自分を正当化しているガッツさんですが、無断で服を脱がすような痴漢行為を働かれた場合(実際に行動に移せるかどうかは別として)女性は普通に殺意を抱く場面だと思うのですが…。(殴るのは当然。真っ当な女のマトモな反応です。)挙句に「ちっとは大人しくしやがれ!強姦しちまうぞ、てめえ!」と裸の女性の動きを封じようとしながら痴漢顔負けの問題発言をするガッツさん。人権の出来上がっていない中世ヨーロッパ(辺り)の時代だからこそ問題にもなっていませんが舞台が現代日本だったら警察に連行された挙句に社会的に終わる場面です。殴ろうとしたキャスカに「とんでもねえ女だ!」と言っていましたが、むしろ女の私としては「とんでもない言動を取っているのは君の方だ!」と声高にツッコミを入れたくなってしまいました…。(感謝されるどころか強制わいせつ罪で人生を棒に振る場面だろ、これは…。)

ベルセルク⑦

2011.11.12
 映画第三弾ベルセルク黄金時代偏Ⅲ降臨(タイトルは今度は短くなったのね。)は2013年1月に公開予定だそうです。(で、1月にチェックしてみたら2月に延期されていました。まあ予定は未定って事だから…。)1年がかりのプロジェクトという訳で第1段の時と同じく新巻発売&帯に宣伝がつくのかと期待していたら新刊は3月に発売予定(間に合わない。)だそうで…ここは頑張って映画とタイミング合わせるんじゃないんですか、三浦先生!?(ページが足りないというのならコミックス未収録のグリフィスと神様との対話を収録しちゃっていいですから!)と涙目でツッコミを入れてしまいました。(もうどんなに物語が薄くなろうと文句言いませんから、せめて年1冊ペースはキープして下さいよ…。)そんな訳で次の新刊ははリアルタイムに本屋で(帯目当てで)買う事は無さそうです…ゲフッ!

 ガッツ…キャスカ「何故だ…どうして…お前でなければならないんだ…どうして…。」

そんなこと言われても俺だって好きで男(グリフィス)に好かれたわけじゃ…と思わず上を仰いで困ってしまうほどやりきれない思いを感じているガッツさんですが、ともあれ自分の存在でキャスカを泣くほど苦しめてしまった(よりにもよって男に負けてしまったって確かに女としてショックだったでしょうね…。)事は事実でキャスカの為…というより彼女に対する罪悪感から百人斬りを達成していました。達成できるのも凄いですがそれに関しては「お前やグリフィスは生きてることを丸々賭けちまうほどの物を持ってる…。それに比べりゃ俺が行き当たりばったりで百人と斬り合おうがそんなことは大したことねえってさ…そう思ったんだ。」と珍しく殊勝な態度で自分を諫めています。女としての人生を捨ててまでグリフィスの剣として尽くしているキャスカや、夢の為に(ホモ貴族にカマ掘られてまで)人生を賭けて戦っているグリフィスに比べて自分はただ「仕事」をこなしてきただけだった。部下達が「仕立て屋を始める」「惚れた女と結婚する」などの夢を持っているのに対して自分は未来への展望も目的も夢も何もない→そしてそれはグリフィスの側にいる限り、彼の夢に安穏とぶら下がっている限り見つけることはできない、と自我に目覚めてきたのでしょうね。普通はそれでも「こんなにいい暮らしができるんだから、それはそれ、これはこれ。」と現実に妥協してしまうもの(好例・盗賊団の頭というトップの座を捨ててグリフィスの部下になり下がったコルカス。)なのですが、貧乏でも辛くても自分の足で生きて行く方を選ぶ辺りが彼らしいです。思い立ったが吉日という事で遠征が終わったらもう鷹の団を抜けることを決めており(早!)歯車はこうして回っていくのでした…。

 グリフィス…キャスカ「どうして…グリフィスが…あんな奴と…!?」
グリフィス「軍隊の人、馬、食糧、どれもタダじゃない。莫大な軍資金が必要だからさ。」
キャスカ「どんだけ…高値で売ったの…!?」

理由は金の為に、よりにもよって男に負けてしまったキャスカさんでした…ゲフッ!(私だったらこんな性悪男との1夜の為に大金つぎ込まずに自前の美少年ハーレムで大満足してしまいますが…ゴフッ!)このホモ貴族×グリフィスの事情は普段からふんだんにボーイズラブを読んでいる私としては別に普通の展開(ちょっと待て、コラ!)だったのですが健全な男性読者からは「いくら金の為でもそこまでするか!?」と驚きも大きかったようでキャスカも「そこまで自分を傷つけてまで夢を追うなんて…。」とグリフィスへの想いは(余計に)募ってしまった様子です。(最も幼い頃にレイプされかけた彼女と違ってグリフィスは男に体を差し出す事にキャスカ程の恐怖も嫌悪感も抱いてなかったと思いますが…「これ以上仲間を死なせない為にと胸が潰れそうな思いで身を投げ出してくれた。」とキャスカは誤解してそうですよね。奴は損得計算で動いただけで仲間を大切にする男じゃありませんってば。)読者の私には目的の為には他人を利用して手段を選ばない彼の非情さが透けて見えて(というかバレバレで)恋情を募らせるどころかドン引きしてしまうシーンだったのですが当事者の人々には現実が見えないようです。ガッツといいグリフィスといいキャスカ(36巻現在)といい、これはメインキャラ全員が非処女という稀有な漫画なんだなあ、と改めて内容の大人具合を感じてしまったものでした…ガフッ!

 キャスカ…「仲間を連れて必ず戻る!それまで…死ぬな!」
「ベルセルク特別版が発売中だから買ってくる!それまで…死ぬな!」(CMより。映画化は嬉しかったですがシナリオ書いている人はキャスカの事があまり好きじゃないんだな…というのが伝わってきて複雑になったものでした。)
「グリフィスが事故ったって電話が…!すぐにお金振り込まなくちゃ!」(それは振りこめ詐欺の匂いがしますよ、キャスカ姉さん!)
「で、電車のドアから…手が抜けないっ!」(ちなみに今度そっちのドア開くの終点ね。)
というセリフ入れ替えネタに思わず笑ってしまったものでした。という訳で今回は甲冑つけたまま山道のランニング(おまけに生理中。血が出るから貧血を起こしやすく、腹痛はするわで酷い人は寝込む羽目にもなる。出産が「生理痛を酷くしたような痛み」だという認識からこれがどんだけ辛いものなのかは男でもご想像いただけるかと思います。)をする羽目になっている(そしてやっぱりセクハラにも遭っている)本作品のヒロイン、キャスカについて語っていこうと思います。(毎回女として酷い目に合ってるというか…これだけ服脱がされてレイプされかけているヒロインは他にいない気がします…ゲフッ!)

キャスカ「あの沈着冷静なグリフィスがお前の事となるといつも衝動的になる。まるで…夢を忘れてしまったかのように。」

その夢の為に数えきれないくらいの仲間を失って、女としての幸せもとうに捨て去って、夢を叶える道具として生きてきた彼女としてはグリフィスが1個人の為に全てをフイにしようとしている(実際9巻でガッツが去った後やけっぱちでお姫様の純潔を奪ってフイにしてしまった。)今の状況(ガッツ)が許せなくなってしまうのも分かる気がします。とはいえガッツにも他人(キャスカ)を思いやったり守ろうとしたりする部分はある訳で(それを早い段階からグリフィスに対して発揮していればキャスカも「まあこいつは部下としては一流だから…。」と認めていたろうにね。)身をもってそれを実感した彼女は「どうして…私はあんなに酷い事をお前に言ったのに…。」と罪悪感を感じると同時に剣としてでなく女として惹かれていくことになるのでした。本人達が自覚していないだけで実は両想いであっただけに出て行く前にもう1つけじめをつけておくことがあっただろ(ジュドーにじゃなくて本人に告って下さいよ…。グリフィスが身分も何もない村娘や有能であっても部下に過ぎない女に妥協しない事なんて始めから分かっていたことじゃないですか。)とガッツにツッコミを入れてしまったものでした。

 ジュドー…ジュドー「お前達を探しに捜索隊を出すようグリフィスに進言しに行った時、グリフィスは言ったぜ、キッパリと。『あの2人は鷹の団の要です。失う訳にはいかない。』ってね。」
キャスカ「(古参の私が入って2年の新入りと同じレベルだなんて…。)…グスッ。(涙)」
ジュドー「まあ、元気出せよ、お前…。」

そうかキャスカ達を助けるよう1番に進言してくれたのはジュドーだったのか、と改めて彼のキャスカへの想いが年季が入っていた物だったと知ると共にこの人がキャスカと落っこちてくれていたら2人は…とあらぬ妄想を膨らませたものですが深く考えなくてもジュドーでは100人斬り達成は不可能だと気づき結局この人には13巻と同じ結末しか待っていないのか…(グリフィスに犯される事態が無いのでキャスカは発狂せずに済むかもしれないが。)と色々悲しくなってしまった物でした。剣として帰ってきたのに肝心のグリフィスは軍議の方が大事だった(ガッツと一緒に帰って来なかった場合、彼は本当に予定を繰り上げて来てくれただろうか?)という現実にキャスカも落ち込んでいただけにジュドーのフォローは嬉しかった事でしょうがその後の展開を考えると本当に本人の為になったのかは不明です。(むしろ「そういう男なんだから、いい加減そろそろ諦めた方がいいよ。」とトドメを刺しておいた方が良かった…かも。)ともあれ側でキャスカの変化を敏感に察知している彼としてはグリフィス以外の男を意識し始めているのを嬉しく思う反面それが自分でない事に寂しさも感じているだろうな…と複雑になったものでした。

 アドン…アドン「生理だったのでも言うのかああ!?」
キャスカ「大声で言うなぁぁ!」
部下「そーか、生理だったのか。」

あの真面目なキャスカさえコントの世界に引き摺りこんだ自称・不死身男爵。(ちなみに男爵とは公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵という順になる爵位の中では1番低い身分の事であり割合簡単に取得できる大した事の無い爵位なんだそうです…ゲフッ!)私怨を晴らす為に連れ出した傭兵団や有能な戦士である弟・サムソン(その割にはいきなりガッツに殺られてしまった鉄球使いでしたが…。)を犠牲にした罪で「誰が金払って傭兵団を雇っていたと思ってるんだよ!」と今回は謹慎転じて居残り組となっています。それを逆手に取ってキャスカ達突入隊に戦いを挑むも無能な彼では城塞防護は無理だったというオチが有り(まあキャスカの部下達はやっつけられている辺り戦士として全く使えない男ではないのでしょうが…いかんせんおつむの方が弱すぎました…ゴフッ!)次巻では見事に殺られて城を奪われていました。ボケに対する部下の冷静なツッコミが笑えただけにこれ以降登場しなくなってしまう事がちょっと残念にも感じてしまう、そんな魅力的な悪役でした…ガフッ!

 余談…ドルドレイ攻略にあたって壊滅した白虎騎士団の団長がしっかり虎柄鎧&マント(鮫型のアドンもいい勝負ですが…なんちゅー甲冑だ。)を着ていた事に気づいて吹いてしまったものでした…ゲッフン!

ベルセルク⑧

2011.11.11
 青年編最終章突入に伴い「ウェルカム トゥ ザ ダークワールド。友情は終わりを告げた。仲間との暖かな日々も失った。ほのかな恋心も捨て去った。新しき何かを求めて旅立ったガッツ。しかし彼の歩く果てにあるのは一面の暗黒、狂気の豪雨、死の嵐、全ては因果律のインナーワールド。だがそのことを知っているのはあなた方だけで彼らは何も知りはしないのだ。」というブラックな予告が巻末に入っていました。という訳でガッツ旅立ち編です。

 ガッツ…グリフィス「こんな薄汚い陰謀の方棒をかつがせ、しかも自分は手を汚さず、危険で辛い仕事は全てお前任せ…俺を酷い奴だと思うか?」

そりゃ酷いだろ。(自分でそういう自覚があるならやめなさい。)と100人が100人冷静にツッコミをしそうな場面ですが、既に鷹の団を辞めることを考えていたガッツは「バーカ、いまさら何言ってやがるんだよ。」と返しています。しかしこの言葉には(どんな場合にも当てはまる意味なのですが)「いまさら気にすんなよ!」という意味の他に「いまさらそんなことお前に期待してねえよ!」という意味がある事を…グリフィスは分かっていませんでした。(思えばこの時から2人の気持ちはすれ違っていたんだよな…。)そして祝賀会でも毒を盛った給仕係や大臣の娘を誘拐した盗賊達の「処理」をする羽目になったガッツは、冬の寒い朝、鷹の団を去って行ったのでした…。栄光よりプライドを取った結果です。

 キャスカ…ここで彼女が「グリフィスならガッツを止めてくれるかもしれない!」と知らせに行かなければジュドーが夜通しガッツと酒場で語り合っていなければ(朝になってますよ!)あの2人が斬り合いの勝負をすることは無く、ひいてはグリフィスが負けた上でガッツを失ったことで暴走することも無かったのですが…歯車が回るというのはこういうことを言うのでしょうね。最後の場面でキャスカは「ガッツ…!」と負けに打ちのめされているグリフィスよりも去りゆくガッツの事を気にかけていますが、考えてみればこれは当然の結果です。栄光が約束されているグリフィスよりも、いつどこで野たれ死ぬか分からないガッツの方がはるかに「可哀想な存在」なんですから。(この人が動く基準って同情なんだよな~。精神構造的にナースなので。)

 グリフィス…グリフィス「あの時言ったはずだ。お前は俺の物だとな。」

だからってどんな扱いしても許されるって訳じゃないだろ(最前線で戦わせた挙句に暗殺という汚い仕事をやらせ…自分がガッツに何をしてきたかよ~く考えてごらんなさい。)という常識的なツッコミは彼の耳には届きません。別れの場面も普通(の2流恋愛ドラマ)だったら「あたしのガッツ!行かないで!あんたが行ってしまったら、あたし、死んでしまうから!」「愛してるの!いつまでも、おじいちゃんになってもガッツの事、待ってるからね!」というセリフに繋がる所(どんなドラマだよ!)なのですが自分の事しか考えていないグリフィスは刃傷沙汰に訴えています。挙句の果てには「それでガッツが大怪我しようが剣がブレて本当に殺してしまおうが…かまわない!」(かまおうよ!)と相手の幸せなんか微塵も考えていない始末で(その後の蝕であんな扱いもするわけです。)だからガッツは去っていったんだよ、と展開に心から納得してしまいました…ゲフッ!

 ゲノン閣下…後の鬚骸骨。グリフィスに片目を貫かれて気絶するも生きていたようでその後はわびしい海賊に身を落として登場していました。(再登場時、ヒゲのツヤも落ちてます。)グリフィスとは1夜のあやまち(取引)を交わした仲で「余計な事を言われるのも都合が悪い。」と刺されたのですが生きていられたのに何故黙っていたのでしょうか?色子を何人も抱えられるほど(それが全て少年だった辺り真性ホモだという事が分かる…ゲフッ!)金の有り余った生活(というか財産)だったのになぜ身分もない海賊にまで堕ちぶれるのかも謎で(第2次世界大戦に負けた日本の華族はアメリカ兵に邸宅等を没収され没落の一途を辿ったらしいですが…まさか彼まで斜陽族に?)再登場時の転落ぶりに「?」と思ってしまいました。無駄に関連して登場させるよりも今ここで死んでいた方が潔かったのではないかとも思ってしまったり…ゲフッ!(情けないキャラの再登場ならアドンの方を出してほしかったです…。)

 フォス大臣…彼が取り出したアンチアリス(アンチアリン。クワ科の広葉樹。東南アジア~南アジア原産の常緑樹で別名ミルクツリー。耐久力は非常に低く造作材、梱包材、合板の芯として使われてきた。)という毒物は原木は悪臭を放つものの乾燥すると匂いが消え水に濡れると再び悪臭を放つ特性を持っているのですがそれを盃(水分)に入れて臭いは出ないのでしょうか?(王妃様がついているから何も怖いものは無い?)対してグリフィスが入れたヒヨスは痙攣や瞳孔散大(他、幻覚、情動不安、頻脈、嘔吐、高熱など。)の作用を持ち、マンドレイク、ベラドンナ、チョウセンアサガオと組み合わせて麻酔薬として使われてきた歴史的な植物なので医者を騙すことも充分に可能だったでしょうね。この勝負、グリフィスの勝ちでした。

 ミッドランド国王妃…生涯、誰からも愛されないまま、恋しい人の仇も撃てないまま逆にグリフィスに殺されてしまった悲しき女性。夫である国王には振り向かれず、継子であるシャルロットには疎まれ、愛人であるユリウス(国王の弟をお相手に選んでいる辺り旦那に対する当てつけぶりが分かる。)にはセフレとしか思われておらず(そんな男を死んだ後になって本当に愛していたと気がついたのも…色々な意味で悲しい話である。)冷静に読んでみると可哀想な女性です。せめてグリフィスを殺した(仇を撃った。)と思いこんだままで死んでいたらまだ幸せだったでしょうに無駄に登場して戦論なんて語らないであげて下さいよ、グリフィスともツッコミを入れてしまいました。最後まで冷たくあしらってしまったという罪悪感から継子のシャルロットも思う所があったらしくそれがグリフィスの破滅(国王の娘との情事)を後押しした結果になったのが唯一の救いでしょうか?という訳で100%無駄な死に様ではなかったよ、と強引に納得させながら終わりにしたいと思います。

 ジュドー…「最初から何も求めない人間なんていないさ…でも、俺やコルカスはグリフィスのようにはなれないから夢にぶら下がるしかないんだ。」

どうやら自分について、仲間について分析・説明しているうちに夜が明けてしまったようです。(話、長すぎですから!)盗賊団の頭だったけれど現実に妥協してグリフィスの部下になったコルカスや人並み以上の才覚はあっても所詮凡才止まりでしかない自分を自覚して納得できるボス(グリフィス)についたジュドーと違い、夢にぶら下がらずに自分の戦を始めようとするガッツに2人はあるいは昔の自分を見たのかもしれません。そしてまた1番になることを諦めた自分のようにキャスカに現実に絶望させたくない(ガッツがいなくなることでキャスカはグリフィスの剣としては1番になれるでしょうが戦が終わった今、剣は必要なくなり、これからはグリフィスと姫様の仲をただ見せつけられるだけの日々が待っている。)という気持ちから惚れているくせにキャスカを連れて行く気はないかと提案しています。グリフィスについて行く人間は彼から与えて貰える反面、自分が本当に求めている物は諦めなければならない(蝕でも分かりますが実際にグリフィスは仲間の誰の事も本当に大切には思っていない。)事を分かっているからでしょうね。キャスカもグリフィスが絶対の崇拝者ではなく一人の女性として変わり始めている(神をあがめるが故に女としての幸せを諦める殉教者ではなく生身の女としてガッツに惹かれ始めている。)事を察しての彼なりの気配りであり、夢にぶら下がる事しかできない自分ではキャスカをグリフィスから解放できないと判じたからでしょう。自分で自覚しているだけに切ないです、ジュドーさん。

ベルセルク⑨

2011.11.10
 この本1冊で1年が経過しているという物凄い展開の早い巻です。(1冊で1年間とは…現在何冊もかけて船旅をしているのが嘘のようだ。)そして今回ガッツもグリフィスも若い青年らしい行動というか展開に走っている巻でもあり、貸した友達が「え?えええ!?」と滅茶苦茶焦って読んでいた(読ますなよ!)思い出もあったりします。掲載されている雑誌はともかくそれまで下半身的には「健全」な内容(最後の1線だけは越えていなかったという意味で。)だったので驚きもひとしおだったようです…ゲフッ!

 ガッツ…ジュドー「1年前に負った矢傷で昏睡状態になったキャスカはうなされながら何度も口にしていた。グリフィスと…お前のことをな。」
ガッツ「…!」
ジュドー「『ガッツ…グリフィス…お前達2人がそんな仲だったなんて…!』と…。」
ガッツ「そっちかい!」

うなされながら口にしているなら悪夢以外にないじゃないかとスイートロマンスからかけ離れた確信を持ってしまったのは私だけではないでしょうね。キャスカとの情事の最中、苦痛に耐える彼女から過去男に犯された経験がフラッシュバックし危うく殺しかけていますが(ここで初めてガンビーノを「父さん…!」と呼んでいる辺りが泣かせる。本当はずっとそう呼びたかったんですね…。)全てを受け入れてもらったことからトラウマも克服し、おかげでキャスカとはさらに絆が深まっていました。傷のなめ合いでも何でもそれは対等な関係だからできることで、キャスカに関しても崇拝して絶対服従する存在ではなく(けなげだがそれは人間関係を構築する上で間違った関係だと思う。相手のいいように利用されるだけじゃないですか。)与えあう愛を感じ始めている辺りが人間としての成長を感じさせ感慨深い名シーンとなっているのですが、それだけに後の展開(蝕)が痛かったです…!

 キャスカ…ガッツ「ピリッとしろよ、千人長。」
敵兵士A「チクショー、武道大会で仲間になった後、鷹の団まで案内させるだけさせて寝返りやがって…!」
敵兵士B「物凄くいいタイミングで裏切りやがって…地獄に落ちるぞ、兄ちゃん!」
キャスカ「…ガッツ、お前って奴は…!」

その後の手合わせで殺気もこもってしまうわけです。(いや、1年以上も山ごもりして鷹の団消耗という現実さえ知らなかった世情に疎い男がよくもまあご都合良くピンチに駆けつけられたもんだなぁと不自然な物を感じてしまったので…。)「お前が出ていったせいでグリフィスはその空虚を埋める為(だけ)にシャルロット姫に手を出して、国家反逆罪で鷹の団まで追われることになったんだ!」(グリフィスにとってそこまでガッツの存在が大きいこと、慰めのお相手にさえ自分が選ばれなかったことなどグリフィスにとってのキャスカがどこまでもどうでもいい存在だということがよく分かります…ゲフッ!。)と自分の気持ちをぶつけていますが、それはもう女としての敗北宣言に近く、さらに恋敵であるはずのガッツにさえ人として魅かれていることから自分は卑怯者だと思い込んで自殺を図っていますがそれ言っちゃったら自分の失態の為に鷹の団を全滅寸前にまで追い込んだグリフィス(卑怯者の代表格。)はどうなるんだという真理にたどりついていないお人好しぶりが彼女の彼女たる所以です。(むしろそんな男の尻拭いの為に1年間も頑張ってきた彼女は天使か聖女かあるいはただのバカだろう。)情事の真っ最中に自分を殺しかけたガッツ(ムードぶち壊しです、ガッツさん。)に対しても手を差し伸べてるし完璧主義な割に同情にほだされる性質ですよね、キャスカさんは…。
 ちなみにガッツに対して「殺してやりたいと思っている。」ほど憎しみを抱いていたのにそんな展開になるほど愛情も感じているのは矛盾しているようですが、心理学によると愛憎とは表裏一体で憎しみを感じている時点でどこかで相手を愛しており本当に嫌いな相手には憎いという感情すら持たない「無関心」になるそうです。

 グリフィス…彼が抱いたのはシャルロットという一人の女性でなく「国王の娘」。(ついでに言えば現国王が心秘かに願いながらも手にしえなかった願望でもある。)つまり国王になる人間を同じ権利をその腕に抱いた…のですが、それでもガッツを失った空虚は埋めることができませんでした。「玉座を統べる権利を持ちながらその実、一人の孤独で惨めな人間に過ぎない。」というのは実は国王だけでなくグリフィス自身にも当てはまることであれだけの犠牲を払ってまで自分が手に入れようとしていたのはこんな「つまらないもの」だったのか(「そう、つまらない。つまらないな、こんなの…。」)と改めてガッツの存在の大きさを実感している(そして国王に対して「成功した場合の自分の姿」をダブらせて自分の未来に幻滅している。)グリフィス君。「それならばいっそ私が…ズタズタに傷つけて自分の事以外考えられなくしてやれば良かった。」という思考パターンもやっぱり国王と同じで相手の幸せを微塵も考えていない嫌な性格はどんなことになっても健在でした…ゲフッ!(そして蝕に繋がっていきます…ゴフッ!)

 シャルロット…「助けて…グリフィス様…!」と自分を襲おうとした父親の変貌に対して怯える彼女でしたが大人の男をベッドから吹っ飛ぶほどの距離を突き飛ばせる腕力見事にみぞおちにひざ蹴りを入れられる反射神経(10巻の話ですがグリフィスを狙った吹き矢も見事に防いでいましたよね、この子…。)顔をボロボロにできる程の脚力(かかと落としの連発で相手の歯が折れてます。)があるのならもう守ってくれる男なんかいらないレベルなのでは…とお姫様の体育会系ぶりに驚嘆してしまった私でした。肉親を立て続けに3人も失い、戦場から帰ってきた想い人は祝賀会で暗殺未遂をされ(しかも義母に対しては最後まで冷たくあしらったままで終わってしまった。)心細い気持からグリフィスに縋り情事へとの展開になってしまいましたが、その全てが(情事に至っても)グリフィスの策略だったと知っている一読者としては同じ女として哀れと思ってしまったり…。9巻の時点でも自身のピンチ(は、自力で切り抜けてるけど。)にグリフィスの名前を呼んでいる辺り、まだ目は覚めていないご様子です…ゲフッ!

 ジュドー…ジュドー「(キャスカのことは)俺達じゃ役不足だ。ガッツ、お前何とかしろ。」
(役不足=与えられた役がその人の実力とは不相応に軽いこと。また役に不満を持つこと。)
ジュドー「いやホラ俺って何でも小器用にこなせる金髪美形の鷹の団ナンバー2じゃん?ガングロの土人娘(差別用語)のお相手にはもったいないってゆーかさあ…。」
リッケルト「ジュドー、後ろで2人が剣構えてるからその辺で。」

役をこなす力が足りないことは「力不足」といい「役不足」とは自分の実力に対して与えられた役が低レベル過ぎることを差すそうです。日本語の意味を正しく知っていると面白いよね、という話でした。
 今回ガッツが旅立って物凄く落ち込んでいるキャスカを目の当たりにした後、出て行ってから1年も経っているのに「あの目をした時のガッツには助けなど必要ない!」と相も変わらず信頼している(ガッツに関しては他の仲間のように気にかけて思いわずらわなければいけない存在でなく信用できる実力の持ち主だと認めている。)姿を目前にして、初めて読んだ時にはサラッと流してしまいましたがキャスカへの彼の秘めた思いが分かった今では凄く複雑な気持ちで言っていた事が察せられ思わず悲しくなってしまう名シーンです。ガッツとキャスカが結ばれたシーンでは仲間の陣営からそう離れていないであろう野外での行為にも関わらず、目の当たりにすることが無くて本当に良かったと思ってしまいました…ゲフッ!

 余談…グリフィス×シャルロットの情事発覚のシーン(鍵穴から女官が見てしまったシーン)について「あんなクリアに見える鍵穴無いから!」(鍵の形のままの穴が空いてるだけで「鍵」になってないから!)と弟が最もなツッコミを入れていました…ゲフッ!

ベルセルク⑩

2011.11.09
 映画第2弾ベルセルク黄金時代編Ⅱドルドレイ攻略(タイトルさらに長くなってるな!)は6月公開だそうです。(正月といい今回といいどうして長期休みや連休を綺麗にスルーしてくれるのか…。)ネットで第1弾の感想をチラッと読んでみたのですが「内容は及第点なのに余韻に浸る暇も無くいきなり入ったバタバタ予告とツイッター連動企画が後味を台無しにしてくれた。」という意見が多くて映画としてはいいのに終わり方を完全に間違えてしまった作品になっちゃったようです…ゲフッ!(せめてDVDにする時には「本編予告特別映像」と同じく「別カテゴリ」にして下さいね…。)そのせいか第2弾に対しても「コケタのにまだやるのか。」的な冷めた意見もあるようで先行き不安な映画企画だなあと思ってしまいました…ゴフッ!(それでなくても幼年期や黒剣士編を全部カットしたことが槍玉に挙げられているのに…。)一般的なアニメ映画(夢と希望と友情の物語)と違って取りあえず確実に少年層は掴めない映画になっている(これは悪夢と絶望と裏切りの物語だから…ガフッ!)点も売り上げにブレーキをかけているに違いはないでしょうしこの先大丈夫かな?と人知れず不安に思ってしまいました…。

 グリフィス救出編です。実は私が初めて読んだ巻はこの巻で何も知らずに真ん中辺りをパラパラ読んでいたら(始めから読んでいたら1ページ目からのガッツとキャスカのピロートークにその場で本を閉じていた事でしょう。)拷問官が斬り落とした舌を舐めていたシーンを発見し「やっぱり大人の漫画なのか…。」と脱落した思い出があります。(その後、怖い本好きから犬木加奈子先生の漫画を読みふけってグロテスク描写に耐性が着いた後に口コミでこの漫画の評判がいいことを知り再チャレンジしてからハマったという経緯があります。)面白い漫画だという事実に関しては太鼓判を押しますが初心者にはレベルが高すぎる漫画だと改めて思い返したものでした。

 ガッツ…キャスカ「お前も、初めてだったんだろ。」

スムーズに事を成し遂げていた挙句に色々な体位を試しており(by9巻)到底初めてとは思えない経験値が垣間見えたのですが…ゲフッ!(初めての男があそこまでリードできるものだろうか?)これは漫画なので敢えてその辺はツッコミを入れないで読んでいくことにしましょう。グリフィスの対等の人間になる為にも自分の夢(誰かの夢の為に利用されながら戦うのではなく自分で望んだ戦をしていく。)を追う事を決めたガッツでしたがグリフィスと違う点は夢(自分)だけが全てではなく大切な人間の事もちゃんと考えている事でしょうね。(グリフィスは大切な人間であるガッツさえも夢の為に利用する存在として扱っている。基本的に夢(自分)の事しか考えていないのだ。)この巻ではキャスカに「この先何百回も何千回もお前を抱きたいと今はそう思っている。」という実質的なプロポーズまでしており(最もこんな身も蓋もないプロポーズの言葉は初めて聞きましたが…。ガッツさん、お願いですからもうちょっと国語を…。)対等で大切な関係を築いた2人の絆が見えただけに後の展開が痛かったです…。

 キャスカ…「グリフィスを崇拝する気持ちは今でも変わらない。」

でもそれはそれ、これはこれ。ガッツとこういう関係になったからには彼に誠実であろうとするも、グリフィスの恋人であるシャルロットにはまだこだわりや嫉妬を感じてしまうキャスカ姉さん。そりゃそうです。グリフィスの大切な存在になろうと長年努力していたのにシャルロットは生まれついた身分だけでたやすくその立場を勝ち得てしまったのですから。シャルロットのように女にもなれない、ガッツのように大切な者にもなれないと自覚した所で今までの(無駄に終わってしまった)努力が報われた気持ちになれるほど人間は悟りを開けるものではないんです…よね。やっと築いたガッツとの親密な関係(普通だったら窒息プレイで殺されかけた時点で終わっている。)までグリフィスに嫉妬されている(恨まれている)始末で色々報われない扱いを受けている女性だなあと改めて実感してしまいました。(何が悲しくて男(グリフィス)と彼氏(ガッツ)を巡って争わなきゃならないのさ…ゲフッ!)

 シャルロット…「…女の方でしたのね。気が付きませんでした。」

本人を目の前にして、決して言ってはいけないセリフでしょ、それは!(仮にも一応女性である人物に対してかなり失礼。男だったらランタンで殴られている所です。)と姫様の子供特有の無神経な言動に大焦りしてしまったものでした。(他にも罪人(グリフィス)を牢から連れ出すという隠密の行動中に「一緒に行けないなんて嫌、嫌!絶対嫌ー!」と叫び出したり、「反対されても無理矢理にでも頼んじゃうもん。」と自分のワガママは基本的に通るものだと思っている辺りなど17歳にもなる女性にしては…というより「将来の女王」としてはかなり幼稚。)ユリウス王弟とその息子のアドニス王子が亡き今唯一の王位継承者である彼女が失踪したら後継ぎがいなくなるという国家規模の大問題もまるで考えていない有様で好き勝手にさせて女王の器に育ててこなかった王様は確実に子育てを間違えたなと国民の立場から「…。」と思ってしまいました。(「一般人」として見るなら好感持てる女性ですけどね…。)王様も「王家の血を継いだ人間という自覚が微塵も無い愚かで浅はかな娘。」(でもそこが可愛い)と実感する(by9巻)位なら余所からしっかりした王子様を婿入りさせて自分と同じように仮面夫婦をさせれば良かったのに(義理母の例もしかり不倫は有りの世界のようですから…。)と思わず国の先を憂いてしまいました…ゲフッ!

 ジュドー…キャスカ「そうだ、今はグリフィスをここから連れ出すことだけを考えなければ!」

とグリフィスへの気持ちを押し込めて剣としてだけの自分の立場を全うしようとするキャスカを痛々しく見ている彼の表情が印象的でした。シャルロットがグリフィスに抱きついて泣いている(「グリフィスの女」としての立場を見せつけられる。)のを離れた所から見ていることしかできないという永遠に変わらないキャスカとグリフィスの関係を再度実感したからこそ「無理やりでも何でもグリフィスの所からあいつを連れて行ってくれ。」(by12巻)とガッツに頼んだのでしょうね。キャスカに惚れているからこそ「彼女に辛い思いをさせたくない。」という彼なりの愛情が垣間見えるだけに、その後ジュドー達を生贄に捧げた上に当のキャスカを1番酷い方法で傷つけたグリフィス(彼女が幸せになること、それだけがジュドーの願いだったでしょうに…。)は何とも許せませんでした。短いシーンですが何気に意味深な場面だと読み返して心の琴線に触れてしまった名シーンです。

 グリフィス…ガッツとキャスカの以前には無かった親密な雰囲気から2人がどういう仲になったのかを察してジ~ッと見ている(嫉妬している)のが…正直ウザいです。(姫様がそういう心の機微に気づけない鈍い性格で本当に良かったです…。)どうやら元々自分のものであるはずのガッツが自分より大切な存在を作ったことに対して許し難い裏切りの思いと嫌悪感を抱いている様子ですが、そもそもグリフィスはガッツの恋人だった訳ではなくガッツが誰の手を取ろうが口出しする権利など無い(恋人気取りで束縛する方がお門違い。)のです。(そもそもガッツはあの旅立ちの朝にグリフィスに勝利した以上、既に「グリフィスのもの」ではない。)彼のおかげでガッツは階段で100人斬り(階段って不思議な戦場で下にいる人間は敵と同時に背後に転落する恐怖とも戦わなければならないので下段にいる人間は大抵負けるんだそうです。ガッツがいなかったら救出チームはここで全滅していた事でしょう。)をする羽目になった挙句に人の範疇を離れかけたバーキラカ達に殺されそうになり、その後も使徒ワイアルドに追われる事に(挙句に彼女のキャスカが犯されかけている。)なります。ニコ…と火炎攻撃を免れた手柄(それにしたって天井ぶち壊してくれたピピンのおかげ。)で得意気になる前にガッツに、鷹の団の皆さんに対して言うべきことがあるだろとツッコミを入れてしまいました。

 ミッドランド国王…「万が一にもシャルロットの身に爪の先ほどでも危害が及ぶことがあればバーキラカなる1族を一人残らずこの地上より消し去ってくれる!」

大切に思っている相手への異常な執着心(しかし相手は全くのアウトオブ眼中で別の人間と恋愛をしている。)はグリフィスに通じるものがあるものの「相手を死なせたくはない」という面に関して、まだ王様の方が人間らしい思いやりの心を持っていたようです。(グリフィスは「手に入らないのなら、誰かのものになる前にここで殺してしまうのも…有りだ!」と本気で剣を振り上げる始末でしたから。)1年ぶりに親子の会話を交わせたと思ったらシャルロットは(振られたにも関わらず)未だにグリフィスの事を想い続けており自分は父親という「いずれは離れていく家族」に過ぎない(「子供」はいつか親離れをしてしまう物です。)という事実を突き付けられて、その狂気には却って拍車がかかってしまいました。元々内気だったシャルロット姫の「誰よりも特別な人間」はこの父親であったはずなのに時の流れとは残酷な物です。グリフィスの首を手に入れられた所でシャルロットはもう父親を慕う事は無い(むしろ確実に逆効果。)でしょうし娘以外に心の拠り所が無いお父さんもある意味グリフィスの被害者だろう(グリフィスはシャルロットへの愛ではなくガッツを失った傷心と夢に近づく為の手段として手を出しただけだったので普通の父親でも「てめえ、俺の娘を何だと思ってやがるんだ!」と怒っていた事でしょうね。)と同情してしまいました。本当に、この話、グリフィスさえいなければ皆、幸せだったのではないでしょうか…?

 ワイアルド…「見りゃ分かんだろバーカ、俺は今忙しーの!」

そりゃ…アレは…忙しいでしょうねぇ…ゲフッ!王様の部下が彼を「まるで…獣…。」と評していますが獣よりはまだネアンデルタール人に近いからその表現は失礼だとツッコミを入れてしまいました。(獣(猿)から進化した状態とはいえネアンデルタール人も充分に失礼だと思うよ。)お話の流れが戦争が終わってしまって国取り物っぽくなってきた中で、それでいきなり蝕の化け物祭りじゃ訳分からなくなるだろう、ということで使徒の存在をアピールする為に登場させたキャラだそうです。好き勝手やろうが実力があれば誰も何も言わない(に、したって限度があると思うが。)という彼の最低ぶりは11巻でたんまり描かれるので彼に関してはそちらで語ることにします。

ベルセルク⑪

2011.11.08
 奇しくも来年5月は日本で皆既日食が起きる年なんだそうです。だから今になって映画化されたのか?(「今になって」ってお前…。)と納得し「皆既日食が起きるなんてかのセーラーム●ンがリアルタイムでやっていた年以来だね~。」としみじみ呟いた所「今度起きるのは日本では173年ぶりの金環日蝕で皆既日蝕とは別物だよ。日蝕と言えば沢尻エリカが小笠原諸島まで見に行っていたのに当日土砂降りだったって事もあったっけね~。」としみじみツッコミを入れられてしまいました。物を知らないと恥をかくといういい見本です…ゲフッ!(太陽が全部隠れて光が放射されているのが皆既日食。月の方が微妙に小さくてリング状に見えるのが金環日蝕です。お間違えの無いよう注意しましょう。)

 この巻はワイアルドご臨終編です。(ご臨終編ってお前…。)ちなみにこのワイアルドですが熊の皮を被っている辺り、戦闘時に野獣になって戦う辺り、まさしくタイトルの「ベルセルク」から取ったキャラだということが分かります。(ベルセルクとは古ノルド語で「熊(ber)の毛で作った上着(serkr)を着た者」という意味。北欧神話に登場する軍神オーディンの神通力を受けた戦士で危急の際自分が熊や狼といった野獣になりきり鬼神の如く戦う…が、その最中は忘我状態で動くものなら仲間でも攻撃する迷惑野郎の1面もある。おかげで王の護衛からは真っ先に外されたんだとか…ゲフッ!)主人公がこんな奴でなくて本当に良かったとも思ってしまった巻です。

 ガッツ…死体とはいえ人の首を手刀でちぎることが可能な握力戦士。教養がないせいで蝕のことをワイアルドのことだと勘違いして運命に抗う為にもと1人で倒していますが、おかげであばら骨が何本も折れたうえ縫うことが必要な怪我が何か所にも及ぶ体を抱えて蝕に挑む羽目になってしまったので、あれはキャスカの言う通り引いた方が正解ではあったん…でしょうね…。2年後のキャスカのピンチ(in寺院)でも「羊とか羊飼いとかが出てくる場所に心当たりは無いか?」とトンチンカンなことを聞いているし(それは物のたとえで場所の特徴じゃありません、ガッツさん。)もうちょっと国語を勉強するべきだったな、この人と改めて実感してしまいました…ゲフッ!

 キャスカ…ガッツ「キャスカ、お前は引っこんでろ。そんなカッコされちゃ集中できん。」
キャスカ「何、バカなこと言ってるんだ!?」
ガッツ「いいから服着ろよ!!」

誰にどこまで見られても全く気にしないキャスカ姉さん。そこまで意識が男に近いとさすがと拍手を送りたくなってしまいます。(戦闘終了後にそのまんまのカッコで抱きつくのも男としてはかなり嬉しい状況だろう…ゲフッ!)とはいえ恋人(ガッツ)のことを心配して涙まで流している辺り以前と比べるとかなり女らしくはなってきてるので(女として)成長したなあ~と思ってしまいました。しかし彼女は基本的には同情で行動する女性なので健康体のガッツに比べて立つことも剣を握ることも一生不可能な可哀想なグリフィスに気持ちが傾いてしまっている模様。それは全て国王の娘に挨拶抜きのごり押しをしてしまった彼の自業自得だという理性的な判断ができていない辺りが彼女の彼女たる所以です…ゴフッ!

 グリフィス…キャスカがワイアルドに捕えられた際「…!」と心配していることから、彼も一応仲間を思いやる気持ちは持ち合わせていたご様子です。(とはいえそれはグリフィスという絶対権力者に皆が召使いのごとくかしずくという関係の上での愛情でしょうが…。)キャスカの「私を一緒に連れていくんじゃなかったのか!?」というセリフや誰よりもガッツの側で心配している様を見て「…。」と羨ましそうに見ている様子が印象的で、その後嫉妬から恨みに燃えたのか蝕では彼女の事をズタズタに傷つけていますが…そもそもグリフィスが鷹の団を壊滅寸前にまで追い込んでいなければガッツが帰ってくることも、ギリギリの状況に後押しされて2人がデキてしまうことも無かったわけで自業自得ではあるん…ですよね…。(ガッツにだって他の誰かと自分の人生を歩む権利はある訳ですし。)そんな訳で体はボロボロだけど(狩り場で犠牲になった鷹の団員達の事を考えても)同情はできない団長です…ゲフッ!

 シャルロット…グリフィスが別れの時に唇の動きだけで伝えた言葉を彼女は「後で戻ってくる」だと解釈していましたがその時のコマ数は4つなので明らかに違う言葉だということが分かります。(おそらくは「さよなら」という4文字だったのではないかと…。)ともあれ「グリフィス様も行かせてあげて。」という約束を守るどころかミッドランド国1番の荒っぽい軍隊を差し向けて殺害を図った(ジュドー曰く「脱獄囚一人に普通じゃない。」そうな。確かにたった一人の罪人に対して暗殺者集団や軍隊を差し向けた話は全く聞かない…ていうかやり過ぎ。)ことから回復しかけたに見えた親子の絆には再度深い溝が入ってしまったご様子です。そんな訳でその後姫様は再び引きこもり、父親の臨終さえも看取ろうとはしませんでした…ゲフッ!

 ワイアルド…「黒犬騎士団心得!」「エ、エンジョイアンドエキサイティング!」とビビる部下達に激(というより文字通りの1「撃」。)を入れるシーンにて
「この世で1番美しいのは!?」「ワ、ワイアルドさんです!」(ワイアルドにもナルシーな1面が。)
「なんか獣臭くない!?」「お前や!」(団員達はずっと指摘したかったらしい…が後が恐ろしい展開だとは思う。)
「今日から私がママよ!」「た…耐えられん!」(未来は闇に包まれましたね。)
というセリフ入れ替えネタの嫌な上司ぶりに吹いてしまいました。

 王様の部下が彼を「まるで…獣…。」と評していましたが獣というよりケダモノじゃないですか、この男!と村を襲った際の残虐ぶりにツッコミを入れてしまいました。(弟もあのシーンを見て彼らの鎧を「いつでもOKスタイル」と呼んでいました…ゲフッ!)この人が言っている「英気を養う」というのは本来「いざという時に力が充分に発揮できるように休息を取る」という意味なのですが彼は休息→寝る→ヤルという風に勝手な意味に解釈しているご様子です。(「休息」どころか逆に疲れると思うのですが…。)「死ぬの生きるのなんて言ってたら人生損しちゃうよ。」と言っていた割に自分の死期には「やだー!やだー!死にだぐないよー!」と果てしなく潔くなかったエロジジイ。守護天使を呼び出した所で生贄に捧げる人間なんてどこにもいないじゃないですかという状況も全く分かっておられません。(唯一当てはまりそうなのが黒犬騎士団の団員達だが、その皆さんは逃亡罪でワイアルド本人に撲殺or逃げ切られている。)死に様に現れた「思念のるつぼ」(3巻参照)は印象的でその後の不安をかき立ててくれましたがそれは置いといて男としては最低野郎だなと実感してしまった魅力的なキャラクターです…ゲフッ!

ベルセルク⑫

2011.11.07
 映画ベルセルク黄金時代編Ⅰ「覇王の卵」(タイトル長いな!)ではグリフィスとガッツが水を掛け合った後のベヘリット紹介という印象的なシーンがカットされていたそうです。時間的な縛りの他にグリフィスのオールヌードが18禁の縛りに入ってしまうことが要因だったのか(その割にキャスカの全裸添い寝は健在らしいですが…あれ?)それ言っちゃったら蝕のシーンなんてどうなってしまうのか(取りあえず鷹の団編は全部映画化されてしまうんでしょ?)3作目を不安に思う私に弟が言いました。
「え?全編モザイクでしょ?」
映画としてそれでいいのかよ!と思わずツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

 ガッツ…「お前が…望んだことなのか?」

(まさしく目の前で)生贄に捧げられても当初は「あいつがそんなことするはずないんだよ!」と否定していたガッツでしたが今までのグリフィスの言動を思い出しているうちに→「身分や階級と関係なく世界を動かす鍵として生まれついた人間がいる。」(訳・俺はそんな選ばれた人間なのだ。)「誰の為でもない。自分自身の為に成す…夢です。」(誰の為でもなく自分の事しか考えていません。)「俺を…酷い奴だと思うか?」(酷いことしてる自覚ナシ。)…そういえばこいつは昔から性格悪い奴だったよなあ~俺達を生贄に捧げるような非道な事しても不思議はないかもな~。)と合点がいってしまったようです。(できることならもっと早くにその性格の悪さに気づいて欲しかったです…。)ガッツをズタズタに傷つける為にゴッドハンドへの転生を自ら望んだグリフィスでしたが、それは裏を返せば自分以外の事を考えられないようにする為(だからガッツにとってかけがえのない仲間達は消えて下さいという事に…。)でその点を踏まえると今現在グリフィスの事を忘れてキャスカと幸せに暮らす為に歩んでいるのはある意味「最高の復讐」と言える(これもまた「復讐の旅」と言える。)のですが、その辺を分かっておらず満足感に繋がらない辺りが彼の悲しい所です。気持ちの切り替え(後は頭の回転の良さ…?)さえできればそれなりに納得できる人生を歩めたはずなんですなんですけどね、この人。

 キャスカ…ジュドー「…連れてけよ。無理矢理でも何でも、今度こそ。でないと、あいつ…今度こそグリフィスの為に一生を犠牲にする事になる。」

おそらくジュドーのセリフの続きはそんな言葉が続いたのだと思います。グリフィスの妄想(未来予想図?)ではキャスカは彼とガッツの子供と3人で暮らす情景が描かれおり本人も「自分はこの暮らしの方が向いている。」と言っていますが(男達の上に立って軍隊をまとめていたバリバリのキャリアウーマンがそんな悲しい嘘つかないで下さいよ…。)それは「これが自分で選んだ選択の結果だから仕方ない。」という諦めの上に成り立っている満足感でしょうし息子ガッツにしてもグリフィスは実の父親と自分を生き別れにした要因に違いなく、グリフィス(だけ)にとっては悪くない生活でしょうが周りの人間が強いられている犠牲を考えると(それで当人達が納得しているとはいえ)やはり幸福とは言い難い生活のような気がします…。この巻で彼女がグリフィスの元に残る事を選んだのも「あんなに震えて小さくなっているグリフィス」が可哀想だからという同情であり、グリフィスも別にキャスカを異性として愛しているわけではなく(キャスカに縋りついたのは彼女さえ残ればなし崩しに恋人のガッツも残ってくれるだろうという計算でしかない。その計算、途中までは上手くいっていたんですけどね。)互いに愛情が無いのに縛り付けられる生活を送るなんて…という不毛さがジュドーには見えていたんでしょうね。ここで彼女がグリフィスを選んだ事から、正気を取り戻したらキャスカはグリフィスの元へ行くのではないかという意見もあるようですが、現段階を比べると五体満足なグリフィスよりも片目と片腕と仲間を失ったガッツの方が明らかに可哀想勝負では勝っているので多分絶対にガッツの方を選ぶかと思われます。今、正気さえ取り戻したらガッツもキャスカも幸せになれるのにね…と改めて思ってしまいました。

 グリフィス…「私にとって友とはそんな対等な者だと思っています。」

そのセリフはシャルロット姫へのカッコつけで言っただけで何の意味も無かった(そもそもこの人はそんな「対等の人間」が欲しいとは願っていなかった。)のによりによった2人に顔面通りに解釈されてしまったせいで別れを招く羽目になってしまいました。(どうして終わったりなくしたりしてから、いつも「そういうことだったのか」と気がつくんだろう?)そう、こうなったのは誰が悪かった訳でもなく全部自分でまいた種だったのです。だからこそグリフィスは「2度と自分の夢を裏切らない」(そして今度こそガッツの方を忘れる)為に夢に向かって(馬車で)走り出す訳ですが、触れられてしまったら肩を摑まれてしまったら思い出してしまわざるを得なかったん…でしょうね。(セリフの続きは「二度とお前を…忘れられなくなる!」というのに1票。)そこまでガッツを愛していても彼はもう自分の手には入りません。どうやっても手に入らないのなら殺してしまっても…構わない!(8巻。お別れ時の勝負風に。)と蝕では最悪の選択をしてしまってしました。城が色あせるほど大切な存在であるガッツ(と10巻で言っていた。)を捨てて城の方を選ぶグリフィス君。大切な人間が一人もいない空っぽの城なんて手に入れてどうするよ?という現実はもう問題ではありません。ガッツを完全に失ってしまった今、彼にはもはや夢しか残っていないのですから

 コルカス…「訳も分からねえうちに罪人にでっち上げられて、1年間森の中を虫けらみたいに逃げ回って、仲間も半分以上殺されて…。」

以上の鷹の団の皆さんの(無駄に味わった)苦労を踏まえるとたかが男1人に振られた程度のグリフィスに同情心はどうしても湧かないです…ゲフッ!ミッドランド王国にこだわらなくてもグリフィスさえいれば他の国でも出世できるから自分達はまだまだこれからだ!と希望を持っていたのに(考えてみると現金な希望だな、皆。)当のグリフィスが要介護の重病人になってしまったせいで自分達の戦は最悪の形で終わってしまったと思い込んでしまったようです。手足も口も不自由とはいえグリフィスの頭の中はボケることなくしっかりしているしミッドランド国王はそれから数年で崩御することになるし(ネタバレだろ!)しっかりお別れしたにも関わらずシャルロット姫は(何故か)未だにグリフィスを待ち続けているのだから数年他国で我慢して王様が死んだ後で「やっほー、戻ってきたよ。」と車椅子にでも乗って会いに行けば元の地位に返り咲くことが可能(シャルロット姫と結婚して国王様になるのだから、むしろ元の地位以上。)なのですが、皆さんそんなことは分かっていませんでした…ゲフッ!半分以上仲間が減ったとはいえ見開きページでも相当数の兵士が残っているし(傭兵団としてはちゃんとやっていける人数が残っている。)あそこまで嘆かなくても皆さんまだまだこれからという状況なんですけど…ね。

 ジュドー「立ち上がれない奴は捨ててけ。それが戦場の鉄則だろ。」

それなのに放り出されないで面倒見て貰えるなんて恵まれていますよね、グリフィス君は。(ここで捨てて行けば残ったメンバー達も死ななくて済んだのにね…ゲフッ!)「2度とお前を…」のセリフについては「2度とお前を…愛せない!」「2度とお前を…友と呼べない!」というその後の悲劇を踏まえた意見が主流のようですが、この時のグリフィスにはそんな未来を予測するような余裕なんてなかったように思えるんですよね。(予測していた所で自分がノーとさえ言えばその悲劇は回避できる訳ですし。)グリフィスにも妖精ロシーヌにもナメクジ伯爵にも共通することですがベヘリットを使って異界の扉を開く条件というのは「自分の大切な人間が思い通りにならなくて絶望している気持ち」が鍵であり、その後の悲劇は結果論です。(生き残った伯爵の娘テレジアのように選択の如何によって結末は変えられます。)「自分の全てとも言える大切な人間を超人の魂を得る事で殺して貰う」…全く矛盾している。そんなに愛しているのならガッツに「何でもいいから連れて行って下さい。」と土下座して頼んで今度は自分が「夢にぶら下がる側」になればいいような話だ。(解説本「ベルセルクの謎」伯爵解説風に。)と最後までプライド大事の選択をしたグリフィスにやはり共感はできずに、そうやってしょうもないプライド抱えているうちはマトモな恋愛なんてできるわけないよ(え?恋愛?)とツッコミを入れてしまいました…ゴフッ!おかげで巻き添え食って殺される仲間達も、恋人の目の前で犯される羽目になるキャスカもいい迷惑です。ケンカは当事者だけでやって下さいと改めて思ってしまいました…ゲッフン!

ベルセルク⑬

2011.11.06
 映画は2月公開だそうです。私が見た時は1月公開予定とあった辺り制作は順調に遅れているご様子です…ゲフッ!(まあ「予定」は未定ってことだから…。)という訳で久々に読み返してみましたが最も濃い巻です。(購入当時、表紙からして嫌な予感はしていたんだけどね…。)内容的には14巻の内容も含んでいますが(ロスト・チルドレンの章とは話が違うので記事更新時には割愛した分。)きりよく鷹の団偏終了まで、という事で一緒くたに語ることにしました。

 ガッツ…残り香を追ってきた使徒を斬った「あるじゃねえかよ。もっと俺向きの武器が!」と言うシーンにて
「ガッツの攻撃力が2上がった。」(2だけ!?弱いなこの剣!)
「今ならこの剣に内臓も付けてたったの2万9千8百円!」(ガッツさんて本当に商才ないなあ…。)
「隠し味に内蔵をちょっとだけ。」(料理に大人の苦味が増します。)
というセリフ入れ替えネタに吹いてしまいました。

ちなみにこの剣(ドラゴン殺し)人間が振り回すのは物理的に不可能なんだそうです。ガッツが使徒の皆さん達に「お前、本当に人間か!?」と驚かれている理由がよく分かります…ゲフッ!今回の蝕では凌辱の対象から外れていた(どうやら使徒の皆さんは男に興味は無いらしい。)にも関わらずグリフィス転生後まで生き延び(他の鷹の団男メンバーは全員その前に食われている。)キャスカ凌辱を見せつけられた後は都合よく髑髏の騎士に連れ出され(本当だったら見せる物も見せ終わったし、と皆に食われて終わるシーン。)運良く食い散らかされずに残っていた別隊のリッケルトが超都合良く持ち合わせていた妖精の粉のおかげで命をつないだ(片腕はもげてるし普通だったら十二分に致命傷となっていた事でしょう…。)物凄く運のいい剣士さんです。(生まれた時も息を吹き返した挙句にその場でシスに養子にされ、ガンビーノ殺害後も超都合よく通りかかった傭兵団に拾われ…自然に描かれているけど実は物凄く話が出来過ぎてるというか運が良すぎませんか?)悲しいのはその運の良さが彼の幸福には決して繋がっていない所でしょうか?というわけで、彼はこの先コルカスを食った女悪魔やピピンを食ったナメクジ伯爵、リッケルト隊を食い散らかした妖精ロシーヌなど使徒全員を倒す為(何十体いるんだろう…?)復讐の旅に出るのでした。ゴッドハンドも全員倒してしまえば烙印は消えるのか、復讐を成し遂げた所でその後の人生どうするのか、不安の尽きない旅路です…ゲフッ!

 キャスカ…グリフィス(フェムト)との濡れ場のシーンにて彼女が性的に感じていることから「和姦に見える」というトンチキな意見をネットで見かけましたが(どんな女だよ?)既婚者の友人曰く「確かに心が体の反応を後押しする作用はあるもののそれは所詮『多少』の効果でしかなく最後に物を言うのは結局相手のテクニック次第。」(その証拠にどんなに「愛してる」相手でも三こすり半ではイけないんだとか…そ、そこまで赤裸々にお話しなさらなくても…ゲフッ!)だそうなので性的に感じてる=合意とは違うと思うのですが…。(それはただのレイプ犯の言い訳である。少なくとも私にはあれが愛情の上での行為にはどうしても見えない。)この経験の精神的ショックから彼女は精神退行を起こしてしまいましたが、心と体の連動性はともかく愛情とアレの技術は別物なんだからそこまで気に病んで自分を追い詰めることなかった…のに…。キャスカも40代を超えて腹のたるんだオバサンになった頃だったらその辺も理解して「あれは1回きりのアクシデント。1夜のあやまち。」と気持ちを切り替えることができたろうにね(腹のたるんだオバンの濡れ場を読者が望むかどうかは別として)と悲しく思ってしまいました…ゴフッ!

 フェムト(グリフィス)…そうか、あれは黒い鎧風の服を着ているのではなく素っ裸なのか…恥ずかしい男だな、オイ!)と、キャスカとの絡みを見て実感してしまいました。(注目すべきはそこじゃありません。)ホモの中には好きな同性を異性に取られるのが嫌で自分がその異性と寝ることで相手に「恋人」ができるのを妨害する人間がいる(「戒音」では友達の彼女を寝取った挙句に証拠(事後)を見せつけ「こんな女もう飽きちゃったからあげるよ。俺の『お下がり』で良ければね。」と言い捨てる迷シーンが描かれていた。相手に恋人という「自分以上の存在」さえできなければ友情の持続はどうでもいいらしいです。)そうですが、もしかしなくてもその典型的パターン…です…よね…ゲフッ!ガッツのことが好きならヤる相手が逆だろ!と(男同士のムフフな絡みを読者が望むかどうかは別として)友人にもツッコミを入れられていました。アレは自分を置き捨てて己の道を進み始めたガッツへの、自分がいない間に最愛の人(ガッツ)を横取りしたキャスカへの復讐でもあったのでしょうが、その中でも復讐の「道具」扱いされていたキャスカが哀れでなりませんでした…。人に対してそんな扱いばかりしていたら「夢のおこぼれで豊かに暮らしていく部下」はともかく「対等の者」は離れていくだろうなあ、と性格の悪さに改めて納得もしてしまったり…。

 ジュドー…今更ですが(登場から9巻も経った後で本っ当に今更ですが)ジュドーという名前はもしやビードルズの「ヘイ、ジュード」「あの子の心をがっちり掴んじゃいなさい、そうすることが幸福になる1番の方法なんだよ。」という歌詞の歌。)から取ったのでしょうか?キャスカへの思いを秘めたまま肝心な時に器用になれなかった死に様には思わず涙したと同時にキャスカが暴行を受けたのは彼が死んだ後の話で本当に良かったと痛感してしまいました。(いや、良くはないのだが!)自分が文字通り命を掛けて守ったはずの女性が直後にあんな扱いをされたと知ったらきっと死にたい気持ちになるでしょう、から…。(…死んでるけど。そういう問題じゃなくて。)そんな訳でジュドーの純な気持ちまでないがしろに扱ったことも踏まえてやっぱりグリフィスは人として許せないです。安易な選択でどれだけの人間の心を踏みにじったのか少しは考えて欲しいです。

 コルカス…最後まで何となく笑える人だったね、と妹にも言われていた情けな系隊長。いつまでたっても、最期のシーンでもそういうキャラでしたが、こんな人生の哀愁を感じさせるしょうもないおっさんだからこそ好きだという人もきっといるはずです。(解説本「ベルセルクの謎」ではけっこうボロクソに言われていましたが。それもまた良し!←オイ!)むしろ人は普通に現実逃避する場面でしょう。この後彼は女使徒に抱かれて(食われて)終わってしまいましたが、この使徒は第1巻(2年後)でガッツが退治しています。だから君の仇はガッツが物語開始わずか5ページでしっかり打ってくれたよ!と慰めを入れてもみました。そんな訳でこんな人間らしい魅力あふれた人々を自分の為に犠牲にしたグリフィスはどんな事情があろうと最低だなと再度思ってしまったり…。

ミスタージパング

2011.11.02
 今年の大河ドラマの主人公が信長の姪っ子の「江」なので、関連人物漫画として読み返してみました。竹刀が戦国末期にようやく発明された物(しかも一般的になったのは江戸時代になってから。)でそれまでずっと木刀を使っていた(怖いよ、刃が無くても棍棒でどつき合ったら人は死ぬじゃないですか…。)事や、温泉が元々は効能を「霊験」と称して寺院が始めた金集めだった(へんぴな場所でも温泉さえあれば人は集まる。)事などトリビアも満載でよく調べられているなあ~と感心しました。
 しかしそれはそれとして「先の展開が分からない」事を売りにしている少年誌で連載するには有名過ぎる人物を主人公に選んでしまい、歴史物(調べればどんどん事実というかこの先起こることが分かってしまう物語。)というだけでもキツイのに色々間違えてしまったなあ~とも感じてしまった話でもありました。(そのせいかラスト付近では物語が迷走を始めている…ゲフッ!)「花冠のマドンナ」(さいとうちほ)や「海のオーロラ」(里中満智子)みたいに主人公はオリキャラにして史実上の人物と絡ませていくという手法を取れば良かったのにね、と思ってしまいましたよ…。(「なんで一般人のヒロインの側に歴史上の偉人がいるんだよ。その状況自体あり得ないから!」という最もなツッコミを弟から頂きましたが…。)

 織田信長…従者の森蘭丸とはホモな関係で結ばれていたというのは密やかに有名な話。(「威張りくさった先輩達好みの美少年達が無理やり寝所に引っぱり込まれてやりたい放題ヤられていた。いやらしい世の中だ。」という秀吉の寺時代回想からも分かるとおり、日本はむしろ中世の方が同性愛は盛んだったのです…。そんな過去のせいか秀吉はあの時代には珍しいノン気の男として一生を終えていました。)最後に数百年前のモンゴルに行く際、蘭丸まで道連れにしていた辺りは愛人を一緒に連れていくのかよお前!と個人的にかなり焦ってしまったり…ゲフッ!と、それは置いといてもいくら彼が奇襲戦法が得意だからと言って彼が後のチンギス・ハーンとして活躍するとほのめかす終わり方は源義経がチンギス・ハーンになったという逸話以上にモンゴルの人達に失礼な展開ではないだろうかと個人的に物凄く共感はできませんでした。男の愛人を連れて行っていることといいアンタは男として色々間違ってるだろ!とツッコミ入れまくりのラストでした…ゲフッ!(「細かいことは気にすんな!」って言われても…!)

 木下藤吉郎(日吉丸)…いや、そりゃ序文で歴史物をやるなら主人公はオリキャラがいいとは言ったけれども、話がだいぶ進んでから今更になって実はこの人は本当の「秀吉」ではなくて運良くここにいるただの人なんですよという展開には怒りを通り越して悲しくなってしまいました…。本人が歴史から文字通り消えてしまったことでパラレルワールドから来た秀吉が「時空の必然」として後を引き継いだらしいですが、それにしたって展開が強引過ぎるような…。ともあれ「運命で決まった道を歩いているなんてただの錯覚」という彼の言葉通りに「日本の王になる」という予言は外してしまいました。最後まで「ただの人」止まりで終わってしまった展開には本当に主人公かこの人!?(しかも最後の話「本能寺」3話分には最後の数ページしか出てこない。最終話なのに…!)と心から切なくなってしまったり…ゲフッ!思えば哀れな主人公です…ゴフッ!

 ヒナタ(ヒカゲ)…彼女のような使いっぱしりレベルが「下忍」であって実践特殊部隊が「中忍」、「くのいち」には「女の可愛い見かけに騙されてくれる」男を利用する側面もあったなど忍者に対しての認識(漫画のような実戦行動部隊はごく一部で情報屋・情報戦略家としての人間が多い。)が深まってしまいました。日吉(秀吉)に想いを寄せる女予言師ですが、秀吉の永遠の憧れの人は信長の妹のお市様であり、それが高じて後に彼女の娘の茶々を側室にし、それはそれとしてその前におねと恋愛結婚をすること(そしてその他にも側室は多数の好色ぶり。)を知っていた私としては一体この後どんな女の泥沼関係が描かれるのかとワクワクしていた(するな。)のですが日吉丸のオリキャラ移行より恋人を一人で独占する美味しい展開を我が物にしていました。2重人格であり1度人格が統合されて「ヒカリ」という一つの人格にもなったのですが読者に不評だったのかいつの間にやら再度二重人格に戻っていました。砂に埋もれてボロボロだった銅鐸もどうやって掘り出したのか不明ですし色々謎が残ってしまっているキャラです。

 帰蝶(濃姫)…輿入れの際に父・斎藤道三から短刀を渡され「信長が噂通りのうつけならこれで刺し殺せ。」と命じた所「この刀、場合によっては父上に向けるやもしれません。」と答えたという逸話は有名。…ですがこの他に彼女に関するエピソードは無く(この漫画のように一緒に遠乗りに行ったという話も聞かない。)信長が他の女達に20人以上も子供を産ませておきながら彼女との間にだけは子供が生まれていない所から考えても道三と信長を結ぶ重要なパイプ役にはなっていたものの美濃のスパイとして信用は置けない女で恋愛的な交流はあまり無かったのではないかと思えてしまったり…。漫画上の彼女だけを見るとビジュアル的には「美人」には見えない外見で(あの太い端まつ毛が微妙。)性格的にも怖いし(秀吉に対して電撃が…!それは別としても光秀への扱いを見ると性格は悪いと思えるのです。)信長が吉乃と浮気してるシーンでは思わず「そりゃ浮気したくもなるわな。」と大いに納得してしまったり…ゲフッ!しっかり者には違いないんでしょうがあまり好きにはなれなかったキャラでした…ゴフッ!

 明智十兵衛光秀…奥さんの妻木煕子が婚礼直前に天然痘にかかり、醜いあばたまみれになったのを(替え玉の妹を見抜いて)「私は心映えの美しい煕子殿こそを妻にと望んだのです。」と構わずに娶った話は有名です。(そして煕子が死ぬまでは一人の側室も置かずラブラブ一直線だった。)そんな見た目よりも中身を選ぶ男が「男の中では貴方が1番条件がいいから」と愛もないのに計算と打算で相手を選ぼうとしている女(話中の帰蝶姫。)に魅かれるとは到底思えないのですが…ゲフッ!後の光秀と信長の確執(本能寺の変)をより深めるための伏線のつもりだったのでしょうか…?(確かに光秀と濃姫は従兄妹関係にも当たりドラマの中には「互いに淡い恋心を抱いていたけれど身分上釣り合いも取れずに縁談をきっかけに自然消滅した」的な解釈をしたものもありましたが…別に従兄妹同士がいつも淡い恋心を抱くとも限らないですし、なにより光秀の煕子一途ぶりを見ていると縁なんて始めから無かったようにしか見えない…ゲフッ!)無理やりそんな可哀想な要素(当て馬役)までやらせないで純粋に仲の悪さだけに焦点を当てて欲しかったです…ゴフッ!

 平手正秀…信長の教育係にして織田家の家老。信長のうつけ言動に常日頃から頭を悩ませていましたが葬儀の場で父親の菩提に灰を投げつけたという突拍子もない行動にとうとう責任を感じて織田家の墓の前で切腹して果てたそうです。(元々頭の固いご老人だったので、うつけの裏にあった信長の真意を汲みとれるほどの器量の大きさは無かったのです…。)話の中でも胃痙攣と吐血と下血と発熱で倒れていた(症状多すぎ!)とあるように細かいこと(で、済まされるほどのうつけ言動でもないのだが…。)を気にし過ぎてしまう性格で最後まで信長の味方ではあったもののついては行けなかったのでしょうね…。そんな小心者な彼なので「普通とやり方は違うけど実力はちゃんと持ってんじゃん!」と酒飲んで笑い飛ばすような剛胆さはまずあり得ないかと…。信長を周りの人物に認めて欲しかったという作者の気持ちは分かりますが、それでも我が道を突っ走るのが信長であって、周囲の評価を気にしないからこそ本能寺の変も起きたのであって平手さんの性格を変えてまで認める姿勢を取らなくても良かった…ような…ゲフッ!

 天回…天回というのは信長を殺した明智光秀の偽名と言われています。光秀は「本能寺の変」の3日天下(正確には11日。)で秀吉に攻め滅ぼされた時に上手く逃げのびて天回という名の坊さんとして生きていたという1説が…一応あるにはあるのですが、史実では農民の竹槍で突き殺された後死体は秀吉の命令で磔の状態で家老共々晒し者にされていた(絶対多数の人々が彼の死体を確認している。家老の娘だった春日局も父親の死体を見たそうな。)ので死んだことが間違いだったというのはまずないでしょうね…。この話では未来から来たマッドサイエンティスト(光秀とは別物。)として完全に悪役として描かれていますが、むしろ訳が分からなくなるので史実以外の展開は避けた方が良かったような…。松下加江(加兵衛)といい一生懸命「オリジナル要素」を入れようとしたのは分かるのですが歴史物を描くのなら掲載するべき雑誌が違うし史実を大きく逸脱しちゃダメでしょともツッコミを入れてしまいました…ゲフッ!

ベルセルク14~16

2011.11.01
 最新刊発売を記念してちょっと過去の巻も読み返してみました。(発売したのは2か月前だよというツッコミは却下。)ロスト・チルドレンの章こと偽妖精の章です。(と、縛鎖の章ことファルネーゼ編。独りよがりな独善的女の自己分析ばかりで共感できないだけに正直読んでて辛かった話。)過去編が終わって話は面白いけれど勢いは少し落ちたなあと当時は思ってしまったものの、今の話の落ちぶれぶりを見ると全然OKに思えてしまいました。昔は面白かったのに…ね。(と、言いつつも最新刊が出るたびにしっかりリアルタイムで買っている私でした…ゲフッ!)

 ガッツ…カブトムシ型使徒「貴様ほんとに人間か?」
ガッツ「てめえらに言われたかねえよ!」

この頃はノリツッコミも冴えていたガッツさんです。発刊当時「『現在』はどんな話だったっけ?」と1~3巻を読み返してガッツの顔が馬顔化したことに気づき、衝撃を受けた事を思い出しました。(いや、綺麗な絵ではあるのだが…。)今でこそ狂戦士の鎧頼みで戦っているドーピング剣士ですが、この頃の戦いぶりを見ていると鎧なんてなくても全然大丈夫な気がしてくるから不思議です。(実際に身一つで使徒には勝ってるし。)相手が子供だということでさすがの彼にも「ためらい」が生じてしまっている辺りどんなに凄惨な戦いぶりをしていてもこの人にはまだちゃんと人の心が残っている(でなければジルに気づいてハッとしても「お前、邪魔!」と一緒くたに斬り殺しているはずなので。)と感じて密やかに嬉しくもありました。子供を囮にして敵を倒していることを村人が非難していましたが、そんなことはせめてドアを開けて助けようとしてから言えというガッツの言葉に皆返す言葉を失っていました。いじめに関しての真理ですが傍観者が1番悪いんですよね…。(何故ならば加害者という悪者の立場にもならず、被害者といういじめを受ける側でもない1番美味しい立ち位置だから。)

 パック…全裸妖怪モンブランとセリフ入れ替えネタでも言われていました。時系列が「現在」に戻ってから三浦先生本人にまでキャラが変わったと書かれている通り(自分でツッコミを入れないで下さい、三浦先生。)すっかりコミカル系キャラに変わってしまったエルフ君です。でもカラスの羽むしり(したせいでカラスに突つかれて大ケガ。)や欽ちゃん走り(その後目玉の「ボール」に固まる。)などこの頃のギャグはまだ笑えたなあ…(今の巻では話の内容だけでなくギャグもなんだか中途半端でパンチが効いていない…ゲフッ!)と改めて過去を懐かしんでみたり…ゴフッ!16巻かけて(長!)初めて名前で呼ばれたり(それまでは「チビ」扱い。仲間を妖精(ロシーヌ)に殺されたのでは生理的に嫌悪巻を持ってしまうのも無理はないが…。)ガッツには少しずつ仲間として認められてきました。(16巻かけて…ね。途中の長~い過去編では出番さえ無かったのがより泣かせる。)この頃はまだ8頭身状態でシリアスなセリフを言っていたりもしましたが完全にギャグキャラと化し2頭身栗状態しか見られなくなってくるのはこれからです…ガフッ!

 ジル…炎に囲まれて妖精の卵の羊水を死体ごと浴びれば大丈夫という案に「絶対いや!」「黙っていうこと聞きやがれ、このバカ娘!」というシーンにて
「お願い働いて!」「やかあしゃー!働いたら負けなんだよ!!」(「ジル=真面目な男運ゼロ」というイメージが強いのかこれ系の応募は多数あったそうな…ゲフッ!)
「私…今日で30歳になったんだけど!」「何言っても結婚はしねえぞ!」(どんな関係なんだろう…?)
「50万まで即貸しますって…!」「アンタにはもう300貸しとるわ!」(悪徳パック金融から300万も借りるとは…!)
などなどのネタの数々に吹いてしまいました。
という訳で今章のヒロイン、ジルについて。父親の飲み友達に手を出されそうになって、森に逃げ込んだら山族に捕まってまたも手を出されそうになっていた不運な少女です。(ガッツについて行こうとした時も怨霊達に体を奪われそうになっていたしどこへ行っても体を狙われているのかこの子は…。)「逃げのびた先にあるのはやっぱり戦場だけだ。」というガッツのセリフはキャスカの傍から逃げたのに未だに苦しみながら戦っている彼の境遇とダブって改めて色々感じてしまいました。どこへ行っても人間というものは変わらないものなんです。(自分も含めてね。)逆に言えば今ここで上手くいかないことが違う環境でだったら上手くいくという展開もあり得ない。だからその場所で頑張るのが正解…なのですが現実には逃げている人はいっぱいいます。(ガッツも実はその典型だしね。)ちゃんと自分の場所で頑張る決意をしたジルは子供ながら偉いと言えるでしょうね。貞操に気をつけて頑張って戦って下さい!(オイ!)

 ロシーヌ…ロシーヌ「これが本当の私ってわけよ。」
ジル「…それはいいけど服着たら?ロシーヌ姉ちゃん。」

ナメクジ伯爵(テレジアの父ちゃん)は一応、人間時に服を着ていたのに…。パックといい服着てよ恥ずかしい!(売ってないんだよ、チクショー!)とツッコミを入れてしまいました。全てが終わってしまった後になってから「ごめんなさい、お父さん、お母さん。」と謝っていましたが…彼女のしてきたことは謝って済むような軽~い話ではないような…。(そしてガッツの仲間達他、食い散らかしてきた人達に関しては謝らないんですか、貴女は…。)漫画上では描かれてませんが彼女も思念のるつぼに飲み込まれてしまったことは間違いなくそれを考えると哀れな少女ですが同情するにはしてきたことが残虐すぎて共感しきれなかったり…ゲフッ!(仲間にする為という自分の都合で攫われて変貌させられた子供達のことがどうしても気になる…!)家庭的に辛い目にあってきたのは分かりますがそれは親を殺していい理由にはならないし(父ちゃんはともかく母ちゃんの方はいい人に思えるので…。)子供ゆえの残虐性で許されないほどの被害を出しているせいで最期はいまいち感動しきれませんでした…ゴフッ!

 ファルネーゼ…この頃はまだサドのマゾという真性の変態にして実家の権威以外何のカリスマ性も無かった頃の彼女です。騎士団長という「高い地位」があっても肝心の人望が無ければ周りに人は集まらないガッツの言う「拝んでいる偶像と同じで中身がすっからかん。」という表現は的を得ていたと言えましょう。(人間、本当のことを言われると怒るんですよね…。それにしたって拘束具で抵抗できない人間に鞭打ちの刑は酷過ぎだと思いますが。)うちの妹はその孤独に対して同情していましたがそうなった要因は全部自分自身が招いてきた種なので私は同情できませんでした。(むしろ平手打ちや鞭打ちとか周りの体罰を受けている人間達の方に同情…。)同じ団長の立場でキャスカの周りに人がいたのは彼女本人が最前線に立って傷だらけになりながらも軍を率いてきた尽力に対しての評価であって後方で偉ぶる以外何もしない人間(しかも剣の実力も指揮力もない。)がトップなんて部下にしたらそれだけでもムカつく存在ではないでしょうか?最後の「殺して口を塞がなきゃ。」という考えも「気にいらないから全部消えちゃえ。」という子供の発想に他ならず共感はできなかったり…。どちらかといえば逆セクハラ&SMプレイを強要された挙句に従者から斬りかかられたガッツの方に余程同情してしまいまいた…ゲフッ!
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