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洗礼④

2011.12.28
 まさか、まさかの展開の最終巻です。今までの展開を「脳移植なんてそんな、まさか。」と思いつつも信じて疑わなかった私としては最終巻でさわやかに騙された感を味わいました。「娘の体を乗っ取った母親の話」ではなくて「娘の体を乗っ取った母親を演じる娘の話」(ややこしいなあ、もう!)だったとは夢にも思っていなかったのであの終わり方には救われました。怪物など外界からの恐怖ではなく人間の内面から来る恐怖を描くのに楳図先生以上の人はそうそういないのではないでしょうか?まさに人間心理からくる恐怖を描いた第1級の作品と言えます。思わず1巻から読み返してしまいました。

 上原さくら…登場人物、読者を含んだほとんどの人間は彼女に秘密(脳移植。)があると信じてそれを暴こうと躍起になっていましたが実は秘密なんて始めから無くて全てはさくらの妄想だった(それはそれで危ないが。)というまさかの展開を盛り上げてくれた主人公です。(ということはガス事件、ゴキブリおかゆ事件、ムカデの自動車事故事件等々は全て母親でなくこの子の頭で計画した物ということになる。そう考えると許し難いキャラでもある。)その妄想に騙された者に囲まれた中で1人だけ正気の者がいたとしたらはたしてどちらが異質と見られるだろうか?と谷川先生も言っていますが(セリフを読み解いてみるとここでいう「正気の者」って妄想に浸かっているさくらじゃなくて谷川先生の事では?)その通り全てはまやかしだったのです。1巻から読み直してみると「今度こそは普通の女の幸せをつかむわ。」と言っていた母親のセリフをさくらは震えながらも聞いていたし(しかしあれで普通の生活といえるかは大いに疑問ですが。)幼い頃から女優業をやっていてプライベートの無かった母親の人生を探るのは案外簡単なことだったんでしょうね。(リバイバル映画が大スクリーンで再放映されているくらいだし人気があった分関連事項も見つけやすかったのでしょう。)ところで、谷川先生宅、良子さん、廃屋に生き埋めにした中島さん、殺害した記者(正確には前方不注意によるひき逃げという事故だが、展開を考えるとさくらが殺したも同然な気が…ゲフッ!)と水に流すには多大すぎる迷惑をかけているのですが、事後処理はどうなるんでしょう?

 上原松子(若草いずみ)…1週間以上飲まず食わずで生き埋めにされていたのに何故か無事だったさくらの母親です。(そもそもどうやって呼吸ができたのだろうか?)絶食の影響か少しスリムになっています。彼女の子供時代の写真に良子さんがハッとしている辺りさくらはやっぱり母親似のようですね。物語は彼女が美しさを失う事を恐れるあまりの強迫観念から架空の医者を捏造する所から始まりますが、改めて読み返すと当時のアパートの壁中に自分の写真を飾りまくっていた(しかも全部大判ポートレート…ゴフッ!)ナルシストぶりが分かり改めて引いてしまった女性です。さくらが成長した後も「信じられないだろうから持ってきてあげるわ。」と持って来たのはやっぱり大判ポートレートで(そんなに美しく取っておいたんなら飾っておけば?)よっぽど自分大好きだったんだなあ~と改めて認識しました。でもね、人間最後にものを言うのは見た目の美しさでなく心の美しさなのよ…と、言った所で見た目の美しさだけで十年以上も稼いできた人には響かないんでしょうね、きっと。

 谷川先生…今回の事件で1番迷惑を被ったご家庭。(特に奥様。)先生自身は知ったかぶりで物語をまとめていますが、和代さんの立場からすると「妄想だからしょうがないよ。」と軽~く流せるかどうかは大いに疑問だったりもします。(私なら「取りあえず気の済むまで殴らせろ!」と暴挙に出てしまいそうです…ゴフッ!)最後は奥様の方も熱で倒れてしまったし、おばあちゃんは交通事故で入院したままだし(さくらといい松子といい女性陣は入院してばっかりです。)本当にあれでいいのか、許せるか、と被害状況を考えるとやっぱり今一つ冷たさを感じてしまう旦那様です。(いや、男とはそういう生き物なのかもしれないけれど。でも嫉妬深い女としては納得しきれないものが残るのよ、先生。)

 良子さん…小学生であそこまで友情に殉じることができるのはすごいと思いました。(現実は厄介事に関わりたくないとばかりに遠のいていく人がほとんどなのですが。偉すぎます。)あの広大で不気味な屋敷で子供2人で過ごすだけでも怖い上に、母親の埋め立て場所から手が出てきたときにはパニックを起こさずさくらと共に逃げ出そうとした(ほとんどの人は怖さの余り1人で逃げるだろう。)勇気には感銘を受けました。地味系だけど(禁句。)とてもいい子ですよね、彼女。

 「蛇」…どう考えてもワシントン条約に反しているとしか思えない大蛇(日本の蛇があれだけ巨大になるとはとても思えない。絶対密輸物だろう。)と共に家に閉じ込められた少年の話です。義母に化けた大蛇はおそらく葉山かおりさんの顔を知ってその上で同じ顔に化けたのでしょうね。(車にはねられる前から父の隣の助手席に座っているなんて芸当は不可能なので。)ともあれ、これで少年が義母に不信感を持つのは確定的で(同じ顔じゃなあ…。)その後の家庭生活に不安を覚えた話ではありました。

 「幻の蝶」…森に迷い込んだ人間と幻の中で愛し合った蝶の話です。冬の只中に花の咲き乱れる森が果たして存在するかという疑問(禁句)は置いておくとして幻想的な話で気に入ってます。あのお兄ちゃんには命が助かる際に見た不思議な体験を忘れずにいてほしいです。それにしても口移し以外食事方法は許されないのでしょうか、ね?
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コメント

始めましてミントです。
洗礼は、1974年頃に連載されて
さくらの母上原松子さんは47歳。
戦前に生まれ、戦争(第二次世界大戦)体験者
でもある。
さくらに渡す財産300万!?
あの時代の物価でも…
彼女が成人する迄のにしては
二千万くらいいるんじゃ?
ラストの想像は、良子さんが
「さくらちゃんもういないのね」
だったんですけど
最終回のその後の一コマも実は あったんです
お金は結構あるんじゃ。
いざとなれば、あの家を売るか人に貸せば
良いし。
あの屋敷二人には、大きすぎるし。
貸して家賃収入も良いんじゃないかと

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